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チャン‐ヒョクチュ【張赫宙】🔗🔉

チャン‐ヒョクチュ張赫宙】 (Chang Hyŏk-chu)在日朝鮮人作家。大邱テグ生れ。本名、張恩重。戦後は日本に帰化し、野口稔。作「餓鬼道」「少年」「春香伝」など。(1905〜1997)

ちょう【張】チヤウ🔗🔉

ちょうチヤウ ①琴・弓など、また幕・紙などを数える語。 ②二十八宿の一つ。南方の宿。張宿。ちりこぼし。 ③尾張国おわりのくにの略。

ちょう‐あいれい【張愛玲】チヤウ‥🔗🔉

ちょう‐あいれい張愛玲チヤウ‥ (Zhang Ailing)中国の女性作家。上海生れ。都会的な恋愛小説で知られる。1952年香港に、のちアメリカに移住。代表作「傾城の恋」。(1920〜1995)

ちょう‐おう‐り‐ちょう【張王李趙】チヤウワウ‥テウ🔗🔉

ちょう‐おう‐り‐ちょう張王李趙チヤウワウ‥テウ 中国のよくある四つの姓。どこにでもいる普通の人。

ちょう‐か【張果】チヤウクワ🔗🔉

ちょう‐か張果チヤウクワ 唐代の仙人。白驢に後ろ向きにまたがって日に数万里を行き、休息する時はその驢をたたんで箱に収め、行く時は水を吹きかけるとたちまち驢に変じたという。画題とされた。張果老。→八仙

ちょうかかい【張家界】チヤウ‥🔗🔉

ちょうかかい張家界チヤウ‥ (Zhangjiajie)中国湖南省北西部の山間地帯。世界遺産の武陵源など山峰や渓谷から成る景勝地。同名の市に所在。 武陵源(1) 提供:JTBフォト 武陵源(2) 提供:JTBフォト

ちょう‐かく【張角】チヤウ‥🔗🔉

ちょう‐かく張角チヤウ‥ 後漢の道士。黄巾の乱の首領。鉅鹿(河北省)の人。黄老の道を学び、大賢良師と称し、呪術を以て農民を教え信徒数十万。その教法を太平道と号。184年兵を挙げたが病死。( 〜184)

ちょう‐かくちゅう【張赫宙】チヤウ‥チウ🔗🔉

ちょう‐かくちゅう張赫宙チヤウ‥チウ ⇒チャン=ヒョクチュ

ちょう‐がくりょう【張学良】チヤウ‥リヤウ🔗🔉

ちょう‐がくりょう張学良チヤウ‥リヤウ (Zhang Xueliang)中国の軍人・政治家。張作霖の長子。父の死後、東三省の実権を握り、日本の反対を退けて国民政府に合体。満州事変により東三省を追われ、西北剿匪そうひ副司令となり、抗日救国を要求して蒋介石を監禁(西安事件)。その後、1991年まで事実上台湾に軟禁。(1901〜2001)

ちょうかこう【張家口】チヤウ‥🔗🔉

ちょうかこう張家口チヤウ‥ (Zhangjiakou)中国河北省北西部の工業都市。万里の長城の関門にあり、内モンゴルとの物産交流地。人口90万3千(2000)。モンゴル名カルガン。

ちょうかこう【張家港】チヤウ‥カウ🔗🔉

ちょうかこう張家港チヤウ‥カウ (Zhangjiagang)中国江蘇省南部、長江南岸の河港都市。農村の工業化・都市化が進展、1992年保税区を設置。人口95万7千(2000)。

ちょう‐ぎ【張儀】チヤウ‥🔗🔉

ちょう‐ぎ張儀チヤウ‥ 中国の戦国時代の縦横家。魏の人。鬼谷子に師事し、秦の恵王の相となり、秦のために韓・斉・趙・燕に遊説。恵王の死後、憎まれ、魏に逃れ相となったが、1年で死去。( 〜前310)→連衡

