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〔格助〕(体言または体言に準ずるものを受けて「より」と同様に用いられる上代語) 1 動作・作用の起点を示す。時間的な場合と空間的な場合とがある。*書紀‐景行一七年三月・歌謡「はしきよし我家の方由(ユ)雲居立ち来(く)も」 2 動作の行われる場所・経由地を示す。時間的・空間的・抽象的な用法がある。*書紀‐神武即位前・歌謡「伊那佐の山の木の間由(ユ)もいゆきまもらひ」 3 動作の手段を示す。*万葉‐三三九六「小筑波のしげき木の間よ立つ鳥の目由(ユ)か汝(な)を見むさ寝ざらなくに」 4 比較の基準を示す。*万葉‐二四三八「海従(ゆ)まさりて深くしそ思ふ」 [補注]「書紀‐歌謡」と「万葉集」に用例が見られるのみである。語源に関しては格助詞「ゆり」を参照。

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〔助動〕(活用は「え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・○」。四段・ラ変動詞の未然形に付く)自発・受身・可能の助動詞。中古の「る」に当たる。 1 自発。ある動作が自然に行われること、無意識的にある行為をしてしまうことを表す。*万葉‐三七三二「ぬば玉の夜はすがらにねのみし泣か由(ユ)」 2 受身。他から動作を受ける意を表す。動作の受け手(「ゆ」が付いた動詞に対する主語)は、人間・動物など有情のものであるのがふつうで、また、その動作を受けることによって、被害や迷惑、または恩恵などを受ける意味をも含むことが多い。動作の行い手は、「…に」の形で表現される例が多い。*万葉‐八〇四「か行けば人に厭(いと)は延(エ)かく行けば人に憎ま延(エ)」 3 (打消の助動詞を伴って)不可能の意を表す。*書紀‐斉明四年一〇月・歌謡「おもしろき今城のうちは忘ら(ユ)ましじ」 [補注](1)「らゆ」とともに、中古以降の「る」―「らる」に対応する。ただし、上代にも「る」の例は少数ある。命令形は現れない。(2)語源上、「見ゆ、燃ゆ、消ゆ、絶ゆ」など、いわゆる他動詞を対応形にもつヤ行下二段動詞の語尾と同じもので、作用を自然に発動する変化またはその状態としてとらえるのが原義と考えられる。それが、「見ゆ」にも「人に見ゆ」などの用法のあるように、受身の意味を明らかにするために用いられた。(3)四段活用動詞の未然形に付くものを助動詞として取り扱うが、「思ふ」、「聞く」に付いた場合のように、早く「思ほゆ」(さらに「おぼゆ」)、「聞こゆ」となって、一動詞の語尾として扱われるものがある。(4)上一段活用動詞「射る」について、「射ゆ」の受身用法の例があり、「見ゆ」と考え合わせると、古くは上一段動詞にも「ゆ」が付いたと見られる。(5)中古には、漢文訓読に「地蔵十輪経元慶七年点‐七」の「当来に有ら所(エ)む罪咎を防護すべし」のように、多少引き継がれ、また、「あらゆる」「いはゆる」のように連体詞として固定したものが後世まで用いられたほかは、一般に「る」に代わった。

ゆ【ゆ・ユ】🔗🔉

ゆ【ゆ・ユ】 五十音図の第八行第三段(ヤ行ウ段)に置かれ、五十音順で第三十七位(同音のかなの重複を含めるとき、第三十八位)のかな。いろは順では第三十九位で、「き」のあと、「め」の前に位置する。現代標準語の発音では、硬口蓋と前舌との間を狭めて発する有声の半母音jと母音uとの結合した音節juにあたる。イ段のかなに添えてウ段の拗音を表すことがある。現代かなづかいでは拗音の場合「ゆ」を小文字で添える。「ゆ」の字形は、「由」の草体から出たもの、「ユ」の字形は、同じく「由」の末二画(中のたて画と下の横画)からできたものの変形である。ローマ字では、yuと書く。

ゆ【弓】🔗🔉

ゆ【弓】 ゆみ。他の語の上に付いて、複合語を構成する。「ゆずえ(弓末)」「ゆはず(弓弭)」など。

ゆ【夜】🔗🔉

ゆ【夜】 「よ(夜)」の上代東国方言。→ゆとこ(夜床)

