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かか・る【掛かる(懸かる・架かる・係る)】🔗🔉

かか・る【掛かる(懸かる・架かる・係る)】 自五 止められたりひっかけられたり掲げられたりして、(高い所で)落下が食い止められた状態にある。また、そのような感じで中空に位置したり出現したりする。 「壁に絵が━・っている」 「電線に凧たこが━・っている」 「鼻の先に眼鏡が━・っている」 「十字架に架かって死ぬ」 「中天に月が懸かる」 「空に虹にじ懸かる「懸かる」「架かる」とも。 火に当てるために、容器が上からつるされたり上に置かれたりする。 「鍋なべが囲炉裏[火]に━・っている」 身体のある部分が他にふれたりひっかかったりする。 「刀に手が━」 「引き金に指が━」 「徳俵に足が━」 「額に髪が━」 はかりに受け止められ、重さが計測される。 「目方が━(=重い)物は宅配便にする」 ◇竿さおばかりにぶらさがる意から。 重みや重力の作用がそこに及ぶ。 「両腕に荷物の重みがずしりと━」 「体重が左足に━」 「重力[電圧]が━」 〔古い言い方で〕船が停泊する。係留される。 「船が桟橋に━・っている」 《「目に━」の形で》〔古風な言い方で〕目に留まる。 「半弓を以て目に━敵を射て… 《「…にお目に━」の形で》お会いする。 「あなたにお目に━のを楽しみにしています」 「お初にお目に━・ります(=初対面にいう挨拶あいさつのことば)」 物事が決着をみず、心が落ち着かない。 「試験のことが心に━」 「試合の結果が気に━」 「懸かる」とも。 《「AにBが━」の形で》AにBを左右する決定権が負わされる。 「この一番には優勝が懸かっている」 「これは私の信用が懸かった仕事なのです」 「懸かる」とも。 しかけが働いて、本体が動かないように固定される。 「鍵かぎが━」 「両手に手錠が━」 「ホックがうまく━・らない」 「ブレーキが━」 装置が動いて機能が働く。特に、オーディオ装置から音が出る。 「車が冷えきってエンジンが━・らない」 「五時になると目覚ましが━」 「店内にはジャズが━・って(=鳴って)いる」 「一晩中ラジオが━・っていた」 片方から他方へまたぐように渡される。架け渡される。 「本州・四国間に橋が━」 「国道をまたいで高圧線が━」 「歩道橋に横断幕が━・っている」 ふつう「架かる」と書く。 縄・ひもなどが物のまわりに渡される。掛け渡される。 「積み荷にロープが━・っている」 「包みに水引が━・っている」 張りめぐらすようにして作られる。また、芝居小屋などが仮設される。 「天井にクモの巣が━・っている」 「空き地に芝居小屋が━」 劇場で芝居や映画が興行される。上演・上映される。 「○○座に忠臣蔵[新作落語]が━・っている」 ◇小屋を仮設して行ったことから。 霧や雲など、視界をさえぎるものが辺りを覆うように広がる。 「一面に霧[ガス]が━」 「頂上に雲が━」 「懸かる」とも。 液状または粉末状のものが体の一部などに浴びせられる。 「衣服にしぶきが━」 「粉雪が肩に━」 「酒臭い息が顔に━」 「頭にほこりが━」 料理に調味料の類が注ぎかけられる。 「粉チーズの━・ったスパゲッティ」 「あんの━・った焼きそば」 「━・って」「━・った」の形で使う。 相手の発した動作やことばが身に及ぶ。 「観客席から声が━」 「『全員休め』の号令が━」 「接待の口[呼び出し]が━」 「企画推進にストップが━(=中止を求められる)」 「若旦那からお座敷が━」 迷惑や負担など、好ましくないことが身に及ぶ。また、他が抱いた情念の影響などが身に及ぶ。 「他人に迷惑が━」 「何かと世話の━人だ」 「調査委員会に圧力が━」 「優勝の期待が━」 「謀反の疑いが━」 相手にしかけた技や術が有効に決まる。 「名人には必殺技も━・らない」 「麻酔[魔法]が━」 と異なり、が主語になる言い方。 魔術などの術が効いて、自分で自分が制御できない状態になる。 「魔法[暗示・催眠術]に━」 と異なり、が主語になる言い方。 物の表面を一面に覆う。 「食卓にテーブルクロスが━・っている」 「廊下にはワックスが━・っている」 「釉薬うわぐすりの━・った茶碗ちゃわん 道具類の作用がある物や場所に及ぶ。また、それが整った状態になる。 「シャツにアイロンが━・っている」 「仕上げの鉋かんなが━」 「掃除機の━・った床」 時間・費用・労力を使うことが必要になる。特に、義務として税の負担を強いられる。課税される。 「一人前になるには時間が━」 「手数料[手間]が━」 「完成までに一年[五億円]は━」 「輸入時には関税が━」 〔慣用句的に〕作用を及ぼすことによって、力(状態)が、生み(作り)出される。 