【消】 10画　水部　［三年］ 区点=3035　16進=3E43　シフトJIS=8FC1 《常用音訓》ショウ／き…える／け…す 《音読み》　ショウ（セウ）〈xio〉 《訓読み》　きえる（きゆ）／けす 《意味》 ショウス｛動｝きえる（キユ）。けす。小さく細る。少なくなる。小さくなって姿をなくする。衰える。〈同義語〉→銷。〈対語〉→長（のびる）・→息（元気に生きる）。「消長」「消息（衰えていたかそれとも元気か、安否のしらせ）」「髀肉皆消＝髀肉ミナ消ス」〔→蜀志〕「鳥獣之害人者消＝鳥獣ノ人ヲ害スル者消ユ」〔→孟子〕 ｛動｝ついやす。すごす。「消日」 ｛形｝ひかえめである。「消極」 〔国〕きえる（キユ）。けす。死ぬ。また、殺す。 《解字》 会意兼形声。小は、小さい破片に削ったさま。肖ショウは「肉＋音符小」の会意兼形声文字で、親の形を小さくした子のからだ。または、原型に似せて小さく削った人形。細く小さく少ない意を含む。消は「水＋音符肖」で、水が細ること。 《単語家族》 小宵（光の細る夕方）削（けずって細くする）と同系。 《熟語》 →熟語 →下付・中付語

【消亡】 ショウボウ ＝銷亡。消えうせる。なくなる。「不知臣精已消亡矣＝臣ノ精スデニ消亡セルヲ知ラズ」〔→史記〕

【消化】 ショウカ 物が変化して原形をとどめないこと。食べた物がこなれて、栄養素にかわる。〔国〕物事をじゅうぶんに理解すること。〔国〕商品などが全部売れること。

【消日】 ショウジツ ＝銷日。日を過ごす。

【消失】 ショウシツ ＝銷失。消えてなくなる。

【消光】 ショウコウ 月日を送る。▽「光」は、光陰（時間）。

【消伏】 ショウフク 災いを消しおさえる。

【消｛銷｝却】 ショウキヤク 消し滅ぼす。消し去る。〔国〕借金を返す。償却。〔国〕費やす。使いはたす。

【消｛銷｝沈】 ショウチン 積極的にやろうとする気を失うこと。「意気消沈」

【消長】 ショウチョウ 細ることと、のびること。消えることと生じること。衰えたり栄えたりすること。物事の変化。盛衰。「盈虚者如彼、而卒莫消長也＝盈虚スル者ハカノゴトクナレドモ、シカモツヒニ消長スルナキナリ」〔→蘇軾〕

【消春】 ショウシュン・ハルヲケス ＝銷春。春の日々を過ごす。「一壺好酒酔消春＝一壺ノ好酒酔ヒテ春ヲ消サン」〔→白居易〕

【消｛銷｝夏】 ショウカ・ナツヲケス 夏の暑さをしのぐ。『消暑ショウショ』

【消索】 ショウサク たましいが、消えほそる。▽「索」は、糸のように細くなる。「且死者精魂消索、不復聞人之言＝カツ死セル者ハ精魂消索シ、マタ人ノ言ヲ聞カズ」〔→論衡〕

【消衰】 ショウスイ やせ細って衰える。

【消息】 ショウソク 消えることと生じること。また、栄枯盛衰のこと。「天地盈虚、与時消息＝天地ノ盈虚、時ト消息ス」〔→易経〕時の移り変わり。「走傍寒梅訪消息＝走イテ寒梅ニ傍ヒテ消息ヲ訪フ」〔→李白〕音信。手紙。▽ショウソコとも読む。ようす。ありさま。起居。安否。「家人万里伝消息＝家人ハ万里消息ヲ伝フ」〔→王安石〕

【消耗】 ショウモウ・ショウコウ ＝鎖耗。すり減る。すり減らす。欠点。▽ショウモウは慣用読み。

【消渇】 ショウカツ・ショウカチ のどがかわいて飲みものを欲しがり小便の出にくくなる病気。糖尿病。〔国〕婦人の淋病リンビョウのこと。

【消釈】 ショウシャク・ショウセキ ＝銷釈。消えて、形がなくなる。また、とける。▽「釈」は、とける。「氷凍消釈」〔→礼記〕

【消寒】 ショウカン・カンヲケス ＝銷寒。冬の寒さをしのぐ。また、寒さしのぎ。

【消間】 ショウカン ＝消閑。たいくつしのぎ。ひまつぶし。

【消費】 ショウヒ 物や金などを、費やす。経済で、人間が欲望を満たすために財貨を費やす行為。

【消揺】 ショウヨウ ＝逍。そろそろと歩きまわる。〔→礼記〕「偶因秣蹇暫消揺＝偶蹇ニ秣フニ因リテ暫ク消揺ス」〔→陸游〕

【消極】 ショウキョク 進んで働きかけようとしないこと。ひかえめ。〈対語〉積極。

【消遣】 ショウケン 世の中の気苦労を消し去る。また、気晴らし。うさ晴らし。〔俗〕人をからかう。

【消滅】 ショウメツ 消えてなくなる。『消殄ショウテン』

【消魂】 ショウコン・タマシイヲケス ＝銷魂。物事に深く感じて心が細る。ショックを受けて、がっくりする。▽日本では、「たま（魂）きゆる（消）」→「たまげる」と訳した。「遠遊無処不消魂＝遠遊処トシテ魂ヲ消サザル無シ」〔→陸游〕

【消瘠】 ショウセキ ＝銷瘠。からだが非常にやせ衰える。『消痩ショウソウ』

【消憂】 ショウユウ・ウレイヲケス ＝銷憂。気を晴らす。うさ晴らしをする。「楽琴書以消憂＝琴書ヲ楽シミテモッテ憂ヒヲ消ス」〔→陶潜〕

【消磨】 ショウマ ＝銷磨。苦労のため、体力をすりへらす。疲れはてる。衰えはてる。

【銷落】 ショウラク きえてなくなる。木の葉などが衰え落ちること。「初秋涼気発、庭樹微銷落＝初秋涼気発シ、庭樹微ク銷落ス」〔→曹植〕『消亡ショウボウ・消失ショウシツ』