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いだ・く【抱く・懐く・擁く】🔗🔉

いだ・く【抱く・懐く・擁く】 〔他カ五(四)〕(「むだく」「うだく」の変化。「むだく」は奈良時代から平安初期、「うだく」は平安初期から鎌倉時代ごろまで用いられたのに対し、「いだく」は平安初期から現代まで用いられる。現代語では、平安中期から用例のみられる「だく」が普通であるが、3の意味にだけは「いだく」が用いられている) 1 両腕にかかえて持つ。だく。*土左「こをいだきつつおりのりす」 2 中に包む。擁する。「海をいだく」*書紀‐欽明五年三月(寛文版訓)「任那を擁(イダキ)守(まも)ること」 3 心の中に、ある考えや感情を持つ。「悩み(恨み)をいだく」*大唐三蔵玄奘法師表啓平安初期点「荒れたることを懐(イダ別訓ウダ)けば」

うだ・く【抱く・懐く】🔗🔉

うだ・く【抱く・懐く】 〔他カ四〕(「いだく」「だく」の古語) 1 腕に抱える。*霊異記‐上・三〇(興福寺本訓釈)「甚だ熱き銅の柱を抱(ウダカ)しめられて立つ」 2 心に思う。*地蔵十輪経元慶七年点‐二「稟けたる性淳質にして常に慈悲を懐(ウダき)」

おも・う【思う・想う・憶う・懐う】(おもふ)🔗🔉

おも・う【思う・想う・憶う・懐う】(おもふ) 〔他ワ五(ハ四)〕(「面(おも)」と同根といわれ、原義は「顔に現われる」の意という。一説、「重い」の「おも」と同根とも。「考える」は、「筋道を立てて客観的に判断する」という場合に多く用いられるが、「思う」の方は、想像、決意、心配、恋情など、主観的、感情的な要素が強くはいっている) 1 (はたから見た様子を示す語が上にあって)そういう顔つきをする。(気持を)顔に表わす。*竹取「つらづゑをつきていみじくなげかしげにおもひたり」 2 物事を理解したり、感受したりするために心を働かす。断定、推量、回想など種々の心の働きにいう。 判断する。思慮する。*万葉‐三七七二「ほとほと死にき君かと於毛比(オモヒ)て」そうだと深く信じこむ。また、自信をもつ。*竹取「世の中に見えぬ皮衣のさまなれば、是をおもひ給ひね」想像する。予想する。また、こうだろうと推量する。*万葉‐九〇四「於毛波(オモハ)ぬに横しま風のにふふかにおほひ来ぬれば」回想する。追想する。*書紀‐仁徳即位前・歌謡「苛(いら)なけくそこに於望比(オモヒ)愛(かな)しけくここに於望臂(オモヒ)」物事に対して、自然にある感情をいだく。感慨をもよおす。感じる。*古事記‐中・歌謡「古波陀嬢子は争はず寝しくをしもぞ愛(うるは)しみ意母布(オモフ)」 3 ある対象に心を向ける。そちらへ強く心がひかれる。 こうしたいと願う。希望する。こうしようと決心する。決意する。*古事記‐中・歌謡「さ寝むとは吾は意母閇(オモヘ)ど」物事を心にとめる。気にかける。また、あれこれと心配する。心を悩ませる。*万葉‐三九六七「山峡(やまがひ)に咲ける桜をただ一目君に見せてば何をか於母波(オモハ)む」慕わしく感じる。恋しがる。愛する。また、大切にする。*万葉‐三七三八「於毛比(オモヒ)つつ寝ればかもとなぬばたまのひと夜もおちず夢にし見ゆる」 ●思いも敢(あ)えず 考える間もない。思ってもいない。*源氏‐総角「かく、おもひもあへず、はづかしきことどもにみだれ思ふべくは」 ●思いも入(い)れず 深く気にもしないで。うっかり。*弁内侍「少将内侍用意して待つほど、思ひもいれず通るを」 ●思いも掛(か)けず 予想もしていない。意外である。思いもよらない。*和泉式部日記「おもひもかけぬにゆく物にもがなとおぼせど、いかでかは」 ●思いも過(す)ぎず 思いもはれない。忘れることがない。 ●思いも付かない 思いのほかだ。意外である。*滑・浮世床‐初「旦那とはおもひも付(ツカ)ねへ」 ●思いも寄(よ)らず 考えもしない。思いつきもしない。*源氏‐末摘花「ただ、おもひもよらずにはかにて」 ●思う余りの小(こ)いさかい =おもう(思)仲の小いさかい ●思う故(え)に 心に思っているために。恋しく思う結果として。*万葉‐三七三一「於毛布恵(オモフヱ)に逢ふものならば」 ●思う子(こ) 1 (「子」は愛称)自分が恋い慕っている人。恋人。思い人。 2 かわいがっている子。 ●思う事言わねば腹ふくる 心に思っていることを言わないでいるのは、腹の中に物がつかえているようで、気持が落ち着かないものだ。 ●思う様(さま) ⇒親見出し ●思う図(ず) =おもう(思)壺*太平記‐四「呉の兵二十万騎思ふ図(ヅ)に敵を難所へをびき入れて」 ●思うそら (「そら」は心の意)思う気持。 ●思う存分 ⇒親見出し ●思うたり叶(かの)うたり 思っているとおりになること。願ったりかなったり。 ●思う壺(つぼ) 予期した状態。目的としたところ。思う図。また、期待したとおりになること。「思う壺にはまる」 ●思う所(ところ) 感じたり考えたりした点。感慨や思慮分別。 ●思うどち 仲のよい友だちどうし。気の合った仲間。 ●思う仲(なか) 互いに思い合う関係。愛し合う間柄。 ●思う仲の小(こ)いさかい 思いあっている二人の間には、仲のよいあまり、かえってちょっとした争いが起こりやすいということ。 ●思うに ⇒親見出し ●思うに別れ思わぬに添う 好きな人とはいっしょになれないで、そうでない相手と結婚する。 ●思う念力(ねんりき)岩(いわ)をも通す 心をこめてすれば、何でもできないことはない。 ●思うはかり 考えを巡らすこと。また、その考え。思案。おもんぱかり。 ●思う日(ひ) (亡き人を思う日の意)命日。忌日。 ●思う人(ひと) 1 気のあっている人。親しい人。 2 恋しく思っている人。いとしい人。恋人。 3 自分をいとしく思ってくれる人。かわいがってくれる人。多く、父母などの肉親をいう。 ●思うべき人 1 気にとめて心を配ってやるべき相手。多く近親の者についていう。 2 相手を気がかりに思うべき人。多く、近親関係にある場合にいう。 3 後見人。 ●思う程(ほど) ⇒親見出し ●思う儘(まま) ⇒親見出し ●思うも著(しる)く 予想どおり。案の定。 ●思う様(よう) ⇒親見出し ●思うより外(ほか) 思うとおりにならないこと。思うに任せないさま。 ●思えば思わるる こちらでその人のことを思っていれば、その人もこちらを思うようになるものだ。 ●思えば呪(のろ)う 人を愛するあまり、かえってその人を憎み、また、のろうようになることがある。 ●思えらく (「らく」は完了の助動詞「り」のク語法)思っていることには。考えるには。おもわく。おむみらく。 ●思えりしく (「り」は完了の助動詞。「しく」は過去の助動詞「き」のク語法)思っていたこと。物思いに沈んでいたさま。*万葉‐七五四「吾妹子が念有四九(おもへりシク)し面影に見ゆ」 ●思わじ事 1 考える可能性のないこと。 2 考えなくてよい、余計なこと。

