【円】 4画　冂部　［一年］ 区点=1763　16進=315F　シフトJIS=897E 【圓】旧字旧字 13画　囗部 区点=5204　16進=5424　シフトJIS=9AA2 《常用音訓》エン／まる…い 《音読み》　エン（ン）〈yun〉 《訓読み》　まる／まるい（まるし）／まどか（まどかなり）／まったし／えん（ゑん） 《名付け》　かず・つぶら・のぶ・まど・まどか・まる・みつ 《意味》 ｛名｝まる。まるい形。〈同義語〉→圜エン。〈対語〉→方・→角。「円心」「方円之器」 ｛形｝まるい（マルシ）。まどか（マドカナリ）。かどのとれたさま。まるいさま。〈同義語〉→圜エン。「円満」「円通」「辞家見月両回円＝家ヲ辞シテ見ル月ノ両回円カナルヲ」〔→岑参〕 ｛形｝まったし。欠けた所がないさま。まるくまとまるさま。「於名教復円矣＝名教ニ於イテ復タ円シ」〔→杜子春〕 ｛名｝一平面上で、一定点から等距離にある点の軌跡。また、それに囲まれた平面。 〔国〕えん（ン）。貨幣の単位。一円は百銭に当たる。「一円」とは、その地域一帯。「関東一円」 《解字》 会意兼形声。員イン・ウンは「○印＋鼎（かなえ）」の会意文字で、まるい形の容器を示す。圓は「囗（かこい）＋音符員」で、まるいかこい。→員 《単語家族》 圏ケン（まるくとり巻く）園（周囲をとり巻いた庭）宛エン（まるくかがむ）丸環カン（まるい輪）などと同系。また圜エン・カン（まるく囲む）とも縁が近い。 《異字同訓》 まるい。→丸 《熟語》 →熟語 →下付・中付語 →故事成語 →主要人名

【円円】 エンエン まるい形をしているさま。まんまる。

【円影】 エンエイ ＝円景。まるい形の影。月のこと。「円景光未満＝円景光未ダ満タズ」〔→曹植〕▽「影」は、光。

【厭厭】 エンエン やすらかでもの静かなさま。「厭厭良人、秩秩徳音＝厭厭タル良キ人ヨ、秩秩タル徳音ヨ」〔→詩経〕草木などの伸びる勢いの盛んなさま。ちらちらと見え隠れするさま。〔→漢書〕

【園苑】 エンエン 庭園。

【奄奄】 エンエン 息がたえだえなさま。「劉日薄西山、気息奄奄＝劉ガ日西山ニ薄リテ、気息奄奄タリ」〔→李密〕暗いさま。

【娟娟】 エンエン・ケンケン ちらほらと見えるさま。すきまから見えるけしき、月の光、ちょうの姿、女性のうつくしく繊細な姿などを形容することば。「跨馬月娟娟＝馬ニ跨レバ月ハ娟娟タリ」〔→梅尭臣〕

【婉婉】 エンエン しなやかに、曲がりくねっているさま。「駕八竜之婉婉兮＝八竜ノ婉婉タルヲ駕ス」〔→楚辞〕すなおなさま。「婉婉婦且少＝婉婉トシテ婦ハカツ少シ」〔→王安石〕まるみがあって美しいさま。

【宛延】 エンエン ＝婉延・蜿蜒。うねうねと長く続くさま。

【宛宛】 エンエン うねうねと長く続くさま。柔らかいさま。

【宴安】 エンアン 落ち着いてくつろいでいる。〈同義語〉燕安。

【宴筵】 エンエン 宴会の席。『宴席エンセキ』

【延引】 エンイン・エンニン 物事が予定より長びく。物事を予定よりひきのばす。ひき入れる。導き入れる。

【延安】 エンアン 地名。陝西センセイ省北部山岳地帯にある県。日中戦争のとき、中国共産党の根拠地。

【延延】 エンエン 長く続くさま。「延延離又属＝延延トシテ離レテ、マタ属ル」〔→韓愈〕多いさま。ノビノビ〔国〕期日などが、あとへあとへと遅れる。

【悁悁】 エンエン 心がはればれしないさま。心が結ぼれるさま。〔→詩経〕

【掩咽】 エンエツ 顔をおおってむせび泣く。

【掩掩】 エンエン においが発散せず、あたりにたちこめるさま。

【掩翳】 エンエイ おおいかくす。

【援引】 エンイン 証拠として引用する。味方にひき入れる。

【檐雨】 エンウ ＝簷雨エンウ。のきに降りかかる雨。

【涎涎】 センセン 表面がぬれたようにつやがでているさま。エンエン 水が長々と流れるさま。

【淵旨】 エンシ 奥深い意味。『淵意エンイ』

【淵淵】 エンエン 深く静かなさま。〔→中庸〕鼓をたたく音の形容。

【演繹】 エンエキ 意味をおしひろめて説明すること。敷衍フエン。「更互演繹、作為此書＝更互演繹シテ、此ノ書ヲ作為ス」〔→朱熹〕一般的な原理をおしのばして特殊の事理を導き出すこと。また、そのような考え方。〈対語〉帰納。「演繹法」