ゆ【斎】🔗🔉

ゆ【斎】 神聖であること。清浄であること。助詞「つ」を伴って、または、直接に接頭語的に名詞の上に付いて用いられ、その物が神事に関する物であることを表す。「ゆ庭」「ゆ鍬(くわ)」など、神、または、神をまつるための物を表す名詞に付く場合と、「ゆ笹」「ゆ槻」など、植物の名を表す名詞に付く場合とがある。い。→斎(ゆ)つ

ゆ【揺】🔗🔉

ゆ【揺】 琴(きん)や箏(そう)などで、余韻を波うたせるために左の手の指先で絃を左右(琴)、または上下(箏)に幾回かゆすること。また、その音。*源氏‐明石「手づかひ、いといたう唐めき、ゆの音ふかう澄ましたり」

ゆ【湯】🔗🔉

ゆ【湯】 1 水を沸かして熱くしたもの。熱くなった水。*万葉‐三八二四「さし鍋に湯(ゆ)沸かせ子ども」 2 1のうち、特に入浴に用いるもの。また、入浴することや入浴する所。ゆあみ。湯殿。「湯に入る」「湯に行く」*蜻蛉‐中「ゆのこといそがして」 3 温泉。いでゆ。*万葉‐三三六八「足柄の刀比の河内に出づる湯(ゆ)の」 4 薬湯(くすりゆ)。薬風呂。*続詞花‐雑上「大斎院御あしなやませ給をすきのゆにてゆてさせ給へきよし申けれは」 5 せんじ薬。薬湯(やくとう)。*宇津保‐国譲下「かき起こして、ゆまゐり給ふを」 6 船中に浸み入ってたまった水をいう、忌みことば。あか。ふなゆ。*拾遺‐五七一「浪ぢにいたく行き通ひゆも取りあへずなりにける」 7 鋳造するために熱して溶かした金属。*日葡辞書「ナマリヲ yuni(ユニ) ナス」 8 小便。ゆばり。 ●湯の=泡(あわ)[=垢(あか)] 硫黄(いおう)。 ●湯の神(かみ) 温泉をつかさどる神。大己貴(おおなむち)・少名毘古那(すくなびこな)の二神をまつる所が多い。 ●湯の器(き) 平安時代、禁中の台盤所の台盤の上にすえる器の一つ。多く銀製で、湯を入れるもの。 ●湯の子(こ) ⇒親見出し ●湯の辞宜(じぎ)は水(みず)になる 入浴を遠慮して互いに譲り合えば、その間にせっかく沸かした湯が水になる。遠慮も時と場合によるべきであるとのたとえ。 ●湯の花(はな) 1 温泉の成分の一部が沈殿して取り出されたもの。温泉が地表にわき出し、温度や圧力の低下、蒸発、周囲の岩石や動植物の作用などによって溶けていた成分の一部が沈殿したまったもの。硫黄華、石灰華、珪華など。 2 湯垢(ゆあか)。 3 =ゆばな(湯花)2 ●湯を引(ひ)く ゆあみをする。入浴する。 ●湯を沸(わ)かして水(みず)に=入(い)る[=する] 折角の苦労をむだにすることのたとえ。

ゆ【柚】🔗🔉

ゆ【柚】 「ゆず(柚)」の別称。また、ユズの実。 ●柚の葉(は) 1 ユズの葉のような形の鏃(やじり)。 2 染色の名。柚葉色(ゆばいろ)。

ゆ【喩】🔗🔉

ゆ【喩】 1 =ひゆ(譬喩)1 2 因明(いんみょう)で、命題を成立させるための例証・実例をいう。論理学の大前提にあたるもの。

ゆ‐あか【湯垢】🔗🔉

ゆ‐あか【湯垢】 1 やかんや湯槽などの内壁に付着する石灰などの固体。 2 缶石(かんせき)のこと。

ゆ‐あがり【湯上】🔗🔉

ゆ‐あがり【湯上】 1 風呂から出ること。また、その時。浴後。 2 湯治を終えること。湯治して病気などが治ること。 3 灌漑(かんがい)用の水を引くこと。 4 「ゆあがりゆかた(湯上浴衣)」の略。 5 「ゆあがりタオル(湯上―)」の略。

