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しんし‐ばり【張・伸子張】🔗🔉

しんし‐ばり【張・伸子張】 (しんし)を使って布をぴんと張ること。和服地の洗い張りの仕上げや、織物の幅出し仕上げなどに用いる。しいしばり。

ちょう【張】(チャウ)🔗🔉

ちょう【張】(チャウ) きばること。見えをはること。*浄・桂川連理柵‐下「朝から芸子やおやまぐるひもあんまり張(チャウ)でござらふ」 二十八宿の一つ。南方に位するもの。海蛇(うみへび)座のミュー星付近の星宿。中国の星座、朱鳥(しゅちょう)の張っている翼の部分にあたる。張宿。ちりこぼし。 〔接尾〕 1 弓・琴など、弦を張ったものを数えるのに用いる。 2 幕・蚊帳(かや)など張りめぐらすものを数えるのに用いる。 3 紙や皮などを数えるのに用いる。

ちょう‐か【張果】(チャウクヮ)🔗🔉

ちょう‐か【張果】(チャウクヮ) 中国、唐代の道士。八仙の一人とされ、張果老ともいう。恒州中条山に隠居し、尭(ぎょう)の時に生まれたと称し、白驢に乗って一日に数万里を行き、休息する時は驢をたたんで腰の瓢に納め、乗る時はその水を噴くと、忽ち驢が現れたという。白驢に乗っているところが画題とされる。

ちょう‐かく【張角】(チャウ‥)🔗🔉

ちょう‐かく【張角】(チャウ‥) 中国、後漢末期の道士。のちに道教の一源流とされる太平道を唱えて、数十万の信徒をもつ宗教結社を形成。のち政府の弾圧に伴い、一八四年に漢朝転覆を図って黄巾の乱を起こしたが、その年に病死した。(〜一八四)

ちょう‐がくりょう【張学良】(チャウガクリャウ)🔗🔉

ちょう‐がくりょう【張学良】(チャウガクリャウ) 中華民国の軍人。父張作霖(ちょうさくりん)の爆死後、中国東北の実権を握った。満州事変後、華北に地盤を移したが、中国東北失陥の責めを負って下野外遊。帰国後、蒋介石の内戦政策に反発、一致抗日を訴えるため一九三六年西安事件を起こし、第二次国共合作の契機を作った。(一八九八〜)

ちょうかこう【張家口】(チャウカコウ)🔗🔉

ちょうかこう【張家口】(チャウカコウ) 中国河北省北西部にある都市。万里の長城に沿う。

ちょう‐ぎ【張儀】(チャウ‥)🔗🔉

ちょう‐ぎ【張儀】(チャウ‥) 中国、戦国時代の縦横家。蘇秦とともに鬼谷子に学ぶ。秦の恵文王のため、連衡の策をたてて六国に遊説、蘇秦が説いた対秦同盟である六国の合従(がっしょう)を崩した。(〜前三一〇)

ちょう‐きゅうれい【張九齢】(チャウキウレイ)🔗🔉

ちょう‐きゅうれい【張九齢】(チャウキウレイ) 中国、唐の政治家、詩人。字は子寿。曲江の人で、曲江公ともいう。玄宗に重用され中書令に至ったが、李林甫に憎まれ、失脚。詩人としてもすぐれ、陳子昂(ちんすごう)の流れをくみ、詩の復興に尽力した。「感遇」一二首は有名。文集に「曲江集」がある。(六七三〜七四〇)

ちょう‐ぎょう【張行】(チャウギャウ)🔗🔉

ちょう‐ぎょう【張行】(チャウギャウ) 1 物事を強引に行うこと。強行。また、強く主張すること。*高野本平家‐一「国務ををこなふ間、非法非例を張行(チャウギャウ)し」 2 催しを行うこと。興行すること。*連理秘抄「一座を張行せんと思はば」

ちょう‐きょく【張旭】(チャウ‥)🔗🔉

ちょう‐きょく【張旭】(チャウ‥) 中国、唐の玄宗の頃の書家。字は伯高。草書にすぐれた。酒を好み、奇行が多かったので張顛と称された。王羲之以来の伝統書風に革新を加え、後の懐素などに影響を与えた。「郎官右記」は有名。生没年不詳。

