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○憂き身を窶すうきみをやつす🔗🔉

○憂き身を窶すうきみをやつす ①つらい事の多いのが外見にもあらわれるほどに苦労する。 ②(「浮身」とも書く)身のやせるほど物事に熱中する。また、無益なことや本業でないことに熱中する。「恋に―」「おしゃれに―」 ⇒うき‐み【憂き身】 うき‐むしゃ浮武者】 遊軍に属する武士。幸若舞曲、高館「弁慶は―にて」 うき‐め憂き目】 悲しいこと。つらいこと。 ▷下に「を見る」「に会う」と続ける。古今和歌集「世の―見えぬ山ぢへ入らむには」。「失業の―に会う」 うき‐め浮海布】 水面に浮いている海草。「憂き目」にかけて用いられる。古今和歌集「―のみ負ひて流るる浦なれば」 うき‐めん浮免】 中世の国衙領こくがりょうや荘園で、土地を特定せずに規模だけを定めて、正税や雑役を免除された地。 うき‐もの浮物「せもの(瀬物)」参照。 うき‐もの浮き者】 さすらいびと。 うき‐もん浮文】 浮織にした文様。うけ紋。源氏物語若菜下「―のうへの袴」↔固文かたもん うき‐やがら浮矢幹】 カヤツリグサ科の多年草。沼沢地に生え、高さ約1.5メートル。根茎は長く、茎の基部にサトイモ状の塊茎数個をつける。稈は直立、三稜形で、葉は線形。夏、茎頂に小さな濃褐色の花穂を数個つける。塊茎の表皮をはいで乾燥したものが漢方生薬の三稜で、通経・催乳に効ありとする。荊三稜。 う‐きゃく雨脚】 雨が線状に地に落ちるのを足にたとえた語。あまあし。 うき‐やく浮役】 江戸時代の雑税の一種。小物成こものなりのうち、臨時にかかるものをいい、商業・漁業・山林業に従事するものに賦課し、多くは金納であった。 うき‐ゆい盞結‥ユヒ 酒杯をとりかわして誓約すること。古事記「かく歌ひて即ち―して」 う‐きゅう烏桕・烏臼‥キウ ナンキンハゼの漢名。また、その根皮を乾かした生薬。〈下学集〉 うき‐よ憂き世・浮世】 (仏教的な生活感情から出た「憂き世」と漢語「浮世ふせい」との混淆した語) ①無常の世。生きることの苦しい世。伊勢物語「散ればこそいとど桜はめでたけれ―になにか久しかるべき」。「つらく苦しい―」 ②この世の中。世間。人生。太平記11「今は―の望みを捨てて」。島崎藤村、若菜集「うたへ―の一ふしは、笛の夢路のものぐるひ」。「―の荒波にもまれる」 ③享楽の世界。恨之介「心の慰みは―ばかり」 ④近世、他の語に冠して、現代的・当世風・好色の意をあらわす。 ⇒うきよ‐いっぷんごりん【浮世一分五厘】 ⇒うきよ‐え【浮世絵】 ⇒うきよ‐おとこ【浮世男】 ⇒うきよ‐がさ【浮世笠】 ⇒うきよ‐がたり【浮世語り】 ⇒うきよ‐ぎんちゃく【浮世巾着】 ⇒うきよ‐ぐるい【浮世狂い】 ⇒うきよ‐ご【浮世児】 ⇒うきよ‐こうじ【浮世小路】 ⇒うきよ‐ごころ【浮世心】 ⇒うきよ‐ござ【浮世茣蓙】 ⇒うきよ‐ことば【浮世言葉】 ⇒うきよ‐こもん【浮世小紋】 ⇒うきよ‐し【浮世師】 ⇒うきよ‐しょうじ【浮世小路】 ⇒うきよ‐ぞうし【浮世草子】 ⇒うきよ‐ぞめ【浮世染】 ⇒うきよ‐たたき【浮世叩き】 ⇒うきよ‐だんご【浮世団子】 ⇒うきよ‐ぢゃや【浮世茶屋】 ⇒うきよ‐でら【浮世寺】 ⇒うきよ‐どこ【浮世床】 ⇒うきよ‐にんぎょう【浮世人形】 ⇒うきよ‐の‐かぜ【浮世の風】 ⇒うきよ‐の‐きずな【浮世の絆】 ⇒うきよ‐の‐せき【浮世の関】 ⇒うきよ‐の‐ちり【浮世の塵】 ⇒うきよ‐の‐つな【浮世の綱】 ⇒うきよ‐の‐なさけ【浮世の情け】 ⇒うきよ‐の‐なみ【浮世の波】 ⇒うきよ‐の‐ならい【浮世の習い】 ⇒うきよ‐の‐やみ【浮世の闇】 ⇒うきよ‐ばなし【浮世話】 ⇒うきよ‐ばなれ【浮世離れ】 ⇒うきよ‐びくに【浮世比丘尼】 ⇒うきよ‐びと【浮世人】 ⇒うきよ‐ふう【浮世風】 ⇒うきよ‐ぶくろ【浮世袋】 ⇒うきよ‐ぶし【浮世節】 ⇒うきよ‐ぶろ【浮世風呂】 ⇒うきよ‐ぼん【浮世本】 ⇒うきよ‐もとゆい【浮世元結】 ⇒うきよ‐ものまね【浮世物真似】 ⇒浮世の隙を明く ⇒憂き世は牛の小車 ⇒浮世は夢 ⇒浮世糸瓜の皮頭巾 ⇒浮世を立つ うきよ‐いっぷんごりん浮世一分五厘】 (浮世三分五厘とも)世間を軽く見てのんきに世をすごすこと。浄瑠璃、源氏冷泉節「一寸さきはやみの夜、うき世は一分五りんづつ」 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 う‐きょう右京‥キヤウ (大内裏から南へ向いて右に当たるので) ①平城京・平安京などの都の西半部。朱雀大路すざくおおじを境として東西に分けた西方の称。西の京。↔左京。 ②京都市西部の区名。 ⇒うきょう‐しき【右京職】 ⇒うきょう‐の‐だいぶ【右京大夫】 うきょう‐しき右京職‥キヤウ‥ 「京職」参照。 ⇒う‐きょう【右京】 うきょう‐じん有興人】 物好きな人。面白いことを特に喜ぶ人。狂言、鐘の音「いや頼うだ御方は―ぢや」 うぎょう‐とう烏形幢‥ギヤウ‥ (→)「銅烏の幢」に同じ。 うきょう‐の‐だいぶ右京大夫‥キヤウ‥ ①右京職しきの長官。 ②建礼門院右京大夫のこと。 ⇒う‐きょう【右京】 うきよ‐え浮世絵‥ヱ ①江戸時代に発達した民衆的な風俗画の一様式。肉筆画も行われたが、特に版画において独自の美をひらいた。桃山時代から江戸初期に流行した肉筆の風俗画・美人画を母胎とし、17世紀後半(延宝〜元禄)の菱川師宣によって版本挿絵として様式の基礎がつくられ、さらに1765年(明和2)には鈴木春信により多色刷版画(錦絵)が創始されて、黄金期を迎えた。その主題は遊里や芝居の情景、美女・役者・力士などの似顔絵を中心とし、歴史画や風景・花鳥に及ぶ。作家としては、ほかに、鳥居清信・西川祐信・鳥居清長・喜多川歌麿・東洲斎写楽・葛飾北斎・歌川広重などが名高く、19世紀後半からヨーロッパの美術へも影響を及ぼした。 ②春画しゅんが⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよえるいこう浮世絵類考‥ヱ‥カウ 浮世絵師の伝記を集めた書。大田南畝原撰。寛政初年成立。写本。笹屋邦教・山東京伝・式亭三馬・渓斎英泉・斎藤月岑げっしんらが補記・追考を加える。浮世絵研究の基本的文献。 うきよ‐おとこ浮世男‥ヲトコ 当世はやりの風俗・態度をする男。また、好色の男。 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよ‐がさ浮世笠】 当世流行の笠。好色五人女3「素足に紙緒のはき物、―あとより持たせて」 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよ‐がたり浮世語り】 (生きることのつらい)世の中について語ること。世間話。俗世間の人の話。謡曲、山姥「―も恥かしや」 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよ‐ぎんちゃく浮世巾着】 遊郭で禿かぶろなどの持つ巾着。 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 う‐きょく迂曲・紆曲】 ①うねり曲がること。 ②まわり遠いこと。 うきよ‐ぐるい浮世狂い‥グルヒ 遊里の女に夢中になること。女ぐるい。 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよ‐ご浮世児】 私生児。父無子ててなしご⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよ‐こうじ浮世小路‥ヂ ①浮世の巷。世間。 ②元禄時代、江戸日本橋にあった小路の名。→うきよしょうじ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよ‐ごころ浮世心】 酒色にふける気持。 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよ‐ござ浮世茣蓙】 石畳に似た模様を織り出したござ。 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよ‐ことば浮世言葉】 江戸時代、遊里で好んで使われたことば。 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよ‐こもん浮世小紋】 当世流行の小紋形。 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよ‐し浮世師(→)「うきよびと」に同じ。 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよ‐しょうじ浮世小路‥セウヂ 大坂の高麗橋筋と今橋筋との間にあった小路。元禄頃は、隠し宿や、新町の遊里にかよう駕籠宿などがあった。 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよ‐ぞうし浮世草子‥ザウ‥ 江戸時代の小説の一種。1682年(天和2)刊行の井原西鶴作「好色一代男」によって仮名草子と一線を画して以来、宝暦(1751〜1764)・明和(1764〜1772)頃まで約80年間上方かみがたを中心に行われた町人文学。