ゆあがり‐タオル【湯上タオル】🔗🔉

ゆあがり‐タオル【湯上タオル】 入浴後、体をふいたり、身を掩ったりする幅の広いタオル。バスタオル。

ゆあがり‐ゆかた【湯上浴衣】🔗🔉

ゆあがり‐ゆかた【湯上浴衣】 入浴後に着るひとえの着物。また、夏に着るゆかたのことをもいう。

ゆあさ【湯浅】🔗🔉

ゆあさ【湯浅】 姓氏。紀国造流とも藤原氏・清和源氏ともいう。紀伊国在田郡湯浅庄を本領とし、宗重は平治の乱で平清盛に属し、鎌倉幕府のもとでは御家人となった。各地に庶子家を分出し、湯浅党として活躍。南北朝期に南朝方に属し活躍した湯浅入道成仏は一族。

ゆあさ‐じょうざん【湯浅常山】(‥ジャウザン)🔗🔉

ゆあさ‐じょうざん【湯浅常山】(‥ジャウザン) 江戸中期の儒者。備前国(岡山県)岡山の人。名は元禎、字は文祥。曹子漢に古学を学び、服部南郭に古文辞学を学ぶ。池田侯に仕えた。「常山紀談」などを著す。(一七〇八〜八一)

ゆ‐あたり【湯中】🔗🔉

ゆ‐あたり【湯中】 過度の入浴により体に変調をきたすこと。温泉浴を繰り返すとき、多くはその第一週に見られる症状で、疲労倦怠感、食欲減退、眩暈、動悸、筋肉痛、皮膚炎などを示す。

ゆ‐あつ【油圧】🔗🔉

ゆ‐あつ【油圧】 圧力を加えた油によってピストンなどの動力機械を動かすこと。

ゆあつ‐きき【油圧機器】🔗🔉

ゆあつ‐きき【油圧機器】 油圧によって駆動される機器の総称。

ゆあつ‐けい【油圧計】🔗🔉

ゆあつ‐けい【油圧計】 油圧の測定に用いる圧力計。

ゆ‐あび【湯浴】🔗🔉

ゆ‐あび【湯浴】 =ゆあみ(湯浴)

ゆあび‐いわい【湯浴祝】(‥いはひ)🔗🔉

ゆあび‐いわい【湯浴祝】(‥いはひ) 女子が初潮を見たとき、一人前になったとして行う祝い。初他火(ういたび)。初花祝(はつはないわ)い。

ゆ‐あみ【湯浴】🔗🔉

ゆ‐あみ【湯浴】 湯を浴びること。湯にはいって身体を暖め、また、洗うこと。入浴。沐浴。温泉にはいって病気などを治すこともいう。湯治。ゆあび。ゆがけ。

ゆ‐あ・む【湯浴む】🔗🔉

ゆ‐あ・む【湯浴む】 〔連語〕入浴する。温泉にはいって病気などを治す。湯治する。*古今‐三八七「源のさねがつくしへゆあみむとてまかりける時に」

ゆあむし‐から【湯浴柄】🔗🔉

ゆあむし‐から【湯浴柄】 産湯(うぶゆ)のつかわせ方やつかわせる人次第で、その子の将来の成長・美醜がきまるということ。*宇津保‐蔵開上「ゆあむしからとかいふなるものを」

ゆ‐あらい【湯洗】(‥あらひ)🔗🔉

ゆ‐あらい【湯洗】(‥あらひ) 1 湯で洗うこと。特に、馬に湯を使わせることをいう。 2 =ゆかん(湯灌)

ゆい【結】(ゆひ)🔗🔉

ゆい【結】(ゆひ) 1 結うこと。結ぶこと。くくること。紐・髪・標(しめ)などを結ぶこと。また、そのもの。*万葉‐四〇一「その山に標(しめ)結(ゆひ)立てて結(ゆひ)の辱しつ」 2 (―する)農作業などで、互いに労力を交換し助け合うこと。田植えや刈取りなどで、互いに雇ったり雇われたりすること。また、その人。 3 乳幼児を入れて、つりさげて揺する、子守用の桶あるいは籠。 〔接尾〕 1 くくり束ねたものを数えるのに用いる。*枕‐八七「衣二ゆひとらせて」 2 銭を数えるのに用いる。一〇〇文を一結とする。