ちょう‐くん【張勲】(チャウ‥)🔗🔉

ちょう‐くん【張勲】(チャウ‥) 中国、北洋軍閥の軍人。江西省の人。字は少軒。袁世凱に重用され、辛亥革命・第二革命には南京で革命軍と戦う。一九一七年、康有為らと清朝再興を謀ったが、段祺瑞らの攻撃を受けて失敗。(一八五四〜一九二三)

ちょう‐けい【張継】(チャウ‥)🔗🔉

ちょう‐けい【張継】(チャウ‥) 中国、唐の詩人。字は懿孫(いそん)。その詩「楓橋夜泊」は古来愛唱されている。生没年不詳。

ちょう‐こう【張衡】(チャウカウ)🔗🔉

ちょう‐こう【張衡】(チャウカウ) 中国、後漢の文人、科学者。安帝に招かれ太史令となり、一種の天球儀である「渾天儀」や地震計のような「侯風地動儀」などを作った。また賦文も巧みで「二京賦」「帰田賦」がある。(七八〜一三九)

ちょうこほう‐じけん【張鼓峰事件】(チャウコホウ‥)🔗🔉

ちょうこほう‐じけん【張鼓峰事件】(チャウコホウ‥) 昭和一三年七月から翌月にかけて朝鮮北部の国境線の不明確な地点にある張鼓峰で起こった、満州国とソ連の国境紛争をめぐる日ソ両軍の武力衝突事件。

ちょう‐さい【張載】(チャウ‥)🔗🔉

ちょう‐さい【張載】(チャウ‥) 中国、北宋の儒者。字は子厚。横渠先生と称す。儒・老の思想を調和させて、宇宙の一元的解釈を説き、二程・朱子の学説に影響を与えた。著に「易説」など。(一〇二〇〜七七)

ちょう‐さくりん【張作霖】(チャウ‥)🔗🔉

ちょう‐さくりん【張作霖】(チャウ‥) 中華民国の軍人。東北(満州)から出て奉天軍閥を興し、東三省の実権を掌握。数次の内戦の後、北京に進出。各軍閥を糾合して安国軍を組織し、北伐軍に対抗したが、敗退、途中奉天郊外で関東軍による列車爆破により死亡。(一八七三〜一九二八)

ちょうさん‐りし【張三李四】(チャウサン‥)🔗🔉

ちょうさん‐りし【張三李四】(チャウサン‥) (中国に多い姓である張氏・李氏の三男四男の意)その辺にいくらでもいるありふれた人。身分もなく名もない人々。平凡な人。熊公・八公の類。

ちょう‐し【張弛】(チャウ‥)🔗🔉

ちょう‐し【張弛】(チャウ‥) はることとゆるむこと。また、盛んになることと衰えること。弛張(しちょう)。

ちょう‐し【張芝】(チャウ‥)🔗🔉

ちょう‐し【張芝】(チャウ‥) 中国後漢の書家。字は伯英。甘粛省敦煌酒泉の人。杜度・崔に書法を学び草書にすぐれ、草聖と称された。生没年不詳。

ちょう‐しどう【張之洞】(チャウ‥)🔗🔉

ちょう‐しどう【張之洞】(チャウ‥) 中国、清末の政治家、学者。字は孝達。両広総督、湖広総督を歴任。地方に絶大な勢力を持ち、のち、中央政府で活躍。排外思想の持主で対露問題、日本の台湾・琉球統治などに強硬な態度をとったが、一方、開明的でもあり、富国強兵に力をつくした。(一八三七〜一九〇九)

ちょう‐しゅう【張州】(チャウシウ)🔗🔉

ちょう‐しゅう【張州】(チャウシウ) 尾張国の別称。

ちょう‐しわ【張志和】(チャウ‥)🔗🔉

ちょう‐しわ【張志和】(チャウ‥) 中国、唐代の道士。浙江省金華の人。字は子同。粛宗に仕えたが、退官して煙波釣徒と称して釣りを楽しんだ。水上に筵を敷いて座し、酒を飲み、詩を詠じ、また、鶴に乗って昇天したといわれる。画題とされる。

ちょう‐そうよう【張僧】(チャウソウエウ)🔗🔉

ちょう‐そうよう【張僧】(チャウソウエウ) 中国南朝梁の宮廷画家。武帝に仕えて、仏教画を得意とし、寺院に多くの壁画を描いた。顧之(こがいし)・陸探微とともに六朝三大家の一人。西域画法を取り入れ、陰影、色のぼかしによって立体感を表し、その描く花は凹凸花と呼ばれた。生没年不詳。

