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広辞苑の検索結果 (82)
ちょう‐か【釣果】テウクワ🔗⭐🔉
ちょう‐か【釣果】テウクワ
釣りの成果。釣りの獲物。
ちょう‐かん【釣竿】テウ‥🔗⭐🔉
ちょう‐かん【釣竿】テウ‥
「つりざお」のこと。〈日葡辞書〉
ちょう‐き【釣期】テウ‥🔗⭐🔉
ちょう‐き【釣期】テウ‥
釣りで、その魚がよく釣れる期間。
ちょう‐ぎょ【釣魚】テウ‥🔗⭐🔉
ちょう‐ぎょ【釣魚】テウ‥
魚をつること。つり。
ちょう‐きょう【釣況】テウキヤウ🔗⭐🔉
ちょう‐きょう【釣況】テウキヤウ
釣り場の状況や魚の釣れ具合。
ちょう‐ご【釣語】テウ‥🔗⭐🔉
ちょう‐ご【釣語】テウ‥
〔仏〕(→)索話さくわに同じ。
ちょう‐こう【釣行】テウカウ🔗⭐🔉
ちょう‐こう【釣行】テウカウ
魚釣りに出かけること。
ちょう‐しゅう【釣舟】テウシウ🔗⭐🔉
ちょう‐しゅう【釣舟】テウシウ
魚を釣るふね。つりぶね。
ちょう‐しょ【釣渚】テウ‥🔗⭐🔉
ちょう‐しょ【釣渚】テウ‥
つりをするなぎさ。
ちょう‐しん【釣針】テウ‥🔗⭐🔉
ちょう‐しん【釣針】テウ‥
魚釣りに用いる針。つりばり。
○釣った魚に餌はやらぬつったさかなにえさはやらぬ🔗⭐🔉
○釣った魚に餌はやらぬつったさかなにえさはやらぬ
つれそう間柄になったあとは、ことさら相手の気を引く必要はないというたとえ。
⇒つ・る【釣る・吊る】
つっ‐た・つ【突っ立つ】
[一]〔自五〕
(ツキタツの音便)
①まっすぐに立つ。「鉄塔が―・つ」
②勢いよく立ち上がる。保元物語「鐙あぶみ踏ん張り―・ち上がり」
③何もしないでただ立つ。「茫然と―・つ」
④矢などが突きささって立つ。
[二]〔他下二〕
⇒つったてる(下一)
つっ‐た・てる【突っ立てる】
〔他下一〕[文]つった・つ(下二)
(ツキタテルの音便)
①まっすぐに立てる。
②突きさして立てる。また、勢いよく突きさす。「出刃を畳に―・てる」「槍を―・てる」
つつ‐ぢゃわん【筒茶碗】
筒状の細長い茶碗。
つっ‐つ
〔副〕
(多く「と」を伴って)さわりなく速やかにするさま。ずんずん。浄瑠璃、女殺油地獄「杖もつかず―とさがる」
つっ‐つ・く【突っ突く】
〔他五〕
(ツキツクの音便)つつく。
つつっ‐ぽ【筒っぽ】
「つつそで」の俗称。つつっぽう。夏目漱石、坊つちやん「筒っぽうを着た男から、おれの革鞄を二つ引きたくつて」
つっ‐と
〔副〕
①さわりなく速やかに進むさま。勢いのよいさま。ずいと。さっと。天草本平家物語「内甲うちかぶとをあなたへ―射通されて」。「―前に出る」
②じっと動かないさま。つと。
③ずっとはなれて。はるかに。狂言、節分「―向うに灯の光が見ゆる」
④非常に。大いに。狂言、武悪「あれは―心がけた者でござる程に」
つつ‐どり【筒鳥】
カッコウ目の鳥。カッコウに似るが、体の下面の横斑は幅が広い。「ぽ、ぽ」と空筒からづつを打つような声で鳴く。センダイムシクイなどの巣に托卵する。アジアに分布し、初夏、日本に来て、冬は南方へ渡る。ポンポンドリ。〈[季]夏〉。梁塵秘抄「―やさこそ聞け」
つつどり
ツツドリ
提供:OPO
→鳴声
提供:NHKサービスセンター
つつ‐なえ【筒苗】‥ナヘ
苗代なわしろの稲の茎が立って筒のようになったもの。
つつなわせ‐どり【つつなはせ鳥】‥ナハセ‥
①鶺鴒せきれいの異称。
②雁がんの異称。
つつ‐ぬき【筒抜き】
筒を引き抜くように首を抜くこと。狂言、空腕「―、筒切、大げさ、小げさ、から竹割り」
つつ‐ぬき【筒貫】
幕を張るため、立てた柱の上部を相互につなぐ横木。
つつ‐ぬけ【筒抜け】
(筒の底が抜けていて、さえぎるものがない意から)
①話し声がそのまま聞こえること。また、話したことや内密の計画などがすぐ他に伝わること。「暗号文が敵に―だ」
②素通りして通り抜けること。金銭を収入があるに従って費消してしまうこと。「親の忠告も右から左へ―だ」
つつ‐ばさみ【筒挟】
和船で、帆柱を受ける筒7を両側から挟む、筒の上端より突き出た2本の柱。→和船(図)
つつ‐ばしら【筒柱】
(→)筒7に同じ。
つっ‐ぱし・る【突っ走る】
〔自五〕
(ツキハシルの音便)
①勢いよく、まっしぐらに走る。
②向う見ずに行動を進める。
つっぱ‐と
〔副〕
いっぱいに満ちるさま。溢れるさま。日葡辞書「ツッパトタタ(湛)ユル」
つっ‐ぱな・す【突っ放す】
〔他五〕
ツキハナスの音便。
つっ‐ぱ・ねる【突っ撥ねる】
〔他下一〕
(ツキハネルの音便)
①突きとばす。「向かってきた敵を―・ねる」
②突きかえす。
③手きびしく断る。拒否する。はねつける。「賃上げ要求を―・ねる」
つっぱらか・る【突っ張らかる】
〔自五〕
(→)「つっぱる」[一]2に同じ。
つっ‐ぱり【突っ張り・支】
①つっぱること。我意を張ること。
②つっぱるために立てる柱や棒。日葡辞書「ツッパリヲカ(支)ウ」
③相撲のわざの一つ。両腕または左右の腕を交互に伸ばして、手のひらで相手の胸を突くもの。
つっ‐ぱ・る【突っ張る】
(ツキハルの音便)
[一]〔自五〕
①筋などが強く張る。硬直する。「足が―・る」
②強硬な態度で行動する。我意を張る。俗に、目立つ態度で虚勢を張る。つっぱらかる。浮世風呂2「此子の様ないぢの―・つた子はねへよ」。「欲の皮が―・る」「―・った生き方」
[二]〔他五〕
①ものを押しあててささえる。突きあてて押す。「板塀を棒で―・る」
②相撲で、手のひらで相手をはげしく突く。
つつ‐ひめ【筒姫】
夏をつかさどる女神。
つっ‐ぷ・す【突っ伏す】
〔自五〕
(ツキフスの音便)勢いよくうつぶせになる。急にうつぶせになる。「―・して弾丸を避ける」「―・して泣く」
つっぽり
ひとりでさびしそうにしているさま。しょんぼり。浄瑠璃、大経師昔暦「玉は寝もせず寝所に、只―と起きゐたり」
つつま・う【障まふ】ツツマフ
〔自四〕
(ツツムの未然形に接尾語フの付いた語)さしさわりが生ずる。病気になる。万葉集20「事し終らば―・はず帰り来ませと」
つつまし・い【慎ましい】
〔形〕[文]つつま・し(シク)
(「慎つつむ」の形容詞化)
①ある事柄をしたり、ある状態を他に知られたりすることが遠慮される。気恥かしく感じられる。源氏物語若紫「かのまだ見ぬ人々に事々しういひきかせつるを―・しうおぼせど」
②その行為が他から見て控え目である。慎重である。「―・い式典」「―・く振る舞う」
つつまし‐やか【慎ましやか】
控え目で慎み深いさま。「―な物腰」「―に暮らす」
つつ‐まなばしら【
】
鶺鴒せきれいの古称。〈享和本新撰字鏡〉
つつ‐まもり【筒守】
①小さな竹の筒に鈴をつけて小児の守りとするもの。好色二代男「―をもちて神を恨み仏に嘆き」
②紋所の名。筒形の守袋をかたどったもの。ぎおんまもり。まきまもり。→祇園守(図)
つづま‐やか【約やか】
①狭く小さいさま。
②手軽なさま。てみじか。簡約。三蔵法師伝承徳点「理微ふかく言約ツツマヤカなり」
③つつしみぶかいさま。誇張しないさま。色道大鏡「物ごとしなしの―にととのふる人」
④おごりをしないさま。倹約。徒然草「人はおのれを―にし」。「―な暮し」
つづま・る【約まる】
〔自五〕
①小さくなる。短くなる。ちぢまる。今昔物語集26「月日の過ぐるに随ひて命の―・るを」。「語の音おんが―・る」
②簡潔になる。まとまる。浮世草子、好色万金丹「世界の罪は女郎の身一つに―・りぬ」
つつみ【包み・裹み】
①つつむこと。つつんだ物。
②物、特に衣類を包むのに用いるもの。風呂敷。つつみおおい。源氏物語末摘花「―に、衣箱の重りかに古体なる、うち置きて」。「―を広げる」
⇒つつみ‐い【包井】
⇒つつみ‐いい【包み飯・裹み飯】
⇒つつみ‐うち【包み討ち】
⇒つつみ‐おおい【包み覆い】
⇒つつみ‐かくし【包み隠し】
⇒つつみ‐がね【包み金】
⇒つつみ‐がまえ【包構え】
⇒つつみ‐がみ【包み紙】
⇒つつみ‐がわら【包瓦・疏瓦・堤瓦】
⇒つつみ‐きん【包み金】
⇒つつみ‐ぎん【包銀】
⇒つつみ‐ぐそく【裹具足】
⇒つつみ‐じいら【包鱪】
⇒つつみ‐じょう【包状】
⇒つつみ‐どう【包胴】
⇒つつみ‐なき【包み泣き】
⇒つつみ‐びょうし【包表紙】
⇒つつみ‐ぶくろ【包袋】
⇒つつみ‐ぶみ【包み文】
⇒つつみ‐ボタン【包み釦】
⇒つつみ‐もの【包み物】
⇒つつみ‐やき【包み焼】
つつみ【堤】
(湖沼・池・川などを包むものの意)
①湖沼や池・川などの、水が溢れないように土を高く築いたもの。どて。堤防。万葉集14「池の―に」。「―が切れる」
②水をためた池。溜池。〈倭名類聚鈔1〉
③相撲の土俵。土俵場。栄華物語根合「相撲すまいなども、清涼殿にて中宮は御覧ず。…御前に―かきて、月日山などありけり」
⇒つつみ‐ぶぎょう【堤奉行】
つつみ【堤】
姓氏の一つ。
⇒つつみほうざん‐りゅう【堤宝山流】
⇒つつみ‐やすじろう【堤康次郎】
つつみ【慎・恙】
①さしつかえ。障害。また、病気。
②はばかりつつしむこと。つつしみ。遠慮。浜松中納言物語4「―なく入り給ひて」
つづみ【鼓】
①木製で中央部のくびれている胴の両端に革を張った楽器。枠付きの革の縁の孔に調しらべと呼ぶひもを通して表革と裏革とを締め合わせ、右手で打ち鳴らす。大小2種あるが、単に鼓といえば、小鼓を指す。
②古くは、中空の胴の両面に革を張って打ち鳴らす楽器の総称。万葉集11「時守の打ち鳴す―」
③紋所の名。1の形を描いたもの。
④タンポポの異称。鼓草。
⇒つづみ‐うた【鼓唄】
⇒つづみ‐ぐさ【鼓草】
⇒つづみ‐ボタン【鼓釦】
つつみ‐い【包井】‥ヰ
①周囲に垣をめぐらし、勝手に汲めないようにした井戸。また、蓋や屋根で覆って雨や塵の入らないようにした井戸。万葉集14「鈴が音ねの早馬はゆま駅うまやの―の水を賜へな」
②正月、宮中で若水を汲むために、前年から蓋をして封じて置く井戸。
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐いい【包み飯・裹み飯】‥イヒ
強飯こわいいを握り固めて卵形にしたもの。また、木の葉などに包んだ飯。皇太神宮儀式帳「―四百裹」
⇒つつみ【包み・裹み】
つづみ‐うた【鼓唄】
邦楽で、三味線を用いずに大鼓・小鼓だけを伴奏として歌う部分。長唄「鷺娘」「娘七種」など。
⇒つづみ【鼓】
つつみ‐うち【包み討ち】
敵をとりかこんで討つこと。包囲攻撃。
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐おおい【包み覆い】‥オホヒ
物を包みおおうのに用いるもの。風呂敷の類。つつみ。紫式部日記「入帷子いれかたびら・―・下机など」
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐かくし【包み隠し】
物事を包みかくすこと。秘密にすること。「―をするな」
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐かく・す【包み隠す】
〔他五〕
①包んで外から見えないようにする。
②秘密にして人に知らせないようにする。「―・さず打ち明ける」
つつみ‐かざ・る【包み飾る】
〔自四〕
真実を隠してうわべをとりつくろう。
つつみ‐がね【包み金】
①紙などに包んだ金銭。祝儀などに用いる。
②額をいくらと定めずにあてがう金銭。つつみきん。
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐がまえ【包構え】‥ガマヘ
漢字の構えの一つ。「勺」「包」などの構えの「勹」の称。
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐がみ【包み紙】
物を包むのに用いる紙。包装紙。「デパートの―」
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐がわら【包瓦・疏瓦・堤瓦】‥ガハラ
棟を包むのに用いる半円筒形の瓦。
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐きん【包み金】
(→)「つつみがね」に同じ。
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐ぎん【包銀】
江戸時代、銀貨の品位を証明するため、紙に包み、表に銀何枚と記し、裏に封印をして発行したもの。銀座の銀吹人大黒常是じょうぜが丁銀ちょうぎん・豆板銀を包んだ常是包、銀座が南鐐二朱判・一朱銀・二分銀などを包んだ銀座包、本両替屋仲間が包んだ仲間包などがあった。
⇒つつみ【包み・裹み】
つづみ‐ぐさ【鼓草】
タンポポの異称。〈[季]春〉
⇒つづみ【鼓】
つつみ‐ぐそく【裹具足】
皮などで上に覆いをかぶせた武器・武具。〈日葡辞書〉
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐こ・む【包み込む・包み籠む】
〔他五〕
包んで中にすっぽり入れる。また、ある雰囲気・感情が全体をおおう。
つつみ‐じいら【包鱪】
シイラを塩漬にして藁で包んで貯蔵したもの。山陰地方の正月用の魚。
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐じょう【包状】‥ジヤウ
書状を紙で包み、封じたもの。
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐ちゅうなごん【堤中納言】
(賀茂川の堤に近く住んだのでいう)藤原兼輔の異称。
つつみちゅうなごんものがたり【堤中納言物語】
物語集。書名の由来は諸説あり未詳。10編の短編と一つの断章とから成る。「逢坂越えぬ権中納言」の1編は1055年(天喜3)女房小式部作。他の諸編もほぼ平安末期には成立したとされる。それぞれに人生の断面を巧妙に描く。
→文献資料[堤中納言物語]
つつみ‐どう【包胴】
金胴かなどうの表面を綾あや・緞子どんす・繻子しゅす・染革などで包んだもの。
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐なき【包み泣き】
声をしのんで泣くこと。
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐な・し【恙無し】
〔形ク〕
健康である。無事である。つつがなし。万葉集20「―・く妻は待たせと」
つつみ‐にんぎょう【堤人形】‥ギヤウ
「堤焼つつみやき」参照。
つつみ‐びょうし【包表紙】‥ベウ‥
(→)「くるみ表紙」に同じ。
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐ぶぎょう【堤奉行】‥ギヤウ
江戸時代、堤防のことをつかさどった奉行。
⇒つつみ【堤】
つつみ‐ぶくろ【包袋】
物を入れて包むのに用いる袋。
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐ぶみ【包み文】
薄様うすようなどで上を包んだ手紙。枕草子89「紫の紙を―にて房長き藤に付けたる」
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみほうざん‐りゅう【堤宝山流】‥リウ
柔術の一派。下野国芳賀郡の守護職堤山城守宝山が始めたという。
⇒つつみ【堤】
つつみ‐ボタン【包み釦】
服地と同じ布で包みくるんで縫ったボタン。くるみボタン。
⇒つつみ【包み・裹み】
つづみ‐ボタン【鼓釦】
二つのボタンをつないで鼓の形にしたもの。袖口をワイシャツのカフスのようにして二つの孔に通しかけとめる。
⇒つづみ【鼓】
つつみ‐もの【包み物】
布施ふせまたは礼物にすべき金銭・布帛などを包んだもの。増鏡「―は絹十むら、綿一包み」
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐やき【包み焼】
①肉などを物の中に包んで焼くこと。また、その料理。
②フナをハマユウの葉などで包んで焼くこと。また、フナの腹の中に昆布・串柿・焼栗などを入れて焼いたもの。宇治拾遺物語15「鮒の―のありける」
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐やき【堤焼】
陶器の一種。元禄(1688〜1704)の頃、仙台の堤町近くの台原だいのはらで江戸の陶工上村万右衛門が創製したもの。特に土人形は「堤人形」として有名。
つつみ‐やすじろう【堤康次郎】‥ラウ
実業家・政治家。滋賀県生れ。早大卒。衆議院議員、同議長。鉄道・土地開発・流通などから成る西武グループを築く。(1889〜1964)
⇒つつみ【堤】
つつ・む【包む・裹む】
〔他五〕
物をおおって中に入れる。
①全体をおおって中にこめ入れる。万葉集18「沖つ島い行き渡りて潜かずくちふあはび玉もが―・みてやらむ」。平家物語5「ふところより白い布に―・んだる髑髏どくろを一つ取り出す」。「本をふろしきに―・む」
②とりまく。まわりをかこむ。万葉集3「せの海と名づけてあるもその山の―・める海そ」。日葡辞書「シロ(城)ヲツツム」
③心の中にかくす。ひめる。万葉集13「たらちねの母にもいはず―・めりし心はよしゑ君がまにまに」。源氏物語若紫「いみじう―・み給へどしのびがたき気色のもり出づるをりをり」。平家物語10「あまりに悲しくて―・むに堪えぬ涙のみしげかりければ」。「―・みきれない喜び」
④ある雰囲気などがその場全体をおおう。「会場が熱気に―・まれる」
⑤堤を築いて水を防ぐ。〈新撰字鏡5〉
⑥中にもつ。ふくむ。
⑦(紙などに包むことから)人に金品を贈る。「現金を―・む」
つつ・む【慎む】
〔他四〕
(「包む」と同源)
①堪えしのぶ。用心する。蜻蛉日記中「さきのやうにやあらんとて、―・み給ふにやありけん、なほおぼつかなし」
②はばかる。気がねする。遠慮する。源氏物語若紫「大人大人しう恥かしげなるに―・まれて」。平家物語2「或いは世を恐れ、或いは人目を―・むほどに」
つつ・む【障む・恙む】
〔自四〕
さしさわる。さしつかえる。事故にあう。万葉集15「―・む事なくはやかへりませ」。蜻蛉日記下「なかなかなる身の便びなきに―・みて、世人のさわぐ行ひもせで」
つつめ・く【囁く】
〔自四〕
ひそひそとものを言う。つぶやく。ささめく。つつやく。土佐日記「怨えじもこそしたべとて、―・きてやみぬ」
つづ・める【約める】
〔他下一〕[文]つづ・む(下二)
①つづまるようにする。短くする。要約する。法華義疏長保点「長を促ツヅメテ短にあらしむ可からず」。平家物語10「弥陀如来、六十万億那由多恒河沙の御身を―・め」。「―・めて言えば」
②簡潔にする。切りつめる。質素にする。日葡辞書「ショタイ(所帯)ヲツヅムル」
つつ‐もたせ【美人局】
(「筒持たせ」の意か。もと博徒ばくとの語という。「美人局」の文字は「武林旧事」などに見えて、中国の元の頃、娼妓を妾と偽って少年などをあざむいた犯罪を言ったのに始まる)夫ある女が夫となれあいで他の男と姦通し、姦夫から金銭などをゆすり取ること。なれあいまおとこ。
