複数辞典一括検索+

広辞苑の検索結果 (24)

つえ🔗🔉

つえ (西日本で)崖がけ。また、山くずれ。くえ。

つえ【杖】ツヱ🔗🔉

つえツヱ ①歩行の助けに携える細長い棒。転じて、たよりとするもののたとえ。「―にすがる」「―をつく」 ②拷問や罪人を打つのに用いる棒。律令制では長さ3尺5寸、太さ3〜4寸のもの。 ③(「丈」とも書く) ㋐古代の長さの単位。ほぼ1丈に相当。景行紀「日本武尊…身長みたき一丈ひとつえ」 ㋑弓1張りの長さ。約7尺5寸。ゆんづえ。 ㋒(ジョウとも)中世、地積の単位の地方的呼称。1段(360歩)の5分の1、すなわち72歩に当たる。 ④梨の実のほぞ。 ⇒杖とも柱とも ⇒杖に縋るとも人に縋るな ⇒杖に突く ⇒杖の下に回る犬は打てぬ ⇒杖の下にも回る児がかわゆい ⇒杖ほどかかる子は無い ⇒杖も孫ほどかかる ⇒杖を曳く

つえ【費・潰】🔗🔉

つえ費・潰】 入費。費用。ついえ。〈日葡辞書〉→潰

つえ‐だけ【杖竹】ツヱ‥🔗🔉

つえ‐だけ杖竹ツヱ‥ 杖として用いる竹。好色五人女4「枕始めてあがり、―を便りに寺中静かにうひ立ちしけるに」

つえたて‐おんせん【杖立温泉】ツヱ‥ヲン‥🔗🔉

つえたて‐おんせん杖立温泉ツヱ‥ヲン‥ 熊本県北部、阿蘇郡小国町にある温泉。筑後川の上流に注ぐ杖立川の深い渓谷の仙境で「九州の奥座敷」といわれる。塩化物泉。湯量豊富で高温。

つえたて‐でんせつ【杖立伝説】ツヱ‥🔗🔉

つえたて‐でんせつ杖立伝説ツヱ‥ 旅先で高僧・英雄などが土にさした杖が根づいて大木になったなどの奇跡を伝える伝説。

つえ‐たらず【杖不足】ツヱ‥🔗🔉

つえ‐たらず杖不足ツヱ‥ 〔枕〕 「一つえ」すなわち「とさか(十尺)」に足らぬ意から「やさか(八尺)」にかかる。

つえ‐ぢょうちん【杖提灯】ツヱヂヤウ‥🔗🔉

つえ‐ぢょうちん杖提灯ツヱヂヤウ‥ 杖のような長い柄のついた提灯。

つえ‐つき【杖突き】ツヱ‥🔗🔉

つえ‐つき杖突きツヱ‥ ①杖をつくこと。また、その人。 ②鎧よろいの背の受筒うけづつに差した小旗または飾り物。戦場で目じるしとしたもの。 ③江戸幕府の建築係の役人で、土地の測量をした者。誹風柳多留「―の酔はれた所は盛り直し」 ⇒つえつき‐えび【杖突き蝦】 ⇒つえつき‐むし【杖突き虫】

つえつき‐えび【杖突き蝦】ツヱ‥🔗🔉

つえつき‐えび杖突き蝦ツヱ‥ テナガエビの別称。 ⇒つえ‐つき【杖突き】

つえつき‐とうげ【杖突峠】ツヱ‥タウゲ🔗🔉

つえつき‐とうげ杖突峠ツヱ‥タウゲ 長野県南東部、茅野ちの市と伊那市との境にある峠。標高1247メートル。 杖突峠 撮影:関戸 勇

つえつき‐むし【杖突き虫】ツヱ‥🔗🔉

つえつき‐むし杖突き虫ツヱ‥ (→)シャクトリムシの別称。甲陽軍鑑5「是をたとへば―の身をつづむる様にて」 ⇒つえ‐つき【杖突き】

○杖とも柱ともつえともはしらとも🔗🔉

○杖とも柱ともつえともはしらとも 非常に頼みにすることのたとえ。「―頼む人」 ⇒つえ【杖】 つえとり‐の‐つかい杖取の使ツヱ‥ツカヒ 天皇が高年の人に杖を賜う時の御使。増鏡「―公敦朝臣」 つえ‐とり‐ばえ杖取ばへツヱ‥バヘ 杖を持って他人を打とうとすること。つえとりばい。狂言、河原新市「足も立たぬなりで、―をしやる」 ツェナー‐ダイオードZener diode】 (アメリカの物理学者C. M. Zener1905〜1993の名から)高濃度のpn接合を有するダイオード。定電圧や基準電圧発生回路に使用。

つえとり‐の‐つかい【杖取の使】ツヱ‥ツカヒ🔗🔉

つえとり‐の‐つかい杖取の使ツヱ‥ツカヒ 天皇が高年の人に杖を賜う時の御使。増鏡「―公敦朝臣」

つえ‐とり‐ばえ【杖取ばへ】ツヱ‥バヘ🔗🔉

つえ‐とり‐ばえ杖取ばへツヱ‥バヘ 杖を持って他人を打とうとすること。つえとりばい。狂言、河原新市「足も立たぬなりで、―をしやる」

○杖に縋るとも人に縋るなつえにすがるともひとにすがるな🔗🔉

○杖に縋るとも人に縋るなつえにすがるともひとにすがるな みだりに他人にたよるな。 ⇒つえ【杖】

○杖に突くつえにつく🔗🔉

○杖に突くつえにつく 立てて杖のようにしてよりかかる。 ⇒つえ【杖】

○杖の下に回る犬は打てぬつえのしたにまわるいぬはうてぬ🔗🔉

○杖の下に回る犬は打てぬつえのしたにまわるいぬはうてぬ 泣きすがるものに残酷な仕打ちはできない。 ⇒つえ【杖】

○杖の下にも回る児がかわゆいつえのしたにもまわるこがかわゆい🔗🔉

○杖の下にも回る児がかわゆいつえのしたにもまわるこがかわゆい 折檻せっかんしようにも、振り上げた杖の下に反抗しないですがる児は愛らしくて打つに忍びない。 ⇒つえ【杖】 つえ‐はしら杖柱ツヱ‥ ①杖と柱。 ②非常に頼りにする人のたとえ。「―と頼む」 つえ‐はらい杖払いツヱハラヒ 貴人の旅行または公用の荷が行く時、宿駅の役人などが先払いをすること。

