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いな【稲】🔗🔉

いな【稲】 「いね」の変化した語。複合語として用いられる。「―穂」「―田」《季 秋》

いなおおせ‐どり【稲負鳥】いなおほせ‐🔗🔉

いなおおせ‐どり【稲負鳥】いなおほせ‐ 古歌に詠まれた秋の鳥。稲刈り時に飛来するという。呼子鳥(よぶこどり)・百千鳥(ももちどり)とともに古今伝授三鳥の一。セキレイ・トキ・スズメ・バン・クイナなどとする諸説があるが、実体は不明。「山田守(も)る秋の仮廬(かりいほ)に置く露は―の涙なりけり」〈古今・秋下〉

いながき‐たるほ【稲垣足穂】🔗🔉

いながき‐たるほ【稲垣足穂】一九〇〇〜一九七七]小説家。大阪の生まれ。天体や文明の利器を題材にした幻想的な異色の作風で注目され、のち少年愛をテーマにした作品を書いた。小説「一千一秒物語」、随筆「少年愛の美学」など。

いな‐かけ【稲掛(け)】🔗🔉

いな‐かけ【稲掛(け)】いねかけ」に同じ。

いな‐かぶ【稲株】🔗🔉

いな‐かぶ【稲株】 稲を刈ったあとに残る切り株。稲茎。いねかぶ。

いな‐がら【稲△幹】🔗🔉

いな‐がら【稲幹】 稲の茎。

いな‐き【稲△城】🔗🔉

いな‐き【稲城】 《「いなぎ」とも》古代、家の周囲に稲を積み上げて敵の矢を防ぐ備えとしたもの。稲束を貯蔵する小屋。《季 秋》

いな‐き【稲△置】🔗🔉

いな‐き【稲置】 《「いなぎ」とも》大和朝廷の地方官の一。屯倉(みやけ)の長官。稲穀の収納を職務とした。天武天皇が制定した八色(やくさ)の姓(かばね)の最下位。

いな‐ぎ【稲木】🔗🔉

いな‐ぎ【稲木】 刈り取った稲を束にし、掛け並べて干す柵(さく)や木組み。稲架(はさ)。稲掛(いねか)け。《季 秋》

いなぎ【稲城】🔗🔉

いなぎ【稲城】 東京都中南部、多摩川沿岸の市。ナシの産地。住宅地化が進む。人口六・一万。

いな‐くき【稲茎】🔗🔉

いな‐くき【稲茎】稲株(いなかぶ)」に同じ。

いな‐ぐら【稲倉】🔗🔉

いな‐ぐら【稲倉】 《「いなくら」とも》稲を貯蔵する倉。米倉。いねぐら。

いな‐ぐるま【稲車】🔗🔉

いな‐ぐるま【稲車】 刈り取った稲を積んで運ぶ車。いねぐるま。《季 秋》「―うしろさらさら穂ずれの妻/草田男」

いなげ【稲毛】🔗🔉

いなげ【稲毛】 千葉市北西部の区名。東京湾岸を埋め立て、住宅地化が進む。

いな‐ご【稲子・×蝗】🔗🔉

いな‐ご【稲子・×蝗】 イナゴ科イナゴ属の昆虫の総称。ハネナガイナゴ・コバネイナゴなど。体長二〜四センチ。背部が褐色、ほかは黄緑色のものが多い。水田や湿田に夏から秋に多くみられ、稲などの害虫。つくだ煮などにして食べる。鳴かない。蝗虫(こうちゆう)。《季 秋》「道ばたや―つるみす穂のなびき/暁台」

いな‐こき【稲△扱き】🔗🔉

いな‐こき【稲扱き】いねこき」に同じ。

いなご‐まろ【稲子×麿】🔗🔉

いなご‐まろ【稲子×麿】 《イナゴを擬人化していった語》イナゴ・バッタ類の古名。「―といふ虫は、田ゐに稲のいでくる時、この虫もいでくれば」〈俊頼髄脳〉

いな‐さく【稲作】🔗🔉

いな‐さく【稲作】 稲を栽培すること。「―地帯」稲の実りぐあい。稲の作柄。米作。「今年の―は上々だ」

いなざわ【稲沢】いなざは🔗🔉

いなざわ【稲沢】いなざは 愛知県北西部の市。美濃街道の宿駅稲葉(いなば)から発展。古代に尾張国府の置かれた地で、国府宮(こうのみや)の裸祭りでにぎわう。人口九・六万。

