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おり【折】ヲリ🔗🔉

おりヲリ ①折ること。また、折ったもの。「―本」「二の―」 ②折箱。折箱につめたもの。折詰。また、折箱を数える語。「赤飯の―」「菓子一―」 ③季節。時季。「暑さの―」 ④機会。その際。場合。「―をみて」「出かけた―に」 ⑤幾度もくりかえすこと。古事記「八塩―」 ⑥折り重ねたものを数える語。「半紙一―」 ⇒折に触れる ⇒折もあろうに ⇒折も折

おり‐あい【折合い】ヲリアヒ🔗🔉

おり‐あい折合いヲリアヒ おりあうこと。妥協。「―が悪い」「―がつく」

おり‐あ・う【折り合う】ヲリアフ🔗🔉

おり‐あ・う折り合うヲリアフ 〔自五〕 対立した同士が譲り合って解決をつける。妥協する。おれ合う。「値段が―・わない」

おり‐あ・し【折悪し】ヲリ‥🔗🔉

おり‐あ・し折悪しヲリ‥ 〔形シク〕 ①折がわるい。時機がわるい。まがわるい。源氏物語総角「―・しき御なやみかな」 ②⇒おりあしく

おり‐あしく【折悪しく】ヲリ‥🔗🔉

おり‐あしく折悪しくヲリ‥ 〔副〕 (形容詞「おりあし」の連用形から)都合がよくないさま。時機の悪いことに。あいにく。「―先客があった」

おり‐いっ‐て【折り入って】ヲリ‥🔗🔉

おり‐いっ‐て折り入ってヲリ‥ 〔副〕 心をこめて人に頼んだり相談したりする時にいう語。切に。ぜひ。たって。「―お願いがあります」

おり‐い・る【折り入る】ヲリ‥🔗🔉

おり‐い・る折り入るヲリ‥ 〔他下二〕 ①折って中へ入れる。おりこむ。 ②言葉や意味をはさみ入れる。よみ込む。狂言、三人夫「汝等が名を―・れ、歌を一首詠め」

おり‐えいそう【折詠草】ヲリ‥サウ🔗🔉

おり‐えいそう折詠草ヲリ‥サウ 横に長く二つに折り、さらに縦に二つに折った紙に和歌を記した草稿。

おり‐えだ【折り枝】ヲリ‥🔗🔉

おり‐えだ折り枝ヲリ‥ 折り取った木の枝。また、造花をつけた枝。

おり‐えぼし【折烏帽子】ヲリ‥🔗🔉

おり‐えぼし折烏帽子ヲリ‥ 頂を折り伏せた烏帽子。侍烏帽子。

おり‐えり【折襟】ヲリ‥🔗🔉

おり‐えり折襟ヲリ‥ 洋服の襟やカラーの、外へ折りかえすように仕立てたもの。↔立襟たちえり

おり‐おり【折折】ヲリヲリ🔗🔉

おり‐おり折折ヲリヲリ 〔名・副〕 ①ときどき。そのときどき。おりふし。竹取物語「恋しからむ―取り出でて見給へ」。「四季―の花」 ②段々。次第次第。方丈記「齢は歳々にたかく栖すみかは―にせばし」

おり‐かえ・す【折り返す】ヲリカヘス🔗🔉

おり‐かえ・す折り返すヲリカヘス 〔他五〕 ①折って二重にする。二重に折る。「すそを―・す」 ②(詩歌などを)くりかえす。再びする。 ③来た方へもどす。引き返す。「20キロ地点で―・す」

おり‐かがみ【折り屈み】ヲリ‥🔗🔉

おり‐かがみ折り屈みヲリ‥ 礼儀作法。立居振舞い。おれかがみ。浮世風呂2「どのやうにやかましく申しても、―が直りませぬ」

おり‐か・く【折り懸く】ヲリ‥🔗🔉

おり‐か・く折り懸くヲリ‥ 〔他下二〕 ①折ってひっかける。 ②(矢などを)折ってそのままにしておく。保元物語「射向けの袖に立ちたる矢ども―・け」 ③(自動詞的に)折り返して寄せかける。平家物語3「白波しきりに―・けて」

おり‐かけ【折懸・折掛】ヲリ‥🔗🔉

おり‐かけ折懸・折掛ヲリ‥ ①おりかけること。 ②幟のぼりの上の乳に通すための折金。 ③折懸垣の略。 ④折懸灯籠の略。 ⑤折懸旗の略。 ⇒おりかけ‐いはい【折掛位牌】 ⇒おりかけ‐がき【折懸垣】 ⇒おりかけ‐だる【折掛樽】 ⇒おりかけ‐どうろう【折懸灯籠】 ⇒おりかけ‐ばた【折懸旗】

おりかけ‐いはい【折掛位牌】ヲリ‥ヰ‥🔗🔉

おりかけ‐いはい折掛位牌ヲリ‥ヰ‥ (壱岐で)墓場へ持参しておいてくる位牌。野辺位牌のべいはい⇒おり‐かけ【折懸・折掛】

おりかけ‐がき【折懸垣】ヲリ‥🔗🔉

おりかけ‐がき折懸垣ヲリ‥ 竹・柴などを折り曲げ、両端を地に刺したものをつらねて作る垣。おりかけ。謡曲、鉢木「山里の―の梅をだに」 ⇒おり‐かけ【折懸・折掛】

おりかけ‐だる【折掛樽】ヲリ‥🔗🔉

おりかけ‐だる折掛樽ヲリ‥ 神に酒をささげる器。竹を二つの節の外から切って中間を削ぎ、二つに折り曲げて両端に神酒をいれ、木の枝などにかける。 ⇒おり‐かけ【折懸・折掛】

おりかけ‐どうろう【折懸灯籠】ヲリ‥🔗🔉

おりかけ‐どうろう折懸灯籠ヲリ‥ 竹を折りかけて作った盆灯籠。おりかけ。〈[季]秋〉 ⇒おり‐かけ【折懸・折掛】

おりかけ‐ばた【折懸旗】ヲリ‥🔗🔉

おりかけ‐ばた折懸旗ヲリ‥ 旗竿の先端に横手をつけ四半しはんを通した幟のぼりの一種。おりかけ。 ⇒おり‐かけ【折懸・折掛】

おり‐かさな・る【折り重なる】ヲリ‥🔗🔉

おり‐かさな・る折り重なるヲリ‥ 〔自五〕 多くのものが上へ上へと重なりあう。尾崎紅葉、不言不語「露けき梢じょうじょうに―・るを」。「―・って倒れる」

おり‐かさ・ねる【折り重ねる】ヲリ‥🔗🔉

おり‐かさ・ねる折り重ねるヲリ‥ 〔他下一〕[文]をりかさ・ぬ(下二) 折って、上へ積み重ねる。畳んで重ねる。新拾遺和歌集「花の錦は―・ねつつ」。「古新聞を―・ねる」

おり‐がし【折菓子】ヲリグワ‥🔗🔉

おり‐がし折菓子ヲリグワ‥ 折詰にした菓子。

おり‐かた【折形】ヲリ‥🔗🔉

おり‐かた折形ヲリ‥ ①飾り物または贈り物を紙で包む時にその紙を折る方式。時代・流儀などによって、種類が多い。 ②赤飯などを贈る時、胡麻塩などを包む折紙。 ③紙を種々の形に折りたたむこと。

おり‐がね【折金】ヲリ‥🔗🔉

おり‐がね折金ヲリ‥(→)帯留1に同じ。 ②幟の横上よこがみの乳に通すための曲がった金。おりかけ。

おり‐かばん【折鞄】ヲリ‥🔗🔉

おり‐かばん折鞄ヲリ‥ 書類などを入れて携えるのに用いる、二つに折りたためるかばん。おれかばん。

おり‐きごう【折り記号】ヲリ‥ガウ🔗🔉

おり‐きごう折り記号ヲリ‥ガウ 製本で、丁合いを間違いなく行えるように、各折丁の背の部分に印刷した小さな文字や数字・記号。背丁(書名と折丁の順序を示す数字)と背標(記号)の2種がある。

おり‐く【折句】ヲリ‥🔗🔉

おり‐く折句ヲリ‥ 短歌・俳句などの各句の上に物名などを1字ずつ置いたもの。「かきつばた」を「ら衣つつなれにしましあればるばるきぬるびをしぞおもふ」(伊勢物語)、「ゆたか」を「立やをみめぐりのならば」(其角)とする類。

おりくち【折口】ヲリ‥🔗🔉

おりくち折口ヲリ‥ 姓氏の一つ。 ⇒おりくち‐しのぶ【折口信夫】

おりくち‐しのぶ【折口信夫】ヲリ‥🔗🔉

おりくち‐しのぶ折口信夫ヲリ‥ 国文学者・歌人。大阪生れ。国学院大卒。国学院・慶大教授。民俗学を国文学に導入して新境地を開き、歌人としては釈迢空しゃくちょうくうの名で知られた。主著「古代研究」、歌集「海やまのあひだ」、詩集「古代感愛集」、小説「死者の書」など。(1887〜1953) 折口信夫 提供:毎日新聞社 ⇒おりくち【折口】

