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かた【方】🔗⭐🔉
かた【方】
①方位。方角。方向。方面。竹取物語「唐の―に向かひて伏し拝み給ふ」
②所。場所。蜻蛉日記中「いかで涼しき―もやあると」
③手段。方法。源氏物語若紫「ともかうも、ただいまは聞えむ―なし」。「無念やる―ない」
④(動詞連用形に付いて)しよう。しぶり。方法。また、すること。「話し―」「撃ち―止め」
⑤仲間。組。源氏物語賢木「左右にこまどりに、―分かせ給へり」。「東―」「母―」「味―」
⑥それに関係する人。それをする人。かかり。「寺―」「囃子はやし―」
⑦頃。時分。伊勢物語「神無月のつごもり―」「暮れ―」
⑧(貴人を、その居所の方向で間接的にさしたことから)人を、敬意をもっていう語。「あの―」
⑨住んでいる所。身を寄せている家。「何某―」
⇒方明く
⇒方塞がる
かた【片】🔗⭐🔉
かた【片】
①揃えば対ついとなるものの一方。万葉集8「天飛ぶや領巾ひれ―敷き真玉手の玉手さしかへ」。万葉集11「磯貝の―恋のみに年は経につつ」。「―手」
②整わないこと。不完全。万葉集9「八年児やとせごの―生おいの時ゆ」。「―こと」
③わずか。竹取物語「―時の間ま」
④一方に偏し、中心部から離れていること。神代紀下「石川―淵、―淵に網張り渡し」。伊勢物語「―ゐなかに住みけり」。「―端」「―よる」
⇒片が付く
かた【形・型】🔗⭐🔉
かた【形・型】
➊(ふつう「形」と書く)(→)「かたち」1に同じ。
①形状。「三日月―」「―くずれ」
②事があったあとに残り、それがあったと知られるようなしるし。あとかた。源氏物語蓬生「昔だにあるかなきかなりし中門など、まして―もなくなりて」
③模様。あや。允恭紀「細紋ささら―」
④占いの際に現れるしるし。うらかた。万葉集14「告のらぬ妹が名―に出でむかも」
⑤銭の表。古銭で文字の刻まれた面。↔なめ。
⑥物に似せて作った形。肖像。図画。法華義疏長保点「像カタに触れて心を置かずはあるべけむや」
⑦貸したしるしとして取った物。抵当。浄瑠璃、大職冠「年季のこの玉を、たつた三百の―に張つて」。「借金の―にとられる」
➋(ふつう「型」と書く)個々のものの形を生ずるもととなるもの、または個々の形から抽象されるもの。
①形を作り出すもとになるもの。鋳型・型紙などの類。「―を取る」
②伝統・習慣として決まった形式。「―破りの人」
③武道・芸能・スポーツなどで、規範となる方式。「踊りの―」「攻めの―」
④ものを類に分けた時、それぞれの特質をよく表した典型。そのような形式・形態。タイプ。パターン。「ハムレット―」「流行の―」
⑤決まった大きさ。サイズ。
⇒型に嵌まる
⇒型に嵌める
⇒形の如く
かた【肩】🔗⭐🔉
かた【肩】
➊人・鳥獣の胴体の、腕・前肢・翼が接する部分の上部。万葉集13「ゆふだすき―に取り懸け」。「―がこる」「―に力が入る」
➋位置が人の肩にあたる所。
①衣服の肩にあたる部分。万葉集7「麻衣―のまよひはたれか取り見む」
②山頂の少し下の平らな所。「山の―」
③物の、脇の上部。「―書」
④和船の最も幅広いところの横幅。和船の大きさを示す場合、肩幅何尺何寸という。
➌肩を使う動作、またその力。
①かつぐ力。「―を貸す」
②転じて、負担。責任。「―が下りる」
③物を投げる力。「―がよい」
➍(肩に倶生神ぐしょうじんが宿っていて人の運命を支配するという俗説から)運。(別の説もある。浮、籠耳「運の好い悪いといふべきを肩が好い悪いとはいふべき詞にあらず、肩に棒おく商人・駕籠舁かごかき・乗物舁より起りたる詞なり」)
⇒肩が怒る
⇒肩が凝らない
⇒肩がつかえる
⇒肩で息をする
⇒肩で風を切る
⇒肩の荷が下りる
⇒肩を怒らす
⇒肩を入れる
⇒肩を落とす
⇒肩を貸す
⇒肩をすくめる
⇒肩をすぼめる
⇒肩を並べる
⇒肩を抜く
⇒肩を持つ
かた【潟】🔗⭐🔉
かた【潟】
①遠浅の海で、潮がさせば隠れ、ひけば現れる所。ひがた。万葉集6「潮干の―に鶴たず鳴き渡る」