かいえん‐ふ【懐遠府】(クヮイヱン‥)🔗🔉

かいえん‐ふ【懐遠府】(クヮイヱン‥) 皇居内吹上御苑にあった記念館の一つ。明治三三年の北清事変を記念して、戦死した将兵の肖像、名簿、戦利品などを集めて保管したもの。昭和二一年に解体。

かい‐ぎ【懐疑】(クヮイ‥)🔗🔉

かい‐ぎ【懐疑】(クヮイ‥) 疑いをいだくこと。あやしむこと。種々の判断が可能となり、断定をさしひかえている心的状態をいう。「人生に懐疑を抱く」「懐疑心」

かいぎ‐しゅぎ【懐疑主義】(クヮイギ‥)🔗🔉

かいぎ‐しゅぎ【懐疑主義】(クヮイギ‥) 1 物事の存在、価値などを信じない考え方。人間にとって普遍的な真理を確実にとらえることは不可能だとする立場に立つ考え方。 2 =かいぎろん(懐疑論)

かいぎ‐てき【懐疑的】(クヮイギ‥)🔗🔉

かいぎ‐てき【懐疑的】(クヮイギ‥) 〔形動〕ある事柄に対して疑う傾向にあること。また、疑いをもって物事に接する傾きのあること。

かいぎ‐は【懐疑派】(クヮイギ‥)🔗🔉

かいぎ‐は【懐疑派】(クヮイギ‥) 懐疑論の立場をとる思想家。また、その集団。ギリシア‐ローマ時代、ストア哲学、エピクロス哲学の独断論的傾向に反対して唱えられたのに始まる。古代ではピュロン、近代ではモンテーニュ等が有名。懐疑学派。→懐疑論

