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ささ【笹・篠】🔗🔉

ささ【笹・篠】 1 イネ科のタケ属で小形のものの総称。一稔性で、高さ〇・二〜〇・六メートル。根茎は地中を横にはう。稈(かん)は細長い中空の円柱形で節がある。葉は先のとがった狭長楕円形で基部は鞘(さや)となって稈を包む。タケに対してふつう稈がのびきるまで竹の子の皮が落ちない。実はだんごにして食べ、稈はパルプにしたり種々の家具や器具をつくる。葉は粽(ちまき)や鮨(すし)、和菓子を包むのに用いる。東アジア、特に日本には、各地に広く分布し、クマザサ、チシマザサ、チマキザサ、ミヤコザサなど種類も多く、しばしば観賞用に庭に植えられる。笹草。 2 (酒)(中国で酒を竹葉と呼んだところから。また「さけ」の「さ」を重ねたものともいう)酒をいう女房詞。 3 紋所の名。竹の葉や枝などをかたどったもの。三枚笹、九枚笹、根笹、雪持根笹、笹に雀、上杉笹、宇和島笹、仙台笹、鳥居笹、山口笹などの種類がある。 4 能楽や演劇の手道具の一つで、狂女の持って出る笹。狂い笹。また、宮廷神楽で用いた篠(ささ)の採物(とりもの)。 ●笹が根(ね) ⇒親見出し ●笹の青(あお) 襲(かさね)の色目の名。表は白で裏は青。壮年の狩衣に多く用い、春用いる時は柳襲(やなぎがさね)といい、冬は松の雪ともいう。 ●笹の庵(いおり・いお) 笹の葉で屋根をふいた庵。 ●笹の隈(くま) (地名「ひのくま(檜隈)」に接頭語「さ」の付いた「さひのくま」が「ささのくま」と誤られ、「笹の隈」と解されたもの)生い茂った笹によってできた物かげ。*古今‐一〇八〇「ささのくまひのくま河にこまとめて」 ●笹の子(こ) 篠竹(しのだけ)のたけのこ。小さいが柔らかで美味。篠子(すすのこ)。《季・夏》 ●笹の露(つゆ) 1 笹の葉におく露。 2 酒、または少量の酒をいう。 ⇒親見出し ●笹の戸(と) 笹で作った戸。また、笹の生い茂った門戸。ささど。 ●笹の葉 1 小さい竹類の葉。ささば。 2 湯立(ゆだて)の巫女(みこ)が神託を受ける時に持つ熊笹の葉。 3 酒をいう。 4 =ささのはがい(笹葉貝) ●笹の実(み) 1 笹の果実。自然粳(じねんご)。 2 酒の粕をいう女房詞。 ●笹の=屋(や)[=宿(やどり)] 笹の葉で屋根をふいた家。 ●笹の雪(ゆき) 1 絹漉豆腐(きぬごしどうふ)の風雅な呼び方。そのなめらかさを、笹の葉に積もった淡雪に見立てたものという。淡雪豆腐(あわゆきどうふ)。 2 豆腐料理の一つ。文化・文政ごろから、江戸根岸新田(東京都台東区根岸)の料亭で売り出された、葛餡(くずあん)をかけた絹漉豆腐。吉原帰りの客で繁昌し、根岸名物となって現在に至る。また、その店名となる。 3 (笹に積もった雪がすぐ落ちるように、首や胴がすぐに落ちるの意をこめて)武士が刀につけた名。 4 紋所の名。笹の上に積もった雪を図案化したもの。雪持笹。

ささ🔗🔉

ささ 豆(ささげ)をいう女房詞。

さ‐さ【些些】🔗🔉

さ‐さ【些些】 〔形動タリ〕すこしばかりのさま。わずか。「些々たる事」

さ‐さ【瑣瑣】🔗🔉

さ‐さ【瑣瑣】 〔形動タリ〕こまかいさま。こまごまとしているさま。また、くだくだしいさま。「瑣々たる説」

さ‐さ【然然】🔗🔉

さ‐さ【然然】 〔副〕(副詞「さ(然)」を重ねた語) 1 同意を表す。そうそう。さようさよう。*宇津保‐俊蔭「ささ、これしていとようつかうまつるべかめり」 2 具体的な叙述を省略し、内容の存することだけを形式的に指示する。しかじか。*蜻蛉‐下「又の日かへりて、ささなんといふ」 ●然然して (詳しくいうべきところを省略して述べる時に用いる)これこれの事情で。そうこうして。*蜻蛉‐中「ささして、まゐり給ことあなり」

