【橋起】 キョウキ ＝矯起。ぐっと曲がって盛りあがる。〔→荘子〕

【矯】 17画　矢部　［常用漢字］ 区点=2226　16進=363A　シフトJIS=8BB8 《常用音訓》キョウ／た…める 《音読み》　キョウ（ケウ）〈jio〉 《訓読み》　ためる（たむ）／まげる（まぐ）／いつわる（いつはる）／あげる（あぐ） 《名付け》　いさみ・たけし・ただ 《意味》 ｛動｝ためる（タム）。型に曲げる。曲がった物を、押し曲げて正しい形になおす。「矯正」「矯其非＝ソノ非ヲ矯ム」 ｛動｝まげる（マグ）。いつわる（イツハル）。まっすぐな物をわざと押し曲げる。押し曲げていつわる。むりをする。「矯命＝命ヲ矯グ」「弥子、矯駕君車以出＝弥子、矯ゲテ君ノ車ニ駕シテモッテ出ヅ」〔→韓非〕 ｛動・形｝あげる（アグ）。曲げた型に高くあげる。首をあげて勇みたつさま。〈類義語〉→翹キョウ。「矯矯キョウキョウ」「時矯首而遐観＝時ニ首ヲ矯ゲテ遐観ス」〔→陶潜〕 《解字》 会意兼形声。喬キョウとは、高（たかい）の字の上部に曲がったしるしを加えた指事文字で、曲がって高くのびること。不正な原形を曲げて正しくする場合にも、その逆の場合にも用いる。矯は「矢＋音符喬」。 《単語家族》 僑キョウ（背のたかい人）驕キョウ（馬がたかく頭をあげる）橋（曲線をなして、たかくかかった、たいこばし）などと同系。高やギョウ（たかい）とも縁が近い。 《類義》 →匡 《熟語》 →熟語 →下付・中付語 →故事成語

【矯亢】 キョウコウ ＝矯抗。わざと人と違ったふりをする。妙にたかぶったふりをする。

【矯正】 キョウセイ 悪習・欠点・誤りなどを正しくする。ためなおす。

【矯世】 キョウセイ・ヨヲタム 世の中の悪い点を正しくする。ためなおす。世なおし。

【矯励】 キョウレイ 自分の悪い点をなおそうとして、努めはげむ。

【矯枉】 キョウオウ・オウヲタム 曲がったものをためてまっすぐにする。

【矯枉過正】 キョウオウカセイ・オウヲタメテセイヲスグ〈故事〉あやまちをなおして、かえって度をすごし、正しい状態でなくなる。「矯枉過直キョウオウカチョク」とも。〔→後漢書〕

【矯制】 キョウセイ・セイヲイツワル 天子の命令をかってに変更して、天子の命令といつわって事を行う。『矯詔キョウショウ・矯勅キョウチョク』〔→史記〕

【矯革】 キョウカク 欠点などを改める。

【矯首】 キョウシュ・コウベヲアグ 頭をあげる。「矯首青霄路若何＝首ヲ矯ゲテ青霄路イカンゾヤ」〔→袁宏道〕

【矯俗】 キョウゾク・ゾクヲタム 悪い風俗を改めなおす。『矯風キョウフウ』〔→後漢書〕わざわざ、世間一般の風俗とちがったことをする。「亦不敢服垢弊以矯俗干名＝マタアヘテ垢弊セルヲ服シテモッテ俗ヲ矯メ名ヲ干メズ」〔→小学〕

【矯殺】 キョウサツ 君主の命令だといつわりだまして殺す。『矯虔キョウケン』〔→史記〕

【矯託】 キョウタク いつわってほかのことにかこつける。

【矯情】 キョウジョウ・ジョウヲタム ことさらに人間の自然の感情を押さえて、一般人とは異なったことをする。

【矯揉】 キョウジュウ 欠点をなおす。

【矯飾】 キョウショク 表面だけをむりに飾りたてて、人をごまかす。また、内容にあわない、上つらだけの飾り。〔→後漢書〕欠点やあやまちをなおして、よくする。「矯飾人之情性而正之＝人ノ情性ヲ矯飾シテコレヲ正ス」〔→荀子〕

【矯誣】 キョウフ 事実をかえてごまかし、人をあざむく。『矯詐キョウサ』〔→書経〕「逆道違天、矯誣実多＝道ニ逆ラヒ天ニ違ヒ、矯誣実ニ多シ」〔→李白〕

【矯激】 キョウゲキ 性格が強く激しい。正しく直して激励する。

【矯矯】 キョウキョウ 首を高くもたげて勇みたつさま。「矯矯虎臣＝矯矯タル虎臣」〔→詩経〕鳥などが高く舞い上がるさま。「矯矯単飛至＝矯矯トシテ単飛至ル」〔→李賀〕すぐれた志を持っていて超然としたさま。〔→漢書〕

【矯翼】 キョウヨク・ツバサヲアグ 翼を高くたてて、羽ばたく。

【矯角殺牛】 ツノヲタメテウシヲコロス〈故事〉つのをまげて、そのあげく牛を殺してしまう。少しの欠点をなおそうとして、その物事全体をだめにしてしまうことのたとえ。