おり‐けい【折罫】ヲリ‥🔗🔉

おり‐けい折罫ヲリ‥ 紙に折り目をつけて、罫とすること。

おり‐ごと【折琴】ヲリ‥🔗🔉

おり‐ごと折琴ヲリ‥ 折りたたみのできるようにした琴。方丈記「いはゆる―、つぎ琵琶これなり」

おり‐こ・む【折り込む】ヲリ‥🔗🔉

おり‐こ・む折り込むヲリ‥ 〔他五〕 ①中のほうへ折りまげる。「裾を―・む」 ②折って他のものを中に入れる。「広告を―・む」

おり‐し・く【折り敷く】ヲリ‥🔗🔉

おり‐し・く折り敷くヲリ‥ 〔他四〕 木の枝などを折って敷く。宇津保物語菊宴「紅葉―・きて」

おり‐し・く【折り頻く】ヲリ‥🔗🔉

おり‐し・く折り頻くヲリ‥ 〔自四〕 波などが、折り返し繁く寄せる。新古今和歌集「―・く波にまかせてぞ見る」

おり‐し‐も【折しも】ヲリ‥🔗🔉

おり‐し‐も折しもヲリ‥ 〔副〕 (シは強めの助詞)ちょうどその時に。折も折。 ⇒おりしも‐あれ【折しもあれ】

おりしも‐あれ【折しもあれ】ヲリ‥🔗🔉

おりしも‐あれ折しもあれヲリ‥ 「折しも」を強調していう語。 ⇒おり‐し‐も【折しも】

おり‐じゃく【折り尺】ヲリ‥🔗🔉

おり‐じゃく折り尺ヲリ‥ 折りたたむことのできる物差し。たたみ尺。 折り尺 提供:竹中大工道具館

おり‐しろ【折り代】ヲリ‥🔗🔉

おり‐しろ折り代ヲリ‥ 紙や布の、端を細く折り曲げるための部分。

おりたくしばのき【折たく柴の記】ヲリ‥🔗🔉

おりたくしばのき折たく柴の記ヲリ‥ (題名は後鳥羽院の歌「思ひ出づる折りたく柴の夕煙むせぶもうれし忘れがたみに」による)新井白石の自叙伝。3巻3冊。1716年(享保1)、将軍家宣の5周忌の日に筆を執り、その年中に書き上げた。父祖の事から始めて自己の生い立ち・経歴に及び、家宣没後の停職引退に至る。平易・雄勁な和漢混淆文。 →文献資料[折たく柴の記]

おり‐たた・む【折り畳む】ヲリ‥🔗🔉

おり‐たた・む折り畳むヲリ‥ 〔他五〕 折って重ね合わせ、小さくする。「ハンカチを―・む」

おり‐づめ【折詰】ヲリ‥🔗🔉

おり‐づめ折詰ヲリ‥ 食品を折箱に詰めること。また、詰めたもの。折おり。「鮨の―」

おり‐て【折り手】ヲリ‥🔗🔉

おり‐て折り手ヲリ‥ 紙などを折る人。特に、扇の地紙を折る職人。好色一代女5「扇屋のお内儀様と呼ばれて、あまたの―交りに見世に出で」

おり‐ど【折戸】ヲリ‥🔗🔉

おり‐ど折戸ヲリ‥ 蝶番ちょうつがいで折りたためるようにした戸。

○折に触れるおりにふれる🔗🔉

○折に触れるおりにふれる ①その時の事情・場面によく調和する。徒然草「折にふれば何かはあはれならざらん」 ②(「折に触れて」の形で)機会あるごとに。「折に触れて注意してきたのだが」 ⇒おり【折】 オリノコOrinoco】 南米ベネズエラの川。ギアナ高地の南方から北西流し、コロンビアから流下する支流を合わせて大西洋に注ぐ。河口に広大で低湿なデルタを形成。全長2050キロメートル。 オリノコ川上流(ベネズエラ) 撮影:小松義夫 おり‐のし折熨斗ヲリ‥ 方形の紙を熨斗包の折形にした中に、熨斗鮑のしあわびの小片を貼り付けたもの。 おり‐のべ織延べ】 長く織り上げたもの。 ⇒おりのべ‐ぎぬ【織延べ絹】 ⇒おりのべ‐ごろも【織延べ衣】 おりのべ‐ぎぬ織延べ絹】 絹織物で、普通のものより尺の長いもの。平家物語4「北国の―三千疋」 ⇒おり‐のべ【織延べ】 おりのべ‐ごろも織延べ衣】 織延べ絹でつくった衣。 ⇒おり‐のべ【織延べ】 おり‐のぼり下り上り】 ①おりることとのぼること。 ②街道の往復。浄瑠璃、博多小女郎波枕「筑前へは毎年の―」 おり‐のり降り乗り・下り乗り】 ①おりることとのること。のりおり。 ②かけあい。談判。浄瑠璃、潤色江戸紫「坊主に逢うての―は、私が致します」 おり‐は下り端】 おりる機会。やめるきっかけ。よい切り。浄瑠璃、淀鯉出世滝徳「今ではどうも―がない」 おり‐は折羽ヲリ‥ 双六すごろくの打ち方。12個ずつの駒を用い、二つの采を竹筒に入れて振り出し、出た目の数だけ駒を取り合い、多く取ったものが勝ちとなる。 おり‐は・う折り延ふヲリハフ 〔他下二〕 時を長くのばす。長く引く。し続ける。古今和歌集「あしひきの山時鳥―・へて誰か優るとねをのみぞ鳴く」 おり‐ばこ折箱ヲリ‥ 薄い板やボール紙などを折り曲げて作った箱。折おりおり‐ばし折箸ヲリ‥ 1本の木を二つに折り曲げて作った箸。 おり‐びつ折櫃ヲリ‥ ヒノキなどの薄板を折り曲げて作った箱。菓子・肴などを盛る。形は四角・六角など種々ある。おりうず。主計寮式「―五合」 おり‐ひとえ織一重‥ヘ 文様を地文じもんまたは浮文うきもんとして織り出した単衣。古今著聞集10「女郎花の―をなまじひに打ちかけられける」 おり‐ひめ織姫】 ①機はたを織る姫。また、機織女工にもいう。 ②織女星しょくじょせい。たなばたひめ。〈[季]秋〉。浄瑠璃、信州川中島合戦「そなたは―この橋は二人が中の烏鵲かささぎの橋」 ⇒おりひめ‐ぼし【織姫星】 おりひめ‐ぼし織姫星】 織女星。 ⇒おり‐ひめ【織姫】 オリフィスorifice】 管路の途中に挿入して流路を絞り、変化した圧力を検出して流量を測定するための穴のあいた円板。 おり‐ふし折節ヲリ‥ [一]〔名〕 ①その折その折。伊勢物語「思はずはありもすらめど言の葉の―ごとに頼まるる哉」 ②季節。徒然草「―の移り変るこそ」 [二]〔副〕 ①ちょうどその時。たまたま。平家物語1「―但馬国のあきたりけるを給びにけり」 ②時折。ときたま。遊子方言「―ここらで見る人ぢやが」 おり‐ふばこ折文箱ヲリ‥ 折りたたみのできるようにした文箱。 おり‐べ織部】 織部司。また、その職員。 ⇒おりべ‐の‐つかさ【織部司】 おりべ織部】 ①⇒ふるたおりべ(古田織部)。 ②織部焼の略。 ⇒おりべ‐がた【織部形】 ⇒おりべ‐さかずき【織部盃】 ⇒おりべ‐どこ【織部床】 ⇒おりべ‐まど【織部窓】 ⇒おりべ‐まんじゅう【織部饅頭】 ⇒おりべ‐やき【織部焼】 ⇒おりべ‐りゅう【織部流】 おりべ‐がた織部形】 石灯籠いしどうろうの一種。古田織部の墓にあった石灯籠の形で、竿は埋込み式。雅趣に富み、茶庭などに好んで用いる。 織部形 ⇒おりべ【織部】 おりべ‐さかずき織部盃‥サカヅキ 織部焼のきわめて浅く開いた型の盃。 ⇒おりべ【織部】 おりべ‐どこ織部床】 古田織部好みの床の様式。床の奥行がなく、床に見立てた壁の天井の回縁まわりぶちの下に化粧板をつけ、折釘を打ち、懸物をかけるようにしたもの。 ⇒おりべ【織部】 おりべ‐の‐つかさ織部司】 律令制で、大蔵省に属し、綾・錦・羅などの織物・染物のことをつかさどった役所。長官は織部正おりべのかみ⇒おり‐べ【織部】 おりべ‐まど織部窓】 茶室の床の間の脇壁にあけられた下地窓。花入れをかける釘が打ってあり、古田織部の好みという。花明窓はなあかりまど⇒おりべ【織部】 おりべ‐まんじゅう織部饅頭‥ヂユウ 菓子の名。薯蕷饅頭しょよまんじゅうのかわに織部焼に似た緑色をつけ、井桁や梅鉢の焼印を押す。 織部饅頭 撮影:関戸 勇 ⇒おりべ【織部】 おりべ‐やき織部焼】 桃山時代、現在の岐阜県土岐市で焼かれた陶器。古田織部の好みに沿ったものといわれ、茶器が多い。緑釉と鉄絵を加え、殊に意匠が斬新。 ⇒おりべ【織部】 おりべ‐りゅう織部流‥リウ 古田織部を祖とする茶道の流派。 ⇒おりべ【織部】 おり‐ぼね折骨ヲリ‥ ①肋骨ろっこつ。特に、馬の三頭さんずの隆起した骨。曾我物語1「右の―二つ三つ、はらりと射ければ」 ②腰骨こしぼね。義経記6「鞘は―の下へ突き入れて」 おり‐ほん折本ヲリ‥ ①巻子かんす本の用紙を、巻かずに一定の幅で折り畳んだ本。普通、前(表)と後(裏)とに、紙または板で表紙をつける。法帖や仏典などに多く見られる。中国では摺しょう本・摺巻・摺葉などという。帖装本。 折本 (→)折丁に同じ。 おり‐ま・げる折り曲げるヲリ‥ 〔他下一〕[文]をりま・ぐ(下二) 折って曲げる。 おり‐ま・ぜる織り交ぜる】 〔他下一〕[文]おりま・ず(下二) ①模様などを交ぜて織り込む。 ②ある物事の中に他の物事を組み入れる。「体験を―・ぜて語る」 おり‐まつ折松ヲリ‥ 折った松の枝。篝火かがりび・松明たいまつなどにする。源氏物語篝火「―おどろおどろしからぬ程におきて」 おりみ‐ぐさ折見草ヲリ‥ ①心をたとえていう語。 ②松の異称。 おり‐みだ・る織り乱る】 〔他四〕 模様を散らして織る。枕草子83「葡萄染えびぞめのいと濃き指貫さしぬき、藤の折枝おどろおどろしく―・りて」 おり‐みまい折見舞ヲリ‥マヒ 寒さ・暑さなど、折にふれての見舞。時候見舞。狂言、料理聟「それは常の―、婿入ではおりない」 おり‐むら織り斑】 織物の生地に厚薄などの不揃いが生じていること。また、その箇所。 おり‐め折目ヲリ‥ ①折り畳んだ筋目。折りぎわ。「―がつく」 ②機会。ちょうどよい折。日葡辞書「ソノヲリメニゴザレ」 ③物事のきまり。けじめ。「―正しい」 ④鷹の翼の風切かざきり羽の内側の羽の称。 ⇒おりめ‐だか【折目高】 ⇒おりめ‐ただし・い【折目正しい】 おり‐め織女】 機織はたおりの女工。 おり‐め織目】 織物の糸と糸との間。「―があらい」 おりめ‐だか折目高ヲリ‥ 衣服の折目が目立つほどに高くあらわれていること。転じて、行儀の正しいこと。起居動作の堅苦しいこと。 ⇒おり‐め【折目】 おりめ‐ただし・い折目正しいヲリ‥ 〔形〕[文]おりめただ・し(シク) 折目がきちんとしている。礼儀正しい。「―・い人物」 ⇒おり‐め【折目】