ちょう‐だい【張大】(チャウ‥)🔗🔉

ちょう‐だい【張大】(チャウ‥) (形動)張って大きくすること。また、おおぎょうにするさま。

ちょう‐どうりょう【張道陵】(チャウダウリョウ)🔗🔉

ちょう‐どうりょう【張道陵】(チャウダウリョウ) 中国、後漢の道士。天師道(五斗米道)の祖。本名は陵。蜀の鵠鳴山にはいって天人から道を授かり、それによって治病し、農民から信奉されたという。生没年不詳。

ちりこ‐ぼし【張星】🔗🔉

ちりこ‐ぼし【張星】 二十八宿の一つ、張(ちょう)の和名。海蛇座(うみへびざ)のミュー星付近の星宿。

はらろ【張らろ】🔗🔉

はらろ【張らろ】 〔連語〕(動詞「はる(張)」に、完了の助動詞「り」の連体形の付いた「張れる」にあたる上代東国方言)ふくらんでいる。芽をふいている。*万葉‐三五四六「青柳の波良路(ハラロ)川門(かはと)に」

はり【張】🔗🔉

はり【張】 1 たるみなく、開いたり、のびたり、ふくらんだりすること。また、その具合。*浮・好色五人女‐三「目のはりりんとして」 2 博打(ばくち)で、物や金銭などを賭(か)けること。また、その賭け具合。 3 引いたり、踏みこたえたりする力。「張りの強い弓」 4 肉付き、声、気持などが引き締まっていること。「張りのある声」 5 特に、義太夫・謡曲などで上音にうたう節。 6 物事を行おうとする意欲。物事をするかい。張合い。「生活にはりを持たせる」 7 自分の意志や意見をどこまでも通そうとする強い精神。いきじ。いきはり。いじ。*評判・難波物語「はり少くて、いきも足らず」 8 色恋の相手としてつけねらうこと。 〔接尾〕 1 弦をはった弓・琴などの類を数えるのに用いる。 2 張って作ったもの、張りめぐらして用いるもの、すなわち、ちょうちん・幕・蚊帳などを数えるのに用いる。「かや三はり」

ばり【張】🔗🔉

ばり【張】 〔接尾〕 1 人数をあらわす数詞について、弓の強さをあらわす。その人数をもってつるを張るような強さの弓の意。「五人張の弓」 2 名詞や人の名の下に付けて、それに似ていること、その流儀を真似ていることをあらわす。「団十郎ばりの美男」

はり‐あい【張合】(‥あひ)🔗🔉

はり‐あい【張合】(‥あひ) 1 張り合うこと。意地を出し合うこと。せりあい。競争。 2 努力しようとする気持に対して、てごたえがあること。かいがあること。「張合いがある」 3 その時のはずみ。

はりあい‐ぬけ【張合抜】(はりあひ‥)🔗🔉

はりあい‐ぬけ【張合抜】(はりあひ‥) 張り合う気持が抜けること。気の抜けること。がっかりすること。

はり‐あ・う【張り合う】(‥あふ)🔗🔉

はり‐あ・う【張り合う】(‥あふ) 〔自ワ五(ハ四)〕 1 互いに負けないよう競争し合う。対抗する。*曾我物語‐一「まけじ、おとらじと、手をはなちて、はりあひける」 2 好きな異性に対して恋を争う。*俗曲・妹背山縁苧環「お姫様と張りあふとは」 3 (撲合)なぐり合う。〔日葡辞書〕

はり‐あ・げる【張り上げる】🔗🔉

はり‐あ・げる【張り上げる】 〔他ガ下一〕はりあ・ぐ〔他ガ下二〕 1 いちだんと高く張る。高い所に張る。「帆を張り上げる」 2 声を強く高く出す。大きな声を出す。*浮・世間胸算用‐四「投げ節を、息の根つづくほどはりあげて」

はり‐いた【張板】🔗🔉

はり‐いた【張板】 洗って糊(のり)をつけた布や、すいた紙などを張ってかわかす厚い板。

はり‐おうぎ【張扇・貼扇】(‥あふぎ)🔗🔉

はり‐おうぎ【張扇・貼扇】(‥あふぎ) 1 骨に紙を張った扇。現在ふつうに用いられているもの。 2 能楽の稽古などで、大・小の鼓などの打楽器の代わりに木製の盤などを打って拍子をとるのに用いる特殊な扇。紙を張り合わせたり、皮などで包んだりする。 3 外側を紙で張り包んだ扇。講談師などが、机をたたいて調子を取るのに用いる。