つつや・く【囁く】
〔自四〕
(ツヅヤクとも)つぶやく。ささやく。類聚名義抄「訽、ツツメク・ツツヤク」
つつ‐やみ【惣闇】
まっくら闇。つつくら。落窪物語1「―にて、笑ふ笑ふ道のあしきをよろぼひおはするほどに」
つづら【葛】
①ツヅラフジなど、野生の蔓植物の総称。万葉集14「かみつけの安蘇山―野を広み」
②襲かさねの色目。表は黒みのある青、裏は薄青。
③(「葛籠」と書く)衣服を入れる、アオツヅラの蔓で編んだかご。後には竹やヒノキの薄板で作り、上に紙を貼った。つづらこ。
葛
⇒つづら‐うま【葛籠馬】
⇒つづら‐えびら【葛箙】
⇒つづら‐おり【葛折】
⇒つづら‐がさ【葛笠・葛籠笠】
⇒つづら‐きっつけ【葛切付】
⇒つづら‐こ【葛籠】
⇒つづら‐ふじ【葛藤・防已】
⇒つづらふじ‐か【葛藤科】
⇒つづら‐ぼうし【葛帽子】
⇒つづら‐まわし【葛籠回し】
つづら‐うま【葛籠馬】
背の両側に葛籠をつけ、その中に人を乗せた馬。はたごうま。松の葉5「さても見事なお―よ」
⇒つづら【葛】
つづら‐えびら【葛箙】
ツヅラフジで編んだ箙。衛府えふ貸与の随身ずいじんなどの用いた狩箙かりえびら。
⇒つづら【葛】
つづら‐おり【葛折】‥ヲリ
(ツヅラフジの蔓のように折れ曲がっている意。「九十九折」とも書く)
①幾重にも曲がりくねった坂路。羊腸。源氏物語若紫「ただこの―の下に」
②馬術で、馬が横歩みするとき乗手が逆らわずに馬のするままにさせること。
⇒つづら【葛】
つづ‐らか
眼を見張るさま。新撰字鏡2「盰、張目之
、目豆々良加尓須」。栄華物語花山「目も―なる小法師にて」
つづら‐がさ【葛笠・葛籠笠】
ツヅラフジで編んだ網代笠あじろがさ。近江国水口みなくち産で、形は市女笠いちめがさに似て、中のみねがやや低い。天和(1681〜1684)の頃女子の間で流行し、のち、風流を好む江戸の男子も用いた。西鶴織留2「辻辻のぬけたる―を被き」
葛笠
⇒つづら【葛】
つづら‐きっつけ【葛切付】
ツヅラフジで編みあげた下鞍したぐら。
⇒つづら【葛】
つづら‐こ【葛籠】
(→)「つづら」3に同じ。
⇒つづら【葛】
つづら‐ふじ【葛藤・防已】‥フヂ
ツヅラフジ科の蔓性落葉木本。西日本の暖地に生える。蔓は長く平滑で他物に巻き付く。葉は大きく卵円形、しばしば浅く5裂。雌雄異株。夏、淡緑色の小花をつけ、果実は黒熟。根を乾したものは生薬の防已ぼういで、利尿剤とする。蔓は非常に強く、かごなどを編む。オオツヅラフジ。ツタノハカズラ。アオツヅラ。
⇒つづら【葛】
つづらふじ‐か【葛藤科】‥フヂクワ
双子葉植物の一科。蔓になるものが多い。世界の温帯に広く分布、65属350種ある。ツヅラフジ・アオツヅラフジ・ハスノハカズラなど。
⇒つづら【葛】
つづらぶみ【藤簍冊子】
上田秋成の自撰歌文集。6巻6冊。1804年(文化1)成立、05年前半3巻3冊を、06年6巻6冊本を刊行。歌・紀行・文集から成る。
つづら‐ぼうし【葛帽子】
葛笠つづらがさの異称。狂言、庵の梅「北嵯峨の踊りは、―をしやんと着て」
⇒つづら【葛】
つづら‐まわし【葛籠回し】‥マハシ
江戸吉原で、遊女の夜具・布団を葛籠に入れて持ち歩いた男。
⇒つづら【葛】
つづり【綴り】
①つづること。つづったもの。
②つぎあわせた着物。粗衣。また、袈裟。僧衣。今昔物語集15「頭の髪は三、四寸ばかりに生ひて―を着たり」
③(spelling)印欧語などの単語を構成する字母の配列。
⇒つづり‐かた【綴方】
⇒つづり‐させ
⇒つづり‐じ【綴り字】
⇒つづり‐の‐そで【綴りの袖】
つづり‐あわ・せる【綴り合わせる】‥アハセル
〔他下一〕[文]つづりあは・す(下二)
つづって一つにまとめる。「書類を―・せる」
つづり‐かた【綴方】
①文章の作り方。作文。もと、小学校の教科目の一つ。
②ローマ字など、文字を連ねて語を書き表す方法。スペリング。
⇒つづり【綴り】
つづり‐させ
(衣を綴り刺せの意に寄せて、冬の用意に衣服を作れとの意)キリギリス(今のコオロギ)の鳴き声。つづれさせ。古今和歌集雑体「―てふきりぎりす鳴く」
⇒つづり【綴り】
つづり‐じ【綴り字】
(→)「綴り」3に同じ。
⇒つづり【綴り】
つづり‐の‐そで【綴りの袖】
つづり合わせて仕立てた粗末な衣の袖の意で、僧衣をいう。古今和歌集旅「手向けには―も着るべきに」
⇒つづり【綴り】
つづ・る【綴る】
〔他五〕
①継ぎあわす。とじあわす。家持集「きりぎりすわがきぬ―・れ」。「ほころびを―・る」
②言葉を連ねて詩歌・文章を作る。日葡辞書「コトバヲツヅル」。「思いを―・る」
③字母を連ねて語を書く。「ローマ字で日本語を―・る」
つづれ【綴れ】
①破れたのを継ぎつづった衣。やぶれごろも。つづれごろも。浄瑠璃、心中宵庚申「―の肩を裙すそに結び」
②(→)裂織さきおりに同じ。
⇒つづれ‐おり【綴れ織】
⇒つづれ‐ごろも【綴れ衣】
⇒つづれさせ‐こおろぎ【綴れ刺せ蟋蟀】
⇒つづれ‐にしき【綴れ錦】
つづれ‐おり【綴れ織】
①(→)「綴れ錦」に同じ。
②綴れ錦を模した紋織物。
⇒つづれ【綴れ】
つづれ‐ごろも【綴れ衣】
(→)綴つづれ1に同じ。
⇒つづれ【綴れ】
つづれさせ‐こおろぎ【綴れ刺せ蟋蟀】‥コホロギ
コオロギ科の一種。体長約1.5センチメートル。黒褐色で、頭部は円くて角ばらない。畑や草地に多い。鳴き声が、「針刺せ、糸刺せ、綴れ刺せ」と聞こえるというところからこの名があり、その由来は平安時代にさかのぼる。
ツヅレサセコオロギ(雌)
撮影:海野和男
⇒つづれ【綴れ】
つづれ‐にしき【綴れ錦】
①文様を織り出す最も古い技法。エジプトのコプト織、フランスのゴブラン織などがこれに当たる。下絵を経糸たていとの下に置き、下絵の色どり通り絵緯えぬきの杼ひで縫い取るように織り進める。日本では奈良時代から製織。帯地・袱紗ふくさ・壁掛などにされる。京都西陣の特産。
②古典などの美辞麗句を使った文章をあざけっていう語。つづれのにしき。
⇒つづれ【綴れ】
って
〔助詞〕
①引用を表す格助詞「と」のくだけた言い方。「知らない―言った」「要らないから返す―」「行くの、いやだ―」
②「とは」「という」「といって」の意。「君―ほんとにいい人だ」「何だ―そう騒ぐのだ」
③前のことに反することが後に続くことを示す。「いくら頼まれた―できない」
④(文末に「か―」の形で用い)反語を表す。「そんなこと知るか―」
つて【伝】
(動詞ツ(伝)ツの連用形からか。一説に、ツタヘの転)
①ことづて。ひとづて。源氏物語若菜上「―にうけたまはれば」
②てづる。てがかり。日葡辞書「ツテヲキイテフミ(文)ヲヤラウズ」。「あの会社には―がない」
③物のついで。源氏物語椎本「―に見し宿の桜を」
つて‐ごと【伝言】
(古くはツテコト)言い伝えることば。うわさ。でんごん。天智紀「何の―ただにしえけむ」
ってば
〔助詞〕
⇒てば
つてん【通典】
(ツデンとも)中国歴代の諸制度の沿革を通観した書。唐の杜佑(735〜812)撰。200巻。801年成る。上古より唐に至り、食貨・礼など9部門から成る。→九通
つと【苞・苞苴】
①わらなどを束ねて物を包んだもの。わらづと。あらまき。
②携えてゆくその地の産物。土産どさん。万葉集3「浜―乞こはば何を示さむ」
③みやげ。いえづと。万葉集20「貝にありせば―にせましを」
つと【髱】
女の髪の、後と左右とへ張り出したところ。たぼ。
つ‐と
〔副〕
①動かずに、ある状態を続けるさまにいう語。じっと。つっと。源氏物語夕顔「君に―添ひたてまつりて」
②つくづく。じっくりと。枕草子33「講師の顔を―まもらへたるこそ」
③急に動作するさま。さっと。突然。宇津保物語蔵開下「女君を―かき寄せて」
つ‐ど【都度】
そのたびごと。毎回。「その―」「上京する―立ち寄る」
つと‐あげ【髱上げ】
結髪の道具。鯨鬚くじらひげ、水牛の角などでつくり、女の髱たぼの毛をかきなで、鬢びんを張り出して結ぶのに用いるもの。
つどい【集い】ツドヒ
①集まり。会合。「音楽の―」
②あつめたもの。万葉集18「白玉のいほつ―を手に結び」
つと‐いり【衝突入り】
伊勢の宇治山田地方で、陰暦7月16日に自由に他人の家に入って秘蔵の器物や妻女などを遠慮なく見るのを許された風習。〈[季]秋〉。「―や知る人に逢ふ拍子ぬけ」(蕪村)
つと‐いれ【髱入れ】
(→)「たぼさし」に同じ。
つ‐とう【津藤】
(津国屋藤兵衛の略)「細木藤兵衛さいきとうべえ」参照。
つど・う【集う】ツドフ
[一]〔自五〕
集まる。寄り合う。寄り集まる。万葉集20「国々の防人―・ひ」。「一堂に―・う」
[二]〔他下二〕
集める。寄せ集める。万葉集3「もののふの八十伴の男を召し―・へ」
つと‐がみ【髱髪】
たぼの出た髪。たぼがみ。
つと‐きび【苞黍】
トウモロコシの別称。
つと‐さし【髱差し】
(→)「たぼさし」に同じ。
つとっこ
もち米に粟あわや米を加え、小豆とともにとちや柏の葉で包み、ゆでたり蒸したりしたもの。群馬県や埼玉県の郷土料理。
つど‐つど【都度都度】
①そのたびごと。毎度。「その―」
②こまごま。くわしく。浄瑠璃、今宮の心中「在所の嫁入をお止めなされ下されと、―語る下心」
つと‐どうふ【苞豆腐】
水切りした豆腐をすりつぶし、棒状にして、わらづとなどに入れ、固く締めて蒸したもの。菰こも豆腐。魚のすり身・野菜・卵白・山芋などを加えて作ることもある。
つとなし‐の‐なげしまだ【髱無しの投島田】
つとを出さずに、髷まげを後へ倒れるように結った島田髷。好色一代女1「―、隠しむすびの浮世髻うきよもとゆいといふ事も、我改めての物好み」
つと‐なっとう【苞納豆】
わらづとに包んだ納豆。
つと‐に【夙に】
〔副〕
①朝早く。早朝に。万葉集10「―行く雁の鳴く音ねは」
②早くから。以前から。「―知られていた」「―才能をあらわす」
つと‐ばさみ【髱挟み】
女子の結髪具の一つ。つとを挟むもの。
つとま・る【勤まる・務まる】
〔自五〕
つとめることができる。役目に堪えられる。「とても―・りそうもない」
つと・む【勤む・努む・務む・力む・勉む】
〔他下二〕
⇒つとめる(下一)
つとめ【勤め・務め】
①つとめること。つとむべきこと。任務。義務。三蔵法師伝承徳点「京師には務ツトメ多し」。「市民としての―」
②仏前で毎日読経すること。勤行ごんぎょう。源氏物語若紫「後の世の―もいとよくして」
③仕えて仕事をすること。また、その仕事。勤務。役目。奉公。「―に出る」「―をかえる」
④遊女などの稼業。
⑤妓楼での勘定。揚代あげだいの支払い。洒落本、商内神あきないがみ「権さんの―はおれがだしてゐるが」
◇1には「務」、2〜5には「勤」を主として使う。
⇒つとめかた‐ちょう【勤方帳】
⇒つとめ‐ぎ【勤め気】
⇒つとめ‐ぐち【勤め口】
⇒つとめ‐こ【勤め子】
⇒つとめ‐ざかり【勤め盛り】
⇒つとめ‐さき【勤め先】
⇒つとめ‐にん【勤め人】
⇒つとめ‐ぼうこう【勤め奉公】
⇒つとめ‐むき【勤め向き】
つ‐どめ【津留】
戦国大名などが、軍略上、物資の領域外への移出を禁止したこと。
つとめ‐あ・げる【勤め上げる】
〔他下一〕
①仕事をやりとげるまで勤める。職務をまっとうする。
②一定の任期を終える。特に、奉公の年季を終える。「停年まで―・げる」
つとめかた‐ちょう【勤方帳】‥チヤウ
①江戸時代、幕府直轄の郡代・代官などから、その職務考課のために1年間の取扱事項を列挙して幕府に提出した報告書。
②江戸時代、商人が幕府または諸大名に金穀その他の物品を融通する時、その明細を書き留めた帳簿。
⇒つとめ【勤め・務め】
つとめ‐ぎ【勤め気】
遊女などが客に接する、職業上の通り一遍の情。
⇒つとめ【勤め・務め】
つとめ‐ぐち【勤め口】
勤めるところ。勤め先。「―をさがす」
⇒つとめ【勤め・務め】
つとめ‐こ【勤め子】
客商売をする妓女。
⇒つとめ【勤め・務め】
つとめ‐ざかり【勤め盛り】
最も勤務に熟練している年頃であること。
⇒つとめ【勤め・務め】
つとめ‐さき【勤め先】
勤めているところ。勤務先。
⇒つとめ【勤め・務め】
つとめ‐て
①早朝。あかつき。枕草子1「冬は―」
②(前夜事のあった、その)翌朝。伊勢物語「その夜南の風吹きて浪いと高し。―その家の女の子ども」
つとめ‐て【努めて・勉めて・力めて】
〔副〕
強いて心を励まして。無理にも。おして。できるだけ。三蔵法師伝承徳点「務ツトメテ正理を存す」。「―平気を装う」
つとめ‐にん【勤め人】
官庁・会社などに勤務している人。
⇒つとめ【勤め・務め】
つとめ‐ぼうこう【勤め奉公】
①店員・女中・下男などになって働くこと。
②芸娼妓または妾などになること。
⇒つとめ【勤め・務め】
つとめ‐むき【勤め向き】
①つとめに関すること。勤務上のこと。
②つとめているところ。つとめさき。
⇒つとめ【勤め・務め】
つと・める【勤める・努める・務める・力める・勉める】
〔他下一〕[文]つと・む(下二)
①力を尽くして行う。努力する。万葉集20「名に負ふ伴の緒お心―・めよ」。徒然草「道を知る者は植うる事を―・む」。「看護に―・める」
②つつしむ。自愛する。万葉集2「足ひく吾が背―・めたぶべし」
③仏事を修める。勤行ごんぎょうする。源氏物語若紫「初夜いまだ―・め侍らず」。平家物語3「十二の年尼になり、奈良の法華寺に―・めすまして」
④仕える。勤務する。「会社に―・める」
⑤役目として事を行う。劇などの役を演ずる。徒然草「或る人、任大臣の節会の内弁を―・められけるに」。天草本伊曾保物語「貝を吹くこと、この家の役なれば―・むるまでぢや」。「主役を―・める」「議長を―・める」
⑥値段を引く。勉強する。「十円だけ―・めましょう」
◇1にはふつう「努」を使い、「力」「勉」を用いる場合もある。3・4には「勤」、5には「務」を使う。
つな【綱】
(「つた(蔦)」と同源)
①植物繊維または針金などを太く長く撚より合わせたもの。物を結びつなぐのに用いる。万葉集14「津にをる舟の…―は絶ゆとも」
②つた。万葉集6「石いわ―のまた変若おち反り」
③すがって頼りとするもの。源氏物語東屋「おぼし放つまじき―も侍るを」。「命の―」「頼みの―」
④相撲で、横綱の力士が締める注連縄しめなわ。
ツナ【tuna アメリカ】
まぐろ。特に、缶詰のまぐろ。
つな‐うち【綱打ち】
糸を撚よって綱を作ること。特に相撲で、横綱の綱を作ること。
⇒つなうち‐せっく【綱打ち節供】
つなうち‐せっく【綱打ち節供】
正月15日あるいは20日、牛馬用の縄・荷縄などを作り、祝う行事。
⇒つな‐うち【綱打ち】
つなが‐い【綱長井】‥ヰ
つるべの綱の長い井戸の意で、水の枯れない霊妙な井戸。また、そこに宿る井戸の神。祝詞、祈年祭「生く井・栄さく井・―・あすは・はひきと御名は申して」
つながり【繋がり】
①つながること。また、そのもの。
②きずな。連繋。関係。「血の―」
つなが・る【繋がる】
〔自五〕
①つらなり続く。継続する。「貨車が何台も―・る」「首が―・る」
②ひかれる。ほだされる。「情に―・る」
③結ばれる。関連する。「事件に―・る」「成功に―・る」
つなぎ【繋ぎ】
①つなぐこと。つなぐもの。
②次の事にかかるまで仮に行う物事。「―に一曲歌う」
③歌舞伎で、場面転換の間の時間を、音楽を演奏したり拍子木を打ったりしてつなぐこと。
④(→)「掛かけ繋ぎ取引」に同じ。
⑤料理で、ねばり気のないものに入れて、離れたりくずれたりするのを防ぐために用いる材料。「蕎麦そばの―」
⑥上下がつながっている作業服。また、その形の一般用の服。
⇒つなぎ‐いとおり【繋糸織】
⇒つなぎ‐うま【繋馬】
⇒つなぎ‐うり【繋ぎ売り】
⇒つなぎ‐こうでん【繋ぎ香奠】
⇒つなぎ‐しきん【繋ぎ資金】
⇒つなぎ‐じろ【繋ぎ城】
⇒つなぎ‐ぜに【繋ぎ銭】
⇒つなぎ‐どや【繋ぎ鳥屋】
⇒つなぎ‐とりひき【繋ぎ取引】
⇒つなぎ‐ばしら【繋ぎ柱】
⇒つなぎ‐ぶね【繋ぎ船】
⇒つなぎ‐め【繋ぎ目】
⇒つなぎ‐ゆうし【繋ぎ融資】
つなぎ‐あわ・せる【繋ぎ合わせる】‥アハセル
〔他下一〕[文]つなぎあは・す(下二)
いくつかの物事をつないで一つにする。
つなぎ‐いとおり【繋糸織】
糸織の一種。糸織と同一の経糸たていとに、屑絹糸または結び目を作った糸を緯糸よこいとに使って平織組織としたもの。
⇒つなぎ【繋ぎ】
つなぎ‐うま【繋馬】
①綱でつなぎとめた馬。
②紋所の名。杭につないだ馬のさまを図案化したもの。
⇒つなぎ【繋ぎ】
つなぎ‐うり【繋ぎ売り】
(→)「売繋ぎ」に同じ。→掛繋ぎ取引。
⇒つなぎ【繋ぎ】
つなぎ‐こうでん【繋ぎ香奠】‥カウ‥
(中国地方西部で)同じ組内でする香奠。
⇒つなぎ【繋ぎ】
つなぎ‐しきん【繋ぎ資金】
事業資金のやりくりが一時つかなくなった場合、その間隙をうめるため、近く入金予定の資金を担保として融通を受ける一時的な借入金。
⇒つなぎ【繋ぎ】
つなぎ‐じろ【繋ぎ城】
二つの城の連絡をとるため、その中間の要害の地に築いた城。
⇒つなぎ【繋ぎ】
つなぎ‐ぜに【繋ぎ銭】
緡さしに通してつないだ銭。
⇒つなぎ【繋ぎ】
つなぎ‐と・める【繋ぎ止める】
〔他下一〕[文]つなぎと・む(下二)
離れて行かないようにしっかりとつなぐ。「馬を―・める」「関心を―・めようと努力する」
つなぎ‐どや【繋ぎ鳥屋】
鷹をつないでおく小屋。〈日葡辞書〉
⇒つなぎ【繋ぎ】
つなぎ‐とりひき【繋ぎ取引】
(→)「掛繋ぎ取引」に同じ。
⇒つなぎ【繋ぎ】
つなぎ‐ばしら【繋ぎ柱】
家畜などをつないでおく柱。〈日葡辞書〉
⇒つなぎ【繋ぎ】
つなぎ‐ぶね【繋ぎ船】
①河岸につなぎとめた船。けいせん。
②つなぎ合わせて伴って行く船。
⇒つなぎ【繋ぎ】
つなぎ‐め【繋ぎ目】
つなぎ合わせた部分。
⇒つなぎ【繋ぎ】
つなぎ‐ゆうし【繋ぎ融資】
より有利な融資を受けるまでの間、一時的に繋ぎとして行われる融資。
⇒つなぎ【繋ぎ】
つな‐ぐ【綱具】
綱で製した船具の総称。また、綱に付属した滑車など。
つな・ぐ【繋ぐ】
[一]〔他五〕
(「綱」を活用させた語)
①糸・綱などで1カ所に物を結びとめて離れないようにする。万葉集16「法師らがひげの剃杭馬―・ぎいたくな引きそ法師は泣かむ」。源氏物語少女「―・がぬ舟に乗りて池に離れいでて」。天草本平家物語「水の底には大綱を張り、逆茂木を―・いで流しかけた」。「犬を―・ぐ」
②切れたり離れたりしているものを続け合わせる。「糸を―・ぐ」「手を―・ぐ」「電話を―・ぐ」
③長く続くようにする。絶えないようにする。浄瑠璃、源氏冷泉節「―・ぐ命の憂き三年」。「望みを―・ぐ」
④とらえる。束縛する。わが方へ引きとめる。傾城禁短気「船町の喜田に末は―・がるる心底か」。「獄に―・ぐ」
⑤ひく。ほだす。「娘の縁に―・がれて」
⑥血痕・足跡などをたよりに、逃げた獣のあとをつける。たどる。万葉集16「射ゆししを―・ぐ川辺の和草にこぐさの」。平家物語8「男の帰らむ時、しるしを付けて行かむ方を―・いで見よ」
[二]〔他下二〕
⇒つなげる(下一)
つな‐くり【綱繰】
船首にあって、錨綱いかりづなや小錨を収めておく所。〈日葡辞書〉
つな‐ぐるま【綱車】
ロープ車のこと。