「仕事にエンジンが━(=本調子になる)」 「髪にパーマが━」 「芸に磨きが━(=洗練度を増してさらに立派になる)」 仕事に従事する。携わる。 「現在長編の創作に━・っている」 「名簿の整理に━・っているところだ」 物事に着手する。取りかかる。 「次の作業に━までしばらく休もう」 「今すぐ準備に━・れ!」 《「て(で)━」の形で》そのようなしかたで物事に対処する。 「心して━ことが肝心だ」 「いい人だと決めて━のは危険だ」 「敵をなめて━」 《「に━」の形で》取りかかりや手始めの行為として…をする。 「弱いと見るとすぐさま脅しに━」 「早速引き止めに━・ったが、どうしても応じない」 「侵入の痕跡こんせきを消しに━・った形跡がある」 《「…(よ)うと━」の形で》「…しようとする」を強めていう語。積極的な態度や姿勢で対処する。 「あの手この手で説得しようと━・ってくる」 ある場所を通過しようとして、ちょうどその地点までくる。さしかかる。 「上り坂に━ところでK君に会った」 ではなくを主語にして、行路の変化を述べる言い方もできる。「道路が湖畔に━辺りで車が故障した」 今では「さしかかる」が一般的。また、「かかる」と違って「さしかかる」は、その場に到達する一歩手前といった趣で使う。 時が経過して、ある時期や場面になる。さしかかる。 「試合は終盤に━・って緊迫した展開となった」 《「鼻に━」の形で》発声のとき、音が鼻腔びこうで共鳴したり鼻から出たりする。 「風邪で声が鼻に━・って聞き苦しい」 「鼻に━・った声で歌う」 戦いを挑む形で相手とかかわりをもつ。立ち向かう。向かう。 「者ども、━・れ!」 「束になって━・って来た」 「食って━・殴り━・つかみ━・突っ━」 医者の診察・治療を受ける。 「すぐに医者に━・りなさい」 《「…の手に━」などの形で》…によって直接的に処理される。特に、…に殺される。 「名人の手に━と五分でできる」 「彼(の手)に━・ってはまとまる話もまとまらない」 「敵の手に━」 網・針などのしかけで動物が捕らえられる。また、人が検問などでひっかかる。 「ウサギが猟師のわなに━」 「魚が網に━」 「ハエがクモの巣に━」 「検問に━」 人が計略などに遭ってだまされる。 「ペテン[計略]に━」 生命・財産などが保障される契約が結ばれる。 「この家屋には保険が━・っている」 議案などが公の場で取り上げられる。 「案件が会議に━」 「毒殺事件が裁判に━」 「懸かる」を使うが、かな書きが多い。 そのような性質・傾向を帯びる。 「青みの━・った緑色」 「すごみの━・った(=利いた)声」 「回転の━・った球」 「━・った」「━・って」の形が多い。 《連体形を使って》物事に関係する。かかわる。 「本件に━陳述書」 「施策に━案件」 ふつう「係る」と書く。 《「…の」+動作性サ変動詞の語幹(A)+「に━」の形で、連体形を使って》…がAするところの。…がAした。 「兄の所有に━(=兄が所有する)屋敷」 「止利仏師とりぶっしの制作に━仏像」 「係る」を使うが、かな書きも多い。 《「AがBに━・っている」の形で》問題点AがBと深くかかわっている。…に左右される。…による。 「事の成否は努力いかんに━・っている」 「賜杯の行方は新大関の活躍に━・っている」 「係る」を使うが、かな書きも多い。 文法で、上の語句が下の語句に意味や形のうえで続いていく関係にある。 「この副詞は文末の動詞に━・っている」 ⇔受ける ふつう「係る」と書く。 動五《動詞の連用形に付いて複合動詞を作る》 今にも…しようとする。かける。 「日が沈み━」 「死に━・おぼれ━」 その方向に作用を及ぼして身を任せる。 「もたれ━・寄り━・倒れ━・のし━」 物事をしはじめる。 「取り━・やり━・し━」 接尾《名詞に付いて、「がかる」の形で》 …の性質を帯びる意を表す。 「芝居━・った声」 「時代━・った建物」 「左━・った意見」 …の色を帯びる意を表す。 「紫[黄色・黒み・オレンジ]━・った赤い色」 ◆「掛」は広く一般に使うが、かな書きも多く(特に以下)、実質的な意味が薄れたものは積極的にかな書きにされる(「お金がかかる・仕事にかかる・医者にかかる・脅しにかかる」)。「懸」は、宙づりになってぶらさがる・心にかかる意味合いでの一部などで使い、「係」はかかわる意味合いでに使うが、かな書きも多い。「架」はの一部に使う。はかな書きが普通。 かかれる 掛かり・係 関連語 大分類‖関係‖かんけい 中分類‖関係‖かんけい 大分類‖水に関わる行為‖みずにかかわるこうい 中分類‖浴びる‖あびる