ちょう‐きゅうれい【張九齢】チヤウキウ‥🔗🔉

ちょう‐きゅうれい張九齢チヤウキウ‥ 唐初の政治家・詩人。字は子寿。広東曲江の人。玄宗の開元中、同平章事・中書令・右丞相。李林甫と対立、安禄山を斥けようとして成らず失脚。諡おくりなは文献。著「曲江集」。(673〜740)

ちょう‐ぎょう【張行】チヤウギヤウ🔗🔉

ちょう‐ぎょう張行チヤウギヤウ ①容赦なく行うこと。強行。平家物語1「非法非例を―し」 ②連歌の会などを、興行すること。連理秘抄「一座を―せんと思はば」

ちょう‐きょく【張旭】チヤウ‥🔗🔉

ちょう‐きょく張旭チヤウ‥ 盛唐の書家。蘇州の人。字は伯高。革新派書法の先駆者。草書を能くし草聖と称され、筆法を顔真卿・李白に伝えた。飲中八仙の一人。

ちょう‐きょせい【張居正】チヤウ‥🔗🔉

ちょう‐きょせい張居正チヤウ‥ 明代の政治家。湖北江陵の人。1547年進士。67年内閣に入り、万暦帝が即位すると首輔となり、内政改革に尽力。(1525〜1582)

ちょう‐くん【張勲】チヤウ‥🔗🔉

ちょう‐くん張勲チヤウ‥ (Zhang Xun)中国の軍人。字は少軒。江西奉新の人。辛亥革命後、清帝復辟ふくへき派の巨頭として1917年挙兵したが失敗。(1854〜1923)

ちょう‐ぐん【張群】チヤウ‥🔗🔉

ちょう‐ぐん張群チヤウ‥ (Zhang Qun)中国の政治家。日本陸軍士官学校卒。蒋介石の腹心として外交部長などを歴任。日中戦争後、行政院院長・総統府秘書長。(1889〜1990)

ちょう‐けい【張継】チヤウ‥🔗🔉

ちょう‐けい張継チヤウ‥ 中唐の詩人。字は懿孫いそん。襄州(湖北襄陽)、また南陽(河南南陽)の人という。玄宗の時の進士。著に「張祠部詩集」1巻があり、「楓橋夜泊」の詩が有名。

ちょう‐けんちゅう【張献忠】チヤウ‥🔗🔉

ちょう‐けんちゅう張献忠チヤウ‥ 明末農民反乱の首領。陝西延安の人。1630年反乱に参加、各地を転戦の上、44年四川省に入り、大西国を建てたが、清軍に追いつめられて戦死。(1606〜1646)

ちょうげんばり‐こうぞう【張弦梁構造】チヤウ‥ザウ🔗🔉

ちょうげんばり‐こうぞう張弦梁構造チヤウ‥ザウ 曲げ剛性をもった梁状の部材に、束つか材を介して引張り材をつけた構造。

ちょう‐こう【張衡】チヤウカウ🔗🔉

ちょう‐こう張衡チヤウカウ 後漢の学者。字は平子。河南南陽の人。詩賦をよくし、「両京賦」「帰田賦」は有名。また、天文・暦算に通じ、渾天儀・候風地動儀(一種の地震計)を作り、円周率の近似値を算出。(78〜139)

ちょう‐こくとう【張国燾】チヤウ‥タウ🔗🔉

ちょう‐こくとう張国燾チヤウ‥タウ (Zhang Guodao)中国の政治家。共産党創立者の一人。長征に反対して北上を遅らせ毛沢東と対立、1938年除名。49年香港を経てカナダに亡命。(1897〜1979)

ちょうこほう‐じけん【張鼓峰事件】チヤウ‥🔗🔉

ちょうこほう‐じけん張鼓峰事件チヤウ‥ 1938年7月、中国東北部豆満江とまんこう下流、満・朝・ソ国境の交叉点の張鼓峰付近で、国境問題をめぐって起こった日ソ両軍の衝突事件。日本軍は甚大な損害をうけた。