ささ🔗🔉

ささ 〔副〕 1 風が吹く音などを表す語。さっさっ。*名語記‐六「風のささとふく如何」 2 水などが勢いよく流れたり、そそぎかかったりするさまを表す語。ざざ。*徒然草‐一一四「あがきの水、前板までささとかかりけるを」

ささ🔗🔉

ささ 〔感動〕 1 はやしことば。*古事記‐中・歌謡「あやに転楽(うただの)し佐佐(ササ)」 2 人に物事を勧めたり誘ったりする時に発する語。さあさあ。*滑・浮世床‐初「ササいはんすなそこぢゃて」

さ‐さ【細・小】🔗🔉

さ‐さ【細・小】 〔語素〕(狭いの意の「さ」を重ねた語。後世は、「さざ」とも)主として名詞の上に付けて、「こまかい」「小さい」「わずかな」の意を表す。ささら。さざれ。

ささ‐あみ【笹編】🔗🔉

ささ‐あみ【笹編】 編み物で、鉤針(かぎばり)を用いて、笹の葉のような模様をあらわす編み方。

ささ‐あめ【笹飴】🔗🔉

ささ‐あめ【笹飴】 笹の葉に飴を包んだもの。新潟県(越後)の名産。

さ‐さい【些細・瑣細】🔗🔉

さ‐さい【些細・瑣細】 (形動)小さなこと。わずかなさま。たいしたことではないさま。*浄・仮名手本忠臣蔵‐六「イヤもふ瑣細(ササイ)な内証事」

さ‐さい【才】🔗🔉

さ‐さい【才】 とるにたりない才能。無才。

ささい‐こさい【支小支】(ささひこさひ)🔗🔉

ささい‐こさい【支小支】(ささひこさひ) 「ささえこさえ(支小支)」の変化した語。

ささい‐な・し【ささい無し】🔗🔉

ささい‐な・し【ささい無し】 〔形ク〕(「ささい」は「しさい(子細)」に同じか)さしさわりがない。さしつかえがない。異状ない。しさいなし。*愚管抄‐五「ささいなくて、天下の事顧問に預りて」

ささ‐いろ【笹色】🔗🔉

ささ‐いろ【笹色】 濃い紅(べに)が乾き、黒ずんできて、青く光る色。

ささ‐う【笹生】(‥ふ)🔗🔉

ささ‐う【笹生】(‥ふ) ⇒ささふ(笹生)

ささ・う【支う】(ささふ)🔗🔉

ささ・う【支う】(ささふ) 〔他ハ下二〕⇒ささえる(支)

ささ‐うお【笹魚】(‥うを)🔗🔉

ささ‐うお【笹魚】(‥うを) 根曲竹(ねまがりだけ)に虫が寄生してできた虫こぶ。化して岩魚(いわな)になるといわれた。

ささえ【支】(ささへ)🔗🔉

ささえ【支】(ささへ) 1 ささえること。また、そのもの。つっかい。つっぱり。また、もちこたえること。*太平記‐一六「敵の大勢なるを聞きて、一支(ササヘ)もせず」 2 「ささえぐち(支口)」または「ささえごと(支言)」の略。

ささう‐かさなう【刺さう重なう】(ささふかさなふ)🔗🔉

ささう‐かさなう【刺さう重なう】(ささふかさなふ) 〔連語〕⇒ささえかさなえ(刺重)

ささ‐うしのした【笹牛之舌】🔗🔉

ささ‐うしのした【笹牛之舌】 ササウシノシタ科の海魚。体長は一二センチメートルぐらい。体形は扁平な長楕円形で、両眼は右側に近くあり、吻(ふん)の先は腹側に垂れ下がり、口は鉤(かぎ)状に曲がる。目のある側は黄褐色または暗褐色で、黒褐色と乳白色の斑紋が散在する。食用。本州中部以南に分布。

ささうら‐いし【楽楽浦石】🔗🔉

ささうら‐いし【楽楽浦石】 兵庫県城崎郡城崎町楽楽浦から採れる石。淡灰色の石英からなる目の粗(あら)い岩質の凝灰岩。土木建築用とする。

ささ‐え【小筒・竹筒】🔗🔉

ささ‐え【小筒・竹筒】 (歴史的かなづかいを「ささへ」とする説があるが、未詳) 1 竹の筒。古く、酒を入れて携帯するのに用いたもの。 2 =さげじゅうばこ(携重箱)