かい‐きゅう【懐旧】(クヮイキウ)🔗🔉

かい‐きゅう【懐旧】(クヮイキウ) 昔のことを思い出しなつかしむこと。懐古。

かいきゅう‐だん【懐旧談】(クヮイキウ‥)🔗🔉

かいきゅう‐だん【懐旧談】(クヮイキウ‥) 昔のことを思い出して物語ること。また、その談話。

かい‐きょう【懐郷】(クヮイキャウ)🔗🔉

かい‐きょう【懐郷】(クヮイキャウ) 故郷をなつかしく思うこと。ふるさとをしのぶこと。望郷。

かいきょう‐びょう【懐郷病】(クヮイキャウビャウ)🔗🔉

かいきょう‐びょう【懐郷病】(クヮイキャウビャウ) ホームシック。

かいぎ‐ろん【懐疑論】(クヮイギ‥)🔗🔉

かいぎ‐ろん【懐疑論】(クヮイギ‥) あることについて、そのものの価値、存在などを疑うような考え。哲学では、認識において、その主観性と相対性に力点をおくため、客観的真理の認識の可能を信じないで、断定的判断を原理的にさしひかえる態度、またはその思想。懐疑主義。⇔独断論。→懐疑派

かい‐きん【懐襟】(クヮイ‥)🔗🔉

かい‐きん【懐襟】(クヮイ‥) ふところ。胸のあたり。また、胸中。心中。襟懐。 ●懐襟を開(ひら)く 胸中を打ち明ける。相手を信頼して、隠しだてをしない。胸襟を開く。

●懐襟を開(ひら)く🔗🔉

●懐襟を開(ひら)く 胸中を打ち明ける。相手を信頼して、隠しだてをしない。胸襟を開く。 がい‐きん【外勤】(グヮイ‥) 会社などの勤務で、外交、販売、配達など、社外で仕事をすること。⇔内勤

かいげつどう‐は【懐月堂派】(クヮイゲツダウ‥)🔗🔉

かいげつどう‐は【懐月堂派】(クヮイゲツダウ‥) 江戸中期浮世絵の流派の一つ。懐月堂安度(やすのり)を祖とする。

かいげつどう‐やすのり【懐月堂安度】(クヮイゲツダウ‥)🔗🔉

かいげつどう‐やすのり【懐月堂安度】(クヮイゲツダウ‥) ⇒おかざわやすのり(岡沢安度)

かい‐けん【懐剣】(クヮイ‥)🔗🔉

かい‐けん【懐剣】(クヮイ‥) 1 ふところに入れておく護身用の短刀。ふところがたな。一尺三寸。 2 連歌や俳諧などの席にのぞむ前に、あらかじめ句案、句作しておくこと。また、その句。懐句。はらみ句。

かい‐こ【懐古】(クヮイ‥)🔗🔉

かい‐こ【懐古】(クヮイ‥) 昔を思い出して、なつかしく思うこと。懐旧。「懐古の情に耐えず」

かい‐し【懐紙】(クヮイ‥)🔗🔉

かい‐し【懐紙】(クヮイ‥) 1 たたんで懐中に携帯する紙。詩歌の草稿や、その他書きつけ、あるいは包み紙、拭い紙などとして使用した。ふところがみ。たとうがみ。 2 詩歌、連歌、俳諧を正式に記録、詠進する時に用いる料紙。檀紙、奉書紙、杉原紙など。寸法、折り方、書き方などにおのおの規定がある。

かいし‐しき【懐紙式】(クヮイシ‥)🔗🔉

かいし‐しき【懐紙式】(クヮイシ‥) 連歌や俳諧の作品を懐紙にしたためる書式。百韻の場合は四枚の懐紙に初折表八句、裏一四句、二折表一四句、裏一四句、三折表一四句、裏一四句、名残折表一四句、裏八句と分載、歌仙の場合は二枚の懐紙に初折表六句、裏一二句、名残折表一二句、裏六句と分載、一句二行書き、巻頭に張行の日付けや賦物(ふしもの)を記し、巻尾に句上(くあげ)を記載するなど種々のきまりがある。

かいし‐だて【懐紙立】🔗🔉

かいし‐だて【懐紙立】 1 懐紙を用いて和歌、連歌などを作ろうとすること。 2 連歌の構成などに口出しをすること。

かいしゅう【懐州】(クヮイシウ)🔗🔉

かいしゅう【懐州】(クヮイシウ) 中国の地名。 後周代に置かれた州。現在の河南省泌陽県で、南陽の南東。 遼代、太宗を葬る懐陵のあった邑(ゆう)。首都上京臨府と慶州府を結ぶ交通路の中間で、現在の内蒙古自治区巴林左翼旗の北西。