ゆい【由比】(ゆひ)🔗🔉

ゆい【由比】(ゆひ) 静岡県中部の地名。薩(さった)峠東側のふもとにある。江戸時代は東海道五十三次蒲原と興津の間の宿場町として発達。駿河湾に臨み、桜海老が漁獲され、蜜柑・枇杷の栽培、食品加工業などが行われる。

ゆい【由井】(ゆゐ)🔗🔉

ゆい【由井】(ゆゐ) 姓氏。

ゆい‐あ・げる【結い上げる】(ゆひ‥)🔗🔉

ゆい‐あ・げる【結い上げる】(ゆひ‥) 〔他ガ下一〕ゆひあ・ぐ〔他ガ下二〕 1 上の方へ上げて結う。結んで高くする。*竹取「あぐらをゆひあけて」 2 結び終わる。また、髪などを整った形に結う。*滑・七偏人‐三「喜次郎は髪を結上(ユヒアゲ)」

ゆい‐いち【唯一・惟一】🔗🔉

ゆい‐いち【唯一・惟一】 =ゆいいつ(唯一)

ゆい‐いつ【唯一・惟一】🔗🔉

ゆい‐いつ【唯一・惟一】 ただ一つであること。ゆいいち。ゆいつ。「唯一の取り柄(欠点)」

ゆいいつしん‐きょう【唯一神教】(‥シンケウ)🔗🔉

ゆいいつしん‐きょう【唯一神教】(‥シンケウ) 1 =いっしんきょう(一神教) 2 キリスト教で、三位一体を認めず、神の単一性を強調するユニテリアンの呼称。

ゆいいつ‐しんとう【唯一神道】(‥シンタウ)🔗🔉

ゆいいつ‐しんとう【唯一神道】(‥シンタウ) (「ゆいいちしんとう」とも)=うらべしんとう(卜部神道)

ゆいいつ‐しんめいづくり【唯一神明造】🔗🔉

ゆいいつ‐しんめいづくり【唯一神明造】 (ただ一つで他に類例のない純粋な神明造りの意)伊勢神宮の正殿の建築様式をいう。

ゆいいつ‐むに【唯一無二】🔗🔉

ゆいいつ‐むに【唯一無二】 (形動)ただ一つで、二つとないこと。「唯一」を強めていう語。

ゆい‐いれ【結入・結納】(ゆひ‥)🔗🔉

ゆい‐いれ【結入・結納】(ゆひ‥) (「いいいれ(言入)」の変化した「ゆいいれ」に「結入」「結納」の字を当てたもの)=ゆいのう(結納)

ゆいえん【唯円】(ユイヱン)🔗🔉

ゆいえん【唯円】(ユイヱン) 鎌倉中期の浄土真宗の僧。常陸国(茨城県)の人。常陸泉慶寺の開基。親鸞の直弟子として門徒中でも重んじられた。親鸞の没後、その法語を集め「歎異抄」を著したといわれ、浄土真宗の中心人物となる。生没年不詳。

ゆい‐お【結緒】(ゆひを)🔗🔉

ゆい‐お【結緒】(ゆひを) 物を結ぶためのひも。また、結んであるひも。むすびお。

ゆい‐おけ【結桶】(ゆひをけ)🔗🔉

ゆい‐おけ【結桶】(ゆひをけ) 桶にたがをかけること。また、たがをかけた桶。

ゆい‐かい【遺戒・遺誡】🔗🔉

ゆい‐かい【遺戒・遺誡】 訓戒を後人のために残すこと。死んだ人が後々のために残した訓戒。

ゆい‐がい【遺骸】🔗🔉

ゆい‐がい【遺骸】 死後に残るしかばね。いがい。

ゆい‐がしら【結頭】(ゆひ‥)🔗🔉

ゆい‐がしら【結頭】(ゆひ‥) 紐(ひも)・布などで、頭部をくくること。鉢巻。*義経記‐五「揉烏帽子にゆひがしらして」

ゆい‐かた・める【結い固める】(ゆひ‥)🔗🔉

ゆい‐かた・める【結い固める】(ゆひ‥) 〔他マ下一〕ゆひかた・む〔他マ下二〕 1 しばって固くする。結び固める。固く結ぶ。*相模集「まつ垣もゆひかためては露ももらさじ」 2 かたく約束などを結ぶ。また、盟約などを結んで互いの関係をかたくする。