おり‐は【折羽】ヲリ‥🔗🔉

おり‐は折羽ヲリ‥ 双六すごろくの打ち方。12個ずつの駒を用い、二つの采を竹筒に入れて振り出し、出た目の数だけ駒を取り合い、多く取ったものが勝ちとなる。

おり‐は・う【折り延ふ】ヲリハフ🔗🔉

おり‐は・う折り延ふヲリハフ 〔他下二〕 時を長くのばす。長く引く。し続ける。古今和歌集「あしひきの山時鳥―・へて誰か優るとねをのみぞ鳴く」

おり‐ぼね【折骨】ヲリ‥🔗🔉

おり‐ぼね折骨ヲリ‥ ①肋骨ろっこつ。特に、馬の三頭さんずの隆起した骨。曾我物語1「右の―二つ三つ、はらりと射ければ」 ②腰骨こしぼね。義経記6「鞘は―の下へ突き入れて」

おり‐ま・げる【折り曲げる】ヲリ‥🔗🔉

おり‐ま・げる折り曲げるヲリ‥ 〔他下一〕[文]をりま・ぐ(下二) 折って曲げる。

おりみ‐ぐさ【折見草】ヲリ‥🔗🔉

おりみ‐ぐさ折見草ヲリ‥ ①心をたとえていう語。 ②松の異称。

おり‐みまい【折見舞】ヲリ‥マヒ🔗🔉

おり‐みまい折見舞ヲリ‥マヒ 寒さ・暑さなど、折にふれての見舞。時候見舞。狂言、料理聟「それは常の―、婿入ではおりない」

○折もあろうにおりもあろうに🔗🔉

○折もあろうにおりもあろうに 他に然るべき時もあろうに。都合わるくも。 ⇒おり【折】 おり‐も‐あろう‐に折もあろうにヲリ‥アラウ‥ ⇒おり(折)(成句)