かけ‐い【筧・懸━ヒ🔗🔉

かけ‐い【筧・懸━ヒ かけひ

かけ‐ご【掛け子(懸け籠)】🔗🔉

かけ‐ご【掛け子(懸け籠)】 他の箱のふちにかけて、その箱の中にはめ込むように作った箱。

かけ‐ことば【掛詞(懸詞)】🔗🔉

かけ‐ことば【掛詞(懸詞)】 修辞法の一つ。同音異義を利用し、文や歌の中で一つの語句に二つの意味をもたせるもの。たとえば、「立田山月すむ峯のかひぞなきふもとに霧の晴れぬかぎりは」の「すむ」に「住む」と「澄む」の二つの意味をもたせるの類。

かけ‐す【懸巣】🔗🔉

かけ‐す【懸巣】 樹上に杯形の巣をかける、カラス科の鳥。ふだんはしわがれた声で鳴くが、巧みに他の鳥の声をまねる。カシドリ。

かけ‐はし【懸け橋・架け橋(桟・梯)】🔗🔉

かけ‐はし【懸け橋・架け橋(桟・梯)】 板や藤づるを棚のように組み、険しいがけなどに沿って造りつけた橋の道。 谷・川・海峡などの上にかけ渡した橋。 「本州・四国間の━」 橋渡し。なかだち。 「日韓友好の━となる」

かけ‐はな・れる【かけ離れる(掛け離れる・懸け離れる)】🔗🔉

かけ‐はな・れる【かけ離れる(掛け離れる・懸け離れる)】 自下一遠くへだたって離れる。また、大きな違いがある。 「現実から━・れた理想論」 「年の━・れた夫婦」 かけはな・る(下二)

