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あ【案】🔗⭐🔉
あ【案】
(アンのンを表記しない形)考え。思案。源氏物語蛍「げに、―のごと、御心にしみにけり」
あ‐ない【案内】🔗⭐🔉
あ‐ない【案内】
(アンナイのンを表記しない形)
①文書の内容。物事の内容。宇津保物語楼上上「―も知らぬ人は」
②取次を乞うこと。てびきを頼むこと。源氏物語若紫「―し尋ねさせ給ふを」
③問いただすこと。源氏物語薄雲「もらし奏し給ふことやありしと―し給へど」
④しらせ。通知。源氏物語若菜上「かつかつ―伝へ侍らむ」
あ‐の‐ごと【案の如】🔗⭐🔉
あ‐の‐ごと【案の如】
推量通り。案のじょう。源氏物語蛍「げに―御心に染みにけり」
あま‐きりふ【案摩切斑】🔗⭐🔉
あま‐きりふ【案摩切斑】
案摩の面おもての羽に似た切斑の矢羽。
あま‐づら【案摩面】🔗⭐🔉
あま‐づら【案摩面】
①案摩の答舞「二の舞」に用いる腫面はれおもての女面。
②(形が膨れて、1に似るところから)器物につける環の取手とって。
あま‐の‐おもて【案摩の面】🔗⭐🔉
あま‐の‐おもて【案摩の面】
①舞楽の案摩の舞に用いる仮面。長方形の紙に白絹を貼り、眼・鼻・口を描く。あまのめ。蔵面ぞうめん。
案摩の面
②矢羽の斑。1に似て、上に黒い山形、下に黒い鱗形の斑のある鷲の羽。あまのめ。
②矢羽の斑。1に似て、上に黒い山形、下に黒い鱗形の斑のある鷲の羽。あまのめ。
あん【案】🔗⭐🔉
あん‐か【案下】🔗⭐🔉
あん‐か【案下】
①机の下。机のそば。
②手紙の文で、宛名あてなの脇付わきづけに用いる語。机下。
あん‐がい【案外】‥グワイ🔗⭐🔉
あん‐がい【案外】‥グワイ
①思いのほかのことをすること。無礼。ふとどき。浮世草子、好色敗毒散「我儘ばかり―をふるまひけれど」
②予測とくいちがうさま。思いのほか。意外。「―の成績」「―な結果に終わる」「―むずかしい」
⇒あんがい‐もの【案外者】
あんがい‐もの【案外者】‥グワイ‥🔗⭐🔉
あんがい‐もの【案外者】‥グワイ‥
ふとどき者。無礼者。
⇒あん‐がい【案外】
あんげ‐の‐かんぺい【案下官幣】‥クワン‥🔗⭐🔉
あんげ‐の‐かんぺい【案下官幣】‥クワン‥
(案はつくえの意)神祇官が小社の祈年祭・新嘗祭などに幣帛を案の下に置いて神を祭ること。案下幣。↔案上官幣あんじょうのかんぺい
あん‐けん【按検・案験】🔗⭐🔉
あん‐けん【按検・案験】
とりしらべること。吟味。
あん‐けん【案件】🔗⭐🔉
あん‐けん【案件】
処理されるべき事柄。議題とされる事案。「重要―を処理する」
あんじ【案じ】🔗⭐🔉
あんじ【案じ】
①案じること。心配。浮世風呂2「さめるといふ―がないわいな」
②考え。計画。洒落本、娼妓絹籭しょうぎきぬぶるい「着物の模様の―まで」
⇒あんじ‐かた【案じ方】
⇒あんじ‐ごと【案じ事】
⇒あんじ‐じに【案じ死に】
⇒あんじ‐すごし【案じ過し】
⇒あんじ‐ぶみ【案じ文】
あんじ‐かた【案じ方】🔗⭐🔉
あんじ‐かた【案じ方】
(俳諧用語)付句を考える方法。
⇒あんじ【案じ】
あんじ‐ごと【案じ事】🔗⭐🔉
あんじ‐ごと【案じ事】
心配。考えごと。
⇒あんじ【案じ】
あんじ‐じに【案じ死に】🔗⭐🔉
あんじ‐じに【案じ死に】
心配しながら死ぬこと。浮世草子、御伽名題紙衣「親御の御気にちがはつしやろと―しましたが」
⇒あんじ【案じ】
あんじ‐すごし【案じ過し】🔗⭐🔉
あんじ‐すごし【案じ過し】
取越し苦労。
⇒あんじ【案じ】
あんじ‐ふく・れる【案じふくれる】🔗⭐🔉
あんじ‐ふく・れる【案じふくれる】
〔自下一〕
思案にくれる。傾城禁短気「この仕舞のつけやうを、―・れてゐる所へ」
あんじ‐ぶみ【案じ文】🔗⭐🔉
あんじ‐ぶみ【案じ文】
下書。草稿。
⇒あんじ【案じ】
あん‐じゅ【案主】🔗⭐🔉
あん‐じゅ【案主】
(アンズとも)寺院や公私諸機関で文書・記録をつかさどる下役。平安・鎌倉時代、六衛府・検非違使庁・国衙こくが・郡衙・院庁・摂関家政所・荘園政所・幕府政所などに置かれた。
あん‐しゅつ【案出】🔗⭐🔉
あん‐しゅつ【案出】
かんがえ出すこと。「新しい方法を―する」
あんじょう‐の‐かんぺい【案上官幣】‥ジヤウ‥クワン‥🔗⭐🔉
あんじょう‐の‐かんぺい【案上官幣】‥ジヤウ‥クワン‥
(案はつくえの意)神祇官が大社の祈年祭・新嘗祭などに幣帛を案の上に置いて神を祭ること。案上幣。↔案下官幣あんげのかんぺい
あん・じる【案じる】🔗⭐🔉
あん・じる【案じる】
〔他上一〕
(→)「案ずる」に同じ。
あん・ずる【案ずる】🔗⭐🔉
あん・ずる【案ずる】
〔他サ変〕[文]案ず(サ変)
①考える。工夫する。
②心配する。気づかう。
⇒案ずるより産むが易い
あんずる‐に【案ずるに・按ずるに】🔗⭐🔉
あんずる‐に【案ずるに・按ずるに】
考えてみると。
○案ずるより産むが易いあんずるよりうむがやすい
事前にあれこれ心配するよりも、実際にやってみると案外たやすいことにいう。
⇒あん・ずる【案ずる】
○案ずるより産むが易いあんずるよりうむがやすい🔗⭐🔉
○案ずるより産むが易いあんずるよりうむがやすい
事前にあれこれ心配するよりも、実際にやってみると案外たやすいことにいう。
⇒あん・ずる【案ずる】
あんせい【安政】
[群書治要「庶人政を安んじ、然る後君子位を安んず」]江戸末期、孝明天皇朝の年号。嘉永7年11月27日(1855年1月15日)改元、安政7年3月18日(1860年4月8日)万延に改元。
⇒あんせい‐きんぎん【安政金銀】
⇒あんせい‐ごかこくじょうやく【安政五カ国条約】
⇒あんせい‐じしん【安政地震】
⇒あんせい‐の‐たいごく【安政の大獄】
あん‐せい【安静】
静かでおちついていること。特に、病気療養中静かにしていること。「絶対―」
⇒あんせい‐ど【安静度】
あんせい‐きんぎん【安政金銀】
江戸幕府が1854〜60年(安政1〜万延1)に発行した金銀貨幣6種(洋銀を加えて7種)の総称。
⇒あんせい【安政】
あんせい‐ごかこくじょうやく【安政五カ国条約】‥デウ‥
江戸幕府が、安政5年6月(1858年7月)、米・蘭・露・英・仏の5カ国との間に結んだ修好通商条約の総称。箱館・神奈川・長崎・新潟・兵庫の5港の開港を約した。勅許を待たず調印されたので、安政の仮条約と称することもある。→条約改正。
⇒あんせい【安政】
あんせい‐じしん【安政地震】‥ヂ‥
安政初年に起こった地震。
㋐安政元(嘉永7)年(1854)11月4日、東海道の大地震。安政東海地震。震源地遠州灘なだ沖。マグニチュード8.4。死者約2000〜3000人。
㋑同年11月5日、南海道の大地震。安政南海地震。震源地土佐沖。マグニチュード8.4。死者数千人。
㋒安政2年10月2日、江戸の大地震。江戸地震。震源地江戸川河口。マグニチュード6.9。死者(藤田東湖ら)数千人。
⇒あんせい【安政】
あんせい‐しちん【安西四鎮】
唐代に、安西都護府のもとに置かれた亀玆きじ・于闐うてん・疏勒そろく・砕葉(のちに焉耆えんき)の四都督府。→スイアーブ
あんせい‐ど【安静度】
療養中の患者が安静を要する程度。
⇒あん‐せい【安静】
あんせい‐の‐たいごく【安政の大獄】
安政5年から翌年にかけて大老井伊直弼が政争の反対派らに下した弾圧事件。将軍継嗣問題で、井伊が紀州の徳川慶福(家茂)を擁立し、また勅許を得ずに安政五カ国条約に調印したことを、一橋慶喜を推す一橋派が批判、これに対し井伊が同派の公卿・諸大名らを罰し、梅田雲浜・吉田松陰・頼三樹三郎・橋本左内ら多数の尊王攘夷派人士を投獄・処刑。
⇒あんせい【安政】
あん‐せきしょく【暗赤色】
黒みを帯びた赤色。
アンセム【anthem】
英国国教会または聖公会で、礼拝式に歌われる英語の合唱曲。ローマ‐カトリックのモテットに相当。
アンセルムス【Anselmus】
スコラ哲学初期の代表者の一人。イタリアに生まれ、ベック修道院で活動、後にカンタベリー大司教。神の存在の証明を試みて有名。「理解を求める信仰」を提言した。著「モノロギオン」「プロスロギオン」など。(1033〜1109)→存在論的証明
あん‐せん【暗線】
太陽などの連続スペクトル中に現れる吸収による黒線。吸収スペクトル。
あん‐ぜん【安全】
(中世ではアンセン)
①安らかで危険のないこと。平穏無事。平家物語7「かの夭逆にをかされて、四海鎮とこしなえにその―をえず」。「家内―」「旅の―を祈る」
②物事が損傷したり、危害を受けたりするおそれのないこと。「―な場所に隠す」
⇒あんぜん‐かみそり【安全剃刀】
⇒あんぜん‐ガラス【安全硝子】
⇒あんぜん‐き【安全器】
⇒あんぜん‐きょういく【安全教育】
⇒あんぜん‐ぐつ【安全靴】
⇒あんぜん‐けいすう【安全係数】
⇒あんぜん‐けん【安全圏】
⇒あんぜん‐こう【安全光】
⇒あんぜん‐こうちゅう【安全鉱柱】
⇒あんぜん‐しきさい【安全色彩】
⇒あんぜん‐しゅうかん【安全週間】
⇒あんぜん‐そうち【安全装置】
⇒あんぜん‐ちたい【安全地帯】
⇒あんぜん‐とう【安全灯】
⇒あんぜん‐とう【安全島】
⇒あんぜん‐パイ【安全牌】
⇒あんぜん‐ばくやく【安全爆薬】
⇒あんぜん‐ピン【安全ピン】
⇒あんぜん‐ベルト【安全ベルト】
⇒あんぜん‐べん【安全弁】
⇒あんぜん‐ぼう【安全帽】
⇒あんぜん‐ほしょう【安全保障】
⇒あんぜん‐ほしょう‐かいぎ【安全保障会議】
⇒あんぜん‐ほしょう‐じょうやく【安全保障条約】
⇒あんぜん‐ほしょう‐りじかい【安全保障理事会】
⇒あんぜん‐マッチ【安全マッチ】
⇒あんぜん‐りつ【安全率】
あん‐ぜん【晏然】
やすらかなさま。落ち着いたさま。
あん‐ぜん【暗然・黯然】
①暗いさま。また、黒いさま。
②悲しくて心のふさぐさま。「―たる面持ち」「―とした気分になる」
あんぜん‐かみそり【安全剃刀】
替刃式の西洋かみそり。皮膚を傷つけないように工夫してある。
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐ガラス【安全硝子】
破損した場合も、飛び散って人を傷つけないように作った板ガラス。
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐き【安全器】
破損・危険の防止のため、電気機械の回路中に挿入する装置。過度の電流が流れると自動的に回路を切断する。ヒューズ式とリレー式とがある。
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐きょういく【安全教育】‥ケウ‥
交通事故・火災・公害・地震・犯罪などから子供を守り、安全の維持・向上を目的とする教育。近年、学校では健康教育の一環として組織的に実施。
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐ぐつ【安全靴】
作業時に足を保護するため、爪先に金属などを入れて補強した靴。
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐けいすう【安全係数】
(→)安全率に同じ。
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐けん【安全圏】
それを達成することがほぼ確実であると見られる範囲。「合格の―にいる」「当選の―に入る」
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐こう【安全光】‥クワウ
暗室内で、感光材料に悪影響を及ぼすことなく、それを容易に取り扱えるように使用する照明光。暗室光。セーフライト。
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐こうちゅう【安全鉱柱】‥クワウ‥
地盤の沈下を防ぎ、または坑道が破壊されないように、掘らずに柱状に残しておく鉱石や石炭の部分。
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐しきさい【安全色彩】
災害防止などのため、使用場所を決めて用いる色。消火栓を赤く塗る類。
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐しゅうかん【安全週間】‥シウ‥
工場・工事場または交通機関などで、災害の起こらないように特に努めるため定められる週間。
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐そうち【安全装置】‥サウ‥
銃砲・機械・器具や巨大装置の危険防止のために取り付けた装置。
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐ちたい【安全地帯】
災厄に対して安全な地帯。特に、路面電車などの乗降客の危険を防ぐために路上に設けた場所。
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐とう【安全灯】
鉱山や炭坑で、メタンガスに引火しないように作った照明器具。当初は燃焼室の周囲に金網を張った揮発油のランプだったが、後に電池式に移行。
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐とう【安全島】‥タウ
車の走る道の中央に一段高く設置した、歩行者用の安全地帯。あんぜんじま。
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐パイ【安全牌】
マージャンで、それを捨てても相手に上がられる危険のない牌。転じて、毒にも薬にもならないような人。
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐ばくやく【安全爆薬】
硝安爆薬中の食塩・海藻などの断熱消炎剤を増加し、硝安分を減らした爆薬。メタンガスに引火しないので炭鉱での発破に使われる。炭鉱爆薬。検定爆薬。
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐ピン【安全ピン】
楕円形に曲げ、危険な針先を覆った止め針。
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐ベルト【安全ベルト】
体を座席に固定したり高所からの落下を防いだりするために装着するベルト。
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐べん【安全弁】
①ボイラー内の圧力が規定以上になると、自動的に弁が開いて蒸気を放出し、蒸気圧力を規定以下に保つように工夫された装置。