②砂丘・砂洲・三角洲などのため、外海と分離してできた塩湖。一部が切れて海に連なることが多い。サロマ湖・風蓮湖の類。潟湖かたこ・せきこ。
③湖・沼または入江の称。
か‐た【掛搭】クワ‥🔗⭐🔉
か‐た【掛搭】クワ‥
禅宗で、新たに寺院に入った僧侶が、衣鉢いはつ・錫杖などを僧堂の壁の鉤にかけおくこと。挂錫かしゃく。かとう。正法眼蔵礼拝得髄「大宋国の寺院に比丘尼の―せるが」
か‐た【過多】クワ‥🔗⭐🔉
か‐た【過多】クワ‥
多すぎること。「胃酸―」「情報―」↔過少
か‐た【夥多】クワ‥🔗⭐🔉
か‐た【夥多】クワ‥
おびただしいこと。非常に多いこと。
かた‐あいて【片相手】‥アヒ‥🔗⭐🔉
かた‐あいて【片相手】‥アヒ‥
一方の相手。
かた‐あかり【片明り】🔗⭐🔉
かた‐あかり【片明り】
スタンドなどが、一方だけを明るく照らす状態であること。
かた‐あき【肩明き】🔗⭐🔉
かた‐あき【肩明き】
洋服の肩の縫目部分のあき。飾りボタンやスナップで開閉する。
○方明くかたあく
陰陽道で、方角のふさがりが除かれる。
⇒かた【方】
かた‐あげ【肩上げ・肩揚げ】🔗⭐🔉
かた‐あげ【肩上げ・肩揚げ】
子供の着物の裄ゆきを肩の所に縫い上げて置くもの。
⇒肩上げをおろす
○肩上げをおろすかたあげをおろす
子供が成人して肩上げのない着物を着るようになる。
⇒かた‐あげ【肩上げ・肩揚げ】
○肩上げをおろすかたあげをおろす🔗⭐🔉
○肩上げをおろすかたあげをおろす
子供が成人して肩上げのない着物を着るようになる。
⇒かた‐あげ【肩上げ・肩揚げ】
カターサリットサーガラ【Kathāsaritsāgara】
(「物語の流れ込む海」の意)古代インドのサンスクリット説話集「ブリハット‐カター」の改作本の一つ。ソーマデーヴァ作。11世紀に成る。一つの枠物語に多くの挿話を含む。
かた‐あし【片足】
片方の足。片方の足しかないこと。はきものの片方。「―とび」↔両足
かた‐あて【肩当て】
①衣服の肩の裏につけた布。
②具足のわたがみの下に当てるもの。
肩当て
③枕と肩の間にはさみ、寒さを防ぐ布。
④物をかつぐとき肩に当てるもの。
カターニア【Catania】
イタリア南部、シチリア島東岸の都市。農畜産物の集散地・工業都市。人口30万7千(2004)。
かた‐あぶら【固油】
びんつけ油のこと。
かた‐あめ【固飴】
固く作った飴。固形の飴。↔水飴
かた‐あらし【片荒し】
1年または数年おきに作る田。易田やくでんえきでん・休田やすみたともいう。
カタール【Qaṭar】
アラビア半島中部東岸の国。ペルシア湾に突出した小半島を占める。イギリス保護領から1971年独立。首長制をとる。原油と天然ガスを産する。面積1万1000平方キロメートル。人口75万6千(2004)。首都ドーハ。カタル。→西アジア(図)
かた‐い【乞丐】‥ヰ
(傍かた居の意)
①道路の傍らなどにいて人に金品を乞い求めるもの。乞食こじき。
②ハンセン病。また、その人。
③人をののしっていう語。ばか者。土佐日記「このかぢとりは日もえはからぬ―なりけり」
か‐たい【下腿】
膝から足首までの部分。
⇒かたい‐きん【下腿筋】
⇒かたい‐こつ【下腿骨】
か‐たい【化体】クワ‥
形をかえて他のものになること。有価証券の場合のように、権利とそれを表章する証券との間に認められる密接な結合関係を表現する語。「権利が証券に―する」
⇒かたい‐せつ【化体説】
かたい【花袋】クワ‥
⇒たやまかたい(田山花袋)
か‐たい【科怠】クワ‥
咎むべき怠慢。不注意から起こる過失。
か‐たい【過怠】クワ‥
①あやまち。てぬかり。過失。平家物語3「やがて召され候事は、何の―にて候やらむ」
②過失の償いにする物事。特に、武家時代、過失・罪科があった者に金品を納めさせまたは労役に服させた刑。
⇒かたい‐きん【過怠金】
⇒かたい‐せん【過怠銭】
⇒かたい‐てじょう【過怠手鎖】
⇒かたい‐やっかん【過怠約款】
⇒かたい‐ろう【過怠牢】