ちょう‐こんすい【張恨水】チヤウ‥🔗🔉

ちょう‐こんすい張恨水チヤウ‥ (Zhang Henshui)中国の作家。本名、張心遠。多くの大衆小説を発表。恋愛悲劇「啼笑姻縁」は多数映画化。(1895〜1967)

ちょう‐さい【張載】チヤウ‥🔗🔉

ちょう‐さい張載チヤウ‥ 北宋の儒者。字は子厚。陝西横渠おうきょ鎮の人。二程と交わり深く、宋学創始者の一人。気一元論的な太虚の説を立て、天地の性・気質の性の説を創出。著「易説」「正蒙」「張子全書」。(1020〜1077)

ちょう‐さくりん【張作霖】チヤウ‥🔗🔉

ちょう‐さくりん張作霖チヤウ‥ (Zhang Zuolin)中国の軍人・政治家。奉天派軍閥の総帥。字は雨亭。遼寧海城の人。馬賊の出身。東三省を支配下に収め、1927年北京で大元帥。同年国民政府の北伐軍と戦って河南で大敗。28年奉天(今の瀋陽)に入ろうとして関東軍の陰謀による列車爆破で死亡。なお、当時の日本政府は爆殺事件の真相を秘匿するため、満州某重大事件と呼んだ。(1875〜1928) 張作霖 提供:毎日新聞社 奉天駅近くの張作霖爆殺の現場検証 提供:毎日新聞社

ちょうさん‐りし【張三李四】チヤウ‥🔗🔉

ちょうさん‐りし張三李四チヤウ‥ [伝灯録](中国ではありふれた姓である張家の三男と李家の四男の意)身分もなく名の知れない人々。平凡な人物。日本でいう熊公八公の類。

ちょう‐し【張芝】チヤウ‥🔗🔉

ちょう‐し張芝チヤウ‥ 後漢の書家。字は伯英。甘粛酒泉の人。草書を能くし、草聖と称された。

ちょう‐しゅう【張州】チヤウシウ🔗🔉

ちょう‐しゅう張州チヤウシウ 尾張国の別称。「―府志」

ちょう‐しわ【張志和】チヤウ‥🔗🔉

ちょう‐しわ張志和チヤウ‥ 唐代の仙人。水上に蓆むしろを敷き、その上に座して酒を酌むと頭上の空には鶴が舞ったという。画題とされる。また、詞の先駆としての作「漁父(漁家子)」は有名。 ○調子を合わせるちょうしをあわせる ①音の高低・速度など、一つの基準に合わせて調節する。 ②相手にさからわない対応をする。 ⇒ちょう‐し【調子】 ○調子を取るちょうしをとる ①音の高低・強弱・速度やリズムなどを整える。「足で―」 ②物事の動きを、ちょうどよい状態に整える。 ⇒ちょう‐し【調子】

ちりこ‐ぼし【張宿】🔗🔉

ちりこ‐ぼし張宿】 〔天〕二十八宿の一つ。海蛇座うみへびざの東部。張ちょう

はり【張り】🔗🔉

はり張り】 ①はること。ひらきのばすこと。また、その具合。好色五人女3「目の―りんとして」 ②ひっぱる力。つっぱる程度。「弓の―が強い」 ③意気地。いきはり。また、はりあい。宇津保物語藤原君「われを―なしとおぼして」。好色一代男6「京の女郎に江戸の―を持たせ」。「―のある生活」 ④たるみがなく、ひきしまっていること。「―のある声」 ⑤弓・幕・提灯などを数える語。「提灯二―」

ばり【張り】🔗🔉

ばり張り】 〔接尾〕 ①(人数を表す語につけて)弓の強弱を表す語。「二人―の弓」 ②まねること。気取ること。「ピカソ―の絵」

はり‐あい【張合い】‥アヒ🔗🔉

はり‐あい張合い‥アヒ ①なぐりあい。 ②せりあうこと。競争すること。浄瑠璃、堀川波鼓「もうおかしやんせと側からたつて止むるが―になる上戸の癖」 ③力を尽くすかいがあると感ずる気持。「―のある仕事」「―が抜ける」