かい‐じゅう【懐柔】(クヮイジウ)🔗🔉

かい‐じゅう【懐柔】(クヮイジウ) うまく扱って、自分の思うとおりに従わせること。手なずけること。だきこむこと。

かいじゅう‐さく【懐柔策】(クヮイジウ‥)🔗🔉

かいじゅう‐さく【懐柔策】(クヮイジウ‥) うまく扱って人を自分の思うとおりに従わせる手段。

かい‐しゅん【懐春】(クヮイ‥)🔗🔉

かい‐しゅん【懐春】(クヮイ‥) (古代、中国では婚姻の時期を仲春(陰暦二月)に定めていたところから)年頃になり春情を抱くこと。特に、女の場合にいう。

かい‐せい【懐生】(クヮイ‥)🔗🔉

かい‐せい【懐生】(クヮイ‥) 生命を持ったもの。

かい‐せき【懐石】(クヮイ‥)🔗🔉

かい‐せき【懐石】(クヮイ‥) (温石(おんじゃく)で腹を暖めるのと同じ程度に腹中を暖める軽い食事の意とされる)茶の湯で出す簡単な料理。茶懐石。

かい‐せん【懐銭】(クヮイ‥)🔗🔉

かい‐せん【懐銭】(クヮイ‥) 金銭を所有していること。*曾我物語‐六「くゎいせんの身ならねば」

かいそ【懐素】(クヮイソ)🔗🔉

かいそ【懐素】(クヮイソ) 中国唐代の書家、僧。飄逸な草書を得意とし、酒に酔っては手あたり次第に狂草を書きなぐり、張旭とともに張顛素狂(ちょうてんそきょう)と呼ばれた。(七二五頃〜七八五頃)

かい‐たい【懐胎】(クヮイ‥)🔗🔉

かい‐たい【懐胎】(クヮイ‥) 子供をはらむこと。みごもること。懐妊。妊娠。

がい‐たん【慨嘆・懐歎】🔗🔉

がい‐たん【慨嘆・懐歎】 悲しんだり心配したりして気持を高ぶらせること。

かい‐ちゅう【懐中】(クヮイ‥)🔗🔉

かい‐ちゅう【懐中】(クヮイ‥) 1 ふところやポケットの中。「懐中には一銭もない」 2 (―する)ふところやポケットに入れること。「手紙を懐中する」 3 「かいちゅうもの(懐中物)」の略。

かいちゅう‐かがみ【懐中鏡】(クヮイチュウ‥)🔗🔉

かいちゅう‐かがみ【懐中鏡】(クヮイチュウ‥) 女性がふところや帯の間に入れて携帯する小型の鏡。

かいちゅう‐がさ【懐中笠】(クヮイチュウ‥)🔗🔉

かいちゅう‐がさ【懐中笠】(クヮイチュウ‥) 和紙に渋をぬり檜扇(ひおうぎ)型にたたみこんで、ふところにしまえるように作った笠。天地に紐を通して、かぶるときには下をひろげて用いる。