つな・げる【繋げる】
〔他下一〕[文]つな・ぐ(下二)
切れ、または離れているものを続け合わせる。つなぐ。
つなし【鯯】
コノシロの幼魚で、コハダより大きい頃の名。万葉集17「―とる氷見ひみの江過ぎて」
つなしま【綱島】
姓氏の一つ。
⇒つなしま‐りょうせん【綱島梁川】
つなしま‐りょうせん【綱島梁川】‥リヤウ‥
思想家・評論家。名は栄一郎。岡山県生れ。早大卒。美術・文芸評論で活躍し、宗教に関心を深め、「予が見神の実験」は反響を呼ぶ。著「西洋倫理学史」「病間録」など。(1873〜1907)
⇒つなしま【綱島】
つな‐すくみ【綱竦み】
手綱を引いても、馬がすくんで進まないこと。浄瑠璃、丹波与作待夜の小室節「畜類ながら性あれば、最期を惜しむ―かや」
つな‐そ【綱麻】
シナノキ科の多年
ツツドリ
提供:OPO
→鳴声
提供:NHKサービスセンター
つつ‐なえ【筒苗】‥ナヘ
苗代なわしろの稲の茎が立って筒のようになったもの。
つつなわせ‐どり【つつなはせ鳥】‥ナハセ‥
①鶺鴒せきれいの異称。
②雁がんの異称。
つつ‐ぬき【筒抜き】
筒を引き抜くように首を抜くこと。狂言、空腕「―、筒切、大げさ、小げさ、から竹割り」
つつ‐ぬき【筒貫】
幕を張るため、立てた柱の上部を相互につなぐ横木。
つつ‐ぬけ【筒抜け】
(筒の底が抜けていて、さえぎるものがない意から)
①話し声がそのまま聞こえること。また、話したことや内密の計画などがすぐ他に伝わること。「暗号文が敵に―だ」
②素通りして通り抜けること。金銭を収入があるに従って費消してしまうこと。「親の忠告も右から左へ―だ」
つつ‐ばさみ【筒挟】
和船で、帆柱を受ける筒7を両側から挟む、筒の上端より突き出た2本の柱。→和船(図)
つつ‐ばしら【筒柱】
(→)筒7に同じ。
つっ‐ぱし・る【突っ走る】
〔自五〕
(ツキハシルの音便)
①勢いよく、まっしぐらに走る。
②向う見ずに行動を進める。
つっぱ‐と
〔副〕
いっぱいに満ちるさま。溢れるさま。日葡辞書「ツッパトタタ(湛)ユル」
つっ‐ぱな・す【突っ放す】
〔他五〕
ツキハナスの音便。
つっ‐ぱ・ねる【突っ撥ねる】
〔他下一〕
(ツキハネルの音便)
①突きとばす。「向かってきた敵を―・ねる」
②突きかえす。
③手きびしく断る。拒否する。はねつける。「賃上げ要求を―・ねる」
つっぱらか・る【突っ張らかる】
〔自五〕
(→)「つっぱる」[一]2に同じ。
つっ‐ぱり【突っ張り・支】
①つっぱること。我意を張ること。
②つっぱるために立てる柱や棒。日葡辞書「ツッパリヲカ(支)ウ」
③相撲のわざの一つ。両腕または左右の腕を交互に伸ばして、手のひらで相手の胸を突くもの。
つっ‐ぱ・る【突っ張る】
(ツキハルの音便)
[一]〔自五〕
①筋などが強く張る。硬直する。「足が―・る」
②強硬な態度で行動する。我意を張る。俗に、目立つ態度で虚勢を張る。つっぱらかる。浮世風呂2「此子の様ないぢの―・つた子はねへよ」。「欲の皮が―・る」「―・った生き方」
[二]〔他五〕
①ものを押しあててささえる。突きあてて押す。「板塀を棒で―・る」
②相撲で、手のひらで相手をはげしく突く。
つつ‐ひめ【筒姫】
夏をつかさどる女神。
つっ‐ぷ・す【突っ伏す】
〔自五〕
(ツキフスの音便)勢いよくうつぶせになる。急にうつぶせになる。「―・して弾丸を避ける」「―・して泣く」
つっぽり
ひとりでさびしそうにしているさま。しょんぼり。浄瑠璃、大経師昔暦「玉は寝もせず寝所に、只―と起きゐたり」
つつま・う【障まふ】ツツマフ
〔自四〕
(ツツムの未然形に接尾語フの付いた語)さしさわりが生ずる。病気になる。万葉集20「事し終らば―・はず帰り来ませと」
つつまし・い【慎ましい】
〔形〕[文]つつま・し(シク)
(「慎つつむ」の形容詞化)
①ある事柄をしたり、ある状態を他に知られたりすることが遠慮される。気恥かしく感じられる。源氏物語若紫「かのまだ見ぬ人々に事々しういひきかせつるを―・しうおぼせど」
②その行為が他から見て控え目である。慎重である。「―・い式典」「―・く振る舞う」
つつまし‐やか【慎ましやか】
控え目で慎み深いさま。「―な物腰」「―に暮らす」
つつ‐まなばしら【
】
鶺鴒せきれいの古称。〈享和本新撰字鏡〉
つつ‐まもり【筒守】
①小さな竹の筒に鈴をつけて小児の守りとするもの。好色二代男「―をもちて神を恨み仏に嘆き」
②紋所の名。筒形の守袋をかたどったもの。ぎおんまもり。まきまもり。→祇園守(図)
つづま‐やか【約やか】
①狭く小さいさま。
②手軽なさま。てみじか。簡約。三蔵法師伝承徳点「理微ふかく言約ツツマヤカなり」
③つつしみぶかいさま。誇張しないさま。色道大鏡「物ごとしなしの―にととのふる人」
④おごりをしないさま。倹約。徒然草「人はおのれを―にし」。「―な暮し」
つづま・る【約まる】
〔自五〕
①小さくなる。短くなる。ちぢまる。今昔物語集26「月日の過ぐるに随ひて命の―・るを」。「語の音おんが―・る」
②簡潔になる。まとまる。浮世草子、好色万金丹「世界の罪は女郎の身一つに―・りぬ」
つつみ【包み・裹み】
①つつむこと。つつんだ物。
②物、特に衣類を包むのに用いるもの。風呂敷。つつみおおい。源氏物語末摘花「―に、衣箱の重りかに古体なる、うち置きて」。「―を広げる」
⇒つつみ‐い【包井】
⇒つつみ‐いい【包み飯・裹み飯】
⇒つつみ‐うち【包み討ち】
⇒つつみ‐おおい【包み覆い】
⇒つつみ‐かくし【包み隠し】
⇒つつみ‐がね【包み金】
⇒つつみ‐がまえ【包構え】
⇒つつみ‐がみ【包み紙】
⇒つつみ‐がわら【包瓦・疏瓦・堤瓦】
⇒つつみ‐きん【包み金】
⇒つつみ‐ぎん【包銀】
⇒つつみ‐ぐそく【裹具足】
⇒つつみ‐じいら【包鱪】
⇒つつみ‐じょう【包状】
⇒つつみ‐どう【包胴】
⇒つつみ‐なき【包み泣き】
⇒つつみ‐びょうし【包表紙】
⇒つつみ‐ぶくろ【包袋】
⇒つつみ‐ぶみ【包み文】
⇒つつみ‐ボタン【包み釦】
⇒つつみ‐もの【包み物】
⇒つつみ‐やき【包み焼】
つつみ【堤】
(湖沼・池・川などを包むものの意)
①湖沼や池・川などの、水が溢れないように土を高く築いたもの。どて。堤防。万葉集14「池の―に」。「―が切れる」
②水をためた池。溜池。〈倭名類聚鈔1〉
③相撲の土俵。土俵場。栄華物語根合「相撲すまいなども、清涼殿にて中宮は御覧ず。…御前に―かきて、月日山などありけり」
⇒つつみ‐ぶぎょう【堤奉行】
つつみ【堤】
姓氏の一つ。
⇒つつみほうざん‐りゅう【堤宝山流】
⇒つつみ‐やすじろう【堤康次郎】
つつみ【慎・恙】
①さしつかえ。障害。また、病気。
②はばかりつつしむこと。つつしみ。遠慮。浜松中納言物語4「―なく入り給ひて」
つづみ【鼓】
①木製で中央部のくびれている胴の両端に革を張った楽器。枠付きの革の縁の孔に調しらべと呼ぶひもを通して表革と裏革とを締め合わせ、右手で打ち鳴らす。大小2種あるが、単に鼓といえば、小鼓を指す。
②古くは、中空の胴の両面に革を張って打ち鳴らす楽器の総称。万葉集11「時守の打ち鳴す―」
③紋所の名。1の形を描いたもの。
④タンポポの異称。鼓草。
⇒つづみ‐うた【鼓唄】
⇒つづみ‐ぐさ【鼓草】
⇒つづみ‐ボタン【鼓釦】
つつみ‐い【包井】‥ヰ
①周囲に垣をめぐらし、勝手に汲めないようにした井戸。また、蓋や屋根で覆って雨や塵の入らないようにした井戸。万葉集14「鈴が音ねの早馬はゆま駅うまやの―の水を賜へな」
②正月、宮中で若水を汲むために、前年から蓋をして封じて置く井戸。
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐いい【包み飯・裹み飯】‥イヒ
強飯こわいいを握り固めて卵形にしたもの。また、木の葉などに包んだ飯。皇太神宮儀式帳「―四百裹」
⇒つつみ【包み・裹み】
つづみ‐うた【鼓唄】
邦楽で、三味線を用いずに大鼓・小鼓だけを伴奏として歌う部分。長唄「鷺娘」「娘七種」など。
⇒つづみ【鼓】
つつみ‐うち【包み討ち】
敵をとりかこんで討つこと。包囲攻撃。
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐おおい【包み覆い】‥オホヒ
物を包みおおうのに用いるもの。風呂敷の類。つつみ。紫式部日記「入帷子いれかたびら・―・下机など」
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐かくし【包み隠し】
物事を包みかくすこと。秘密にすること。「―をするな」
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐かく・す【包み隠す】
〔他五〕
①包んで外から見えないようにする。
②秘密にして人に知らせないようにする。「―・さず打ち明ける」
つつみ‐かざ・る【包み飾る】
〔自四〕
真実を隠してうわべをとりつくろう。
つつみ‐がね【包み金】
①紙などに包んだ金銭。祝儀などに用いる。
②額をいくらと定めずにあてがう金銭。つつみきん。
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐がまえ【包構え】‥ガマヘ
漢字の構えの一つ。「勺」「包」などの構えの「勹」の称。
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐がみ【包み紙】
物を包むのに用いる紙。包装紙。「デパートの―」
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐がわら【包瓦・疏瓦・堤瓦】‥ガハラ
棟を包むのに用いる半円筒形の瓦。
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐きん【包み金】
(→)「つつみがね」に同じ。
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐ぎん【包銀】
江戸時代、銀貨の品位を証明するため、紙に包み、表に銀何枚と記し、裏に封印をして発行したもの。銀座の銀吹人大黒常是じょうぜが丁銀ちょうぎん・豆板銀を包んだ常是包、銀座が南鐐二朱判・一朱銀・二分銀などを包んだ銀座包、本両替屋仲間が包んだ仲間包などがあった。
⇒つつみ【包み・裹み】
つづみ‐ぐさ【鼓草】
タンポポの異称。〈[季]春〉
⇒つづみ【鼓】
つつみ‐ぐそく【裹具足】
皮などで上に覆いをかぶせた武器・武具。〈日葡辞書〉
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐こ・む【包み込む・包み籠む】
〔他五〕
包んで中にすっぽり入れる。また、ある雰囲気・感情が全体をおおう。
つつみ‐じいら【包鱪】
シイラを塩漬にして藁で包んで貯蔵したもの。山陰地方の正月用の魚。
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐じょう【包状】‥ジヤウ
書状を紙で包み、封じたもの。
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐ちゅうなごん【堤中納言】
(賀茂川の堤に近く住んだのでいう)藤原兼輔の異称。
つつみちゅうなごんものがたり【堤中納言物語】
物語集。書名の由来は諸説あり未詳。10編の短編と一つの断章とから成る。「逢坂越えぬ権中納言」の1編は1055年(天喜3)女房小式部作。他の諸編もほぼ平安末期には成立したとされる。それぞれに人生の断面を巧妙に描く。
→文献資料[堤中納言物語]
つつみ‐どう【包胴】
金胴かなどうの表面を綾あや・緞子どんす・繻子しゅす・染革などで包んだもの。
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐なき【包み泣き】
声をしのんで泣くこと。
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐な・し【恙無し】
〔形ク〕
健康である。無事である。つつがなし。万葉集20「―・く妻は待たせと」
つつみ‐にんぎょう【堤人形】‥ギヤウ
「堤焼つつみやき」参照。
つつみ‐びょうし【包表紙】‥ベウ‥
(→)「くるみ表紙」に同じ。
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐ぶぎょう【堤奉行】‥ギヤウ
江戸時代、堤防のことをつかさどった奉行。
⇒つつみ【堤】
つつみ‐ぶくろ【包袋】
物を入れて包むのに用いる袋。
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐ぶみ【包み文】
薄様うすようなどで上を包んだ手紙。枕草子89「紫の紙を―にて房長き藤に付けたる」
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみほうざん‐りゅう【堤宝山流】‥リウ
柔術の一派。下野国芳賀郡の守護職堤山城守宝山が始めたという。
⇒つつみ【堤】
つつみ‐ボタン【包み釦】
服地と同じ布で包みくるんで縫ったボタン。くるみボタン。
⇒つつみ【包み・裹み】
つづみ‐ボタン【鼓釦】
二つのボタンをつないで鼓の形にしたもの。袖口をワイシャツのカフスのようにして二つの孔に通しかけとめる。
⇒つづみ【鼓】
つつみ‐もの【包み物】
布施ふせまたは礼物にすべき金銭・布帛などを包んだもの。増鏡「―は絹十むら、綿一包み」
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐やき【包み焼】
①肉などを物の中に包んで焼くこと。また、その料理。
②フナをハマユウの葉などで包んで焼くこと。また、フナの腹の中に昆布・串柿・焼栗などを入れて焼いたもの。宇治拾遺物語15「鮒の―のありける」
⇒つつみ【包み・裹み】
つつみ‐やき【堤焼】
陶器の一種。元禄(1688〜1704)の頃、仙台の堤町近くの台原だいのはらで江戸の陶工上村万右衛門が創製したもの。特に土人形は「堤人形」として有名。
つつみ‐やすじろう【堤康次郎】‥ラウ
実業家・政治家。滋賀県生れ。早大卒。衆議院議員、同議長。鉄道・土地開発・流通などから成る西武グループを築く。(1889〜1964)
⇒つつみ【堤】
つつ・む【包む・裹む】
〔他五〕
物をおおって中に入れる。
①全体をおおって中にこめ入れる。万葉集18「沖つ島い行き渡りて潜かずくちふあはび玉もが―・みてやらむ」。平家物語5「ふところより白い布に―・んだる髑髏どくろを一つ取り出す」。「本をふろしきに―・む」
②とりまく。まわりをかこむ。万葉集3「せの海と名づけてあるもその山の―・める海そ」。日葡辞書「シロ(城)ヲツツム」
③心の中にかくす。ひめる。万葉集13「たらちねの母にもいはず―・めりし心はよしゑ君がまにまに」。源氏物語若紫「いみじう―・み給へどしのびがたき気色のもり出づるをりをり」。平家物語10「あまりに悲しくて―・むに堪えぬ涙のみしげかりければ」。「―・みきれない喜び」
④ある雰囲気などがその場全体をおおう。「会場が熱気に―・まれる」
⑤堤を築いて水を防ぐ。〈新撰字鏡5〉
⑥中にもつ。ふくむ。
⑦(紙などに包むことから)人に金品を贈る。「現金を―・む」
つつ・む【慎む】
〔他四〕
(「包む」と同源)
①堪えしのぶ。用心する。蜻蛉日記中「さきのやうにやあらんとて、―・み給ふにやありけん、なほおぼつかなし」
②はばかる。気がねする。遠慮する。源氏物語若紫「大人大人しう恥かしげなるに―・まれて」。平家物語2「或いは世を恐れ、或いは人目を―・むほどに」
つつ・む【障む・恙む】
〔自四〕
さしさわる。さしつかえる。事故にあう。万葉集15「―・む事なくはやかへりませ」。蜻蛉日記下「なかなかなる身の便びなきに―・みて、世人のさわぐ行ひもせで」
つつめ・く【囁く】
〔自四〕
ひそひそとものを言う。つぶやく。ささめく。つつやく。土佐日記「怨えじもこそしたべとて、―・きてやみぬ」
つづ・める【約める】
〔他下一〕[文]つづ・む(下二)
①つづまるようにする。短くする。要約する。法華義疏長保点「長を促ツヅメテ短にあらしむ可からず」。平家物語10「弥陀如来、六十万億那由多恒河沙の御身を―・め」。「―・めて言えば」
②簡潔にする。切りつめる。質素にする。日葡辞書「ショタイ(所帯)ヲツヅムル」
つつ‐もたせ【美人局】
(「筒持たせ」の意か。もと博徒ばくとの語という。「美人局」の文字は「武林旧事」などに見えて、中国の元の頃、娼妓を妾と偽って少年などをあざむいた犯罪を言ったのに始まる)夫ある女が夫となれあいで他の男と姦通し、姦夫から金銭などをゆすり取ること。なれあいまおとこ。
つつや・く【囁く】
〔自四〕
(ツヅヤクとも)つぶやく。ささやく。類聚名義抄「訽、ツツメク・ツツヤク」
つつ‐やみ【惣闇】
まっくら闇。つつくら。落窪物語1「―にて、笑ふ笑ふ道のあしきをよろぼひおはするほどに」
つづら【葛】
①ツヅラフジなど、野生の蔓植物の総称。万葉集14「かみつけの安蘇山―野を広み」
②襲かさねの色目。表は黒みのある青、裏は薄青。
③(「葛籠」と書く)衣服を入れる、アオツヅラの蔓で編んだかご。後には竹やヒノキの薄板で作り、上に紙を貼った。つづらこ。
葛
⇒つづら‐うま【葛籠馬】
⇒つづら‐えびら【葛箙】
⇒つづら‐おり【葛折】
⇒つづら‐がさ【葛笠・葛籠笠】
⇒つづら‐きっつけ【葛切付】
⇒つづら‐こ【葛籠】
⇒つづら‐ふじ【葛藤・防已】
⇒つづらふじ‐か【葛藤科】
⇒つづら‐ぼうし【葛帽子】
⇒つづら‐まわし【葛籠回し】
つづら‐うま【葛籠馬】
背の両側に葛籠をつけ、その中に人を乗せた馬。はたごうま。松の葉5「さても見事なお―よ」
⇒つづら【葛】
つづら‐えびら【葛箙】
ツヅラフジで編んだ箙。衛府えふ貸与の随身ずいじんなどの用いた狩箙かりえびら。
⇒つづら【葛】
つづら‐おり【葛折】‥ヲリ
(ツヅラフジの蔓のように折れ曲がっている意。「九十九折」とも書く)
①幾重にも曲がりくねった坂路。羊腸。源氏物語若紫「ただこの―の下に」
②馬術で、馬が横歩みするとき乗手が逆らわずに馬のするままにさせること。
⇒つづら【葛】
つづ‐らか
眼を見張るさま。新撰字鏡2「盰、張目之
、目豆々良加尓須」。栄華物語花山「目も―なる小法師にて」
つづら‐がさ【葛笠・葛籠笠】
ツヅラフジで編んだ網代笠あじろがさ。近江国水口みなくち産で、形は市女笠いちめがさに似て、中のみねがやや低い。天和(1681〜1684)の頃女子の間で流行し、のち、風流を好む江戸の男子も用いた。西鶴織留2「辻辻のぬけたる―を被き」
葛笠
⇒つづら【葛】
つづら‐きっつけ【葛切付】
ツヅラフジで編みあげた下鞍したぐら。
⇒つづら【葛】
つづら‐こ【葛籠】
(→)「つづら」3に同じ。
⇒つづら【葛】
つづら‐ふじ【葛藤・防已】‥フヂ
ツヅラフジ科の蔓性落葉木本。西日本の暖地に生える。蔓は長く平滑で他物に巻き付く。葉は大きく卵円形、しばしば浅く5裂。雌雄異株。夏、淡緑色の小花をつけ、果実は黒熟。根を乾したものは生薬の防已ぼういで、利尿剤とする。蔓は非常に強く、かごなどを編む。オオツヅラフジ。ツタノハカズラ。アオツヅラ。