はり‐あ・う【張り合う】‥アフ🔗🔉

はり‐あ・う張り合う‥アフ 〔自五〕 ①互いになぐりあうなどして争う。平家物語1「打ち合ひ―・ひしけるほどに」 ②互いにきそう。せりあう。競争する。(他動詞的にも使う)傾城禁短気「八雲といふ女郎を、都の奈葉法師と―・ひ」。「ポストをめぐって―・う」

はり‐あ・げる【張り上げる】🔗🔉

はり‐あ・げる張り上げる】 〔他下一〕[文]はりあ・ぐ(下二) 声を強く高く出す。「大声を―・げる」

はり‐おこな・う【張り行ふ】‥オコナフ🔗🔉

はり‐おこな・う張り行ふ‥オコナフ 〔他四〕 押し切ってする。わがもの顔にふるまう。平家物語8「兵衛の佐は東国に、木曾は都に―・ふ」

はり‐か・える【張り替える】‥カヘル🔗🔉

はり‐か・える張り替える‥カヘル 〔他下一〕[文]はりか・ふ(下二) 古いものを除き去り、新しいものを改めて張る。はりなおす。貼り替える。「障子を―・える」

はり‐かた【張形】🔗🔉

はり‐かた張形】 陰茎の形をした淫具。張子。

はり‐かべ【張り壁・貼り壁】🔗🔉

はり‐かべ張り壁・貼り壁】 紙・布の類を張りつけて仕上げた壁。

はり‐がみ【張り紙・貼り紙】🔗🔉

はり‐がみ張り紙・貼り紙】 ①糊ではりつけた紙。 ②紙に命令・注意・宣伝などの事項を記して衆人の目につく所に貼り掲げるもの。壁書。「―厳禁」 ③注意または意見などを記して、書類などにはりつけておく紙。付箋ふせん⇒はりがみ‐ねだん【張紙値段】

はりがみ‐ねだん【張紙値段】🔗🔉

はりがみ‐ねだん張紙値段】 江戸幕府が、蔵米くらまい支給の時に、米と貨幣との換算率を張り紙にして公示したもの。 ⇒はり‐がみ【張り紙・貼り紙】

はりかわ‐ぐら【張革鞍】‥カハ‥🔗🔉

はりかわ‐ぐら張革鞍‥カハ‥ なめしがわを張った鞍。はりぐら。

はり‐ぎぬ【張衣】🔗🔉

はり‐ぎぬ張衣】 板張をしてつやを出し、ぴんとした布で仕立てた衣。古今著聞集16「―のあざやかなるに」

はり‐き・る【張り切る】🔗🔉

はり‐き・る張り切る】 [一]〔自五〕 ①十分に張る。「ぴんと―・った弓のつる」 ②元気がみちみちている。十分に緊張している。意気ごむ。「新生活で―・っている」 [二]〔他五〕 ①ひっぱって切る。 ②過度に張って切り裂く。 [三]〔自下二〕 ⇒はりきれる(下一)

はり‐き・れる【張り切れる】🔗🔉

はり‐き・れる張り切れる】 〔自下一〕[文]はりき・る(下二) 過度に張りふくれて切れる。 ○馬力を掛けるばりきをかける 精出して仕事をする。馬力を出す。 ⇒ば‐りき【馬力】