ゆいが‐どくそん【唯我独尊】🔗🔉

ゆいが‐どくそん【唯我独尊】 1 (釈迦が生まれたときに七歩あるいて天地を指さし「天上天下唯我独尊」と唱えたという故事による)仏語。この世界にわれよりも尊いものはないということ。 2 自分だけが偉いとうぬぼれること。ひとりよがり。

ゆい‐が‐はま【由比ケ浜】(ゆひ‥)🔗🔉

ゆい‐が‐はま【由比ケ浜】(ゆひ‥) 神奈川県鎌倉市の、相模湾に面する海岸。稲村ケ崎から飯島ケ崎に至る砂浜海岸をいうが、狭義には滑川(なめりがわ)河口西岸をさす。明治中期以降海水浴場として開けた。

ゆい‐がみ【結髪】(ゆひ‥)🔗🔉

ゆい‐がみ【結髪】(ゆひ‥) 結いあげた頭髪。

ゆい‐から・げる【結い絡げる】(ゆひ‥)🔗🔉

ゆい‐から・げる【結い絡げる】(ゆひ‥) 〔他ガ下一〕ゆひから・ぐ〔他ガ下二〕結んでからげつける。結び束ねる。結んでめくりあげる。*延慶本平家‐二末「くつわをゆいからけなむとして」

ゆい‐から・む【結い絡む】(ゆひ‥)🔗🔉

ゆい‐から・む【結い絡む】(ゆひ‥) 〔他マ下二〕縛りからめる。縛りあげる。*宇治拾遺‐八・四「くびかしなどいふ物をはげられて、ゆひからめられて」

ゆいが‐ろん【唯我論】🔗🔉

ゆいが‐ろん【唯我論】 自我とその意識だけが実在し、他の自我やいっさいのものは、自我の意識のなかで存在するにすぎないとする立場。独我論。

ゆい‐きょう【遺教】(‥ケウ)🔗🔉

ゆい‐きょう【遺教】(‥ケウ) (「ゆいぎょう」とも) 1 (―する)教えを後の世にのこすこと。また、その教え。 2 仏語。釈迦が最後に説きのこした教え。また、総じて仏の教えをいう。遺法(ゆいほう)。 「ゆいきょうぎょう(遺教経)」の略。

ゆい‐ぎょう【遺形】(‥ギャウ)🔗🔉

ゆい‐ぎょう【遺形】(‥ギャウ) 後にのこる形。死後に残る形骸。特に、仏舎利をいう。

ゆいきょう‐ぎょう【遺教経】(ユイケウギャウ)🔗🔉

ゆいきょう‐ぎょう【遺教経】(ユイケウギャウ) (詳しくは「仏垂般涅槃略説教誡経」)大乗仏教の経典。一巻。後秦の鳩摩羅什(くまらじゅう)訳と伝える。梵本およびチベット訳を欠く。釈尊が臨終に当たって、戒法を守り、早くさとりを開くべきことを説いた情景を描く経典。禅宗で、仏祖三経の一つとして尊重する。 「ゆいきょうぎょうえ(遺教経会)」の略。

ゆいきょうぎょう‐え【遺教経会】(ユイケウギャウヱ)🔗🔉

ゆいきょうぎょう‐え【遺教経会】(ユイケウギャウヱ) 仏語。二月九日から一五日まで、京都市上京区溝前町の大報恩寺で行った涅槃講のこと。遺教経を訓読する法会で、訓読会ともいう。《季・春》