⇒つづら【葛】
つづらふじ‐か【葛藤科】‥フヂクワ
双子葉植物の一科。蔓になるものが多い。世界の温帯に広く分布、65属350種ある。ツヅラフジ・アオツヅラフジ・ハスノハカズラなど。
⇒つづら【葛】
つづらぶみ【藤簍冊子】
上田秋成の自撰歌文集。6巻6冊。1804年(文化1)成立、05年前半3巻3冊を、06年6巻6冊本を刊行。歌・紀行・文集から成る。
つづら‐ぼうし【葛帽子】
葛笠つづらがさの異称。狂言、庵の梅「北嵯峨の踊りは、―をしやんと着て」
⇒つづら【葛】
つづら‐まわし【葛籠回し】‥マハシ
江戸吉原で、遊女の夜具・布団を葛籠に入れて持ち歩いた男。
⇒つづら【葛】
つづり【綴り】
①つづること。つづったもの。
②つぎあわせた着物。粗衣。また、袈裟。僧衣。今昔物語集15「頭の髪は三、四寸ばかりに生ひて―を着たり」
③(spelling)印欧語などの単語を構成する字母の配列。
⇒つづり‐かた【綴方】
⇒つづり‐させ
⇒つづり‐じ【綴り字】
⇒つづり‐の‐そで【綴りの袖】
つづり‐あわ・せる【綴り合わせる】‥アハセル
〔他下一〕[文]つづりあは・す(下二)
つづって一つにまとめる。「書類を―・せる」
つづり‐かた【綴方】
①文章の作り方。作文。もと、小学校の教科目の一つ。
②ローマ字など、文字を連ねて語を書き表す方法。スペリング。
⇒つづり【綴り】
つづり‐させ
(衣を綴り刺せの意に寄せて、冬の用意に衣服を作れとの意)キリギリス(今のコオロギ)の鳴き声。つづれさせ。古今和歌集雑体「―てふきりぎりす鳴く」
⇒つづり【綴り】
つづり‐じ【綴り字】
(→)「綴り」3に同じ。
⇒つづり【綴り】
つづり‐の‐そで【綴りの袖】
つづり合わせて仕立てた粗末な衣の袖の意で、僧衣をいう。古今和歌集旅「手向けには―も着るべきに」
⇒つづり【綴り】
つづ・る【綴る】
〔他五〕
①継ぎあわす。とじあわす。家持集「きりぎりすわがきぬ―・れ」。「ほころびを―・る」
②言葉を連ねて詩歌・文章を作る。日葡辞書「コトバヲツヅル」。「思いを―・る」
③字母を連ねて語を書く。「ローマ字で日本語を―・る」
つづれ【綴れ】
①破れたのを継ぎつづった衣。やぶれごろも。つづれごろも。浄瑠璃、心中宵庚申「―の肩を裙すそに結び」
②(→)裂織さきおりに同じ。
⇒つづれ‐おり【綴れ織】
⇒つづれ‐ごろも【綴れ衣】
⇒つづれさせ‐こおろぎ【綴れ刺せ蟋蟀】
⇒つづれ‐にしき【綴れ錦】
つづれ‐おり【綴れ織】
①(→)「綴れ錦」に同じ。
②綴れ錦を模した紋織物。
⇒つづれ【綴れ】
つづれ‐ごろも【綴れ衣】
(→)綴つづれ1に同じ。
⇒つづれ【綴れ】
つづれさせ‐こおろぎ【綴れ刺せ蟋蟀】‥コホロギ
コオロギ科の一種。体長約1.5センチメートル。黒褐色で、頭部は円くて角ばらない。畑や草地に多い。鳴き声が、「針刺せ、糸刺せ、綴れ刺せ」と聞こえるというところからこの名があり、その由来は平安時代にさかのぼる。
ツヅレサセコオロギ(雌)
撮影:海野和男
⇒つづれ【綴れ】
つづれ‐にしき【綴れ錦】
①文様を織り出す最も古い技法。エジプトのコプト織、フランスのゴブラン織などがこれに当たる。下絵を経糸たていとの下に置き、下絵の色どり通り絵緯えぬきの杼ひで縫い取るように織り進める。日本では奈良時代から製織。帯地・袱紗ふくさ・壁掛などにされる。京都西陣の特産。
②古典などの美辞麗句を使った文章をあざけっていう語。つづれのにしき。
⇒つづれ【綴れ】
って
〔助詞〕
①引用を表す格助詞「と」のくだけた言い方。「知らない―言った」「要らないから返す―」「行くの、いやだ―」
②「とは」「という」「といって」の意。「君―ほんとにいい人だ」「何だ―そう騒ぐのだ」
③前のことに反することが後に続くことを示す。「いくら頼まれた―できない」
④(文末に「か―」の形で用い)反語を表す。「そんなこと知るか―」
つて【伝】
(動詞ツ(伝)ツの連用形からか。一説に、ツタヘの転)
①ことづて。ひとづて。源氏物語若菜上「―にうけたまはれば」
②てづる。てがかり。日葡辞書「ツテヲキイテフミ(文)ヲヤラウズ」。「あの会社には―がない」
③物のついで。源氏物語椎本「―に見し宿の桜を」
つて‐ごと【伝言】
(古くはツテコト)言い伝えることば。うわさ。でんごん。天智紀「何の―ただにしえけむ」
ってば
〔助詞〕
⇒てば
つてん【通典】
(ツデンとも)中国歴代の諸制度の沿革を通観した書。唐の杜佑(735〜812)撰。200巻。801年成る。上古より唐に至り、食貨・礼など9部門から成る。→九通
つと【苞・苞苴】
①わらなどを束ねて物を包んだもの。わらづと。あらまき。
②携えてゆくその地の産物。土産どさん。万葉集3「浜―乞こはば何を示さむ」
③みやげ。いえづと。万葉集20「貝にありせば―にせましを」
つと【髱】
女の髪の、後と左右とへ張り出したところ。たぼ。
つ‐と
〔副〕
①動かずに、ある状態を続けるさまにいう語。じっと。つっと。源氏物語夕顔「君に―添ひたてまつりて」
②つくづく。じっくりと。枕草子33「講師の顔を―まもらへたるこそ」
③急に動作するさま。さっと。突然。宇津保物語蔵開下「女君を―かき寄せて」
つ‐ど【都度】
そのたびごと。毎回。「その―」「上京する―立ち寄る」
つと‐あげ【髱上げ】
結髪の道具。鯨鬚くじらひげ、水牛の角などでつくり、女の髱たぼの毛をかきなで、鬢びんを張り出して結ぶのに用いるもの。
つどい【集い】ツドヒ
①集まり。会合。「音楽の―」
②あつめたもの。万葉集18「白玉のいほつ―を手に結び」
つと‐いり【衝突入り】
伊勢の宇治山田地方で、陰暦7月16日に自由に他人の家に入って秘蔵の器物や妻女などを遠慮なく見るのを許された風習。〈[季]秋〉。「―や知る人に逢ふ拍子ぬけ」(蕪村)
つと‐いれ【髱入れ】
(→)「たぼさし」に同じ。
つ‐とう【津藤】
(津国屋藤兵衛の略)「細木藤兵衛さいきとうべえ」参照。
つど・う【集う】ツドフ
[一]〔自五〕
集まる。寄り合う。寄り集まる。万葉集20「国々の防人―・ひ」。「一堂に―・う」
[二]〔他下二〕
集める。寄せ集める。万葉集3「もののふの八十伴の男を召し―・へ」
つと‐がみ【髱髪】
たぼの出た髪。たぼがみ。
つと‐きび【苞黍】
トウモロコシの別称。
つと‐さし【髱差し】
(→)「たぼさし」に同じ。
つとっこ
もち米に粟あわや米を加え、小豆とともにとちや柏の葉で包み、ゆでたり蒸したりしたもの。群馬県や埼玉県の郷土料理。
つど‐つど【都度都度】
①そのたびごと。毎度。「その―」
②こまごま。くわしく。浄瑠璃、今宮の心中「在所の嫁入をお止めなされ下されと、―語る下心」
つと‐どうふ【苞豆腐】
水切りした豆腐をすりつぶし、棒状にして、わらづとなどに入れ、固く締めて蒸したもの。菰こも豆腐。魚のすり身・野菜・卵白・山芋などを加えて作ることもある。
つとなし‐の‐なげしまだ【髱無しの投島田】
つとを出さずに、髷まげを後へ倒れるように結った島田髷。好色一代女1「―、隠しむすびの浮世髻うきよもとゆいといふ事も、我改めての物好み」
つと‐なっとう【苞納豆】
わらづとに包んだ納豆。
つと‐に【夙に】
〔副〕
①朝早く。早朝に。万葉集10「―行く雁の鳴く音ねは」
②早くから。以前から。「―知られていた」「―才能をあらわす」
つと‐ばさみ【髱挟み】
女子の結髪具の一つ。つとを挟むもの。
つとま・る【勤まる・務まる】
〔自五〕
つとめることができる。役目に堪えられる。「とても―・りそうもない」
つと・む【勤む・努む・務む・力む・勉む】
〔他下二〕
⇒つとめる(下一)
つとめ【勤め・務め】
①つとめること。つとむべきこと。任務。義務。三蔵法師伝承徳点「京師には務ツトメ多し」。「市民としての―」
②仏前で毎日読経すること。勤行ごんぎょう。源氏物語若紫「後の世の―もいとよくして」
③仕えて仕事をすること。また、その仕事。勤務。役目。奉公。「―に出る」「―をかえる」
④遊女などの稼業。
⑤妓楼での勘定。揚代あげだいの支払い。洒落本、商内神あきないがみ「権さんの―はおれがだしてゐるが」
◇1には「務」、2〜5には「勤」を主として使う。
⇒つとめかた‐ちょう【勤方帳】
⇒つとめ‐ぎ【勤め気】
⇒つとめ‐ぐち【勤め口】
⇒つとめ‐こ【勤め子】
⇒つとめ‐ざかり【勤め盛り】
⇒つとめ‐さき【勤め先】
⇒つとめ‐にん【勤め人】
⇒つとめ‐ぼうこう【勤め奉公】
⇒つとめ‐むき【勤め向き】
つ‐どめ【津留】
戦国大名などが、軍略上、物資の領域外への移出を禁止したこと。
つとめ‐あ・げる【勤め上げる】
〔他下一〕
①仕事をやりとげるまで勤める。職務をまっとうする。
②一定の任期を終える。特に、奉公の年季を終える。「停年まで―・げる」
つとめかた‐ちょう【勤方帳】‥チヤウ
①江戸時代、幕府直轄の郡代・代官などから、その職務考課のために1年間の取扱事項を列挙して幕府に提出した報告書。
②江戸時代、商人が幕府または諸大名に金穀その他の物品を融通する時、その明細を書き留めた帳簿。
⇒つとめ【勤め・務め】
つとめ‐ぎ【勤め気】
遊女などが客に接する、職業上の通り一遍の情。
⇒つとめ【勤め・務め】
つとめ‐ぐち【勤め口】
勤めるところ。勤め先。「―をさがす」
⇒つとめ【勤め・務め】
つとめ‐こ【勤め子】
客商売をする妓女。
⇒つとめ【勤め・務め】
つとめ‐ざかり【勤め盛り】
最も勤務に熟練している年頃であること。
⇒つとめ【勤め・務め】
つとめ‐さき【勤め先】
勤めているところ。勤務先。
⇒つとめ【勤め・務め】
つとめ‐て
①早朝。あかつき。枕草子1「冬は―」
②(前夜事のあった、その)翌朝。伊勢物語「その夜南の風吹きて浪いと高し。―その家の女の子ども」
つとめ‐て【努めて・勉めて・力めて】
〔副〕
強いて心を励まして。無理にも。おして。できるだけ。三蔵法師伝承徳点「務ツトメテ正理を存す」。「―平気を装う」
つとめ‐にん【勤め人】
官庁・会社などに勤務している人。
⇒つとめ【勤め・務め】
つとめ‐ぼうこう【勤め奉公】
①店員・女中・下男などになって働くこと。
②芸娼妓または妾などになること。
⇒つとめ【勤め・務め】
つとめ‐むき【勤め向き】
①つとめに関すること。勤務上のこと。
②つとめているところ。つとめさき。
⇒つとめ【勤め・務め】
つと・める【勤める・努める・務める・力める・勉める】
〔他下一〕[文]つと・む(下二)
①力を尽くして行う。努力する。万葉集20「名に負ふ伴の緒お心―・めよ」。徒然草「道を知る者は植うる事を―・む」。「看護に―・める」
②つつしむ。自愛する。万葉集2「足ひく吾が背―・めたぶべし」
③仏事を修める。勤行ごんぎょうする。源氏物語若紫「初夜いまだ―・め侍らず」。平家物語3「十二の年尼になり、奈良の法華寺に―・めすまして」
④仕える。勤務する。「会社に―・める」
⑤役目として事を行う。劇などの役を演ずる。徒然草「或る人、任大臣の節会の内弁を―・められけるに」。天草本伊曾保物語「貝を吹くこと、この家の役なれば―・むるまでぢや」。「主役を―・める」「議長を―・める」
⑥値段を引く。勉強する。「十円だけ―・めましょう」
◇1にはふつう「努」を使い、「力」「勉」を用いる場合もある。3・4には「勤」、5には「務」を使う。
つな【綱】
(「つた(蔦)」と同源)
①植物繊維または針金などを太く長く撚より合わせたもの。物を結びつなぐのに用いる。万葉集14「津にをる舟の…―は絶ゆとも」
②つた。万葉集6「石いわ―のまた変若おち反り」
③すがって頼りとするもの。源氏物語東屋「おぼし放つまじき―も侍るを」。「命の―」「頼みの―」
④相撲で、横綱の力士が締める注連縄しめなわ。
ツナ【tuna アメリカ】
まぐろ。特に、缶詰のまぐろ。
つな‐うち【綱打ち】
糸を撚よって綱を作ること。特に相撲で、横綱の綱を作ること。
⇒つなうち‐せっく【綱打ち節供】
つなうち‐せっく【綱打ち節供】
正月15日あるいは20日、牛馬用の縄・荷縄などを作り、祝う行事。
⇒つな‐うち【綱打ち】
つなが‐い【綱長井】‥ヰ
つるべの綱の長い井戸の意で、水の枯れない霊妙な井戸。また、そこに宿る井戸の神。祝詞、祈年祭「生く井・栄さく井・―・あすは・はひきと御名は申して」
つながり【繋がり】
①つながること。また、そのもの。
②きずな。連繋。関係。「血の―」
つなが・る【繋がる】
〔自五〕
①つらなり続く。継続する。「貨車が何台も―・る」「首が―・る」
②ひかれる。ほだされる。「情に―・る」
③結ばれる。関連する。「事件に―・る」「成功に―・る」
つなぎ【繋ぎ】
①つなぐこと。つなぐもの。
②次の事にかかるまで仮に行う物事。「―に一曲歌う」
③歌舞伎で、場面転換の間の時間を、音楽を演奏したり拍子木を打ったりしてつなぐこと。
④(→)「掛かけ繋ぎ取引」に同じ。
⑤料理で、ねばり気のないものに入れて、離れたりくずれたりするのを防ぐために用いる材料。「蕎麦そばの―」
⑥上下がつながっている作業服。また、その形の一般用の服。
⇒つなぎ‐いとおり【繋糸織】
⇒つなぎ‐うま【繋馬】
⇒つなぎ‐うり【繋ぎ売り】
⇒つなぎ‐こうでん【繋ぎ香奠】
⇒つなぎ‐しきん【繋ぎ資金】
⇒つなぎ‐じろ【繋ぎ城】
⇒つなぎ‐ぜに【繋ぎ銭】
⇒つなぎ‐どや【繋ぎ鳥屋】
⇒つなぎ‐とりひき【繋ぎ取引】
⇒つなぎ‐ばしら【繋ぎ柱】
⇒つなぎ‐ぶね【繋ぎ船】
⇒つなぎ‐め【繋ぎ目】
⇒つなぎ‐ゆうし【繋ぎ融資】
つなぎ‐あわ・せる【繋ぎ合わせる】‥アハセル
〔他下一〕[文]つなぎあは・す(下二)
いくつかの物事をつないで一つにする。
つなぎ‐いとおり【繋糸織】
糸織の一種。糸織と同一の経糸たていとに、屑絹糸または結び目を作った糸を緯糸よこいとに使って平織組織としたもの。
⇒つなぎ【繋ぎ】
つなぎ‐うま【繋馬】
①綱でつなぎとめた馬。
②紋所の名。杭につないだ馬のさまを図案化したもの。
⇒つなぎ【繋ぎ】
つなぎ‐うり【繋ぎ売り】
(→)「売繋ぎ」に同じ。→掛繋ぎ取引。
⇒つなぎ【繋ぎ】
つなぎ‐こうでん【繋ぎ香奠】‥カウ‥
(中国地方西部で)同じ組内でする香奠。
⇒つなぎ【繋ぎ】
つなぎ‐しきん【繋ぎ資金】
事業資金のやりくりが一時つかなくなった場合、その間隙をうめるため、近く入金予定の資金を担保として融通を受ける一時的な借入金。
⇒つなぎ【繋ぎ】
つなぎ‐じろ【繋ぎ城】
二つの城の連絡をとるため、その中間の要害の地に築いた城。
⇒つなぎ【繋ぎ】
つなぎ‐ぜに【繋ぎ銭】
緡さしに通してつないだ銭。
⇒つなぎ【繋ぎ】
つなぎ‐と・める【繋ぎ止める】
〔他下一〕[文]つなぎと・む(下二)
離れて行かないようにしっかりとつなぐ。「馬を―・める」「関心を―・めようと努力する」
つなぎ‐どや【繋ぎ鳥屋】
鷹をつないでおく小屋。〈日葡辞書〉
⇒つなぎ【繋ぎ】
つなぎ‐とりひき【繋ぎ取引】
(→)「掛繋ぎ取引」に同じ。
⇒つなぎ【繋ぎ】
つなぎ‐ばしら【繋ぎ柱】
家畜などをつないでおく柱。〈日葡辞書〉
⇒つなぎ【繋ぎ】
つなぎ‐ぶね【繋ぎ船】
①河岸につなぎとめた船。けいせん。
②つなぎ合わせて伴って行く船。
⇒つなぎ【繋ぎ】
つなぎ‐め【繋ぎ目】
つなぎ合わせた部分。
⇒つなぎ【繋ぎ】
つなぎ‐ゆうし【繋ぎ融資】
より有利な融資を受けるまでの間、一時的に繋ぎとして行われる融資。
⇒つなぎ【繋ぎ】
つな‐ぐ【綱具】
綱で製した船具の総称。また、綱に付属した滑車など。
つな・ぐ【繋ぐ】
[一]〔他五〕
(「綱」を活用させた語)
①糸・綱などで1カ所に物を結びとめて離れないようにする。万葉集16「法師らがひげの剃杭馬―・ぎいたくな引きそ法師は泣かむ」。源氏物語少女「―・がぬ舟に乗りて池に離れいでて」。天草本平家物語「水の底には大綱を張り、逆茂木を―・いで流しかけた」。「犬を―・ぐ」
②切れたり離れたりしているものを続け合わせる。「糸を―・ぐ」「手を―・ぐ」「電話を―・ぐ」
③長く続くようにする。絶えないようにする。浄瑠璃、源氏冷泉節「―・ぐ命の憂き三年」。「望みを―・ぐ」
④とらえる。束縛する。わが方へ引きとめる。傾城禁短気「船町の喜田に末は―・がるる心底か」。「獄に―・ぐ」
⑤ひく。ほだす。「娘の縁に―・がれて」
⑥血痕・足跡などをたよりに、逃げた獣のあとをつける。たどる。万葉集16「射ゆししを―・ぐ川辺の和草にこぐさの」。平家物語8「男の帰らむ時、しるしを付けて行かむ方を―・いで見よ」
[二]〔他下二〕
⇒つなげる(下一)
つな‐くり【綱繰】
船首にあって、錨綱いかりづなや小錨を収めておく所。〈日葡辞書〉
つな‐ぐるま【綱車】
ロープ車のこと。
つな・げる【繋げる】
〔他下一〕[文]つな・ぐ(下二)
切れ、または離れているものを続け合わせる。つなぐ。
つなし【鯯】
コノシロの幼魚で、コハダより大きい頃の名。万葉集17「―とる氷見ひみの江過ぎて」
つなしま【綱島】
姓氏の一つ。
⇒つなしま‐りょうせん【綱島梁川】
つなしま‐りょうせん【綱島梁川】‥リヤウ‥
思想家・評論家。名は栄一郎。岡山県生れ。早大卒。美術・文芸評論で活躍し、宗教に関心を深め、「予が見神の実験」は反響を呼ぶ。著「西洋倫理学史」「病間録」など。(1873〜1907)
⇒つなしま【綱島】
つな‐すくみ【綱竦み】
手綱を引いても、馬がすくんで進まないこと。浄瑠璃、丹波与作待夜の小室節「畜類ながら性あれば、最期を惜しむ―かや」
つな‐そ【綱麻】
シナノキ科の多年つら・れる【釣られる】🔗⭐🔉
つり【釣り・吊り】🔗⭐🔉
つり【釣り・吊り】
①つること。ひっかけること。つるすこと。
②物をつるすのに用いるものの総称。
③旗・幕・羽織などの縁につける乳ち。
④釣糸の先に付けた鉤はりに掛けて魚を取ること。うおつり。太平記36「網を巻き―を捨てて」
⑤釣銭。おつり。「―をもらう」「お―が来る」
⑥系図。つりがき。また、血縁。日本永代蔵6「大織冠の―あるにしてから、町屋住まひの身は貧なれば」
◇2・3にはふつう「吊」を使い、4・5には「釣」を使う。
つり‐あい【釣合】‥アヒ🔗⭐🔉
つり‐あい【釣合】‥アヒ
①つりあうこと。平均をたもつこと。均衡。「―を保つ」「―が取れない」
②二つ以上の力が一物体に作用しても、その物体が静止している、あるいは運動状態に変化を生じない状態。平衡。
⇒つりあい‐おもり【釣合錘】
⇒つりあい‐しけん【釣合試験】
⇒つりあい‐にんぎょう【釣合人形】
つりあい‐おもり【釣合錘】‥アヒ‥🔗⭐🔉
つりあい‐おもり【釣合錘】‥アヒ‥
機械の部分がその支点または軸に対して釣合をうまくとれるように付したおもり。バランス‐ウェート。カウンター‐バランス。
⇒つり‐あい【釣合】
つりあい‐しけん【釣合試験】‥アヒ‥🔗⭐🔉
つりあい‐しけん【釣合試験】‥アヒ‥
機械の回転部の質量配置の釣合を試験すること。高速回転機械の振動防止などに用いる。
⇒つり‐あい【釣合】
つりあい‐にんぎょう【釣合人形】‥アヒ‥ギヤウ🔗⭐🔉
つりあい‐にんぎょう【釣合人形】‥アヒ‥ギヤウ
弥次郎兵衛やじろべえの別称。
⇒つり‐あい【釣合】