いな‐すずめ【稲雀】🔗🔉

いな‐すずめ【稲雀】 稲の実るころ田に群れるスズメ。《季 秋》「―茶の木畠や逃げ処/芭蕉」

いな‐ずま【稲妻・△電】‐づま🔗🔉

いな‐ずま【稲妻・電】‐づま 《稲の夫(つま)の意。稲の結実期に多く起こるので、これによって稲が実ると考えられていた》空中電気の放電によって生じる電光。また、それが雲に反映したもの。稲光(いなびかり)。稲魂(いなだま)。いなつるび。「―が走る」《季 秋》「―やきのふは東今日は西/其角」動作の非常にすばやいことや、時間のきわめて短いことのたとえ。「―のごとく飛び去る」「稲妻形(がた)」の略。「稲妻折れ釘(くぎ)」の略。紋所の名。を図案化したもの。稲妻菱や四つ稲妻菱など。《形がに似るところから》蔵などの鍵。「―でくゎらくゎらくゎらと蔵を明け」〈柳多留・五六〉の形や輝きから》金屏風(きんびようぶ)のこと。「―を拝借に行く暑い事」〈柳多留・一六〉江戸時代、遊女などが、かんざしを多く挿していること。「―をさせてふり向く仲の町」〈柳多留・二九〉

いなずま‐おれくぎ【稲妻折れ×釘】いなづまをれくぎ🔗🔉

いなずま‐おれくぎ【稲妻折れ×釘】いなづまをれくぎ 頭部が稲妻形に二重に折れて鉤(かぎ)形をした釘。掛け物などをかけるのに使用。

いなずま‐がた【稲妻形】いなづま‐🔗🔉

いなずま‐がた【稲妻形】いなづま‐ 稲妻の形を折れ曲がった直線で図案化した模様。紋所にも用いる。左右交互に曲がった形。ジグザグの形。「十四人は、詞(ことば)もなく、―に焼跡の町を縫って」〈鴎外・大塩平八郎〉

いなずま‐ばしり【稲妻走り】いなづま‐🔗🔉

いなずま‐ばしり【稲妻走り】いなづま‐ 稲妻がひらめくように、速く走ること。「あの馬止めよといふ程も、家来に乗り抜け―」〈浄・会稽山〉

いなずま‐びし【稲妻×菱】いなづま‐🔗🔉

いなずま‐びし【稲妻×菱】いなづま‐ 稲妻形を菱形に描いた文様。また、その紋所。

いなずまびょうし【稲妻表紙】いなづまベウシ🔗🔉

いなずまびょうし【稲妻表紙】いなづまベウシ 読本。五巻六冊。山東京伝著。歌川豊国画。文化三年(一八〇六)刊。近松門左衛門の「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)」などの不破伴左衛門と名古屋山三郎の物語をからませ、敵討ちを中心にしたお家騒動物。昔話(むかしがたり)稲妻表紙。

いなずま‐もよう【稲妻模様】いなづまモヤウ🔗🔉

いなずま‐もよう【稲妻模様】いなづまモヤウ 稲妻のように直線を折り曲げた文様。

いなずま‐よこばい【稲妻横×這】いなづまよこばひ🔗🔉

いなずま‐よこばい【稲妻横×這】いなづまよこばひ ヨコバイの一種。体長は翅(はね)の先まで約四・五ミリで、全体が黄褐色。前翅に稲妻模様のような斑点がある。稲・麦などの害虫。

いなずま‐らいごろう【稲妻雷五郎】いなづまライゴラウ🔗🔉

いなずま‐らいごろう【稲妻雷五郎】いなづまライゴラウ一七九八〜一八七七]七代横綱。常陸(ひたち)国東(あずま)村の人。入幕後一六年間の勝率九〇・九パーセントという。松江藩の抱え力士。