ゆい‐ぐら【結倉】(ゆひ‥)🔗🔉

ゆい‐ぐら【結倉】(ゆひ‥) 河川工事の用具の一つ。護岸・水流制御に用いるもので、笈牛に似て枠のないもの。蛇籠(じゃかご)に丸太などを結びつけたもの。

ゆい‐ぐら【結鞍】(ゆひ‥)🔗🔉

ゆい‐ぐら【結鞍】(ゆひ‥) (「ゆいくら」とも)鞍橋(くらぼね)の一種。縄でくくり合わせた簡単な鞍橋で、荷馬につける荷鞍用のもの。

ゆい‐くん【遺訓】🔗🔉

ゆい‐くん【遺訓】 =ゆいかい(遺戒)

ゆい‐げ【遺偈】🔗🔉

ゆい‐げ【遺偈】 高僧が臨終に際して後人に残すためにつくる偈(げ)。死後に残された偈。

ゆい‐げさ【結袈裟】(ゆひ‥)🔗🔉

ゆい‐げさ【結袈裟】(ゆひ‥) 袈裟の一種。修験者用の軽快な袈裟。五条の袈裟を細長く畳み、開かないように組紐で結び、余りを菊綴としたもの。不動袈裟。

ゆい‐げん【遺言】🔗🔉

ゆい‐げん【遺言】 =ゆいごん(遺言)

ゆいげんしょう‐ろん【唯現象論】(ユイゲンシャウ‥)🔗🔉

ゆいげんしょう‐ろん【唯現象論】(ユイゲンシャウ‥) 「現象論」の古い言い方。

ゆい‐こつ【遺骨】🔗🔉

ゆい‐こつ【遺骨】 死後にのこる骨。死者の骨。いこつ。

ゆい‐こめ【結込】(ゆひ‥)🔗🔉

ゆい‐こめ【結込】(ゆひ‥) 結んで中に入れこむこと。中に包みこんで結い上げるもの。

ゆい‐こ・める【結い込める】(ゆひ‥)🔗🔉

ゆい‐こ・める【結い込める】(ゆひ‥) 〔他マ下一〕ゆひこ・む〔他マ下二〕結んで中に入れこめる。包みこんで結い上げる。*浄・嫗山姥‐灯籠「たぶさの中、一通の文をゆひこめ」

ゆい‐ごん【遺言】🔗🔉

ゆい‐ごん【遺言】 1 死後のために生前に言いのこすことば。いげん。いごん。ゆいげん。「親の遺言を守る」 2 自分の死後に法律上の効力を発生させる目的で、遺贈、相続分の指定、認知などにつき、一定の方式に従ってする単独の意思表示。現代の法律では習慣として「いごん」と読む。

ゆいごん‐しょ【遺言書】🔗🔉

ゆいごん‐しょ【遺言書】 =ゆいごんじょう(遺言状)

ゆいごん‐じょう【遺言状】(‥ジャウ)🔗🔉

ゆいごん‐じょう【遺言状】(‥ジャウ) 遺言を書き留めた文書。遺言書。

ゆいごん‐ようし【遺言養子】(‥ヤウシ)🔗🔉

ゆいごん‐ようし【遺言養子】(‥ヤウシ) 遺言によって縁組をする養子。新民法によって廃止された。

ゆい‐しき【唯識】🔗🔉

ゆい‐しき【唯識】 仏語。 1 一切の諸法は識としての心が現しだしたものにすぎず、識以外に存在するものはないということ。ただし、この識も妄分別するものとしてあるにすぎず、真実にあるものではないという意を含んでいる。→唯心(ゆいしん)。 2 「ゆいしきしゅう(唯識宗)」の略。 「じょうゆいしきろん(成唯識論)」「ゆいしきにじゅうろん(唯識二十論)」などの略。

ゆいしき‐え【唯識会】(‥ヱ)🔗🔉

ゆいしき‐え【唯識会】(‥ヱ) 仏語。唯識論の奥旨を講讚する法会。興福寺で行われたもので、春日神社の神威の増大を願って始められた。唯識講。

ゆいしき‐こう【唯識講】🔗🔉

ゆいしき‐こう【唯識講】 =ゆいしきえ(唯識会)