か‐たい【禍胎】クワ‥
わざわいのもと。禍根。
か‐たい【歌体】
①歌の風体・風姿。
②和歌の形態。短歌・長歌・旋頭歌せどうか・片歌・仏足石歌など。
かた・い【堅い・固い・硬い・難い】
[一]〔形〕[文]かた・し(ク)
➊《堅・固・硬》事物が変化動揺をうけにくい状態である。
①物の質が強くしっかりしている。丈夫である。こわれにくい。源氏物語行幸「―・きいはほもあは雪になし給ふつべき御けしきなれば」。「―・いからをかぶる」
②物と物とがしっかり結合して離れにくい。ゆるみなく、すきまがない。落窪物語1「中隔なかへだての障子そうじを明け給ふに―・ければ」。「結び目が―・い」「脇を―・くしめる」
③変わることなく、たしかである。確実である。雄略紀「大君に―・くつかへまつらむと」。「意志が―・い」「―・い約束」「―・い商売」「勝利は―・い」
④きびしい。強い。源氏物語明石「世の人もいかがいひつたへ侍らむなど后―・ういさめ給ふに」
⑤操行が正しい。信用がおける。日葡辞書「カタイヒト」。「身持ちが―・い」
⑥かたくるしい。幸若舞曲、大織冠「唐人の行列ではない。あの人の訴状さうな。字が―・うて読みにくい」。「―・い話ばかりで面白味がない」
⑦頑固である。融通がきかない。「頭が―・い」
⑧緊張して動きになめらかさがない。ぎこちない。「―・い表情」「顔つきが―・くなる」
⑨(取引用語)相場が容易に下落する模様がない。
➋《難》それをするのが容易でない。むずかしい。古今和歌集秋「秋ならであふ事―・き女郎花天の川原におひぬものゆゑ」。「想像に―・くない」
[二]〔接尾〕
(形容詞型活用。「がたい」と濁音化する)《難》動詞の連用形に付いて、その動作をすること、その状態にあることが困難である意を表す。万葉集8「天の河いと川波は立たねどもさもらひ―・し近きこの瀬を」。日葡辞書「シガタイコト」。「信じ―・い」
◇「固い」は「ゆるい」の対語といった趣で広く一般に使う。「堅い」は「もろい」の対語といった趣で人や物の性質に、「硬い」は「軟らかい」の対語として物の状態や人の態度に使うことが多い。
⇒堅き氷は霜を履むより至る
⇒堅くなる
か‐だい【火大】クワ‥
〔仏〕万物を構成する要素の一つ。四大・五大・六大の一つ。
か‐だい【仮題】
正式の題が決まるまで仮につけた題。
か‐だい【花台】クワ‥
①美しい楼台。はなのうてな。
②花器をのせる台。
か‐だい【科第】クワ‥
①試験をして優劣の次第を定めること。
②官吏登用試験。
か‐だい【架台】
①足場に造った台。
②鉄道・橋梁などを支える架構。
か‐だい【夏台】
(中国、夏の時代の牢獄の名から)牢獄。
か‐だい【過大】クワ‥
大きすぎること。「―な期待」「―評価」↔過小。
⇒かだい‐し【過大視】
か‐だい【遐代】
遠い未来。遠く隔たった後世。
か‐だい【歌題】
和歌の題。
か‐だい【課題】クワ‥
題、また問題を課すること。また、課せられた題・問題。「今後に残された―」
がたい
(「がかい」の転か)外見の大きさ。図体ずうたい。「―が大きい」
が‐だい【画題】グワ‥
絵画の主題。「四君子しくんし」「猿猴捉月えんこうそくげつ」の類。
が‐だい【臥内】グワ‥
ねやの内。ねどこ。ふしど。
かた‐いお【片庵】‥イホ
粗末な家。自分の家の謙譲語。宇津保物語藤原君「おきなの―にゐてまして」
かた‐いき【片行き】
一方にかたよること。浄瑠璃、淀鯉出世滝徳「さても金は―な。有る所には有るものか」
かた‐いき【片息・肩息】
たえだえな息。ひどく苦しげな呼吸。古今著聞集20「蝦かえる数千…或はくひころされ或は―して腹白になりてありけり」
かたい‐きん【下腿筋】
下腿にある筋肉の総称。
⇒か‐たい【下腿】
かたい‐きん【過怠金】クワ‥
公共組合その他の団体の内部的統制のために、構成員の義務違反に対して制裁として科し、または吏員に対する懲戒処分として科する金銭のこと。
⇒か‐たい【過怠】
カダイ‐ごぞく【カダイ語族】