はり‐おこな・う【張り行う】(‥おこなふ)🔗🔉

はり‐おこな・う【張り行う】(‥おこなふ) 〔他ハ四〕押し切って物事を行う。強引にする。また、勢力をほしいままにする。*平家‐八「木曾は宮こにはりおこなふ」

はり‐かえ【張替・貼替】(‥かへ)🔗🔉

はり‐かえ【張替・貼替】(‥かへ) (「はりがえ」とも) 1 はりかえること。古いものを張り直すこと。「障子の張替え」 2 衣服をほどいて、洗い張りすること。また、その衣服。 3 弦をかけかえて使うための予備の弓。かえ弓。「張替えの弓」

はり‐か・える【張り替える・貼り替える】(‥かへる)🔗🔉

はり‐か・える【張り替える・貼り替える】(‥かへる) 〔他ア下一(ハ下一)〕はりか・ふ〔他ハ下二〕古いものを取り去って、代わりに新しいものを張る。張り直す。「襖を張り替える」

はり‐かた【張形・張型】🔗🔉

はり‐かた【張形・張型】 陰茎の形につくったもの。淫具に用いる。

はり‐がみ【張紙・貼紙】🔗🔉

はり‐がみ【張紙・貼紙】 1 糊で貼りつけた紙。 2 告知、広告、宣伝などの目的で、多くの人に示すために貼って掲げる紙。張文。 3 使用するための注意や、内容の説明、また、様式、商標などを書いて物品に貼る紙。ラベル。 4 注記や意見などを書いて書類に貼る紙。付箋。

はりがみ‐ねだん【張紙値段・貼紙値段】🔗🔉

はりがみ‐ねだん【張紙値段・貼紙値段】 江戸時代、幕府・諸藩が家臣に支給する禄米を金で渡す場合の公定値段。年三回城内に張紙をもって公示され、金納年貢の基準となり、市中物価の標準ともなった。

はりかわ‐ぐら【張革鞍】(はりかは‥)🔗🔉

はりかわ‐ぐら【張革鞍】(はりかは‥) 鞍橋(くらぼね)全体を革で張り包んだもの。はりぐら。

はり‐ぎぬ【張衣】🔗🔉

はり‐ぎぬ【張衣】 糊張りのこわい仕立ての衣服。

はり‐き・る【張り切る】🔗🔉

はり‐き・る【張り切る】 〔自ラ五(四)〕 1 ぴんと張る。十分に張る。「張り切った健康な肌」 2 元気がみなぎりあふれる。大いに意気ごむ。*伎・霊験曾我籬‐六幕「今日行きたいと張り切ってゐらるる」 3 緊張する。「張り切った気がゆるむ」 〔自ラ下二〕⇒はりきれる(張切) 〔他ラ五(四)〕強く張って切り裂く。引っぱって切る。*和泉式部集‐上「うへのきぬをはりきりて」

はり‐き・れる【張り切れる】🔗🔉

はり‐き・れる【張り切れる】 〔自ラ下一〕はりき・る〔自ラ下二〕 1 過度に張りふくれて切れる。 2 引っぱりすぎて切れる。

はり‐くだ・く【張り砕く】🔗🔉

はり‐くだ・く【張り砕く】 〔他カ四〕なぐって砕く。打ち砕く。*浄・孕常盤‐一「しゃ頭微塵にはりくだかんと」

はり‐ぐら【張鞍】🔗🔉

はり‐ぐら【張鞍】 =はりかわぐら(張革鞍)

はり‐こ【張子・張籠】🔗🔉

はり‐こ【張子・張籠】 1 木型に紙を重ね張って作り、乾いてから型を抜き取ったもの。また、竹や木組の上に紙を張り重ねて作ったもの。はりぬき。 2 男女が髪を調える際に髷の下地に用いる小物。 3 形ばかりで弱いもの、虚勢を張るものをののしっていう語。 4 張形。 ●張り子の虎(とら) 張子で虎の形を作って首が動くようにした玩具。転じて、首をふり動かす癖のある人や、虚勢を張る人をあざけっていう語。