いな‐だ【稲田】🔗🔉

いな‐だ【稲田】 稲の植えてある田。《季 秋》

いなだ‐ごぼう【稲田御坊】‐ゴバウ🔗🔉

いなだ‐ごぼう【稲田御坊】‐ゴバウ 茨城県笠間市稲田にある西念(さいねん)寺の通称。

いな‐だま【稲△魂】🔗🔉

いな‐だま【稲魂】 《「いなたま」とも》稲の中に宿ると信じられている神霊。稲妻。稲光。《季 秋》

いなだ‐りゅうきち【稲田竜吉】🔗🔉

いなだ‐りゅうきち【稲田竜吉】一八七四〜一九五〇]医学者。名古屋の生まれ。九大・東大教授。ワイル病を研究し、井戸泰とともに病原体を発見。文化勲章受章。

いな‐づか【稲△束】🔗🔉

いな‐づか【稲束】 刈り取った稲をたばねたもの。いなたば。いねたば。

いなづ‐ぎくう【稲津祇空】🔗🔉

いなづ‐ぎくう【稲津祇空】一六六三〜一七三三]江戸中期の俳人。大坂の人。別号、敬雨。江戸に出て其角(きかく)に師事。宗祇(そうぎ)を慕い、祇空と号した。その俳諧は法師風といわれ平明であった。

いな‐ば【稲葉】🔗🔉

いな‐ば【稲葉】 稲の葉。「恋ひつつも―かき別(わ)け家居(を)れば乏(とも)しくもあらず秋の夕風」〈万・二二三〇〉

いなば‐いってつ【稲葉一鉄】🔗🔉

いなば‐いってつ【稲葉一鉄】一五一六〜一五八九]安土桃山時代の武将。美濃曾根城主。名は良通・長通。一鉄は号。初め斎藤竜興(さいとうたつおき)に従い、のち織田信長・豊臣秀吉に仕えた。

いなばき‐むしろ【稲掃き×筵】🔗🔉

いなばき‐むしろ【稲掃き×筵】 稲こきや籾(もみ)を干すのに使う、目の粗いむしろ。いなばき。いなまき。

いなば‐の‐くも【稲葉の雲】🔗🔉

いなば‐の‐くも【稲葉の雲】 稲穂が実って風になびくようすを雲に見立てた語。「風渡る門田(かどた)のすゑに霧はれて―を出づる月かげ」〈新拾遺・秋上〉

いなば‐の‐やま【因幡山・稲羽山】🔗🔉

いなば‐の‐やま【因幡山・稲羽山】 鳥取県北東部、岩美(いわみ)郡国府町にある山。標高二九四メートル。いなばやま。《歌枕》「立ち別れ―の峰に生ふる松とし聞かば今帰り来む」〈古今・離別〉

いな‐びかり【稲光】🔗🔉

いな‐びかり【稲光】稲妻」に同じ。《季 秋》「くらがりの手足を照らす―/誓子」

いなび‐の【稲日野】🔗🔉

いなび‐の【稲日野】印南野(いなみの)」に同じ。《歌枕》「―も行き過ぎかてに思へれば心恋しき加古(かこ)の島見ゆ」〈万・二五三〉

いな‐ぶね【稲舟】🔗🔉

いな‐ぶね【稲舟】 刈り取った稲を運ぶ舟。《季 秋》「―や鎌を片手に漕いで行く/蝶夢」

いなぶね‐の【稲舟の】🔗🔉

いなぶね‐の【稲舟の】 軽小な稲舟の意から「軽(かろ)」、また同音の「いな」を引き出す序詞。「最上川のぼればくだる―いなにはあらずこの月ばかり」〈古今・東歌〉

いな‐ほ【稲穂】🔗🔉

いな‐ほ【稲穂】 《「いなぼ」とも》稲の穂。《季 秋》「草花と握り添へたる―かな/一茶」紋所の名。稲の穂を図案化したもの。

いなみ‐ぼし【稲見星】🔗🔉

いなみ‐ぼし【稲見星】 二十八宿の一、牛宿(ぎゆうしゆく)の和名。稲の見られるころの星の意か。→牛(ぎゆう)

いな‐むし【稲虫】🔗🔉

いな‐むし【稲虫】 稲の害虫の総称。ウンカ・ヨコバイ・バッタなど。ショウリョウバッタの別名。

いなむし‐おくり【稲虫送り】🔗🔉

いなむし‐おくり【稲虫送り】虫送り」に同じ。

いな‐むしろ【稲×筵】🔗🔉

いな‐むしろ【稲×筵】 [名]稲のわらで編んだむしろ。「秋の田のかりねの床の―月宿れどもしける露かな」〈新古今・秋上〉稲が実って倒れ伏したようす。また、そのように乱れたもののたとえ。「夕露の玉しく小田の―かぶす穂末に月ぞすみける」〈山家集・上〉〔枕〕「川」にかかる。かかり方未詳。一説に「寝筵(いねむしろ)」の意とされ、古代はそれを皮で作ったので同音の「川」にかかるともいう。「―川に向き立ち」〈万・一五二〇〉