ゆいしきさんじゅうじゅ【唯識三十頌】(‥サンジフジュ)🔗🔉

ゆいしきさんじゅうじゅ【唯識三十頌】(‥サンジフジュ) 世親著。唐の玄奘の訳がある。唯識説の大綱を三十の頌にまとめたもので、六百言で訳出されている。

ゆいしき‐しゅう【唯識宗】🔗🔉

ゆいしき‐しゅう【唯識宗】 「ほっそうしゅう(法相宗)」の異称。

ゆいしきにじゅうろん【唯識二十論】(‥ニジフロン)🔗🔉

ゆいしきにじゅうろん【唯識二十論】(‥ニジフロン) 世親著。魏の菩提流支、陳の真諦、唐の玄奘がそれぞれ訳した経典。他からの批判や疑問に答える形で、万象が識にほかならないとする唯識説を明らかにしたもの。唯識論。

ゆいしきろん【唯識論】🔗🔉

ゆいしきろん【唯識論】 「ゆいしきにじゅうろん(唯識二十論)」「じょうゆいしきろん(成唯識論)」などの略。

ゆいしば‐こもん【結柴小紋】(ゆひしば‥)🔗🔉

ゆいしば‐こもん【結柴小紋】(ゆひしば‥) 束ねた柴の形を一面に散らした模様。江戸時代、元禄頃に流行。

ゆい‐しょ【由緒】🔗🔉

ゆい‐しょ【由緒】 1 物事の由来した端緒。物事のそもそもの起こり。また、物事の今に至るゆえん。伝えて来た事柄。来歴。いわれ。「由緒ある家柄」 2 物事を行うとき、その正当性の裏づけとなる事柄。行動の根拠。特に中世、所領諸職を知行するいわれ。 3 縁故。縁。ゆかり。

ゆい‐しょうせつ【由井正雪】(ゆゐシャウセツ)🔗🔉

ゆい‐しょうせつ【由井正雪】(ゆゐシャウセツ) 江戸初期の軍学者。慶安事件の首謀者。駿河国(静岡県)の人。慶安四年社会不安に乗じて、丸橋忠弥、金井半兵衛らとともに、江戸幕府の転覆を図ったが、事前に発覚、自刃。(一六〇五〜一六五一)

ゆいしょ‐がき【由緒書】🔗🔉

ゆいしょ‐がき【由緒書】 物事の由来、または家の来歴や系譜・親類を書いた書類。

ゆい‐しん【唯心】🔗🔉

ゆい‐しん【唯心】 1 仏語。一切の諸法はそれを認識する心の現れであり、存在するのはただ心だけであるということ。華厳経の中心思想であるが、また唯識と同義にも用いる。 2 仏語。自已の心の本性に仏や浄土が内在するとすること。仏や浄土はわが心の中にあるという考え。→唯心の弥陀。 3 精神だけが真の存在であるとして、精神を本位として考えること。→唯心論。 ●唯心の浄土(じょうど) 仏語。一切の諸法はただ心の現れであると見るところから、西方の浄土も自己の心の現れであり、また心の中にあるとする考え。→唯心の弥陀。 ●唯心の弥陀(みだ) 仏語。一切の諸法はただ心の現れであると見るところから、阿弥陀如来も自己の心の現れであり、また心の中にあるとする考え。己心(こしん)の弥陀。

ゆいしん‐いっとうりゅう【唯心一刀流】(‥イッタウリウ)🔗🔉

ゆいしん‐いっとうりゅう【唯心一刀流】(‥イッタウリウ) 江戸初期の剣術の一派。一刀流の祖の伊藤一刀斎景久の門人、古藤田(こふじた)勘解由左衛門唯心の創始したもの。

ゆいしん‐えんぎ【唯心縁起】🔗🔉

ゆいしん‐えんぎ【唯心縁起】 仏語。すべての物事はみな一心、すなわち衆生のなかに覆いかくされている、本来清浄にして永遠不変の如来法身の現れであることをいう。華厳の教義の基本を示すもの。