●張り子の虎(とら)🔗🔉

●張り子の虎(とら) 張子で虎の形を作って首が動くようにした玩具。転じて、首をふり動かす癖のある人や、虚勢を張る人をあざけっていう語。 はり‐こうたく【玻璃光沢】(‥クヮウタク) ガラスに似た光沢。水晶、ざくろ石などに見られる。

はりこ‐がい【張子貝】(‥がひ)🔗🔉

はりこ‐がい【張子貝】(‥がひ) 張子で貝の形に作ったもの。香などを入れるのに用いる。

はりこ‐かつら【張子鬘】🔗🔉

はりこ‐かつら【張子鬘】 (「はりこかづら」とも)紙を張り重ねて作った略式のかつら。俄(にわか)狂言や茶番に用い、子どもの玩具にもある。

はり‐こく・る【張りこくる】🔗🔉

はり‐こく・る【張りこくる】 〔他ラ四〕(「こくる」は接尾語)思いきりなぐる。はりとばす。なぐりとばす。*伎・色競かしく紅翅‐二「張(ハリ)こくるぞよ」

はり‐ごと【張言】🔗🔉

はり‐ごと【張言】 意地を張り合っていう言葉。

はり‐こみ【張込】🔗🔉

はり‐こみ【張込】 1 (「貼込」とも)はりつけること。切りぬきなどをはること。また、そのもの。 2 奮発すること。大金を投ずること。 3 やりこめること。言い負かすこと。また、その文句。 4 見張ること。張り番をすること。特に警官が犯人の立回り先などに待機すること。

はり‐こ・む【張り込む】🔗🔉

はり‐こ・む【張り込む】 〔他マ下二〕 1 水などを順順にはっていっぱいにする。いっぱいに満たす。*拾遺‐三九五「池をはりこめたる水のおほかれば」 2 網などを広げて中に入れこめる。*班子女王歌合「春霞あみにはりこめ花散らば移ろひぬべし鶯とめよ」 〔他マ五(四)〕 1 いっぱいに入れる。水などを入れていっぱいにする。 2 (「貼込」とも)中にはって固定する。はりつける。 3 力を入れる。精出して努力する。意気ごんでする。*人情穴探意の裡外‐三「何ぼう仕事を張込んでも」 4 (自動詞的にも用いる)奮発して買う。おおいに散財する。奮発して大金を投ずる。おごる。*雑俳・折句大全「金弐両はり込む」 5 理屈を言って屈伏させる。文句を言ってねじこむ。やりこめる。*洒・浪花色八卦「客にもはりこむ事きびしく」 6 一定の場所に待機して見張番をする。見張る。「刑事が張り込んでいる」

はり‐ころ・す【張り殺す】🔗🔉

はり‐ころ・す【張り殺す】 〔他サ五(四)〕張って殺す。なぐり殺す。たたき殺す。「騒ぐと張り殺すぞ」

はり‐さ・く【張り裂く】🔗🔉

はり‐さ・く【張り裂く】 〔自カ四〕=はりさける(張裂)*日葡辞書「アタマガ farisacuyni(ハリサクヤウニ) イタイ」 〔自カ下二〕⇒はりさける(張裂)

はり‐さ・ける【張り裂ける】🔗🔉

はり‐さ・ける【張り裂ける】 〔自カ下一〕はりさ・く〔自カ下二〕 1 張りふくれて裂ける。ふくらみ過ぎて破れる。 2 悲しみ、憤り、苦痛などで胸が裂けるようである。また、そうした感情から大声が出る。*洒・青楼昼之世界錦之裏「くやしくってはりさけいす」