(Kadai)タイ・ラオス・ミャンマーなどを中心に分布するタイ語派(タイ語・ラオ語など)、カム‐スイ語派(カム語・スイ語・チャム語など)、孤立語(ケラオ語・ラティ語など)の総称。カム‐タイ語族ともいう。
かたい‐こつ【下腿骨】
脛けい骨と腓ひ骨との併称。→骨格(図)
⇒か‐たい【下腿】
かた‐いざり【片蹇り】‥ヰザリ
片膝でいざること。幼児などがようやくのことで這はって行くこと。拾遺和歌集恋「逢ふことは―する嬰児みどりこの」
かた‐いじ【片意地】‥ヂ
頑固に自分の考えを立てとおすこと。また、その性質。「―を張る」
かだい‐し【過大視】クワ‥
物事を実際よりも大きくとらえること。
⇒か‐だい【過大】
か‐だいじょうみゃく【下大静脈】‥ジヤウ‥
脊椎動物の下半身の血液を集める本幹で、腎静脈・肝静脈をも合わせて、横隔膜を通って右心房に注ぐ静脈。
か‐たいじん【家大人】
自分の父をいう語。家君。家尊。家厳。
かたい‐せつ【化体説】クワ‥
〔宗〕(transubstantiation theory)ローマ‐カトリック教会のミサで、司祭の聖別の祈りによって、パンと葡萄酒の実体がキリストの肉と血に変じ(聖変化)、ただ形・色・味などの属性だけパンと葡萄酒として現れるとする教理。実体変化。
⇒か‐たい【化体】
かたい‐せん【過怠銭】クワ‥
過怠のあった時、償わせた金。→過怠2。
⇒か‐たい【過怠】
かた‐いた【型板・形板】
①物の形をかたどった板。木工・石工などが標準として用いる。古くは形木とも。
型板
提供:竹中大工道具館
②薄い亜鉛・銅などの金属板に模様を彫刻したもの。捺染なっせんするのに用いる。
かた‐いた【潟板】
有明海・児島湾などの干潟で、貝や魚を捕る際に使用する滑走用の板。潟の泥の上を1枚の板に片足をのせて滑走する。
かた‐いたガラス【型板硝子】
片面または両面に細かな凹凸模様をつけた板ガラス。
かた‐いっぽう【片一方】‥パウ
二つの中の一方。片方。かたっぽ。
かたい‐てじょう【過怠手鎖】クワ‥ヂヤウ
江戸幕府の刑罰の一種。過怠2に処せられた者が過怠銭を償うことができない時、換刑として科した手錠。
⇒か‐たい【過怠】
かた‐いと【片糸】
より合わせる前の、片方の細糸。片緒。万葉集11「―用もち貫ぬきたる玉の緒を弱み」
⇒かたいと‐どり【片糸鳥】
⇒かたいと‐の【片糸の】
かたいと【片糸】
語学書。中島広足著。1巻。1853年(嘉永6)刊。主に「ぬる」と「つる」の使用法を論ずる。
かたいと‐どり【片糸鳥】
雁の異称。
⇒かた‐いと【片糸】
かたいと‐の【片糸の】
〔枕〕
「より」「よる」「くる」「あふ」「緒」「絶ゆ」「乱る」などにかかる。古今和歌集序「―よりよりに絶えずぞありける」
⇒かた‐いと【片糸】
かた‐いなか【片田舎】‥ヰナカ
都会から遠く離れた村里。へんぴな田舎。片辺土。片里。「―の分校」
かた‐いみ【方忌】
陰陽道おんようどうで、方角の塞ふさがっているのを忌むこと。→方違え
かたいやくげん【歌体約言】
歌論書。田安宗武著。1冊。1746年(延享3)成立。「国歌八論」論争後、賀茂真淵の「まこと」説を継ぎ、荷田在満かだのありまろと対立、万葉の古風を採ったもの。
かたい‐やっかん【過怠約款】クワ‥ヤククワン
(旧民法の用語)債務不履行によって生ずるかもしれない損害賠償の額を予定することを目的とする、債権者・債務者間の契約。
⇒か‐たい【過怠】
かた‐いれ【肩入れ】
①ひいきすること。力添え。浄瑠璃、平家女護島「源氏―の大悪僧文覚法師」
②衣服の肩の所に他の布を入れて縫うこと。特に小児の着物で、肩に別の良い布を用いたもの。
⇒かたいれ‐ぼうこう【肩入れ奉公】
かたいれ‐ぼうこう【肩入れ奉公】
奉公人が、独立して一家を持った後も、もとの主家に通って奉公すること。
⇒かた‐いれ【肩入れ】
かた‐いろ【片色】
①経糸たていと・緯糸よこいとの色のちがっている織物。
②熨斗目のしめの一種。紋も腰替りもないもの。経は練糸、緯は生糸。
かたい‐ろう【過怠牢】クワ‥ラウ