かけ‐ひ【筧・懸🔗🔉

かけ‐ひ【筧・懸 水を導くために地上にかけ渡す、竹や木で作ったとい。かけい。

かけ‐まく‐も【掛けまくも(懸けまくも)】🔗🔉

かけ‐まく‐も【掛けまくも(懸けまくも)】 連語〔古〕ことばに出して言うことさえも。 「━畏かしこし(=非常におそれおおい)」

か・ける【掛ける(懸ける・架ける・ける)】🔗🔉

か・ける【掛ける(懸ける・架ける・ける)】 動下一 止めたり引っかけたりして、(高い所から)下げる。また、(高い所に)掲げ置く。 「壁に絵を━」 「入り口に看板を━」 「ハンガーに服を━」 「帆柱に帆を━」 「預言者を十字架に架ける「架ける」とも。 火に当てるために、容器を上からつるしたり上に置いたりする。 「鉄瓶を囲炉裏に━」 「焜炉こんろに薬罐やかんを━」 手や足で物にふれたり、指でひっかけたり、体を腰で支えたりする。 「ハンドルに手を━」 「引き金に指を━」 「階段に足を━」 「椅子いすに腰を━」 「そこに━・けなさい(=腰掛けなさい)」 体に引っかけたり体でつなぎ止めたり(して着用)する。 「バッグを肩に━」 「腰に前掛けを━」 「首にペンダントを━」 「口にマスクを━」 「眼鏡を━」 「試験のことなど歯しがにも━・けない(=問題にしない)」 「教養を鼻に━(=ひけらかす)」 はかりで重さを計測する。 「郵便物をはかりに━」 「どちらが得かを天てんびんに━(=損得を計算する)」 ◇竿さおばかりにぶらさげる意から。 そこで受け止めて、機器を使って選別などの処理をする。 「小麦粉[応募作品]をふるいに━」 「遠心分離器に━」 「輪転機に━」 重みなどの作用をそこに及ぼす。 「相手に体重を━・けて浴びせ倒す」 「重心を左足に━」 《多く「お目に━」の形で》お見せする。ご覧に入れる。 「お恥ずかしいところをお目に━・けました」 「秘蔵の家宝をお目に━・けましょう」 …てお見せするの意で、補助動詞的にも使う。「私が弾いてお目に━・けましょう」 《「心に━」「気に━」の形で》常に心にとどめて、忘れたりすることがない。 「いつも私のことを心に━・けて下さってありがたいことです」 「平静な日常生活を心に━・けてきました」 「些細なことを気に━」 「懸ける」と書くことも多い。 しかけを働かせて、本体が動かないように固定させる。 「戸に鍵かぎを━」 「両手に手錠を━」 「ボタンを━」 「(車に)ブレーキを━」 装置を動かして機能を働かせる。 「(車に)エンジンを━」 「五時ちょうどにタイマーを━」 オーディオ装置に音源をセットして、音を出す。 「ビートルズのレコードを━・けましょう」 「CDを━」 「BGMにクラシックを━」 〔布に糸を引っかけて縫うことから〕ミシンを操作して縫い物をする。 「袖そでのつけねにミシンを━」 片方から他方へまたぐように渡す。架け渡す。また、鳥が樹上や軒下など高い所に巣を作る。 「川に鉄橋を━」 「弓に弦つるを━」 「屋根にはしごを━」 「ツバメが軒下に巣を━」 ふつう「架ける」と書く。 縄・ひもなどをもののまわりに渡す。かけ渡す。 「積み荷にロープを━」 「贈り物にリボンを━」 「泥棒に縄を━(=縄で縛り上げる)」 「肩にたすきを━」 「話に輪を━(=大げさにする)」 張りめぐらすようにして作る。また、そのようにして芝居小屋などを仮設する。 「クモが天井に巣を━」 「芝居小屋を━」 劇場で芝居や映画を興行する。上演・上映する。 「世話物を舞台に━」 「三題噺ばなしを寄席よせに━」 ◇小屋を仮設して行ったことから。 物の表面にかぶせて一面を覆う。 「布団を━・けて寝る」 「食卓にテーブルクロスを━」 「本にカバーを━」 「金箔きんぱくに漆を━」 液状または粉末状のものを浴びせかける。特に、料理に調味料の類を注ぎかける。 「庭木に水を━」 「お湯を━・けて体を洗う」 「フライにソースを━」 「粉チーズを━」 〔やや古風な言い方で〕建物などに火をつける。 「城に火を━」 ことばを発して相手に届かせる。 「背後から声を━」 「励ましのことばを━」 「号令[なぞ]を━」 「ストップを━」 「お礼の電話を━」 相手に同情などの気持ちを向ける。 「情けを━」 「━・けた恵みが仇あだとなる」 「級友に思いを懸ける」 「直々に目を━・けた(=かわいがった)秘蔵っ子」 「懸ける」とも。 精神的作用(特に、迷惑や負担など好ましくないこと)を他に及ぼす。 「相手側にプレッシャーを━」 「政府筋が捜査に圧力を━」 「他人に迷惑[心配]を━」 「御足労を━・けました」 「支店長に背任の疑いを━」 《「願い[願がん]を━」「期待[希望]を━」などの形で》思いが届く(成就する)ように神仏に願う。また、ある事柄の実現に対して期待や希望の気持ちを持つ。 「合格できますようにと神様に願いを━」 「娘の音楽の才能に期待を━」 「日本の明日に望みを━」 「懸ける」とも。 相手に技や動作をしかける。また、魔法などをしかけ(て、自分で自分を制御できない状態にす)る。 