ささえ‐かさなえ【刺さえ重なえ】(ささへかさなへ)🔗🔉

ささえ‐かさなえ【刺さえ重なえ】(ささへかさなへ) 〔連語〕(「万葉‐三七九一」の「ま榛(はり)もちにほしし衣に高麗錦(こまにしき)紐に縫ひ着け刺部重部並み重ね着て」の「刺部重部」を「万葉集古義」が読んだ訓。「ささえ」「かさなえ」の「え(へ)」は、継続反復の意ともいうが、活用やかなづかいからみて疑問)繰り返し刺し重ねての意。 [補注]「刺部重部」の読みについては、「さしえかさなえ」「ささうかさなう」などとよむ説もあるが、いまだ定訓がない。

ささえ‐ぐち【支口】(ささへ‥)🔗🔉

ささえ‐ぐち【支口】(ささへ‥) 中に立って人の悪口を言い、仲たがいをさせること。中傷。差出口。

ささえ‐こさえ【支小支】(ささへこさへ)🔗🔉

ささえ‐こさえ【支小支】(ささへこさへ) (同音・類音の語を重ねて意味を強めたもの。「こさえ」は動詞「さ(支)える」の名詞形「さえ」に軽侮の意を表す接頭語「こ」の付いたものという)ひどいじゃまをすること。じゃまだて。中傷。*浄・新薄雪物語‐中「斯ういへば大膳が一はな立て、ささへこさへする様なれど」

ささえ‐ごと【支言】(ささへ‥)🔗🔉

ささえ‐ごと【支言】(ささへ‥) =ささえぐち(支口)

ささえ‐じょう【支状】(ささへジャウ)🔗🔉

ささえ‐じょう【支状】(ささへジャウ) 自分の立場が正当であることを主張する文書。また、鎌倉・室町幕府の訴訟手続きで、訴人(原告)の提出した訴状に対し、論人(被告)が弁明のために提出する陳状。しじょう。

ささえ‐だて【支立】(ささへ‥)🔗🔉

ささえ‐だて【支立】(ささへ‥) (「だて」は接尾語)邪魔をすること。妨害すること。

ささえ‐つりこみあし【支釣込足】(ささへ‥)🔗🔉

ささえ‐つりこみあし【支釣込足】(ささへ‥) 柔道で、相手の体を釣って前隅にくずしながら、足の裏で相手の出した足の下端を支えて、ねじるように投げる足技。

ささえ‐ばしら【支柱】(ささへ‥)🔗🔉

ささえ‐ばしら【支柱】(ささへ‥) 物の落下や倒壊などを防ぎ支えるために立てる柱。しちゅう。

ささ‐えびね【笹海老根・笹蝦根】🔗🔉

ささ‐えびね【笹海老根・笹蝦根】 「こけいらん(小蘭)」の異名。

ささ・える【支える】(ささへる)🔗🔉

ささ・える【支える】(ささへる) 〔他ア下一(ハ下一)〕ささ・ふ〔他ハ下二〕(室町時代ごろから、ヤ行にも活用)それ以上悪い状態にならないようにする。 1 通れないようにする。ふさぎとめる。さえぎる。妨げる。*法華義疏長保四年点‐一「此の阿修羅い能く手を以て月を障(ササフ)」 2 もちこたえる。物をつっぱって倒れたり落ちたりしないようにする。ある状態を保ち続ける。支持する。*帝釈天略供養次第永承三年点「右の大を以て左の小を差(ササヘヨ)」 3 精神的に、または経済的に援助する。支援する。「愛情で支える」 4 相手の勢いをくいとめる。防ぎとめる。*平家‐八「二百騎ばかりでささへたる川原坂の勢の中へ」 5 事実をまげて悪くいう。中傷する。*浄・頼朝伊豆日記‐二「涙ながらにささへらる心の内こそおそろしき」

ささ‐おどり【笹踊】(‥をどり)🔗🔉

ささ‐おどり【笹踊】(‥をどり) 笹を手に持って踊る神事舞。各地にあり、特に愛知県の吉田神社の牛頭天王祭のものは有名。

ささ‐おぶね【笹小舟】(‥をぶね)🔗🔉

ささ‐おぶね【笹小舟】(‥をぶね) =ささぶね(笹舟)