つえ‐はしら【杖柱】ツヱ‥🔗🔉

つえ‐はしら杖柱ツヱ‥ ①杖と柱。 ②非常に頼りにする人のたとえ。「―と頼む」

つえ‐はらい【杖払い】ツヱハラヒ🔗🔉

つえ‐はらい杖払いツヱハラヒ 貴人の旅行または公用の荷が行く時、宿駅の役人などが先払いをすること。 ○杖ほどかかる子は無いつえほどかかるこはない 老人ともなれば杖ほどに頼みになる子はない。頼みがいのある子供の得難いことにいう。 ⇒つえ【杖】 ○杖も孫ほどかかるつえもまごほどかかる 老人となれば孫をたよりとするように杖にたよる。 ⇒つえ【杖】

○杖ほどかかる子は無いつえほどかかるこはない🔗🔉

○杖ほどかかる子は無いつえほどかかるこはない 老人ともなれば杖ほどに頼みになる子はない。頼みがいのある子供の得難いことにいう。 ⇒つえ【杖】

○杖も孫ほどかかるつえもまごほどかかる🔗🔉

○杖も孫ほどかかるつえもまごほどかかる 老人となれば孫をたよりとするように杖にたよる。 ⇒つえ【杖】 ツェラーンPaul Celan】 ルーマニア生れのドイツ系詩人。第二次大戦後パリに居住。精緻な作風で言語表現の極限をめざした。詩集「罌粟けしと記憶」所収の「死のフーガ」で強制収容所の体験を叙述。(1920〜1970) ツェルトザックZeltsack ドイツ】 ビバークに用いる軽量で小形のテント。ツェルト。 ツェルニーCzerny⇒チェルニー ツェルマットZermatt ドイツ】 スイス南西部、マッターホルンの北東麓にある、登山・冬季スポーツ・観光の基地。