はり‐ぐら【張鞍】🔗🔉

はり‐ぐら張鞍(→)張革はりかわに同じ。狂言、文蔵「ひやうの皮の―に」

はり‐げだい【貼外題・張外題】🔗🔉

はり‐げだい貼外題・張外題(→)題簽だいせんに同じ。

はり‐こ【張子】🔗🔉

はり‐こ張子】 ①木型に紙を重ね貼り、乾いてから型を抜き取って作ったもの。はりぬき。また、木・竹などを組んだ上に紙や布を貼って作ったもの。「―のおもちゃ」 お化け金太(熊本) 撮影:薗部 澄(JCII蔵) 張子の虎(茨城) 撮影:薗部 澄(JCII蔵) 張子(島根) 撮影:薗部 澄(JCII蔵) 張子(福島) 撮影:薗部 澄(JCII蔵) 張子(香川) 撮影:薗部 澄(JCII蔵) 松川だるま(宮城) 撮影:薗部 澄(JCII蔵) 犬張子 撮影:薗部 澄(JCII蔵) 起上り小法師(千葉) 撮影:薗部 澄(JCII蔵) 起上り小法師(沖縄) 撮影:薗部 澄(JCII蔵) 鯛車(香川) 撮影:薗部 澄(JCII蔵) ②外見だけが立派な人やもの。 ③(→)張形はりかたに同じ。 ⇒はりこ‐がい【張子貝】 ⇒はりこ‐かずら【張子鬘】 ⇒はりこ‐がみ【張子紙】 ⇒はりこ‐にんぎょう【張子人形】 ⇒はりこ‐の‐とら【張子の虎】

はりこ‐がい【張子貝】‥ガヒ🔗🔉

はりこ‐がい張子貝‥ガヒ 張子で貝の形に作り、香などを入れるもの。 ⇒はり‐こ【張子】

はりこ‐かずら【張子鬘】‥カヅラ🔗🔉

はりこ‐かずら張子鬘‥カヅラ 紙を張りかさねて作った略式のかずら。俄にわか狂言や茶番に用い、子供の玩具にもある。 ⇒はり‐こ【張子】

はりこ‐がみ【張子紙】🔗🔉

はりこ‐がみ張子紙】 反故ほごや新聞紙を主原料として溜漉ためずきした粗質の紙。張子細工のほか達磨だるま張りに用いる。達磨紙。 ⇒はり‐こ【張子】

はり‐こく・る【張りこくる】🔗🔉

はり‐こく・る張りこくる】 〔他四〕 思い切りなぐる。

はり‐ごと【張言】🔗🔉

はり‐ごと張言】 互いに意地をはって言う言葉。

はりこ‐にんぎょう【張子人形】‥ギヤウ🔗🔉

はりこ‐にんぎょう張子人形‥ギヤウ 張子でつくった人形。 ⇒はり‐こ【張子】

はりこ‐の‐とら【張子の虎】🔗🔉

はりこ‐の‐とら張子の虎】 張子で虎の形に作り、首が動くようにした玩具。転じて、首をふり動かす癖のある人や虚勢をはる人をあざけっていう語。 張子の虎(宮城) 撮影:薗部 澄(JCII蔵) 張子の虎(島根) 撮影:薗部 澄(JCII蔵) 張子の虎(茨城) 撮影:薗部 澄(JCII蔵) 張子の虎(静岡) 撮影:薗部 澄(JCII蔵) ⇒はり‐こ【張子】

はり‐こみ【張込み】🔗🔉

はり‐こみ張込み】 ①大金を投ずること。また、おごること。ごちそう。浄瑠璃、鎌倉三代記「あの昼飯は藤三が―じやの」 ②やりこめること。悪口。東海道中膝栗毛7「さまざまにいひわけし、又―いつて見ても、いつこうききいれず」 ③見張りのためにある場所に待機すること。 ④紙片や写真をはること。また、そのもの。貼込み。

はり‐こ・む【張り込む】🔗🔉

はり‐こ・む張り込む】 [一]〔他五〕 ①やりこめる。へこます。言いまかす。浮世床2「縫ひ物がひとつ出来ねへ癖に、といつぱいに―・まれて」 ②大金を投ずる。奮発して散財する。おごる。「お祝いを―・む」 ③紙片や写真などを張って固定する。貼り込む。 [二]〔自五〕 ①力を入れる。力をこめる。 ②張り番をする。見張りのためにある場所に待機する。「アジトに―・む」