いな‐むら【稲×叢】🔗🔉

いな‐むら【稲×叢】 刈り取った稲を乾燥させるために野外に積み上げたもの。稲塚(いなづか)。《季 秋》

いなむら‐が‐さき【稲村ヶ崎】🔗🔉

いなむら‐が‐さき【稲村ヶ崎】 神奈川県鎌倉市にあり、由比ヶ浜(ゆいがはま)と七里ヶ浜とを分ける岬。新田義貞(につたよしさだ)が太刀を投じて竜神に祈り、干潮を利用して鎌倉に攻め入ったという地。

いなむら‐さんぱく【稲村三伯】🔗🔉

いなむら‐さんぱく【稲村三伯】一七五八〜一八一一]江戸後期の蘭学者。鳥取藩医。因幡(いなば)の人。大槻玄沢(おおつきげんたく)に師事し、蘭日対訳辞書「波留麻和解(ハルマわげ)」(江戸ハルマ)を編纂(へんさん)。のち、海上随鴎(うながみずいおう)と改名。

いなもり‐そう【稲森草・稲盛草】‐サウ🔗🔉

いなもり‐そう【稲森草・稲盛草】‐サウ アカネ科の多年草。日本特産。湿った山地の樹林下に生え、高さ三〜一〇センチ。全体に軟毛がある。葉は茎の上部に四〜六枚が対生する。晩春、淡紫色の長い筒状の花を開く。江戸時代に三重県の稲森山からこれを採って売ったという。よつばはこべ。

いなり【稲△荷】🔗🔉

いなり【稲荷】 《「いななり(稲生)」の音変化という》五穀をつかさどる食物の神、倉稲魂神(うかのみたまのかみ)のこと。また、倉稲魂神を祭った、稲荷神社。《倉稲魂神の異称である御食津神(みけつかみ)と、三狐神(みけつかみ)とを結びつけて、稲荷神の使いと信じたところから》狐(きつね)の異称。《狐の好物とされたところから》油揚げ。「稲荷鮨(いなりずし)」の略。

いなり‐こう【稲△荷講】🔗🔉

いなり‐こう【稲荷講】 稲荷を信仰する人たちが祭礼や参詣のために組織する団体。《季 春》江戸市中の稲荷小社の祭りに、子供が数人で狐を描いた絵馬板を持ち、家ごとに銭を請い歩いた風習。

いなり‐しんこう【稲△荷信仰】‐シンカウ🔗🔉

いなり‐しんこう【稲荷信仰】‐シンカウ 稲荷神、および稲荷神社に対する信仰。田の神の信仰など稲作との結びつきが強く、後世は商売繁盛の守り神ともされる。狐を稲荷神の使いとする俗信も加わって民間に広まった。

いなり‐じんじゃ【稲△荷神社】🔗🔉

いなり‐じんじゃ【稲荷神社】 稲荷を祭った神社。特に、京都市伏見区にある総本社、伏見稲荷大社をいう。

いなり‐ずし【稲△荷×鮨】🔗🔉

いなり‐ずし【稲×鮨】 煮つけた油揚げの中に鮨飯を詰めたもの。しのだずし。きつねずし。おいなりさん。《季 夏》

いなり‐どりい【稲△荷鳥居】‐どりゐ🔗🔉

いなり‐どりい【稲荷鳥居】‐どりゐ 鳥居の形式の一。柱と島木(しまぎ)との間に台輪(だいわ)を入れ、柱下に亀腹(かめばら)をつけたもの。稲荷神社で用い、柱の下部を黒塗り板木で巻いて、他を朱塗りとする。→台輪

いなり‐まち【稲△荷町】🔗🔉

いなり‐まち【稲荷町】 《楽屋内の稲荷明神を祭った近くにその部屋があったところから》江戸時代、歌舞伎での最下級の役者。また、その部屋。から転じて》演技のへたな役者。