「相手に必殺技を━」 「フェイントを━・けてジャブを放つ」 「姫に魔法を━」 「自分に暗示を━」 「患者に麻酔を━」 〜ヲに結果をとる言い方。「姫に魔法をかける」などは、文意をほとんど変えずに、〜ヲに対象をとって「姫を魔法にかける」とすることができる。 しかけを作って、動物を捕らえる。また、人を検問などでひっかけて捕らえる。 「キツネをわなに━」 「逃走犯を検問に━」 計略をめぐらして、人をだます。 「ぺてんに━・けて金品を奪う」 道具類の作用をある物や場所に及ぼす。 「シャツにアイロンを━」 「部屋に掃除機を━」 「本棚にはたきを━」 「材木に鉋かんなを━」 と異なり、〜ヲに道具をとる。 作用を及ぼして、力(状態)を生み(作り)出す。 「髪にパーマを━」 「生産に拍車を━」 「部下に発破を━(=やる気を出させる)」 「芸に磨きを━」 「腕によりを━」 と異なり、〜ヲに結果をとる。 あることをするために必要な時間・費用・労力を使う。 「練習に時間を━」 「金[人手]を━」 「執筆に三か月を━」 かな書きが一般的。 税の負担を強いる。課税する。課する。 「所得には所得税を━」 かな書きが一般的。 《多く「AからBに━・けて」の形で》ある場所・時間Aからもう一つの場所・時間Bまで連続して。AからBにまたがって。 「ほおから顎あごに━・けてひげがある」 「箱根から横浜へ━・けては雪模様だ」 「花は初旬から中旬に━・けてが見ごろだ」 かな書きが一般的。 《多く「…に━・けては」の形で》…に関しては。…については。 「ダンスに━・けては自信がある」 「Kは元来そういう点に━と鈍い人なのです漱石かな書きが一般的。 《「鼻に━」の形で》発声のとき、音を鼻腔びこうで共鳴させたり鼻から出したりする。 「鼻に━・けたハスキーな声」 失敗したら大切なものを失う覚悟で、一生懸命に事を行う。 「政治改革に命を━」 「一球に勝負を━」 「ワントライに一発逆転を━」 「威信を━・けて戦う」 「懸ける」または「ける」と書くが、「」が好まれる。 《「…に━・けて(も)」の形で、下に誓約や決意を表す語句を伴って》万一違約したらそれを失う覚悟があるの意で、誓約・決意の表明に際していうことば。 「真実であることを神仏[命]に━・けて誓う」 「私の威信[名誉]に━・けてもやり抜く」 の形式化した言い方。 「懸ける」または「ける」と書くが、「」が好まれる。 金品を出し合い、勝った方がそれを取る約束で勝負をする。け事をする。 「ポーカーに金を━」 「本命馬に一万円を━」 「雨が降る降らないに昼飯を━」 ける」と書く。 一定の掛け金の見返りとして、生命・財産などが保障される契約を結ぶ。 「自分の生命に保険を━」 議案などを公の場で取り上げる。 「案件を会議に━」 「詐欺事件を裁判に━」 「懸ける」を使うが、かな書きが多い。 品物を競り売りの形式で売る。 「水揚げしたマグロを競りに━」 「競売けいばいきょうばいに━」 「オークションに━」 医者の診察・治療を受けるようにする。 「重傷ですから、すぐ医者に━べきです」 ◇自動詞「かかる」はよく使うが、これはまれ。 《「…の手に━」などの形で》自分で直接処理する。てがける。特に、みずから殺す。 「以前手に━・けた仕事なら数えきれない」 「私を刺客の手に━・けようとするのか」 「貫一さん、貴方の手に━・けて殺して下さい紅葉 ボールなどに特殊な回転を与える。 「打球に回転[ドライブ]を━」 かけ算をする。 「2に3を━」 「底辺に高さを━」 ⇔割る ◇2×3の場合、2が掛けられる数、3が掛ける数。 掛け値をする。 「定価に五割を━・けて(=定価の五掛けで)売る」 定期的に掛け金を払う。 「毎月三万円の保険金を━・けている」 交配する。 「牝馬めすうまにロバを━・けてラバを得る」 同音・類字音を利用して、一つの語句にもう一つ別の意味を持たせる。掛詞かけことばにする。 「『秋風ぞ立つ』の『秋』に『飽き』を━」 「『うぢ山』の『うぢ』を『憂し』に━」 《動詞の連用形に付いて複合動詞を作る》 …し始める。また、途中まで…する。 「食べ━・けたところに邪魔が入った」 「言い━・けて思いとどまる」 「帰り━」 今にも…しそうになる。かかる。 「死に━・おぼれ━」 「壊れ━・けた家に住んでいる」 相手に作用を及ぼす。 「働き━・呼び━・話し━・問い━・投げ━」 「息を吹き━」 「大挙して押し━」 ◆「掛」は広く一般に使うが、かな書きも多く(特に以下)、実質的な意味が薄れたものは積極的にかな書きにされる(「お金をかける・〜から〜にかけて・語学にかけては」など)。「懸」は、宙づりになってぶらさがる・心にかかる意味合いでの一部、などで特に使うが、かな書きも多い。「架」はの一部に使う。「」はで使う。はかな書きが普通。 か・く(下二) 掛け・ 関連語 大分類‖扱い‖あつかい 中分類‖設置‖せっち 大分類‖水に関わる行為‖みずにかかわるこうい 中分類‖浴びる‖あびる

