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な・い【無い・亡い】🔗🔉

な・い無い・亡い】 〔形〕[文]な・し(ク) ①人・物・事が存在しない。口語では動きを意識したものの不在は「いない」ともいう。古事記「僕は邪きたなき心―・し」。万葉集18「あしひきの山は―・くもが月見れば同じき里を心隔てつ」。源氏物語初音「曇り―・き池の鏡」。「神も仏も―・い」「見たことが―・い」「効果が―・い」「締切りまで5日と―・い」 ②持たない。備えていない。万葉集15「心―・き鳥にそありける霍公鳥」。「金の―・い人」「住む家も―・い」「彼には威厳が―・い」 ③留守である。不在である。万葉集9「君―・くはなぞ身よそはむ櫛笥くしげなる黄楊つげの小櫛も取らむとも思はず」。古今和歌集「老いらくの来むと知りせば門さして―・しと答へて逢はざらましを」 ④《亡》すでに死んでこの世にいない。万葉集3「吾妹子が見し鞆の浦のむろの木は常世にあれど見し人そ―・き」。源氏物語桐壺「今は―・きひとと、ひたぶるに思ひなりなむ」。「―・き父を思う」 ⑤またとない。類がない。十訓抄「麗景殿の女御の女房なり。―・きすき者にて、朝夕琴をさしおく事なかりけり」 ⑥不必要なこと、あってはならないことをいう。「今さら泣くことは―・い」「ここで、帰ることは―・い」 ⑦(形容詞・助動詞の連用形、またはそれらに助詞「は」「も」を伴ったものなどに付いて) ㋐否定の意を表す。…ない。源氏物語柏木「年ごろ下の心こそいとねんごろに深くも―・かりしか」。平家物語2「我身もつきせぬもの思ひにたへしのぶべうも―・し」。「見たくも―・い」 ㋑(疑問の助詞「か」を伴い、「―・いか」の形で)相手に同意かどうか問いかける。「前に言ったことが―・いか」「面白く―・いか」 →ない(助動詞) ⇒無いが意見の総仕舞 ⇒無い図 ⇒無い袖は振れぬ ⇒無い腹を探られる ⇒無いもせぬ ⇒無い物食おう ⇒無きにしも非ず ⇒無きになす ⇒無くて七癖有って四十八癖

なき【亡き】🔗🔉

なき亡き】 (形容詞ナシの連体形)亡くなった。死んだ。「―母」「―あと」

なき‐かげ【亡き影】🔗🔉

なき‐かげ亡き影】 ①死んだ人のおもかげ。源氏物語松風「親の御―」 ②死んだ人の霊。源氏物語須磨「―やいかが見るらむ」

なき‐かず【亡き数】🔗🔉

なき‐かず亡き数】 亡き人の数。死んだ人の仲間。後拾遺和歌集「―に思ひなしてやとはざらむ」。「―に入る」

なき‐がら【亡骸・亡躯】🔗🔉

なき‐がら亡骸・亡躯】 魂のぬけがら。死体。しかばね。源氏物語夕顔「今一度かの―を見ざらんが」

なき‐たま【亡き魂】🔗🔉

なき‐たま亡き魂】 死者のたましい。霊魂。亡霊。源氏物語「―ぞいとど悲しき」

なき‐ひと【亡き人】🔗🔉

なき‐ひと亡き人】 死んでこの世にいない人。亡き身。故人。万葉集3「見れどもさぶし―思へば」

なき‐み【亡き身】🔗🔉

なき‐み亡き身】 死んだ人。亡きひと。金葉和歌集「ふたおやながら―とを知れ」

なき‐もの【無き者・亡き者】🔗🔉

なき‐もの無き者・亡き者】 ①いてもいないと同様の人。 ②生きていない人。死んだ人。亡き人。 ⇒無き者にする

なく・す【無くす・亡くす】🔗🔉

なく・す無くす・亡くす】 〔他五〕 ①《無》無いようにする。なくならせる。うしなう。「財布を―・す」「やる気を―・す」「むだを―・す」 ②《亡》死なせる。なくなす。「親を―・す」 ○鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がすなくせみよりもなかぬほたるがみをこがす 口に出す者よりも、口に出さない者の方がかえって心中の思いが切であるの意。上を略して「鳴かぬ蛍が身を焦がす」とも。 ⇒な・く【泣く・鳴く・啼く】