○杖を曳くつえをひく🔗🔉

○杖を曳くつえをひく 杖を手にして歩く。散歩する。旅をする。 ⇒つえ【杖】 ツォンカパTsoṅ-kha-pa・宗喀巴】 チベット仏教ゲルク派の開祖。青海のツォンカ(現在の湟中)生れ。中観派ちゅうがんはの宗教哲学と厳格な持律主義により、チベット仏教を改革。著「菩提道次第論」など。黄教初祖。(1357〜1419) つか】 ①握ったときの4本の指の幅ほどの長さ。太平記25「其の尺僅かに十―なれば又十―の剣とも名付けたり」 ②たばねた数の単位。孝徳紀「段きだごとに租たちからの稲二―二把たばり」 ③短い垂直の材。束柱つかばしら。日葡辞書「ツカヲカ(支)ウ」 ④紙をたばねたものの厚み。転じて、書物の厚み。 つか柄・】 ①刀剣などの、手で握るところ。 ②筆の軸。源氏物語澪標「ふところに設けたる―短き筆など」 つか塚・冢】 ①土を高く盛って築いた墓。また単に、墓のこと。万葉集9「磐構へ作れる―を」 ②土を高く盛って物の標しるしなどにしたもの。「一里―」 つが】 (トガとも)マツ科ツガ属の常緑高木。西日本の山地に自生し、高さ30メートル以上に達する。雌雄同株。雄花穂は円錐形、雌花穂は紫色、楕円形。球果は親指頭大で下垂。材は建築・器具製造・製紙用。樹皮からタンニンを採り、漁網の染料とする。栂松。ツガノキ。 つが つが都賀】 姓氏の一つ。 ⇒つが‐ていしょう【都賀庭鐘】 つか‐あな塚穴】 死人を葬るための穴。墓穴。 つかい使い・遣いツカヒ ①命ぜられて用たしをすること。また、その人。使者。万葉集8「なが月のその初雁の―にも思ふ心は聞え来ぬかも」。「お―に行く」 ②神仏の使者をつとめる鳥獣。つかわしめ。 ③召し使われる人。そばめ。竹取物語「御―とおはしますべきかぐや姫の」 ④(多く複合語の要素として)使用すること。「両刀―」「手品―」 ⑤消費する金銭。男色大鑑「是を道の―にして」 ◇「遣」は、「…遣い」の形で特定の語との複合でのみ用いる傾向が強まっている。「息遣い」「上目遣い」「言葉遣い」「人形遣い」「無駄遣い」など。ただし、「剣術使い」「魔法使い」などは、慣用として「使」が用いられる。 ⇒つかい‐あるき【使い歩き】 ⇒つかい‐おとこ【使い男】 ⇒つかい‐がって【使い勝手】 ⇒つかい‐がね【遣銀】 ⇒つかい‐がら【使い柄】 ⇒つかい‐からし【使い枯らし】 ⇒つかい‐がわ【使い川】 ⇒つかいきり‐カメラ【使い切りカメラ】 ⇒つかい‐ぎん【遣銀】 ⇒つかい‐げす【使下衆】 ⇒つかい‐こみ【遣い込み】 ⇒つかい‐さき【使い先】 ⇒つかい‐ざね【使真】 ⇒つかい‐すて【使い捨て】 ⇒つかい‐ぜに【遣銭】 ⇒つかい‐だい【使い代】 ⇒つかい‐だち【遣太刀】 ⇒つかい‐だて【使い立て】 ⇒つかい‐ちょう【遣帳】 ⇒つかい‐ちん【使い賃】 ⇒つかい‐て【使い手・遣い手】 ⇒つかい‐で【使い出・遣い出】 ⇒つかい‐どころ【使い所】 ⇒つかい‐にっき【遣日記】 ⇒つかい‐ぬし【使い主】 ⇒つかい‐のこり【使い残り・遣い残り】 ⇒つかい‐ば【使い場】 ⇒つかい‐ばしり【使い走り】 ⇒つかい‐はやま【使早馬】 ⇒つかい‐ばらい【使い払い・遣い払い】 ⇒つかい‐ばん【使番】 ⇒つかい‐びと【使人】 ⇒つかい‐ひめ【使姫】 ⇒つかい‐ふるし【使い古し】 ⇒つかい‐みち【使い道・遣い道】 ⇒つかい‐め【使女】 ⇒つかい‐もの【使い物・遣い物】 ⇒つかい‐やく【使役】 ⇒つかい‐やっこ【使奴】 ⇒つかい‐りょう【使い料】 ⇒つかい‐わけ【使い分け】 つがいツガヒ (動詞ツガウの連用形から) ①二つ組むこと。また、そのもの。くみ。法華義疏長保点「此の六瑞を束つかねて三の霍ツガヒとす」 ②動物の雄おすと雌めすとの一対。「一―」 ③めおと。夫婦。 ④つがいめ。関節。日葡辞書「ツガイガハナレタ」 ⑤機会。折。きっかけ。醒睡笑「剃りはてんとする―にふと立ち」 ⑥都合。具合。狂言、瓜盗人「当年は日和続きもよし、雨の―も良いによつて」 ⇒つがい‐ごもの【番小者】 ⇒つがい‐どり【番鳥】 ⇒つがい‐なわ【番縄】 ⇒つがい‐ば【番葉】 ⇒つがい‐まい【番舞】 ⇒つがい‐むすび【番結び】 ⇒つがい‐め【番目】 つかい‐あるき使い歩きツカヒ‥ 用事をいいつけられてあちこち歩くこと。また、その人。つかいばしり。 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐い・る使ひ入るツカヒ‥ 〔他下二〕 よく仕込む。しつける。教育し訓練する。日葡辞書「タカ(鷹)ヲツカイイルル」 つかい‐おとこ使い男ツカヒヲトコ ①使者に立つ男。 ②召使の男。 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐がって使い勝手ツカヒ‥ 使用したときの使いやすさの程度。「―が悪い」 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐がね遣銀ツカヒ‥ (→)「つかいぎん」に同じ。 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐がら使い柄ツカヒ‥ 使者の人物・才能の程度。宇津保物語国譲上「そそのかし聞え奉れよ。―か見ん」 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐からし使い枯らしツカヒ‥ 使用したあとの残りのもの。 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐がわ使い川ツカヒガハ 川岸に設けた洗い場。使い場。 ⇒つかい【使い・遣い】 つかいきり‐カメラ使い切りカメラツカヒ‥ あらかじめ装填そうてんされたフィルムを使い終わると、カメラごと現像処理に出す、極めて安価なカメラ。レンズ付きフィルム。使い捨てカメラ。 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐き・る使い切る・遣い切るツカヒ‥ 〔他五〕 つかってしまう。すっかり消費する。「旅先で金を―・る」 つかい‐ぎん遣銀ツカヒ‥ ある用にあてる金銭。特に、旅費。また、こづかいせん。つかいがね。好色五人女2「幸ひ―は有り合はす」 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐くず・す遣い崩すツカヒクヅス 〔他五〕 むやみにつかってなくする。日葡辞書「タカラ(財)ヲツカイクヅス」 つかい‐げす使下衆ツカヒ‥ 下男・下女。 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐こな・す使いこなすツカヒ‥ 〔他五〕 十分に役に立たせて使う。自分の思うままに使う。うまく使う。夏目漱石、こゝろ「中々御上手ね。空からつぽな理窟を―・す事が」。「コンピューターを―・す」 つかい‐こみ遣い込みツカヒ‥ 他人の金銭をつかいこむこと。「―がばれる」 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐こ・む使い込む・遣い込むツカヒ‥ 〔他五〕 ①依託された金銭を私用に使ってしまう。「会社の金を―・む」 ②金銭を予定額以上につかう。