おり‐も‐あろう‐に【折もあろうに】ヲリ‥アラウ‥🔗🔉

おり‐も‐あろう‐に折もあろうにヲリ‥アラウ‥ ⇒おり(折)(成句) ○折も折おりもおり ちょうどその時。 ⇒おり【折】

○折も折おりもおり🔗🔉

○折も折おりもおり ちょうどその時。 ⇒おり【折】 おり‐も‐おり折も折ヲリ‥ヲリ ⇒おり(折)(成句) おり‐もと織元】 織物の製造元。 おり‐もの下り物】 ①子宮から出る粘液・組織などの総称。こしけ。 ②あとざん。 ③悪露おろのこと。 おり‐もの織物】 経糸たていとと緯糸よこいととを組み合わせて機はたにかけて織った布。源氏物語東屋「をみなへしの―と見ゆる」。「絹―」 おり‐もよう織模様‥ヤウ 地色とちがった色糸で織り出した模様。繻珍しゅちん・金襴きんらんなどの模様の類。 おり‐もん織紋・織文】 布に織り出した紋。 おり‐や折屋ヲリ‥ ①折箱を作る職人。 ②印刷された紙を本にするために、必要な大きさに折りたたむ仕事を職業とする人。 おり‐や織屋】 織物製造を業とする家。はたや。 おり‐やなぎ折柳ヲリ‥まげの結い方。元禄(1688〜1704)の頃、女や若衆の間に行われた。 おり‐やま折山ヲリ‥ 布や紙を折った外側の折り目。 おりゃら‐し‐ます (オリャルの尊敬語)あらせられます。狂言、夷毘沙門「是は西の宮の夷三郎殿にて―」 おりゃ・る 〔自四〕 (御入リアルの転) ①「行く」「来る」の尊敬語。いらっしゃる。おいでになる。閑吟集「―・りそめて―・らねば、おれが名が立つ、只―・れ」 ②「ある」「居る」の尊敬語。おありになる。おられる。狂言、泣尼「なうなう尼、―・るか居さしますか」 ③(「で―・る」の形で)「である」「だ」の丁寧な言い方。(で)ございます。狂言、末広がり「何事ぞとの不審で―・る」 おり‐ゆ下り湯(→)「居り湯」に同じ。保元物語「古き湯屋を借りて常に―をぞしける」 おり‐ゆ居り湯ヲリ‥ 釜をとりつけず、他でわかした湯を入れて入浴すること。また、そのような風呂。のちには据風呂すえふろと混同。日葡辞書「ヲリユニイル」 お‐りょう御寮‥レウ (御寮人の略) ①比丘尼びくに。尼。狂言、比丘貞「この―を、皆おあんおあんと仰せらるる程に」 ②勧進比丘尼団体の中心者。比丘尼をかかえて勧進または売色をさせた。好色一代男3「いつ比ごろより―みだらになして」 お・りる下りる・降りる】 〔自上一〕[文]お・る(上二) 上から下への移動を示すが、到達点に焦点をおく点で「さがる」と異なり、目的・意図のある作用を示す点で「おちる」と異なる。 ①高い所からだんだんに移って下の位置・場所に着く。また、そのような状態になる。後撰和歌集「よと共に峰へ麓へ―・り登り行く雲の身は我にぞ有ける」。枕草子78「いみじう霧りわたりたる庭に―・りてありくを」。「遮断機が―・りた」「肩の荷が―・りる」 ②車・舟などの乗物から出る。竹取物語「舟より―・りてこの山の名を何とか申すと問ふ」。枕草子33「車とどめて―・るる人」。「次の駅で―・ります」 ③貴人の前から退く。退出する。源氏物語野分「中将―・りてなかの廊の戸より通りて」 ④位を退く。職を辞す。役がらをことわる。大鏡陽成「世をしらせ給ふこと八年位―・りさせ給ひて」。後撰和歌集「殿上―・りて侍りける時」。「彼はあの役を―・りるそうだ」「政権の座を―・りる」 ⑤勝負事などで、参加する権利をすてる。また、役から退く。「つきが回ってくるまで絶対に―・りない」 ⑥《下》役所などから指示や決定などがくだされる。「許可が―・りる」「恩給が―・りる」 ⑦《下》体内から、下に出る。「回虫が―・りる」 ⑧露・霜・霧などが置く。冬の日「霧―・りて本郷の鐘七つきく」(杜国)。「初霜が―・りる」 ⑨固形物が磨られて粒子状になる。日葡辞書「チャ(茶)ガヨウヲルル」。「硯がわるくて墨がよく―・りない」 ◇用字で、「下」は「上」の対、「降」は「乗」「登」の対になる意味の場合に使うことが多い。 オリンピアOlympia】 古代ギリシア、ペロポネソス半島北西部エリス地方にあった都市。ゼウスの神殿があり、宗教の中心。オリンピック競技の発祥地。 ⇒オリンピア‐さい【オリンピア祭】 オリンピアードOlympiad】 ①オリンピア祭と次のオリンピア祭との間の4年の時期。紀元前776年来、古代ギリシア人はこれを基準として年代を数えた。 ②(→)オリンピック2に同じ。 オリンピア‐さいオリンピア祭】 古代ギリシアのオリンピアで、紀元前776年から4年ごとに行なった主神ゼウスの祭典。時期は8月の満月の頃で、同時に競技会(古代オリンピック)が行われた。テオドシウス帝の異教禁止令によって393年の293回を最後に廃止。 ⇒オリンピア【Olympia】 オリンピックOlympic】 (「オリンピアの」の意) ①古代ギリシア人がオリンピア祭に催した運動・詩・音楽などの競技大会。紀元前776年から紀元393年まで、4年ごとに開催。古代オリンピック。 ②国際オリンピック委員会(IOC)が4年ごとに開催する国際的スポーツ競技大会。第1回は1896年(アテネ)。1924年以降、別に冬季大会も行われる。国際オリンピック大会。近代オリンピック。オリンピアード。五輪。 ⇒オリンピック‐しゅもく【オリンピック種目】 ⇒オリンピック‐とうき‐きょうぎ‐たいかい【オリンピック冬季競技大会】 ⇒オリンピック‐むら【オリンピック村】 オリンピック‐しゅもくオリンピック種目】 国際オリンピック大会における競技種目。夏季大会は男子は少なくとも4大陸、75国・地域で、女子は少なくとも3大陸、40国・地域で、冬季大会は男女とも3大陸、25国・地域で広く行われている種目の中から、原則として該当大会開催4年前に選定。 ⇒オリンピック【Olympic】 オリンピック‐とうき‐きょうぎ‐たいかいオリンピック冬季競技大会‥キヤウ‥クワイ 4年に1回開かれる冬季のオリンピック。1924年から始まり、94年より夏季大会の中間年に行われる。 ⇒オリンピック【Olympic】 オリンピック‐むらオリンピック村】 オリンピック大会開催地の近くに選手の宿舎を設けた一地域。選手村。 ⇒オリンピック【Olympic】 オリンポスOlympos】 ギリシア北部、テッサリアとマケドニアとの境界にある峻峰。オリンポスの十二神を初めとするギリシア神話の諸神が住んだという。高さ2917メートル。オリュンポス。 オリンポスの十二神(表) お・る下る・降る】 〔自上二〕 ⇒おりる(上一) お・る折るヲル [一]〔他五〕 直線状または平面であるはずのものに力を加えて急角度にまげる意。 ①(棒状のものを)ある一所でまげる。かがめる。伊勢物語「手を―・りてあひ見しことを数ふれば」。日葡辞書「ヒザヲヲル」 ②(棒状のものを)まげてその部分を本体から離してしまう。万葉集5「梅の花―・りてかざせる諸人もろひとは」。枕草子97「あさましきもの、刺櫛すりて磨くほどにものにつきさへて―・りたる心地」。「枝を―・る」 ③(布や紙を)たたんで二つに重ねる。また、折り目をつける。万葉集12「白しろたえの袖―・りかへし恋ふればか」。源氏物語浮舟「この右近もの―・るとて」 ④(まげたり、たたみ重ねたりして)物の形をつくる。烏帽子えぼし・扇などをつくる。謡曲、烏帽子折「急ぎの旅にて候程に今宵―・りて給はり候へ」。日葡辞書「シャウジまたはビャウブノホネヲヲル」。「千代紙で鶴を―・る」 ⑤心をまげる。屈服させる。源氏物語帚木「強き心をしひて加へたれば、なよ竹の心ちして、さすがに―・るべくもあらず」。日葡辞書「ガ(我)ヲヲル」 ⑥折句をつくる。誹風柳多留13「かきつばたいたまぬやうに公家は―・り」 ⑦(自動詞的に用いて)波などがものを畳んだように寄せる。寄せ返す。万葉集7「今日もかも沖つ玉藻は白波の八重―・るが上に乱れてあるらむ」 [二]〔自下二〕 ⇒おれる(下一) お・る居るヲル 〔自五〕[文]を・り(ラ変) 「ゐ(坐)あり」の転で、動きを止めじっとした状態を長い間続けている意。人の場合に多く用いられるが、古くは人以外にも用いた。意味的に下の立場の人が上に向かっては使いにくく、上から下へが多いため、それをする人を低める語と解釈されることがある。「いる」より使われる場が減った結果、「いる」の改まった感じの語としても使われる。四段活用の例は中世以後の文献に見える。 ①その場を動かずにいる。じっとしている。座りつづける。古事記「人さはに入り―・りとも」。万葉集5「床の辺去らず立てれども―・れども共に戯れ」。為忠百首「夏ながら氷―・りける奥山はこの世の外の心ちこそすれ」。「先生はそこに―・られますか」「下に―・ろう」 ②(動詞・助動詞の連用形、または、それに助詞「て」の付いたものに付いて。自分について卑下、他人について軽侮・罵詈の意味を含むことがある) ㋐動作・状態の継続を表す。…ている。万葉集2「なよ竹のとをよる子らはいかさまに念ひ―・れか」。枕草子28「炭櫃などに、手のうらうち返しうち返し、おしのべなどしてあぶり―・る者」。狂言、富士松「不二の三寸みき(神酒)ぢやの何のと言うてのませ―・つて」。「あちらで寝て―・ります」 ㋑既にあったことを示す。「そんなことわかって―・る」「警報が出て―・ります」「見て―・られますか」 お・る愚る】 〔自下二〕 おろかになる。放心状態になる。ぼける。源氏物語少女「かしこがり給へど人の親よ、おのづから―・れたる事こそ出で来べかめれ」 お・る織る】 〔他五〕 ①経糸たていとと緯糸よこいととを組み合わせ、機はたにかけて布をつくる。万葉集10「たなばたの五百機いおはた立てて―・る布の」。「機を―・る」 ②藺・藁わらなどを組み合わせて、筵むしろをつくる。 ③(比喩的に)交えつくる。組み立てる。組み合わせる。「錦を―・る山の紅葉」 オルガスムスOrgasmus ドイツ】 性的興奮の最高潮。オーガズム。 オルガナイザーorganizer】 ①⇒オルグ。 ②〔生〕形成体。 オルガニズムorganism】 ①有機体。生物。 ②組織体。機構。 オルガネラorganella ラテン】 〔生〕(→)細胞小器官オルガノンOrganon ギリシア】 機関・道具の意。論理学は哲学の一部門ではなくて道具であるとの見解のもとに、アリストテレス学派は論理学をこう呼び、のちアリストテレスの論理学の諸著作を総括する名称となった。ベーコンの「新オルガノン」はこれに由来。 オルガンorgão ポルトガル】 鍵盤楽器。風をパイプに送って音を出す。パイプ‐オルガンとリード‐オルガンとに大きく分かれる。風琴。小杉天外、はやり唄「偶と竹代の室から―の音が聞えた」→パイプ‐オルガン→リード‐オルガン オルガンティーノOrgantino Gnecchi; O.Soldo】 イタリア出身のイエズス会士。1570年(元亀1)来日、織田信長の厚遇を受け、秀吉政権下の一時期を除き、京畿伝道に尽力し、安土セミナリヨや京都南蛮寺を建設。烏児干伴天連ウルガンバテレンとして親しまれた。長崎で没。(1530頃〜1609) オルグ (オルガナイザーの略)大衆の間に派遣されて、組合や政党を組織したり加入を促したりする人。組織者。また、その活動。 オルゲルプンクトOrgelpunkt ドイツ】 〔音〕数小節にわたって続く低音。持続低音。保続音。 オルゴールorgel オランダ】 ①ぜんまい仕掛で回転する円筒や円盤につけた多くのとげが、櫛の歯形の固定音階板を順次弾いて自動的に音楽を奏でる装置。箱や時計などに仕掛ける。1790年代スイスで発明。自鳴琴。風簫ふうしょう。上田敏、うづまき「自鳴琴おるごおるの機関ぜんまいを覗いて見たがるといふやうな経験は」 ②歌舞伎の下座楽器の一つ。板上にしつらえたいくつかの鈴りんを鳴らす。おうるごうる。 ③乳幼児の玩具。円筒に握り柄を付けたもの。振ると、中の振り子が数本の針金に触れて音が出る。 オルコックRutherford Alcock】 イギリスの外交官。中国各地の領事を経て、日本駐在の総領事・初代公使となり、幕末の混乱した時代に活躍。著「大君の都」。オールコック。(1809〜1897) オルコットLouisa May Alcott】 アメリカの女性作家。代表作「若草物語」(または「四人姉妹」)。(1832〜1888) オルセー‐びじゅつかんオルセー美術館‥クワン (Musée d'Orsay フランス)フランスの国立近代美術館。パリの旧オルセー駅の建物を改築し、1986年開館。フランスのバルビゾン派や印象派をはじめ、主に19世紀後半から20世紀初頭の美術作品を収蔵・展示。→パリ(図) オルソ (orthochromaticの略)写真感光材料が赤・橙色を除く他の可視光に感ずる性質をもっていること。オーソ。整色性。 オルソパン‐フィルム (orthopanchromatic filmの略)肉眼に近い感色性をもつ写真フィルム。オーソパン。 オルターナティブalternative】 ①代案。代替物。 ②既存の支配的なものに対する、もう一つのもの。特に、産業社会に対抗する人間と自然との共生型の社会を目ざす生活様式・思想・運動など。 オルテガ‐イ‐ガセットJosé Ortega y Gasset】 スペインの哲学者。著「無脊椎のスペイン」「大衆の反逆」など。(1883〜1955) オルデンバーグClaes Oldenburg】 スウェーデン出身のアメリカの彫刻家。ポップ‐アートの代表的作家の一人。近年はパブリック‐アートを多く手がける。(1929〜) オルトortho】 (ギリシア語orthos(正規の)に由来する接頭語)〔化〕 ①ベンゼン環の1位と2位(隣接する位置)に置換基をもつことを示し、記号で表す。例えば‐ニトロフェノールはニトロ基と水酸基が隣接した炭素原子に結合しているベンゼン置換体。 ②オキソ酸を区別するのに用いる接頭語。オルト燐酸・オルト硼ほう酸の類。 オルドヴァイ‐いせきオルドヴァイ遺跡‥ヰ‥ (Olduvai)アフリカ東部、タンザニアにある前期旧石器時代の遺跡群。人類最古の文化とされる礫器れっきを特徴とするオルドヴァイ文化からハンド‐アックスを特徴とするアシュール文化への発展の様相を確認できる重要な遺跡。 オルドス鄂爾多斯・Ordos】 中国内モンゴル自治区の一部、黄河の湾曲部に囲まれた部分で長城以北の地域。古くは河南と呼ばれたが、明末、蒙古オルドス部がこの地を占拠して以来オルドスと称。1635年、清の支配下に入る。河套。 オルドビス‐きオルドビス紀】 (Ordovician Period)地質年代の一つ。古生代のカンブリア紀後、シルル紀前の時代。約4億9000万年前から4億4000万年前まで。甲冑魚類が出現し、筆石類・オウムガイ類が繁栄。奥陶紀。→地質年代(表) オルドビス‐けいオルドビス系】 (Ordovician System)オルドビス紀の地層。奥陶系。 オルトランOrtran】 有機燐系浸透性の殺虫剤アセフェート剤の商品名。 オルニチンornithine】 塩基性α‐アミノ酸の一つ。分子式HN(CHCHNHCOOH 蛋白質を構成するアミノ酸の一つであるアルギニンの分解によりオルニチンと尿素ができる。 ⇒オルニチン‐かいろ【オルニチン回路】 オルニチン‐かいろオルニチン回路‥クワイ‥ 〔生〕(ornithine cycle)哺乳類の肝臓における尿素形成の反応経路。1932年クレブスらが提唱。尿素回路。 ⇒オルニチン【ornithine】 オルフCarl Orff】 ドイツの作曲家。単純で力強いリズムを持つ原始主義的作風。作「カルミナ‐ブラーナ」、歌劇「賢い女」など。音楽教育の分野でも活躍。(1895〜1982) オルフェウスOrpheus】 ギリシア神話に現れる、トラキアの詩人・音楽家。リラ(竪琴)の名手で、その音には野獣も山川草木も聞きほれ、また、アルゴナウタイの金羊皮奪還を助けたという。蛇に咬まれて死んだ妻エウリュディケを冥界へ迎えに赴き、地上に連れ帰る途中、後ろを振りむいたため、これを永久に失った。この物語はモンテヴェルディ・グルックなどの歌劇に脚色。 ⇒オルフェウス‐きょう【オルフェウス教】 オルフェウス‐きょうオルフェウス教‥ケウ (Orphicism)オルフェウスの名に結びつけられた浄めの密儀宗教。紀元前6世紀にギリシア各地に拡がった。魂はもと天上で神々と共にあったが罪を犯して地上に落ち、輪廻転生の輪にまき込まれ、音楽や戒律(禁欲)により浄められた魂のみが、この輪から脱出し天上へ帰りうると信じられた。ピタゴラス派・プラトンらに影響。 ⇒オルフェウス【Orpheus】 オルメカOlmeca】 メキシコ湾岸の熱帯地方に紀元前1200〜前400年頃に栄えた文明の称。巨石頭像で有名。メソ‐アメリカ地域の諸文明の母型とされる。 オルレアンOrléans】 フランス、ロワール川右岸、パリの南西116キロメートルにある都市。百年戦争末期、1428年イギリス軍に包囲されたが、少女ジャンヌ=ダルクの出現でイギリス軍を撃退。人口11万3千(1999)。 おれ折れヲレ 折れること。折れて切り離れた部分。 おれ】 〔代〕 ①(二人称)相手を卑しめて呼ぶ語。おのれ。古事記「―熊曾建くまそたける二人、伏まつろはず礼いや無しと聞しめして、―を取殺れと詔りたまひて」。枕草子226「ほととぎす、―、かやつよ。―鳴きてこそ」 ②(一人称)男女ともに、また目上にも目下にも用いたが、現代では主として男が同輩以下の者に対して用いる、荒っぽい言い方。「俺」「乃公」とも書く。狂言、金岡「―は狂気はせぬ」。「お前と―の仲」 おれ‐あ・う折れ合うヲレアフ 〔自五〕 ゆずり合う。譲歩しあう。おりあう。「双方が―・って話がまとまる」 お‐れい御礼】 恩恵や贈物を受けたのに対して、感謝の意をあらわすこと。また、その金銭または品物。 ⇒おれい‐ごえ【御礼肥】 ⇒おれい‐ぼうこう【御礼奉公】 ⇒おれい‐まいり【御礼参り】 おれい‐ごえ御礼肥】 果実の収穫や開花の後に施す肥料。 ⇒お‐れい【御礼】 おれい‐ぼうこう御礼奉公】 奉公人が約束の期間の奉公をすませた後、恩返しとしてただで働くこと。 ⇒お‐れい【御礼】 おれい‐まいり御礼参り‥マヰリ ①神仏にかけた願がんの成就した礼に参詣すること。 ②釈放されたやくざ・不良などが、自分の悪事を告発した人に仕返しをすること。 ⇒お‐れい【御礼】 オレイン‐さんオレイン酸】 (oleic acid)不飽和脂肪酸の代表的なもの。分子式C17H33COOH 二重結合を一つもつ。無色油状の液体。多くの動植物油脂の中にグリセリン‐エステルとして広く存在。椿油・オリーブ油・扁桃へんとう油などの主成分。油酸。 オレーフolijf オランダ・阿列布】 オリーブのこと。 オレームNicole Oresme】 フランスの聖職者・科学者。解析幾何学・天文学・貨幣論・物理学のほかアリストテレスのフランス語訳に功績を遺した。(1330頃〜1382) おれ‐おれ・し愚愚し】 〔形シク〕 ぼんやりしている。間が抜けている。源氏物語手習「―・しき人の心にて、えさかしく強ひてものたまはず」 おれ‐かえ・る折れ返るヲレカヘル 〔自五〕 ①折れて元の方へかえる。 ②がっくり折れる。 ③舞う時に、身体や袖などがよく曲がりひるがえる。宇津保物語俊蔭「御階のもとに舞ひ出でて―・り舞ふ」 おれ‐かがみ折れ屈みヲレ‥ ①折れて屈むこと。 ②身体の関節。 ③(→)「おりかがみ」に同じ。 オレガノorégano スペイン】 シソ科の多年草。南ヨーロッパから東南アジアまで分布。高さ30〜60センチメートル。ピンク色の小花を多数つけ、観賞用にもする。全草に芳香があり、香味料・薬用として栽培。ピザなどに用いる。ハナハッカ。ワイルドマジョラム。 おれが・む拝むヲレガム 〔他四〕 おがむ。おろがむ。 お‐れきれき御歴歴】 身分・格式などの高い人々。