なく‐な・す【無くなす・亡くなす】🔗🔉

なく‐な・す無くなす・亡くなす】 〔他五〕 ①無いようにする。なくす。なくならせる。うしなう。 ②居なくさせる。失脚させる。栄華物語花山「いかでこの大将を―・してばやと」 ③《亡》死なす。なくす。後撰和歌集哀傷「人を―・して限りなく恋ひて」

なく‐な・る【無くなる・亡くなる】🔗🔉

なく‐な・る無くなる・亡くなる】 〔自五〕 ①《無》ないようになる。紛失する。尽きる。「時間が―・る」「自信が―・る」 ②《亡》人が死ぬことを婉曲にいう語。「先生が―・る」

な・し【無し・亡し】(形ク)🔗🔉

な・し無し・亡し】 〔形ク〕 ⇒ない

ぼう【亡】バウ🔗🔉

ぼうバウ (呉音はモウ) 死ぬこと。

ぼう‐き【忘機・亡機】バウ‥🔗🔉

ぼう‐き忘機・亡機バウ‥ 機心を忘れること。無心になること。日葡辞書「バウキ、ワスルルコト」

ぼう‐くん【亡君】バウ‥🔗🔉

ぼう‐くん亡君バウ‥ なくなった主君。先君。

ぼう‐けい【亡兄】バウ‥🔗🔉

ぼう‐けい亡兄バウ‥ 死んだ兄。

ぼう‐こく【亡国】バウ‥🔗🔉

ぼう‐こく亡国バウ‥ ①ほろびた国。ほろびようとする国。「―の民」 ②国をほろぼすこと。「―の徒」 ⇒ぼうこく‐の‐おん【亡国の音】

ぼうこく‐の‐おん【亡国の音】バウ‥🔗🔉

ぼうこく‐の‐おん亡国の音バウ‥ [礼記楽記]亡国の兆きざしある音楽または音調。 ⇒ぼう‐こく【亡国】

ぼう‐こん【亡魂】バウ‥🔗🔉

ぼう‐こん亡魂バウ‥ 死んだ人の魂。亡霊。また、成仏し得ない霊魂。

ぼう‐さい【亡妻】バウ‥🔗🔉

ぼう‐さい亡妻バウ‥ 死んだ妻。

ぼう‐し【亡子】バウ‥🔗🔉

ぼう‐し亡子バウ‥ なくなった子。

ぼう‐し【亡姉】バウ‥🔗🔉

ぼう‐し亡姉バウ‥ なくなった姉。

ぼう‐し【亡師】バウ‥🔗🔉

ぼう‐し亡師バウ‥ なくなった師匠。

ぼう‐じ【亡児】バウ‥🔗🔉

ぼう‐じ亡児バウ‥ 死んだこども。

ぼう‐しつ【亡失】バウ‥🔗🔉

ぼう‐しつ亡失バウ‥ うしないなくすこと。また、うせてなくなること。「戦火による財産の―」

ぼう‐しつ【亡室】バウ‥🔗🔉

ぼう‐しつ亡室バウ‥ 死んだ妻。亡妻。なきつま。

ぼう‐じょう【亡状】バウジヤウ🔗🔉

ぼう‐じょう亡状バウジヤウ 無礼な言行。ぶじょう。むじょう。

ぼう‐しん【亡心】バウ‥🔗🔉

ぼう‐しん亡心バウ‥ 亡霊。謡曲、鵺「頼政が矢先にかかり、命を失ひし鵺ぬえと申ししものの―にて候」

ぼう‐しん【亡臣】バウ‥🔗🔉

ぼう‐しん亡臣バウ‥ 逃亡して他国に行った臣。亡命の臣。

ぼう‐しん【亡親】バウ‥🔗🔉

ぼう‐しん亡親バウ‥ 死んだ親。

ぼう・ず【亡ず】バウ‥🔗🔉

ぼう・ず亡ずバウ‥ 〔自サ変〕 ①ほろびる。滅亡する。平家物語1「久しからずして―・じにし者どもなり」 ②死ぬ。なくなる。今昔物語集6「―・ぜる父母ぶもを救はむが為に」