はり‐し【張師】🔗🔉

はり‐し【張師】 博打(ばくち)を打つ人。博打打ち。

はり‐そ【張訴】🔗🔉

はり‐そ【張訴】 江戸時代、老中の邸宅や役所の門前などに、密かに訴状を張りつけたこと。また、その訴状。

はり‐だいこ【張太鼓】🔗🔉

はり‐だいこ【張太鼓】 皮を張った太鼓。

はり‐たお・す【張り倒す】(‥たふす)🔗🔉

はり‐たお・す【張り倒す】(‥たふす) 〔他サ五(四)〕なぐって倒す。なぐりたおす。また、力いっぱいなぐる。*滑・浮世床‐初「天窓を張倒(ハリタヲ)したり」

はり‐だくみ【張工】🔗🔉

はり‐だくみ【張工】 経師屋(きょうじや)のこと。

はり‐だこ【張蛸】🔗🔉

はり‐だこ【張蛸】 張り広げて、干した蛸。

はり‐だし【張出】🔗🔉

はり‐だし【張出】 1 外へ出っぱらせること。また、そのもの。特に、建築ですでにある建物から外へ突き出して建て増しした部分。「張出しの座敷」 2 広く示すために人目につく所へはること。また、そのもの。はりがみ。はりふだ。 3 相撲で、番付の欄外に記すこと。また、そこに記された力士。「張出大関」 4 江戸時代、女の結髪に、両鬢(びん)をふくらませ張り出すために、その中へ入れるもの。鯨のひげなどで弓のような形に作る。

はりだし‐まど【張出窓】🔗🔉

はりだし‐まど【張出窓】 外へ突き出して作った窓。

はり‐だ・す【張り出す】🔗🔉

はり‐だ・す【張り出す】 〔自サ五(四)〕外へ出っぱる。突き出る。張り出る。 〔他サ五(四)〕 1 外へ出っぱらせる。外へひろげ出す。 2 広く示すために、紙や札に書いたものを人目にふれる所に掲げる。「成績を張り出す」

はり‐だ・つ【張り立つ】🔗🔉

はり‐だ・つ【張り立つ】 〔他タ下二〕張って立てる。ひろげて立てる。*古事記‐下・歌謡「さ小峰には幡(はた)波理陀弖(ハリダテ)」

はり‐たましい【張魂】(‥たましひ)🔗🔉

はり‐たましい【張魂】(‥たましひ) (「はりだましい」とも)意地を張って一徹な気質。他に屈しない意志。*源平盛衰記‐三四「木曾は張魂(ハリタマシヒ)の男にて」

はり‐つ・く【張り付く・貼り付く】🔗🔉

はり‐つ・く【張り付く・貼り付く】 〔自カ五(四)〕はりつけた状態になる。あるものにぴったりと付着する。ねばりつく。粘着する。「ぬれた額に髪がはりつく」 〔他カ下二〕⇒はりつける(張付)

はり‐つ・ける【張り付ける・貼り付ける】🔗🔉

はり‐つ・ける【張り付ける・貼り付ける】 〔他カ下一〕はりつ・く〔他カ下二〕 1 布や紙などをひろげてくっつける。*仮・竹斎‐下「戸板にひたとはりつけ」 2 罪人を磔にする。*今昔‐二九・九「張付て射殺してけり」 3 なぐりつける。たたきつける。「顔をはりつける」

はり‐づな【張綱】🔗🔉

はり‐づな【張綱】 1 張り渡した綱。 2 馬の口につけ左右へ引っぱる綱。はづな。

はり‐つ・める【張り詰める】🔗🔉

はり‐つ・める【張り詰める】 〔他マ下一〕はりつ・む〔他マ下二〕 1 一面に残す所なくおおう。いっぱいに張る。自動詞的にも用いる。*日葡辞書「コヲリガ faritumete(ハリツメテ) アル」 2 気を十分に張る。気持を引き締める。緊張する。「はりつめていた気持がゆるむ」*浄・最明寺殿百人上‐道行「梓弓、やたけ心ははりつめて」 3 じゅうぶんにゆるみなく引き渡す。*日葡辞書「ユミヲ faritumete(ハリツメテ) ヲク」

はり‐て【張手】🔗🔉

はり‐て【張手】 1 襖、障子などを張る人。経師屋。 2 物事を張りこんでする人。物事をはでにする人。交際の広い、はでな人。 3 張り合う人。対抗する人。 4 洗張りや染色のとき、布の両端を押えて引き伸ばす道具。蝶番のついた二本の角材の内側に歯のように小さい釘が打ってあり、上下からかみつくようになっている。 5 相撲で、相手の顔または首の側面を平手で張ること。