名士たち。「居並ぶ―」 おれ‐くぎ折れ釘ヲレ‥ ①頭部を折り曲げた釘。柱などにうちつけ物をかけるのに用いる。おりくぎ。 ②折れ曲がった釘。 ⇒おれくぎ‐りゅう【折れ釘流】 おれくぎ‐りゅう折れ釘流ヲレ‥リウ きわめて字のへたなこと。金釘流。 ⇒おれ‐くぎ【折れ釘】 おれ‐くち折れ口ヲレ‥ ①折れたきわ。折れて取れたところ。おれめ。 ②人の死にあうこと。とむらい。 ③張り合っていたものが折れあう機会。浄瑠璃、夏祭浪花鑑「粋な女房の挨拶もよい―と」 おれ‐こだ・る折れこだるヲレ‥ 〔自下二〕 折れて傾く。身を曲げる。弁内侍日記「―・れ、身をなきになして舞ひたりし」→こだれる おれ‐こま・す折れ込ますヲレ‥ 〔他四〕 (近世語)みごもらせる。妊娠させる。 おれ‐こ・む折れ込むヲレ‥ 〔自五〕 ①折れて内部にはいる。 ②(近世語)みごもる。妊娠する。歌舞伎、傾城倭荘子「―・んだとは、めでたい」 オレゴンOregon】 アメリカ合衆国太平洋岸北部の州。森林資源に富み、製造業も盛ん。州都セイレム。→アメリカ合衆国(図) おれ‐さま己様・俺様】 〔代〕 自分のことを尊大にいう語。 オレステスOrestēs】 ギリシア神話中の人物。アガメムノンとクリュタイムネストラとの子。父を殺した母とその情夫とを討つ。この物語はしばしばギリシア悲劇の題材となった。 おれ‐せん折れ線ヲレ‥ 種々の長さおよび方向をもった線分を順次に接続して得られる線。 ⇒おれせん‐グラフ【折れ線グラフ】 おれせん‐グラフ折れ線グラフヲレ‥ 統計図表の一種。数量を示す点を順に線分で結んだ折れ線状のグラフ。 ⇒おれ‐せん【折れ線】 おれ‐それ ①あれこれ。何やかや。浄瑠璃、傾城酒呑童子「人の―」 ②何やかやのあいさつ。応対の作法。浮世風呂2「お屋敷さまへ上げておきますと、―が何処か違つて参ります」 お‐れつオ列】 五十音図の第五段。母音オを含む音節の文字の列。オ・コ・ソ・ト・ノ・ホ・モ・ヨ・ロ・ヲ。オ段。 オレフolijf オランダ・阿列布】 オリーブのこと。 オレフィンolefin】 (エチレンの別称オレフィアント‐ガス(生油気)に由来)二重結合を一つもつ不飽和鎖状炭化水素の総称。一般式CHで表される。付加反応を起こしやすい。エチレン(n=2)、プロピレン(n=3)などは化学工業中間原料として重要。オレフィン炭化水素。エチレン系炭化水素。アルケン。 おれ‐まが・る折れ曲がるヲレ‥ 〔自五〕 折れて曲がる。 おれ‐め折れ目ヲレ‥ 折れたきわ。おれくち。折り目。 おれ‐め己奴】 〔代〕 (二人称の「おれ」に、ののしる意を加えていう語)おのれめ。きさま。狂言、清水「―は身共をおくびやうものにするか」 おれ‐もの愚者】 おろかな者。間抜け。蜻蛉日記「我が一人の―にて」 おれ‐ら己等】 〔代〕 ①(二人称)おまえら。相手をののしっていう。平家物語5「さらば―書け」 ②(一人称)われら。われ。俺等。讃岐典侍日記「―知らぬに、教へよ」 お・れる折れるヲレル 〔自下一〕[文]を・る(下二) 直線状または平面であるはずのものが途中で急角度にまがる意。 ①まがって2重になる。源氏物語玉鬘「天下に目つぶれ足―・れ給へりとも」。「縫代がよく―・れていない」 ②まがって二つに分かれ離れる。源氏物語野分「大きなる木の枝などの―・るる音もいとうたてあり」。「鉛筆の芯が―・れる」「足の骨が―・れる」 ③まがって行く。横へまがる。源氏物語賢木「二条より洞院の大路を―・れ給ふ程」。「突き当たって右へ―・れる」 ④くじける。気勢をそがれる。心が弱くなる。歌舞伎、幼稚子敵討おさなごのかたきうち「刀の詮儀で水責めの腰が―・れた」。「我が―・れる」「あの人も気が―・れた」 ⑤主張・意見を和らげ、相手に従うようにする。譲歩する。保元物語「わが僻事とおぼしめす時は、たちまちに―・れさせ給ひて、御怠状をあそばして」。「こちらから―・れて出る」 ⑥和歌の腰(第3句)が次の句とうまく続かず調子がくだける。紫式部日記「腰―・れたることやかきまぜたりけむ」 オレンジorange】 ①ミカン科の果樹およびその果実の総称。特にインド原産ダイダイ類のネーブル‐オレンジ・バレンシア‐オレンジなどをいう。生食・ジュース用に大規模に栽培。甘橙。スイート‐オレンジ。 オレンジ 撮影:関戸 勇 ②オレンジ色。赤みがかった黄色。 Munsell color system: 5YR6.5/13 ⇒オレンジ‐エード【orangeade】 ⇒オレンジ‐カード ⇒オレンジ‐ジュース【orange juice】 オレンジ‐エードorangeade】 オレンジの果汁に砂糖を加え、水で割った飲料。 ⇒オレンジ【orange】 オレンジ‐カード (和製語orange card)JR各社が発行しているプリペイド‐カード。券売機で切符を購入できるほか乗越精算にも使える。 ⇒オレンジ【orange】 オレンジ‐じゆうこくオレンジ自由国‥イウ‥ (Orange Free State)南アフリカのオランダ系ブーア人が、19世紀初めにケープ植民地を占領したイギリス人を避けて、北東方のオレンジ川北部に移住し、1854年に建てた国。南ア戦争(ブーア戦争)によりイギリスに征服され、1910年自治領である南アフリカ連邦の一州、南アフリカ共和国の州の一つとなる。95年フリー‐ステート州と改名。 オレンジ‐ジュースorange juice】 オレンジ類のしぼり汁。また、それを飲料に加工したもの。 ⇒オレンジ【orange】 おろ 牧場の一郭を囲って馬や牛を入れておく囲い・柵。おり。〈日葡辞書〉 お‐ろ尾ろヲ‥ (ロは接尾語)尾。→尾ろの鏡 お‐ろ峰ろヲ‥ (ロは接尾語)峰。万葉集14「安房―の―田に生はるたはみづら」 お‐ろ緒ろヲ‥ (ロは接尾語)緒。万葉集14「心の―に乗りて愛かなしも」 お‐ろ悪露ヲ‥ 産褥期に膣ちつおよび子宮から出る血や排出物。俗に下り物。 おろ】 〔接頭〕 「不完全」「たしかでない」「いささか」などの意をあらわす。うろ。「―抜く」「―覚え」 おろ‐い・ゆ疎癒ゆ】 〔自下二〕 病・傷などがあらかたなおる。今昔物語集29「三日ばかりを隔てて、杖の目―・ゆる程に」 おろ‐おぼえ疎覚え】 ぼんやりした記憶。うろおぼえ。 おろ‐おろ ①おぼつかないさま。不十分。宇治拾遺物語1「さきの翁よりは天骨もなく―かなでたりければ」 ②泣いて、目や声のうるんださま。「―泣く」 ③事態に対処できず取り乱すさま。「事故の知らせに―する」 ⇒おろおろ‐ごえ【おろおろ声】 ⇒おろおろ‐なみだ【おろおろ涙】 おろおろ‐ごえおろおろ声‥ゴヱ 困惑・悲哀などの場合に出す、泣きそうな声。 ⇒おろ‐おろ おろおろ‐なみだおろおろ涙】 途方にくれ取り乱して泣き流す涙。 ⇒おろ‐おろ おろか疎か】 (「おろ」は大ざっぱの意) ①実じつが十分にはこもっていないこと。いい加減。竹取物語「御使をばいかで―にせむ」 ②物の数でないこと。 ㋐言うまでもないこと。増鏡「あさましなど言ふも―なり」 ㋑(「…は―」の形で)…は無論、その上更に。…ぐらいはまだしも。「日本は―唐天竺までも」 ⇒おろか‐おい【疎生・穭】 おろか愚か】 (「おろ」は不十分、不完全の意で、「疎おろか」と同源) ①知能・理解力が乏しいこと。ばか。あほう。宇津保物語楼上下「―なる者は忽ちに心さとく」。「―にも甘い言葉を信じてしまう」 ②程度が劣ること。おろそか。源氏物語明石「いと心細しと言へば―なり」。徒然草「―なるおのれが道よりは」。四十二の物争「春と秋といづれ―はあらねど」 ③ばかげていること。日葡辞書「ヲロカナマウシゴト」。「争いなど―なことだ」 ⇒おろか‐もの【愚か者】 おろか‐おい疎生・穭‥オヒ 刈りあとの株から生えたひこばえ。再生稲。ひつじ。〈倭名類聚鈔17⇒おろか【疎か】 おろかし・い愚かしい】 〔形〕[文]おろか・し(シク) ばかだ。ばからしい。 おろが・む拝むヲロガム 〔他四〕 おがむ。推古紀「―・みて仕へまつらむ」 おろか‐もの愚か者】 おろかな者。ばかもの。ぐしゃ。 ⇒おろか【愚か】 おろ・く 〔自下二〕 心がうつろになる。うつける。景行紀「失意こころおろけて酔へるが如し」 おろく‐ぐし阿六櫛】 木曾街道藪原駅名物の、黄楊つげの櫛。同街道妻籠つまごのお六という女の創始という。 おろし ①義太夫節の旋律型の一つ。時代物の大序の大ヲロシは荘重な曲節。 ②能や長唄の打楽器の手法。 おろし下ろし・卸】 ①おろすこと。「雪―」 ②神仏の供物や貴人の衣服・食物のさがりもの。 ③新しい品物の用いはじめ。「仕立―」 ④大根・しょうが・わさびなどをすりくずすこと。また、そのもの。「大根―」 ⑤(「颪」と書く)山地から吹きおろす風。「高嶺たかね―」「伊吹―」 ⑥(「卸」と書く)商品を問屋から小売店に売り渡すこと。 ⇒おろし‐あえ【下ろし和え】 ⇒おろし‐あゆみ【下ろし歩み】 ⇒おろし‐うり【卸売】 ⇒おろしうり‐しじょう【卸売市場】 ⇒おろしうり‐ぶっかしすう【卸売物価指数】 ⇒おろし‐え【下ろし枝】 ⇒おろし‐がね【下ろし金】 ⇒おろし‐ぐすり【下ろし薬・堕薬】 ⇒おろし‐ご【下ろし子】 ⇒おろし‐ごめ【下ろし米】 ⇒おろし‐たて【下ろし立て】 ⇒おろし‐どんや【卸問屋】 ⇒おろし‐なみ【卸並】 ⇒おろし‐ね【卸値】 ⇒おろし‐ねだん【卸値段】 ⇒おろし‐の‐かぜ【颪の風】 ⇒おろし‐ばた【下ろし機】 ⇒おろし‐もの【下ろし物】 ⇒おろし‐や【下ろし矢】 おろし‐あえ下ろし和え‥アヘ 魚肉・野菜などを大根おろしで和えること。また、そのもの。 ⇒おろし【下ろし・卸】 おろし‐あゆみ下ろし歩み】 足をまっすぐに踏みおろす、おちついた歩き方。浄瑠璃、傾城反魂香「―の道中は花の立木のそのままに」 ⇒おろし【下ろし・卸】 おろし‐うり卸売】 生産者・輸入商から大量の商品を仕入れて小売商人に売り渡すこと。