かいちゅう‐がたな【懐中刀】(クヮイチュウ‥)🔗🔉

かいちゅう‐がたな【懐中刀】(クヮイチュウ‥) ふところにしまえる小形の刀。懐剣。

かいちゅう‐ガッパ【懐中合羽】(クヮイチュウ‥)🔗🔉

かいちゅう‐ガッパ【懐中合羽】(クヮイチュウ‥) 小さくたたんでふところに入れられるカッパ。

かいちゅう‐キセル【懐中煙管】(クヮイチュウ‥)🔗🔉

かいちゅう‐キセル【懐中煙管】(クヮイチュウ‥) 携帯に便利なようにラオ(羅宇)の部分が入れ子になるようにしてあるキセル。

かいちゅう‐ごよみ【懐中暦】(クヮイチュウ‥)🔗🔉

かいちゅう‐ごよみ【懐中暦】(クヮイチュウ‥) ふところやポケットにしまえるぐらいの小型で軽便な暦。

かいちゅう‐じるこ【懐中汁粉】(クヮイチュウ‥)🔗🔉

かいちゅう‐じるこ【懐中汁粉】(クヮイチュウ‥) あずき餡(あん)を乾かし固めたものを、最中(もなか)の皮で包んだ菓子。湯を注ぐと汁粉ができる。

かいちゅう‐すずり【懐中硯】(クヮイチュウ‥)🔗🔉

かいちゅう‐すずり【懐中硯】(クヮイチュウ‥) 筆、墨などもいっしょに収め、ふところに入れられるように作った小型の硯。

かいちゅう‐ちょうちん【懐中提灯】(クヮイチュウチャウチン)🔗🔉

かいちゅう‐ちょうちん【懐中提灯】(クヮイチュウチャウチン) 使わない時は、たたんでふところに入れられる小型の提灯。ふところ提灯。

かいちゅう‐でんとう【懐中電灯】(クヮイチュウ‥)🔗🔉

かいちゅう‐でんとう【懐中電灯】(クヮイチュウ‥) 携帯するように作られた小型の電灯。乾電池などを電源とする。懐中電気とも。

かいちゅう‐とうゆ【懐中桐油】(クヮイチュウ‥)🔗🔉

かいちゅう‐とうゆ【懐中桐油】(クヮイチュウ‥) 桐油をひいた和紙でできた軽便なにわか雨用の雨具。

かいちゅう‐どけい【懐中時計】(クヮイチュウ‥)🔗🔉

かいちゅう‐どけい【懐中時計】(クヮイチュウ‥) ふところやポケットに入れて携帯する小型の時計。腕時計より一回り大きくて、バンドや帯などに結びつけるための鎖や紐がついている。

かいちゅう‐にっき【懐中日記】(クヮイチュウ‥)🔗🔉

かいちゅう‐にっき【懐中日記】(クヮイチュウ‥) ポケットなどに入れて持ち歩けるような小型の日記帳。

かいちゅう‐ひも【懐中紐】(クヮイチュウ‥)🔗🔉

かいちゅう‐ひも【懐中紐】(クヮイチュウ‥) (「かいちゅうひぼ」とも)=しらみひも(虱紐)

かいちゅう‐ふで【懐中筆】(クヮイチュウ‥)🔗🔉

かいちゅう‐ふで【懐中筆】(クヮイチュウ‥) 柄を短くして、ふところにはいるように作った小型の筆。

かいちゅう‐ぼん【懐中本】(クヮイチュウ‥)🔗🔉

かいちゅう‐ぼん【懐中本】(クヮイチュウ‥) ふところに入れられる小さい判の本。

かいちゅう‐まわり【懐中回】(クヮイチュウまはり)🔗🔉

かいちゅう‐まわり【懐中回】(クヮイチュウまはり) 1 懐中物、提物(さげもの)などの類。 2 ふところや腰のあたり。

かいちゅうむこ【懐中聟】(クヮイチュウ‥)🔗🔉

かいちゅうむこ【懐中聟】(クヮイチュウ‥) 狂言。和泉流。鷺流。なんでも懐中に入れるのが聟入りの作法だと教えられた男が、舅(しゅうと)から弓を贈られ、苦心してふところに入れ、舞を舞う。

かいちゅう‐もの【懐中物】(クヮイチュウ‥)🔗🔉

かいちゅう‐もの【懐中物】(クヮイチュウ‥) ふところやポケットの中に入れてある物。財布、時計の類。懐中。「懐中物にご用心」

かいちゅう‐やく【懐中薬】(クヮイチュウ‥)🔗🔉

かいちゅう‐やく【懐中薬】(クヮイチュウ‥) 携帯し、容易に服用できるよう製造した薬。

かい‐ちょう【懐寵】(クヮイ‥)🔗🔉

かい‐ちょう【懐寵】(クヮイ‥) 主君の寵愛を思い、またそれをたのんで、官を退くべき時に退かないこと。

かい‐ど【懐土】(クヮイ‥)🔗🔉

かい‐ど【懐土】(クヮイ‥) (「論語‐里仁」の「君子懐徳、小人懐土」による) 1 住んでいる土地をなつかしみ、それにやすんずること。 2 故郷を恋しく思うこと。望郷の念。

かいとく‐しょいん【懐徳書院】(クヮイトクショヰン)🔗🔉

かいとく‐しょいん【懐徳書院】(クヮイトクショヰン) 儒者、中井甃庵(しゅうあん)が中心となって、享保九年(一七二四)大坂尼ヶ崎(中央区今橋)に設立した私塾。江戸の会輔堂と並んで庶民教育の学校として繁栄し、一時は昌平黌をしのぐ最高学府とされた。明治二年(一八六九)に廃校、大正五年(一九一六)、成人教育機関として再興。昭和二〇年(一九四五)空襲で被災し、蔵書類は大阪大学に寄贈された。懐徳堂。