はり‐とお・す【張り通す】(‥とほす)🔗🔉

はり‐とお・す【張り通す】(‥とほす) 〔他サ五(四)〕(主張、意志、意地などを)最後までつらぬく。

はり‐どの【張殿】🔗🔉

はり‐どの【張殿】 衣服を打ち、板引、(しんし)張りなどをする家。また、それを業とする人。

はり‐とば・す【張り飛ばす】🔗🔉

はり‐とば・す【張り飛ばす】 〔他サ五(四)〕平手でなぐりとばす。はげしくなぐる。*談・根無草‐後「つきのけはりとばし」

はり‐ぬき【張抜】🔗🔉

はり‐ぬき【張抜】 =はりこ(張子)

はりぬき‐づつ【張抜筒】🔗🔉

はりぬき‐づつ【張抜筒】 張子の筒。

はりぬき‐にんぎょう【張抜人形】(‥ニンギャウ)🔗🔉

はりぬき‐にんぎょう【張抜人形】(‥ニンギャウ) 張子で作った人形。また、体裁だけで中身の伴わない人のたとえ。

はり‐ぬ・く【張り抜く】🔗🔉

はり‐ぬ・く【張り抜く】 〔他カ四〕 1 張抜きに作る。*咄・鹿の子餅‐上り兜「美しいきれではりぬいた上り兜」 2 中身のない張子同様に扱う。*談・艶道通鑑‐一「主を空形(ハリヌク)手代もなく」

はり‐ばかま【張袴】🔗🔉

はり‐ばかま【張袴】 堅く織った地質で仕立てて張らせた袴。時代がくだるとともに糊を使用し、後世は、板引きにした袴。

はり‐ばん【張番】🔗🔉

はり‐ばん【張番】 見はって番をすること。見張番。

はり‐ばん【張盤】🔗🔉

はり‐ばん【張盤】 太鼓、大・小鼓のかわりに張扇を打って拍子をとるための木製の盤。能・長唄の稽古の際などに用いる。拍子盤。

はり‐ひとえ【張単】(‥ひとへ)🔗🔉

はり‐ひとえ【張単】(‥ひとへ) 板引きにしてこわく張った単衣(ひとえ)。

はり‐ふだ【張札・貼札】🔗🔉

はり‐ふだ【張札・貼札】 通行人の目にふれるように、紙や板に知らせるべき事柄を書いてはり出すもの。

はり‐ぼうじょう【張ぼうじょう】🔗🔉

はり‐ぼうじょう【張ぼうじょう】 (「ぼうじょう」の語源・歴史的かなづかい未詳、「日葡辞書」によれば「ぼうじゃう」)古着を仕立て直すこと。また、その衣服。*浄・今川本領猫魔館‐二「所まだらに色さめし、はりぼうじゃうの肌着には」

はり‐ぼて【張ぼて】🔗🔉

はり‐ぼて【張ぼて】 竹籠などに紙をはったもの。張子。ぼて。

はり‐ま・げる【張り曲げる】🔗🔉

はり‐ま・げる【張り曲げる】 〔他ガ下一〕顔がまがるほど強くなぐる。

はり‐まぜ【張交】🔗🔉

はり‐まぜ【張交】 いろいろの書画などを交ぜ合わせて張ること。また、その張りつけた屏風、襖、箱など。

はり‐まわ・す【張り回す】(‥まはす)🔗🔉

はり‐まわ・す【張り回す】(‥まはす) 〔他サ五(四)〕 1 一面に張りめぐらす。「座敷に幕を張り回す」 2 所きらわずなぐる。*狂言記・文相撲「はってはり廻す」

はり‐みせ【張見世・張店】🔗🔉

はり‐みせ【張見世・張店】 遊郭で遊女が客を招くために、格子をめぐらした店先にならんで客を待つこと。また、その店先。⇔陰見世

はり‐めぐら・す【張り巡らす】🔗🔉

はり‐めぐら・す【張り巡らす】 〔他サ五(四)〕幕などをまわり一面に張る。はりまわす。「綱を張り巡らす」

はり‐や・る【張り破る】🔗🔉

はり‐や・る【張り破る】 〔他ラ四〕強く張って破る。張りのばしすぎて破る。*伊勢‐四一「うへのきぬのかたをはりやりてけり」 〔自ラ下二〕強く張って破れる。張り裂ける。*仮・よだれかけ‐一「ばん袋にはりやるるばかりのたくはへも」