ぼう‐そく【亡息】バウ‥🔗🔉

ぼう‐そく亡息バウ‥ 死んだむすこ。

ぼう‐そつ【亡卒】バウ‥🔗🔉

ぼう‐そつ亡卒バウ‥ ①死んだ兵卒。 ②逃亡した兵。

ぼう‐そん【亡孫】バウ‥🔗🔉

ぼう‐そん亡孫バウ‥ 死んだまご。

ぼう‐そん【亡損】バウ‥🔗🔉

ぼう‐そん亡損バウ‥ 失い損なうこと。損亡。

ぼう‐ちょう【亡兆】バウテウ🔗🔉

ぼう‐ちょう亡兆バウテウ 滅亡または衰亡のきざし。

ぼう‐ちょう【亡朝】バウテウ🔗🔉

ぼう‐ちょう亡朝バウテウ 亡びた朝廷。滅亡した王朝。

ぼう‐てい【亡弟】バウ‥🔗🔉

ぼう‐てい亡弟バウ‥ 死んだ弟。

ぼう‐てい【亡帝】バウ‥🔗🔉

ぼう‐てい亡帝バウ‥ 崩御した天子。

ぼう‐とく【亡匿】バウ‥🔗🔉

ぼう‐とく亡匿バウ‥ にげかくれること。

ぼう‐はち【亡八・忘八】バウ‥🔗🔉

ぼう‐はち亡八・忘八バウ‥ (仁義礼智忠信孝悌ていの八つを失った者の意) ①遊女を買うこと。 ②くるわ。遊女屋。また、遊女屋の主人。「―の亭主」

ぼう‐はん【亡叛】バウ‥🔗🔉

ぼう‐はん亡叛バウ‥ そむいて逃げ去ること。

ぼう‐ふ【亡夫】バウ‥🔗🔉

ぼう‐ふ亡夫バウ‥ 死んだおっと。

ぼう‐ふ【亡父】バウ‥🔗🔉

ぼう‐ふ亡父バウ‥ なくなった父。先人。先父。先考。

ぼう‐ふ【亡婦】バウ‥🔗🔉

ぼう‐ふ亡婦バウ‥ ①なくなった婦人。 ②死んだ妻。

ぼう‐ぼ【亡母】バウ‥🔗🔉

ぼう‐ぼ亡母バウ‥ なくなった母。なき母。先妣。

ぼう‐まい【亡妹】バウ‥🔗🔉

ぼう‐まい亡妹バウ‥ 死んだ妹。なき妹。

ぼう‐めい【亡命】バウ‥🔗🔉

ぼう‐めい亡命バウ‥ (「命」は名籍の意) ①戸籍を脱して逃げうせること。万葉集5「蓋しこれ山沢に―する民ならむ」 ②政治上の原因で本国を脱出して他国に身を寄せること。「―者」 ⇒ぼうめい‐せいけん【亡命政権】

ぼうめい‐せいけん【亡命政権】バウ‥🔗🔉

ぼうめい‐せいけん亡命政権バウ‥ 戦争や革命によって国外に亡命した政府首脳部が、そこで政府を組織し、一応正統な政府として認められているもの。第二次大戦中ロンドンに存立した自由フランス政権など。 ⇒ぼう‐めい【亡命】

ぼう‐めつ【亡滅】バウ‥🔗🔉

ぼう‐めつ亡滅バウ‥ ほろびること。ほろぼすこと。滅亡。

ぼう‐ゆう【亡友】バウイウ🔗🔉

ぼう‐ゆう亡友バウイウ 今はなき友人。死んだ友。

ぼうよう‐の‐たん【亡羊の嘆】バウヤウ‥🔗🔉

ぼうよう‐の‐たん亡羊の嘆バウヤウ‥ [列子説符「大道は多岐にして以て羊を亡い、学者は多方にして以て生を喪う」](逃げた羊を追うのに岐路が多くてその行方を失って嘆く意)学問の道があまりに多方面に分かれているため、真理の得がたいのを嘆くこと。また、方法に迷って思案にくれること。多岐亡羊。

ぼうよう‐ほろう【亡羊補牢】バウヤウ‥ラウ🔗🔉

ぼうよう‐ほろう亡羊補牢バウヤウ‥ラウ [戦国策楚策「羊を亡うしないて牢を補う、未だ遅しと為さざるなり」](「牢」は、家畜小屋の意)失敗しても即座に手を打てば、それ以上ひどいことにはならないということ。