江戸時代、本刑の敲たたきに換えて入牢させたこと。
⇒か‐たい【過怠】
かた・うカタフ
〔他四〕
片方に心を寄せる意とも、また、欺き取る意ともいうが未詳。万葉集18「人―・はむかも」
かた‐うずら【片鶉】‥ウヅラ
雌雄相伴わず離れている鶉。
かた‐うた【片歌】
雅楽寮で教習した大歌の一体。五・七・七または五・七・五の3句で1首をなす歌で、奈良時代以前には、多くは問答に用いた。江戸時代、建部綾足は俳諧の一体として、片歌の復興を志した。
かたうち‐さぎょう【型打ち作業】‥ゲフ
金属品の大量生産に用いる作業方式で、一定の品物を製するのに、一つの型で打抜きまたは成型作業を行うこと。
かた‐うで【片腕】
①片方の腕。片方の腕しかないこと。隻腕せきわん。
②最も頼りにする補佐の人。「社長の―となって働く」
かた‐うど【方人】
(カタビトの音便)
①歌合せなどで、両方に分かれて対する一方の組の人。枕草子143「なぞなぞ合せしける、―にはあらで、さやうのことにりやうりやうじかりけるが」
②ひいきする者。味方。仲間。平家物語4「さだめて源氏の―をぞせんずらん」
かた‐うま【片馬】
馬1頭に負わせる荷の片方。半分の荷。
かた‐うま【肩馬】
子供などを肩にまたがらせること。肩車。
かた‐うらみ【片恨み】
一方が恨みに思うこと。他の者が恨みに思うこと。保元物語(金刀比羅本)「一人二人は―なりと思ひてふり捨て参りつるをば」
かた‐え【片方・傍】‥ヘ
①二つの中の一方。かたほう。古今和歌集夏「夏と秋と行きかふ空の通ひぢは―涼しき風や吹くらむ」
②一部分。半分。源氏物語玉鬘「昔人も―は変らではべりければ」
③かたわら。そば。まわり。伊勢物語「―の人笑ふことにやありけん」
④かたわらの人。仲間。朋輩。また、兄弟。源氏物語賢木「腹ぎたなき―の教へおこするぞかし」
⑤地方。田舎。好色二代男「まことに此の所は―と申し、雪国にて」
かた‐え【片枝】
片方の枝。かたえだ。
かた‐えくぼ【片靨】‥ヱクボ
片頬にできるえくぼ。
かた‐えだ【片枝】
片方の枝。かたえ。
かた‐えみ【片笑み】‥ヱミ
片頬に笑みを含むこと。微笑。
かた‐え・む【片笑む】‥ヱム
〔自四〕
片頬に笑みを含む。ちょっと笑う。微笑する。源氏物語帚木「君少し―・みて」
かた‐お【片緒】‥ヲ
(→)片糸かたいとに同じ。
かた‐おい【片生い】‥オヒ
十分に成長しないさま。かたなり。万葉集9「八年児やとせごの―の時ゆ」
かた‐おうぎ【片扇】‥アフギ
片手に扇を持ち、他人をあおぐこと。また、その扇。騒ぎを鎮める時などのあおぎ方。
かた‐おか【片岡】‥ヲカ
一方が切り立っている岡。また、孤立した岡。万葉集7「―の此の向つ峯おに」
かたおか【片岡】‥ヲカ
奈良県北葛城郡王寺町辺。片岡坐かたおかにます神社は式内社。(歌枕)
かたおか【片岡】‥ヲカ
姓氏の一つ。
⇒かたおか‐けんきち【片岡健吉】
⇒かたおか‐ちえぞう【片岡千恵蔵】
⇒かたおか‐てっぺい【片岡鉄兵】
⇒かたおか‐にざえもん【片岡仁左衛門】
かたおか‐けんきち【片岡健吉】‥ヲカ‥
政治家。土佐藩士。立志社を創設し、民撰議院設立建白に加わるなど自由民権運動の指導者。自由党・政友会の領袖。衆議院議長。(1843〜1903)
⇒かたおか【片岡】
かたおか‐ちえぞう【片岡千恵蔵】‥ヲカ‥ヱザウ
俳優。本名、植木正義。群馬県生れ。歌舞伎から映画界に転じ、「赤西蠣太」「国士無双」など時代劇の花形として活躍。第二次大戦後も「血槍富士」などに出演。(1903〜1983)
⇒かたおか【片岡】
かたおか‐てっぺい【片岡鉄兵】‥ヲカ‥
小説家。岡山県生れ。慶大中退。新感覚派からプロレタリア文学に転向、のち仏門に帰依した。作「綾里村快挙録」「花嫁学校」など。(1894〜1944)
⇒かたおか【片岡】
かたおか‐にざえもん【片岡仁左衛門】‥ヲカ‥ヱ‥
歌舞伎俳優。京都の人。屋号、7代以降松島屋。
①(初代)実悪じつあくに長じた。(1656〜1715)