はり‐ゆみ【張弓】🔗🔉

はり‐ゆみ【張弓】 1 弦をかけて張った弓。また、その形をしたもの。 2 弓のように竹を張って野獣をとるわな。

はり‐わた・す【張り渡す】🔗🔉

はり‐わた・す【張り渡す】 〔他サ五(四)〕一方から他方に引き張る。「綱を張り渡す」

は・る【張る・貼る】🔗🔉

は・る【張る・貼る】 〔他ラ五(四)〕 たるみのないように引きのばし広げる。 1 布、網などを、たるみのないようにのばし広げる。*万葉‐四〇一一「鳥網(となみ)波里(ハリ)」 2 (貼)平らな薄いものをとり付ける。また、そのようにして作る。「羽目をはる」*蜻蛉‐下「あまがははりたる車」 3 糸、紐、綱などを、一方からもう一方へ延ばして渡す。*万葉‐二八九「白真弓張(はり)て懸けたり」 4 肘、肩、胸などをぐっと延ばしたり広げたりする。*天草本伊曾保「ヒヂヲfatte(ハッテ)」 5 大きく開く。*日葡辞書「メヲ fatte(ハッテ) ミル」 6 液体を一面に満たす。「桶に水を張る」 設備する。また、ある位置をとって構える。 1 広げるように作り設ける。「宴を張る」*古事記‐中・歌謡「鴫羂(しぎわな)波留(ハル)」 2 (将棋の駒を)ある場所に打つ。*咄・鹿の巻筆‐一「敵よりとりたる駒をはる事」 3 博打(ばくち)で、金銭などを賭(か)ける。また、ある箇所、ある物に賭ける。*浄・本朝二十四孝‐二「胴取りゃくさる。張ればかかれる」 4 何をするかと見守る。また、捕えようとして、来そうな所を見張る。特に、色恋の相手としてねらう。*源氏‐真木柱「いとさがなげににらみてはり居たれば」 5 娼妓が客をひくために店先に並ぶ。 6 ある地位にしっかりと身を置く。「横綱を張る」 声や気持などをゆるみのないようにする。 1 (多く「ハル」と書く)謡曲、義太夫などで、声を強く出す。節を、上音にうたいあげる。*申楽談儀「『君をいはひて』『はひて』と張るべからず」 2 威勢などを見せる。盛んであるようなさまを人に示す。「みえを張る」*浮・世間胸算用‐一「世間をはって棟のたかき内には」 3 自分の意見や気持を押し通す。主張する。「意地を張る」*日葡辞書「ジャウヲ faru(ハル)」 4 気持をゆるみなく保つ。緊張させる。*浮・世間胸算用‐三「外聞に無用の気をはりける」 5 心を奮い起こす。*浄・当流小栗判官‐一「いで物見せんと心をはり」 6 (「気を張る」の形で)費用を出すことに気前よくする。きばる。*浮・傾城禁短気‐六「気をはって段々御馳走申ければ」 7 (頭や顔を)たたく。なぐる。特に、平手で横ざまに打つ。*平家‐四「仲綱め打て、はれなんどの給ひ」 8 取引市場で、思惑売買をする。 〔自ラ五(四)〕 1 はちきれそうにふくらむ。芽、腹、乳などがふくらむ。*万葉‐三四四三「わが行く道に青柳の波里(ハリ)て立てれば」 2 筋肉が、固くなったりはれたりする。*伎・浮世柄比翼稲妻‐三幕「いかう肩が張って参った」 3 たるみなくひき渡される。「糸が張る」 4 つき出てかどができる。かくばる。「顎骨が張る」 5 一面におおうように広がる。また、長くのびひろがる。「根が張る」 6 強く盛んになる。目立って現われる。「欲が張る」*洒・志羅川夜船「昔はおれもはった者よ」 7 気持が引き締まる。*浄・国性爺合戦‐唐船「気がはってねられはせぬ」 8 他に負けまいとして対抗する。競争する。張り合う。*評判・難波物語「銭なければ、はるべき手だてもなく」 9 ふつう以上に数量や度合が大きくなる。「値が張る」*滑・八笑人‐三「ちと荷が張(ハリ)ましたゆゑ」

ば・る【張る】🔗🔉

ば・る【張る】 〔接尾〕(四段型活用。動詞「は(張)る」の接尾語化)体言に付いて、動詞をつくる。ふつうの状態とは違って、その事が一段と顕著なさまである、その事を強く押し広げようとする様子をする、などの意を表す。「かさばる」「気ばる」「四角ばる」「欲ばる」「格式ばる」「武(ぶ)ばる」など。

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