つり‐あ・う【釣り合う】‥アフ🔗⭐🔉
つり‐あ・う【釣り合う】‥アフ
〔自五〕
①双方が平均する。もちあう。「収入が支出と―・う」
②相応する。ふさわしい状態になる。見合う。「服とネクタイが―・う」
⇒釣り合わぬは不縁の基
つり‐あが・る【釣り上がる・吊り上がる】🔗⭐🔉
つり‐あが・る【釣り上がる・吊り上がる】
〔自五〕
つられて上にあがる。また、上方にひきつれる。「目尻が―・る」
つり‐あげ【釣上げ】🔗⭐🔉
つり‐あげ【釣上げ】
歌舞伎の大道具。宙吊りをはじめ、俳優の身体を吊り上げるための仕掛け。
つり‐あ・げる【釣り上げる・吊り上げる】🔗⭐🔉
つり‐あ・げる【釣り上げる・吊り上げる】
〔他下一〕[文]つりあ・ぐ(下二)
①つって上にあげる。つるしあげる。また、上方にひきつらせる。「眉を―・げる」
②(「釣り上げる」と書く)釣つりで魚を捕らえる。「大魚を―・げる」
③相場・価格を人為的に騰貴させる。「地価を―・げる」
つり‐あぶ【釣虻・吊虻・長吻虻】🔗⭐🔉
つり‐あぶ【釣虻・吊虻・長吻虻】
ハエ目ツリアブ科のアブの総称。翅が長く、体表に長毛を密生するものもある。名は、空中に停止して飛ぶさまが吊り下げられたように見えることからいう。ビロードツリアブなど。
ツリアブ
撮影:海野和男
○釣り合わぬは不縁の基つりあわぬはふえんのもと
身分の不釣合は、その結婚が不首尾に終わる原因となるの意。
⇒つり‐あ・う【釣り合う】
○釣り合わぬは不縁の基つりあわぬはふえんのもと
身分の不釣合は、その結婚が不首尾に終わる原因となるの意。
⇒つり‐あ・う【釣り合う】
○釣り合わぬは不縁の基つりあわぬはふえんのもと🔗⭐🔉
○釣り合わぬは不縁の基つりあわぬはふえんのもと
身分の不釣合は、その結婚が不首尾に終わる原因となるの意。
⇒つり‐あ・う【釣り合う】
つり‐あんどう【釣行灯】
⇒つりあんどん。浄瑠璃、曾根崎「―の火は明し、いかがはせんと案ぜしが」
つり‐あんどん【釣行灯】
湯屋や商家などの店先で天井や梁から釣る行灯。紙張りで大型の笠の下に蜘蛛手を下げ、ここに油皿を載せる。つりあんどう。→八間はちけん
つり‐い【吊井】‥ヰ
⇒つるい(釣井)
ツリー【tree】
①木。樹木。「クリスマス‐―」
②ツリー構造を図に表したもの。樹形図。
⇒ツリー‐こうぞう【ツリー構造】
つり‐いか【釣衣架】
釣り下げる方式の着物掛け。左右に穴があいた受け木があり、この穴に横木を通して上から紐で釣る。釣衣桁いこう。
釣衣架
ツリー‐こうぞう【ツリー構造】‥ザウ
データ構造の一種。一つの要素が複数の要素への分岐情報を持つ階層的な構造。要素の連結状態が枝分れした木のように見えることからいう。木構造。
⇒ツリー【tree】
つり‐いと【釣糸】
①魚を釣るのに用いる糸。釣の緒。「―を垂れる」
②物をつるすのに用いる糸。
ツリウム【thulium】
(極北の地Thuleに因む)希土類元素の一種。元素記号Tm 原子番号69。原子量168.9。モナズ石などに少量含有。銀白色の金属。
つり‐え【釣餌】‥ヱ
魚釣りに用いる餌。つりえさ。
つり‐えだ【釣枝・吊枝】
歌舞伎の大道具。造り物の樹木の枝や花などを舞台上部から横に一列に釣り下げたもの。釣枠つりわく。
つり‐おとし【吊落し】
相撲の手の一つ。相手を吊り上げておき、土俵に落とすようにして倒すもの。
ツリー‐こうぞう【ツリー構造】‥ザウ
データ構造の一種。一つの要素が複数の要素への分岐情報を持つ階層的な構造。要素の連結状態が枝分れした木のように見えることからいう。木構造。
⇒ツリー【tree】
つり‐いと【釣糸】
①魚を釣るのに用いる糸。釣の緒。「―を垂れる」
②物をつるすのに用いる糸。
ツリウム【thulium】
(極北の地Thuleに因む)希土類元素の一種。元素記号Tm 原子番号69。原子量168.9。モナズ石などに少量含有。銀白色の金属。
つり‐え【釣餌】‥ヱ
魚釣りに用いる餌。つりえさ。
つり‐えだ【釣枝・吊枝】
歌舞伎の大道具。造り物の樹木の枝や花などを舞台上部から横に一列に釣り下げたもの。釣枠つりわく。
つり‐おとし【吊落し】
相撲の手の一つ。相手を吊り上げておき、土俵に落とすようにして倒すもの。
つり‐あんどう【釣行灯】🔗⭐🔉
つり‐あんどう【釣行灯】
⇒つりあんどん。浄瑠璃、曾根崎「―の火は明し、いかがはせんと案ぜしが」
つり‐あんどん【釣行灯】🔗⭐🔉
つり‐あんどん【釣行灯】
湯屋や商家などの店先で天井や梁から釣る行灯。紙張りで大型の笠の下に蜘蛛手を下げ、ここに油皿を載せる。つりあんどう。→八間はちけん
つり‐いか【釣衣架】🔗⭐🔉
つり‐いか【釣衣架】
釣り下げる方式の着物掛け。左右に穴があいた受け木があり、この穴に横木を通して上から紐で釣る。釣衣桁いこう。
釣衣架
つり‐いと【釣糸】🔗⭐🔉
つり‐いと【釣糸】
①魚を釣るのに用いる糸。釣の緒。「―を垂れる」
②物をつるすのに用いる糸。
つり‐え【釣餌】‥ヱ🔗⭐🔉
つり‐え【釣餌】‥ヱ
魚釣りに用いる餌。つりえさ。
つり‐えだ【釣枝・吊枝】🔗⭐🔉
つり‐えだ【釣枝・吊枝】
歌舞伎の大道具。造り物の樹木の枝や花などを舞台上部から横に一列に釣り下げたもの。釣枠つりわく。
○釣り落とした魚は大きいつりおとしたさかなはおおきい🔗⭐🔉
○釣り落とした魚は大きいつりおとしたさかなはおおきい
手に入れそこなったものは、実際よりすばらしく思われる。逃がした魚は大きい。
⇒つり‐おと・す【釣り落とす】
つり‐おと・す【釣り落とす】
〔他五〕
魚を釣り上げる途中で落としてしまう。
⇒釣り落とした魚は大きい
つり‐おまえ【釣御前】‥オマヘ
壁に懸けてつるようにした絵像の持仏、または仏壇。世間胸算用1「―に仏の道具添へて、取り集めて二十三色にて」
つりおんな【釣女】‥ヲンナ
①狂言。(→)「釣針」に同じ。
②歌舞伎舞踊。常磐津。河竹黙阿弥作詞。6世岸沢古式部作曲。1に取材。大名は蛭子えびす神の示現で美女を釣り上げ、太郎冠者は醜女しこめを釣る。
つり‐かえ【釣替え】‥カヘ
(ツリガエとも)とりかえること。交換。歌舞伎、幼稚子敵討おさなごのかたきうち「殿の御身の上と―の此の刀」
つり‐がき【釣柿】
(→)「つるしがき」に同じ。冬の日「―に屋根ふかれたる片庇」
つり‐がき【釣書・吊書】
系図。つり。転じて、経歴。浮世草子、新可笑記「地侍のなにがし、代々楠木が―、家に伝へし武道具の目録持参して」
つり‐かご【釣籠・吊籠】
①つるすように作った籠。
②釣った魚を入れる籠。びく。
つり‐がね【釣金】
物をつり下げるための金具。今昔物語集12「天蓋は大きなる物なれば、―どもを打ち付けむが為に」
つり‐がね【釣鐘】
寺院の鐘楼などに吊してある大きな鐘。青銅製で、撞木しゅもくでつき鳴らす。おおがね。つきがね。梵鐘ぼんしょう。
釣鐘
撮影:関戸 勇
⇒つりがね‐ずみ【釣鐘墨】
⇒つりがね‐そう【釣鐘草】
⇒つりがね‐どう【釣鐘堂】
⇒つりがね‐にんじん【釣鐘人参】
⇒つりがね‐マント【釣鐘マント】
⇒つりがね‐むし【釣鐘虫】
つりがね‐ずみ【釣鐘墨】
松煙しょうえんに蝋ろうをまぜ釣鐘形に扁平に固めた墨。乾拓に用いる。乾打碑かんだひ。→拓本たくほん。
⇒つり‐がね【釣鐘】
つりがね‐そう【釣鐘草】‥サウ
①鐘状の花をつける草本の通称。ホタルブクロ・クサボタン・ナルコユリ・ツリガネニンジンなど。俳諧では特にホタルブクロをいう。〈[季]夏〉
②キキョウ科の園芸植物。フウリンソウ(カンパニュラ)。
⇒つり‐がね【釣鐘】
つりがね‐どう【釣鐘堂】‥ダウ
釣鐘をつるしておく堂。鐘楼しょうろう。
⇒つり‐がね【釣鐘】
つりがね‐にんじん【釣鐘人参】
キキョウ科の多年草。山地に普通。高さ約1メートル。3〜6葉が輪生。夏から秋に茎頂に淡紫色の小さな鐘形花を数段に輪生し下垂。若葉は食用、根は乾して去痰薬とする。トトキ。
⇒つり‐がね【釣鐘】
つりがね‐マント【釣鐘マント】
明治以降、軍人・学生などが着用した、釣鐘形の丈の長いマント。
⇒つり‐がね【釣鐘】
つりがね‐むし【釣鐘虫】
ボルチケラ属の繊毛虫類の総称。体は釣鐘形で縁に繊毛があり、細い柄で汚水中の木石などに多数着生。柄は螺旋状に縮み、伸びると約0.5ミリメートル。
つりがねむし
⇒つり‐がね【釣鐘】
つり‐かびん【釣花瓶】‥クワ‥
釣り下げるようにつくった花瓶。
つり‐がま【釣釜】
自在かぎなどに釣り下げて用いる釜。
つり‐かわ【釣川】‥カハ
(→)「つるい(釣井)」に同じ。
つり‐かわ【釣革・吊革】‥カハ
①ものを釣り下げてある革。
②バスや電車で、立っている乗客が体を支えるためにつかまる、輪のついた革製などのひも。「―につかまる」
つり‐ぎ【吊木・釣木】
棚・天井などをつるための木。西鶴織留3「年徳棚を買ひければ―釘まで持ち来たりて」
つり‐ぎつね【釣狐】
狐を罠わななどにかけて捕らえること。
つりぎつね【釣狐】
①狂言。古狐が猟師の伯父白蔵主はくぞうすに化けて狐の恐るべき故事を物語り、狐釣りをやめるよう意見するが、帰途わなの餌の誘惑に負ける。吼噦こんかい。
②歌舞伎舞踊。長唄。河竹黙阿弥作詞。3世杵屋正次郎作曲。1に取材。新歌舞伎十八番の一つ。
つり‐ぐ【釣具】
魚を釣るための道具。釣道具。「―店」
つり‐こうこく【吊り広告】‥クワウ‥
電車やバスなどの車中で、吊り下げて見せる広告。中吊り。
つり‐ごうし【釣格子】‥ガウ‥
外部に張り出してつくった格子。出格子。好色一代男1「西の方の中ほど、小さき―」
つり‐こうぞう【吊り構造】‥ザウ
〔建〕テンション構造の一種。構造物の主要な部分を支点から吊り下げ、引張り応力が支配的となるようにする形式。サスペンション構造。ケーブル構造。
つり‐こうろ【釣香炉】‥カウ‥
書院または床脇に長い飾り緒でつり、空炷そらだきをして香木をくゆらすもの。
つり‐ごし【釣輿】
轅ながえでつり下げてかつぐ輿。半切り。
つりこみ‐ごし【釣込み腰】
柔道の腰技の一つ。相手を両手で前に釣り上げるように引き寄せて後向きになり、腰に乗せて投げる。
つり‐こ・む【釣り込む】
〔他五〕
甘言を用い、また、興味を起こさせて、引き入れる。「話に―・まれる」
つり‐ざお【釣竿】‥ザヲ
魚釣りに用いる竿。
つり‐さが・る【釣り下がる・吊り下がる】
〔自五〕
①つり下げたようになる。ぶらさがる。
②物にすがって下がる。
つり‐さ・げる【釣り下げる・吊り下げる】
〔他下一〕[文]つりさ・ぐ(下二)
つるして下げる。つるす。「ランプを―・げる」
つり‐し【釣り師】
魚釣りをする人。腕のよい釣り人。
つり‐じとみ【釣蔀】
(→)上蔀あげじとみに同じ。
つり‐しのぶ【釣忍】
シノブグサを輪形などに束ねて、涼味を添えるため軒端につるすもの。〈[季]夏〉
つり‐しまだ【釣島田】
女の髪の結い方。鬢びんと髱たぼとを分けずに結った島田髷まげ。
つり‐せいろう【釣井楼・吊蒸籠】
軍中で用いた臨時の望楼としての井楼の一種。滑車かっしゃにより上下する箱に人を入れ、つりあげて敵状を偵察させた。
つり‐せん【釣銭】
(不足の釣合を補うために出すからという。あるいは、うつり銭の意か)支払った貨幣の額が代価を上回る場合、その分を小額の貨幣を用いて支払者に戻す金銭。つり。おつり。「―を受け取る」
つり‐だい【釣台】
板を台にして両端に吊り手をつけ、これに棒を通して前後から舁かいて行く台。嫁入道具や病人などを運んだ。
つり‐だいこ【釣太鼓】
枠につりさげて鳴らす楽がく太鼓。
つり‐だし【釣出し・吊出し】
①つりだすこと。おびきだすこと。浮世風呂前「せつかく内に仕事をして居る者をば―に来てなりません」
②(「吊出し」と書く)相撲の手の一つ。四つに組んだ体勢から相手の体を抱え上げて土俵の外へ出すもの。土俵の中で倒せば「吊落し」。
つりだ・す【釣り出す・吊り出す】
〔他五〕
①つりはじめる。
②だまして誘い出す。おびき出す。「甘言で―・す」
③(「吊り出す」と書く)相撲で、相手をつり上げて土俵の外へ出す。
つり‐だな【釣棚・吊棚】
①上からつり下げた棚。
②床脇の棚の一形式。通棚とおりだなの下に3枚の棚を、左右を低く、中央を高くつるしたもの。
つり‐だま【釣球】
野球で、打者が打ちたくなるようなコースに投げるボール球。
つり‐ぢょうちん【釣提灯】‥ヂヤウ‥
軒などに提灯をつり下げること。また、その提灯。
つり‐づか【釣束】
天井や鴨居などをつる束。
つり‐つ・ける【釣り付ける】
〔他下一〕[文]つりつ・く(下二)
餌を見せて引き寄せておく。望みを持たせてひきつけておく。釣り寄せる。歌舞伎、名歌徳三升玉垣「いつまでべんべんと―・けるのだヱヽ」
つり‐て【釣り手】
①魚を釣る人。
②(「吊手」とも書く)蚊帳かやなどをつるすのに用いるひも。
つり‐てんぐ【釣り天狗】
魚釣りが上手であると自慢し、うぬぼれる人。
つり‐てんじょう【釣天井・吊天井】‥ジヤウ
①つり上げておき、落として下にいる人を圧殺できる仕掛けの天井。「宇都宮―」
②〔建〕吊り木・吊り金物などによって吊られている天井。
つり‐ど【釣戸】
開ける時は上へ釣り上げ、閉める時は下に下げるようにした戸。
つり‐どうぐ【釣道具】‥ダウ‥
魚釣りに用いる道具。釣竿・釣糸・釣針などの類。
つり‐とうだい【釣灯台】
つり下げる燭台。〈日葡辞書〉
つり‐どうろう【釣灯籠】
①軒の端などにつる灯籠。
②(隠語)妾めかけ。
つり‐どおし【釣簁】‥ドホシ
縄で高い所からつり下げて用いる大きなふるい。
つり‐どこ【釣床・吊床】
①(→)壁床かべどこに同じ。
②つり下げた寝床。ハンモック。
つり‐とだな【釣戸棚・吊戸棚】
上からつるして支えてある戸棚。
つり‐どの【釣殿】
寝殿造しんでんづくりの、泉水に臨んで建てた殿舎。釣りをするために設けたという。宇津保物語楼上上「広き池流れ入りたり。その上に―立てられたり」→寝殿造(図)
つり‐なわ【釣縄】‥ナハ
①物をつるすのに用いる縄。太平記3「四方の塀の―を一度に切つて落したりける間」
②魚を釣るために釣針をつけて河海中にしかける縄。古今和歌集恋「伊勢の海のあまの―うちはへて」
つり‐の‐お【釣の緒】‥ヲ
釣糸。続古今和歌集恋「伊勢の海の波間に下す―の」
つり‐ばし【吊橋・釣橋】
①空中に張り渡したケーブルで路床をつり下げた橋。長大なスパンの橋に適するが、山間部の深い渓谷などにも掛けられる。
②城郭の濠などに設け、防御の際にはつりあげる橋。
つり‐ばしご【釣梯子】
物につるしかけて用いる綱製のはしご。
つり‐ばな【吊花】
ニシキギ科の落葉低木。高さ約2メートル。山地に自生、また庭木として栽植。6月ごろ、長い花柄の先に帯緑白色または帯紫色の小花を下垂、花後球形の蒴果さくかを結ぶ。紅葉が美しい。種子は赤い。材は細工物用。
つりばな
つり‐ばな【釣花】
生け花の形式の一つ。花器を天井から釣り下げて用いる場合の称。→置花→掛花
つり‐はないけ【釣花生け】
花生けの一種。天井からつり下げて用いるもの。舟形・月形・釣瓶つるべ形など。釣花入れ。釣花器。
つり‐ばり【釣針・釣鉤】
魚を釣るためのはり。普通「し」の字形をなす。
つりばり【釣針】
狂言。主が太郎冠者を連れて宮へ参る。主は夢の告げを得て美女を釣り、冠者も自分の妻を釣るが、醜女なので逃げる。釣女。
つり‐ひげ【釣鬚】
口ひげの先を上にはねあげたもの。中間ちゅうげん・奴やっこなどが、墨で書き、または作り物を用いた。好色一代男7「炮烙ほうろくに―を作り出せば」
つり‐ひも【吊紐】
物を吊るために取りつけた紐。
つり‐ぶつだん【釣仏壇】
持仏じぶつの絵像をかけてまつるもの。つりおまえ。傾城禁短気「先づ―に御灯明点ともして」
つり‐ぶね【釣舟・釣船】
①魚釣りに使う船。
②舟形の釣花生け。
③江戸時代の女の髪型の一つ。
つりふね‐そう【釣舟草】‥サウ
ツリフネソウ科の一年草。茎は高さ30〜50センチメートル。軟質で多汁。葉は有柄互生、楕円形。晩夏に花序を出し、赤紫色の美花を細い花柄の先に垂らす。筒形の花冠の後端は距きょとなり、先が反曲して巻き、舟に似る。日本各地の山地水辺に群生。近縁種に花が黄色のキツリフネがある。〈[季]秋〉
つりふねそう
つり‐ぶみ【吊文】
系図。つりがき。つり。
つり‐べい【釣塀】
縄でつり支えた塀。
つり‐ぼり【釣堀】
池などに魚を養っておき、料金を取って釣らせるところ。〈[季]夏〉
つり‐まと【釣的】
つり下げた的。
つり‐め【吊目・吊眼】
目尻がつり上がったように見える眼。
つり‐もと【釣元】
開き戸の、蝶番ちょうつがいまたは肘壺ひじつぼのとりつけてある側。
つり‐やぐ【釣夜具】
身体に夜具の重みを感じさせないように、夜具の中央に鐶かんをつけ、紐で天井からつるすようにしたもの。老人・病人などに使用。釣夜着つりよぎ。
つり‐やど【釣宿】
舟の手配など、釣り客の世話をする家。
つ‐りょう【津料】‥レウ
中世、川や湖の要津ようしんや海港などに関を設け、そこを通過する人や貨物から徴収した税。
つり‐よぎ【釣夜着】
(→)釣夜具つりやぐに同じ。日本永代蔵4「重ね蒲団―ぱんやの括り枕に身がこそばく」
つり‐わ【吊輪・吊環】
体操用具の一種。また、それを用いて行う男子体操競技。吊り下げた二つの輪を両手で握り、足を地上から離して種々の演技をする。
つり‐わく【釣枠】
(→)釣枝つりえだに同じ。
つる【弦・絃】
①弓に張る糸。ゆみづる。三蔵法師伝嘉応点「舟を刳えり木に絃ツルはげて」。「―を離れた矢」
②琴などの糸。
③枡ますの上面に、対角線上に張り渡した鉄線。平らにならすためのもの。
④(「鉉」とも書く)鍋・土瓶どびんなどにつけてある弓形または半円形の取手とって。「―が外れる」
つる【蔓】
①他物に巻き付いたり付着したりしながら成長していく植物。また、特にその茎(フジ・ツタの類)や巻きひげ(エンドウ・キュウリの類)などの器官。
②鉱脈。転じて、金銭を得る手がかり。てづる。「金の―」
③すじ。系統。類。
④眼鏡の、耳にかける部分。
つる【鶴】
(一説に、朝鮮語turumiと同源。また、鳴き声を写したものという)
①ツル目ツル科の鳥の総称。古来長寿の動物として尊ばれた。大形で頸・脚ともに長い。沼地・平原などに群棲し、地上に営巣・産卵。日本ではタンチョウが北海道で繁殖し、マナヅル・ナベヅルなどが山口県・鹿児島県などで越冬。タンチョウを単にツルともいう。古名、たず。土佐日記「見渡せば松のうれごとにすむ―は千代のどちとぞ思ふべらなる」
アネハヅル
撮影:小宮輝之
ハゴロモヅル
撮影:小宮輝之
②紋所の名。鶴を種々に図案化したもの。鶴丸つるのまる・舞鶴・鶴菱など。→鶴丸(図)
⇒鶴来る
⇒鶴は千年亀は万年
つる【都留】
山梨県南東部、郡内ぐんない地方の市。中心の谷村やむらはもと天領の陣屋町。甲斐絹かいきが特産。人口3万5千。
つる【都留】
姓氏の一つ。
⇒つる‐しげと【都留重人】
つ・る【連る】
〔自他下二〕
⇒つれる(下一)
つ・る【釣る・吊る】
[一]〔他五〕
①上の物にかけてたれさげる。つるす。日葡辞書「カヤヲツル」。「橋を―・る」「首を―・る」
②ひっかけて上げる。釣針で魚をとる。万葉集5「鮎―・ると立たせる妹が裳の裾ぬれぬ」。「えびで鯛を―・る」