はり‐ころ・す【張り殺す・撲り殺す】🔗🔉

はり‐ころ・す張り殺す・撲り殺す】 〔他五〕 なぐり殺す。

はり‐さ・ける【張り裂ける】🔗🔉

はり‐さ・ける張り裂ける】 〔自下一〕[文]はりさ・く(下二) ①張りふくれて裂ける。 ②悲嘆・憤怒・苦痛などにたえきれないたとえにいう。「胸が―・ける思い」

はり‐さし【張り差し】🔗🔉

はり‐さし張り差し】 相撲で、立ち上がった途端に相手の顔面を張り、相手がひるむ隙に有利な差し手をすること。 ○針刺すばかりはりさすばかり 針をやっと刺せるほど狭いこと。宇治拾遺物語15「その子孫、世に―の所をしらず」 ⇒はり【針】

はり‐し【張師】🔗🔉

はり‐し張師】 ばくちをうつ人。歌舞伎、韓人漢文手管始「―と見へる」

はり‐たお・す【張り倒す・撲り倒す】‥タフス🔗🔉

はり‐たお・す張り倒す・撲り倒す‥タフス 〔他五〕 平手で打って倒す。なぐりたおす。

はり‐だくみ【張工】🔗🔉

はり‐だくみ張工(→)経師屋きょうじやのこと。

はり‐だし【張出し】🔗🔉

はり‐だし張出し】 ①外側へ出っぱらせること。また、そのもの。特に建築でいう。 ②広く示すための張り紙。張り札。貼出し。 ③相撲で、三役以上の同じ地位に三人以上の力士が並ぶとき、三人目以下を番付の欄外に記すこと。また、その記された力士。「―大関」 ④江戸時代、女の結髪に両鬢びんを張り出すのに用いた鯨鬚くじらひげ製の具。 ⇒はりだし‐まど【張出し窓】

はり‐だ・す【張り出す】🔗🔉

はり‐だ・す張り出す】 〔自他五〕 ①外側へ出っぱる。また、出っぱらせる。「道路に―・した枝」 ②広く示すために、紙や札に記してかかげる。貼り出す。

はり‐だましい【張魂】‥ダマシヒ🔗🔉

はり‐だましい張魂‥ダマシヒ 意地をはって一徹な気質。まけじだましい。

はり‐つ・く【張り付く・貼り付く】🔗🔉

はり‐つ・く張り付く・貼り付く】 [一]〔自五〕 ①はりつけた状態になる。はりつけたようにくっつく。 ②「張付け」2をする。 [二]〔他下二〕 ⇒はりつける(下一)

はり‐つ・ける【張り付ける・貼り付ける】🔗🔉

はり‐つ・ける張り付ける・貼り付ける】 〔他下一〕[文]はりつ・く(下二) ①ひろげて他の物につける。 ②糊などでくっつける。 ③「張付け」2をさせる。「現場に記者を―・ける」 ④磔はりつけにする。

はり‐づな【張綱】🔗🔉

はり‐づな張綱】 ①馬の口につけて左右へ引っ張る綱。 ②張り渡した綱。

はり‐つ・める【張り詰める】🔗🔉

はり‐つ・める張り詰める】 〔自他下一〕[文]はりつ・む(下二) ①一面に残す所なく張る。「氷が―・める」 ②気持を十分に張る。緊張する。二葉亭四迷、平凡「―・めて破裂はちきれさうになつてゐた気がサツと退いて」