ささ‐おり【笹折】(‥をり)🔗🔉

ささ‐おり【笹折】(‥をり) 1 笹の葉を折ったもの。笹の葉で食物を包んだもの。 2 経木(きょうぎ)で作った小箱。また、それに食物をつめたもの。おり。

ささ‐がき【笹垣】🔗🔉

ささ‐がき【笹垣】 笹竹で結った垣根。

ささ‐がき【笹書】🔗🔉

ささ‐がき【笹書】 細い筆を何本も束ね、数本の線を一度に描けるようにくふうしたもの。薄(すすき)や笹などを描くときに用いる。

ささ‐がき【笹掻】🔗🔉

ささ‐がき【笹掻】 鰹節(かつおぶし)や牛蒡、大根などを、笹の葉のように薄く細く削ること。また、その削ったもの。笹吹き。ささがし。

ささがき‐ごぼう【笹掻牛蒡】(‥ゴバウ)🔗🔉

ささがき‐ごぼう【笹掻牛蒡】(‥ゴバウ) 牛蒡をささがきにしたもの。

ささがき‐なます【笹掻膾】🔗🔉

ささがき‐なます【笹掻膾】 料理の一つ。大根をささがきにして酢醤油に浸したもの。ひでりなます。

ささ‐がし【笹がし】🔗🔉

ささ‐がし【笹がし】 「ささがき(笹掻)」の変化した語。

ささ‐がに【細蟹・笹蟹】🔗🔉

ささ‐がに【細蟹・笹蟹】 「くも(蜘蛛)」の異名。また、くもの糸。*古今‐七七三「今しはとわびにしものをささがにの衣にかかりわれをたのむる」

ささがに‐の【細蟹の】🔗🔉

ささがに‐の【細蟹の】 (「書紀‐允恭八年二月・歌謡」の「我が背子が来べき宵なり佐瑳餓泥能(ササガネノ)蜘蛛の行なひ今宵著(しる)しも」に見られる上代の「ささがねの」(「笹の根の」の意)が中古以降「ささがにの」の形で伝えられたことによる) 1 「蜘蛛(くも)」にかかる。 2 「蜘蛛」と同音の語または同音を含む「蜘蛛手(くもで)」「雲」「曇る」などにかかる。 3 蜘蛛の糸というところから、「糸」および「糸」と同音または同音を含む副詞「いと」や動詞「いとふ(厭)」などにかかる。 4 蜘蛛の「い」(巣・網の意)というところから同音を語頭に含む「いかさま」「いかなり」「いづこ」「命」「今」などにかかる。

ささがに‐ひめ【細蟹姫】🔗🔉

ささがに‐ひめ【細蟹姫】 (蜘蛛が糸をかけることにちなんでいう)琴座の首星、織女星の異称。《季・秋》

ささ‐が‐ね【笹が根】🔗🔉

ささ‐が‐ね【笹が根】 笹の根もと。また、笹の生えている場所。

ささがね‐の【笹が根の】🔗🔉

ささがね‐の【笹が根の】 「蜘蛛(くも)」にかかる。

ささ‐かまぼこ【笹蒲鉾】🔗🔉

ささ‐かまぼこ【笹蒲鉾】 笹の葉の形に似せてつくった蒲鉾。仙台地方の名産。

ささ‐がや【笹萱】🔗🔉

ささ‐がや【笹萱】 イネ科の一年草。山野に生える。高さ二〇〜七〇センチメートル。茎の下部は地面を横にはい各節からひげ根をおろす。葉は披針形で下部は鞘となって茎を包む。秋、茎頭に数個に分かれた緑色の花穂をつける。小穂には長い芒(のぎ)がある。

ささかわ【笹川】(ささかは)🔗🔉

ささかわ【笹川】(ささかは) (「ささがわ」とも) 福島県郡山市の地名。江戸時代は奥州街道の須賀川と日出山の間にあった宿駅。 千葉県香取郡東庄町の地名。明治末期までの利根川の河港。成田線が通じる。

ささかわ【笹川】(ささかは)🔗🔉

ささかわ【笹川】(ささかは) 姓氏。

ささかわ‐ちぢみ【笹川縮】(ささかは‥)🔗🔉

ささかわ‐ちぢみ【笹川縮】(ささかは‥) 三重県松阪地方から産出する綿縮。明治四〇年、同地の笹川縮製織所で織り始めたところからいう。寝巻、子供服、カーテン地などに用いられる。

ささかわ‐りんぷう【笹川臨風】(ささかは‥)🔗🔉

ささかわ‐りんぷう【笹川臨風】(ささかは‥) 俳人、評論家。本名種郎。東京出身。東京帝大卒。大学在学中「筑波会」をおこし句作にはげむ。のち、「帝国文学」の編集に携わった。(一八七〇〜一九四九)