③かつぐ。舁かく。好色一代女1「楽乗物―・らせて」
④上へあげる。「目を―・る」
⑤おびき出す。巧みに誘う。狂言、釣狐「聞けばそなたは狐を―・るとの」。浮世草子、好色産毛「我にみたてて、殿子―・りてまゐれと仰せありつるほどに」。「甘言で―・る」
⑥相撲で、相手のまわしをつかんで高く持ち上げる。
[二]〔自五〕
①一方へ引かれて寄る。筋などがひきつる。日葡辞書「スヂガツル」。「足が―・る」「縫い目の糸が―・る」
②上へあがる。「目の―・った人」
◇[一]1・4・6および[二]は、ふつう「吊」、[一]2・3・5は、「釣」を使う。[二]1は、「攣る」「痙る」とも書く。
⇒釣った魚に餌はやらぬ
つる‐あらめ【蔓荒布】
褐藻類コンブ科の海藻。皺のある笹の葉状の葉をもつ。長さ1メートル。潮下帯の岩上に生育し、蔓のように匍匐ほふくする根から新しい芽を生じる。日本海特産。佐渡で「板あらめ」として食用。
つる‐い【釣井】‥ヰ
ふかい竪たて井戸。吊井つりい。釣川。坪川つぼかわ。
つる‐うし【蔓牛】
遺伝力の強い、優良な特性がよく固定化された和牛の系統。中国地方の和牛生産地帯での呼称。
つる‐うち【弦打】
物怪もののけなどを退散させるまじないとして、弓弦ゆづるを引いて鳴らすこと。また、その人。鳴弦めいげん。弓弦打。源氏物語夕顔「随身も―して絶えずこわづくれ」
つる‐うめもどき【蔓梅擬き】
(葉形がウメに似て、蔓になるのでいう)ニシキギ科の落葉蔓性低木。山地に多い。葉は楕円形。初夏、黄緑色の細花を開く。花後、球形の蒴果さくかを結び、晩秋に開裂して黄赤色の仮種皮をつけた種子を露出する。〈[季]秋〉
ツルウメモドキ(実)
撮影:関戸 勇
つるおか【鶴岡】‥ヲカ
山形県北西部、庄内平野の中心の市。もと酒井氏14万石の城下町。羽二重などの絹織物、第二次大戦後は農機具・清酒などの生産が盛ん。人口14万2千。旧称、荘内。古名、つるがおか。→庄内
つるおか【鶴岡】‥ヲカ
姓氏の一つ。
⇒つるおか‐かずと【鶴岡一人】
⇒つるおか‐まさお【鶴岡政男】
つるおか‐かずと【鶴岡一人】‥ヲカ‥
プロ野球選手・監督。広島県出身。1939年南海に入団。第二次大戦後、52年まで選手兼監督、53年から監督専任。監督としてリーグ優勝11回、日本シリーズ優勝2回。65年野球殿堂入り。(1916〜2000)
⇒つるおか【鶴岡】
つるおか‐まさお【鶴岡政男】‥ヲカ‥ヲ
洋画家。群馬県生れ。松本竣介・麻生三郎・靉光あいみつらと新人画会を結成。機知に富んだ作風が特徴。作「重い手」「人間気化」など。(1907〜1979)
⇒つるおか【鶴岡】
つる‐おと【弦音】
矢を放ったとき弦の鳴る音。また、弦打つるうちして弦の鳴る音。保元物語「もとより引きまうけたる矢なれば、―高く切つて放つ」
つるが【敦賀】
福井県の南部、敦賀湾に面する港湾都市。古代から日本海側における大陸交通の要地。奈良時代には角鹿つぬがと称。原子力発電所が立地。人口6万8千。
つるが【鶴賀】
新内しんない節の大成に先行する諸派のうち、鶴賀若狭掾わかさのじょうに始まる一派。また、その芸姓。
⇒つるが‐ぶし【鶴賀節】
⇒つるが‐わかさのじょう【鶴賀若狭掾】
つる‐かえし【蔓返し】‥カヘシ
甘藷栽培で、収穫期近くにその蔓を反転する作業。茎葉の徒長を抑制、屑藷を生ずることを防ぐ。
つるがおか【鶴岡】‥ヲカ
鶴岡八幡宮の略。
⇒つるがおか‐しゃさん【鶴岡社参】
⇒つるがおか‐そうぶぎょう【鶴岡総奉行】
⇒つるがおか‐はちまんぐう【鶴岡八幡宮】
つるがおか‐しゃさん【鶴岡社参】‥ヲカ‥
鎌倉時代、将軍が鶴岡八幡宮に参詣したこと。
⇒つるがおか【鶴岡】
つるがおか‐そうぶぎょう【鶴岡総奉行】‥ヲカ‥ギヤウ
室町時代、関東管領の設けた職。鶴岡八幡宮の社務を処理し、上杉氏を任用。鎌倉幕府では鶴岡八幡宮奉行。
⇒つるがおか【鶴岡】
つるがおか‐はちまんぐう【鶴岡八幡宮】‥ヲカ‥
鎌倉市雪ノ下にある元国幣中社。祭神は応神天皇・比売神ひめがみ・神功皇后。1063年(康平6)源頼義が石清水いわしみず八幡宮の分霊を鎌倉の由比郷鶴岡に勧請かんじょうし、1180年(治承4)源頼朝が今の地に移して旧名をうけついだ。源氏の氏神として尊崇された。鎌倉八幡宮。
鶴岡八幡宮
撮影:関戸 勇
⇒つるがおか【鶴岡】
つる‐かけ【弦掛・絃掛】
①弦を弓筈ゆはずにかけること。
②弓弦を作る職人。
③枡ますに弦つる3をかけ渡すこと。また、その枡。弦掛枡。日本永代蔵5「後は碓の音絶えて―枡のみ残れり」
④弦鍋つるなべ。〈日葡辞書〉
⑤古来の伐木法。鋸を用いず、大木の根方に3方から斧を入れ、鼎かなえの脚のように3カ所脚を残すこと。最後にその一つを切り放すと、樹はその反対の方向に倒れる。三つ紐伐り。
つるがしま【鶴ケ島】
埼玉県南部、坂戸台地中央に位置する市。畑作地帯。関越自動車道のインターチェンジがあり、住宅地化が進行。人口7万。
つるが‐ぶし【鶴賀節】
新内節のもとになった浄瑠璃の流派。
⇒つるが【鶴賀】
つる‐かめ【鶴亀】
①鶴と亀。いずれも寿命が長く、めでたいものとされ、縁起物として種々の飾りに用いる。古今和歌集賀「―も千年の後は知らなくに」。好色一代女3「蝋燭立の―をころばせ」
②縁起を祝い、または縁起直しに言う言葉。つるかめつるかめ。尾崎紅葉、おぼろ舟「御母様済みませぬ。此お詫はあの世から。えゝ――」
⇒つるかめ‐ざん【鶴亀算】
つるかめ【鶴亀】
①能。唐土の皇帝が春の節会の嘉例として月宮殿で鶴亀の舞を奏させ、自らも舞楽を舞う。月宮殿。
②長唄・常磐津・地歌・箏曲の一つ。1に基づく祝儀物。長唄は10世杵屋六左衛門作曲。常磐津は本名題「細石さざれいし巌鶴亀」。3世桜田治助作詞。4世岸沢古式部作曲。地歌は2世松崎検校作曲の端歌物。箏曲は楯山登作曲の明治新曲と山田流箏曲の手ほどき曲。
つるかめ‐ざん【鶴亀算】
算数の問題の一つ。鶴と亀との合計数と合計足数を知ることによって、それぞれの数を知るもの。
⇒つる‐かめ【鶴亀】
つるかめ‐そう【蔓亀草】‥サウ
ヤマノイモ科の多年草。南アフリカ原産。地下の茎幹は円錐形で、一部は地表に出てコルク化し、亀の甲に似る。茎は蔓状、葉は心臓形。夏秋の頃、黄色の小花を多数総状につけ、翼状の稜角のある蒴果さくかを結ぶ。温室で栽培。テスツディナリア。
つるかめば‐そう【蔓亀葉草】‥サウ
ムラサキ科の多年草。茎は地上を這い蔓状。葉は卵形、下部の葉は心臓形。春、淡碧色の小花を花穂の一側に並べて開く。新枝の先端が地につくと根を出してふえる。
つるが‐わかさのじょう【鶴賀若狭掾】
江戸中期の新内節の太夫。鶴賀派の始祖。本名、高井庄兵衛。敦賀出身。富士松薩摩掾さつまのじょうの門弟。2世鶴賀新内と協力して新内節を大成。作詞・作曲に「明烏」「蘭蝶」など名作が多い。狂歌の号、大木戸黒牛。(1717〜1786)
⇒つるが【鶴賀】
つるぎ【剣】
(古くはツルキとも。ツリハキ(吊佩)の約という)諸刃もろはの刀。けん。古事記中「―の太刀」
⇒つるぎ‐たち【剣太刀】
⇒つるぎ‐の‐えだ【剣の枝】
⇒つるぎ‐の‐たち【剣の太刀】
⇒つるぎ‐の‐はわたり【剣の刃渡り】
⇒つるぎ‐の‐まい【剣の舞】
⇒つるぎ‐の‐やま【剣の山】
⇒つるぎ‐ば【剣羽】
つるぎ‐さき【剣崎】
神奈川県南東部、三浦半島南東端の岬。千葉県の洲崎すのさきと相対して東京湾の入口に位置し、灯台がある。けんざき。
つるぎ‐さん【剣山】
徳島県の西部、剣山地の主峰。標高1955メートル。中世以降、修験しゅげん道の霊場。
剣山
提供:オフィス史朗
つるぎ‐だけ【剣岳・劔岳】
富山県東部、北アルプス立山連峰の北端に屹立する峻峰。標高2999メートル。鋭い岩場と雪渓をもつ。
剱岳(1)
提供:オフィス史朗
剱岳(2)
提供:オフィス史朗
つるぎ‐たち【剣太刀】
[一]〔名〕
鋭利な刀。つるぎのたち。万葉集5「―腰にとり佩はき」
[二]〔枕〕
「み」「身」「ひ」「な」「とぐ」「名」などにかかる。
⇒つるぎ【剣】
⇒つりがね‐ずみ【釣鐘墨】
⇒つりがね‐そう【釣鐘草】
⇒つりがね‐どう【釣鐘堂】
⇒つりがね‐にんじん【釣鐘人参】
⇒つりがね‐マント【釣鐘マント】
⇒つりがね‐むし【釣鐘虫】
つりがね‐ずみ【釣鐘墨】
松煙しょうえんに蝋ろうをまぜ釣鐘形に扁平に固めた墨。乾拓に用いる。乾打碑かんだひ。→拓本たくほん。
⇒つり‐がね【釣鐘】
つりがね‐そう【釣鐘草】‥サウ
①鐘状の花をつける草本の通称。ホタルブクロ・クサボタン・ナルコユリ・ツリガネニンジンなど。俳諧では特にホタルブクロをいう。〈[季]夏〉
②キキョウ科の園芸植物。フウリンソウ(カンパニュラ)。
⇒つり‐がね【釣鐘】
つりがね‐どう【釣鐘堂】‥ダウ
釣鐘をつるしておく堂。鐘楼しょうろう。
⇒つり‐がね【釣鐘】
つりがね‐にんじん【釣鐘人参】
キキョウ科の多年草。山地に普通。高さ約1メートル。3〜6葉が輪生。夏から秋に茎頂に淡紫色の小さな鐘形花を数段に輪生し下垂。若葉は食用、根は乾して去痰薬とする。トトキ。
⇒つり‐がね【釣鐘】
つりがね‐マント【釣鐘マント】
明治以降、軍人・学生などが着用した、釣鐘形の丈の長いマント。
⇒つり‐がね【釣鐘】
つりがね‐むし【釣鐘虫】
ボルチケラ属の繊毛虫類の総称。体は釣鐘形で縁に繊毛があり、細い柄で汚水中の木石などに多数着生。柄は螺旋状に縮み、伸びると約0.5ミリメートル。
つりがねむし
⇒つり‐がね【釣鐘】
つり‐かびん【釣花瓶】‥クワ‥
釣り下げるようにつくった花瓶。
つり‐がま【釣釜】
自在かぎなどに釣り下げて用いる釜。
つり‐かわ【釣川】‥カハ
(→)「つるい(釣井)」に同じ。
つり‐かわ【釣革・吊革】‥カハ
①ものを釣り下げてある革。
②バスや電車で、立っている乗客が体を支えるためにつかまる、輪のついた革製などのひも。「―につかまる」
つり‐ぎ【吊木・釣木】
棚・天井などをつるための木。西鶴織留3「年徳棚を買ひければ―釘まで持ち来たりて」
つり‐ぎつね【釣狐】
狐を罠わななどにかけて捕らえること。
つりぎつね【釣狐】
①狂言。古狐が猟師の伯父白蔵主はくぞうすに化けて狐の恐るべき故事を物語り、狐釣りをやめるよう意見するが、帰途わなの餌の誘惑に負ける。吼噦こんかい。
②歌舞伎舞踊。長唄。河竹黙阿弥作詞。3世杵屋正次郎作曲。1に取材。新歌舞伎十八番の一つ。
つり‐ぐ【釣具】
魚を釣るための道具。釣道具。「―店」
つり‐こうこく【吊り広告】‥クワウ‥
電車やバスなどの車中で、吊り下げて見せる広告。中吊り。
つり‐ごうし【釣格子】‥ガウ‥
外部に張り出してつくった格子。出格子。好色一代男1「西の方の中ほど、小さき―」
つり‐こうぞう【吊り構造】‥ザウ
〔建〕テンション構造の一種。構造物の主要な部分を支点から吊り下げ、引張り応力が支配的となるようにする形式。サスペンション構造。ケーブル構造。
つり‐こうろ【釣香炉】‥カウ‥
書院または床脇に長い飾り緒でつり、空炷そらだきをして香木をくゆらすもの。
つり‐ごし【釣輿】
轅ながえでつり下げてかつぐ輿。半切り。
つりこみ‐ごし【釣込み腰】
柔道の腰技の一つ。相手を両手で前に釣り上げるように引き寄せて後向きになり、腰に乗せて投げる。
つり‐こ・む【釣り込む】
〔他五〕
甘言を用い、また、興味を起こさせて、引き入れる。「話に―・まれる」
つり‐ざお【釣竿】‥ザヲ
魚釣りに用いる竿。
つり‐さが・る【釣り下がる・吊り下がる】
〔自五〕
①つり下げたようになる。ぶらさがる。
②物にすがって下がる。
つり‐さ・げる【釣り下げる・吊り下げる】
〔他下一〕[文]つりさ・ぐ(下二)
つるして下げる。つるす。「ランプを―・げる」
つり‐し【釣り師】
魚釣りをする人。腕のよい釣り人。
つり‐じとみ【釣蔀】
(→)上蔀あげじとみに同じ。
つり‐しのぶ【釣忍】
シノブグサを輪形などに束ねて、涼味を添えるため軒端につるすもの。〈[季]夏〉
つり‐しまだ【釣島田】
女の髪の結い方。鬢びんと髱たぼとを分けずに結った島田髷まげ。
つり‐せいろう【釣井楼・吊蒸籠】
軍中で用いた臨時の望楼としての井楼の一種。滑車かっしゃにより上下する箱に人を入れ、つりあげて敵状を偵察させた。
つり‐せん【釣銭】
(不足の釣合を補うために出すからという。あるいは、うつり銭の意か)支払った貨幣の額が代価を上回る場合、その分を小額の貨幣を用いて支払者に戻す金銭。つり。おつり。「―を受け取る」
つり‐だい【釣台】
板を台にして両端に吊り手をつけ、これに棒を通して前後から舁かいて行く台。嫁入道具や病人などを運んだ。
つり‐だいこ【釣太鼓】
枠につりさげて鳴らす楽がく太鼓。
つり‐だし【釣出し・吊出し】
①つりだすこと。おびきだすこと。浮世風呂前「せつかく内に仕事をして居る者をば―に来てなりません」
②(「吊出し」と書く)相撲の手の一つ。四つに組んだ体勢から相手の体を抱え上げて土俵の外へ出すもの。土俵の中で倒せば「吊落し」。
つりだ・す【釣り出す・吊り出す】
〔他五〕
①つりはじめる。
②だまして誘い出す。おびき出す。「甘言で―・す」
③(「吊り出す」と書く)相撲で、相手をつり上げて土俵の外へ出す。
つり‐だな【釣棚・吊棚】
①上からつり下げた棚。
②床脇の棚の一形式。通棚とおりだなの下に3枚の棚を、左右を低く、中央を高くつるしたもの。
つり‐だま【釣球】
野球で、打者が打ちたくなるようなコースに投げるボール球。
つり‐ぢょうちん【釣提灯】‥ヂヤウ‥
軒などに提灯をつり下げること。また、その提灯。
つり‐づか【釣束】
天井や鴨居などをつる束。
つり‐つ・ける【釣り付ける】
〔他下一〕[文]つりつ・く(下二)
餌を見せて引き寄せておく。望みを持たせてひきつけておく。釣り寄せる。歌舞伎、名歌徳三升玉垣「いつまでべんべんと―・けるのだヱヽ」
つり‐て【釣り手】
①魚を釣る人。
②(「吊手」とも書く)蚊帳かやなどをつるすのに用いるひも。
つり‐てんぐ【釣り天狗】
魚釣りが上手であると自慢し、うぬぼれる人。
つり‐てんじょう【釣天井・吊天井】‥ジヤウ
①つり上げておき、落として下にいる人を圧殺できる仕掛けの天井。「宇都宮―」
②〔建〕吊り木・吊り金物などによって吊られている天井。
つり‐ど【釣戸】
開ける時は上へ釣り上げ、閉める時は下に下げるようにした戸。
つり‐どうぐ【釣道具】‥ダウ‥
魚釣りに用いる道具。釣竿・釣糸・釣針などの類。
つり‐とうだい【釣灯台】
つり下げる燭台。〈日葡辞書〉
つり‐どうろう【釣灯籠】
①軒の端などにつる灯籠。
②(隠語)妾めかけ。
つり‐どおし【釣簁】‥ドホシ
縄で高い所からつり下げて用いる大きなふるい。
つり‐どこ【釣床・吊床】
①(→)壁床かべどこに同じ。
②つり下げた寝床。ハンモック。
つり‐とだな【釣戸棚・吊戸棚】
上からつるして支えてある戸棚。
つり‐どの【釣殿】
寝殿造しんでんづくりの、泉水に臨んで建てた殿舎。釣りをするために設けたという。宇津保物語楼上上「広き池流れ入りたり。その上に―立てられたり」→寝殿造(図)
つり‐なわ【釣縄】‥ナハ
①物をつるすのに用いる縄。太平記3「四方の塀の―を一度に切つて落したりける間」
②魚を釣るために釣針をつけて河海中にしかける縄。古今和歌集恋「伊勢の海のあまの―うちはへて」
つり‐の‐お【釣の緒】‥ヲ
釣糸。続古今和歌集恋「伊勢の海の波間に下す―の」
つり‐ばし【吊橋・釣橋】
①空中に張り渡したケーブルで路床をつり下げた橋。長大なスパンの橋に適するが、山間部の深い渓谷などにも掛けられる。
②城郭の濠などに設け、防御の際にはつりあげる橋。
つり‐ばしご【釣梯子】
物につるしかけて用いる綱製のはしご。
つり‐ばな【吊花】
ニシキギ科の落葉低木。高さ約2メートル。山地に自生、また庭木として栽植。6月ごろ、長い花柄の先に帯緑白色または帯紫色の小花を下垂、花後球形の蒴果さくかを結ぶ。紅葉が美しい。種子は赤い。材は細工物用。
つりばな
つり‐ばな【釣花】
生け花の形式の一つ。花器を天井から釣り下げて用いる場合の称。→置花→掛花
つり‐はないけ【釣花生け】
花生けの一種。天井からつり下げて用いるもの。舟形・月形・釣瓶つるべ形など。釣花入れ。釣花器。
つり‐ばり【釣針・釣鉤】
魚を釣るためのはり。普通「し」の字形をなす。
つりばり【釣針】
狂言。主が太郎冠者を連れて宮へ参る。主は夢の告げを得て美女を釣り、冠者も自分の妻を釣るが、醜女なので逃げる。釣女。
つり‐ひげ【釣鬚】
口ひげの先を上にはねあげたもの。中間ちゅうげん・奴やっこなどが、墨で書き、または作り物を用いた。好色一代男7「炮烙ほうろくに―を作り出せば」
つり‐ひも【吊紐】
物を吊るために取りつけた紐。
つり‐ぶつだん【釣仏壇】
持仏じぶつの絵像をかけてまつるもの。つりおまえ。傾城禁短気「先づ―に御灯明点ともして」
つり‐ぶね【釣舟・釣船】
①魚釣りに使う船。
②舟形の釣花生け。
③江戸時代の女の髪型の一つ。
つりふね‐そう【釣舟草】‥サウ
ツリフネソウ科の一年草。茎は高さ30〜50センチメートル。軟質で多汁。葉は有柄互生、楕円形。晩夏に花序を出し、赤紫色の美花を細い花柄の先に垂らす。筒形の花冠の後端は距きょとなり、先が反曲して巻き、舟に似る。日本各地の山地水辺に群生。近縁種に花が黄色のキツリフネがある。〈[季]秋〉
つりふねそう
つり‐ぶみ【吊文】
系図。つりがき。つり。
つり‐べい【釣塀】
縄でつり支えた塀。
つり‐ぼり【釣堀】
池などに魚を養っておき、料金を取って釣らせるところ。〈[季]夏〉
つり‐まと【釣的】
つり下げた的。
つり‐め【吊目・吊眼】
目尻がつり上がったように見える眼。
つり‐もと【釣元】
開き戸の、蝶番ちょうつがいまたは肘壺ひじつぼのとりつけてある側。
つり‐やぐ【釣夜具】
身体に夜具の重みを感じさせないように、夜具の中央に鐶かんをつけ、紐で天井からつるすようにしたもの。老人・病人などに使用。釣夜着つりよぎ。
つり‐やど【釣宿】
舟の手配など、釣り客の世話をする家。
つ‐りょう【津料】‥レウ
中世、川や湖の要津ようしんや海港などに関を設け、そこを通過する人や貨物から徴収した税。
つり‐よぎ【釣夜着】
(→)釣夜具つりやぐに同じ。日本永代蔵4「重ね蒲団―ぱんやの括り枕に身がこそばく」
つり‐わ【吊輪・吊環】
体操用具の一種。また、それを用いて行う男子体操競技。吊り下げた二つの輪を両手で握り、足を地上から離して種々の演技をする。
つり‐わく【釣枠】
(→)釣枝つりえだに同じ。
つる【弦・絃】
①弓に張る糸。ゆみづる。三蔵法師伝嘉応点「舟を刳えり木に絃ツルはげて」。「―を離れた矢」
②琴などの糸。
③枡ますの上面に、対角線上に張り渡した鉄線。平らにならすためのもの。
④(「鉉」とも書く)鍋・土瓶どびんなどにつけてある弓形または半円形の取手とって。「―が外れる」
つる【蔓】
①他物に巻き付いたり付着したりしながら成長していく植物。また、特にその茎(フジ・ツタの類)や巻きひげ(エンドウ・キュウリの類)などの器官。
②鉱脈。転じて、金銭を得る手がかり。てづる。「金の―」
③すじ。系統。類。
④眼鏡の、耳にかける部分。
つる【鶴】
(一説に、朝鮮語turumiと同源。また、鳴き声を写したものという)