かいとく‐どう【懐徳堂】(クヮイトクダウ)🔗🔉

かいとく‐どう【懐徳堂】(クヮイトクダウ) 懐徳書院の別称。

かい‐にん【懐妊・懐姙】(クヮイ‥)🔗🔉

かい‐にん【懐妊・懐姙】(クヮイ‥) 子をはらむこと。みごもること。妊娠。懐胎。懐孕。

かいふうそう【懐風藻】(クヮイフウサウ)🔗🔉

かいふうそう【懐風藻】(クヮイフウサウ) 奈良時代の漢詩集。一巻。編者は、淡海三船、石上宅嗣、葛井広成など諸説あるが未詳。天平勝宝三年成立。近江朝(七世紀後半)以後約八〇年間の漢詩約一二〇首を作者別、年代順に配列したもの。作者は、文武天皇、大友皇子、川島皇子、大津皇子、藤原宇合などが代表的。日本最古の詩集。

かい‐ぼ【懐慕】(クヮイ‥)🔗🔉

かい‐ぼ【懐慕】(クヮイ‥) 慕わしく思うこと。思慕。

かい‐ほう【懐抱】(クヮイハウ)🔗🔉

かい‐ほう【懐抱】(クヮイハウ) 1 (―する)腕をまわして抱きしめること。昔は特に、男女の抱擁をいった。*小右記‐長和四年四月五日「惟貞又到其宅懐抱云云」 2 ふところ。*太平記‐三〇「同く父母の懐抱を出て浮沈を共にし」 3 (―する)心に思いいだくこと。また、その思い、考えなど。*万葉‐八五三「遂申懐抱因贈詠歌曰」

かい‐らく【懐落】(クヮイ‥)🔗🔉

かい‐らく【懐落】(クヮイ‥) くずれて落ちること。崩落。

かい‐らん【懐乱・潰乱】(クヮイ‥)🔗🔉

かい‐らん【懐乱・潰乱】(クヮイ‥) 秩序や風俗がくずれ乱れること。また、やぶり乱すこと。

かい‐り【懐裏・懐裡】(クヮイ‥)🔗🔉

かい‐り【懐裏・懐裡】(クヮイ‥) 1 ふところ。懐中。 2 心の中。胸のうち。胸裡。「哀愁懐裏に充つ」

な‐ず・く【懐く】(‥づく)🔗🔉

な‐ず・く【懐く】(‥づく) 〔自カ五(四)〕⇒なつく(懐) 〔他カ下二〕⇒なつける(懐)

な‐ず・ける【懐ける】(‥づける)🔗🔉

な‐ず・ける【懐ける】(‥づける) 〔他カ下一〕⇒なつける(懐)

なつかし【懐かし】🔗🔉

なつかし【懐かし】 〔形シク〕⇒なつかしい(懐)

なつかし・い【懐かしい】🔗🔉

なつかし・い【懐かしい】 〔形口〕なつかし〔形シク〕(動詞「なつく(懐)」の形容詞化。古くは、身近にしたい、馴れ親しみたいの意を表し、後世、多く懐旧の思いをいうようになる) 心がひかれ、離れたくないさま。愛着を覚えるさま。魅力的だ。慕わしい。 人、人の心や姿をはじめ、音・香などを含め、広い対象についていう。*万葉‐八四六「霞立つ長き春日をかざせれどいや那都可子岐(ナツカシキ)梅の花かも」衣服が、着馴れて程よくのり気がとれて、からだになじんでいるさま。*源氏‐夕霧「なつかしき程の直衣に、色こまやかなる御衣(ぞ)のうち目」 (中世以後に生じた意味)過去の思い出に心がひかれて慕わしいさま。離れている人や物に覚える慕情についていう。「懐かしい故郷」*光悦本謡曲・羽衣「雁金のかへりゆく、天路をきけばなつかしや」 なつかし‐が・る(他ラ五(四))/なつかし‐げ(形動)/なつかし‐さ(名)/なつかし‐み(名)

なつかしび【懐】🔗🔉

なつかしび【懐】 親愛の情。馴れ親しむ気持。*浜松中納言‐二「うらなくなつかしひを通はひ給ひしに」

なつかし‐・ぶ【懐かしぶ】🔗🔉

なつかし‐・ぶ【懐かしぶ】 〔他バ四〕=なつかしむ(懐)

なつかし‐・む【懐かしむ】🔗🔉

なつかし‐・む【懐かしむ】 〔他マ五(四)〕なつかしく思う。親しさを感じる。親しく思い出す。*中務内侍「なつかしむ心を知らばゆく先を向の神のいかが見るらん」

な‐つ・く【懐く】🔗🔉

な‐つ・く【懐く】 〔自カ五(四)〕(「なづく」とも。馴れ付くの意)馴れて付き従う。馴れ親しむ。親しみよる。慕う。「生徒がなつく」*万葉‐一〇四九「名付(なつき)にし奈良の都の荒れゆけば」 〔他カ下二〕⇒なつける(懐)