ささき【佐々木・佐佐木】🔗🔉

ささき【佐々木・佐佐木】 姓氏。宇多源氏。または近江源氏。近江の豪族で中世の守護・大名。源雅信の子扶義が近江国蒲生郡佐々木庄に住し、佐々木氏を称す。秀義のとき源為義の女を娶り、平治の乱には義朝に属す。頼朝の挙兵に応じ戦功をたて、近江など一六国の守護職を与えられ、子孫は三十余家に分かれた。秀義のあと佐々木氏は定綱・信綱と継嗣し、近江源氏の主流となる。信綱の三子泰綱は六角氏、四子氏信は京極氏となり、両氏は以後佐々木氏の主流をなし、六角氏は近江南半五郡、京極氏は北半八郡を領した。六角氏は永禄一一年織田信長によって滅ぼされるが、京極氏は室町幕府四職家の一となり、江戸時代にも大名として続いた。

ささき【佐佐木】🔗🔉

ささき【佐佐木】 謡曲。佐々木四郎高綱は木曾義仲討伐に出陣する際に、源頼朝に頼んで秘蔵の名馬生(いけずき)をもらう。駿河の浮島ケ原で梶原景季とこの馬のことで口論となったが、やがて仲直りをして、梶原の馬、磨墨(するすみ)ともどもに都へ上る。馬乞佐々木。廃曲。

ささき【狭狭城・沙沙貴・佐佐貴・佐佐木】🔗🔉

ささき【狭狭城・沙沙貴・佐佐貴・佐佐木】 地名。「和名抄」にいう、近江国蒲生(かまふ)郡篠笥(ささき)郷。上代、大彦命の子孫狭狭城山君(ささきのやまのきみ)が住み、中古、佐佐木荘となり、宇多源氏雅言の孫成頼が入部して荘官となった。中世には近江源氏を称する佐々木氏の本領地。現在の滋賀県蒲生郡安土町と八日市市との一部にあたり、沙沙貴神社や佐佐木城(観音寺城)址などがある。

ささぎ【豆】🔗🔉

ささぎ【豆】 「ささげ(豆)」の変化した語。

ささき‐いちぞう【佐々木市蔵】(‥いちザウ)🔗🔉

ささき‐いちぞう【佐々木市蔵】(‥いちザウ) 邦楽家。常磐津三味線方。 初世。鳥羽屋三右衛門の門弟で、はじめ江戸節の三味線方であったが、のち宮古路文字太夫の相方となる。延享四年文字太夫が常磐津と改称のときに佐々木市蔵と改名し、常磐津節の確立と興隆に貢献。作曲にもすぐれ、「蜘蛛の糸」などの名曲を残す。(〜一七六八) 二世。本名西村徳蔵。二世岸沢九蔵の門下。初名岸沢八五郎。のち同市蔵と改称し、天保一一年佐々木姓を復活して二世となる。名人とうたわれ、「明烏」などの曲も残す。(一七九八〜一八六一)

ささき‐げっしょう【佐々木月樵】(‥ゲッセウ)🔗🔉

ささき‐げっしょう【佐々木月樵】(‥ゲッセウ) 近代の真宗大谷派の僧。仏教学者。清沢満之に学び、雑誌「精神界」を通して仏教に新風を送りこんだ。大谷大学学長などをつとめる。(一八七五〜一九二六)

ささ・く🔗🔉

ささ・く 〔自カ下二〕→ささける

ささ‐きげん【酒機嫌】🔗🔉

ささ‐きげん【酒機嫌】 =さかきげん(酒機嫌)

ささき‐こじろう【佐々木小次郎】(‥こジラウ)🔗🔉

ささき‐こじろう【佐々木小次郎】(‥こジラウ) 兵法者。巌流(岸柳=がんりゅう)と号した。越前国一乗谷村浄教寺(福井市足羽)の小太刀の名人、中条流宗家富田勢源(とだせいげん)の家人といわれる。燕返しの剣法を考案し、豊前国(福岡県)小倉で細川忠興に仕えた。宮本武蔵との試合に敗死。(〜一六一二)

ささき‐さだつな【佐々木定綱】🔗🔉

ささき‐さだつな【佐々木定綱】 鎌倉初期の武将。近江国守護。近江佐々木氏の祖。母は源為義の女。太郎と称した。源頼朝に従い功をかさねる。建久二年延暦寺の僧徒と争いを起こし、薩摩国(鹿児島県)に配流されたが、翌年、許された。(一一四二〜一二〇五)

ささき‐そういち【佐々木惣一】🔗🔉

ささき‐そういち【佐々木惣一】 憲法・行政法学者。鳥取県出身。京都帝大卒。憲法および行政法の権威として美濃部達吉とともに公法学界の中心的存在であった。京大事件で大学自治確立に努力、滝川事件で退官。立命館大学総長。第二次世界大戦後、新憲法作成の審議に加わり、「佐々木試案」を作った。著書「日本行政法原論」「日本国憲法論」など。(一八七八〜一九六五)