「―商」 ⇒おろし【下ろし・卸】 おろしうり‐しじょう卸売市場‥ヂヤウ 卸売を行う市場。生産地の商品の集散市場である産地市場と、大消費地または大集散地の市場である中央市場とに大別。 ⇒おろし【下ろし・卸】 おろしうり‐ぶっかしすう卸売物価指数】 物価指数の一種で、卸売段階での物価の変動状態を示すもの。日本では2003年まで日本銀行などが調査作成して定期的に発表してきた。→企業物価指数⇒おろし【下ろし・卸】 おろし‐え下ろし枝】 切りおろした枝。千載和歌集「花咲きたる―に結びつけて」 ⇒おろし【下ろし・卸】 おろし‐がね下ろし金】 大根・しょうが・わさびなどをすりおろす器具。表面に小突起が多数ある。 ⇒おろし【下ろし・卸】 おろし‐ぐすり下ろし薬・堕薬】 妊婦にのませて堕胎させる薬。 ⇒おろし【下ろし・卸】 おろし‐ご下ろし子】 児をおろすこと。堕胎。 ⇒おろし【下ろし・卸】 おろし‐こ・む下ろし籠む】 〔他下二〕 格子などをおろして閉じこもらせる。古今和歌集「風にあたらじとて―・めてのみ侍りけるあひだに」 おろし‐ごめ下ろし米】 さがりものの米。 ⇒おろし【下ろし・卸】 おろし‐た・つ下ろし立つ】 〔他下二〕 ①おろして立たせる。 ②身分の下の者の間にたち交わらせる。源氏物語帚木「さりともまうとたちのつきづきしく今めきたらむに―・てむやは」 おろし‐たて下ろし立て】 新しい品物を使い始めたばかりであること。「―のシャツ」 ⇒おろし【下ろし・卸】 おろし‐どんや卸問屋】 卸売をする問屋。 ⇒おろし【下ろし・卸】 おろし‐なみ卸並】 小売商品の売価を卸値と同じにして販売すること。 ⇒おろし【下ろし・卸】 おろし‐ね卸値】 卸売の値段。 ⇒おろし【下ろし・卸】 おろし‐ねだん卸値段(→)卸値に同じ。 ⇒おろし【下ろし・卸】 おろし‐の‐かぜ颪の風(→)「おろし」5に同じ。 ⇒おろし【下ろし・卸】 おろし‐ばた下ろし機】 木板に竹釘を並立させた大根おろし用の器具。 ⇒おろし【下ろし・卸】 おろし‐もの下ろし物】 神仏の供物または貴人の膳部の残り物や使用後の品物のさがりもの。おろし。 ⇒おろし【下ろし・卸】 オロシャ (→)オロスに同じ。北槎聞略4「皇朝にてヲロシヤと称し、支那も亦俄字を冠せしなるべし」 おろし‐や下ろし矢】 低い方へ向かって射おろす矢。 ⇒おろし【下ろし・卸】 オロス俄羅斯】 ロシアの異称。オロシャ。増訂英華字典(1899年)「峨羅斯国」 おろ・す下ろす・降ろす・卸す】 〔他五〕 ➊上から下へだんだんに移す。 ①注意を保ちながら低い位置にそろそろと移す。だんだんと下にやる。また、そのような状態にする。竹取物語「集まりてとく―・さむとて」。日葡辞書「ホヲヲロス」。「腰を―・す」「国旗を―・す」「肩の荷を―・す」「根を―・す」 ②(幕などを)引きさげる。また、(よろい戸・錠などを)上から下へ動かして閉鎖する。源氏物語若紫「あやしきさまを人や見つらむとて、簾垂―・しつ」。源氏物語夕顔「半蔀はじとみは―・してけり」。炭俵「朝貌や昼は錠―・す門の垣」(芭蕉)。「シャッターを―・す」 ③車・舟などの乗物から出す。竹取物語「舟底に伏し給へり。松原に御むしろ敷きて―・し奉る」。「乗客を―・す」 ④(水に)入れる。宇津保物語祭使「御前の池に網―・し、鵜―・して、鯉鮒とらせ」。日葡辞書「イカリヲヲロス」「フネヲヲロス」 ⑤貴人の前からさがらせる。退去させる。源氏物語帚木「皆しもやに―・し侍りぬるを」 ⑥(官位を)さげる。位を退かせる。役などをやめさせる。また、一段低い用途に転用する。大鏡師尹「押して―・し奉らむことはばかり思し召しつるに」。「会長から―・す」「主役を―・される」 ⑦けなす。悪く言う。源氏物語少女「あさましく咎め出でつつ―・す」 ⑧神おろしをする。沙石集1「大明神を―・しまゐらせて、御託宣を仰ぐべし」 ⑨(神仏の供え物や貴人の召料などを)おさがりとして与える、また、いただく。宇津保物語蔵開中「ここにておろしを物せよとて、―・させ給ふ」。今昔物語集23「そこの奉る御衣を一つ二つ―・し候はむ」 ⑩(高い所から風などが)吹いて下に移動させる。吹きおろす。千載和歌集「浮き寝する猪名いなの湊に聞ゆなり鹿の音―・す峰の松風」 ▷自動詞的にも使う。 ➋もとあった所から離して落とす。 ①(木の枝などを)きり落とす。万葉集15「青柳の枝きり―・しゆたね蒔き忌々しき君に恋ひわたるかも」。日葡辞書「ケダモノノシソク(四足)ヲヲロス」。「下枝を―・す」 ②(頭髪を)そり落とす。伊勢物語「御髪ぐし―・し給うてけり」。日葡辞書「カシラヲヲロス」 ③体内から下へ出す。堕胎する。元輔集「男の国にまかるほどに、児を―・してける女の」。木下尚江、良人の自白「都亭の主婦おかみさんの言の通り、堕胎おろして了つた方が可かつたか知ら」。「虫くだしを飲んで回虫を―・す」 ④すりおろして粉にする。また、すりくずす。宇治拾遺物語2「件の金を取りて袖に包みて家にかへりぬ、―・してみればきらきらとして実の金なりければ、不思議のことなり」。日葡辞書「ダイコン・ワサビナドヲヲロス」 ⑤(魚や獣の)肉を切りさく。今昔物語集19「猪をとり生けながら―・してけるを見て」。日葡辞書「ウヲヲヲロス」。「三枚に―・す」 ➌しまってあるものを出し、実地の用に供する。 ①新しい品を使い始める。宇津保物語藤原君「自らの料には三合の米よね―・して食ひつつ」。「―・したばかりの服」 ②種子を植える。種子をまく。夫木和歌抄5「あめのあなたの苗代に神のくだせるたね―・すらし」 ③(預金などを)引き出す。「貯金を全部―・す」 ④《卸》商品を問屋が小売商に売りわたす。卸売りする。「品物を安く―・す」 ◇広く一般には「下」。上げるや乗せるの対の意味の場合に「降」をよく使う。卸売りする意には「卸」、物をすりくだく意の場合は「下」または「卸」を使う。 おろ・す織ろす】 〔他四〕 (オルの尊敬語オラスの転)お織りになる。古事記「我が王おおきみの―・す服はたおろ‐す・う下ろ据う】 〔他下二〕 (オロシスウの約)おろしてすえる。万葉集20「難波津に御船―・ゑ」 オロスコJosé Clemente Orozco】 メキシコの画家。近代的表現によって土俗的な内容を力強く表し、壁画運動を推進。作「サパタの同志たち」など。(1883〜1949) おろせ (「重くばおろせ」と歌いながらかついだのに基づく) ①「おろせ駕籠」の略。 ②駕籠舁かごかきの異称。 ⇒おろせ‐かご【おろせ駕籠】 ⇒おろせ‐やど【おろせ宿】 おろせ‐かごおろせ駕籠】 江戸時代、辻駕籠の一つ。主に上方の遊里でいう。おろせ。 ⇒おろせ おろせ‐やどおろせ宿】 江戸時代、駕籠かきを寝泊りさせて客の注文に応じた家。 ⇒おろせ おろそか疎か】 (「おろ」は大ざっぱの意) ①すきまが多いさま。まばら。〈日本霊異記訓釈〉 ②実じつが十分にこもっていないさま。また、しなければいけないことをほうっておくこと。なおざり。いいかげん。通り一遍。源氏物語桐壺「おほやけごとにつかうまつれる―なる事もぞと」。「勉強が―になる」 ③つたないこと。劣っていること。宇治拾遺物語4「前世の運―にして」 おろ‐た峰ろ田ヲロ‥ 山の田。万葉集14「安房峰ろの―に」 おろち大蛇ヲロチ (オは「峰」、ロは接尾語、チは霊威あるものの意)きわめて大きな蛇。うわばみ。だいじゃ。古事記「高志こしの八俣やまたの―」 ⇒おろち‐の‐あらまさ【大蛇の麁正】 おろち‐の‐あらまさ大蛇の麁正ヲロチ‥ 記紀神話で素戔嗚尊すさのおのみことが大蛇を斬った十拳剣とつかのつるぎの名。天の羽羽斫ははきり。大蛇の韓鋤からさい⇒おろち【大蛇】 オロチョンOrochon・鄂倫春】 シベリアのブリヤート共和国、アムール州および中国の内モンゴル自治区や黒竜江省の北部に居住するアルタイ語族ツングース‐マンチュー語派の言語を話す民族。ロシアではエヴェンキ人の一部とされるが、中国では別個の公定少数民族とされる。鹿類の狩猟、トナカイ飼育、漁労・採集を主としたが、現在では一部で農耕も行う。 オロッコOroke】 ウィルタの旧称。 おろ‐ぬ・く疎抜く】 〔他五〕 ①多くの中から、間を隔てて抜き取る。まびく。うろぬく。また、より出す。取りのける。徳和歌後万載集「鶯の声もたか菜を―・きて畠をあつちこちにとびなく」 ②間をあける。黄表紙、見徳一炊夢みるがとくいっすいのゆめ「女郎買ひも当分―・くつもりだ」 おろ‐ねぶ・る疎眠る】 〔自四〕 浅く眠る。うつらうつらする。宇治拾遺物語1「足を打ちひろげて―・りたるを」 おろ‐の‐かがみ尾ろの鏡ヲ‥ 山鳥の雄の尾に光沢があり、それに谷を隔てた雌の影がうつるということから、尾を鏡にみなしたもの。万葉集14「山鳥の尾ろの初麻はつおに鏡懸け」 おろ‐よ・し疎よし】 〔形ク〕 ①少しよい。ややよい。町人嚢「―・し。少しよきをいふ」 ②あまりよくない。悪い。東海道中膝栗毛8「客どもに向ひてあんがい―・いことぬかいてよかばいものか」 おわ 〔感〕 (→)「おえ」に同じ。 お‐わい汚穢ヲ‥ 汚れていること。汚れているもの。また、糞尿。おあい。 ⇒おわい‐や【汚穢屋】 おわい‐や汚穢屋ヲ‥ 便所の汲取りを業とする人。 ⇒お‐わい【汚穢】 おわ・う追はふオハフ 〔他下二〕 (オフに接尾語フの付いた語)追いかける。追い続ける。沙石集5「冠者ばら―・へて搦からめてけり」 おわさ・う御座さふオハサフ 〔自四〕 (オハスに接尾語フの付いた語。主語が複数の場合に使う)(みな)いらっしゃる。大鏡「この―・ふ人々に…と聞かせ奉らむ」 おわし‐どころ御座所オハシ‥ 貴人の居所。おましどころ。おわしましどころ。源氏物語浮舟「―尋ねられ給ふ日も」 おわし‐まさ・う御座しまさふオハシマサフ 〔自四〕 (オハシマスに接尾語フの付いた語。主語が複数の場合に使う)(みな)いらっしゃる。大鏡師輔「女君たちはみなかく―・ふ」 おわしまし‐どころ御座所オハシ‥ [reference](→)「おわし