な‐つけ【懐】🔗🔉

な‐つけ【懐】 (動詞「なつける(懐)」の名詞化。「なづけ」とも)なつかせること。てなずけて従わせること。*躬恒集「春の野に荒れたる駒のなづけには」

な‐つ・ける【懐ける】🔗🔉

な‐つ・ける【懐ける】 〔他カ下一〕なつ・く〔他カ下二〕(「なづける」とも)なつくようにする。親しみなつかせる。てなずけて従わせる。*万葉‐八三七「春の野に鳴くやうぐひす奈都気(ナツケ)むと」

なつこ・い【懐こい】🔗🔉

なつこ・い【懐こい】 〔形口〕人見知りしないで、すぐ人になつくさま。人なつこい。なつっこい。「懐こい笑顔」

なつっこ・い【懐っこい】🔗🔉

なつっこ・い【懐っこい】 〔形口〕「なつこい(懐)」の変化した語。

なつ‐メロ【懐メロ】🔗🔉

なつ‐メロ【懐メロ】 (メロは「メロディー」の略。「なつかしのメロディー」の意)それを聞くと過ぎた日がなつかしく思われるような、かつてのヒット曲。

ふつころ【懐】🔗🔉

ふつころ【懐】 =ふところ(懐)〔観智院本名義抄〕

ふところ【懐】🔗🔉

ふところ【懐】 1 着物と胸とのあいだ。懐中。 2 比喩的に、あたたかく迎え入れてくれる所、情をかけ庇護してくれる所の意。膝下。「自然の懐に抱かれる」 3 「ふところご(懐子)」の略。 4 相撲などで、前に出した両腕と胸とで作られる空間。「ふところが深い」 5 物などに囲まれて奥深くなったところ。*源氏‐蜻蛉「山のふところより」 6 内部。内幕。また、心の中。考え。了簡。「敵の懐に飛び込む」「懐を見すかす」 7 所持金。財産。また、それらの都合。金回り。「懐が寒い(寂しい)」 ●懐が暖(あたた)かい 所持金が多くある。財産が豊かである。 ●懐にする 懐に入れる。所持する。 ●懐を痛(いた)める 自分の金銭をつかう。身銭を切る。 ●懐を肥(こ)やす 不当な利益を得る。不正な手段で私利をはかる。私腹を肥やす。

●懐が暖(あたた)かい🔗🔉

●懐が暖(あたた)かい 所持金が多くある。財産が豊かである。 ●懐にする 懐に入れる。所持する。 ●懐を痛(いた)める 自分の金銭をつかう。身銭を切る。 ●懐を肥(こ)やす 不当な利益を得る。不正な手段で私利をはかる。私腹を肥やす。 ふところ‐あい【懐合】(‥あひ) 1 自分の持つ考え。意見。了簡。 2 =ふところぐあい(懐具合)

●懐にする🔗🔉

●懐にする 懐に入れる。所持する。 ●懐を痛(いた)める 自分の金銭をつかう。身銭を切る。 ●懐を肥(こ)やす 不当な利益を得る。不正な手段で私利をはかる。私腹を肥やす。 ふところ‐あい【懐合】(‥あひ) 1 自分の持つ考え。意見。了簡。 2 =ふところぐあい(懐具合)

●懐を痛(いた)める🔗🔉

●懐を痛(いた)める 自分の金銭をつかう。身銭を切る。 ●懐を肥(こ)やす 不当な利益を得る。不正な手段で私利をはかる。私腹を肥やす。 ふところ‐あい【懐合】(‥あひ) 1 自分の持つ考え。意見。了簡。 2 =ふところぐあい(懐具合)

●懐を肥(こ)やす🔗🔉

●懐を肥(こ)やす 不当な利益を得る。不正な手段で私利をはかる。私腹を肥やす。 ふところ‐あい【懐合】(‥あひ) 1 自分の持つ考え。意見。了簡。 2 =ふところぐあい(懐具合)

ふところ‐あい【懐合】(‥あひ)🔗🔉

ふところ‐あい【懐合】(‥あひ) 1 自分の持つ考え。意見。了簡。 2 =ふところぐあい(懐具合)