「今月はだいぶ―・んだ」 ③器具などを長く使って具合よくする。人などを使い馴らす。「―・んだ辞書」 つがい‐ごもの番小者ツガヒ‥ 馬や輿こしの先に立って随行する二人の小者。〈日葡辞書〉 ⇒つがい【番】 つかい‐さき使い先ツカヒ‥ ①使いに行った出さき。 ②金銭の使用目的。 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐ざね使真ツカヒ‥ (ザネは主の意を表す接尾語)使者中の主な者。使の長。正使。伊勢物語「―とある人なれば」 ⇒つかい【使い・遣い】 つか‐いし束石】 床束ゆかづかなどの下に据える石。 つかい‐すて使い捨てツカヒ‥ ちょっと使ったばかりで(修理や洗濯などせずに)捨ててしまうこと。また、一度使えば捨てるように作られた物。「―のライター」 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐ぜに遣銭ツカヒ‥ (→)「つかいぎん」に同じ。日葡辞書「ロセン(路銭)。即ち、ミチノツカイゼニ」 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐だい使い代ツカヒ‥ (→)「使い賃」に同じ。人情本、春色辰巳園「アヽそして―はヱ」 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐だち遣太刀ツカヒ‥ 進物用にする太刀。 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐だて使い立てツカヒ‥ 人に用事をさせること。「お―して済みません」 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐ちょう遣帳ツカヒチヤウ 金銭出納帳。好色二代男「―ひろげて見れば」 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐ちん使い賃ツカヒ‥ 使いに行った者に与える金銭。 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐つ・ける使い付ける・遣い付けるツカヒ‥ 〔他下一〕[文]つかひつ・く(下二) つかうことに馴れる。常につかう。「―・けた象牙の箸」「―・けた洗剤」 つかい‐て使い手・遣い手ツカヒ‥ ①物をつかう人。 ②巧みにつかう人。「槍の―」 ③金銭をむやみにつかう人。 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐で使い出・遣い出ツカヒ‥ 使ってもなかなか無くならないこと。相当長く使えること。「―がある」 ⇒つかい【使い・遣い】 つか‐いと柄糸】 刀の柄に巻く組糸。 つかい‐と資人ツカヒ‥ ⇒つかいびと。持統紀「―一百二十人」 つかい‐どころ使い所ツカヒ‥ そのものを使うに適当なみち。用途。 ⇒つかい【使い・遣い】 つがい‐どり番鳥ツガヒ‥ 雌雄そろった鳥。 ⇒つがい【番】 つかい‐なら・す使い馴らすツカヒ‥ 〔他五〕 長く使ってその事に馴れさせる。常に使って親しませる。源氏物語末摘花「の給ひ戯れなどして―・し給へれば」。「筆を―・す」 つかい‐な・れる使い馴れるツカヒ‥ 〔他下一〕[文]つかひな・る(下二) 永く使用してその事になれる。また、使いやすくなる。使用法に熟練する。「―・れた万年筆」 つがい‐なわ番縄ツガヒナハ 柱と横木とのつがいめを結ぶ縄。 ⇒つがい【番】 つかい‐にっき遣日記ツカヒ‥ 金銭支払帳。日本永代蔵3「―に饂飩・蕎麦切・酒肴」 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐ぬし使い主ツカヒ‥ 使う人。使う主人。 ⇒つかい【使い・遣い】 つか‐いね束稲】 つかねた稲。稲のたば。 つかい‐のこり使い残り・遣い残りツカヒ‥ つかった残り。つかいあまり。 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐ば使い場ツカヒ‥ 流れの岸に設けた洗い場。使い川。 ⇒つかい【使い・遣い】 つがい‐ば番葉ツガヒ‥ 互いに向き合っている葉。 ⇒つがい【番】 つかい‐ばしり使い走りツカヒ‥ 用事をいいつけられて、あちこち出向くこと。また、その人。つかいあるき。つかいはしり。つかいっぱしり。「―を頼む」 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐はた・す使い果たす・遣い果たすツカヒ‥ 〔他五〕 金銭などを残らずつかってしまう。「力を―・す」「金を―・す」 つかい‐は・てる使い果てるツカヒ‥ 〔他下一〕[文]つかひは・つ(下二) 使ってしまう。 つかい‐はやま使早馬ツカヒ‥ 方々を走りまわって早く使いを果たすこと。また、その人。 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐ばらい使い払い・遣い払いツカヒバラヒ 支払い。 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐ばん使番ツカヒ‥ ①安土桃山時代、戦時に伝令使となり、また、軍中に巡察した者。 ②江戸幕府の職名。若年寄に属し、戦陣では主命を伝え、平時には遠国おんごく役人の監察使・国目付・巡見使などを勤める。 ③江戸時代、将軍家の大奥の女中の職名。 ④走り使いをする者。 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐びと使人ツカヒ‥ ①使いする人。使者。相模集「―とどめてよめる」 ②召し使うもの。めしつかい。源氏物語蓬生「この君をわが女むすめどもの―になしてしがな」 ③めかけ。侍妾。宇津保物語藤原君「妻も設けず、―も使はぬ人あり」 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐びと資人・傔従ツカヒ‥ (「資人しじん」の訓読)官位の高い人に朝廷から与えられて、その警護・雑役に従う人。つかいと。つこうど。万葉集3「―余明軍(人名)が犬馬の慕したい、心の中の感緒おもいに勝へずして」 つかい‐ひめ使姫ツカヒ‥ (→)「使わしめ」2に同じ。 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐ふるし使い古しツカヒ‥ 長い間使って古くなってしまったもの。「父の―の万年筆」 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐ふる・す使い古すツカヒ‥ 〔他五〕 使って古くする。古くなるまで使う。「―・した道具」「―・された表現」 つがい‐まい番舞ツガヒマヒ 雅楽で、左方(唐楽)と右方(高麗楽)との一定の舞をひとつがいに演じること。また、その組み合わせられた舞。→答舞とうぶ⇒つがい【番】 つかい‐まわ・す使い回すツカヒマハス 〔他五〕 一度使ったものを別の機会や用途にくりかえし使う。 つかい‐みち使い道・遣い道ツカヒ‥ ①つかいかた。使用法。「金の―を知らない」 ②つかいどころ。用途。「―のない品物」 ⇒つかい【使い・遣い】 つがい‐むすび番結びツガヒ‥ 左右で一対をなす結び方。 ⇒つがい【番】 つかい‐め使女ツカヒ‥ 召使の女。女中。 ⇒つかい【使い・遣い】 つがい‐め番目ツガヒ‥ 組み合う部分。関節。 ⇒つがい【番】 つかい‐もの使い物・遣い物ツカヒ‥ ①使用する物。使って役に立つ物。「―にならない」 ②おくりもの。進物。 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐も・る遣ひ盛るツカヒ‥ 〔他四〕 盛んにつかう。派手に金銭をつかう。傾城禁短気「一切の買手俄に―・る時は」 つかい‐やく使役ツカヒ‥ (→)使番つかいばん2の旧称。 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐やっこ使奴ツカヒ‥ ①使い歩きをする奴。 ②めしつかいのしもべ。 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐りょう使い料ツカヒレウ ①使用するためのもの。 ②使用料。 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐わけ使い分けツカヒ‥ 同じものをいろいろに分けて使うこと。それぞれを適所に使うこと。「相手によって言葉の―をする」 ⇒つかい【使い・遣い】 つかい‐わ・ける使い分けるツカヒ‥ 〔他下一〕 事の性質・条件・目的などに応じて区別して使う。「言葉を―・ける」 つか・う支ふツカフ 〔自下二〕 ⇒つかえる(下一) つか・う仕ふツカフ 〔自下二〕 ⇒つかえる(下一) つか・う付かふ・着かふツカフ 〔自四〕 (ツクに接尾語フの付いた語)ひきつづいてつく。万葉集10「色―・ふ秋の露霜な降りそね妹が手本たもとを纏かぬ今夜は」 つか・う使う・遣うツカフ 〔他五〕 (「仕ふ」の他動詞形)あるじの意向に添わせて、いろいろの用をさせる。 ①あるじとして意向に従わせる。竹取物語「おのが身は、この国に生まれて侍らばこそ―・ひ給はめ」 ②用事をさせる。雇って働かせる。使役する。続日本紀30「此の心知りて汝―・へと勅のりたまひし」。宇津保物語藤原君「妻も設けずつかひ人も―・はぬ人あり」。「立っている者は親でも―・え」 ③用にあてる。役立たせる。竹取物語「野山にまじりて竹をとりつつよろづのことに―・ひけり」。「卵を―・った料理」「車を―・って通う」 ④(心を)はたらかせる。源氏物語末摘花「すきずきしきかたに疑ひ寄せ給ふにこそあらめ。さりとも短き心はえ―・はぬものを」。「気を―・う」 ⑤それによって用を足すための動作をする。栄華物語初花「あかき扇をひろめかして―・ひて」。御伽草子、蛤の草子「潮うしおをむすび、手水ちようずを―・ひつつ申しけるは」。日葡辞書「テヲツカウ」。「弁当を―・う」「湯を―・う」 ⑥あやつる。操作する。枕草子195「ことばの文字いやしう―・ひたるこそ、よろづのことよりまさりてわろけれ」。源氏物語帚木「げに、その匂ひさへ花やかにたち添へるもすべなくて、逃げめを―・ひて」。「手品を―・う」 ⑦ついやす。消費する。宇津保物語忠乞「田畑売りつくして数知らず―・ひ給へば、限りなき財たからといへど貧しくなりぬ」。宇治拾遺物語4「寺物を心のままに―・ひたる諸寺の別当の地獄のむかへこそ思ひやらるれ」。「時間を有効に―・う」 ⑧ある手段を用いる。浄瑠璃、五十年忌歌念仏「廻り金のなき時は、気転を利かせ表裏を―・ひ、主人の金を手前へ加へ」。「居留守を―・う」「仮病を―・う」「賄賂わいろを―・う」 ◇広く一般には「使」を用いる。金銭をつかう、心を働かせる、技や術を巧みに操る意のとき「遣」も用いるが、動詞形では、「気遣う」以外は「使」がふつうになっている。 つが・う番うツガフ [一]〔自五〕 (「継ぎ合う」の意) ①二つのものが組み合う。対ついになる。千載和歌集「独り寝る我にて知りぬ池水に―・はぬ鴛鴦おしのおもふ心を」 ②雌雄が交尾する。「鳥が―・う」 [二]〔他四・下二〕 ⇒つがえる(下一) つが・う継がふツガフ 〔自四〕 (継グに接尾語フの付いた語)ずっとつづいている。絶え間なくつぐ。伝承する。万葉集5「語り継ぎ言ひ―・ひけり」 つかえ支え・閊えツカヘ ①物事がとどこおりふさがること。さわり。故障。 ②(「痞」と書く)癪しゃくなどで胸がふさがるようで苦しいこと。「胸の―がおりる」 ③ささえ。支柱。日葡辞書「ツカエヲスル」 ⇒つかえ‐ばしら【支柱】 つかえ仕えツカヘ つかえること。仕官。奉公。 ⇒つかえ‐どころ【仕え所】 ⇒つかえ‐の‐よほろ【仕丁】 ⇒つかえ‐び【仕え日】 ⇒つかえ‐びと【仕え人】 つかえ‐どころ仕え所ツカヘ‥ ①仕える所。仕えるのに適した所。 ②院庁に仕える無位・無官の人。また、雑人ぞうにん・仕丁していなどの事をつかさどった役所。無位のものの詰所。宇津保物語俊蔭「御前・御馬副の男どもは―に使はじ」 ⇒つかえ【仕え】 つかえ‐の‐よほろ仕丁ツカヘ‥ ⇒してい⇒つかえ【仕え】 つかえ‐ばしら支柱ツカヘ‥ もののささえにする柱。ささえばしら。 ⇒つかえ【支え・閊え】 つかえ‐び仕え日ツカヘ‥ 出勤の日。当番の日。 ⇒つかえ【仕え】 つかえ‐びと仕え人ツカヘ‥ つかえる人。奉公人。 ⇒つかえ【仕え】 つかえ‐まつ・る仕へ奉るツカヘ‥ [一]〔自四〕 「仕ふ」の謙譲語。お仕え申し上げる。「つかうまつる」とも。雄略紀「大君にかたく―・らむと」→仕える。 [二]〔他四〕 命を奉じて造る。造営し奉る。万葉集13「城上きのえの宮に大殿を―・りて」 つか・える支える・閊えるツカヘル 〔自下一〕[文]つか・ふ(下二) (室町時代頃からヤ行にも活用) ①ふさがったり突き当たったりして先に進めなくなる。とどこおる。日葡辞書「ショクガツカユル」。「頭が天井に―・える」「言葉が―・える」 ②(「痞える」と書く)癪しゃくなどで胸が締めつけられ苦しむ。ふさがる。日葡辞書「キ・ムネガツカユル」 ③こる。しこる。浄瑠璃、新版歌祭文「取上のぼしたか頭痛もする、いかう肩が―・へてきた」 ④(「手を―・える」の形で)手で支える。(挨拶などのために)手をつく。好色一代男5「お年を寄られた方へ手を―・えて」。宮崎三昧、指環「主人荘之助が玄関まで出迎へ慇懃に手を―・へて」 つか・える仕えるツカヘル 〔自下一〕[文]つか・ふ(下二) ①(「事える」とも書く)目上の人の身近にいてその用を足す。かしずく。奉仕する。万葉集20「大御食おおみけに―・へ奉るとをちこちに漁り釣りけり」。「神に―・える身」 ②官などについて職を行う。万葉集17「楯並めて泉の河の水脈みおたえず―・へ奉らむ大宮所」。「朝廷に―・える」 つが・える番えるツガヘル 〔他下一〕[文]つが・ふ(四・下二) ①二つ以上を組み合わす。日葡辞書「アシヲツガウテヌル」 ②弓の弦に矢をあてる。平家物語4「大鏑おおかぶらを取つて―・ひ、鵼ぬえの声しつる内裏の上へぞ射上げたる」 ③言いかためる。固く約束する。浄瑠璃、井筒業平河内通「使者に向ひ、―・ひし詞は取りかへされず」 つか‐がしら柄頭】 刀の柄の先の部分。また、そこにつける金具。→兜金かぶとがね つか‐ぐち柄口】 刀の中子なかごが入る、柄の口もとの部分。 つかさ阜・高処】 土地の小高いところ。おか。古事記「大和のこの高市に小高る市の―」 つかさ首・長】 (高いところにいるものの意)首長。