はり‐て【張手】🔗🔉

はり‐て張手】 ①物事をはりこんでする人。物事をはでにする人。 ②相撲のわざの一つ。相手の横面を平手で打つこと。

はり‐とば・す【張り飛ばす・撲り飛ばす】🔗🔉

はり‐とば・す張り飛ばす・撲り飛ばす】 〔他五〕 平手でなぐりとばす。二葉亭四迷、其面影「乱暴にも其人を―・し、後で謝罪書を取られるなど」

はり‐ぬ・く【張り抜く】🔗🔉

はり‐ぬ・く張り抜く】 〔他四〕 張抜きに作る。鹿の子餅「美しいきれで―・いた上り兜」

はり‐ばかま【張袴】🔗🔉

はり‐ばかま張袴】 堅く織って生地を張らせた袴。後世形式化して、糊を厚くつけた板引いたびきの袴をいう。

はり‐ばん【張り番】🔗🔉

はり‐ばん張り番】 見張って番をすること。また、その人。見張り番。〈日葡辞書〉。「―に立つ」

はり‐ふだ【貼り札・張り札】🔗🔉

はり‐ふだ貼り札・張り札】 知らせるべき事を記して衆人の目につく所に貼りだす札。「壁に―をする」

はり‐ぶみ【貼り文・張り文】🔗🔉

はり‐ぶみ貼り文・張り文】 禁止・注意・命令などをしるして壁などに貼りかかげるもの。はりがみ。

はり‐ぼて【張りぼて】🔗🔉

はり‐ぼて張りぼて】 張子で作った物。特に、張子で作った芝居の小道具。「―の人形」 ○針ほどの事を棒ほどに言うはりほどのことをぼうほどにいう 小さな物事をおおげさに言う。針小棒大。 ⇒はり【針】

はり‐まわ・す【張り回す】‥マハス🔗🔉

はり‐まわ・す張り回す‥マハス 〔他五〕 ①まわり一面に張る。はりめぐらす。 ②所かまわずなぐる。

はり‐みせ【張店・張見世】🔗🔉

はり‐みせ張店・張見世】 遊郭で、娼妓が店先に居並んで客を待つこと。↔陰店かげみせ

はり‐め【貼り目・張り目】🔗🔉

はり‐め貼り目・張り目】 はり合わせたつぎ目。

はり‐めぐら・す【張り巡らす】🔗🔉

はり‐めぐら・す張り巡らす】 〔他五〕 取り囲むようにまわりに張る。「周囲に鉄条網を―・す」

はり‐や・る【張り破る】🔗🔉

はり‐や・る張り破る】 〔他四〕 強く張ってやぶる。伊勢物語「上のきぬの肩を―・りてけり」

はり‐ゆみ【張弓】🔗🔉

はり‐ゆみ張弓】 ①弦をかけて張った弓。また、その形をしたもの。枕草子143「天に―」 ②弓状に竹を張って仕掛けるわな。好色一代男4「鳴子―取出し近の山かげに狸のかぎりもなくあれける、これを捕えて」