②(7代)化政期京坂劇壇の重鎮。名跡を再興。(1755〜1837)
③(11代)8代の4男。大阪で初代中村鴈治郎と対抗して活躍。(1857〜1934)
④(12代)10代の甥・養子。15代市村羽左衛門の女房役として活躍。(1882〜1946)
⑤(13代)11代の3男。長く関西歌舞伎を支える。当り役は由良之助・菅丞相・忠兵衛など。(1903〜1994)
⇒かたおか【片岡】
かた‐おき【型置き】
①模様を切り抜いた原紙を物の上に置いて塗料を塗り、その模様をあらわし出すこと。また、それをする人。
②(→)「型付け」1に同じ。
かた‐おさえ【片押え】‥オサヘ
江戸時代、大名行列で中間ちゅうげん・小者などを支配する足軽が片側に一人だけつくもの。二人つく両押えに対していう。
かた‐おし【片押し】
一方に片寄ること。片方だけに負担をかけたりすること。歌舞伎、名歌徳三升玉垣「ほんに意地の悪い天道様、コウ―に照つたり降つたりするのが」
かた‐おし【型押し】
圧力や熱を加えて凹凸や模様をつけること。
かた‐おち【片落ち】
①一方が欠け落ちて、平均を失うこと。
②一方だけをひいきすること。かたておち。狂言、鈍太郎「其様な―な事が有る物で御ざるか」
③預金または貸出しの利息を計算する際、預入れ・貸出しの日または支払いの日の一方に利息を付けないこと。片端落し。
かた‐おち【型落ち】
電化製品・通信機器などで、新しい型が出たため旧型になること。また、最新型でないもの。「―のパソコン」
がた‐おち【がた落ち】
①生産量・評価などが急激におちること。暴落。「信用が―になる」
②段違いに劣ること。
かた‐お・つ【片落つ】
〔自上二〕
①一方へ片寄り傾く。
②一方だけをひいきする。甲陽軍鑑2「いかに国を持つとも、―・ちて一むきなるは、是小身也」
かた‐おとし【片落し】
①(→)「かたおち」に同じ。
②売買両建玉たてぎょく中の一方を転売または買戻しをして決済すること。片解かたとけ。片外かたはずし。
かた‐おなみ【片男波】‥ヲ‥
(山部赤人の歌「和歌の浦に潮満ち来れば潟をなみ葦辺をさして鶴たず鳴き渡る」の「かたをなみ」にこじつけた語)男波おなみ。高い波。謡曲、松風「寄せては帰る―」
かた‐おもい【片思い】‥オモヒ
一方からだけ思い慕うこと。片恋。万葉集18「―を馬にふつまに負おおせ持て」
かた‐おもて【片面】
一方の面。半面。
かた‐おもむき【片趣】
心を一方にだけ片寄せて他を顧みないこと。平家物語11「さやうに―なるをば、猪武者とて」
かた‐おや【片親】
①両親のうち、父または母のどちらか一方。↔二親ふたおや。
②両親の一人が欠けていること。また、その残った親。〈日葡辞書〉
かた‐おり【固織】
織物の紋を浮かさず、糸を固く締めて織ること。また、その織物。↔浮織
かた‐おりど【片折戸】‥ヲリ‥
片開きの折戸。↔諸折戸もろおりど
かた‐おりもの【固織物】
固織りにした絹織物。夜の寝覚2「紅梅の―の小袿こうちき」
かた‐おろし【片下ろし】
①上代の歌謡などで、本・末の両方に分かれて歌う場合に、その一方を調子を下げて低く歌うもの。古事記下「この歌は夷振ひなぶりの―なり」
②片下ろし1の歌い方で歌う平安時代の歌謡の一種。
かた‐がい【片貝】‥ガヒ
アワビのように、貝殻が一方だけの貝。
かた‐がい【片飼】‥ガヒ
馬などの飼い方が行き届かないこと。拾遺和歌集恋「あふ事の―したるみちのくのこまほしくのみ思ほゆるかな」


カターサリットサーガラ【Kathāsaritsāgara】🔗⭐🔉
カターサリットサーガラ【Kathāsaritsāgara】
(「物語の流れ込む海」の意)古代インドのサンスクリット説話集「ブリハット‐カター」の改作本の一つ。ソーマデーヴァ作。11世紀に成る。一つの枠物語に多くの挿話を含む。
かた‐あし【片足】🔗⭐🔉
かた‐あし【片足】
片方の足。片方の足しかないこと。はきものの片方。「―とび」↔両足
かた‐あて【肩当て】🔗⭐🔉
かた‐あて【肩当て】
①衣服の肩の裏につけた布。