②比喩的に、危険や破滅を未然に防止する役をするもの。
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐ぼう【安全帽】
頭部を保護するためにかぶる帽子。保安帽。保護帽。ヘルメット。
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐ほしょう【安全保障】‥シヤウ
外部からの侵略に対して国家および国民の安全を保障すること。各国別の施策、友好国同士の同盟、国際機構による集団安全保障など。近年、人間の生命と生活の保全を重視する「人間の安全保障」という概念も提唱。→集団安全保障。
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐ほしょう‐かいぎ【安全保障会議】‥シヤウクワイ‥
内閣に置かれ、国防に関する重要事項および重大な緊急事態への対処に関する重要事項を審議する機関。1988年に国防会議を改編したもの。総理大臣を議長とし、総務・外務・財務・防衛各大臣、内閣官房長官、国家公安委員会委員長等で組織される。
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐ほしょう‐じょうやく【安全保障条約】‥シヤウデウ‥
外部からの侵略・攻撃に対して国家の安全を維持する目的で締結される条約。二国間の例としては日米安全保障条約。
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐ほしょう‐りじかい【安全保障理事会】‥シヤウ‥クワイ
(Security Council)国連の主要機関の一つ。米・英・ロ・仏・中の5常任理事国と、総会で選挙される10非常任理事国とで構成され、国際平和安全の維持を任務とする。常任理事国には拒否権が認められている。安保理。
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐マッチ【安全マッチ】
「マッチ」参照。福地桜痴、もしや草紙「―を箱の裏にてチュツト擦すって燃さしに火を附け」
⇒あん‐ぜん【安全】
あんぜん‐りつ【安全率】
材料の極限強さと許容応力との比。設計の際には、部材内に生じる応力を、材料の極限強さを安全率で除した値の範囲内に止めるようにする。安全係数。
⇒あん‐ぜん【安全】
あん‐そうおん【暗騒音】‥サウ‥
音を測定する場合、その対象としている音以外に聞こえる騒音。居室での、空調の吹出し音などがその例。
アンソール【J. Ensor】
⇒エンソール
あん‐そく【安息】
①やすらかに休むこと。
②中国人がパルティアを呼んだ名称。始祖名アルサケスの転じたアルシャク(Arshak)の音訳。安息国。
⇒あんそく‐かく【安息角】
⇒あんそく‐こう【安息香】
⇒あんそく‐にち【安息日】
あんそく‐かく【安息角】
石炭・石炭灰・ぼた・土壌などを積んだ斜面が崩れ落ちないで安定している最大角。円錐形とみなし、水平面と母線との角度で表す。休止角。
⇒あん‐そく【安息】
あんそく‐こう【安息香】‥カウ
⇒あんそっこう。
⇒あん‐そく【安息】
あんそく‐にち【安息日】
(Sabbath ラテン)(アンソクジツ・アンソクビとも)
①ユダヤ教で、1週の第7日に与えた名称で、金曜日の日没から土曜日の日没まで。この日は一切の業務・労働を停止して神の安息に与る。
②キリスト教ではイエスの復活の日である日曜日。新島襄、板垣退助宛書簡「昨日は―故全く銃猟は打捨、思を耶蘇聖経に寄せ静に一日を送り」
⇒あん‐そく【安息】
あんそっ‐こう【安息香】‥ソクカウ
①エゴノキ科の落葉高木。スマトラ・ジャワ原産。樹皮は茶褐色、葉は卵形で鋭頭。夏、葉の付け根に赤色を帯びた小花を総状につける。タイ・スマトラなどで栽培。アンソクコウノキ。〈本草和名〉
②1の樹皮から分泌する樹脂。帯赤色または褐色の塊で甘味を有し、その中に乳白色の顆粒を蔵し、熱すれば強い芳香を放つ。薫香に用い、安息香チンキは去痰剤・呼吸刺激剤。ベンゾイン樹脂。日葡辞書「アンゾッカウ」
⇒あんそっこう‐さん【安息香酸】
あんそっこう‐さん【安息香酸】‥ソクカウ‥
(benzoic acid)分子式C6H5COOH 芳香族のカルボン酸中、最も簡単な化合物。安息香2を静かに熱する時に生じる、白色または淡黄色の小葉状あるいは針状の結晶。工業的にはトルエンなどを酸化して製する。防腐剤・媒染剤・化粧品などに用い、合成中間体としても有用。
⇒あんそっ‐こう【安息香】
あん‐そぼろ【餡そぼろ】
そぼろ風に加工した餡菓子。蒸時雨むししぐれの類。
アンソロジー【anthology】
詩文などの選集。詞華集。
あんた
〔代〕
(二人称)アナタの転。近世後期、初め遊里で目上の人に対して用いた。現在は対等か目下の者に使い、親しみ、またぞんざいな感じを伴う。洒落本、北廓鶏卵方「―はこねへだの京町のしわくちやをお聞きなせへやしたかへ」
あんだ【箯輿】
(アミイタ(編板)の転)
①長方形の板を台にし、竹で編んだ縁をつけ、竹でつるした輿こし。罪人・戦死者・負傷者などを運ぶのに用いた。あみいた。あおだ。あうた。
箯輿
②(→)「あんぽつ」に同じ。
あん‐だ【安打】
野球で、打者が打って守備側の失策・野選によらずに出塁した場合のその打球。ヒット。
アンダー【under】
①下の。
②(underexposureまたはunderdevelopmentの略)写真用語で、露出不足または現像不足。
⇒アンダー‐ウェア【underwear】
⇒アンダー‐グラウンド【underground】
⇒アンダー‐シャツ【undershirt】
⇒アンダー‐スロー
⇒アンダー‐パー【under-par】
⇒アンダー‐バスト【under bust】
⇒アンダー‐ハンド【underhand】
⇒アンダー‐ライター【underwriter】
⇒アンダー‐ライン【underline】
⇒アンダー‐リペア【under repair】
アンダー‐ウェア【underwear】
下着の総称。
⇒アンダー【under】
アンダー‐グラウンド【underground】
(「地下の」の意)
①地下運動のような秘密の抵抗や犯罪組織などの意。
②非主流の意。前衛的・実験的な芸術運動。→アングラ。
⇒アンダー【under】
アンダー‐シャツ【undershirt】
男物の下着用のシャツ。
⇒アンダー【under】
アンダー‐スロー
(underhand throw)野球その他の競技でボールを投げる時、腕を下からすくい上げるように振る投球法。下手投げ。
⇒アンダー【under】
アンダーソン【Benedict Anderson】
イギリス出身のアメリカの政治学者。著書「想像の共同体」で、国民国家が歴史的に創出される過程を解明。(1936〜)
アンダーソン【Carl David Anderson】
アメリカの原子物理学者。ウィルソン霧箱で宇宙線を研究中、陽電子・ミュー粒子を発見。ノーベル賞。(1905〜1991)
アンダーソン【Philip Warren Anderson】
アメリカの物理学者。磁性・超伝導など固体物理学の基礎理論に多くの業績を残す。ランダム系における電子の高圧状態の研究で著名。ノーベル賞。(1923〜)
アンダーソン【Sherwood Anderson】
アメリカの小説家。中西部の庶民の生活と心情を、口語体を用いて心理主義風に描く。代表作に連作短編集「オハイオ州ワインズバーグ」がある。(1876〜1941)
アンダーソン【Johan Gunnar Andersson】
スウェーデンの地質学者・考古学者。中国政府の鉱政顧問として調査・研究に従い、北京原人を発見。仰韶ぎょうしょう遺跡の発掘など中国先史文化研究でも業績をあげる。著「黄土地帯」など。アンデルソン。(1874〜1960)
アンダー‐パー【under-par】
ゴルフで、パー(基準打数)よりも打数が少ないこと。
⇒アンダー【under】
アンダー‐バスト【under bust】
女性の衣服、特にファウンデーション2用の採寸部位の一つ。乳房の真下の高さの胸囲寸法。↔トップバスト。
⇒アンダー【under】
アンダー‐ハンド【underhand】
腕を下から振り上げてボールを投げたり打ったりすること。「―‐パス」
⇒アンダー【under】
アンダー‐ライター【underwriter】
株式・公社債などの証券の売買業務や保険の引受けをする人。
⇒アンダー【under】
アンダー‐ライン【underline】
注意をひくため、または備忘のために、横書きの字句の下に引く線。下線。
⇒アンダー【under】
アンダー‐リペア【under repair】
ゴルフコース内の修理地。ふつう、白線または青杭で表示する。
⇒アンダー【under】
あん‐たい【安泰】
やすらかなこと。無事なこと。「お家―」「今日は横綱大関そろって―だった」
アンタイド‐ローン【untied loan】
〔経〕使途が指定されていない借款。↔タイド‐ローン
あんだえ【安陀会】‥ヱ
(梵語antarvāsa 内衣・中宿衣・下衣と訳す)三衣さんえの一種。五条の袈裟けさ。
あんたがたどこさ
手鞠唄。「あんたがたどこさ、肥後さ、肥後どこさ、熊本さ…」と問答形式で続く。
アンタキア【Antakya トルコ】
⇒アンティオキア
あんたく‐せいろ【安宅正路】
[孟子離婁上](仁は人の身をおくべき地、故に安宅という。義は人の履ふむべき道、故に正路という)仁と義をいう。
アンタッチャブル【untouchable】
(「不可触の」の意)
①インドの不可触民。
②アメリカの連邦捜査局員。
アンタナナリヴォ【Antananarivo】
マダガスカル共和国の首都。同国中部の商工業都市。人口71万(1993)。
アンダマン【Andaman】
インドのベンガル湾東部に南北に連なる諸島。面積6500平方キロメートル。住民はネグリトに属する採取狩猟民。現在はインド領。
あんだら
(上方語)あほう。おろかもの。たわけ。東海道中膝栗毛6「―つくせ」
アンダルシア【Andalucía】
スペイン南部、イベリア半島最南端の地方。中世に約800年間ムーア人の支配を受け、イスラム文化の影響が強く残る。セビリアを中心に、コルドバ・グラナダなどの都市がある。→アンダルス。
アンダルシアのいぬ【アンダルシアの犬】
(Un chien andalou フランス)ブニュエルとダリが1928年にパリで共同制作したシュールレアリスム映画。
アンダルス【al‐Andalus アラビア】
イベリア半島、特にそのうちイスラム教徒が支配した地域の呼称。一時は半島のほぼ全体に及んだが、レコンキスタのため縮小。グラナダ王国時代には、現在のスペインのアンダルシア地方のみとなり、1492年同王国の滅亡により、消滅。
アンタル‐ものがたり【アンタル物語】
(Sīra ‘Antar アラビア)6世紀の黒人アラブ詩人アンタル=イブン=シャッダードを主人公とする英雄譚。アラブの講釈師が伝えた民間伝承の一つ。
アンタレス【Antares】
(「火星の対抗者」の意のギリシア語から)夏の宵に南天に見える蠍座さそりざの首星。中国では大火または火と称した。極大光度1.0等の変光星。赤色巨星の代表。
あん‐たん【暗澹】
①暗くて静かなさま。
②うす暗く、ものすごいさま。「―たる雲行き」
③将来への希望などを失って暗い気持でいるさま。見通しがつかず悲観的なさま。「―とした思い」「前途は―としている」
アンダンテ【andante イタリア】
〔音〕速度標語。「歩くくらいの速さで」「ゆるやかに」の意。モデラートとアダージョとの中間。
アンダンティーノ【andantino イタリア】
〔音〕速度標語。「アンダンテよりもやや速く」の意。
アンタント【entente フランス】
協商。協約。
あん‐ち【安置】
(古くはアンヂとも)ある場所に据えて置くこと。特に、神仏の像や遺骨・位牌などを据え置いて祭ること。
アンチ【anti】
「反」「反対」の意の接頭辞。
⇒アンチウイルス‐ソフト
⇒アンチ‐エージング【anti-aging】
⇒アンチ‐クライマックス【anticlimax】
⇒アンチ‐クリスト【Antichrist】
⇒アンチ‐コドン【anticodon】
⇒アンチ‐セミティズム【Anti-Semitism】
⇒アンチ‐ダンピング‐ぜい【アンチダンピング税】
⇒アンチ‐テアトル【anti-théâtre フランス】
⇒アンチ‐テーゼ【Antithese ドイツ】
⇒アンチ‐ノック‐ざい【アンチノック剤】
⇒アンチ‐ノック‐せい【アンチノック性】
⇒アンチ‐ヒーロー【antihero】
⇒アンチ‐ロマン【anti-roman フランス】
アンチーク【antique フランス】
⇒アンティーク
アンチウイルス‐ソフト
(anti-virus software)コンピューター‐ウイルスによる感染を防御し、感染した場合にはそれを除去するソフトウェア。ワクチン‐ソフト。
⇒アンチ【anti】
アンチ‐エージング【anti-aging】
老化を防止すること。多く、医療・美容などでいう。老化防止。抗老化。
⇒アンチ【anti】
アンチ‐クライマックス【anticlimax】
強い口調を次第に弱くする修辞法。漸降法(bathos)。
⇒アンチ【anti】
アンチ‐クリスト【Antichrist】
(→)反キリストに同じ。
⇒アンチ【anti】
アンチ‐コドン【anticodon】
コドンに相補的な塩基三つの連なり。リボソーム上に結合したメッセンジャーRNAのコドンに、それに対応するアンチコドンを持つ転移RNAが結合し、ここでメッセンジャーRNA上の遺伝暗号は転移RNAに対応するアミノ酸の配列に対応づけられる。→翻訳2。
⇒アンチ【anti】
アンチ‐セミティズム【Anti-Semitism】
19世紀後半からドイツなどヨーロッパ諸国に興ったユダヤ人差別運動。ユダヤ人をセム人とみなし、アーリア人種の敵とした。ナチスはこれを政治目標に掲げ、ホロコーストを実行した。反ユダヤ主義。
⇒アンチ【anti】
アンチ‐ダンピング‐ぜい【アンチダンピング税】
外国のダンピングに対抗してその効果を相殺するために賦課する関税。ダンピング防止税。
⇒アンチ【anti】
アンチック【antique フランス】
①活字の書体の一つ。片かな・平がなの肉太の文字。太さ一様のゴシック(例「ゴ」)に比して、やわらかみを特長とする。(本辞典の項目の見出しに用いたかな文字がその実例)
②⇒アンティーク
アンチ‐テアトル【anti-théâtre フランス】