ぼう‐りょ【亡虜】バウ‥🔗🔉

ぼう‐りょ亡虜バウ‥ 逃亡したとりこ。また、逃亡した者をさげすんでいう語。

ぼう‐れい【亡霊】バウ‥🔗🔉

ぼう‐れい亡霊バウ‥ ①この世に現れた死者のたましい。亡魂。 ②その復活かと恐れられる、今は亡びた過去のもの。「ファシズムの―」 ③そこにいない者の霊。「私の―が出たのか」

ほろ・びる【滅びる・亡びる】🔗🔉

ほろ・びる滅びる・亡びる】 〔自上一〕[文]ほろ・ぶ(上二) ①なくなる。滅亡する。消滅する。伊勢物語「いとかたはなり。身も―・びなん」。平家物語1「猛き者も遂には―・びぬ」。「文明が―・びる」 ②おちぶれる。零落する。枕草子185「いとことやうに、―・びて侍る身なれば」

ほろ・ぶ【滅ぶ・亡ぶ】🔗🔉

ほろ・ぶ滅ぶ・亡ぶ】 [一]〔自五〕 「ほろびる」に同じ。 [二]〔自上二〕 ⇒ほろびる(上一)

ほろぼ・す【滅ぼす・亡ぼす】🔗🔉

ほろぼ・す滅ぼす・亡ぼす】 〔他五〕 滅びるようにする。滅亡させる。無くする。万葉集15「君が行く道の長てを繰りたたね焼き―・さむ天あめの火もがも」。平家物語1「いかにもして平家を―・し本望を遂げむ」。「身を―・す」

む‐じょう【無状・亡状】‥ジヤウ🔗🔉

む‐じょう無状・亡状‥ジヤウ ①取り立てていうほどの善い行いや功のないこと。 ②無礼。ぼうじょう。

もう‐じゃ【亡者】マウ‥🔗🔉

もう‐じゃ亡者マウ‥ ①死んだ人。成仏じょうぶつしない死者の魂魄が冥途に迷っているもの。栄華物語楚王夢「―の御ため菩提のたよりともならめ」 ②(金銭などに対する)執念に取りつかれている者。「我利我利がりがり―」 ③僧家で魚の隠語。 ⇒もうじゃ‐ぶね【亡者船】

もうじゃ‐ぶね【亡者船】マウ‥🔗🔉

もうじゃ‐ぶね亡者船マウ‥ 盆に出漁すると現れるといわれる、亡者の乗った船。亡者に淦あか取りの杓を貸せといわれたら杓の底を抜いて貸さないと、船に海水を汲みこまれて沈没するという。また、この船に漕ぎ越されると遭難するともいう。船幽霊。 ⇒もう‐じゃ【亡者】

もう‐れい【亡霊】マウ‥🔗🔉

もう‐れい亡霊マウ‥ 亡者の霊魂。ぼうれい。狂言、武悪「ぶあくが―には、かくれもござりませぬ」

もう‐ろく【耄碌】🔗🔉

もう‐ろく耄碌】 ①おいぼれること。「年とって―する」 ②(上方方言。「亡六」とも書く)渡り中間ちゅうげん。折助おりすけ。東海道中膝栗毛7「かみがたにて―といふは江戸にていふ折助といふ事なり」 ③けんか・ゆすり・ふみたおしなどする悪ずれした者。浮世風呂4「江戸ででんぼう、上方で―などといふあばづれ」 ⇒もうろく‐ずきん【耄碌頭巾】

[漢]亡🔗🔉

 字形  筆順 〔亠部1画/3画/教育/4320・4B34〕 [] 字形 〔亠部1画/3画〕 〔音〕ボウ〈バウ〉(漢) モウ〈マウ〉(呉) 〔訓〕い・ほろぶ・ほろびる・ほろぼす [意味] ①なくなる。消えうせる。うしなう。(対)存。「亡失・亡命・焼亡しょうぼう・じょうもう」 ②ほろびる。ほろぼす。(対)存。「亡国・存亡・滅亡」 ③死ぬ。「亡父・亡霊・亡者もうじゃ・死亡」 ④逃げる。逃げて姿をかくす。「亡羊・逃亡・流亡」 [解字] 本字は。会意。「人」+「」(=ついたて)。人をついたてのかげにかくして見えなくする意。 [下ツキ 隠亡・荒亡・興亡・三隣亡・死亡・焼亡・衰亡・存亡・損亡・逃亡・敗亡・未亡人・滅亡・流亡 [難読] 亡骸なきがら

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