②具足のわたがみの下に当てるもの。
肩当て
③枕と肩の間にはさみ、寒さを防ぐ布。
④物をかつぐとき肩に当てるもの。

カターニア【Catania】🔗⭐🔉
カターニア【Catania】
イタリア南部、シチリア島東岸の都市。農畜産物の集散地・工業都市。人口30万7千(2004)。
かた‐あぶら【固油】🔗⭐🔉
かた‐あぶら【固油】
びんつけ油のこと。
かた‐あめ【固飴】🔗⭐🔉
かた‐あめ【固飴】
固く作った飴。固形の飴。↔水飴
かた‐あらし【片荒し】🔗⭐🔉
かた‐あらし【片荒し】
1年または数年おきに作る田。易田やくでんえきでん・休田やすみたともいう。
カタール【Qaṭar】🔗⭐🔉
カタール【Qaṭar】
アラビア半島中部東岸の国。ペルシア湾に突出した小半島を占める。イギリス保護領から1971年独立。首長制をとる。原油と天然ガスを産する。面積1万1000平方キロメートル。人口75万6千(2004)。首都ドーハ。カタル。→西アジア(図)
かた‐い【乞丐】‥ヰ🔗⭐🔉
かた‐い【乞丐】‥ヰ
(傍かた居の意)
①道路の傍らなどにいて人に金品を乞い求めるもの。乞食こじき。
②ハンセン病。また、その人。
③人をののしっていう語。ばか者。土佐日記「このかぢとりは日もえはからぬ―なりけり」
か‐たい【下腿】🔗⭐🔉
か‐たい【下腿】
膝から足首までの部分。
⇒かたい‐きん【下腿筋】
⇒かたい‐こつ【下腿骨】
か‐たい【化体】クワ‥🔗⭐🔉
か‐たい【化体】クワ‥
形をかえて他のものになること。有価証券の場合のように、権利とそれを表章する証券との間に認められる密接な結合関係を表現する語。「権利が証券に―する」
⇒かたい‐せつ【化体説】
かたい【花袋】クワ‥🔗⭐🔉
かたい【花袋】クワ‥
⇒たやまかたい(田山花袋)
か‐たい【科怠】クワ‥🔗⭐🔉
か‐たい【科怠】クワ‥
咎むべき怠慢。不注意から起こる過失。
か‐たい【過怠】クワ‥🔗⭐🔉
か‐たい【過怠】クワ‥
①あやまち。てぬかり。過失。平家物語3「やがて召され候事は、何の―にて候やらむ」
②過失の償いにする物事。特に、武家時代、過失・罪科があった者に金品を納めさせまたは労役に服させた刑。
⇒かたい‐きん【過怠金】
⇒かたい‐せん【過怠銭】
⇒かたい‐てじょう【過怠手鎖】
⇒かたい‐やっかん【過怠約款】
⇒かたい‐ろう【過怠牢】
か‐たい【禍胎】クワ‥🔗⭐🔉
か‐たい【禍胎】クワ‥
わざわいのもと。禍根。
か‐たい【歌体】🔗⭐🔉
か‐たい【歌体】
①歌の風体・風姿。
②和歌の形態。短歌・長歌・旋頭歌せどうか・片歌・仏足石歌など。
かた・い【堅い・固い・硬い・難い】🔗⭐🔉
かた・い【堅い・固い・硬い・難い】
[一]〔形〕[文]かた・し(ク)
➊《堅・固・硬》事物が変化動揺をうけにくい状態である。
①物の質が強くしっかりしている。丈夫である。こわれにくい。源氏物語行幸「―・きいはほもあは雪になし給ふつべき御けしきなれば」。「―・いからをかぶる」
②物と物とがしっかり結合して離れにくい。ゆるみなく、すきまがない。落窪物語1「中隔なかへだての障子そうじを明け給ふに―・ければ」。「結び目が―・い」「脇を―・くしめる」
③変わることなく、たしかである。確実である。雄略紀「大君に―・くつかへまつらむと」。「意志が―・い」「―・い約束」「―・い商売」「勝利は―・い」
④きびしい。強い。源氏物語明石「世の人もいかがいひつたへ侍らむなど后―・ういさめ給ふに」
⑤操行が正しい。信用がおける。日葡辞書「カタイヒト」。「身持ちが―・い」
⑥かたくるしい。幸若舞曲、大織冠「唐人の行列ではない。あの人の訴状さうな。字が―・うて読みにくい」。「―・い話ばかりで面白味がない」
⑦頑固である。融通がきかない。「頭が―・い」
⑧緊張して動きになめらかさがない。ぎこちない。「―・い表情」「顔つきが―・くなる」
⑨(取引用語)相場が容易に下落する模様がない。
➋《難》それをするのが容易でない。むずかしい。古今和歌集秋「秋ならであふ事―・き女郎花天の川原におひぬものゆゑ」。「想像に―・くない」