ふところ‐がたな【懐刀】🔗🔉

ふところ‐がたな【懐刀】 1 懐や帯の間にはさんで携帯する小さい守り刀。懐剣。 2 知謀にたけ、秘密の計画や相談などにあずかる腹心の部下。

ふところ‐がみ【懐紙】🔗🔉

ふところ‐がみ【懐紙】 たたんで懐に入れておく紙。塵紙にしたり、歌やメモなどを書いたりする。たとうがみ。かいし。*宇津保‐蔵開中「御ふところがみにかくかきて」

ふところ‐かんじょう【懐勘定】(‥カンヂャウ)🔗🔉

ふところ‐かんじょう【懐勘定】(‥カンヂャウ) 自分の所持金や入費などを心のなかで計算すること。胸算用。

ふところ‐ぐあい【懐具合】(‥ぐあひ)🔗🔉

ふところ‐ぐあい【懐具合】(‥ぐあひ) 所持金の都合。金まわり。ふところあい。ふところつごう。

ふところ‐ご【懐子】🔗🔉

ふところ‐ご【懐子】 1 親の懐で養育される幼児。親の懐に抱かれる嬰児。 2 親に大事に育てられた子。秘蔵の子。転じて、世間知らず。特に、箱入娘。

ふところ‐すずり【懐硯】🔗🔉

ふところ‐すずり【懐硯】 懐に入れて携帯できるように作られた硯。懐中硯。

ふところ‐ずみ【懐住】🔗🔉

ふところ‐ずみ【懐住】 親の懐に住むこと。親の手許で育てられること。

ふところ‐そだち【懐育】🔗🔉

ふところ‐そだち【懐育】 懐に抱かれて育つこと。親の手許で大切に養育されること。

ふところ‐つごう【懐都合】(‥ツガフ)🔗🔉

ふところ‐つごう【懐都合】(‥ツガフ) =ふところぐあい(懐具合)

ふところ‐で【懐手】🔗🔉

ふところ‐で【懐手】 1 手を懐に入れていること。袖手(しゅうしゅ)。《季・冬》 2 人にまかせて自分は何もしないこと。袖手。

ふところ‐てじょう【懐手錠】(‥てヂャウ)🔗🔉

ふところ‐てじょう【懐手錠】(‥てヂャウ) 江戸時代の刑罰の一つ。両手を内ぶところに入れて縛り、縛り目に封印をしたもの。未決拘留にも用いられた。

ふところ‐でっぽう【懐鉄砲】(‥デッパウ)🔗🔉

ふところ‐でっぽう【懐鉄砲】(‥デッパウ) 拳銃。短筒。ピストル。*浄・近江源氏先陣館‐八「南蛮流の懐鉄砲」

ふところ‐にっき【懐日記】🔗🔉

ふところ‐にっき【懐日記】 懐に入れて携帯できる小形の日記。また、それに書き込むこと。懐中日記。

ほほ【懐】🔗🔉

ほほ【懐】 ふところ。懐中。*仮・竹斎‐上「文を受け取ほほに入」

む‐だ・く【抱く・懐く】🔗🔉

む‐だ・く【抱く・懐く】 〔他カ四〕(「む(身)たく(綰)」の意という。「たく」は、手を使ってある動作をする意)両手でかかえこむ。抱く。いだく。*万葉‐三四〇四「かき武太伎(ムダキ)寝れど飽かぬを」*新訳華厳経音義私記「抱持上取也、牟太久」

ゆかし・い【床しい・懐しい】🔗🔉

ゆかし・い【床しい・懐しい】 〔形口〕ゆかし〔形シク〕(動詞「ゆく(行)」の形容詞化。ある物事に好奇心を抱き、心がその方に行くさま、心ひかれるさまをいう。「床」「懐」は当て字) 1 それに心がひかれ、実際に自分で接してみたいという気持を表す。 どんな様子か見たい。行って、それを見たい。また、心ひかれている人に、会いたい。*竹取「五人の中に、ゆかしき物をみせ給へらんに」何であるか知りたい。誰であるか知りたい。どんな様子や状態か知りたい。*落窪‐一「いかなるさまにておはすらむとゆかしければ」演奏、声などを聞きたい。*源氏‐若菜下「耳なれぬ手ども弾き給ふらんを、ゆかしとおぼして」人や物を、自分のものにしたい。欲しい。*源氏‐総角「恋わびて死ぬるくすりのゆかしきに」 2 なつかしい。恋しい。慕わしい。*平家‐六「むかしの名残もさすがゆかしくて」 3 情趣や気品、優美さなどがあって何となく心がひかれる。上品で深みがある。*俳・野ざらし紀行「山路来てなにやらゆかしすみれ草」 ゆかし‐が・る(他ラ四)/ゆかし‐げ(形動)/ゆかし‐さ(名)

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