【炎炎】 エンエン →〈意味〉ひどく暑いさま。美しく光り輝くさま。美しくて盛んなさま。タンタンとも読む。

【焉烏】 エンウ「焉」と「烏」の字のように、字が似ていてまちがいやすいこと。

【煙雨】 エンウ けむったようにかすんで降る雨。「秋菱葉爛煙雨晴＝秋ノ菱ノ葉ハ爛チテ煙雨ハ晴ル」〔→高啓〕

【煙炎】 エンエン 煙と炎。消えかかっているわずかな火。『煙焔エンエン』

【煙塵】 エンジン 煙と、ほこり。『煙埃エンアイ』兵馬が激しく往来するためにまきおこるつちぼこり。「九重城闕煙塵生＝九重ノ城闕煙塵生ズ」〔→白居易〕転じて、戦乱のこと。

【燕婉】 エンエン 女性が美しくあでやかなこと。物事のようすがおだやかですなおなこと。

【燕燕】 エンエン くつろぎいこうさま。〈同義語〉宴宴。つばめのこと。「燕燕于飛、差池其羽＝燕燕ハユキ飛ブニ、ソノ羽ヲ差池ニス」〔→詩経〕

【簷雨】 エンウ のきばに降りかかる雨。

【簷楹】 エンエイ のきの柱。「簷楹挂星斗、枕席響風水＝簷楹ニ星斗挂カリ、枕席ニ風水響ク」〔→李白〕

【簷燕】 エンエン のきばにいるつばめ。「簷燕語還飛＝簷燕語リテマタ飛ブ」〔→李白〕

【縁】 人名に使える旧字 15画　糸部　［常用漢字］ 区点=1779　16進=316F　シフトJIS=898F 《常用音訓》エン／ふち 《音読み》　エン〈yun〉 《訓読み》　ふち／へり／よる／よって／えにし／えん 《名付け》　まさ・むね・やす・ゆか・ゆかり・よ・よし・より 《意味》 ｛名｝ふち。へり。布や飾りなどのわきに垂れたはし。物のへり。▽去声に読む。〈類義語〉→端・→辺。「辺縁（へり）」 ｛動｝よる。へりからもとへたどる。手がかりによって何かをさぐる。手づるにそって進む。▽以下、平声に読む。〈類義語〉→因（よる）・→沿（そう）。「縁渓行＝渓ニ縁リテ行ク」「猶縁木而求魚也＝ナホ木ニ縁リテ魚ヲ求ムルガゴトシ」〔→孟子〕 ｛前｝よって。それがきっかけで。原因となって。〈類義語〉→因。「縁愁似箇長＝愁ヒニ縁ツテ箇クノゴトク長シ」〔→李白〕 ｛名｝えにし。手づる。つながり。「人縁（人どうしのつながり）」「姻縁インエン（結婚によるつながり）」「由縁ユエン（いわれ）」 ｛名｝〔仏〕ある原因、ある条件からある結果を生じる外的条件。▽内的原因を因という。「因縁インネン」 〔国〕えん。家のはしに出たえんがわ。 《解字》 会意兼形声。彖タンは、豕シ（ぶた）の字の上に特に頭を描いた象形文字で、腹の垂れ下がったぶた。豚トンと同系のことば。縁は「糸＋音符彖」で、布のはしに垂れ下がったふち。→彖 《単語家族》 椽テン（家の棟ムネから両わきに垂れ下がったたるき）篆テン（へりの垂れ下がった字体）端タン（垂れたはし）などと同系。 《参考》 人名に旧字使用可。旧字の総画数は15画。 《熟語》 →熟語 →下付・中付語

【羨溢】 センイツ・エンイツ あまりあふれる。あまるほどたくさんあること。

【蜿蜒】 エンエン →〈意味〉屈曲しながらうねうねと長く続くさま。

【衍盈】 エンエイ あまるほど満ちる。いっぱいある。〈類義語〉盈衍エイエン。

【衍衍】 エンエン 水が長くながれていくさま。

【衍溢】 エンイツ 川の水などが満ちあふれる。〈類義語〉充衍ジュウエン。

【衍繹】 エンエキ 原則、または語句や意味をおし広げて明らかにする。パラフレーズ。〈同義語〉演繹。

【遠因】 エンイン 近因に対して、遠い原因。間接の原因のこと。

【遠胄】 エンチュウ はるか後の子孫。『遠孫エンソン・遠裔エンエイ』

【遠意】 エンイ 遠くにいる人の、故郷や友人をなつかしく思う気持ち。「裂素写遠意＝素ヲ裂キテ遠意ヲ写ス」〔→李白〕昔の人の気持ち。遠くにいる人のことや遠くの地方のことを思う。また、その気持ち。

【遠瑩】 エンエイ 遠くから届く美しい輝き。▽物の美しい彩りをあらわす。「瑩」は、美しい玉石。

【遠影】 エンエイ 遠くにあって、影のようにかすかに見える人や物。「孤帆遠影碧空尽＝孤帆ノ遠影碧空ニ尽ク」〔→李白〕

【閹尹】 エンイン ＝奄尹。宦官カンガンの長。

【黶翳】 エンエイ くらくおおわれたさま。ものさびしいさま。