ささき‐たかうじ【佐々木高氏】(‥たかうぢ)🔗🔉

ささき‐たかうじ【佐々木高氏】(‥たかうぢ) 南北朝時代の武将。近江国(滋賀県)の豪族。号、道誉。四郎と称した。京極宗氏の子。はじめ北条高時に仕えたが、のち足利尊氏に従い、室町幕府創設に功があって、近江、上総、出雲などの守護をかねる。歌道、香道、茶道のたしなみも深かった。(一三〇六〜七三)

ささき‐たかおき【佐々木隆興】🔗🔉

ささき‐たかおき【佐々木隆興】 医学者。東京出身。東京帝大卒。京大教授、杏雲堂病院長、佐々木研究所所長、癌研・結核研各所長を歴任。たんぱく質アミノ酸の研究、肝臓癌人工発生の研究でそれぞれ学士院賞を受賞した。(一八七八〜一九六六)

ささき‐たかつな【佐々木高鋼】🔗🔉

ささき‐たかつな【佐々木高鋼】 鎌倉初期の武将。四郎と称した。定綱の弟。母は源為義の女。源頼朝の挙兵に参じ、石橋山の戦いで軍功を立てる。宇治川の合戦では名馬生(いけずき)で梶原景季と先陣を争い名をあげ、功によって備前、安芸、周防などの守護となった。のち賞の薄いのを恨んで出家。生没年不詳。

ささき‐たかゆき【佐々木高行】🔗🔉

ささき‐たかゆき【佐々木高行】 政治家。土佐藩出身。初名は高富・高春。通称三四郎。早くから勤王の志を抱き、土佐倒幕運動の一中心となる。明治三年参議となり、のち司法大輔、工部卿、枢密院顧問官などを歴任。(一八三〇〜一九一〇)

ささき‐たかより【佐々木高頼】🔗🔉

ささき‐たかより【佐々木高頼】 室町時代の武将。近江の名族で、六角氏を称する。父政頼。初名四郎。近江国守護。応仁の乱に、山名宗全の下で細川氏の兵を破り、その後、細川勝元に属した京極氏と近江を争い、これに勝った。乱後、近江にある多くの諸領を獲得し、管理した。(〜一五二〇)

ささき‐ちゅうじろう【佐々木忠次郎】(‥チュウジラウ)🔗🔉

ささき‐ちゅうじろう【佐々木忠次郎】(‥チュウジラウ) 昆虫学者。近代養蚕学・製糸学の開拓者。福井県出身。東京大学理科大学卒業、東京帝大農学部教授。主著に「農作物害虫篇」。(一八五七〜一九三八)

ささき‐ちゅうたく【佐々木仲沢】🔗🔉

ささき‐ちゅうたく【佐々木仲沢】 蘭医。岩手の人。大槻玄沢について蘭学を修め、仙台藩医学校教授となる。仙台藩最初の人体解剖を行い「存真図腋」を著す。(一七九〇〜一八四八)

ささき‐とうよう【佐々木東洋】(‥トウヤウ)🔗🔉

ささき‐とうよう【佐々木東洋】(‥トウヤウ) 医学者。江戸の人。佐藤泰然のもとで医学を修める。西南の役に軍医として活躍。のち、脚気病院の主任を経て、杏雲堂病院の前身を開設した。明治二三年には東京医会を創立して会長となった。(一八三九〜一九一八)

ささき‐のぶつな【佐佐木信綱】🔗🔉

ささき‐のぶつな【佐佐木信綱】 国文学者、歌人。東京帝大卒。三重県出身。佐佐木弘綱の長男。号は竹柏園。和歌の歴史的研究、万葉の基礎的研究に尽力。明治和歌革新運動を起こし竹柏会を設立。機関誌「心の花」を刊行した。著編書に、「万葉集の研究」「校本万葉集」。歌集に「おもひ草」「豊旗雲」。門下に川田順、九条武子がいる。(一八七二〜一九六三)

ささ‐きび【笹黍】🔗🔉

ささ‐きび【笹黍】 イネ科の多年草。屋久島以南の山野に生える。高さ〇・三〜二・五メートル。茎と葉はササに似ており、キビに似た長さ三〇〜六〇センチメートルの花穂をつける。

ささき‐ひろつな【佐佐木弘綱】🔗🔉

ささき‐ひろつな【佐佐木弘綱】 国学者、歌人。伊勢石薬師の生まれ。信綱の父。号は竹柏園。著書に「古事記歌俚言解」。(一八二八〜九一)

