【意】 13画　心部　［三年］ 区点=1653　16進=3055　シフトJIS=88D3 《常用音訓》イ 《音読み》　イ〈y〉 《訓読み》　こころ／おもい（おもひ）／おもう（おもふ） 《名付け》　お・おき・おさ・のり・むね・もと・よし 《意味》 ｛名｝こころ。おもい（オモヒ）。心中でおもいめぐらした考え。心中のおもい。おもわく。気持ち。「留意（気をつける）」「得意＝意ヲ得」「其意常在沛公也＝ソノ意、常ニ沛公ニ在ルナリ」〔→史記〕「明朝有意抱琴来＝明朝意アラバ、琴ヲ抱イテ来タレ」〔→李白〕 ｛名｝わけ。意味。「文意」「略知其意＝略ボソノ意ヲ知ル」〔→史記〕 イス｛動｝おもう（オモフ）。心の中でおもいめぐらす。かってな憶測をする。〈類義語〉→憶。「毋意＝意スルナシ」〔→論語〕 「不意オモワザリキ」とは、「不料ハカラザリキ」と同じで、文頭につけて、おもいもよらなかった、の意をあらわすことば。▽訓読では、あとを「せんとは」と受ける。「不自意能先入関破秦＝ミヅカラ意ハザリキ、ヨク先ニ関ニ入リテ秦ヲ破ラントハ」〔→史記〕 《解字》 会意。音とは、口の中に物を含むさま。意は「音（含む）＋心」で、心中に考えめぐらし、おもいを胸中に含んで外に出さないことを示す。→音 《単語家族》 憶オク（おもいを心中に含んで胸が詰まる）抑ヨク（中におさえ含む）と同系。 《熟語》 →熟語 →下付・中付語 →故事成語

【意中】 イチュウ 心の中に思っていること。また、心のうちの考え・思い。「意中人イチュウノヒト」

【意外】 イガイ 予想もしないことであること。予想外。

【意気】 イキ 心持ち。気だて。「人生感意気、功名誰復論＝人生、意気ニ感ズ、功名誰カマタ論ゼン」〔→魏徴〕物事をしようとする積極的な気持ち。意志と勇気。〔国〕あか抜けしていること。通。粋イキ。

【意気投合】 イキトウゴウ 気持ちがよくあう。

【意気阻喪】 イキソソウ ＝意気沮喪。意気ごみがくじける。

【意気軒昂】 イキケンコウ 意気が盛んにあがる。

【意気消沈】 イキショウチン ＝意気銷沈。意気ごみがなくなって、しょげる。

【意気揚揚】 イキヨウヨウ 大いに得意になって元気なようす。

【意気衝天】 イキショウテン 意気が天を衝ツくほど盛んなようす。

【意向｛嚮｝】 イコウ 心の向かうところ。方針としての考え・おもわく。

【意地】 イジ 〔仏〕ものを考え判断する作用。心。▽「地」は、心の存在する場所。また、心からすべての行動がうまれることからとも。〔国〕自分の考えを押し通そうとする強い気持ち。〔国〕人に対する気持ち・態度。▽多く、悪い意味で用いる。

【意匠】 イショウ 工夫。「意匠惨憺経営中＝意匠惨憺タリ、経営ノウチ」〔→杜甫〕物品の形状・模様・色彩などについての考案。デザイン。

【意見】 イケン ある問題についての考え・見込み。〔国〕忠告。いさめ。

【意志】 イシ 方針・望みとしての考え。物事をしようとする心がまえ。哲学で、思慮・選択・決行をあらわす心の働き。

【意図】 イト 物事をするとき、めざしている事がら。ねらい。心中で計画する。

【意表】 イヒョウ 思いのほか。意外。「皆出群臣意表＝ミナ群臣ノ意表ニ出ヅ」〔→宋史〕

【意味】 イミ ことば・文章や物事があらわしているもの。行為の目的・動機。わけ。行為の価値。意義。

【意味深長】 イミシンチョウ ことば・文章や物事のあらわしているものが奥深く味わいのあること。〔→朱熹〕〔国〕表面的な意味のほかに、別の意味があること。

【意思】 イシ 望みとしての考え。

【意馬心猿】 イバシンエン〈故事〉いろいろと考えが変わって一つのことに落ち着かないこと。「心猿意馬」とも。

【意符】 イフ 音符に対して、漢字の構成部分で、意味を示すもの。▽河・何の「可」の部分。

【意望】 イボウ 望み。希望。〈類義語〉志望。「意望甚焉＝意望甚ダシ」〔→後漢書〕

【意訳】 イヤク 一語一語の単語の意味にこだわらず、全体の意味をとって訳すこと。〈対語〉直訳。

【意欲】 イヨク 行為をしようとする積極的な心の働き。

【意属】 イショク 相手に寄せる思い。「意属殊厚＝意属殊ニ厚シ」

【意義】 イギ 行為の価値。ことば・文章や物事があらわすもの。意味。

【意緒】 イショ あれこれの思い。

【意態】 イタイ 心のありさま。いわくありげなようす。「意態由来画不成＝意態ハ由来画ケドモ成ラズ」〔→王安石〕

【意趣】 イシュ 思わく。意向。理由。〔国〕恨み。「意趣返し（恨みを返すこと）」

【意識】 イシキ 心に知る。考えたり感じたりするときのすべての心の働き。〔仏〕分別の心。