いなり‐まつり【稲△荷祭(り)】🔗🔉

いなり‐まつり【稲荷祭(り)】 京都の伏見稲荷大社の祭礼。四月第二の午(うま)の日(古くは陰暦三月、中(なか)の午の日)の神幸祭(稲荷のお出(いで))、五月初卯(はつう)の日(古くは陰暦四月、上の卯の日)の還幸祭(稲荷のお旅)、四月九日の例祭がある。《季 春》各地の稲荷神社の祭り。特に、初午(はつうま)祭り。

いなり‐もうで【稲△荷×詣で】‐まうで🔗🔉

いなり‐もうで【稲×詣で】‐まうで 二月の初午(はつうま)の日に、稲荷神社に詣でること。初午詣で。

いなり‐やま【稲荷山】🔗🔉

いなり‐やま【稲荷山】 京都市伏見区、東山丘陵南端の山。標高二三九メートル。西麓に稲荷神社がある。《歌枕》「―みな見し人をすきずきに思ふ思ふと知らせてしかな」〈曾丹集〉

いなりやま‐こふん【稲荷山古墳】🔗🔉

いなりやま‐こふん【稲荷山古墳】 埼玉県行田(ぎようだ)市の埼玉(さきたま)古墳群にある前方後円墳。全長約一二〇メートル。昭和四三年(一九六八)に発掘された鉄剣から、金象眼の銘文一一五文字が発見された。

いね【稲】🔗🔉

いね【稲】 イネ科の一年草。実が米で、広く主食とされ、水田や畑で栽培し、畑に作るものは陸稲(おかぼ)(りくとう)とよばれる。インドまたは東南アジアの原産。日本では先史時代から栽培。高さ約一メートル。春、種を苗代にまいて、梅雨のころ苗を本田に移し植え、秋に収穫。ふつう飯に炊く粳(うるち)と、餅(もち)にする糯(もち)とがあり、栽培品種は多い。また収穫の時期により、早稲(わせ)・中稲(なかて)・晩稲(おくて)と区別する。《季 秋》「道暮れて―の盛りぞちからなる/暁台」紋所の名。◆イネ科の単子葉植物は約七〇〇属一万種がある。多くは草本、茎は中空で節があり、葉は細長い。花はふつう両性花で、穂状につく。麦・トウモロコシなど主要な穀物が含まれる。

いね‐あ・ぐ【稲挙ぐ】🔗🔉

いね‐あ・ぐ【稲挙ぐ】 [動ガ下二]《動詞「い(寝)ぬ」(下二)の連用形「いね」に掛けて、正月に用いる忌み詞》起きる。「―・げよ明けて秋の田かかる代に」〈七車〉《季 新年》稲積む。