おさ。神代紀「吾が児の宮の―」 つかさ官・司・寮】 (高いところから命令を下すものの意) ①役所。官庁。万葉集8「―にも許し給へり」 ②官職。役目。竹取物語「―も賜はんと仰せ給ひき」 ③役人。官吏。つかさびと。源氏物語須磨「近きところどころの御庄の―召して」 ④沖縄の宮古・八重山諸島で、女性神職者。宮古ではくじによって、八重山では家系によって選ばれる。 ⇒つかさ‐うま【官馬】 ⇒つかさ‐くらい【官位】 ⇒つかさ‐こうぶり【官爵】 ⇒つかさ‐な【官名】 ⇒つかさ‐びと【官人】 ⇒つかさ‐めし【司召】 ⇒つかさめし‐の‐じもく【司召の除目】 つかさい遣さい】 (「つかさる」の命令形。中国・四国地方、福岡県で)下さい。…して下さい。つかい。つか。 つかさ‐うま官馬】 官有の馬。武烈紀「太子の命を奉げて―を求索はしむ」 ⇒つかさ【官・司・寮】 つが‐ざくら栂桜】 ツツジ科の常緑小低木。中部以北の高山帯に自生。近縁のアオノツガザクラと共に、代表的な高山植物。高さ10〜20センチメートル。葉は小さく線形、裏面は褐色、針葉樹のツガの葉に似る。初夏、淡紅色の小花を開く。花冠は広鐘形で5浅裂。花後、扁球形の蒴果さくかを結ぶ。 つかさ‐くらい官位‥クラヰ 官職と位階。宇津保物語俊蔭「―も辞して」 ⇒つかさ【官・司・寮】 つかさ‐こうぶり官爵‥カウブリ ①官職と爵位。官位。竹取物語「御―つかうまつりて」 ②年官と年爵。源氏物語藤裏葉「―なぞ皆そひ給ふ」 ⇒つかさ【官・司・寮】 つかさ‐ど・る掌る・司る】 〔他五〕 (官つかさを取る意) ①官職として担当する。役目として担当する。神代紀「汝が祭祀まつりを―・らむは」 ②支配する。統率する。法華義疏長保点「正まさに三根の声聞に主ツカサドル、是れなり」。〈日葡辞書〉。「神が人の運命を―・る」 つかさ‐な官名】 官職の名。役の名。かんめい。能因本枕草子頭中将のそぞろなる「殿上にも、―をばいはで」 ⇒つかさ【官・司・寮】 つかさ‐びと官人】 官職にある人。役人。孝徳紀「以下の―咸ことごとくに過とが有り」 ⇒つかさ【官・司・寮】 つか‐ざめ柄鮫】 鮫の皮の、粒のような突起のある部分。刀の柄に巻く。好色五人女5「―、青磁の道具限りもなく」 つかさ‐めし司召(→)「司召の除目じもくに同じ。源氏物語賢木「―の頃、この宮の人は給はるべき官も得ず」 ⇒つかさ【官・司・寮】 つかさめし‐の‐じもく司召の除目‥ヂ‥ 平安中期以降、京官きょうかんを任命する儀式。毎年秋に行われたので「秋の除目」ともいう。内官の除目。京官の除目。↔県召あがためしの除目 ⇒つかさ【官・司・寮】 つかさ‐やつこ官奴・孥】 官有の奴婢。かんぬ。神功紀「妻子を没おさめて―とせり」 つか・す尽かす】 〔他五〕 すっかり無くす。つかいつくす。「愛想を―・す」 つかず‐はなれず即かず離れず】 不即不離ふそくふりの訓読。「―の関係」 つかせ‐ばしり突かせ走り】 和船が航行中に強風に遭った時、帆を半ば下げて風下へ流しながら走ること。つかせ。 つかだ冢田】 姓氏の一つ。 ⇒つかだ‐たいほう【冢田大峰】 つかだ‐たいほう冢田大峰】 江戸後期の儒学者。名は虎。通称、多門。信濃の人。細井平洲に学び、尾張藩明倫堂督学。寛政異学の禁に際し、「滑川談なめりかわだん」を著し批判。著「聖道弁物」などを家塾雄風館で刊行。冢註ちょうちゅうとよばれる経書注釈書を残す。(1745〜1832) ⇒つかだ【冢田】 つか‐つか 〔副〕 ①唐突にためらいなく進み寄るさま。「―と歩み寄る」 ②無遠慮にものを言うさま。ずけずけ。浄瑠璃、女殺油地獄「母が―と親仁殿へはなし、あとで知れては」 つか‐つくり塚造】 キジ目ツカツクリ科の鳥の総称。大きさは鶏ぐらい。土や木の葉などで巨大な塚を作り、この中に産卵し、塚の発酵熱で卵を温める。塚の高さ6メートル、幅15メートルに及ぶものもある。オーストラリア・ニューギニアなどに約20種が分布。 ヤブツカツクリ 撮影:小宮輝之 つが‐ていしょう都賀庭鐘】 江戸中期、寛延・宝暦から明和頃の読本よみほん作者。近路行者きんろぎょうじゃと号。大坂の人。儒学・医薬、また古典に通じた。作「英草紙はなぶさぞうし」「繁野話しげしげやわ」「莠句冊ひつじぐさ」など。(1718〜 ) ⇒つが【都賀】 つか‐なが柄長】 刀などの柄を前へ長く出して差すこと。また、柄の長い刀。謡曲、錦戸「もとより好む大太刀を―におつ取り延べて」↔柄短つかみじか つかなぎ】 手に握る木の棒。斉明紀「―を以て戦ふ」 つが‐な・し 〔形ク〕 分別がない。たわいない。浄瑠璃、山崎与次兵衛寿の門松「―・くこぼす正月の涙も」→つがもない つか‐なみ束並・藁藉】 山家などで、わらを編んで畳の広さほどにつくった敷物。わらぐみ。ねこがき。散木奇歌集「―の上によるよる旅寝して」 つか・ぬ束ぬ】 〔他下二〕 ⇒つかねる(下一) つかぬ‐く付かぬ句】 (連歌などで、前句に付かない句の意から)前の話と関係のない言葉。不適当、不釣合なこと。日葡辞書「ツカヌクナコトヲイ(言)ウ」 つかぬ‐こと付かぬ事】 前の話と関係のないこと。だしぬけのこと。突飛なこと。「―を伺いますが」 つかね‐お束ね緒‥ヲ しばるために用いる紐。結び紐。古今和歌集「何をかは恋の乱れの―にせむ」 つか・ねる束ねる】 〔他下一〕[文]つか・ぬ(下二) ①集めて一つにしてくくる。たばねる。万葉集16「か黒し髪をま櫛もちここにかき垂り取り―・ね」。平家物語7「貴賤手を―・ね緇素しそ足をいただく」 ②こまぬく。「手を―・ねる」 ③すべつかさどる。統帥する。「三軍を―・ねる」 つか‐の‐あいだ束の間‥アヒダ (→)「つかのま」に同じ。万葉集2「―もわれ忘れめや」 つが‐の‐き栂の木(→)「つが」に同じ。万葉集17「神さびて立てる―幹もとも枝も」 ⇒つがのき‐の【栂の木の】 つがのき‐の栂の木の】 〔枕〕 「いやつぎつぎ」にかかる。万葉集1「生れましし神のことごと―いやつぎつぎに天の下知らしめししを」 ⇒つが‐の‐き【栂の木】 つか‐の‐ま束の間】 (一束ほどの短い間の意)ちょっとの間。しばらく。万葉集4「夏野行く牡鹿の角の―も」。「―の平安」 つか‐ばしら束柱】 短い柱。つか。平家物語3「小柴墻こぼち、大床の―わりなどして」 つか‐はら塚原】 墓などのある野原。 つかはら塚原】 姓氏の一つ。 ⇒つかはら‐じゅうしえん【塚原渋柿園】 ⇒つかはら‐ぼくでん【塚原卜伝】 つかはら‐じゅうしえん塚原渋柿園‥ジフ‥ヱン 歴史小説家。名は靖しずむ。江戸生れ。在来の講談種に劇的な要素を盛り込み再構成した「由井正雪」「天草一揆」などで知名。(1848〜1917) ⇒つかはら【塚原】 つかはら‐ぼくでん塚原卜伝】 室町後期の剣客。名は高幹。常陸鹿島神宮の祠官の家に生まれ、神道流などを学ぶ。新当流を創始し、将軍足利義輝らに指南、後に下総国香取でもっぱら門弟を教えた。(1489〜1571) ⇒つかはら【塚原】 つか‐ぶくろ柄袋】 刀の柄にかぶせる袋。旅行・雨天などの時に用いる。日本永代蔵1「中脇差に―をはめて」 つか‐ふな束鮒】 一束ほどの大きさの鮒。万葉集4「妹がためわがすなどれる藻臥し―」 つかま・う捕まふ・掴まふツカマフ 〔他下二〕 ⇒つかまえる(下一) つか‐まえ柄前‥マヘ 刀の柄。また、その体裁。