①ツル目ツル科の鳥の総称。古来長寿の動物として尊ばれた。大形で頸・脚ともに長い。沼地・平原などに群棲し、地上に営巣・産卵。日本ではタンチョウが北海道で繁殖し、マナヅル・ナベヅルなどが山口県・鹿児島県などで越冬。タンチョウを単にツルともいう。古名、たず。土佐日記「見渡せば松のうれごとにすむ―は千代のどちとぞ思ふべらなる」
アネハヅル
撮影:小宮輝之
ハゴロモヅル
撮影:小宮輝之
②紋所の名。鶴を種々に図案化したもの。鶴丸つるのまる・舞鶴・鶴菱など。→鶴丸(図)
⇒鶴来る
⇒鶴は千年亀は万年
つる【都留】
山梨県南東部、郡内ぐんない地方の市。中心の谷村やむらはもと天領の陣屋町。甲斐絹かいきが特産。人口3万5千。
つる【都留】
姓氏の一つ。
⇒つる‐しげと【都留重人】
つ・る【連る】
〔自他下二〕
⇒つれる(下一)
つ・る【釣る・吊る】
[一]〔他五〕
①上の物にかけてたれさげる。つるす。日葡辞書「カヤヲツル」。「橋を―・る」「首を―・る」
②ひっかけて上げる。釣針で魚をとる。万葉集5「鮎―・ると立たせる妹が裳の裾ぬれぬ」。「えびで鯛を―・る」
③かつぐ。舁かく。好色一代女1「楽乗物―・らせて」
④上へあげる。「目を―・る」
⑤おびき出す。巧みに誘う。狂言、釣狐「聞けばそなたは狐を―・るとの」。浮世草子、好色産毛「我にみたてて、殿子―・りてまゐれと仰せありつるほどに」。「甘言で―・る」
⑥相撲で、相手のまわしをつかんで高く持ち上げる。
[二]〔自五〕
①一方へ引かれて寄る。筋などがひきつる。日葡辞書「スヂガツル」。「足が―・る」「縫い目の糸が―・る」
②上へあがる。「目の―・った人」
◇[一]1・4・6および[二]は、ふつう「吊」、[一]2・3・5は、「釣」を使う。[二]1は、「攣る」「痙る」とも書く。
⇒釣った魚に餌はやらぬ
つる‐あらめ【蔓荒布】
褐藻類コンブ科の海藻。皺のある笹の葉状の葉をもつ。長さ1メートル。潮下帯の岩上に生育し、蔓のように匍匐ほふくする根から新しい芽を生じる。日本海特産。佐渡で「板あらめ」として食用。
つる‐い【釣井】‥ヰ
ふかい竪たて井戸。吊井つりい。釣川。坪川つぼかわ。
つる‐うし【蔓牛】
遺伝力の強い、優良な特性がよく固定化された和牛の系統。中国地方の和牛生産地帯での呼称。
つる‐うち【弦打】
物怪もののけなどを退散させるまじないとして、弓弦ゆづるを引いて鳴らすこと。また、その人。鳴弦めいげん。弓弦打。源氏物語夕顔「随身も―して絶えずこわづくれ」
つる‐うめもどき【蔓梅擬き】
(葉形がウメに似て、蔓になるのでいう)ニシキギ科の落葉蔓性低木。山地に多い。葉は楕円形。初夏、黄緑色の細花を開く。花後、球形の蒴果さくかを結び、晩秋に開裂して黄赤色の仮種皮をつけた種子を露出する。〈[季]秋〉
ツルウメモドキ(実)
撮影:関戸 勇
つるおか【鶴岡】‥ヲカ
山形県北西部、庄内平野の中心の市。もと酒井氏14万石の城下町。羽二重などの絹織物、第二次大戦後は農機具・清酒などの生産が盛ん。人口14万2千。旧称、荘内。古名、つるがおか。→庄内
つるおか【鶴岡】‥ヲカ
姓氏の一つ。
⇒つるおか‐かずと【鶴岡一人】
⇒つるおか‐まさお【鶴岡政男】
つるおか‐かずと【鶴岡一人】‥ヲカ‥
プロ野球選手・監督。広島県出身。1939年南海に入団。第二次大戦後、52年まで選手兼監督、53年から監督専任。監督としてリーグ優勝11回、日本シリーズ優勝2回。65年野球殿堂入り。(1916〜2000)
⇒つるおか【鶴岡】
つるおか‐まさお【鶴岡政男】‥ヲカ‥ヲ
洋画家。群馬県生れ。松本竣介・麻生三郎・靉光あいみつらと新人画会を結成。機知に富んだ作風が特徴。作「重い手」「人間気化」など。(1907〜1979)
⇒つるおか【鶴岡】
つる‐おと【弦音】
矢を放ったとき弦の鳴る音。また、弦打つるうちして弦の鳴る音。保元物語「もとより引きまうけたる矢なれば、―高く切つて放つ」
つるが【敦賀】
福井県の南部、敦賀湾に面する港湾都市。古代から日本海側における大陸交通の要地。奈良時代には角鹿つぬがと称。原子力発電所が立地。人口6万8千。
つるが【鶴賀】
新内しんない節の大成に先行する諸派のうち、鶴賀若狭掾わかさのじょうに始まる一派。また、その芸姓。
⇒つるが‐ぶし【鶴賀節】
⇒つるが‐わかさのじょう【鶴賀若狭掾】
つる‐かえし【蔓返し】‥カヘシ
甘藷栽培で、収穫期近くにその蔓を反転する作業。茎葉の徒長を抑制、屑藷を生ずることを防ぐ。
つるがおか【鶴岡】‥ヲカ
鶴岡八幡宮の略。
⇒つるがおか‐しゃさん【鶴岡社参】
⇒つるがおか‐そうぶぎょう【鶴岡総奉行】
⇒つるがおか‐はちまんぐう【鶴岡八幡宮】
つるがおか‐しゃさん【鶴岡社参】‥ヲカ‥
鎌倉時代、将軍が鶴岡八幡宮に参詣したこと。
⇒つるがおか【鶴岡】
つるがおか‐そうぶぎょう【鶴岡総奉行】‥ヲカ‥ギヤウ
室町時代、関東管領の設けた職。鶴岡八幡宮の社務を処理し、上杉氏を任用。鎌倉幕府では鶴岡八幡宮奉行。
⇒つるがおか【鶴岡】
つるがおか‐はちまんぐう【鶴岡八幡宮】‥ヲカ‥
鎌倉市雪ノ下にある元国幣中社。祭神は応神天皇・比売神ひめがみ・神功皇后。1063年(康平6)源頼義が石清水いわしみず八幡宮の分霊を鎌倉の由比郷鶴岡に勧請かんじょうし、1180年(治承4)源頼朝が今の地に移して旧名をうけついだ。源氏の氏神として尊崇された。鎌倉八幡宮。
鶴岡八幡宮
撮影:関戸 勇
⇒つるがおか【鶴岡】
つる‐かけ【弦掛・絃掛】
①弦を弓筈ゆはずにかけること。
②弓弦を作る職人。
③枡ますに弦つる3をかけ渡すこと。また、その枡。弦掛枡。日本永代蔵5「後は碓の音絶えて―枡のみ残れり」
④弦鍋つるなべ。〈日葡辞書〉
⑤古来の伐木法。鋸を用いず、大木の根方に3方から斧を入れ、鼎かなえの脚のように3カ所脚を残すこと。最後にその一つを切り放すと、樹はその反対の方向に倒れる。三つ紐伐り。
つるがしま【鶴ケ島】
埼玉県南部、坂戸台地中央に位置する市。畑作地帯。関越自動車道のインターチェンジがあり、住宅地化が進行。人口7万。
つるが‐ぶし【鶴賀節】
新内節のもとになった浄瑠璃の流派。
⇒つるが【鶴賀】
つる‐かめ【鶴亀】
①鶴と亀。いずれも寿命が長く、めでたいものとされ、縁起物として種々の飾りに用いる。古今和歌集賀「―も千年の後は知らなくに」。好色一代女3「蝋燭立の―をころばせ」
②縁起を祝い、または縁起直しに言う言葉。つるかめつるかめ。尾崎紅葉、おぼろ舟「御母様済みませぬ。此お詫はあの世から。えゝ――」
⇒つるかめ‐ざん【鶴亀算】
つるかめ【鶴亀】
①能。唐土の皇帝が春の節会の嘉例として月宮殿で鶴亀の舞を奏させ、自らも舞楽を舞う。月宮殿。
②長唄・常磐津・地歌・箏曲の一つ。1に基づく祝儀物。長唄は10世杵屋六左衛門作曲。常磐津は本名題「細石さざれいし巌鶴亀」。3世桜田治助作詞。4世岸沢古式部作曲。地歌は2世松崎検校作曲の端歌物。箏曲は楯山登作曲の明治新曲と山田流箏曲の手ほどき曲。
つるかめ‐ざん【鶴亀算】
算数の問題の一つ。鶴と亀との合計数と合計足数を知ることによって、それぞれの数を知るもの。
⇒つる‐かめ【鶴亀】
つるかめ‐そう【蔓亀草】‥サウ
ヤマノイモ科の多年草。南アフリカ原産。地下の茎幹は円錐形で、一部は地表に出てコルク化し、亀の甲に似る。茎は蔓状、葉は心臓形。夏秋の頃、黄色の小花を多数総状につけ、翼状の稜角のある蒴果さくかを結ぶ。温室で栽培。テスツディナリア。
つるかめば‐そう【蔓亀葉草】‥サウ
ムラサキ科の多年草。茎は地上を這い蔓状。葉は卵形、下部の葉は心臓形。春、淡碧色の小花を花穂の一側に並べて開く。新枝の先端が地につくと根を出してふえる。
つるが‐わかさのじょう【鶴賀若狭掾】
江戸中期の新内節の太夫。鶴賀派の始祖。本名、高井庄兵衛。敦賀出身。富士松薩摩掾さつまのじょうの門弟。2世鶴賀新内と協力して新内節を大成。作詞・作曲に「明烏」「蘭蝶」など名作が多い。狂歌の号、大木戸黒牛。(1717〜1786)
⇒つるが【鶴賀】
つるぎ【剣】
(古くはツルキとも。ツリハキ(吊佩)の約という)諸刃もろはの刀。けん。古事記中「―の太刀」
⇒つるぎ‐たち【剣太刀】
⇒つるぎ‐の‐えだ【剣の枝】
⇒つるぎ‐の‐たち【剣の太刀】
⇒つるぎ‐の‐はわたり【剣の刃渡り】
⇒つるぎ‐の‐まい【剣の舞】
⇒つるぎ‐の‐やま【剣の山】
⇒つるぎ‐ば【剣羽】
つるぎ‐さき【剣崎】
神奈川県南東部、三浦半島南東端の岬。千葉県の洲崎すのさきと相対して東京湾の入口に位置し、灯台がある。けんざき。
つるぎ‐さん【剣山】
徳島県の西部、剣山地の主峰。標高1955メートル。中世以降、修験しゅげん道の霊場。
剣山
提供:オフィス史朗
つるぎ‐だけ【剣岳・劔岳】
富山県東部、北アルプス立山連峰の北端に屹立する峻峰。標高2999メートル。鋭い岩場と雪渓をもつ。
剱岳(1)
提供:オフィス史朗
剱岳(2)
提供:オフィス史朗
つるぎ‐たち【剣太刀】
[一]〔名〕
鋭利な刀。つるぎのたち。万葉集5「―腰にとり佩はき」
[二]〔枕〕
「み」「身」「ひ」「な」「とぐ」「名」などにかかる。
⇒つるぎ【剣】
つり‐おと・す【釣り落とす】🔗⭐🔉
つり‐おと・す【釣り落とす】
〔他五〕
魚を釣り上げる途中で落としてしまう。
⇒釣り落とした魚は大きい
つり‐おまえ【釣御前】‥オマヘ🔗⭐🔉
つり‐おまえ【釣御前】‥オマヘ
壁に懸けてつるようにした絵像の持仏、または仏壇。世間胸算用1「―に仏の道具添へて、取り集めて二十三色にて」
つりおんな【釣女】‥ヲンナ🔗⭐🔉
つりおんな【釣女】‥ヲンナ
①狂言。(→)「釣針」に同じ。
②歌舞伎舞踊。常磐津。河竹黙阿弥作詞。6世岸沢古式部作曲。1に取材。大名は蛭子えびす神の示現で美女を釣り上げ、太郎冠者は醜女しこめを釣る。
つり‐がき【釣柿】🔗⭐🔉
つり‐がき【釣柿】
(→)「つるしがき」に同じ。冬の日「―に屋根ふかれたる片庇」
つり‐がき【釣書・吊書】🔗⭐🔉
つり‐がき【釣書・吊書】
系図。つり。転じて、経歴。浮世草子、新可笑記「地侍のなにがし、代々楠木が―、家に伝へし武道具の目録持参して」
つり‐がね【釣金】🔗⭐🔉
つり‐がね【釣金】
物をつり下げるための金具。今昔物語集12「天蓋は大きなる物なれば、―どもを打ち付けむが為に」
つり‐がね【釣鐘】🔗⭐🔉
つり‐がね【釣鐘】
寺院の鐘楼などに吊してある大きな鐘。青銅製で、撞木しゅもくでつき鳴らす。おおがね。つきがね。梵鐘ぼんしょう。
釣鐘
撮影:関戸 勇
⇒つりがね‐ずみ【釣鐘墨】
⇒つりがね‐そう【釣鐘草】
⇒つりがね‐どう【釣鐘堂】
⇒つりがね‐にんじん【釣鐘人参】
⇒つりがね‐マント【釣鐘マント】
⇒つりがね‐むし【釣鐘虫】
⇒つりがね‐ずみ【釣鐘墨】
⇒つりがね‐そう【釣鐘草】
⇒つりがね‐どう【釣鐘堂】
⇒つりがね‐にんじん【釣鐘人参】
⇒つりがね‐マント【釣鐘マント】
⇒つりがね‐むし【釣鐘虫】
つりがね‐ずみ【釣鐘墨】🔗⭐🔉
つりがね‐ずみ【釣鐘墨】
松煙しょうえんに蝋ろうをまぜ釣鐘形に扁平に固めた墨。乾拓に用いる。乾打碑かんだひ。→拓本たくほん。
⇒つり‐がね【釣鐘】
つりがね‐そう【釣鐘草】‥サウ🔗⭐🔉
つりがね‐そう【釣鐘草】‥サウ
①鐘状の花をつける草本の通称。ホタルブクロ・クサボタン・ナルコユリ・ツリガネニンジンなど。俳諧では特にホタルブクロをいう。〈[季]夏〉
②キキョウ科の園芸植物。フウリンソウ(カンパニュラ)。
⇒つり‐がね【釣鐘】
つりがね‐どう【釣鐘堂】‥ダウ🔗⭐🔉
つりがね‐どう【釣鐘堂】‥ダウ
釣鐘をつるしておく堂。鐘楼しょうろう。
⇒つり‐がね【釣鐘】
つりがね‐にんじん【釣鐘人参】🔗⭐🔉
つりがね‐にんじん【釣鐘人参】
キキョウ科の多年草。山地に普通。高さ約1メートル。3〜6葉が輪生。夏から秋に茎頂に淡紫色の小さな鐘形花を数段に輪生し下垂。若葉は食用、根は乾して去痰薬とする。トトキ。
⇒つり‐がね【釣鐘】
つりがね‐マント【釣鐘マント】🔗⭐🔉
つりがね‐マント【釣鐘マント】
明治以降、軍人・学生などが着用した、釣鐘形の丈の長いマント。
⇒つり‐がね【釣鐘】
つりがね‐むし【釣鐘虫】🔗⭐🔉
つりがね‐むし【釣鐘虫】
ボルチケラ属の繊毛虫類の総称。体は釣鐘形で縁に繊毛があり、細い柄で汚水中の木石などに多数着生。柄は螺旋状に縮み、伸びると約0.5ミリメートル。
つりがねむし
⇒つり‐がね【釣鐘】
⇒つり‐がね【釣鐘】
つり‐かびん【釣花瓶】‥クワ‥🔗⭐🔉
つり‐かびん【釣花瓶】‥クワ‥
釣り下げるようにつくった花瓶。
つり‐がま【釣釜】🔗⭐🔉
つり‐がま【釣釜】
自在かぎなどに釣り下げて用いる釜。
つり‐かわ【釣革・吊革】‥カハ🔗⭐🔉
つり‐かわ【釣革・吊革】‥カハ
①ものを釣り下げてある革。
②バスや電車で、立っている乗客が体を支えるためにつかまる、輪のついた革製などのひも。「―につかまる」
つり‐ぎつね【釣狐】🔗⭐🔉
つり‐ぎつね【釣狐】
狐を罠わななどにかけて捕らえること。
つりぎつね【釣狐】(作品名)🔗⭐🔉
つりぎつね【釣狐】
①狂言。古狐が猟師の伯父白蔵主はくぞうすに化けて狐の恐るべき故事を物語り、狐釣りをやめるよう意見するが、帰途わなの餌の誘惑に負ける。吼噦こんかい。
②歌舞伎舞踊。長唄。河竹黙阿弥作詞。3世杵屋正次郎作曲。1に取材。新歌舞伎十八番の一つ。
つり‐ぐ【釣具】🔗⭐🔉
つり‐ぐ【釣具】
魚を釣るための道具。釣道具。「―店」
つり‐ごうし【釣格子】‥ガウ‥🔗⭐🔉
つり‐ごうし【釣格子】‥ガウ‥
外部に張り出してつくった格子。出格子。好色一代男1「西の方の中ほど、小さき―」
つり‐こうろ【釣香炉】‥カウ‥🔗⭐🔉
つり‐こうろ【釣香炉】‥カウ‥
書院または床脇に長い飾り緒でつり、空炷そらだきをして香木をくゆらすもの。
つりこみ‐ごし【釣込み腰】🔗⭐🔉
つりこみ‐ごし【釣込み腰】
柔道の腰技の一つ。相手を両手で前に釣り上げるように引き寄せて後向きになり、腰に乗せて投げる。
つり‐こ・む【釣り込む】🔗⭐🔉
つり‐こ・む【釣り込む】
〔他五〕
甘言を用い、また、興味を起こさせて、引き入れる。「話に―・まれる」
つり‐ざお【釣竿】‥ザヲ🔗⭐🔉
つり‐ざお【釣竿】‥ザヲ
魚釣りに用いる竿。
つり‐さが・る【釣り下がる・吊り下がる】🔗⭐🔉
つり‐さが・る【釣り下がる・吊り下がる】
〔自五〕
①つり下げたようになる。ぶらさがる。
②物にすがって下がる。
つり‐さ・げる【釣り下げる・吊り下げる】🔗⭐🔉
つり‐さ・げる【釣り下げる・吊り下げる】
〔他下一〕[文]つりさ・ぐ(下二)
つるして下げる。つるす。「ランプを―・げる」
つり‐し【釣り師】🔗⭐🔉
つり‐し【釣り師】
魚釣りをする人。腕のよい釣り人。
つり‐じとみ【釣蔀】🔗⭐🔉
つり‐じとみ【釣蔀】
(→)上蔀あげじとみに同じ。
つり‐せいろう【釣井楼・吊蒸籠】🔗⭐🔉
つり‐せいろう【釣井楼・吊蒸籠】
軍中で用いた臨時の望楼としての井楼の一種。滑車かっしゃにより上下する箱に人を入れ、つりあげて敵状を偵察させた。
つり‐だし【釣出し・吊出し】🔗⭐🔉
つり‐だし【釣出し・吊出し】
①つりだすこと。おびきだすこと。浮世風呂前「せつかく内に仕事をして居る者をば―に来てなりません」
②(「吊出し」と書く)相撲の手の一つ。四つに組んだ体勢から相手の体を抱え上げて土俵の外へ出すもの。土俵の中で倒せば「吊落し」。
つりだ・す【釣り出す・吊り出す】🔗⭐🔉
つりだ・す【釣り出す・吊り出す】
〔他五〕
①つりはじめる。
②だまして誘い出す。おびき出す。「甘言で―・す」
③(「吊り出す」と書く)相撲で、相手をつり上げて土俵の外へ出す。
つり‐だま【釣球】🔗⭐🔉
つり‐だま【釣球】
野球で、打者が打ちたくなるようなコースに投げるボール球。
つり‐つ・ける【釣り付ける】🔗⭐🔉
つり‐つ・ける【釣り付ける】
〔他下一〕[文]つりつ・く(下二)
餌を見せて引き寄せておく。望みを持たせてひきつけておく。釣り寄せる。歌舞伎、名歌徳三升玉垣「いつまでべんべんと―・けるのだヱヽ」
つり‐て【釣り手】🔗⭐🔉
つり‐て【釣り手】
①魚を釣る人。
②(「吊手」とも書く)蚊帳かやなどをつるすのに用いるひも。
つり‐てんぐ【釣り天狗】🔗⭐🔉
つり‐てんぐ【釣り天狗】
魚釣りが上手であると自慢し、うぬぼれる人。
つり‐ど【釣戸】🔗⭐🔉
つり‐ど【釣戸】
開ける時は上へ釣り上げ、閉める時は下に下げるようにした戸。
つり‐どこ【釣床・吊床】🔗⭐🔉
つり‐どこ【釣床・吊床】
①(→)壁床かべどこに同じ。
②つり下げた寝床。ハンモック。
つり‐とだな【釣戸棚・吊戸棚】🔗⭐🔉
つり‐とだな【釣戸棚・吊戸棚】
上からつるして支えてある戸棚。
つり‐の‐お【釣の緒】‥ヲ🔗⭐🔉
つり‐の‐お【釣の緒】‥ヲ
釣糸。続古今和歌集恋「伊勢の海の波間に下す―の」
つり‐ばし【吊橋・釣橋】🔗⭐🔉
つり‐ばし【吊橋・釣橋】
①空中に張り渡したケーブルで路床をつり下げた橋。長大なスパンの橋に適するが、山間部の深い渓谷などにも掛けられる。
②城郭の濠などに設け、防御の際にはつりあげる橋。
つり‐はないけ【釣花生け】🔗⭐🔉
つり‐はないけ【釣花生け】
花生けの一種。天井からつり下げて用いるもの。舟形・月形・釣瓶つるべ形など。釣花入れ。釣花器。
つり‐ばり【釣針・釣鉤】🔗⭐🔉
つり‐ばり【釣針・釣鉤】
魚を釣るためのはり。普通「し」の字形をなす。
つりばり【釣針】(作品名)🔗⭐🔉
つりばり【釣針】
狂言。主が太郎冠者を連れて宮へ参る。主は夢の告げを得て美女を釣り、冠者も自分の妻を釣るが、醜女なので逃げる。釣女。
つり‐ぶね【釣舟・釣船】🔗⭐🔉
つり‐ぶね【釣舟・釣船】
①魚釣りに使う船。
②舟形の釣花生け。
③江戸時代の女の髪型の一つ。
つりふね‐そう【釣舟草】‥サウ🔗⭐🔉
つりふね‐そう【釣舟草】‥サウ
ツリフネソウ科の一年草。茎は高さ30〜50センチメートル。軟質で多汁。葉は有柄互生、楕円形。晩夏に花序を出し、赤紫色の美花を細い花柄の先に垂らす。筒形の花冠の後端は距きょとなり、先が反曲して巻き、舟に似る。日本各地の山地水辺に群生。近縁種に花が黄色のキツリフネがある。〈[季]秋〉
つりふねそう
つり‐もと【釣元】🔗⭐🔉
つり‐もと【釣元】
開き戸の、蝶番ちょうつがいまたは肘壺ひじつぼのとりつけてある側。
つり‐やど【釣宿】🔗⭐🔉
つり‐やど【釣宿】
舟の手配など、釣り客の世話をする家。
つ・る【釣る・吊る】🔗⭐🔉
つ・る【釣る・吊る】
[一]〔他五〕
①上の物にかけてたれさげる。つるす。日葡辞書「カヤヲツル」。「橋を―・る」「首を―・る」
②ひっかけて上げる。釣針で魚をとる。万葉集5「鮎―・ると立たせる妹が裳の裾ぬれぬ」。「えびで鯛を―・る」
③かつぐ。舁かく。好色一代女1「楽乗物―・らせて」
④上へあげる。「目を―・る」
⑤おびき出す。巧みに誘う。狂言、釣狐「聞けばそなたは狐を―・るとの」。浮世草子、好色産毛「我にみたてて、殿子―・りてまゐれと仰せありつるほどに」。「甘言で―・る」
⑥相撲で、相手のまわしをつかんで高く持ち上げる。
[二]〔自五〕
①一方へ引かれて寄る。筋などがひきつる。日葡辞書「スヂガツル」。「足が―・る」「縫い目の糸が―・る」