け‐そう【懸想】━サウ🔗🔉

け‐そう【懸想】━サウ 名・自サ変〔古風な言い方で〕異性を恋い慕うこと。 「━文ぶみ(=恋文)」 関連語 大分類‖愛‖あい 中分類‖愛情‖あいじょう

け‐ねん【懸念】🔗🔉

け‐ねん【懸念】 名・他サ変 先行きが気にかかって不安になること。 「対日感情の悪化が━される」 仏教で、一つのことに執着すること。執念。 ◆明治・大正期には「掛念」も多用された。 関連語 大分類‖不快な心の状態‖ふかいなこころのじょうたい 中分類‖心配‖しんぱい

け‐れん【外連】🔗🔉

け‐れん【外連】 歌舞伎などで、見た目本位の奇抜な演出・演技。早替わり・宙乗りなど。 「懸恋」と当てることもある。 はったり。ごまかし。 「━みのない文章」

けん【懸】🔗🔉

けん【懸】 (造) かかる。ひっかかる。かける。 「━案・━賞・━垂・━命」 かけはなれる。 「━隔」

けん‐あん【懸案】🔗🔉

けん‐あん【懸案】 問題とされながらまだ解決がつかないでいる事柄。 「━の条約改正」 関連語 大分類‖計画‖けいかく 中分類‖‖あん

けん‐が【懸河】🔗🔉

けん‐が【懸河】 急な傾斜面を滝のように速く流れる川。 「━の弁(=よどみなくしゃべること)」

けん‐がい【懸崖】🔗🔉

けん‐がい【懸崖】 〔文〕切り立ったがけ。きりぎし。 盆栽で、枝葉が根よりも低く垂れるように作ったもの。 「菊の━作り」

けん‐かく【懸隔】🔗🔉

けん‐かく【懸隔】 名・自サ変かけ離れていること。へだたり。 「技術に━がある」 関連語 大分類‖間あいだ‖あいだ 中分類‖距離‖きょり

けん‐しょう【懸賞】━シャウ🔗🔉

けん‐しょう【懸賞】━シャウ 優秀な作品、クイズの正解者、捜し物を見つけた人などに、賞品や賞金をかけること。また、その賞品や賞金。 「━金」

けん‐すい【懸垂】🔗🔉

けん‐すい【懸垂】 名・自サ変 まっすぐに垂れ下がること。 「━下降」 鉄棒・吊り輪などに両手でぶら下がり、腕を屈伸させて体を上げ下げする運動。

けん‐ぜつ【懸絶】🔗🔉

けん‐ぜつ【懸絶】 名・自サ変他と大きくかけはなれていること。懸隔。

けん‐めい【懸命】🔗🔉

けん‐めい【懸命】 名・形動力をつくしてがんばること。 「━の努力が実る」 「一所[一生]━」 ‐さ

けんわん‐ちょくひつ【懸腕直筆】🔗🔉

けんわん‐ちょくひつ【懸腕直筆】 書道で、筆をまっすぐに持ち、ひじを脇から離して腕を上げた姿勢で筆を運ぶこと。また、その筆法。 ◇大きな字を書くのに適する。

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