第二次大戦後、フランスを中心に現れた前衛的演劇の運動。反演劇。
⇒アンチ【anti】
アンチ‐テーゼ【Antithese ドイツ】
〔哲〕特定の肯定的主張(定立)に対立して定立された特定の否定的主張。反立。反定立。弁証法ではフュール‐ジッヒの段階。
⇒アンチ【anti】
アンチ‐ノック‐ざい【アンチノック剤】
(antiknock)ガソリンに添加してアンチノック性を向上させる薬剤。テトラエチル鉛・テトラメチル鉛など。耐爆剤。
⇒アンチ【anti】
アンチ‐ノック‐せい【アンチノック性】
(antiknocking)内燃機関のシリンダー内でノッキングを生じにくいガソリンの性質。その尺度はオクタン価で表す。耐爆性。
⇒アンチ【anti】
アンチノミー【antinomy】
〔哲〕二律背反。カント哲学の用語。
アンチ‐ヒーロー【antihero】
平凡な人物や悪人など、類型的な英雄像からはずれたヒーロー。
⇒アンチ【anti】
アンチピリン【Antipyrin ドイツ】
フェニル‐ジメチル‐ピラゾロンの薬品名。白色無臭の微苦味ある稜柱状の結晶または粉末。解熱・鎮痛剤。ピリン剤の一つ。
アンチモニー【antimony】
(→)アンチモンに同じ。
アンチモン【Antimon ドイツ】
金属元素の一種。元素記号Sb 原子番号51。原子量121.8。銀白色の光沢があり、もろい。主要な鉱石は輝安鉱。活字合金・軸受合金・化合物半導体などの成分として用いる。アンチモニー。
あん‐ちゃく【安着】
①落ち着くこと。
②無事に到着すること。「―を知らせる」
あん‐ちゃん【兄ちゃん】
(アニサンの転)
①兄の称。また、若い衆を呼ぶ称。
②俗に、不良じみた青少年を呼ぶ称。「―風ふうの男」
あん‐ちゅう【暗中】
くらがり。やみのなか。
⇒あんちゅう‐ひやく【暗中飛躍】
⇒あんちゅう‐もさく【暗中模索】
あんちゅう‐ひやく【暗中飛躍】
世間に知れないようにひそかに策動すること。暗躍。
⇒あん‐ちゅう【暗中】
あんちゅう‐もさく【暗中模索】
[隋唐佳話中]くらやみの中で手さぐりで捜すこと。転じて、手がかりのない物事をさがしもとめること。
⇒あん‐ちゅう【暗中】
あん‐ちょう【暗潮】‥テウ
表面にあらわれない潮流。転じて、外面にあらわれない世の風潮・勢力。
あん‐ちょく【安直】
①値が安いこと。安価。
②安易なさま。手軽なさま。「―な方法に頼る」「―に始末する」
あん‐ちょこ
(アンチョク(安直)の訛)教科書で学習する要点が記されていて、自分で調べたり考えたりする必要のない参考書。虎の巻。
アンチョビー【anchovy】
①カタクチイワシ科の小形硬骨魚。地中海・ヨーロッパ近海産。
②1の加工食品。塩蔵品を油漬にしたもの。
アンチ‐ロマン【anti-roman フランス】
〔文〕(反小説の意)(→)ヌーヴォー‐ロマンに同じ。
⇒アンチ【anti】
あんちん‐きよひめ【安珍清姫】
紀州道成寺の伝説中の男女の主人公の名。熊野詣での若僧安珍に清姫が恋慕、帰途の約束を裏切られたことから大蛇となって後を追い、道成寺の釣鐘に隠れていた安珍を鐘もろとも焼き殺したという。「法華験記」「今昔物語集」などに原形が見えるが、安珍・清姫の名が定着するのは近世以降。能・浄瑠璃・歌舞伎舞踊などに脚色。→道成寺
あんちん‐ほう【安鎮法】‥ホフ
密教で、新宅を造る時にその安穏を祈り、また鎮護国家の祈願をなすために修する法。特に皇室・将軍家の場合になされ、本尊はふつう不動明王。安鎮国家法。→地鎮法
あんちん‐まんだら【安鎮曼荼羅】
不動明王を中尊として構成された曼荼羅。不動安鎮法の本尊。国家や家宅の鎮護の祈祷をするときに用いる。
アン‐ツー‐カー【en-tout-cas フランス】
(「いつでも」の意)水はけをよくするため、陸上競技場のトラックに使用する人工土。花崗岩を高熱で焼いて造り、テニスコートなどにも使用。
あん‐てい【安定】
①物事が落ち着いていて、激しい変化のないこと。「物価の―」「天気が―する」
②〔理〕物体のつり合いや運動の状態がわずかな乱れを与えられた時に、元の状態へ戻ろうとする性質を持つこと。「この壺は―が悪い」
③〔化〕物質が分解・反応・壊変しにくいこと。
⇒あんてい‐かぶぬし【安定株主】
⇒あんてい‐かん【安定感】
⇒あんてい‐きょうこう【安定恐慌】
⇒あんてい‐ざい【安定剤】
⇒あんてい‐せいちょう【安定成長】
⇒あんてい‐そうさ【安定操作】
⇒あんてい‐たすう【安定多数】
⇒あんてい‐どういたい【安定同位体】
⇒あんてい‐りくかい【安定陸塊】
あんてい【安貞】
(アンジョウとも)[易経坤卦]鎌倉中期、後堀河天皇朝の年号。嘉禄3年12月10日(1228年1月18日)改元、安貞3年3月5日(1229年3月31日)寛喜に改元。
アンティーク【antique フランス】
骨董品。古美術品。また、そのような趣のあること。アンチック。
アンディーブ【endive フランス】
〔植〕
①チコリーのフランス語名。
②(綴りが同一であることからの混用)エンダイブのこと。
アンティオキア【Antiochia ラテン】
トルコ南部の都市。前300年頃シリア王国のセレウコス1世の創建。ローマ時代に商業都市として繁栄。パレスチナ以外で最初のキリスト教教団が組織された所。現在はトルコ語でアンタキアと称する。人口14万5千(2000)。
あんてい‐かぶぬし【安定株主】
会社の業績や株価の動向に左右されずに、長い期間株式を安定的に継続保有する株主。関係金融機関や取引先など。
⇒あん‐てい【安定】
あんてい‐かん【安定感】
いかにも安定している感じ。「―のあるデザイン」
⇒あん‐てい【安定】
あんてい‐きょうこう【安定恐慌】‥クワウ
インフレを収束させ、通貨価値の安定を回復するのに伴って生ずる恐慌現象。
⇒あん‐てい【安定】
アンティグア【Antigua】
グアテマラ南西部の都市。標高1500メートルの高地にあり、スペイン植民地時代のグアテマラの首府。当時の建造物が多く残り、世界遺産。
アンティグア
提供:JTBフォト
アンティグア‐バーブーダ【Antigua and Barbuda】
カリブ海、小アンティル諸島にある国。1981年イギリスより独立。面積440平方キロメートル。人口8万1千(2004)。首都セント‐ジョーンズ。→中央アメリカ(図)
アンティゴネ【Antigonē】
ギリシア神話で、テーベ王オイディプスの娘。自ら目を潰し追放の身となった父を導いて放浪。父の死後、国の法に背いて兄の屍を葬ったため岩屋に閉じこめられた。ソフォクレスはこれに取材して悲劇を作る。
あんてい‐ざい【安定剤】
化学製品などが時間の経過とともに物理的・化学的変化を受けて変質するのを防ぐために添加する物質。
⇒あん‐てい【安定】
アンティステネス【Antisthenēs】
ギリシアの哲学者。ソクラテスの門人。禁欲主義的な教えを説いた。キニク学派の創始者。(前455頃〜前360頃)
あんてい‐せいちょう【安定成長】‥チヤウ
インフレや国際収支の悪化を避けながら、できるかぎり高い経済成長を達成すること。
⇒あん‐てい【安定】
あんてい‐そうさ【安定操作】‥サウ‥
有価証券(公社債・株券など)の相場を安定させる目的で有価証券市場において一連の売買取引をし、またはその委託・受託をすること。有価証券の募集・売出しを容易にするために行う場合にのみ許容される。
⇒あん‐てい【安定】
あんてい‐たすう【安定多数】
国会のすべての常任委員会の過半数を維持できる議席数。→絶対安定多数。
⇒あん‐てい【安定】
あんてい‐どういたい【安定同位体】‥ヰ‥
自発的には放射線を放出せず、他の核種に変化することのない同位体。
⇒あん‐てい【安定】
アンティパスト【antipasto イタリア】
前菜。
あんてい‐りくかい【安定陸塊】‥クワイ
大陸にあって、先カンブリア代(約4.2億年より前)以降、造山運動を受けていない地殻の安定した部分。楯状地や卓状地をなす。↔造山帯
⇒あん‐てい【安定】
アンティル‐しょとう【アンティル諸島】‥タウ
(Antilles)大アンティル諸島および小アンティル諸島の総称。
アンデス【Andes】
南米大陸の北岸から西岸に沿って連なる大山脈。延長約9000キロメートル。最高峰アコンカグアは標高6960メートル。
アンデス山脈
撮影:小松義夫
アンデス山脈
提供:NHK
アンテナ【antenna】
①無線通信やラジオ・テレビジョン等の送受信を行うため、電磁波エネルギーを空間に発射し、または空間より受けとる装置。空中線。
②昆虫類や甲殻類の触角。
⇒アンテナ‐ショップ【antenna shop】
⇒アンテナを張る
アンテナ‐ショップ【antenna shop】
消費動向や商品の売れ行きなどの情報を収集するため、製造業者や流通業者が設置する直販店。パイロット‐ショップ。
⇒アンテナ【antenna】
②(→)「あんぽつ」に同じ。
あん‐だ【安打】
野球で、打者が打って守備側の失策・野選によらずに出塁した場合のその打球。ヒット。
アンダー【under】
①下の。
②(underexposureまたはunderdevelopmentの略)写真用語で、露出不足または現像不足。
⇒アンダー‐ウェア【underwear】
⇒アンダー‐グラウンド【underground】
⇒アンダー‐シャツ【undershirt】
⇒アンダー‐スロー
⇒アンダー‐パー【under-par】
⇒アンダー‐バスト【under bust】
⇒アンダー‐ハンド【underhand】
⇒アンダー‐ライター【underwriter】
⇒アンダー‐ライン【underline】
⇒アンダー‐リペア【under repair】
アンダー‐ウェア【underwear】
下着の総称。
⇒アンダー【under】
アンダー‐グラウンド【underground】
(「地下の」の意)
①地下運動のような秘密の抵抗や犯罪組織などの意。
②非主流の意。前衛的・実験的な芸術運動。→アングラ。
⇒アンダー【under】
アンダー‐シャツ【undershirt】
男物の下着用のシャツ。
⇒アンダー【under】
アンダー‐スロー
(underhand throw)野球その他の競技でボールを投げる時、腕を下からすくい上げるように振る投球法。下手投げ。
⇒アンダー【under】
アンダーソン【Benedict Anderson】
イギリス出身のアメリカの政治学者。著書「想像の共同体」で、国民国家が歴史的に創出される過程を解明。(1936〜)
アンダーソン【Carl David Anderson】
アメリカの原子物理学者。ウィルソン霧箱で宇宙線を研究中、陽電子・ミュー粒子を発見。ノーベル賞。(1905〜1991)
アンダーソン【Philip Warren Anderson】
アメリカの物理学者。磁性・超伝導など固体物理学の基礎理論に多くの業績を残す。ランダム系における電子の高圧状態の研究で著名。ノーベル賞。(1923〜)
アンダーソン【Sherwood Anderson】
アメリカの小説家。中西部の庶民の生活と心情を、口語体を用いて心理主義風に描く。代表作に連作短編集「オハイオ州ワインズバーグ」がある。(1876〜1941)
アンダーソン【Johan Gunnar Andersson】
スウェーデンの地質学者・考古学者。中国政府の鉱政顧問として調査・研究に従い、北京原人を発見。仰韶ぎょうしょう遺跡の発掘など中国先史文化研究でも業績をあげる。著「黄土地帯」など。アンデルソン。(1874〜1960)
アンダー‐パー【under-par】
ゴルフで、パー(基準打数)よりも打数が少ないこと。
⇒アンダー【under】
アンダー‐バスト【under bust】
女性の衣服、特にファウンデーション2用の採寸部位の一つ。乳房の真下の高さの胸囲寸法。↔トップバスト。
⇒アンダー【under】
アンダー‐ハンド【underhand】
腕を下から振り上げてボールを投げたり打ったりすること。「―‐パス」
⇒アンダー【under】
アンダー‐ライター【underwriter】
株式・公社債などの証券の売買業務や保険の引受けをする人。
⇒アンダー【under】
アンダー‐ライン【underline】
注意をひくため、または備忘のために、横書きの字句の下に引く線。下線。
⇒アンダー【under】
アンダー‐リペア【under repair】
ゴルフコース内の修理地。ふつう、白線または青杭で表示する。
⇒アンダー【under】
あん‐たい【安泰】
やすらかなこと。無事なこと。「お家―」「今日は横綱大関そろって―だった」
アンタイド‐ローン【untied loan】
〔経〕使途が指定されていない借款。↔タイド‐ローン
あんだえ【安陀会】‥ヱ
(梵語antarvāsa 内衣・中宿衣・下衣と訳す)三衣さんえの一種。五条の袈裟けさ。
あんたがたどこさ
手鞠唄。「あんたがたどこさ、肥後さ、肥後どこさ、熊本さ…」と問答形式で続く。
アンタキア【Antakya トルコ】
⇒アンティオキア
あんたく‐せいろ【安宅正路】
[孟子離婁上](仁は人の身をおくべき地、故に安宅という。義は人の履ふむべき道、故に正路という)仁と義をいう。
アンタッチャブル【untouchable】
(「不可触の」の意)
①インドの不可触民。
②アメリカの連邦捜査局員。
アンタナナリヴォ【Antananarivo】
マダガスカル共和国の首都。同国中部の商工業都市。人口71万(1993)。
アンダマン【Andaman】
インドのベンガル湾東部に南北に連なる諸島。面積6500平方キロメートル。住民はネグリトに属する採取狩猟民。現在はインド領。
あんだら
(上方語)あほう。おろかもの。たわけ。東海道中膝栗毛6「―つくせ」
アンダルシア【Andalucía】
スペイン南部、イベリア半島最南端の地方。中世に約800年間ムーア人の支配を受け、イスラム文化の影響が強く残る。セビリアを中心に、コルドバ・グラナダなどの都市がある。→アンダルス。
アンダルシアのいぬ【アンダルシアの犬】
(Un chien andalou フランス)ブニュエルとダリが1928年にパリで共同制作したシュールレアリスム映画。
アンダルス【al‐Andalus アラビア】
イベリア半島、特にそのうちイスラム教徒が支配した地域の呼称。一時は半島のほぼ全体に及んだが、レコンキスタのため縮小。グラナダ王国時代には、現在のスペインのアンダルシア地方のみとなり、1492年同王国の滅亡により、消滅。
アンタル‐ものがたり【アンタル物語】
(Sīra ‘Antar アラビア)6世紀の黒人アラブ詩人アンタル=イブン=シャッダードを主人公とする英雄譚。アラブの講釈師が伝えた民間伝承の一つ。