②上へあがる。「目の―・った人」
◇[一]1・4・6および[二]は、ふつう「吊」、[一]2・3・5は、「釣」を使う。[二]1は、「攣る」「痙る」とも書く。
⇒釣った魚に餌はやらぬ
つる‐い【釣井】‥ヰ🔗⭐🔉
つる‐い【釣井】‥ヰ
ふかい竪たて井戸。吊井つりい。釣川。坪川つぼかわ。
つ・れる【釣れる・吊れる】🔗⭐🔉
つ・れる【釣れる・吊れる】
〔自下一〕[文]つ・る(下二)
①ひきつった状態になる。「足が―・れる」
②引っ張られてひきつったように縮まる。「縫い目が―・れる」
[漢]釣🔗⭐🔉
釣 字形
筆順
〔金部3画/11画/常用/3664・4460〕
[
] 字形
〔金部3画/11画〕
〔音〕チョウ〈テウ〉(呉)(漢)
〔訓〕つる
[意味]
つりばりでひっかけて魚をとる。つる。「釣果・釣魚」
[解字]
形声。「金」+音符「
」(=すくいあげる)。金ばりで魚をつりあげる意。
筆順
〔金部3画/11画/常用/3664・4460〕
[
] 字形
〔金部3画/11画〕
〔音〕チョウ〈テウ〉(呉)(漢)
〔訓〕つる
[意味]
つりばりでひっかけて魚をとる。つる。「釣果・釣魚」
[解字]
形声。「金」+音符「
」(=すくいあげる)。金ばりで魚をつりあげる意。
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ちょう-か【釣果】🔗⭐🔉
ちょう-か テウクワ [1] 【釣果】
魚釣りの成果。釣り上げた魚の量。
つら・れる【釣られる】🔗⭐🔉
つら・れる [0] 【釣られる】 (動ラ下一)
〔動詞「釣る」の未然形に受け身の助動詞「れる」の付いたものから〕
(1)見せかけの好条件などにだまされて,相手の望む行動をとる。「宣伝に―・れて買う」「甘言に―・れる」
(2)誘い出される。「はやしの音に―・れて家を出る」
(3)思わず,相手の動作に調子を合わせる。「向こうが頭を下げたので―・れて頭を下げた」
つり【釣(り)】🔗⭐🔉
つり [0] 【釣(り)】
〔「吊(ツ)り」と同源〕
(1)釣り針をつけた糸を垂らして魚を捕ること。うおつり。さかなつり。「―に出かける」
(2)「釣り銭」の略。おつり。
つり-あい【釣(り)合い】🔗⭐🔉
つり-あい ―アヒ [0] 【釣(り)合い】
(1)釣り合うこと。均衡。調和。バランス。「―を保つ」「―をとる」
(2)〔物〕 一つの物体に働くすべての力の合力がゼロとなって,まったく力が働かないときと同じ状態。この状態では一つの物体に働く二つの力の大きさが等しくたがいに逆向きである。平衡。
つりあい-おもり【釣(り)合い錘】🔗⭐🔉
つりあい-おもり ―アヒ― [5] 【釣(り)合い錘】
機械の運動する部分の釣り合いをとるために付ける錘。蒸気機関車の動輪,自動車の車輪,エレベーターなどに用いられる。カウンターバランス。バランス-ウエート。
つりあい-しけん【釣(り)合い試験】🔗⭐🔉
つりあい-しけん ―アヒ― [6][5] 【釣(り)合い試験】
回転体の重心と回転軸とのずれの程度を調べる試験。機械の振動や騒音などを予防するために行う。
つりあい-にんぎょう【釣(り)合い人形】🔗⭐🔉
つりあい-にんぎょう ―アヒ―ギヤウ [5] 【釣(り)合い人形】
弥次郎兵衛(ヤジロベエ)のこと。
つり-あ・う【釣(り)合う】🔗⭐🔉
つり-あ・う ―アフ [3] 【釣(り)合う】 (動ワ五[ハ四])
(1)一方にかたむかず,二つの物の平衡がとれている。(ア)「つりあい{(2)}」の状態である。
→釣り合い
(イ)二つの物の程度がほぼ同じである。「収入と支出が―・う」
(2)調和がとれている。似合っている。「絵と―・わない額」
釣り合わぬは不縁の基(モト)🔗⭐🔉
釣り合わぬは不縁の基(モト)
身分・財産などの違いすぎるのは,その結婚がうまくゆかない原因となるということ。
つり-あが・る【吊り上(が)る・釣り上(が)る】🔗⭐🔉
つり-あが・る [4] 【吊り上(が)る・釣り上(が)る】 (動ラ五[四])
(1)(綱などで)上へ引かれて上がる。「天井まで―・る」
(2)上方に引き上げた状態になる。「目じりが―・る」
つり-あ・げる【吊り上げる・釣(り)上げる】🔗⭐🔉
つり-あ・げる [4] 【吊り上げる・釣(り)上げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 つりあ・ぐ
(1)つって上に持ちあげる。「鉄骨をクレーンで―・げる」「土俵中央で相手を高々と―・げる」
(2)上方に引き上げた状態にする。「目を―・げて怒る」
(3)物の値段を人為的に上げる。「値段を―・げる」
つり-あ・げる【釣(り)上げる】🔗⭐🔉
つり-あ・げる [4] 【釣(り)上げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 つりあ・ぐ
魚を釣って捕らえる。「鯛を―・げる」
つり-あんどん【吊り行灯・釣(り)行灯】🔗⭐🔉
つり-あんどん [3] 【吊り行灯・釣(り)行灯】
商家の入り口などにつるすあんどん。
つり-いと【釣(り)糸】🔗⭐🔉
つり-いと [0] 【釣(り)糸】
釣り針をむすびつけて魚を釣るのに用いる糸。現在はナイロン・テトロンなどの合成繊維を用いるが,以前はてぐすを使った。太さは〇・一号か一五〇号の太いものまで種々ある。「―を垂れる」
つり-え【釣り餌】🔗⭐🔉
つり-え ―
[0] 【釣り餌】
魚釣りに用いるえさ。生き餌・練り餌・擬餌(ギジ)などの種類がある。つりえさ。
[0] 【釣り餌】
魚釣りに用いるえさ。生き餌・練り餌・擬餌(ギジ)などの種類がある。つりえさ。
つり-えさ【釣り餌】🔗⭐🔉
つり-えさ ―
サ [2][0] 【釣り餌】
⇒つりえ(釣餌)
サ [2][0] 【釣り餌】
⇒つりえ(釣餌)
つり-えだ【釣(り)枝・吊り枝】🔗⭐🔉
つり-えだ [0] 【釣(り)枝・吊り枝】
歌舞伎の大道具の一。舞台の上の内側に桜・梅・松などのつくりものの枝をつり下げたもの。花盛りや山中の様子などを表す。
つり-おと・す【釣り落(と)す】🔗⭐🔉
つり-おと・す [4] 【釣り落(と)す】 (動サ五[四])
釣り上げる途中で魚が釣り針からはずれる。「大魚を―・す」
釣り落とした魚は大きい🔗⭐🔉
釣り落とした魚は大きい
⇒逃がした魚は大きい(「逃がす」の句項目)
つり-おまえ【釣り御前】🔗⭐🔉
つり-おまえ ―オマヘ 【釣り御前】
掛軸に仕立てた画像の持仏。
つり-かえ【釣(り)替え】🔗⭐🔉
つり-かえ ―カヘ [0] 【釣(り)替え】
とりかえること。引き替え。「未だ金銭を功名と―にした例(タメシ)はないですな/社会百面相(魯庵)」
つり-がき【釣り柿】🔗⭐🔉
つり-がき [2] 【釣り柿】
「吊るし柿」に同じ。
つり-がき【釣(り)書き・吊(り)書き】🔗⭐🔉
つり-がき [0] 【釣(り)書き・吊(り)書き】
(1)系図。つり。「楠木が―/浮世草子・新可笑記 1」
(2)縁談などの際に取り交わす身上書(シンジヨウシヨ)。つりしょ。つり。
つり-かご【釣り籠】🔗⭐🔉
つり-かご [0] 【釣り籠】
釣った魚を入れるかご。びく。
つり-がね【釣(り)鐘】🔗⭐🔉
つり-がね [0] 【釣(り)鐘】
寺院の鐘楼などに釣ってある大きな鐘。撞木(シユモク)でついて鳴らす。梵鐘(ボンシヨウ)。
つりがね-ずみ【釣(り)鐘墨】🔗⭐🔉
つりがね-ずみ [4] 【釣(り)鐘墨】
松煙に蝋(ロウ)を混ぜて釣り鐘形に作った墨。乾拓に用いる。乾打碑(カンダヒ)。
つりがね-どう【釣(り)鐘堂】🔗⭐🔉
つりがね-どう ―ダウ [0] 【釣(り)鐘堂】
寺院で,釣り鐘を釣っておく堂。鐘楼。
つりがね-ぼし【釣(り)鐘星】🔗⭐🔉
つりがね-ぼし [4] 【釣(り)鐘星】
牡牛座のヒヤデス星団の和名。
つりがね-マント【釣(り)鐘―】🔗⭐🔉
つりがね-マント [5] 【釣(り)鐘―】
〔着た姿が釣り鐘のようになることから〕
丈の長いマント。以前,軍人や学生などが用いた。
つり-かびん【釣(り)花瓶】🔗⭐🔉
つり-かびん ―クワビン [3] 【釣(り)花瓶】
上からつり下げるように作った花瓶。つりはないけ。
つり-がま【釣り釜】🔗⭐🔉
つり-がま [0] 【釣り釜】
自在かぎなどにつり下げて火にかけるかま。
つり-ぎ【釣(り)木】🔗⭐🔉
つり-ぎ [0] 【釣(り)木】
棚や天井などをつり支えるための細長い木材。
つり-ぎつね【釣り狐】🔗⭐🔉
つり-ぎつね [3] 【釣り狐】
キツネを,わなやおとりで捕らえること。
つり-ぐ【釣(り)具】🔗⭐🔉
つり-ぐ [0] 【釣(り)具】
魚を釣る道具。釣り道具。「―店」
つり-ごうし【釣(り)格子】🔗⭐🔉
つり-ごうし ―ガウシ [3] 【釣(り)格子】
外の方へ張り出して作った格子で横桁(ヨコゲタ)が一本つけてあるもの。遊郭では局女郎の目じるしであった。出格子。
つり-こうろ【釣(り)香炉】🔗⭐🔉
つり-こうろ ―カウロ [3] 【釣(り)香炉】
床脇などに長い緒で下げる香炉。空薫(ソラダキ)に用いる。香嚢(コウノウ)。
つり-ごし【釣り輿】🔗⭐🔉
つり-ごし [0] 【釣り輿】
轅(ナガエ)でつり下げてかつぐ輿。半切(ハンギ)り。
つりこみ-ごし【釣(り)込み腰】🔗⭐🔉
つりこみ-ごし [4] 【釣(り)込み腰】
柔道の技の名。相手を前に崩し,利き腕で相手の襟を持って釣り込みながら腰にのせて前に投げる腰技。変形として,相手の袖口をもって釣り込むものを袖釣り込み腰という。
つり-こ・む【釣(り)込む】🔗⭐🔉
つり-こ・む [3] 【釣(り)込む】 (動マ五[四])
(うまいことを言って)人を誘い込む。また,興味を起こさせて,引き入れる。「つい話に―・まれる」「人の弱点(ヨワメ)を直(スグ)に見抜き,其弱点から人を―・み/薄命のすず子(お室)」
つり-ざお【釣(り)竿】🔗⭐🔉
つり-ざお ―ザヲ [0] 【釣(り)竿】
釣り糸をつけて,魚を釣るのに用いる竿。延べ竿と継ぎ竿とがあり,竹・グラス-ファイバー・カーボン-ファイバーなどで作る。
つり-さが・る【吊り下(が)る・釣り下(が)る】🔗⭐🔉
つり-さが・る [4] 【吊り下(が)る・釣り下(が)る】 (動ラ五[四])
一端が上に固定されて,垂れ下がる。「風鈴(フウリン)が―・る」
つり-さ・げる【吊り下げる・釣(り)下げる】🔗⭐🔉
つり-さ・げる [4] 【吊り下げる・釣(り)下げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 つりさ・ぐ
上からつるして下げる。ぶら下げる。つるす。「天井から―・げたシャンデリア」
つり-し【釣(り)師】🔗⭐🔉
つり-し [2] 【釣(り)師】
趣味で魚を釣る人。釣り人。
つり-じとみ【釣り蔀】🔗⭐🔉
つり-じとみ [3] 【釣り蔀】
「上げ蔀」に同じ。
つり-しのぶ【釣(り)忍・釣り荵】🔗⭐🔉
つり-しのぶ [3] 【釣(り)忍・釣り荵】
シノブを葉のついたままたばね,井桁(イゲタ)や船の形などに作ったもの。夏,軒先につって涼味を味わう。のきしのぶ。[季]夏。
つり-せん【釣(り)銭】🔗⭐🔉
つり-せん [0][2] 【釣(り)銭】
代価以上の金銭を受け取った場合に戻す差額の金銭。つり。おつり。
つり-だい【釣(り)台】🔗⭐🔉
つり-だい [0] 【釣(り)台】
台になる板の両端をつり上げて二人で担いでゆく道具。嫁入り道具・病人などを運ぶ。
つり-だいこ【釣(り)太鼓】🔗⭐🔉
つり-だいこ [3] 【釣(り)太鼓】
円形の木枠につり下げ,二本の桴(バチ)で打ち鳴らす太鼓。雅楽に用いる。楽太鼓(ガクダイコ)。
釣り太鼓
[図]
[図]
つり-だ・す【釣(り)出す・吊り出す】🔗⭐🔉
つり-だ・す [3] 【釣(り)出す・吊り出す】 (動サ五[四])
(1)(うまいことを言って)人を誘い出す。おびきだす。「甘言で―・す」
(2)相撲で,相手のまわしをつかんでつり上げ,土俵外に出す。《吊出》「高々と―・す」
[可能] つりだせる
つり-だな【釣(り)棚・吊り棚】🔗⭐🔉
つり-だな [0] 【釣(り)棚・吊り棚】
つり下げた棚。
(1)床の間に,つり下げたように作り付けた棚。
(2)果樹栽培に用いる棚。主にブドウに用いる。
つり-だま【釣(り)球】🔗⭐🔉
つり-だま [0] 【釣(り)球】
野球で,打者の打ち気を誘うような球。ストライク-ゾーンに近い高目の球など。
つり-ぢょうちん【釣り提灯】🔗⭐🔉
つり-ぢょうちん ―ヂヤウチン [3] 【釣り提灯】
軒先などに提灯をつり下げること。また,その提灯。
つり-づか【釣(り)束・吊り束】🔗⭐🔉
つり-づか [0] 【釣(り)束・吊り束】
長い鴨居などがたわまないように,上からつり支える柱。
つり-て【吊り手・釣(り)手】🔗⭐🔉
つり-て [0] 【吊り手・釣(り)手】
蚊帳(カヤ)などをつるのに用いるひも,または金属の輪。
つり-てんぐ【釣(り)天狗】🔗⭐🔉
つり-てんぐ [3] 【釣(り)天狗】
釣りの腕前を自慢する人。
つり-てんじょう【釣(り)天井】🔗⭐🔉
つり-てんじょう ―テンジヤウ [3] 【釣(り)天井】
つり上げておき,落下させて下にいる者を圧殺するよう仕掛けた天井。江戸初期に作られたとされる,宇都宮藩のものが有名。
つり-ど【釣(り)戸】🔗⭐🔉
つり-ど [0] 【釣(り)戸】
開けるときは上につり上げて金具などで留め,おろすと閉じる戸。蔀戸(シトミド)など。
つり-どうぐ【釣(り)道具】🔗⭐🔉
つり-どうぐ ―ダウグ [3] 【釣(り)道具】
魚を釣るのに用いる道具の総称。古来,竿・糸・針・おもり・うき・餌を釣りの六物(リクモツ)という。釣り具。
つり-どうろう【釣(り)灯籠】🔗⭐🔉
つり-どうろう [3] 【釣(り)灯籠】
軒先などにつるす灯籠。
釣り灯籠
[図]
[図]
つり-どこ【吊り床・釣(り)床】🔗⭐🔉
つり-どこ [0] 【吊り床・釣(り)床】
(1)つり下げた寝床。ハンモック。[季]夏。
(2)「壁床(カベドコ)」に同じ。
つり-とだな【釣(り)戸棚・吊り戸棚】🔗⭐🔉
つり-とだな [3] 【釣(り)戸棚・吊り戸棚】
上からつるしてある戸棚。
つり-どの【釣(り)殿】🔗⭐🔉
つり-どの [0] 【釣(り)殿】
寝殿造りの南端の,池に臨んで建てられた周囲を吹き放ちにした建物。魚釣りを楽しんだところからの名という。納涼・饗宴に用いられた。
→寝殿造り
つり-ばし【吊り橋・釣(り)橋】🔗⭐🔉
つり-ばし [0] 【吊り橋・釣(り)橋】
(1)両岸から架け渡したケーブル・綱などで橋床をつっている橋の総称。
(2)城の堀などに設け,用のないときはつり上げておく橋。
つり-ばしご【吊り梯子・釣り梯子】🔗⭐🔉
つり-ばしご [3] 【吊り梯子・釣り梯子】
一方の端を結わえ付け,垂らして用いる,綱ばしご。
つり-ばな【釣(り)花・吊り花】🔗⭐🔉
つり-ばな [0] 【釣(り)花・吊り花】
生け花で,花器を天井からつり下げて用いる形式のもの。
つり-はないれ【釣(り)花入れ】🔗⭐🔉
つり-はないれ [3] 【釣(り)花入れ】
床の間の天井からつり下げて用いる花入れ。唐銅(カラドウ)・砂張(サハリ)・竹・陶磁器などで作り,藤蔓や鎖でつるす。
釣り花入れ
[図]
[図]
つり-ばり【釣(り)針・釣り鉤】🔗⭐🔉
つり-ばり [0] 【釣(り)針・釣り鉤】
魚釣りに用いる鉄製の先の曲がった針。型も多様で,擬餌鉤(ギジバリ)など種類が多く,大きさは一般に号数で表す。古くは骨角製のものが用いられた。鉤(ハリ)。
釣り針
[図]
[図]
つり-ひげ【釣り鬚】🔗⭐🔉
つり-ひげ 【釣り鬚】
江戸時代,中間・奴などが口ひげの先を上にはね上げたもの。墨で描いたり,作りひげを用いたりもした。
つり-びと【釣(り)人】🔗⭐🔉
つり-びと [0] 【釣(り)人】
魚を釣る人。
つり-ぶね【釣(り)舟・釣(り)船】🔗⭐🔉
つり-ぶね [0] 【釣(り)舟・釣(り)船】
(1)魚釣りに用いる小舟。また,釣りをしている舟。
(2)舟形の釣り花入れ。
(3)江戸時代から明治初年にかけて行われた婦人の結髪の一種。
釣り舟(3)
[図]
[図]
つり-べい【釣(り)塀】🔗⭐🔉
つり-べい [0] 【釣(り)塀】
縄でつり支えた塀。山城などで,敵を欺き,撃退する目的で作る。
つり-ぼり【釣(り)堀】🔗⭐🔉
つり-ぼり [0] 【釣(り)堀】
池や沼,または流れの一部を区切って魚を放し,料金を取って釣らせる場所。[季]夏。《―に一日を暮らす君子かな/虚子》
つり-まと【釣(り)的】🔗⭐🔉
つり-まと [0] 【釣(り)的】
つり下げた的。楊弓(ヨウキユウ)で用いた。
つり-もと【釣(り)元】🔗⭐🔉
つり-もと [0] 【釣(り)元】
開き戸で,蝶番(チヨウツガイ)などが取り付けられ,開閉の軸になる側。
つり-やぐ【釣(り)夜具】🔗⭐🔉
つり-やぐ [3] 【釣(り)夜具】
病人・老人などに夜具の重みを感じさせないように,夜具の中央に金属の輪を付けて,天井からひもで下げるようにしたもの。釣り夜着。
つり-やど【釣(り)宿】🔗⭐🔉
つり-やど [0] 【釣(り)宿】
釣り人を宿泊させたり,釣り舟を仕立てたりすることを業とする家。
つ・る【吊る・釣る】🔗⭐🔉
つ・る [0] 【吊る・釣る】
■一■ (動ラ五[四])
□一□(他動詞)
(1)上で支えて下へ垂れ下げる。「蚊帳を―・る」「棚を―・る」
(2)物の端を固定して高い所にかけ渡す。「ハンモックを―・る」「橋を―・る」
(3)相撲で,両手で相手のまわしを引き相手の体をつり上げて両足が土俵から離れた状態にする。《吊》「土俵際に―・って出る」
(4)釣り針をつけた糸を垂らして魚をとる。《釣》「フナを―・る」
(5)わなやおとりでけものや虫をとらえる。《釣》「トンボを―・る」「この年月狐を―・る程に/狂言・釣狐」
(6)金品・地位など,人のほしがるものを与えたり,その約束をして,ある行動をとらせる。《釣》「甘言で―・って契約させる」
(7)かごをかく。「女中駕籠―・らせて/浮世草子・五人女 1」
□二□(自動詞)
(1)(多く「攣る」「痙る」と書く)筋肉などが痙攣(ケイレン)する。ひきつる。「ふくらはぎが―・る」「足が―・る」
(2)(「攣る」とも書く)縫ったあとが引っぱられた状態になる。《吊》「ミシンの上糸が―・っている」
(3)引っぱられたように上を向く。《吊》「目の―・った人」
(4)系図を書く。系統づける。「実清卿の子と為し之を―・る/実隆公記」
[可能] つれる
■二■ (動ラ下二)
⇒つれる(吊)
⇒つれる(釣)
つ・れる【釣れる】🔗⭐🔉
つ・れる [0] 【釣れる】 (動ラ下一)
〔「釣る」の可能動詞から〕
釣りで,魚が捕れる。「ここではタイがよく―・れる」
つりおとす【釣り落とす】(和英)🔗⭐🔉
つりおとす【釣り落とす】
fail to land.
つりだす【釣り出す】(和英)🔗⭐🔉
つりだす【釣り出す】
⇒誘う.《野》pickoff.
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