はり‐わた・す【張り渡す】🔗🔉

はり‐わた・す張り渡す】 〔他五〕 二つのものの間に渡して張る。

は・る【張る】🔗🔉

は・る張る】 [一]〔自五〕 いっぱいに押しひろがる意。 ①芽がふくらむ。芽が出る。万葉集14「うらもなく吾が行く路に青柳の―・りて立てればものもひ出つも」 ②ふくれる。はちきれそうになる。また、伸び広がる。今昔物語集19「わが―・らぬ乳をよもすがら吸はすれば」。日葡辞書「ハラガハル」。「根が―・る」 ③一面に満ちふさがる。「氷が―・る」 ④一端から他端へたるみなく延べわたされる。「ぴんと―・った糸」 ⑤(頬骨・肩などが)つき出る。泉鏡花、売色鴨南蛮「頬骨の―・つた菱形の面つらに」 ⑥筋肉がこわばる。「肩が―・る」 ⑦せまくて窮屈に感じる。「洋服の袖が―・る」 ⑧緊張する。「気が―・る」 ⑨強く盛んになる。浮世風呂2「さりながら着類は綺羅が―・りましてネ」。「欲が―・る」 ⑩度を越して多くなる。「値が―・る」「経費が―・る」「荷が―・る」 [二]〔他五〕 ➊事物を力いっぱい押しひろげる。 ①布・網などをぴんとのべひろげる。一面にたるみなくのべわたす。万葉集17「あしひきの彼面此面に鳥網―・り守部をすゑて」。万葉集7「海人小船帆かも―・れると見るまでに鞆の浦廻に浪立てり見ゆ」。「幕を―・る」 ②糸・紐・綱などを一端から他端へたるみなく延ばしわたす。万葉集3「天の原ふりさけ見れば白真弓―・りてかけたり夜路は吉けむ」。源氏物語若菜上「琴の緒もいとゆるに―・りて、いたうくだして調べ」。日葡辞書「ユミヲハル」。「電線を―・りめぐらす」 ③(「貼る」とも書く)ひらたくのばして、糊・釘などで他の物につける。宇津保物語楼上上「楼の天井には鏡形・雲の形を織りたる高麗錦を―・りたり」。大鏡「黄なる紙―・りたる扇をさしかくして」。「切手を―・る」「羽目を―・る」 ④大きく開く。日葡辞書「メヲミハル」「メヲハッテヲドス」 ⑤液体を一面にみたす。「浴槽に水を―・る」 ⑥いっぱいにのばす。ひろげる。天草本伊曾保物語「志を下さず肘を―・つてゐたを何かは堪こらへう」。「胸を―・る」 ⑦ぴしゃりと打つ。なぐる。平家物語4「仲綱め乗れ仲綱め打て―・れ」。日葡辞書「アタマヲハル」。「横っ面つらを―・る」 ⑧将棋で、手持ちの駒を盤面におく。「王の頭に金を―・る」 ➋精一杯つっぱった態度・様子を示す。 ①頑張る。心を奮いおこす。源氏物語真木柱「いとさがなげに睨みて―・りゐたれば」。太平記17「機を―・り、心を専らにして攻め戦ふこと片時もたゆまず」 ②強引に意地を押し通す。日葡辞書「ジャウ(情)ヲハル」。「我を―・る」 ③威勢を示す。強く盛んにする。世間胸算用1「世間を―・つて棟のたかき内には、それほどの風があたつて」。「みえを―・る」「欲を―・る」「声を―・りあげる」 ④緊張させる。世間胸算用3「旦那お出でといはるるまでの外聞に無用の気を―・りける」 ⑤対抗する。「人の向こうを―・る」 ⑥謡曲などで、節を上音にうたい上げる。申楽談儀「『君をいはひて』、『はひて』と―・るべからず」 ⑦(「気を―・る」の形で)気前よく金を与える。はずむ。浮世草子、新色五巻書「大鼓の又三郎にもちとお気を―・られよ」 ➌構え設ける。 ①物を広げるようにして設ける。設備する。配置する。古事記「宇陀のたかきに鴫わな―・る」。平家物語8「平家は陣を五つに―・る」。「キャンプを―・る」「祝宴を―・る」 ②遊女たちが客をひくために店先に並ぶ。誹風柳多留9「がらがらと鳴らせば狆ちんも見世を―・り」 ③勝負事に賭物をする。浄瑠璃、丹波与作待夜の小室節「瀬多の久三が筒の時、百切―・つて見たれば、勝つ程に勝つ程に、一いきに七百」。「相場を―・る」 ④得ようとしてつけねらう。浮世床2「娘を―・りに往つて他家の帳合までしてやつたり」。「犯人を―・る」 ⑤占有した地位をゆるがぬものとする。「横綱を―・る」 ⑥はりぬきにつくる。中空の器を作る。「張子を―・る」 ➍(取引用語)市場で思惑売買を試みる。 ➎(隠語) ①盗んだ着物を着る。 ②強情で容易に白状しない。

[漢]張🔗🔉

 字形  筆順 〔弓部8画/11画/教育/3605・4425〕 〔音〕チョウ〈チャウ〉(呉)(漢) 〔訓〕る [意味] ①はる。ぴんと伸びる。外に広がり出る。大きく広げる。「張力・緊張・伸張・拡張・主張・誇張」 ②琴・弓・幕などを数える語。はり。「かや一張」 [解字] 形声。「弓」+音符「長」(=長くのばす)。弓に弦を長く伸ばしてはる意。 [下ツキ 一張一弛・一張羅・拡張・緊張・抗張力・誇張・骨張・弛張・主張・出張・伸張・怒張・膨張

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