アンタレス【Antares】
(「火星の対抗者」の意のギリシア語から)夏の宵に南天に見える蠍座さそりざの首星。中国では大火または火と称した。極大光度1.0等の変光星。赤色巨星の代表。
あん‐たん【暗澹】
①暗くて静かなさま。
②うす暗く、ものすごいさま。「―たる雲行き」
③将来への希望などを失って暗い気持でいるさま。見通しがつかず悲観的なさま。「―とした思い」「前途は―としている」
アンダンテ【andante イタリア】
〔音〕速度標語。「歩くくらいの速さで」「ゆるやかに」の意。モデラートとアダージョとの中間。
アンダンティーノ【andantino イタリア】
〔音〕速度標語。「アンダンテよりもやや速く」の意。
アンタント【entente フランス】
協商。協約。
あん‐ち【安置】
(古くはアンヂとも)ある場所に据えて置くこと。特に、神仏の像や遺骨・位牌などを据え置いて祭ること。
アンチ【anti】
「反」「反対」の意の接頭辞。
⇒アンチウイルス‐ソフト
⇒アンチ‐エージング【anti-aging】
⇒アンチ‐クライマックス【anticlimax】
⇒アンチ‐クリスト【Antichrist】
⇒アンチ‐コドン【anticodon】
⇒アンチ‐セミティズム【Anti-Semitism】
⇒アンチ‐ダンピング‐ぜい【アンチダンピング税】
⇒アンチ‐テアトル【anti-théâtre フランス】
⇒アンチ‐テーゼ【Antithese ドイツ】
⇒アンチ‐ノック‐ざい【アンチノック剤】
⇒アンチ‐ノック‐せい【アンチノック性】
⇒アンチ‐ヒーロー【antihero】
⇒アンチ‐ロマン【anti-roman フランス】
アンチーク【antique フランス】
⇒アンティーク
アンチウイルス‐ソフト
(anti-virus software)コンピューター‐ウイルスによる感染を防御し、感染した場合にはそれを除去するソフトウェア。ワクチン‐ソフト。
⇒アンチ【anti】
アンチ‐エージング【anti-aging】
老化を防止すること。多く、医療・美容などでいう。老化防止。抗老化。
⇒アンチ【anti】
アンチ‐クライマックス【anticlimax】
強い口調を次第に弱くする修辞法。漸降法(bathos)。
⇒アンチ【anti】
アンチ‐クリスト【Antichrist】
(→)反キリストに同じ。
⇒アンチ【anti】
アンチ‐コドン【anticodon】
コドンに相補的な塩基三つの連なり。リボソーム上に結合したメッセンジャーRNAのコドンに、それに対応するアンチコドンを持つ転移RNAが結合し、ここでメッセンジャーRNA上の遺伝暗号は転移RNAに対応するアミノ酸の配列に対応づけられる。→翻訳2。
⇒アンチ【anti】
アンチ‐セミティズム【Anti-Semitism】
19世紀後半からドイツなどヨーロッパ諸国に興ったユダヤ人差別運動。ユダヤ人をセム人とみなし、アーリア人種の敵とした。ナチスはこれを政治目標に掲げ、ホロコーストを実行した。反ユダヤ主義。
⇒アンチ【anti】
アンチ‐ダンピング‐ぜい【アンチダンピング税】
外国のダンピングに対抗してその効果を相殺するために賦課する関税。ダンピング防止税。
⇒アンチ【anti】
アンチック【antique フランス】
①活字の書体の一つ。片かな・平がなの肉太の文字。太さ一様のゴシック(例「ゴ」)に比して、やわらかみを特長とする。(本辞典の項目の見出しに用いたかな文字がその実例)
②⇒アンティーク
アンチ‐テアトル【anti-théâtre フランス】
第二次大戦後、フランスを中心に現れた前衛的演劇の運動。反演劇。
⇒アンチ【anti】
アンチ‐テーゼ【Antithese ドイツ】
〔哲〕特定の肯定的主張(定立)に対立して定立された特定の否定的主張。反立。反定立。弁証法ではフュール‐ジッヒの段階。
⇒アンチ【anti】
アンチ‐ノック‐ざい【アンチノック剤】
(antiknock)ガソリンに添加してアンチノック性を向上させる薬剤。テトラエチル鉛・テトラメチル鉛など。耐爆剤。
⇒アンチ【anti】
アンチ‐ノック‐せい【アンチノック性】
(antiknocking)内燃機関のシリンダー内でノッキングを生じにくいガソリンの性質。その尺度はオクタン価で表す。耐爆性。
⇒アンチ【anti】
アンチノミー【antinomy】
〔哲〕二律背反。カント哲学の用語。
アンチ‐ヒーロー【antihero】
平凡な人物や悪人など、類型的な英雄像からはずれたヒーロー。
⇒アンチ【anti】
アンチピリン【Antipyrin ドイツ】
フェニル‐ジメチル‐ピラゾロンの薬品名。白色無臭の微苦味ある稜柱状の結晶または粉末。解熱・鎮痛剤。ピリン剤の一つ。
アンチモニー【antimony】
(→)アンチモンに同じ。
アンチモン【Antimon ドイツ】
金属元素の一種。元素記号Sb 原子番号51。原子量121.8。銀白色の光沢があり、もろい。主要な鉱石は輝安鉱。活字合金・軸受合金・化合物半導体などの成分として用いる。アンチモニー。
あん‐ちゃく【安着】
①落ち着くこと。
②無事に到着すること。「―を知らせる」
あん‐ちゃん【兄ちゃん】
(アニサンの転)
①兄の称。また、若い衆を呼ぶ称。
②俗に、不良じみた青少年を呼ぶ称。「―風ふうの男」
あん‐ちゅう【暗中】
くらがり。やみのなか。
⇒あんちゅう‐ひやく【暗中飛躍】
⇒あんちゅう‐もさく【暗中模索】
あんちゅう‐ひやく【暗中飛躍】
世間に知れないようにひそかに策動すること。暗躍。
⇒あん‐ちゅう【暗中】
あんちゅう‐もさく【暗中模索】
[隋唐佳話中]くらやみの中で手さぐりで捜すこと。転じて、手がかりのない物事をさがしもとめること。
⇒あん‐ちゅう【暗中】
あん‐ちょう【暗潮】‥テウ
表面にあらわれない潮流。転じて、外面にあらわれない世の風潮・勢力。
あん‐ちょく【安直】
①値が安いこと。安価。
②安易なさま。手軽なさま。「―な方法に頼る」「―に始末する」
あん‐ちょこ
(アンチョク(安直)の訛)教科書で学習する要点が記されていて、自分で調べたり考えたりする必要のない参考書。虎の巻。
アンチョビー【anchovy】
①カタクチイワシ科の小形硬骨魚。地中海・ヨーロッパ近海産。
②1の加工食品。塩蔵品を油漬にしたもの。
アンチ‐ロマン【anti-roman フランス】
〔文〕(反小説の意)(→)ヌーヴォー‐ロマンに同じ。
⇒アンチ【anti】
あんちん‐きよひめ【安珍清姫】
紀州道成寺の伝説中の男女の主人公の名。熊野詣での若僧安珍に清姫が恋慕、帰途の約束を裏切られたことから大蛇となって後を追い、道成寺の釣鐘に隠れていた安珍を鐘もろとも焼き殺したという。「法華験記」「今昔物語集」などに原形が見えるが、安珍・清姫の名が定着するのは近世以降。能・浄瑠璃・歌舞伎舞踊などに脚色。→道成寺
あんちん‐ほう【安鎮法】‥ホフ
密教で、新宅を造る時にその安穏を祈り、また鎮護国家の祈願をなすために修する法。特に皇室・将軍家の場合になされ、本尊はふつう不動明王。安鎮国家法。→地鎮法
あんちん‐まんだら【安鎮曼荼羅】
不動明王を中尊として構成された曼荼羅。不動安鎮法の本尊。国家や家宅の鎮護の祈祷をするときに用いる。
アン‐ツー‐カー【en-tout-cas フランス】
(「いつでも」の意)水はけをよくするため、陸上競技場のトラックに使用する人工土。花崗岩を高熱で焼いて造り、テニスコートなどにも使用。
あん‐てい【安定】
①物事が落ち着いていて、激しい変化のないこと。「物価の―」「天気が―する」
②〔理〕物体のつり合いや運動の状態がわずかな乱れを与えられた時に、元の状態へ戻ろうとする性質を持つこと。「この壺は―が悪い」
③〔化〕物質が分解・反応・壊変しにくいこと。
⇒あんてい‐かぶぬし【安定株主】
⇒あんてい‐かん【安定感】
⇒あんてい‐きょうこう【安定恐慌】
⇒あんてい‐ざい【安定剤】
⇒あんてい‐せいちょう【安定成長】
⇒あんてい‐そうさ【安定操作】
⇒あんてい‐たすう【安定多数】
⇒あんてい‐どういたい【安定同位体】
⇒あんてい‐りくかい【安定陸塊】
あんてい【安貞】
(アンジョウとも)[易経坤卦]鎌倉中期、後堀河天皇朝の年号。嘉禄3年12月10日(1228年1月18日)改元、安貞3年3月5日(1229年3月31日)寛喜に改元。
アンティーク【antique フランス】
骨董品。古美術品。また、そのような趣のあること。アンチック。
アンディーブ【endive フランス】
〔植〕
①チコリーのフランス語名。
②(綴りが同一であることからの混用)エンダイブのこと。
アンティオキア【Antiochia ラテン】
トルコ南部の都市。前300年頃シリア王国のセレウコス1世の創建。ローマ時代に商業都市として繁栄。パレスチナ以外で最初のキリスト教教団が組織された所。現在はトルコ語でアンタキアと称する。人口14万5千(2000)。
あんてい‐かぶぬし【安定株主】
会社の業績や株価の動向に左右されずに、長い期間株式を安定的に継続保有する株主。関係金融機関や取引先など。
⇒あん‐てい【安定】
あんてい‐かん【安定感】
いかにも安定している感じ。「―のあるデザイン」
⇒あん‐てい【安定】
あんてい‐きょうこう【安定恐慌】‥クワウ
インフレを収束させ、通貨価値の安定を回復するのに伴って生ずる恐慌現象。
⇒あん‐てい【安定】
アンティグア【Antigua】
グアテマラ南西部の都市。標高1500メートルの高地にあり、スペイン植民地時代のグアテマラの首府。当時の建造物が多く残り、世界遺産。
アンティグア
提供:JTBフォト
アンティグア‐バーブーダ【Antigua and Barbuda】
カリブ海、小アンティル諸島にある国。1981年イギリスより独立。面積440平方キロメートル。人口8万1千(2004)。首都セント‐ジョーンズ。→中央アメリカ(図)
アンティゴネ【Antigonē】
ギリシア神話で、テーベ王オイディプスの娘。自ら目を潰し追放の身となった父を導いて放浪。父の死後、国の法に背いて兄の屍を葬ったため岩屋に閉じこめられた。ソフォクレスはこれに取材して悲劇を作る。
あんてい‐ざい【安定剤】
化学製品などが時間の経過とともに物理的・化学的変化を受けて変質するのを防ぐために添加する物質。
⇒あん‐てい【安定】
アンティステネス【Antisthenēs】
ギリシアの哲学者。ソクラテスの門人。禁欲主義的な教えを説いた。キニク学派の創始者。(前455頃〜前360頃)
あんてい‐せいちょう【安定成長】‥チヤウ
インフレや国際収支の悪化を避けながら、できるかぎり高い経済成長を達成すること。
⇒あん‐てい【安定】
あんてい‐そうさ【安定操作】‥サウ‥
有価証券(公社債・株券など)の相場を安定させる目的で有価証券市場において一連の売買取引をし、またはその委託・受託をすること。有価証券の募集・売出しを容易にするために行う場合にのみ許容される。
⇒あん‐てい【安定】
あんてい‐たすう【安定多数】
国会のすべての常任委員会の過半数を維持できる議席数。→絶対安定多数。
⇒あん‐てい【安定】
あんてい‐どういたい【安定同位体】‥ヰ‥
自発的には放射線を放出せず、他の核種に変化することのない同位体。
⇒あん‐てい【安定】
アンティパスト【antipasto イタリア】
前菜。
あんてい‐りくかい【安定陸塊】‥クワイ
大陸にあって、先カンブリア代(約4.2億年より前)以降、造山運動を受けていない地殻の安定した部分。楯状地や卓状地をなす。↔造山帯
⇒あん‐てい【安定】
アンティル‐しょとう【アンティル諸島】‥タウ
(Antilles)大アンティル諸島および小アンティル諸島の総称。
アンデス【Andes】
南米大陸の北岸から西岸に沿って連なる大山脈。延長約9000キロメートル。最高峰アコンカグアは標高6960メートル。
アンデス山脈
撮影:小松義夫
アンデス山脈
提供:NHK
アンテナ【antenna】
①無線通信やラジオ・テレビジョン等の送受信を行うため、電磁波エネルギーを空間に発射し、または空間より受けとる装置。空中線。
②昆虫類や甲殻類の触角。
⇒アンテナ‐ショップ【antenna shop】
⇒アンテナを張る
アンテナ‐ショップ【antenna shop】
消費動向や商品の売れ行きなどの情報を収集するため、製造業者や流通業者が設置する直販店。パイロット‐ショップ。
⇒アンテナ【antenna】
あん‐とう【案頭】🔗⭐🔉
あん‐とう【案頭】
机の上。案上。
あん‐ない【案内】🔗⭐🔉
あん‐ない【案内】
(古くは「あない」とも表記)
①文案の内容。特に官庁の先例・内規を書き写した文書。
②事情。内情。今昔物語集17「僧等―を知らざるに依りて」
③取次を乞うこと。問い合わせること。今昔物語集4「門にして人を以て―を申し入れむが為に伺ひ立てり」。「―を請う」
④その場所を知らない人などを導いて連れて歩くこと。また、その人。「館内を―する」「水先―」「道―」
⑤事情を説明し知らせること。また、その知らせ。通知。「入学―」「―書」
⑥事情を知っていること。「すでに御―の通り」
⇒あんない‐き【案内記】
⇒あんない‐こうこく【案内広告】
⇒あんない‐しゃ【案内者】
⇒あんない‐じょう【案内状】
⇒あんない‐にん【案内人】
⇒あんない‐ばね【案内羽根】
⇒あんない‐ぼうえんきょう【案内望遠鏡】
⇒あんない‐もう【案内申】
あんない‐き【案内記】🔗⭐🔉
あんない‐き【案内記】
ある土地の地理・交通・名所・旧跡などについて記した書物。
⇒あん‐ない【案内】
あんない‐こうこく【案内広告】‥クワウ‥🔗⭐🔉
あんない‐こうこく【案内広告】‥クワウ‥
新聞・雑誌などで、求人・不動産売買などに関する小さな広告。三行広告。
⇒あん‐ない【案内】
あんない‐しゃ【案内者】🔗⭐🔉
あんない‐しゃ【案内者】
①道案内をする人。先導。
②事情に通じている人。平家物語5「東国の―とて、長井の斎藤別当実盛を召して」
⇒あん‐ない【案内】
あんない‐じょう【案内状】‥ジヤウ🔗⭐🔉
あんない‐じょう【案内状】‥ジヤウ
①通知状。
②招待状。
⇒あん‐ない【案内】
あんない‐にん【案内人】🔗⭐🔉
あんない‐にん【案内人】
案内4をする役の人。案内者。
⇒あん‐ない【案内】
あんない‐ばね【案内羽根】🔗⭐🔉
あんない‐ばね【案内羽根】
(→)固定羽根に同じ。
⇒あん‐ない【案内】
あんない‐ぼうえんきょう【案内望遠鏡】‥バウヱンキヤウ🔗⭐🔉
あんない‐ぼうえんきょう【案内望遠鏡】‥バウヱンキヤウ
(guiding telescope)主望遠鏡と平行に、視野広く対象天体を追跡しやすくするために添えた望遠鏡。指導望遠鏡。