いね‐かけ【稲掛(け)】🔗🔉

いね‐かけ【稲掛(け)】 刈って束ねた稲を乾かすため、穂を下にして稲木などに掛けること。また、その掛ける木。稲架(はさ)。いなぎ。いなかけ。《季 秋》

いね‐かめむし【稲×亀虫・稲椿=象】🔗🔉

いね‐かめむし【稲×亀虫・稲椿象】 カメムシ科の昆虫。体長一・三センチくらい。体は長楕円形で淡褐色。イネの出穂期に穂を食害する。本州以南に分布。

いね‐かり【稲刈(り)】🔗🔉

いね‐かり【稲刈(り)】 秋に実った稲を刈り取ること。取り入れ。刈り入れ。《季 秋》「―の其の田の端や扱(こ)き所/許六」

いねかり‐うた【稲刈(り)歌】🔗🔉

いねかり‐うた【稲刈(り)歌】 民謡で、稲を刈り取るときにうたう仕事歌。

いね‐こき【稲△扱き】🔗🔉

いね‐こき【稲扱き】 刈り取った稲の穂から籾(もみ)をこいて落とすこと。また、その道具。脱穀。いなこき。《季 秋》「―の古き機械を野にさらす/誓子」

いねこき‐うた【稲△扱き歌】🔗🔉

いねこき‐うた【稲扱き歌】 民謡で、稲の穂をこくときにうたう仕事歌。

いねこ‐ばし【稲△扱×箸】🔗🔉

いねこ‐ばし【稲×箸】(こ)き箸」に同じ。

いね‐ぞうむし【稲象虫】‐ザウむし🔗🔉

いね‐ぞうむし【稲象虫】‐ザウむし ゾウムシ科の甲虫。体長約五ミリ。体は黒褐色で、灰褐色の鱗片(りんぺん)で覆われる。稲の葉・茎・根などを食害。

いね‐つき【稲×舂き】🔗🔉

いね‐つき【稲×舂き】 稲の籾(もみ)をうすに入れて、きねでつき精白すること。米つき。

いねつき‐うた【稲×舂き歌】🔗🔉

いねつき‐うた【稲×舂き歌】 大嘗祭(だいじようさい)に神前に供える稲をつくときにうたった歌。

いねつき‐こまろ【稲×舂き子×麿】🔗🔉

いねつき‐こまろ【稲×舂き子×麿】 ショウリョウバッタの古名。〈和名抄〉

いねつき‐むし【稲×舂き虫】🔗🔉

いねつき‐むし【稲×舂き虫】 ショウリョウバッタの別名。

いね‐つ・む【稲積む】🔗🔉

いね‐つ・む【稲積む】 [動マ四]《動詞「い(寝)ぬ」(下二)の連用形「いね」に掛けて、正月に用いる忌み詞》寝る。「ちゃうど元日を待つ心地…、ちっとの間―・まう」〈浄・妹背山〉《季 新年》稲挙ぐ。

いねねくい‐はむし【稲根×喰葉虫】いねねくひ‐🔗🔉

いねねくい‐はむし【稲根×喰葉虫】いねねくひ‐ ハムシ科の甲虫。体長六ミリほど。全体に緑褐色で金属光沢がある。触角は長く、翅(はね)にすじがある。幼虫は稲の根を食害する。ねくいはむし。

いのう‐じゃくすい【稲生若水】いなふ‐🔗🔉

いのう‐じゃくすい【稲生若水】いなふ‐一六五五〜一七一五]江戸中期の本草(ほんぞう)学者。江戸の人。名は宣義。福山徳潤に師事し、のち加賀藩主に仕えた。博物学の先駆者。著「庶物類纂」など。

いもち‐びょう【稲=熱病】‐ビヤウ🔗🔉

いもち‐びょう【稲熱病】‐ビヤウ 稲の葉や茎が変色し、穂が実らなくなる病害。糸状菌の一種の寄生によるもので、夏、気温が低く、多雨・多湿の年に多く発生。稲の病虫害の中で最も被害が大きい。

うか‐の‐みたま【宇×迦△御△魂・倉=稲△魂・△稲△魂】🔗🔉

うか‐の‐みたま【宇×魂・倉魂・魂】 《「うか」は「うけ(食)」の音変化》食物、ことに稲の神霊。うけのみたま。「こは稲の霊(みたま)なり。俗の詞に―といふ」〈祝詞・大殿祭・訓注〉

うけ‐の‐みたま【△稲△魂】🔗🔉

うけ‐の‐みたま【魂】 宇迦御魂(うかのみたま)

しね【△稲】🔗🔉

しね【稲】 いね。多く、他の語の下に付いて複合語の形で用いる。「荒―」「み―搗(つ)く女(をみな)の佳さ」〈神楽歌・細波〉

とうねつ‐びょう【稲熱病】タウネツビヤウ🔗🔉

とうねつ‐びょう【稲熱病】タウネツビヤウ いもちびょう

とう‐ま【稲麻】タウ‐🔗🔉

とう‐ま【稲麻】タウ‐稲麻竹葦(ちくい)」に同じ。「馬回りに徒(かち)立ちの射手五百人、…―の如く打ち囲うだり」〈太平記・二六〉

とうま‐ちくい【稲麻竹×葦】タウマチクヰ🔗🔉

とうま‐ちくい【稲麻竹×葦】タウマチクヰ 《稲・麻・竹・葦の群生するようすから》多くの人が入り乱れて集まっているようすや、幾重にも取り囲んでいるようすをたとえていう語。「余りに人参り集ひて、筍(たかんな)を込み、―のごとし」〈平家・三〉

はさ【稲=架】🔗🔉

はさ【稲架】 《挟(はさ)む、の意。「はざ」とも》竹や木を組んだ、刈った稲を掛けて乾かす設備。稲掛け。《季 秋》「―の道朝夕きよくなりにけり/林火」

ひつじ【×・稲=孫】ひつぢ🔗🔉

ひつじ【×・稲孫】ひつぢ 《室町時代ころまでは「ひつち」》刈ったあとの株から再び伸びる稲。「鶉(うづら)伏す刈田の―おひ出でてほのかに照らす三日月の影」〈山家集・中〉《季 秋》

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