おり‐も‐おり【折も折】ヲリ‥ヲリ🔗🔉

おり‐も‐おり折も折ヲリ‥ヲリ ⇒おり(折)(成句)

おり‐や【折屋】ヲリ‥🔗🔉

おり‐や折屋ヲリ‥ ①折箱を作る職人。 ②印刷された紙を本にするために、必要な大きさに折りたたむ仕事を職業とする人。

お・る【折る】ヲル🔗🔉

お・る折るヲル [一]〔他五〕 直線状または平面であるはずのものに力を加えて急角度にまげる意。 ①(棒状のものを)ある一所でまげる。かがめる。伊勢物語「手を―・りてあひ見しことを数ふれば」。日葡辞書「ヒザヲヲル」 ②(棒状のものを)まげてその部分を本体から離してしまう。万葉集5「梅の花―・りてかざせる諸人もろひとは」。枕草子97「あさましきもの、刺櫛すりて磨くほどにものにつきさへて―・りたる心地」。「枝を―・る」 ③(布や紙を)たたんで二つに重ねる。また、折り目をつける。万葉集12「白しろたえの袖―・りかへし恋ふればか」。源氏物語浮舟「この右近もの―・るとて」 ④(まげたり、たたみ重ねたりして)物の形をつくる。烏帽子えぼし・扇などをつくる。謡曲、烏帽子折「急ぎの旅にて候程に今宵―・りて給はり候へ」。日葡辞書「シャウジまたはビャウブノホネヲヲル」。「千代紙で鶴を―・る」 ⑤心をまげる。屈服させる。源氏物語帚木「強き心をしひて加へたれば、なよ竹の心ちして、さすがに―・るべくもあらず」。日葡辞書「ガ(我)ヲヲル」 ⑥折句をつくる。誹風柳多留13「かきつばたいたまぬやうに公家は―・り」 ⑦(自動詞的に用いて)波などがものを畳んだように寄せる。寄せ返す。万葉集7「今日もかも沖つ玉藻は白波の八重―・るが上に乱れてあるらむ」 [二]〔自下二〕 ⇒おれる(下一)

おれ【折れ】ヲレ🔗🔉

おれ折れヲレ 折れること。折れて切り離れた部分。

おれ‐あ・う【折れ合う】ヲレアフ🔗🔉

おれ‐あ・う折れ合うヲレアフ 〔自五〕 ゆずり合う。譲歩しあう。おりあう。「双方が―・って話がまとまる」

おれ‐かえ・る【折れ返る】ヲレカヘル🔗🔉

おれ‐かえ・る折れ返るヲレカヘル 〔自五〕 ①折れて元の方へかえる。 ②がっくり折れる。 ③舞う時に、身体や袖などがよく曲がりひるがえる。宇津保物語俊蔭「御階のもとに舞ひ出でて―・り舞ふ」

おれ‐かがみ【折れ屈み】ヲレ‥🔗🔉

おれ‐かがみ折れ屈みヲレ‥ ①折れて屈むこと。 ②身体の関節。 ③(→)「おりかがみ」に同じ。

おれ‐くぎ【折れ釘】ヲレ‥🔗🔉

おれ‐くぎ折れ釘ヲレ‥ ①頭部を折り曲げた釘。柱などにうちつけ物をかけるのに用いる。おりくぎ。 ②折れ曲がった釘。 ⇒おれくぎ‐りゅう【折れ釘流】

おれくぎ‐りゅう【折れ釘流】ヲレ‥リウ🔗🔉

おれくぎ‐りゅう折れ釘流ヲレ‥リウ きわめて字のへたなこと。金釘流。 ⇒おれ‐くぎ【折れ釘】

おれ‐くち【折れ口】ヲレ‥🔗🔉

おれ‐くち折れ口ヲレ‥ ①折れたきわ。折れて取れたところ。おれめ。 ②人の死にあうこと。とむらい。 ③張り合っていたものが折れあう機会。浄瑠璃、夏祭浪花鑑「粋な女房の挨拶もよい―と」

おれ‐こだ・る【折れこだる】ヲレ‥🔗🔉

おれ‐こだ・る折れこだるヲレ‥ 〔自下二〕 折れて傾く。身を曲げる。弁内侍日記「―・れ、身をなきになして舞ひたりし」→こだれる

おれ‐こま・す【折れ込ます】ヲレ‥🔗🔉

おれ‐こま・す折れ込ますヲレ‥ 〔他四〕 (近世語)みごもらせる。妊娠させる。

おれ‐こ・む【折れ込む】ヲレ‥🔗🔉

おれ‐こ・む折れ込むヲレ‥ 〔自五〕 ①折れて内部にはいる。 ②(近世語)みごもる。妊娠する。歌舞伎、傾城倭荘子「―・んだとは、めでたい」

おれ‐せん【折れ線】ヲレ‥🔗🔉

おれ‐せん折れ線ヲレ‥ 種々の長さおよび方向をもった線分を順次に接続して得られる線。 ⇒おれせん‐グラフ【折れ線グラフ】

おれせん‐グラフ【折れ線グラフ】ヲレ‥🔗🔉

おれせん‐グラフ折れ線グラフヲレ‥ 統計図表の一種。数量を示す点を順に線分で結んだ折れ線状のグラフ。 ⇒おれ‐せん【折れ線】

おれ‐まが・る【折れ曲がる】ヲレ‥🔗🔉

おれ‐まが・る折れ曲がるヲレ‥ 〔自五〕 折れて曲がる。

おれ‐め【折れ目】ヲレ‥🔗🔉

おれ‐め折れ目ヲレ‥ 折れたきわ。おれくち。折り目。

お・れる【折れる】ヲレル🔗🔉

お・れる折れるヲレル 〔自下一〕[文]を・る(下二) 直線状または平面であるはずのものが途中で急角度にまがる意。 ①まがって2重になる。源氏物語玉鬘「天下に目つぶれ足―・れ給へりとも」。「縫代がよく―・れていない」 ②まがって二つに分かれ離れる。源氏物語野分「大きなる木の枝などの―・るる音もいとうたてあり」。「鉛筆の芯が―・れる」「足の骨が―・れる」 ③まがって行く。横へまがる。源氏物語賢木「二条より洞院の大路を―・れ給ふ程」。「突き当たって右へ―・れる」 ④くじける。気勢をそがれる。心が弱くなる。歌舞伎、幼稚子敵討おさなごのかたきうち「刀の詮儀で水責めの腰が―・れた」。「我が―・れる」「あの人も気が―・れた」 ⑤主張・意見を和らげ、相手に従うようにする。譲歩する。保元物語「わが僻事とおぼしめす時は、たちまちに―・れさせ給ひて、御怠状をあそばして」。「こちらから―・れて出る」 ⑥和歌の腰(第3句)が次の句とうまく続かず調子がくだける。紫式部日記「腰―・れたることやかきまぜたりけむ」

せっ‐か【折価】🔗🔉

せっ‐か折価】 代価をまけること。また、まけさせること。ねぎること。ねびき。折銭。

せっ‐かく【折角】🔗🔉

せっ‐かく折角】 (一説に、頭巾の角つのを折る意で、わざわざすること。後漢の林宗がかぶっていた頭巾の角の片方が雨にぬれて折れ曲がったのを時の人がまねて、わざと一方の角をまげて林宗巾と呼んだという故事による) [一]〔名〕 ①力を尽くすこと。骨を折ること。心を砕くこと。保元物語「中にも―の合戦二十余ヶ度なり」。「―の好意」「―だが断る」「―だからもらっておく」 ②困難。難儀。〈日葡辞書〉 ③めったになく、大切であること。特別。「―の休日が雨になった」 [二]〔副〕 ①十分気をつけて。つとめて。浮世床2「ハイさやうなら―ごきげんよう」。「―御身お大切に」 ②(多く「―…のに」の形で)努力や期待が酬いられなくて残念だという気持を表す。好色一代女1「―目見えなしても、首尾せざれば」。「―来たのに会えなかった」

せっか‐はんりゅう【折花攀柳】‥クワ‥リウ🔗🔉

せっか‐はんりゅう折花攀柳‥クワ‥リウ 花柳の巷ちまたに遊ぶこと。

せっ‐けい【折桂】🔗🔉

せっ‐けい折桂】 進士しんしの試験に合格すること。→桂かつらを折る(「桂」成句)

せつ‐ごく【折獄】🔗🔉

せつ‐ごく折獄】 訴訟の裁判。また、その判決。

へぎ【折ぎ・剥ぎ】🔗🔉

へぎ折ぎ・剥ぎ】 ①へぐこと。 ②「へぎいた」の略。 ③「へぎおしき」の略。〈日葡辞書〉 ④「へぎおり」の略。

へぎ‐おしき【折折敷・剥折敷】‥ヲ‥🔗🔉

へぎ‐おしき折折敷・剥折敷‥ヲ‥ へぎいたで作った折敷。へぎ。

へぎ‐おり【折ぎ折・剥ぎ折】‥ヲリ🔗🔉

へぎ‐おり折ぎ折・剥ぎ折‥ヲリ へぎいたで作った折箱。へぎ。「―にすしを詰める」

へぎ‐やき【折ぎ焼】🔗🔉

へぎ‐やき折ぎ焼】 鴨かもの切り身を杉の折板へぎいたに並べて焼くこと。杉の香を移して賞味する。杉板焼。

へ・ぐ【剥ぐ・折ぐ】🔗🔉

へ・ぐ剥ぐ・折ぐ】 [一]〔他五〕 ①薄く削りとる。はがす。むく。日葡辞書「イタヲヘグ」 ②へらす。少なくする。日葡辞書「チギャウ(知行)ヲヘグ」 [二]〔自下二〕 ⇒へげる(下一)

[漢]折🔗🔉

 字形  筆順 〔手(扌)部4画/7画/教育/3262・405E〕 〔音〕セツ(漢) シャク(慣) 〔訓〕る・おりれる [意味] ①おる。おれる。まげる。まがる。断ちわる。分ける。「曲折・屈折・折半・折中」 ②くじく。くじける。「面折・挫折ざせつ・折伏しゃくぶく・折衝」 ③死ぬ。「夭折ようせつ」 ▷日本で、機会・場合の意の「おり」に当てる。 [解字] 解字本字は。会意。左半部は、「艸」(=草)。「斤」(=おの)を加えて、おので草木を断ち切る意。現代中国語では「摺」の簡体字としても用いる。 [下ツキ 右折・曲折・屈折・骨折・左折・挫折・百折不撓・夭折 [難読] 折敷おしき・折板へぎ

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