浄瑠璃、伊賀越道中双六「伊達だてを好まぬ刀の―」 つかまえ‐どころ掴まえ所ツカマヘ‥ 物事の本質や人の真意をつかまえるための、よりどころ。とらえどころ。「―のない人」 つかま・える捕まえる・掴まえる・捉まえるツカマヘル 〔他下一〕[文]つかま・ふ(下二) (中世にはヤ行にも活用)手でとらえる。とりおさえる。また、その場にとどめる。東大寺諷誦文稿「頸を掣ツカマヘ、胸を掣ツカマヘ」。日葡辞書「ツカマユル」。「虫を―・える」「タクシーを―・える」「人を―・えては自慢する」 つか‐まき柄巻】 刀剣の柄を糸・革などで巻くこと。また、それを業とする人。 つかま・せる掴ませる】 〔他下一〕 ①つかむようにさせる。 ②賄賂わいろを受け取らせる。「金を―・せる」 ③だまして悪い品を買わせる。「にせものを―・せる」 つが‐まつ栂松(→)「つが」に同じ。 つかまつり‐びと仕奉人】 お仕えする人。従者。宇治拾遺物語9「―となりたれば」 つかまつ・る仕る】 〔自他五〕 (ツカエマツルの転) ①お仕えする。西大寺本最勝王経平安初期点「恒に親まなあたり十方の仏に承ツカマツルこと得しめむ」 ②「する」の意の謙譲語。致す。徒然草「あやまちは、やすき所に成りて必ず―・る事に」。「失礼―・る」 つかまり‐だち掴まり立ち】 物につかまって立つこと。「子供が―できるようになった」 つかま・る捕まる・掴まる・捉まる】 〔自五〕 ①(手で)とらえられる。「スピード違反で―・る」「記者団に―・る」 ②手で物にしっかりすがる。「手すりに―・る」 ◇ふつう1に「捕」、2に「掴・捉」を使う。 つかみ掴み・攫み】 ①つかむこと。多く数詞に添えて用いる。「一―」「大―」 ②囲碁で互先たがいせんの者が先手せんて・後手ごてを定める法。先方の握った碁石の数の奇数か偶数かを言いあてると先手となる。にぎり。 ③花札で出来役の札を全部手に持つこと。 ④〔建〕破風の板の相会する所を補強するためにとりつける蟻枘ありほぞの木。蟻板ありいた⇒つかみ‐あい【掴み合い】 ⇒つかみ‐あらい【掴み洗い】 ⇒つかみ‐からげ【掴み絡げ】 ⇒つかみ‐きん【掴み金】 ⇒つかみ‐ざし【掴み差し】 ⇒つかみ‐だか【掴高】 ⇒つかみ‐づら【掴み面】 ⇒つかみ‐どころ【掴み所】 ⇒つかみ‐どり【掴み取り】 ⇒つかみ‐なげ【掴み投げ】 ⇒つかみ‐ぼうこう【掴奉公】 つかみ‐あい掴み合い‥アヒ つかみあうこと。取っ組み合いのけんか。 ⇒つかみ【掴み・攫み】 つかみ‐あ・う掴み合う‥アフ 〔自五〕 互いにつかんで打ち合う。組み合って喧嘩する。 つかみ‐あらい掴み洗い‥アラヒ 衣服などを、水の中で何度も掴んでははなして洗うこと。 ⇒つかみ【掴み・攫み】 つかみ‐かか・る掴み掛かる】 〔自五〕 相手の肩などをつかんで組みつく。急に手を使っておそいかかる。万葉集16「恋の奴やつこの―・りて」。「―・らんばかりの勢い」 つかみ‐からげ掴み絡げ】 遊女の道中などの時、襠うちかけのすそなどをつまみ上げること。浄瑠璃、傾城島原蛙合戦「―に脛見えて」 ⇒つかみ【掴み・攫み】 つかみ‐きん掴み金】 きちんと額を定めず、大雑把に与える金銭。 ⇒つかみ【掴み・攫み】 つかみ‐ころ・す掴み殺す】 〔他五〕 手でつかんで殺す。刃物を使わずに素手すでであっさり殺す。 つかみ‐ざし掴み差し】 ①刀を無造作に腰に差すこと。 ②江戸時代に女性が簪かんざしを2本そろえて差したこと。 ⇒つかみ【掴み・攫み】 つか‐みじか柄短】 柄の短いこと。また、そのもの。↔柄長つかなが つかみ‐だか掴高】 ①江戸時代、検地にもれた一村落を一掴みにしていくらと決めた石こく高。 ②(→)刈高かりだかに同じ。 ⇒つかみ【掴み・攫み】 つかみ‐だ・す掴み出す】 〔他五〕 ①物をつかんで外へ出す。「箱からりんごを―・す」 ②無造作にとらえてつき出す。「ペットを室外に―・す」 つかみ‐つ・く掴み付く】 〔自四〕 つかんで勢い強くとりつく。つかみかかる。平家物語9「乗せじとする船に取り付き、―・き」 つかみ‐づら掴み面】 欲ばった顔つきをののしっていう語。また、欲ばり者。浄瑠璃、卯月潤色「この―兄弟がお亀女夫を踏付けに虐待せこめ廻すといふ事を」 ⇒つかみ【掴み・攫み】 つかみ‐どころ掴み所】 つかむべき所。とらえどころ。てがかり。「―がない」 ⇒つかみ【掴み・攫み】 つかみ‐どり掴み取り】 ①無造作につかんで取ること。手で一度につかんだ物を取ること。「魚を―する」 ②むさぼって多く取ること。ぼろい儲け。日本永代蔵1「今此の娑婆に―はなし」 ⇒つかみ【掴み・攫み】 つかみ‐と・る掴み取る】 〔他五〕 つかんで取る。また、努力して手に入れる。「幸運を―・る」 つかみ‐なげ掴み投げ】 相撲の手の一つ。腕を伸ばして相手の後ろまわしをつかみ、相手を放り出すように投げるもの。 ⇒つかみ【掴み・攫み】 つかみ‐ぼうこう掴奉公】 草履取りの奉公を卑しめていう語。浄瑠璃、薩摩歌「―致しても恋しい奴めにま一度と」 ⇒つかみ【掴み・攫み】 つか‐みほん束見本】 実際と同じ用紙を用いて作った製本見本。印刷・製本作業に先立ち、装丁・体裁・外形・重さなどを確認するもの。 つか・む掴む・攫む】 〔他五〕 ①手の指をまげて、物を強く保持する。法華義疏長保点「背せなかはらを楂ツカミきて」。保元物語「三郎が弓手の草摺をむずと―・んで引き寄せて」。「胸ぐらを―・む」 ②手に入れる。わが物とする。日葡辞書「ザウヒャウ(雑兵)ドモ、ラン(乱)ノトキ、モノヲツカミトル」。「大金を―・む」「情報を―・んだ」 ③相手を理解し自分に惹き付けた後、離れていかないようにする。掌握する。「読者の心を―・む」「人心を―・む」 ④物事の要点をとらえる。理解する。「大意を―・む」 ⑤女郎買いをする。浄瑠璃、本朝三国志「小磯さま―・んでこい」 つかもと塚本】 姓氏の一つ。 ⇒つかもと‐くにお【塚本邦雄】 つかもと‐くにお塚本邦雄‥ヲ 歌人。滋賀県生れ。彦根高商卒。反現実的美学に基づく前衛的な作歌で戦後歌壇の一翼を形成。「水葬物語」「水銀伝説」など。(1922〜2005) ⇒つかもと【塚本】 つが‐も‐な・い 〔形〕 (「つがなし」を強めていう語) ①すじみちが立たない。とんでもない。莫切自根金生木きるなのねからかねのなるき「なんでも高い方へ落すから、技倆一倍―・く高く積りやれ」。尾崎紅葉、紅子戯語「死なばまさに無縁の亡者つがもネヱ」 ②あってはならないことである。不都合である。 ③(他をののしって)たわいもない。ばかばかしい。浄瑠璃、八百屋お七「ハイ―・い事ばかり」 ④すばらしい。洒落本、真女意題「―・くありがてへ」 つか‐や塚屋・墓屋】 墓守の住む家。夜の寝覚3「昔ありけん―にこもりては、うとましき齢になりゆけど」 つからか・す疲らかす】 〔他五〕 ①疲れさせる。疲らす。平家物語9「敵かたきに馬の足を―・させよ」 ②転じて、欠乏させる。太平記16「両方より京都を攻めて兵粮を―・し候ほどならば」 つから・し疲らし】 〔形シク〕 疲れている。続日本紀29「御身みみ―・しくおほまします」 つから・す疲らす】 〔他五〕 疲れさせる。疲らかす。歌経標式「何にか来けむ馬―・しに」 つがり連・鎖・縋】 (ツカリとも) ①つらなりつづくこと。 ②糸でからげつないだもの。 ③くさり。仁徳紀「鉄の―を以て」 ④袋の口をくさりのようにかがって、紐を通す部