遊里・劇場を中心とし、町人の情意生活を写した好色物・町人物・三味線物・気質物かたぎものなどのほか、武家物・怪談物・裁判物など多くの種類がある。西鶴の諸作や八文字屋本が有名。浮世本。 →文献資料[好色一代男] ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよ‐ぞめ浮世染】 当世流行の染め模様。松の落葉染色尽「歌の文字、散らし、小文字―」 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよ‐たたき浮世叩き】 俗謡の一つ。もと胸叩きから起こったもの。編笠をかぶり、扇で拍子を取り、唄を歌いながら門付かどづけなどをする。 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよ‐だんご浮世団子】 江戸日本橋浮世小路の浮世屋平助の売り出した団子。江戸名物。 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよ‐ぢゃや浮世茶屋】 遊女を抱えておく茶屋。いろぢゃや。 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよづかひよくのいなずま浮世柄比翼稲妻‥ヅマ 歌舞伎脚本。4世鶴屋南北作の世話物。1823年(文政6)江戸市村座初演。不破名古屋の鞘当に幡随院長兵衛・白井権八・小紫をからめた筋。「鞘当」「鈴ヶ森」と通称される場が有名。 うきよ‐でら浮世寺】 なまぐさ坊主のいる寺。好色一代女2「―のをかしさ」 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよ‐どこ浮世床】 江戸時代、男の髪を結うのを業とした店。繁昌して、当世の人がよく集まる店の意。(書名別項) ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよどこ浮世床】 滑稽本。式亭三馬作。3編8冊。第3編は滝亭鯉丈りゅうていりじょう作。1813〜23年(文化10〜文政6)刊。髪結床に集まる客の種々相を滑稽に写す。 →文献資料[浮世床] うきよ‐にんぎょう浮世人形‥ギヤウ 元禄期に流行した、若衆や女の風俗をあらわした人形。 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよのありさま浮世の有様】 見聞記。13巻17冊。著者未詳。1806年(文化3)から46年(弘化3)までの京坂を中心とした世相を記す。大塩の乱、天保の改革、おかげ参りに関する記述がくわしい。 うきよ‐の‐かぜ浮世の風】 世間の風習。また、この世のわずらわしさや諸事思うにまかせぬことを風にたとえていう語。端歌、月のゆふべ「―はどこで吹く」 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよ‐の‐きずな浮世の絆‥キヅナ この世で自分を束縛する義理・人情または妻子・係累など。 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよ‐の‐せき浮世の関】 俗世をのがれることのできにくいのを関所にたとえていう語。夫木和歌抄21「別れにし―も出でがたの身や」 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよ‐の‐ちり浮世の塵】 俗世のわずらわしい思いや事件を塵にたとえていう語。俗塵。 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよ‐の‐つな浮世の綱】 俗世の中に心をつなぎとめる人間的な心情を綱にたとえた語。 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよ‐の‐なさけ浮世の情け】 この世に住む人間同士の情け。 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよ‐の‐なみ浮世の波】 現世の浮沈・喜憂の定まりない有様を大海の波にたとえていうことば。続後拾遺和歌集「―に迷ひはてなば」 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】 うきよ‐の‐ならい浮世の習い‥ナラヒ この世ではあたりまえになっていること。謡曲、仲光「後れ先立つ―」 ⇒うき‐よ【憂き世・浮世】

広辞苑 ページ 1704 での○憂き身を窶す単語。