⇒あん‐ない【案内】
あんない‐もう【案内申】‥マウ🔗⭐🔉
あんない‐もう【案内申】‥マウ
(「案内申す」の略)訪問して取次を頼む時に言う語。たのもう。狂言、武悪「隠いて案内を乞はうと存ずる。物申ものもう、―」
⇒あん‐ない【案内】
○案に落つあんにおつ🔗⭐🔉
○案に落つあんにおつ
思った通りになる。計略どおりになる。「案に入る」とも。
⇒あん【案】
○案に相違するあんにそういする🔗⭐🔉
○案に相違するあんにそういする
予想していたこととはちがう。案に違たがう。
⇒あん【案】
○案に違うあんにたがう🔗⭐🔉
○案に違うあんにたがう
「案に相違する」に同じ。→案(成句)
⇒あん【案】
あんにゃ‐もんにゃ
(→)「なんじゃもんじゃ」に同じ。
アンニュイ【ennui フランス】
心が晴れず、けだるいこと。倦怠けんたい。
あん‐にょう【安養】‥ヤウ
安養浄土の略。太平記6「九品―の同じ台うてなに生るる身となさせ給へ」
⇒あんにょう‐かい【安養界】
⇒あんにょう‐じょうど【安養浄土】
あんにょう‐かい【安養界】‥ヤウ‥
(→)安養浄土に同じ。
⇒あん‐にょう【安養】
あんにょう‐じょうど【安養浄土】‥ヤウジヤウ‥
(阿弥陀の浄土に往生すれば、心を安んじ身を養うからいう)極楽浄土のこと。安養国。安養宝国。
⇒あん‐にょう【安養】
アンニョン
(朝鮮語annyŏng)「お元気で」「お元気ですか」を意味するあいさつの語。
あん‐にん【杏仁】
(アンは唐音)
⇒きょうにん。
⇒あんにん‐どうふ【杏仁豆腐】
あんにん‐どうふ【杏仁豆腐】
⇒きょうにんどうふ
⇒あん‐にん【杏仁】
あん‐ねい【安寧】
[史記秦始皇本紀「天下に異意無きは則ち安寧の術也」]世の中が穏やかで平和なこと。安泰。「社会の―を乱す」
⇒あんねい‐ちつじょ【安寧秩序】
あんねい‐ちつじょ【安寧秩序】
公共の安寧と社会の秩序が保たれていること。「―の紊乱びんらん」
⇒あん‐ねい【安寧】
あんねい‐てんのう【安寧天皇】‥ワウ
記紀伝承上の天皇。綏靖すいぜい天皇の第1皇子。名は磯城津彦玉手看しきつひこたまでみ。→天皇(表)
アンネのにっき【アンネの日記】
(原題Het Achterhuis オランダは「家の後部」の意)ユダヤ人の少女アンネ=フランク(Anne Frank1929〜1945)の、ナチスの迫害を逃れて家族と共にアムステルダムに隠れ住んだ1942年から2年間の生活記録。
あんねん【安然】
平安前期の天台宗の僧。円仁・遍昭に学び、比叡山の五大院で著述に専念し、台密教理を最終的に大成。世に五大院大徳と称された。著「悉曇蔵しったんぞう」「教時問答」など。(841〜 )
あん‐のう【鞍嚢】‥ナウ
乗馬のくらの両側にさげる革袋。
あん‐の‐うち【案の内】
思いのままのこと。思ったとおり。計画どおり。太平記19「南都の陣を追ひ落さんこと、―に候」
あん‐の‐うち【案の内】🔗⭐🔉
あん‐の‐うち【案の内】
思いのままのこと。思ったとおり。計画どおり。太平記19「南都の陣を追ひ落さんこと、―に候」
○案の如くあんのごとく
考えていたように。推量の通りに。
⇒あん【案】
○案の如くあんのごとく🔗⭐🔉
○案の如くあんのごとく
考えていたように。推量の通りに。
⇒あん【案】
あん‐の‐じょう【案の定】‥ヂヤウ
(多く副詞的に)思ったとおり。予期したとおり。はたして。浮世床2「わんぐりと食つたが因果―番木鼈まちんであつた」。「―雨になった」「―の結末」
あん‐の‐ほか【案の外】
思いの外。案外。今昔物語集25「今日の内に寄りて責めむこそ彼の奴は―にて迷まどはめ」
あん‐のん【安穏】‥ヲン
(アンオンの連声)安らかにおだやかなこと。無事。「―に暮らす」「―な一生」
あん‐ば【鞍馬】
①くらをおいた馬。くらうま。あんま。
②男子体操競技の一つ。馬の背の形をした台上に二つの把手とってをつけ、この上で、下肢を接触させないで体を回転させる。また、その用具。
アンバー【amber】
琥珀こはく。琥珀色。
アンバー【invar フランス】
⇒インバー
アンバー【umber】
天然の褐色顔料。二酸化マンガン・珪酸塩を含む水酸化鉄。煆焼かしょうして絵具・塗料に用いる。隠蔽力・耐久力が強い。
アンパーサンド【ampersand】
「&」の記号。「そして」「…と…」の意。アンド。アンパサンド。
あん‐ばい【塩梅・按排・按配】
(「塩梅」(アンバイ)はエンバイの転で、「按排」「按配」とは本来別系統の語であるが、混同して用いる。「案配」は代用字)
①塩と梅酢で調味すること。一般に、料理の味加減を調えること。また、その味加減。「―を見る」
②物事のほどあい。かげん。特に、身体の具合。「いい―に会えた」「―が悪くて寝ている」
③ほどよく並べたり、ほどよく処理したりすること。「材料をうまく―して話す」「仕事の―を考える」
⇒あんばい‐ず【塩梅酢】
アンパイア【umpire】
野球などの競技の審判員。→ジャッジ→レフェリー
あんばい‐ず【塩梅酢】
味をほどよくした酢。三杯酢など。
⇒あん‐ばい【塩梅・按排・按配】
あん‐ばこ【暗箱・暗函】
外光をさえぎり、内部を暗くした箱。組立式写真機の胴体でレンズを除いた部分。
あんば‐さま【あんば様】
太平洋岸各地の漁村で信仰する神。茨城県稲敷郡桜川村(現、稲敷市)の大杉大明神など。船霊ふなだまの親神ともいう。
あんはつが‐しゅし【暗発芽種子】
発芽に暗黒が必要な種子。カボチャ・ケイトウなど。↔光発芽種子
アンバランス【unbalance】
つりあいがとれないこと。不均衡。「―な収支」
あん‐パン【餡パン】
中に餡を包んだパン。田山花袋、東京の三十年「途上にある菓子屋、ことに―を売つてゐる店の前では」
あん‐はんのう【暗反応】‥オウ
光合成・光感覚など、光による一連の生体の反応で、光を必要としない反応。光を受けた色素分子がおこす反応過程(明反応)に続く。↔明反応
あん‐ぴ【安否】
無事かどうかということ。「―が気づかわれる」「―を問う」
アンビヴァレンス【ambivalence】
〔心〕両面価値的であること。同一の対象に対して、愛と憎しみのような相反する感情を同時に抱くこと。
アンビヴァレント【ambivalent】
一つのものに対して相反する感情を同じに抱くさま。両面価値的。
アンビシャス【ambitious】
大望あるさま。野心あるさま。
アンビション【ambition】
大望。大志。野心。功名心。
アンビル【anvil】
①(→)金敷かなしき。
②超高圧発生装置に用いる頭部を切った錐形の台座。
あん‐ぶ【安撫】
①民を安らかに落ち着かせること。
②安撫使の略。
⇒あんぶ‐し【安撫使】
あん‐ぶ【按撫】
①なでたりさすったりすること。
②人民をいたわり、付き従わせること。
あん‐ぶ【暗部】
①暗い部分。
②隠れた醜い部分。「社会の―」
③(写真用語)被写体・印画の暗い部分。↔明部
あん‐ぶ【鞍部】
山の稜線のくぼんだ所。たおり。
あん‐ぷ【安否】
(→)「あんぴ」に同じ。〈日葡辞書〉
あん‐ぷ【暗譜・諳譜】
楽譜をそらで覚え(てい)ること。
アンプ
アンプリファイアーの略。
アンフェア【unfair】
公正でないさま。不公平なこと。「―な態度」
アンフェタミン【amphetamine】
化学名フェニル‐アミノ‐プロパン。覚醒アミンの一種でつよい中枢神経興奮作用を持つ。連用すると幻覚や妄想を伴う統合失調症様の症状をおこし、多量に与えると不安・不眠・錯乱・幻覚・頻脈・痙攣けいれんなどを呈する。保管・使用は覚醒剤取締法の規制を受ける。→覚醒剤→ヒロポン
アンフォルメル【informel フランス】
(不定形の意)第二次大戦後、フランスを中心に興った絵画運動。再現的な形象を否定して、混沌のなかに画面の無秩序を求めた。フォートリエ・デュビュッフェ・ヴォルス(Wols1913〜1951)らを源流とし、批評家ミシェル=タピエ(M. Tapié1909〜1987)が主唱。アメリカの抽象表現主義に対応。
あん‐ぷく【按腹】
腹をもみさする按摩術。血行・胃腸機能・吸収排泄を盛んにするという。
あんぷく‐でん【安福殿】
平安京内裏の殿舎の一つ。侍医の控所。薬殿くすどの。→内裏(図)
あんぶ‐し【安撫使】
中国の官職。隋・唐の間、水旱などに際して臨時に派遣された。宋代には経略安撫使ともいい、はじめ辺境の地、のち全国各路におかれ、軍事・民政をつかさどる常置の官となった。
⇒あん‐ぶ【安撫】
アンブシュール【embouchure フランス】
管楽器を吹く際の唇。また、管楽器の吹口。
あん‐ぶつ【暗物】
淫売婦。くらもの。暗女あんじょ。
アンプラグド【unplugged】
(プラグにつないでいない、の意)ポピュラー音楽で、電気楽器を用いないこと。
アンプリファイアー【amplifier】
増幅ぞうふく器。アンプ。
アンプル【ampoule フランス】
〔医〕薬剤を無菌・清浄な状態で保存するための密封式のガラス容器。アンプレ(Ampulle ドイツ)。
アンプレアブル【unplayable】
ゴルフで、球がプレーできない状態にあること。プレーヤー自身が宣言する。
アンプレショニスム【impressionnisme フランス】
(→)印象主義。
アンブレラ【umbrella】
雨傘。
アンブロシウス【Ambrosius ラテン】
西方キリスト教の教父・聖人。ミラノの司教。アウグスティヌスの師。ミラノ典礼の発展に寄与。(339頃〜397)
アンプロンプチュ【impromptu フランス】
(→)即興曲に同じ。
あん‐ぶん【按分・案分】
基準となる数量に比例した割合で物を割り振ること。
⇒あんぶん‐ひれい【按分比例】
あん‐ぶん【案文】
(アンモンとも)
①文章を考えること。
②したがきの文書。一つの案として作った文章。「演説の―」
③文書の写し。複本。特に、正文しょうもんと同等の効力を持つ写し。
あんぶん‐ひれい【按分比例】
(→)比例配分に同じ。
⇒あん‐ぶん【按分・案分】
アンペア【ampere】
(アンペールの名に因む)電流の単位。国際単位系(SI)・MKSA単位系の基本単位。無視できる面積の円形断面をもつ2本の無限に長い直線状導体を真空中に1メートルの間隔で平行に置き、各導体に等しい強さの電流を流したとき、導体の長さ1メートルごとに2×10−7ニュートンの力が働く場合の電流の大きさ。記号A
⇒アンペア‐けい【アンペア計】
⇒アンペア‐じ【アンペア時】
アンペア‐けい【アンペア計】
(→)アンメーターに同じ。
⇒アンペア【ampere】
アンペア‐じ【アンペア時】
電気量の単位。1アンペアの電流が1時間に運ぶ電気量。3600クーロンに等しい。記号Ah
⇒アンペア【ampere】
あん‐べい【安平】
(アンペイとも)
①たやすいこと。平家物語5「さては―ござんなれとて、修行にぞ出でにける」
②安っぽいさま。塵袋「人を―にいふとき、をれらがといふは、われらがといふ心か」
③安らかに平穏であること。浄瑠璃、吉野忠信「四海の―、掌たなごころの内に照らし」
あん‐べい
(アルベキ、またアルベイの音便)あるだろう。あるはずだ。更級日記「きらきらしき勢など―やうもなく」。歌舞伎、暫「鏡は…大かたぽつぽに―から、おれに下せへ」→べい
あんぺい
京阪地域のやわらかい蒸し蒲鉾。鱧はものすり身などを滑らかに練り上げて作る。あんぺん。
あんぺい‐どうふ【安平豆腐】
茶碗におぼろ豆腐を入れ、松露しょうろを加えて蒸し、葛あんをかけた料理。餡平豆腐。
アンペイド‐ワーク【unpaid work】
賃金が支払われない労働。家事労働など、行なった仕事への対価がない労働。無償労働。→シャドー‐ワーク
アンベードカル【Bhīmrāo Rāmjī Ambedkar】
インドの社会改革運動家・政治家。不可触民カーストのマハールの出身で、不可触民制の撤廃運動に専心。最晩年は仏教に改宗し、新仏教運動の祖となる。(1891〜1956)→ネオ‐ブッディズム
アンペール【André-Marie Ampère】
フランスの物理学者。電流の流れる導線の周囲の空間に生じる磁場と流れる電流の強さとの関係(アンペールの法則)を論じ、ソレノイドの磁場が棒磁石の磁場に等しいことから、物質の磁気的性質を電気的に説明。(1775〜1836)→アンペア
あん‐ぺき【暗碧】
黒みをおびた青色。
あん‐べし
(アルベシの音便。「あべし」とも表記)あるだろう。あるはずだ。
アンペラ【筕篖】
(語源未詳。amparo ポルトガルの訛か。またampela マレーからとも)藺草いぐさで編んだ筵むしろ。江戸弁慶「―や雪を折敷く夕涼み」。物類称呼「世俗蓆に号して―と云ふ」。鳥居素川、満州風俗「室は土を以て塗り上に―一枚を敷く」
⇒アンペラ‐い【筕篖藺】
アンペラ‐い【筕篖藺】‥ヰ
カヤツリグサ科の多年草。東南アジア・オーストラリア等に分布。小笠原諸島にも自生。無葉。茎は高さ約80センチメートル。基部には少数の鱗状葉がある。帯緑褐色の花を開く。
⇒アンペラ【筕篖】
アンペル
⇒アンペラ
あん‐ぽ【安保】
①安全保障の略。「―条約」
②安保闘争の略。「60年―」
⇒あんぽ‐とうそう【安保闘争】
⇒あんぽ‐り【安保理】
アンボイナ‐がい【アンボイナ貝】‥ガヒ
(Amboina)イモガイ科の巻貝。名はインドネシアのアンボン島に由来。殻は細長い樽形で、殻高10センチメートル。表面には網目状の細かい模様がある。紀伊半島以南の西太平洋のサンゴ礁にすむ。貝の収集家には魅力的であるが、刺毒が強く、人も刺されて死傷する。ハブ貝。
あん‐ぽう【罨法】‥パフ
炎症または充血などを除去するために、水・湯・薬などで患部を温めまたは冷やす療法。
あん‐ぽつ
左右に畳表を垂れかけた江戸の町駕籠かご。あんぽつかご。守貞漫稿「京坂あんだといふ。…あをたを訛りてあんだといひ、再訛して―といふか」
あんぽつ
あんぽ‐とうそう【安保闘争】‥サウ
日米安全保障条約改定反対の闘争。1959〜60年全国的規模で展開された、近代日本史上最大の大衆運動。とりわけ60年の5〜6月は連日数万人がデモ行進し国会を包囲したが、結局条約は改定された。70年にも条約の延長をめぐって反対運動が行われた。
国会前の警官隊とデモ隊 1960年5月20日
提供:毎日新聞社
安保闘争
提供:NHK
⇒あん‐ぽ【安保】
アンホ‐ばくやく【アンホ爆薬】
(ANFO)(→)硝安油剤爆薬に同じ。
あんぽ‐り【安保理】
安全保障理事会の略。
⇒あん‐ぽ【安保】
あんぽん‐たん【安本丹】
(アホタラの撥音化か)
①愚か者をののしっていう語。あほう。ばか。風流志道軒伝「たはけあり、また―の親玉あり」
②(寛政の末江戸に出まわったが、味がよくなかったのでいう)カサゴ(笠子)の俗称。
あん‐ま【按摩】