[二]〔接尾〕
(形容詞型活用。「がたい」と濁音化する)《難》動詞の連用形に付いて、その動作をすること、その状態にあることが困難である意を表す。万葉集8「天の河いと川波は立たねどもさもらひ―・し近きこの瀬を」。日葡辞書「シガタイコト」。「信じ―・い」
◇「固い」は「ゆるい」の対語といった趣で広く一般に使う。「堅い」は「もろい」の対語といった趣で人や物の性質に、「硬い」は「軟らかい」の対語として物の状態や人の態度に使うことが多い。
⇒堅き氷は霜を履むより至る
⇒堅くなる
かた‐いお【片庵】‥イホ🔗⭐🔉
かた‐いお【片庵】‥イホ
粗末な家。自分の家の謙譲語。宇津保物語藤原君「おきなの―にゐてまして」
かた‐いき【片行き】🔗⭐🔉
かた‐いき【片行き】
一方にかたよること。浄瑠璃、淀鯉出世滝徳「さても金は―な。有る所には有るものか」
かた‐いき【片息・肩息】🔗⭐🔉
かた‐いき【片息・肩息】
たえだえな息。ひどく苦しげな呼吸。古今著聞集20「蝦かえる数千…或はくひころされ或は―して腹白になりてありけり」
かたい‐きん【下腿筋】🔗⭐🔉
かたい‐きん【下腿筋】
下腿にある筋肉の総称。
⇒か‐たい【下腿】
かたい‐きん【過怠金】クワ‥🔗⭐🔉
かたい‐きん【過怠金】クワ‥
公共組合その他の団体の内部的統制のために、構成員の義務違反に対して制裁として科し、または吏員に対する懲戒処分として科する金銭のこと。
⇒か‐たい【過怠】
かたい‐こつ【下腿骨】🔗⭐🔉
かた‐いざり【片蹇り】‥ヰザリ🔗⭐🔉
かた‐いざり【片蹇り】‥ヰザリ
片膝でいざること。幼児などがようやくのことで這はって行くこと。拾遺和歌集恋「逢ふことは―する嬰児みどりこの」
かた‐いじ【片意地】‥ヂ🔗⭐🔉
かた‐いじ【片意地】‥ヂ
頑固に自分の考えを立てとおすこと。また、その性質。「―を張る」
か‐たいじん【家大人】🔗⭐🔉
か‐たいじん【家大人】
自分の父をいう語。家君。家尊。家厳。
かたい‐せつ【化体説】クワ‥🔗⭐🔉
かたい‐せつ【化体説】クワ‥
〔宗〕(transubstantiation theory)ローマ‐カトリック教会のミサで、司祭の聖別の祈りによって、パンと葡萄酒の実体がキリストの肉と血に変じ(聖変化)、ただ形・色・味などの属性だけパンと葡萄酒として現れるとする教理。実体変化。
⇒か‐たい【化体】
かた‐いた【型板・形板】🔗⭐🔉
かた‐いた【型板・形板】
①物の形をかたどった板。木工・石工などが標準として用いる。古くは形木とも。
型板
提供:竹中大工道具館
②薄い亜鉛・銅などの金属板に模様を彫刻したもの。捺染なっせんするのに用いる。

かた‐いた【潟板】🔗⭐🔉
かた‐いた【潟板】
有明海・児島湾などの干潟で、貝や魚を捕る際に使用する滑走用の板。潟の泥の上を1枚の板に片足をのせて滑走する。
かた‐いたガラス【型板硝子】🔗⭐🔉
かた‐いたガラス【型板硝子】
片面または両面に細かな凹凸模様をつけた板ガラス。
かた‐いっぽう【片一方】‥パウ🔗⭐🔉
かた‐いっぽう【片一方】‥パウ
二つの中の一方。片方。かたっぽ。
かたい‐てじょう【過怠手鎖】クワ‥ヂヤウ🔗⭐🔉
かたい‐てじょう【過怠手鎖】クワ‥ヂヤウ
江戸幕府の刑罰の一種。過怠2に処せられた者が過怠銭を償うことができない時、換刑として科した手錠。
⇒か‐たい【過怠】
かた‐いと【片糸】🔗⭐🔉
かた‐いと【片糸】
より合わせる前の、片方の細糸。片緒。万葉集11「―用もち貫ぬきたる玉の緒を弱み」
⇒かたいと‐どり【片糸鳥】
⇒かたいと‐の【片糸の】
かたいと【片糸】(作品名)🔗⭐🔉
かたいと【片糸】
語学書。中島広足著。1巻。1853年(嘉永6)刊。主に「ぬる」と「つる」の使用法を論ずる。
かたいと‐どり【片糸鳥】🔗⭐🔉
かたいと‐どり【片糸鳥】
雁の異称。
⇒かた‐いと【片糸】
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