大辞林の検索結果 (11)

つえ【杖・丈】🔗🔉

つえ [1] 【杖・丈】 (1)歩く時,手に持って地面につき,歩行の助けとする細長い木や竹の棒。「―をつく」「―にすがる」「転ばぬ先の―」 (2)頼りにするもの。「老後の―とする」 (3)律令制で,杖罪(ジヨウザイ)となった罪人を打つのに使う棒。 (4)律令制以前の長さの単位。のちの一丈(約3メートル)に相当。 (5)弓杖(ユンヅエ)の長さ,七尺五寸(約2.3メートル)のこと。 (6)中世における地積の単位。一段の五分の一。七二歩。

つえたて-でんせつ【杖立て伝説】🔗🔉

つえたて-でんせつタテ― [5] 【杖立て伝説】 高僧や武将などが,持っていた杖を大地にさしたところ,根がつき芽が出て大木になったという一群の伝説。

つえ-たら-ず【杖足らず】🔗🔉

つえ-たら-ず― 【杖足らず】 (枕詞) 杖は一丈(一〇尺)に満たない意から,「八尺(ヤサカ)」にかかる。「―八尺の嘆き嘆けども/万葉 3344」

つえ-つき【杖突き】🔗🔉

つえ-つき― [2][4] 【杖突き】 (1)つえをつくこと。また,その人。 (2)鎧(ヨロイ)の背の指筒(サシヅツ)に差した小旗,または飾り物。 (3)江戸幕府の職名の一。土地の測量を行なった者。 (4)〔礼記(王制)〕 老人の年齢で五〇歳・六〇歳・七〇歳・八〇歳のこと。

つえつき-えび【杖突海老】🔗🔉

つえつき-えび― [4] 【杖突海老】 テナガエビの異名。

つえつき-ざか【杖突坂】🔗🔉

つえつき-ざかツキ― 【杖突坂】 三重県四日市市と鈴鹿市との間にある坂。倭建命(ヤマトタケルノミコト)が伊吹山の神の討伐の際,病を得て疲れ果て杖を突いて歩いたと伝える所。

つえつき-とうげ【杖突峠】🔗🔉

つえつき-とうげツキタウゲ 【杖突峠】 長野県中央部,諏訪盆地と伊那谷を結ぶ峠。海抜1274メートル。近世まで信州中部や甲州から東海地方に出る重要な交通路であった。

つえ-はしら【杖柱】🔗🔉

つえ-はしら― [1] 【杖柱】 つえと柱。非常に頼みに思う人やもののたとえにいう。「―と頼む」

つえ-はらい【杖払い】🔗🔉

つえ-はらいハラヒ [3] 【杖払い】 近世,貴人の通行などの際,その一行の先に立って先払いをすること。露(ツユ)払い。

つ・える【潰える・熟える・費える】🔗🔉

つ・える 【潰える・熟える・費える】 (動ア下一)[文]ヤ下二 つ・ゆ 〔「つひゆ」の転か〕 (1)熟しきる。熟したものやうんだものがつぶれる。「―・え過ぎた葡萄めく色を帯びたのが/あひびき(四迷)」「ハレモノガ―・エタ/日葡」 (2)つぶれる。崩れる。「キシガ―・エタ/日葡」 (3)浪費してなくなる。「タカラガ―・ユル/日葡」

つえ【杖】(和英)🔗🔉

つえ【杖】 a (walking) stick;→英和 a cane.→英和 〜をついてwith a stick.〜とも柱とも頼む人one's (only) support.

広辞苑+大辞林ツエで始まるの検索結果。