①身体をもんで筋肉を調整し、血液の循環をよくする療法。もみりょうじ。マッサージ。また、それを業とする人。史記抄「―して身体を玩弄してととのへしむるぞ」。「―を取る」
②(あんまが盲人の業だったことから)俗に、盲人。
⇒あんま‐づり【按摩釣】
⇒あんま‐とり【按摩取】
あん‐まく【暗幕】
室内を暗くするために、外部の光線が入らないよう出入口や窓に張る黒い幕。戦時には室内の光が外に洩れないよう用いた。
アン‐マッチ
(和製語unmatch)二つの物事・事柄が調和しないこと。釣り合わないこと。
あんま‐づり【按摩釣】
ハヤの釣り方の一種。川虫などを餌とし、釣手は下流に向かい、足で川底を摺りながら、竿先を水に突っ込んで前後に動かす。
⇒あん‐ま【按摩】
あんま‐とり【按摩取】
あんまをすること。また、それを業とする人。
⇒あん‐ま【按摩】
あんまり【余】
〔名・副〕
(アマリの撥音化)度を過ぎるさま。度はずれて。浄瑠璃、曾根崎「ほんに又―な」。「―ひどいじゃないか」「―あわてると失敗するぞ」
あん‐まん【餡饅】
小豆に胡麻油やラードなどを加えて作った餡の入った中華饅頭まんじゅう。あんまんじゅう。
餡饅
撮影:関戸 勇
アンマン【‘Ammān】
ヨルダン‐ハシェミット王国の首都。紀元前17世紀以来の古い町で、同国の政治・商業・交通の中心。第一次大戦後トランス‐ヨルダンの首都。人口125万4千(2003)。
アンマン ローマ劇場
撮影:田沼武能
アンミアヌス‐マルケリヌス【Ammianus Marcellinus】
ローマの歴史家。ネルワ帝(五賢帝の一人)以後の約300年を扱った「歴史」31巻を著す。(330頃〜395頃)
あん‐みつ【餡蜜】
(餡蜜豆の略)蜜豆に餡をのせたもの。
あん‐みょう【安名】‥ミヤウ
禅宗で、出家得度の際、戒師が法名を授けること。
あん‐みん【安眠】
安らかに眠ること。「―妨害」
アンミン‐さくたい【アンミン錯体】
〔化〕(ammine complex)アンモニアを配位子とする錯体。配位子としてのアンモニアをアンミンと呼ぶ。テトラ‐アンミン銅(Ⅱ)イオン[Cu(NH3)4]2+の類。
アンメーター【ammeter】
電流の強さがアンペア単位で読めるように目盛った電流計。アンペア計。
あん‐めり
(アルメリ・アリメリの音便。「あめり」とも表記)あるようである。あるらしい。
あん‐めん【暗面】
①光の当たらない、くらい側。
②物事のかくれた醜悪な面。裏面。
あんも【餅】
⇒あも
あん‐もく【暗黙】
意思を外面に表さないこと。だまって言わないこと。「―の了解」「―のうちに通じる」
⇒あんもく‐ち【暗黙知】
あんもく‐ち【暗黙知】
〔哲〕(tacit knowledge)M.ポランニーの用語。顔の認知や自転車の運転のように、明確に言葉で表現することが困難な直観的・身体的・技能的な知識をいう。科学的創造において重要とされる。
⇒あん‐もく【暗黙】
あん‐もち【餡餅】
餡をまぶし、または餡を中に入れた餅。あんころもち。
アンモナイト【ammonite】
軟体動物頭足類のアンモナイト亜綱に属する化石動物の総称。古生代のデボン紀から中生代末まで生存。特に中生代に繁栄し、その種類は多数。殻の構造はオウムガイに似て、大きなものは直径2メートルに及ぶ。アンモン貝。菊石類。
アンモナイト
アンモナイト
撮影:冨田幸光
アンモニア【ammonia・安母尼亜】
分子式NH3 窒素と水素との化合物で、刺激性の悪臭ある無色の気体。水によく溶け、アルカリ性。窒素と水素から合成して得られる。硝酸・肥料などの製造や冷凍・製氷用冷媒に用いる。→アンモニア合成法。
⇒アンモニア‐かせいさよう【アンモニア化成作用】
⇒アンモニア‐ごうせい‐ほう【アンモニア合成法】
⇒アンモニア‐すい【アンモニア水】
⇒アンモニア‐ソーダ‐ほう【アンモニア曹達法】
⇒アンモニア‐れいとう‐ほう【アンモニア冷凍法】
アンモニア‐かせいさよう【アンモニア化成作用】‥クワ‥
蛋白質の分解などで生じた含窒素有機物が、土壌微生物の作用によって分解され、アンモニアとなる作用。植物の生育に重要。
⇒アンモニア【ammonia・安母尼亜】
アンモニア‐ごうせい‐ほう【アンモニア合成法】‥ガフ‥ハフ
窒素と水素を混合して、適当な温度で高い圧力を加え、触媒を用いてアンモニアを合成する方法。発明者の名に因んでハーバー‐ボッシュ法ともいう。
⇒アンモニア【ammonia・安母尼亜】
アンモニア‐すい【アンモニア水】
アンモニアの水溶液。無色で弱アルカリ性、アンモニア臭がある。試薬・医薬用。
⇒アンモニア【ammonia・安母尼亜】
アンモニア‐ソーダ‐ほう【アンモニア曹達法】‥ハフ
工業的に炭酸ナトリウムを製する方法。食塩の冷濃水溶液中にアンモニアを飽和させ、これに圧力を加えて二酸化炭素を通じ、沈殿した炭酸水素ナトリウムを分離・加熱すれば炭酸ナトリウムを得る。1863年ソルヴェーが創始。ソルヴェー法。
⇒アンモニア【ammonia・安母尼亜】
アンモニア‐れいとう‐ほう【アンモニア冷凍法】‥ハフ
アンモニアが蒸発する際、多量の気化熱を周囲から奪う性質を利用した冷凍法。
⇒アンモニア【ammonia・安母尼亜】
アンモニウム【ammonium】
1価の陽性基。種々の陰イオンと塩類を生ずる。化学式‐NH4
あんもら【菴没羅】
(→)菴羅あんらに同じ。
あん‐もん【案文】
⇒あんぶん。〈日葡辞書〉
あん‐もん【案問・按問】
調べたずねること。吟味。
アンモン‐がい【アンモン貝】‥ガヒ
(→)アンモナイトに同じ。
アンモン‐かく【アンモン角】
〔医〕(Ammon's horn)(→)海馬3の別称。その形が古代エジプトの神アモンの角つのに似ているとして命名。
あん‐や【暗夜・闇夜】
くらい夜。やみよ。
⇒あんや‐の‐つぶて【暗夜の礫】
あん‐やく【暗躍】
人に知れないように活動すること。ひそかに策動すること。暗中飛躍。「裏面で―する」
あんやこうろ【暗夜行路】‥カウ‥
小説。志賀直哉作。1921年(大正10)から37年(昭和12)まで「改造」に継続連載。母の過失で生まれ、成人後、妻の過失に苦しむ時任ときとう謙作が、調和的な心境に到達するまでの苦悩を描く。日本心境小説の代表作。
→文献資料[暗夜行路]
あんや‐の‐つぶて【暗夜の礫】
不意に加えられる襲撃。防ぎがたいことにたとえる。
⇒あん‐や【暗夜・闇夜】
あん‐ゆ【暗喩】
(→)隠喩に同じ。
あんよ
(幼児語)
①足。
②歩くこと。「―は上手」
あんよう【安陽】‥ヤウ
(Anyang)中国河南省北部の商工業都市。交通の要衝。北西郊に殷墟がある。旧称、彰徳。人口76万9千(2000)。
あん‐よう【安養】‥ヤウ
⇒あんにょう
あんら【菴羅・奄羅】
(梵語āmra)マンゴーのこと。きわめて美味な果実として、仏典にしばしば出てくる。菴没羅あんもら。菴摩羅あんまら。
⇒あんら‐おん【菴羅園】
アンラ【UNRRA】
(United Nations Relief and Rehabilitation Administration)連合国救済復興機関。南ヨーロッパおよびアジアの一部を対象として、第二次大戦の戦災復興のために設置された援助機関。1943年設置。ヨーロッパでの活動は47年、アジアでの活動は49年に終了。→ガリオア→エロア
あんら‐おん【菴羅園】‥ヲン
中インドのヴァイシャーリーにあった園林。釈尊はここで維摩ゆいま経などを説いたと伝える。菴没羅園。菴摩羅樹園。
⇒あんら【菴羅・奄羅】
あん‐らく【安楽】
心身に苦痛がなく楽々としていること。「―に暮らす」「―な境遇」
⇒あんらく‐いす【安楽椅子】
⇒あんらく‐こく【安楽国】
⇒あんらく‐し【安楽死】
⇒あんらく‐せかい【安楽世界】
⇒あんらく‐りつ【安楽律】
あんらく‐あん【安楽庵】
安楽庵策伝の茶室の名。
⇒あんらくあん‐ぎれ【安楽庵裂】
⇒あんらくあん‐さくでん【安楽庵策伝】
あんらくあん‐ぎれ【安楽庵裂】
安楽庵策伝所蔵の袈裟裂ぎれ類の総称。
⇒あんらく‐あん【安楽庵】
あんらくあん‐さくでん【安楽庵策伝】
江戸初期の浄土僧・茶人・笑話作者。落語の祖といわれる。京都誓願寺竹林院の住持。のち、寺域に茶室安楽庵を結ぶ。「醒睡笑」を著して京都所司代板倉重宗に呈した。(1554〜1642)
→文献資料[醒睡笑]
⇒あんらく‐あん【安楽庵】
あんらく‐いす【安楽椅子】
休息用のひじ掛け椅子。普通の椅子より大きく、スプリングをきかせ、よりかかりがあるもの。
⇒あん‐らく【安楽】
あんらく‐こく【安楽国】
極楽浄土のこと。安楽浄土。安楽世界。日葡辞書「アンラッコク」
⇒あん‐らく【安楽】
あんらく‐し【安楽死】
助かる見込みのない病人を、本人の希望に従って、苦痛の少ない方法で人為的に死なせること。
⇒あん‐らく【安楽】
あんらく‐じ【安楽寺】
長野県上田市にある曹洞宗の寺。寺の後方にある八角三重塔は室町初期の建立で、日本に現存する唯一の八角塔遺構。安楽護聖禅寺。
あんらくしゅう【安楽集】‥シフ
〔仏〕唐の道綽どうしゃくが観無量寿経を解釈した書。2巻。仏教を聖道しょうどう門と浄土門の二門に区分し、問答形式で安楽浄土について解明する。弟子の善導に大きな影響を与えた。
あんらく‐せかい【安楽世界】
(→)安楽国に同じ。
⇒あん‐らく【安楽】
あんらく‐りつ【安楽律】
〔仏〕比叡山の僧侶も梵網戒以外に小乗二百五十戒をもあわせ修めるべきだとする新たな戒律。僧風刷新のため妙立(1637〜1690)や霊空(1652〜1739)らによって主張された。比叡山の安楽院が拠点になったのでいう。天台律宗とも。
⇒あん‐らく【安楽】
アンラッキー【unlucky】
不運。「―な出会い」↔ラッキー
あん‐り【行履】
禅宗で、日常一切の行為。
アンリ【Henri】
(フランス語の男子名。英語のヘンリーに当たる)(4世)フランス王。ブルボン王朝の始祖。はじめユグノーの首領、のち旧教に改宗して1589年即位。98年ナントの勅令でユグノーに信仰の自由を認めた。王権の強化を図ったが、暗殺された。(1553〜1610)
あん‐りゅう【暗流】‥リウ
表面にあらわれない流れ・動き。
あん‐りょくしょく【暗緑色】
黒みを帯びたみどり色。
あん‐るい【暗涙】
人知れず流す涙。心の中で泣く涙。「―にむせぶ」
あん‐ろく【行録】
(アンは唐音)
⇒こうろく
あん‐ろくざん【安禄山】
唐代の武将。胡人。玄宗に愛され平盧・范陽・河東の3節度使を兼任。また楊貴妃と結んでその養子となる。宰相楊国忠と権力を争い、755年、挙兵して洛陽を攻略、長安にせまり、大燕皇帝と自称したが、子の慶緒に殺された。(705〜757)
あんわ【安和】
(年号)
⇒あんな
い
①母音の一つ。くちびるを平たく開き、舌の先を下方に向け、前舌面を高めて硬口蓋に接近させ、声帯を振動させて発する。〔i〕 五十音図ではア行・ヤ行に重出するが、発音に違いはない。
②平仮名「い」は「以」の草体。片仮名「イ」は「伊」の偏。
い【イ】
異本(一本)の略号。校合した異本の語句を傍注する時に用いる符号。
い【五】
いつつ。五ご。
い【五十】
ごじゅう。いそ。皇極紀「―の兵士いくさびと」
い【井・堰】ヰ
①泉または流水から用水を汲み取る所。常陸風土記「社もりの中に寒泉しみずあり。大―と謂ふ」
②地を掘り下げて地下水を汲み取る所。井戸いど。常陸風土記「新に―を掘らしめしに、出泉いずみ浄く香かぐわしく」
③《堰》(→)「いせき(堰)」に同じ。
⇒井の中の蛙大海を知らず
い【亥】ヰ
①十二支の一つで、最後に位するもの。動物では、猪に当てる。
②北から西へ30度の方角。→方位(図)。
③昔の時刻の名。今の午後10時ごろ。また、およそ午後9時から11時のあいだの時刻。→時とき
い【居】ヰ
①すわること。いること。また、その所。「起たち―振舞」「長―」
②(接尾語的に)存在すること。存在する所。「雲―」「田―」「宮―」
い【胆】
胆嚢たんのう。〈倭名類聚鈔3〉。「熊の―」
い【猪・豬・豕】ヰ
イノシシ・ブタの総称。特に、イノシシ。後拾遺和歌集恋「苅藻かき臥す―の床の」
い【寝】
ねること。ねむり。(「―を寝ぬ」といういいかたが多い)源氏物語明石「昼は日一日―をのみ寝暮し」。「熟寝うまい」
⇒寝も寝られず
い【網】
クモの糸・巣。〈色葉字類抄〉
い【藺】ヰ
イグサ科の多年草。湿地に自生。また水田に栽培。地下茎をもつ。茎は地上約1メートル、中に白色の髄がある。葉は退化し、茎の基部で褐色の鞘となる。5〜6月頃、茎の先端に花穂をつけ、その上部に茎のように伸びるのは苞。花は小さく緑褐色。茎は畳表・花筵はなむしろ、髄は灯心とうしんとする。イグサ。トウシンソウ。〈[季]夏〉。〈新撰字鏡7〉
い
い【伊】
①伊賀国の略。
②伊太利イタリアの略。
い【夷】
[礼記王制「東方を夷と曰う」]東方の未開の異民族。えびす。
⇒夷を以て夷を制す
い【衣】
(呉音はエ)身にまとうもの。きもの。ころも。
い【位】ヰ
①人・事物のある場所。また、神霊のやどるところ。
②くらい。身分。席次。「名人―」
③(接尾語的に用いて)
㋐くらいを示す。「正三―」
㋑等級・順番・程度を示す。「首―」
㋒人に対する敬称。「各―」
㋓死者の霊を数える語。「英霊百―」
㋔計算上のくらい取り。「百―の数」
→くらい(位)
い【囲】ヰ
太さをはかる語。
㋐両手の親指と人差指どうしを合わせて作った長さ。
㋑ひとかかえ。およそ6尺ぐらい。
い【医】
病をなおす人。くすし。「主治―」
⇒医は仁術なり
い【委】ヰ
委員会の略。「中労―」
い【易】
⇒えき(易)
い【威】ヰ
人をおそれ従わせる勢い・力・品格。「―をもって示す」
⇒威ありて猛からず
⇒威を振るう
い【胃】ヰ
①内臓の一つ。消化管の主要部。上方は食道に、側方は腸に連なり、形は嚢状で、横隔膜の下、肝臓の下方に横たわる。壁は粘膜・平滑筋層・漿膜から成り、最内層の粘膜には胃腺があって、胃液を分泌し食物の消化にあたる。鳥類や一部の哺乳類では2ないし4室に分かれる。いぶくろ。→内臓(図)。
②二十八宿の一つ。胃宿。えきえぼし。
い【為】ヰ
箏の手前から2番目の弦。
い【尉】ヰ
①中国の官名。秦・漢代には軍事・警察を職とする官。太尉・都尉・校尉など。唐の県尉は県の司法・経済等をつかさどる文官。宋では治安維持に当たった。
②旧軍隊・自衛隊の階級の一つ。「少―」
→じょう(尉)
い【帷】ヰ
たれまく。たれぎぬ。とばり。
⇒帷を下す
い【移】
律令制で上下関係のない同格の官司の間に取り交わした公文書。正倉院に天平(729〜749)年間のものが多く伝存する。平安時代にはほとんど「牒」の形式に代わる。移文うつしぶみ。
い【異】
①ことなること。変わった点があること。別なこと。「―とするに足らぬ」「―文化」↔同。