ささき‐みつぞう【佐々木味津三】(‥ミつザウ)🔗🔉

ささき‐みつぞう【佐々木味津三】(‥ミつザウ) 小説家。本名光三(みつぞう)。愛知県出身。明治大学政経学科卒業。「右門捕物帖」「旗本退屈男」などを書き、大衆文学の分野で活躍した。(一八九六〜一九三四)

ささき‐もさく【佐佐木茂索】🔗🔉

ささき‐もさく【佐佐木茂索】 小説家。京都出身。芥川竜之介に師事し「文藝春秋」同人として活躍。昭和一〇年菊池寛と芥川賞・直木賞を創設した。のち、文藝春秋新社社長。創作集に「春の外套」、長編小説に「困った人達」などがある。(一八九四〜一九六六)

ささ‐きり【笹螽🔗🔉

ささ‐きり【笹螽 キリギリス科の昆虫。本州中部以南の平地に分布。体長一二〜一五ミリメートル。体は小型で細長く、全体が暗緑色で、側面、足の先、前ばねなどは黒褐色を帯びる。七、八月ごろ笹の葉の上などでキチ、キチ、キチと続けて鳴く。近似種にホシササキリ、オナガササキリ、コバネササキリ、ウスイロササキリなどがある。

ささき‐りゅう【佐佐木流】(‥リウ)🔗🔉

ささき‐りゅう【佐佐木流】(‥リウ) 馬術の一派。近江国(滋賀県)観音寺城の城主、佐々木義賢を祖とする。

さ‐さく【茶杓】🔗🔉

さ‐さく【茶杓】 =ちゃしゃく(茶杓)

ささ・く🔗🔉

ささ・く 〔自カ四〕語義未詳。花やかに栄える、花やかにきらめくなどの意か。一説に、にぎやかに花やぐ意かとする。*万葉‐三七九一「古(いにしへ)狭々寸(ササキ)しわれやはしきやし今日やも子等にいさにとや思はえてある」

ささ・ぐ【捧ぐ】🔗🔉

ささ・ぐ【捧ぐ】 〔他ガ下二〕⇒ささげる(捧)

ささ‐くさ【笹草】🔗🔉

ささ‐くさ【笹草】 1 =ささ(笹)1 2 イネ科の多年草。本州中部以西の山林に生える。高さ四〇〜九〇センチメートル。葉は薄く長さ一五〜二〇センチメートルの広披針形で、五〜六枚生じる。夏から秋にかけ、緑色の小穂が円錐形につく。漢名、淡竹葉。ささのはぐさ。

ささ‐ぐま【笹熊・🔗🔉

ささ‐ぐま【笹熊・ 「あなぐま(穴熊)」の異名。

ささ‐ぐも【笹蜘蛛】🔗🔉

ささ‐ぐも【笹蜘蛛】 1 蛛形類真正クモ目ササグモ科のクモ。体長は約一センチメートル。背甲は長卵形で黄褐色。網は張らない。動作はすばやく、小さな蛾などの昆虫に飛びついて捕える。本州以南の日本各地に分布。 2 「くさぐも(草蜘蛛)」の異名。

ささ‐くり【笹繰】🔗🔉

ささ‐くり【笹繰】 建築で、肘木(ひじき)の上端、巻斗(まきと)と巻斗との間を薄くえぐりとった部分。水繰(みずくり)。

ささ‐ぐり【笹栗・小栗】🔗🔉

ささ‐ぐり【笹栗・小栗】 (実の小さい栗の意)「しばぐり(柴栗)」の異名。《季・秋》

ささ‐くれ🔗🔉

ささ‐くれ 指の爪ぎわや、物の先端などが細かくむけてめくれあがったり、裂けて割れたりすること。また、そうなったもの。さかむけ。

ささくれ‐だ・つ【ささくれ立つ】🔗🔉

ささくれ‐だ・つ【ささくれ立つ】 〔自タ五(四)〕ささくれた状態になる。ささくれて目立つ。目につくほどささくれる。「ささくれ立った指先」

ささ‐く・れる🔗🔉

ささ‐く・れる 〔自ラ下一〕 1 指の爪ぎわや、物の先端などが細かくむけてめくれあがったり、さけてわれたりする。「ささくれた畳」 2 感情がとげとげしく荒れる。「ささくれた雰囲気」