ゆいしん‐しかん【唯心史観】(‥シクヮン)🔗🔉

ゆいしん‐しかん【唯心史観】(‥シクヮン) 精神・意識・観念・理念など精神的なものが歴史的発展の究極の原動力だとする観念論的歴史観。

ゆいしん‐りゅう【唯心流】(‥リウ)🔗🔉

ゆいしん‐りゅう【唯心流】(‥リウ) 砲術の流派の一つ。元禄の頃、備前国(岡山県)岡山の人、河合八度兵衛重光(一説に八良兵衛重元)の創始したもの。

ゆいしん‐ろん【唯心論】🔗🔉

ゆいしん‐ろん【唯心論】 物質に対する精神の根源性、独自性を主張する哲学の理論、立場。物質の実在を認めず、外界は主観の観念であるとする説。観念論。⇔唯物論

ユイスマンス🔗🔉

ユイスマンス (Joris Karl Huysmans ジョリス=カール―)フランスの小説家、美術評論家。自然主義から転じて、魂の神秘を象徴主義的に書いた。著「大伽藍」「さかしま」など。(一八四八〜一九〇七)

ゆい‐せき【遺跡】🔗🔉

ゆい‐せき【遺跡】 1 ある人、また事件に深い関係のある場所、また建築物のあった跡。いせき。 2 故人ののこした領地、官職など。遺領(ゆいりょう)。また、それを相続する後嗣。跡目(あとめ)。いせき。

ゆい‐ちょく【遺勅】🔗🔉

ゆい‐ちょく【遺勅】 後の世にのこされた勅命。天子の遺言(ゆいごん)。遺詔。いちょく。

ゆい‐ぞめ【結初】(ゆひ‥)🔗🔉

ゆい‐ぞめ【結初】(ゆひ‥) その年になって初めて髪を結うこと。

ゆい‐だ【結田】(ゆひ‥)🔗🔉

ゆい‐だ【結田】(ゆひ‥) 互いに労力を提供し合って耕作する田。また、そのような耕作形式。

ゆい‐だる【結樽】(ゆひ‥)🔗🔉

ゆい‐だる【結樽】(ゆひ‥) たがをはめて作った円筒形の樽。今日ではこれが普通だが、古くは角形のさし樽もあり、これは堅固で上等なものとされた。

ゆいつ【唯一】🔗🔉

ゆいつ【唯一】 =ゆいいつ(唯一)

ゆい‐つ・ける【結い付ける】(ゆひ‥)🔗🔉

ゆい‐つ・ける【結い付ける】(ゆひ‥) 〔他カ下一〕ゆひつ・く〔他カ下二〕 1 結んで離れないようにする。結びつける。*万葉‐三七六六「下紐に由比都気(ユヒツケ)持ちて」 2 髪などをいつもそのように結う。結いなれる。*狂言記・烏帽子折「ゑぼしがみなどといふ物は、ゆひつけぬ者は、ゑいはぬといふが」

ゆい‐てい【遺弟】🔗🔉

ゆい‐てい【遺弟】 師の死後に残された弟子。また、師の死後になった門弟。いてい。

ゆい‐な【維那】🔗🔉

ゆい‐な【維那】 寺内の僧衆の雑事をつかさどる役。特に湯を沸かす下法師(しもぼうし)をいう。いな。

ゆい‐のう【結納】(ゆひナフ)🔗🔉

ゆい‐のう【結納】(ゆひナフ) (「いいいれ(言入)」の変化した「ゆいいれ」に当てた「結納」の湯桶読み)婚約が成立したしるしに、婿嫁両家が互いに金銭・品物を取りかわすこと。また、その金品。たのみ。納幣。納采(のうさい)。ゆいいれ。ゆいれ。

ゆい‐ばし【結橋】(ゆひ‥)🔗🔉

ゆい‐ばし【結橋】(ゆひ‥) 竹や木などを縄などで結び合わせてかけた仮橋。

ゆい‐はた【結機】(ゆひ‥)🔗🔉

ゆい‐はた【結機】(ゆひ‥) =ゆはた(纈)*万葉‐三七九一「結幡(ゆひはた)の袖着衣着し我れを」

ゆいび‐しゅぎ【唯美主義】🔗🔉

ゆいび‐しゅぎ【唯美主義】 美に最高の価値があるとし、美の追求を芸術や人生の唯一の目的とする芸術・生活上の態度。耽美(たんび)主義。

ゆいび‐は【唯美派】🔗🔉

ゆいび‐は【唯美派】 唯美主義の立場に立つ人々。唯美主義を奉ずる一派。耽美派(たんびは)。

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