②普通とは違って怪しいこと、妙なこと。また、すぐれていること。「縁は―な物、味な物」
③正統ではないこと。
⇒異を挟む
⇒異を立てる
⇒異を唱える
い【意】
①心。心の動き。考え。気持。「―を決する」
②物事の内容。わけ。
③〔仏〕(梵語manas)広義では思考活動一般。狭義では感覚的ではない、抽象的な知覚能力。
⇒意到りて筆随う
⇒意とする
⇒意に中る
⇒意に介しない
⇒意に適う
⇒意に染まない
⇒意に満たない
⇒意を致す
⇒意を受ける
⇒意を得る
⇒意を酌む
⇒意を体する
⇒意を通ずる
⇒意を尽くす
⇒意を強くする
⇒意を迎える
⇒意を用いる
い【緯】ヰ
①織物のよこいと。ぬき。よこ。
②東西の方向。「―度」
↔経けい
い【彝】
中国で宗廟の祭に常用した銅器。鐘・鼎の類。
⇒彝を秉る
い【汝】
〔代〕
(「し(其)」と同源という。助詞「が」を伴う)相手を低く見て指す語。おまえ。なんじ。古事記中「―が作り仕へまつれる大殿の」
い
〔助詞〕
➊(間投助詞)(上代語。平安時代は訓読語の中でのみ使われた。体言や活用語の連体形の下に付いて)その語を強くきわだたせる。古事記中「くぶつつ―石つつ―持ち」。万葉集4「わが背子があとふみ求め追ひ行かば紀の関守―とどめてむかも」。万葉集10「青柳の糸のくはしさ春風に乱れぬ―間に見せむ子もがも」
➋(終助詞)(ヤからエを経て、あるいはヨから転じたとされる)
①(名詞に添えて)呼びかけを表す。…よ。浄瑠璃、難波丸金鶏「コレとと様―のふ、とと様と、ゆすれど甲斐もなきがらを」
②命令・疑問・断定など種々の文の終りに付いて語勢を添える。口語では主として男性が遠慮のない態度で話すとき使う。狂言、萩大名「いやいや、さうもおぢやらぬ―のう」。浄瑠璃、菅原伝授手習鑑「ソリヤ道理―な、ドリヤ」。「早くしろ―」「なんだ―」「食べるか―」
い
〔接頭〕
主として動詞に冠し、語調をととのえ、意味を強める。古事記中「―這ひもとほり」
い【斎】
〔接頭〕
忌み清め、けがれのない、神聖な意を表す。「―垣」「―串」
イアーゴ【Iago】
シェークスピアの悲劇「オセロ」の登場人物。虚偽と冷酷な嫉妬の権化ごんげ。
い‐あい【居合】ヰアヒ
片膝を立てて、すばやく刀を抜き放って敵を斬り倒す技。元亀・天正の頃、林崎重信にはじまるという。居合抜いあいぬきともいい、後には大道芸化。
居合
⇒いあい‐ごし【居合腰】
⇒いあい‐し【居合師・坐撃師】
⇒いあい‐ぬき【居合抜】
い‐あい【畏愛】ヰ‥
うやまい親しむこと。
い‐あい【遺愛】ヰ‥
故人が、生前大切にしていたもの。また、後世までのこしたいつくしみ。「―の品」
いあい‐ごし【居合腰】ヰアヒ‥
居合をする時の腰つき。片膝を立てて、腰を浮かす。
⇒い‐あい【居合】
いあい‐し【居合師・坐撃師】ヰアヒ‥
居合を専門にする人。また、それを見世物にする者。いあいとりて。
⇒い‐あい【居合】
いあい‐じ【遺愛寺】ヰ‥
中国江西省の廬山香炉峰の北にある寺。和漢朗詠集「―の鐘は枕を敧そばたてて聴く、香炉峰の雪は簾すだれを撥かかげて看る」(白居易)
いあい‐ぬき【居合抜】ヰアヒ‥
①(→)居合に同じ。
②居合の見世物。江戸時代には薬・歯磨きなどを売りながら人寄せに行なった辻芸。
⇒い‐あい【居合】
い‐あ・う【射合う】‥アフ
〔他五〕
互いに矢を射る。平家物語1「―・ひ切りあひ数剋すこく戦ふ」
い‐あお【位襖】ヰアヲ
位階によって染色の違う襖あお。武官の闕腋けってきの袍ほうをいう。
い‐あか・す【居明かす】ヰ‥
〔他四〕
寝ずにすわって夜をあかす。万葉集2「―・して君をば待たむ」
い‐あく【帷幄】ヰ‥
(「帷」はたれまく、「幄」はひきまくの意)昔、陣営には幕をめぐらしたことから、作戦計画を立てる所。本陣。本営。「―の臣」
⇒いあく‐じょうそう【帷幄上奏】
⇒帷幄に参ず
いあく‐じょうそう【帷幄上奏】ヰ‥ジヤウ‥
明治憲法下、一般の国務外におかれた軍の指揮・統帥に関する事項について、統帥機関たる参謀総長(陸軍)・軍令部総長(海軍)が閣議を経ずに直接天皇に上奏すること。
⇒い‐あく【帷幄】
あんぽ‐とうそう【安保闘争】‥サウ
日米安全保障条約改定反対の闘争。1959〜60年全国的規模で展開された、近代日本史上最大の大衆運動。とりわけ60年の5〜6月は連日数万人がデモ行進し国会を包囲したが、結局条約は改定された。70年にも条約の延長をめぐって反対運動が行われた。
国会前の警官隊とデモ隊 1960年5月20日
提供:毎日新聞社
安保闘争
提供:NHK
⇒あん‐ぽ【安保】
アンホ‐ばくやく【アンホ爆薬】
(ANFO)(→)硝安油剤爆薬に同じ。
あんぽ‐り【安保理】
安全保障理事会の略。
⇒あん‐ぽ【安保】
あんぽん‐たん【安本丹】
(アホタラの撥音化か)
①愚か者をののしっていう語。あほう。ばか。風流志道軒伝「たはけあり、また―の親玉あり」
②(寛政の末江戸に出まわったが、味がよくなかったのでいう)カサゴ(笠子)の俗称。
あん‐ま【按摩】
①身体をもんで筋肉を調整し、血液の循環をよくする療法。もみりょうじ。マッサージ。また、それを業とする人。史記抄「―して身体を玩弄してととのへしむるぞ」。「―を取る」
②(あんまが盲人の業だったことから)俗に、盲人。
⇒あんま‐づり【按摩釣】
⇒あんま‐とり【按摩取】
あん‐まく【暗幕】
室内を暗くするために、外部の光線が入らないよう出入口や窓に張る黒い幕。戦時には室内の光が外に洩れないよう用いた。
アン‐マッチ
(和製語unmatch)二つの物事・事柄が調和しないこと。釣り合わないこと。
あんま‐づり【按摩釣】
ハヤの釣り方の一種。川虫などを餌とし、釣手は下流に向かい、足で川底を摺りながら、竿先を水に突っ込んで前後に動かす。
⇒あん‐ま【按摩】
あんま‐とり【按摩取】
あんまをすること。また、それを業とする人。
⇒あん‐ま【按摩】
あんまり【余】
〔名・副〕
(アマリの撥音化)度を過ぎるさま。度はずれて。浄瑠璃、曾根崎「ほんに又―な」。「―ひどいじゃないか」「―あわてると失敗するぞ」
あん‐まん【餡饅】
小豆に胡麻油やラードなどを加えて作った餡の入った中華饅頭まんじゅう。あんまんじゅう。
餡饅
撮影:関戸 勇
アンマン【‘Ammān】
ヨルダン‐ハシェミット王国の首都。紀元前17世紀以来の古い町で、同国の政治・商業・交通の中心。第一次大戦後トランス‐ヨルダンの首都。人口125万4千(2003)。
アンマン ローマ劇場
撮影:田沼武能
アンミアヌス‐マルケリヌス【Ammianus Marcellinus】
ローマの歴史家。ネルワ帝(五賢帝の一人)以後の約300年を扱った「歴史」31巻を著す。(330頃〜395頃)
あん‐みつ【餡蜜】
(餡蜜豆の略)蜜豆に餡をのせたもの。
あん‐みょう【安名】‥ミヤウ
禅宗で、出家得度の際、戒師が法名を授けること。
あん‐みん【安眠】
安らかに眠ること。「―妨害」
アンミン‐さくたい【アンミン錯体】
〔化〕(ammine complex)アンモニアを配位子とする錯体。配位子としてのアンモニアをアンミンと呼ぶ。テトラ‐アンミン銅(Ⅱ)イオン[Cu(NH3)4]2+の類。
アンメーター【ammeter】
電流の強さがアンペア単位で読めるように目盛った電流計。アンペア計。
あん‐めり
(アルメリ・アリメリの音便。「あめり」とも表記)あるようである。あるらしい。
あん‐めん【暗面】
①光の当たらない、くらい側。
②物事のかくれた醜悪な面。裏面。
あんも【餅】
⇒あも
あん‐もく【暗黙】
意思を外面に表さないこと。だまって言わないこと。「―の了解」「―のうちに通じる」
⇒あんもく‐ち【暗黙知】
あんもく‐ち【暗黙知】
〔哲〕(tacit knowledge)M.ポランニーの用語。顔の認知や自転車の運転のように、明確に言葉で表現することが困難な直観的・身体的・技能的な知識をいう。科学的創造において重要とされる。
⇒あん‐もく【暗黙】
あん‐もち【餡餅】
餡をまぶし、または餡を中に入れた餅。あんころもち。
アンモナイト【ammonite】
軟体動物頭足類のアンモナイト亜綱に属する化石動物の総称。古生代のデボン紀から中生代末まで生存。特に中生代に繁栄し、その種類は多数。殻の構造はオウムガイに似て、大きなものは直径2メートルに及ぶ。アンモン貝。菊石類。
アンモナイト
アンモナイト
撮影:冨田幸光
アンモニア【ammonia・安母尼亜】
分子式NH3 窒素と水素との化合物で、刺激性の悪臭ある無色の気体。水によく溶け、アルカリ性。窒素と水素から合成して得られる。硝酸・肥料などの製造や冷凍・製氷用冷媒に用いる。→アンモニア合成法。
⇒アンモニア‐かせいさよう【アンモニア化成作用】
⇒アンモニア‐ごうせい‐ほう【アンモニア合成法】
⇒アンモニア‐すい【アンモニア水】
⇒アンモニア‐ソーダ‐ほう【アンモニア曹達法】
⇒アンモニア‐れいとう‐ほう【アンモニア冷凍法】
アンモニア‐かせいさよう【アンモニア化成作用】‥クワ‥
蛋白質の分解などで生じた含窒素有機物が、土壌微生物の作用によって分解され、アンモニアとなる作用。植物の生育に重要。
⇒アンモニア【ammonia・安母尼亜】
アンモニア‐ごうせい‐ほう【アンモニア合成法】‥ガフ‥ハフ
窒素と水素を混合して、適当な温度で高い圧力を加え、触媒を用いてアンモニアを合成する方法。発明者の名に因んでハーバー‐ボッシュ法ともいう。
⇒アンモニア【ammonia・安母尼亜】
アンモニア‐すい【アンモニア水】
アンモニアの水溶液。無色で弱アルカリ性、アンモニア臭がある。試薬・医薬用。
⇒アンモニア【ammonia・安母尼亜】
アンモニア‐ソーダ‐ほう【アンモニア曹達法】‥ハフ
工業的に炭酸ナトリウムを製する方法。食塩の冷濃水溶液中にアンモニアを飽和させ、これに圧力を加えて二酸化炭素を通じ、沈殿した炭酸水素ナトリウムを分離・加熱すれば炭酸ナトリウムを得る。1863年ソルヴェーが創始。ソルヴェー法。
⇒アンモニア【ammonia・安母尼亜】
アンモニア‐れいとう‐ほう【アンモニア冷凍法】‥ハフ
アンモニアが蒸発する際、多量の気化熱を周囲から奪う性質を利用した冷凍法。
⇒アンモニア【ammonia・安母尼亜】
アンモニウム【ammonium】
1価の陽性基。種々の陰イオンと塩類を生ずる。化学式‐NH4
あんもら【菴没羅】
(→)菴羅あんらに同じ。
あん‐もん【案文】
⇒あんぶん。〈日葡辞書〉
あん‐もん【案問・按問】
調べたずねること。吟味。
アンモン‐がい【アンモン貝】‥ガヒ
(→)アンモナイトに同じ。
アンモン‐かく【アンモン角】
〔医〕(Ammon's horn)(→)海馬3の別称。その形が古代エジプトの神アモンの角つのに似ているとして命名。
あん‐や【暗夜・闇夜】
くらい夜。やみよ。
⇒あんや‐の‐つぶて【暗夜の礫】
あん‐やく【暗躍】
人に知れないように活動すること。ひそかに策動すること。暗中飛躍。「裏面で―する」
あんやこうろ【暗夜行路】‥カウ‥
小説。志賀直哉作。1921年(大正10)から37年(昭和12)まで「改造」に継続連載。母の過失で生まれ、成人後、妻の過失に苦しむ時任ときとう謙作が、調和的な心境に到達するまでの苦悩を描く。日本心境小説の代表作。
→文献資料[暗夜行路]
あんや‐の‐つぶて【暗夜の礫】
不意に加えられる襲撃。防ぎがたいことにたとえる。
⇒あん‐や【暗夜・闇夜】
あん‐ゆ【暗喩】
(→)隠喩に同じ。
あんよ
(幼児語)
①足。
②歩くこと。「―は上手」
あんよう【安陽】‥ヤウ
(Anyang)中国河南省北部の商工業都市。交通の要衝。北西郊に殷墟がある。旧称、彰徳。人口76万9千(2000)。
あん‐よう【安養】‥ヤウ
⇒あんにょう
あんら【菴羅・奄羅】
(梵語āmra)マンゴーのこと。きわめて美味な果実として、仏典にしばしば出てくる。菴没羅あんもら。菴摩羅あんまら。
⇒あんら‐おん【菴羅園】
アンラ【UNRRA】
(United Nations Relief and Rehabilitation Administration)連合国救済復興機関。南ヨーロッパおよびアジアの一部を対象として、第二次大戦の戦災復興のために設置された援助機関。1943年設置。ヨーロッパでの活動は47年、アジアでの活動は49年に終了。→ガリオア→エロア
あんら‐おん【菴羅園】‥ヲン
中インドのヴァイシャーリーにあった園林。釈尊はここで維摩ゆいま経などを説いたと伝える。菴没羅園。菴摩羅樹園。
⇒あんら【菴羅・奄羅】
あん‐らく【安楽】
心身に苦痛がなく楽々としていること。「―に暮らす」「―な境遇」
⇒あんらく‐いす【安楽椅子】
⇒あんらく‐こく【安楽国】
⇒あんらく‐し【安楽死】
⇒あんらく‐せかい【安楽世界】
⇒あんらく‐りつ【安楽律】
あんらく‐あん【安楽庵】
安楽庵策伝の茶室の名。
⇒あんらくあん‐ぎれ【安楽庵裂】
⇒あんらくあん‐さくでん【安楽庵策伝】
あんらくあん‐ぎれ【安楽庵裂】
安楽庵策伝所蔵の袈裟裂ぎれ類の総称。
⇒あんらく‐あん【安楽庵】
あんらくあん‐さくでん【安楽庵策伝】
江戸初期の浄土僧・茶人・笑話作者。落語の祖といわれる。京都誓願寺竹林院の住持。のち、寺域に茶室安楽庵を結ぶ。「醒睡笑」を著して京都所司代板倉重宗に呈した。(1554〜1642)
→文献資料[醒睡笑]
⇒あんらく‐あん【安楽庵】
あんらく‐いす【安楽椅子】
休息用のひじ掛け椅子。普通の椅子より大きく、スプリングをきかせ、よりかかりがあるもの。
⇒あん‐らく【安楽】
あんらく‐こく【安楽国】
極楽浄土のこと。安楽浄土。安楽世界。日葡辞書「アンラッコク」
⇒あん‐らく【安楽】
あんらく‐し【安楽死】
助かる見込みのない病人を、本人の希望に従って、苦痛の少ない方法で人為的に死なせること。
⇒あん‐らく【安楽】
あんらく‐じ【安楽寺】
長野県上田市にある曹洞宗の寺。寺の後方にある八角三重塔は室町初期の建立で、日本に現存する唯一の八角塔遺構。安楽護聖禅寺。
あんらくしゅう【安楽集】‥シフ
〔仏〕唐の道綽どうしゃくが観無量寿経を解釈した書。2巻。仏教を聖道しょうどう門と浄土門の二門に区分し、問答形式で安楽浄土について解明する。弟子の善導に大きな影響を与えた。
あんらく‐せかい【安楽世界】
(→)安楽国に同じ。
⇒あん‐らく【安楽】
あんらく‐りつ【安楽律】
〔仏〕比叡山の僧侶も梵網戒以外に小乗二百五十戒をもあわせ修めるべきだとする新たな戒律。僧風刷新のため妙立(1637〜1690)や霊空(1652〜1739)らによって主張された。比叡山の安楽院が拠点になったのでいう。天台律宗とも。
⇒あん‐らく【安楽】
アンラッキー【unlucky】
不運。「―な出会い」↔ラッキー