ささげ【捧】🔗🔉

ささげ【捧】 太平洋岸各地の漁村で女性が水桶その他を頭の上にのせて運ぶ頭上運搬をいう。 〔接尾〕平安時代、捧げ物を数えるのに用いる。物の枝につけた一組の捧げ物をひとささげという。*伊勢‐七七「奉りあつめたる物、千ささげ許あり」

ささげ【豆・大角豆】🔗🔉

ささげ【豆・大角豆】 1 マメ科の一年草。中央アフリカ原産で、日本でも古くから栽培されている。茎はつる性で長くのびるもの、つる状にならないものもある。葉は互生で長柄をもち三小葉からなる。小葉は柄があり卵状菱形で長さ八〜一五センチメートル。夏、葉腋に淡紫色の蝶形花を二〜三個ずつつける。果実は長さ一五〜二〇センチメートルの線形の莢(さや)で上を向いてつく。種子は長さ一センチメートル内外で、白・黒・褐色・赤褐色など品種によって異なる。おびただしい数の栽培品種があり、実用面からは若莢を食用とするもの(サヤササゲ)、種子をとるもの(ミトリササゲまたはハタササゲ)に大別される。また、ジュウロクササゲ、サンジャクササゲなど莢の著しく長くなる一群がある。種子は餡の原料、強飯(こわめし)の材料。漢名、豆。《季・夏》 2 (形が一六豆(じゅうろくささげ)に似ているところからいう)振袖を広袖仕立にして、袖丈の肩山から三分の一のところにつけた色無地の細長い布。江戸時代、文化以前、京坂地方で盆踊りなどの衣服につけた。今では歌舞伎衣装の一つで、禿などの袖口に垂れている五色の紐。 3 (竹を男にたとえるのに対して)女にたとえていう語。

ささげ‐つつ【捧銃】🔗🔉

ささげ‐つつ【捧銃】 軍隊で銃を持っているときの敬礼の一つ。両手で銃を体の前に近づけ、垂直にささげ、持つもの。

ささげ‐とう【捧刀】(‥タウ)🔗🔉

ささげ‐とう【捧刀】(‥タウ) 軍隊での敬礼の一つ。抜刀した刀を垂直に上げ、刃面を顔の中央に向けて、切羽を口の高さに持ってくるもの。

ささげ‐めし【豆飯・大角豆食】🔗🔉

ささげ‐めし【豆飯・大角豆食】 莢(さや)のまだ青いささげを莢のまま細かくきざみ塩を加えて炊きこんだ飯。また、煮たささげの実をその煮汁とともに炊きこんだ飯。《季・秋》

ささげ‐もの【捧物】🔗🔉

ささげ‐もの【捧物】 貴人にたてまつる物。また、神仏にたてまつる供物。古くは木の枝や打枝(造花の枝)に結びつけてたてまつった。献上品。贈物。

ささげ‐らん【ささげ蘭】🔗🔉

ささげ‐らん【ささげ蘭】 「ししらん(獅子蘭)」の異名。

ささ・ける🔗🔉

ささ・ける 〔自カ下一〕ささ・く〔自カ下二〕=ささくれる*浮・武道伝来記‐五「口中ささけて夜を寝させ給はねば」

ささ・げる【捧げる】🔗🔉

ささ・げる【捧げる】 〔他ガ下一〕ささ・ぐ〔他ガ下二〕(「さしあげる」の変化) 1 両手にもち、目の高さ近くまで上げる。*万葉‐四二〇四「吾が背子が捧(ささげ)て持てるほほがしは」 2 上へ高くあげる。高くさしあげる。かかげる。*小川本願経四分律平安初期点「此の尼拘律の樹は手を挙(ササクレ)ば頭に及べりき」 3 (2から)得意になって見せびらかす。誇示する。*仮・伊曾保物語‐下「人としてわが誉(ほまれ)をささぐる時は、人の憎みをかうむりて」 4 神仏、あるいは死者に供物をたてまつる。供える。「花輪(玉串)を捧げる」*仏足石歌「釈迦の御足跡(みあと)石(いは)に写し置き敬ひて後の仏に譲りまつらむ佐々義(ササゲ)まうさむ」 5 目下の者から目上の者へ物をたてまつる。献上する。*源氏‐若紫「御贈り物どもささげたてまつり給ふ」 6 高い大きな声を出す。声をはりあげる。*栄花‐もとのしづく「おとど御声をささげて泣きののしり給へど」 7 自分の真心や愛情などを相手に示し、さし出す。相手に尽くす。そそぐ。「研究に一生を捧げる」

ささ‐こ【笹子・鶯子】🔗🔉

ささ‐こ【笹子・鶯子】 中冬のころ巣立ちする鶯(うぐいす)の子。《季・冬》

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