あん‐り【行履】
禅宗で、日常一切の行為。
アンリ【Henri】
(フランス語の男子名。英語のヘンリーに当たる)(4世)フランス王。ブルボン王朝の始祖。はじめユグノーの首領、のち旧教に改宗して1589年即位。98年ナントの勅令でユグノーに信仰の自由を認めた。王権の強化を図ったが、暗殺された。(1553〜1610)
あん‐りゅう【暗流】‥リウ
表面にあらわれない流れ・動き。
あん‐りょくしょく【暗緑色】
黒みを帯びたみどり色。
あん‐るい【暗涙】
人知れず流す涙。心の中で泣く涙。「―にむせぶ」
あん‐ろく【行録】
(アンは唐音)
⇒こうろく
あん‐ろくざん【安禄山】
唐代の武将。胡人。玄宗に愛され平盧・范陽・河東の3節度使を兼任。また楊貴妃と結んでその養子となる。宰相楊国忠と権力を争い、755年、挙兵して洛陽を攻略、長安にせまり、大燕皇帝と自称したが、子の慶緒に殺された。(705〜757)
あんわ【安和】
(年号)
⇒あんな
い
①母音の一つ。くちびるを平たく開き、舌の先を下方に向け、前舌面を高めて硬口蓋に接近させ、声帯を振動させて発する。〔i〕 五十音図ではア行・ヤ行に重出するが、発音に違いはない。
②平仮名「い」は「以」の草体。片仮名「イ」は「伊」の偏。
い【イ】
異本(一本)の略号。校合した異本の語句を傍注する時に用いる符号。
い【五】
いつつ。五ご。
い【五十】
ごじゅう。いそ。皇極紀「―の兵士いくさびと」
い【井・堰】ヰ
①泉または流水から用水を汲み取る所。常陸風土記「社もりの中に寒泉しみずあり。大―と謂ふ」
②地を掘り下げて地下水を汲み取る所。井戸いど。常陸風土記「新に―を掘らしめしに、出泉いずみ浄く香かぐわしく」
③《堰》(→)「いせき(堰)」に同じ。
⇒井の中の蛙大海を知らず
い【亥】ヰ
①十二支の一つで、最後に位するもの。動物では、猪に当てる。
②北から西へ30度の方角。→方位(図)。
③昔の時刻の名。今の午後10時ごろ。また、およそ午後9時から11時のあいだの時刻。→時とき
い【居】ヰ
①すわること。いること。また、その所。「起たち―振舞」「長―」
②(接尾語的に)存在すること。存在する所。「雲―」「田―」「宮―」
い【胆】
胆嚢たんのう。〈倭名類聚鈔3〉。「熊の―」
い【猪・豬・豕】ヰ
イノシシ・ブタの総称。特に、イノシシ。後拾遺和歌集恋「苅藻かき臥す―の床の」
い【寝】
ねること。ねむり。(「―を寝ぬ」といういいかたが多い)源氏物語明石「昼は日一日―をのみ寝暮し」。「熟寝うまい」
⇒寝も寝られず
い【網】
クモの糸・巣。〈色葉字類抄〉
い【藺】ヰ
イグサ科の多年草。湿地に自生。また水田に栽培。地下茎をもつ。茎は地上約1メートル、中に白色の髄がある。葉は退化し、茎の基部で褐色の鞘となる。5〜6月頃、茎の先端に花穂をつけ、その上部に茎のように伸びるのは苞。花は小さく緑褐色。茎は畳表・花筵はなむしろ、髄は灯心とうしんとする。イグサ。トウシンソウ。〈[季]夏〉。〈新撰字鏡7〉
い
い【伊】
①伊賀国の略。
②伊太利イタリアの略。
い【夷】
[礼記王制「東方を夷と曰う」]東方の未開の異民族。えびす。
⇒夷を以て夷を制す
い【衣】
(呉音はエ)身にまとうもの。きもの。ころも。
い【位】ヰ
①人・事物のある場所。また、神霊のやどるところ。
②くらい。身分。席次。「名人―」
③(接尾語的に用いて)
㋐くらいを示す。「正三―」
㋑等級・順番・程度を示す。「首―」
㋒人に対する敬称。「各―」
㋓死者の霊を数える語。「英霊百―」
㋔計算上のくらい取り。「百―の数」
→くらい(位)
い【囲】ヰ
太さをはかる語。
㋐両手の親指と人差指どうしを合わせて作った長さ。
㋑ひとかかえ。およそ6尺ぐらい。
い【医】
病をなおす人。くすし。「主治―」
⇒医は仁術なり
い【委】ヰ
委員会の略。「中労―」
い【易】
⇒えき(易)
い【威】ヰ
人をおそれ従わせる勢い・力・品格。「―をもって示す」
⇒威ありて猛からず
⇒威を振るう
い【胃】ヰ
①内臓の一つ。消化管の主要部。上方は食道に、側方は腸に連なり、形は嚢状で、横隔膜の下、肝臓の下方に横たわる。壁は粘膜・平滑筋層・漿膜から成り、最内層の粘膜には胃腺があって、胃液を分泌し食物の消化にあたる。鳥類や一部の哺乳類では2ないし4室に分かれる。いぶくろ。→内臓(図)。
②二十八宿の一つ。胃宿。えきえぼし。
い【為】ヰ
箏の手前から2番目の弦。
い【尉】ヰ
①中国の官名。秦・漢代には軍事・警察を職とする官。太尉・都尉・校尉など。唐の県尉は県の司法・経済等をつかさどる文官。宋では治安維持に当たった。
②旧軍隊・自衛隊の階級の一つ。「少―」
→じょう(尉)
い【帷】ヰ
たれまく。たれぎぬ。とばり。
⇒帷を下す
い【移】
律令制で上下関係のない同格の官司の間に取り交わした公文書。正倉院に天平(729〜749)年間のものが多く伝存する。平安時代にはほとんど「牒」の形式に代わる。移文うつしぶみ。
い【異】
①ことなること。変わった点があること。別なこと。「―とするに足らぬ」「―文化」↔同。
②普通とは違って怪しいこと、妙なこと。また、すぐれていること。「縁は―な物、味な物」
③正統ではないこと。
⇒異を挟む
⇒異を立てる
⇒異を唱える
い【意】
①心。心の動き。考え。気持。「―を決する」
②物事の内容。わけ。
③〔仏〕(梵語manas)広義では思考活動一般。狭義では感覚的ではない、抽象的な知覚能力。
⇒意到りて筆随う
⇒意とする
⇒意に中る
⇒意に介しない
⇒意に適う
⇒意に染まない
⇒意に満たない
⇒意を致す
⇒意を受ける
⇒意を得る
⇒意を酌む
⇒意を体する
⇒意を通ずる
⇒意を尽くす
⇒意を強くする
⇒意を迎える
⇒意を用いる
い【緯】ヰ
①織物のよこいと。ぬき。よこ。
②東西の方向。「―度」
↔経けい
い【彝】
中国で宗廟の祭に常用した銅器。鐘・鼎の類。
⇒彝を秉る
い【汝】
〔代〕
(「し(其)」と同源という。助詞「が」を伴う)相手を低く見て指す語。おまえ。なんじ。古事記中「―が作り仕へまつれる大殿の」
い
〔助詞〕
➊(間投助詞)(上代語。平安時代は訓読語の中でのみ使われた。体言や活用語の連体形の下に付いて)その語を強くきわだたせる。古事記中「くぶつつ―石つつ―持ち」。万葉集4「わが背子があとふみ求め追ひ行かば紀の関守―とどめてむかも」。万葉集10「青柳の糸のくはしさ春風に乱れぬ―間に見せむ子もがも」
➋(終助詞)(ヤからエを経て、あるいはヨから転じたとされる)
①(名詞に添えて)呼びかけを表す。…よ。浄瑠璃、難波丸金鶏「コレとと様―のふ、とと様と、ゆすれど甲斐もなきがらを」
②命令・疑問・断定など種々の文の終りに付いて語勢を添える。口語では主として男性が遠慮のない態度で話すとき使う。狂言、萩大名「いやいや、さうもおぢやらぬ―のう」。浄瑠璃、菅原伝授手習鑑「ソリヤ道理―な、ドリヤ」。「早くしろ―」「なんだ―」「食べるか―」
い
〔接頭〕
主として動詞に冠し、語調をととのえ、意味を強める。古事記中「―這ひもとほり」
い【斎】
〔接頭〕
忌み清め、けがれのない、神聖な意を表す。「―垣」「―串」
イアーゴ【Iago】
シェークスピアの悲劇「オセロ」の登場人物。虚偽と冷酷な嫉妬の権化ごんげ。
い‐あい【居合】ヰアヒ
片膝を立てて、すばやく刀を抜き放って敵を斬り倒す技。元亀・天正の頃、林崎重信にはじまるという。居合抜いあいぬきともいい、後には大道芸化。
居合
⇒いあい‐ごし【居合腰】
⇒いあい‐し【居合師・坐撃師】
⇒いあい‐ぬき【居合抜】
い‐あい【畏愛】ヰ‥
うやまい親しむこと。
い‐あい【遺愛】ヰ‥
故人が、生前大切にしていたもの。また、後世までのこしたいつくしみ。「―の品」
いあい‐ごし【居合腰】ヰアヒ‥
居合をする時の腰つき。片膝を立てて、腰を浮かす。
⇒い‐あい【居合】
いあい‐し【居合師・坐撃師】ヰアヒ‥
居合を専門にする人。また、それを見世物にする者。いあいとりて。
⇒い‐あい【居合】
いあい‐じ【遺愛寺】ヰ‥
中国江西省の廬山香炉峰の北にある寺。和漢朗詠集「―の鐘は枕を敧そばたてて聴く、香炉峰の雪は簾すだれを撥かかげて看る」(白居易)
いあい‐ぬき【居合抜】ヰアヒ‥
①(→)居合に同じ。
②居合の見世物。江戸時代には薬・歯磨きなどを売りながら人寄せに行なった辻芸。
⇒い‐あい【居合】
い‐あ・う【射合う】‥アフ
〔他五〕
互いに矢を射る。平家物語1「―・ひ切りあひ数剋すこく戦ふ」
い‐あお【位襖】ヰアヲ
位階によって染色の違う襖あお。武官の闕腋けってきの袍ほうをいう。
い‐あか・す【居明かす】ヰ‥
〔他四〕
寝ずにすわって夜をあかす。万葉集2「―・して君をば待たむ」
い‐あく【帷幄】ヰ‥
(「帷」はたれまく、「幄」はひきまくの意)昔、陣営には幕をめぐらしたことから、作戦計画を立てる所。本陣。本営。「―の臣」
⇒いあく‐じょうそう【帷幄上奏】
⇒帷幄に参ず
いあく‐じょうそう【帷幄上奏】ヰ‥ジヤウ‥
明治憲法下、一般の国務外におかれた軍の指揮・統帥に関する事項について、統帥機関たる参謀総長(陸軍)・軍令部総長(海軍)が閣議を経ずに直接天皇に上奏すること。
⇒い‐あく【帷幄】
あん‐の‐じょう【案の定】‥ヂヤウ🔗⭐🔉
あん‐の‐じょう【案の定】‥ヂヤウ
(多く副詞的に)思ったとおり。予期したとおり。はたして。浮世床2「わんぐりと食つたが因果―番木鼈まちんであつた」。「―雨になった」「―の結末」
あん‐の‐ほか【案の外】🔗⭐🔉
あん‐の‐ほか【案の外】
思いの外。案外。今昔物語集25「今日の内に寄りて責めむこそ彼の奴は―にて迷まどはめ」
あん‐ばい【塩梅・按排・按配】🔗⭐🔉
あん‐ばい【塩梅・按排・按配】
(「塩梅」(アンバイ)はエンバイの転で、「按排」「按配」とは本来別系統の語であるが、混同して用いる。「案配」は代用字)
①塩と梅酢で調味すること。一般に、料理の味加減を調えること。また、その味加減。「―を見る」
②物事のほどあい。かげん。特に、身体の具合。「いい―に会えた」「―が悪くて寝ている」
③ほどよく並べたり、ほどよく処理したりすること。「材料をうまく―して話す」「仕事の―を考える」
⇒あんばい‐ず【塩梅酢】
あん‐ぶん【按分・案分】🔗⭐🔉
あん‐ぶん【按分・案分】
基準となる数量に比例した割合で物を割り振ること。
⇒あんぶん‐ひれい【按分比例】
あん‐ぶん【案文】🔗⭐🔉
あん‐ぶん【案文】
(アンモンとも)
①文章を考えること。
②したがきの文書。一つの案として作った文章。「演説の―」
③文書の写し。複本。特に、正文しょうもんと同等の効力を持つ写し。
あん‐もん【案問・按問】🔗⭐🔉
あん‐もん【案問・按問】
調べたずねること。吟味。
かかし【案山子・鹿驚】🔗⭐🔉
かかし【案山子・鹿驚】
(カガシとも。「嗅がし」の意か)
①獣肉などを焼いて串に貫き、田畑に刺し、その臭をかがせて鳥獣を退散させたもの。焼串やいぐし。焼釣やいづり。
②竹や藁わらなどで人の形を造り、田畑に立てて、鳥獣が寄るのをおどし防ぐもの。とりおどし。〈[季]秋〉。日葡辞書「カガシ」
③みかけばかりもっともらしくて役に立たない人。みかけだおし。
⇒かかし‐あげ【案山子揚げ】
⇒かかし‐ひき【案山子引き】
かかし‐あげ【案山子揚げ】🔗⭐🔉
かかし‐あげ【案山子揚げ】
長野県の一部で行われる農事の祭。10月10日に(→)案山子2を田から移し庭先に立てて祭る。かかしひき。そめの正月。〈[季]冬〉
⇒かかし【案山子・鹿驚】
かかし‐ひき【案山子引き】🔗⭐🔉
かかし‐ひき【案山子引き】
(→)「かかしあげ」に同じ。
⇒かかし【案山子・鹿驚】
かがせ【案山子】🔗⭐🔉
かがせ【案山子】
カカシの訛。浄瑠璃、吉野都女楠「片手をのべ、一突きつけば、こがらしに―の倒るる如くにて」
そおず【案山子】ソホヅ🔗⭐🔉
そおず【案山子】ソホヅ
(ソホドの転)かかし。古今和歌集雑体「あしひきの山田の―」
そおど【案山子】ソホド🔗⭐🔉
そおど【案山子】ソホド
(ソホヅの古形)かかし。古事記上「くえびこは今に山田の―といふぞ」
そほず【案山子】ソホヅ🔗⭐🔉
そほず【案山子】ソホヅ
⇒そおず
つくえ【机・案】🔗⭐🔉
つくえ【机・案】
(もと歴史的仮名遣ツクヱとされたが、平安初期にツクエの例があり、ヤ行のエが古形と認められる)
①飲食の器物をのせる台。食卓。万葉集16「高坏たかつきに盛り―に立てて母に奉まつりつや」。願経四分律古点平安初期点「銅盤、若は案ツクエ、若は机たかつくえを用ゐて」
②書を読み、字を書くのに用いる台。ふづくえ。「―を並べた仲」
⇒つくえ‐しろ【机代】
⇒つくえしろ‐の‐もの【机代の物】
⇒つくえ‐つ‐もの【机つ物】
[漢]案🔗⭐🔉
案 字形
筆順
〔木部6画/10画/教育/1638・3046〕
〔音〕アン(呉)(漢)
[意味]
①つくえ。台。「案下・机案」
②考えをめぐらす。
㋐工夫して考える。念をおして調べる。(同)按。「つらつら案ずるに」「案出・思案・勘案」
㋑気づかう。「案ずるより産むが易やすし」「彼の健康を案じて」
㋒予想。「案の定じょう」「案に相違して」「案外」
③あれこれ考えた計画。「案をねる」「立案・妙案・腹案」
④文書の下書き。草稿。「案文・草案・図案・答案・改正案」
[解字]
形声。音符「安」(=おちつける)+「木」。物をのせる台、つくえの意。
[下ツキ
該案・学案・勘案・几案・机案・起案・議案・教案・玉案・具案・愚案・懸案・検案・原案・公案・考案・思案・私案・試案・事案・新案・図案・成案・素案・創案・草案・対案・代案・断案・提案・檔案・答案・廃案・発案・腹案・文案・法案・翻案・妙案・名案・立案・良案
[難読]
案山子かかし・かがし
筆順
〔木部6画/10画/教育/1638・3046〕
〔音〕アン(呉)(漢)
[意味]
①つくえ。台。「案下・机案」
②考えをめぐらす。
㋐工夫して考える。念をおして調べる。(同)按。「つらつら案ずるに」「案出・思案・勘案」
㋑気づかう。「案ずるより産むが易やすし」「彼の健康を案じて」
㋒予想。「案の定じょう」「案に相違して」「案外」
③あれこれ考えた計画。「案をねる」「立案・妙案・腹案」
④文書の下書き。草稿。「案文・草案・図案・答案・改正案」
[解字]
形声。音符「安」(=おちつける)+「木」。物をのせる台、つくえの意。
[下ツキ
該案・学案・勘案・几案・机案・起案・議案・教案・玉案・具案・愚案・懸案・検案・原案・公案・考案・思案・私案・試案・事案・新案・図案・成案・素案・創案・草案・対案・代案・断案・提案・檔案・答案・廃案・発案・腹案・文案・法案・翻案・妙案・名案・立案・良案
[難読]
案山子かかし・かがし
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