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そら【空】🔗🔉

そら】 [一]〔名〕 (上空が穹窿きゅうりゅう状をなしてそっていることからか) ①地上に広がる空間。地上から見上げる所。天。おおぞら。虚空こくう。空中。万葉集9「雁がねの聞ゆる―に」。「―に浮かぶ雲」「青い―」「―の星」 ②空模様。天候。時節。後撰和歌集「大方の秋の―だにわびしきに」。枕草子106「―寒み花にまがへて散る雪に」。「―があやしい」「男心と秋の―」 ③落ち着く所のない、不安定な状況。竹取物語「旅の―に助け給ふべき人もなきところに」。「若い身―」 ④心が動揺し落ち着かないこと。放心。また、一つに決めかねている心境。万葉集11「心―なりつちは踏めども」。宇津保物語俊蔭「今更に、おもひ給へかへらん―も恥かしう」。「うわの―」「生きた―もない」 ⑤根拠のないこと。当て推量すること。うそ。貫之集「まだねぬ人を―に知るかな」。「―疑い」「―を吐く」 ⑥無益なこと。かいのないこと。古今和歌集「ほととぎす鳴く音―なる恋もするかな」 ⑦暗記。暗誦。枕草子191「六の巻―に読む」。「―で言う」 ⑧うえ。てっぺん。狂言、柿山伏「犬が何として木の―へ登つたことぢや知らぬ」 [二]〔接頭〕 「何となく」「しても効果がない」「偽りの」「真実の関係がない」などの意を表す。「―おそろしい」「―だのみ」「―寝」「―耳」「他人の―似」 ⇒空聞かず ⇒空知らず ⇒空知らぬ雨 ⇒空飛ぶ鳥も落とす ⇒空に標結う ⇒空に知られぬ雪 ⇒空に三つ廊下 ⇒空吹く風と聞き流す ⇒空を歩む ⇒空を使う

そ‐ら(それは)🔗🔉

そ‐ら ソレハの約。「―何だ。見せてくれ」

そら(助詞)🔗🔉

そら 〔助詞〕 (スラの転か)一つの事柄を例示して他を類推させる。主として平安時代の漢文訓読口調に用いた。栄華物語鶴林「不生不滅の仏―猶愛別離苦・無去無来を離れ給はず」

そら【其】🔗🔉

そら】 〔感〕 (ソレの転)指示して注意を促す語。それ。そりゃ。「―見ろ」

そら‐あい【空合い】‥アヒ🔗🔉

そら‐あい空合い‥アヒ ①空の様子。空模様。 ②転じて、事のなりゆき。

そら‐あわせ【空合せ】‥アハセ🔗🔉

そら‐あわせ空合せ‥アハセ 根拠のない夢判断。でたらめの夢合せ。蜻蛉日記「さればよ、これが―にあらず」

そ‐らい【徂徠】🔗🔉

そ‐らい徂徠】 ゆきき。往来。

そらい‐がくは【徂徠学派】🔗🔉

そらい‐がくは徂徠学派】 荻生徂徠を祖とする学派。→古文辞こぶんじ ⇒そらい【徂徠】

そら‐いき【空行き】🔗🔉

そら‐いき空行き】 行くふりをすること。そらゆき。宇治拾遺物語2「―をして伺ふ夜にてぞありける」

そら‐いそぎ【空急ぎ】🔗🔉

そら‐いそぎ空急ぎ】 急ぐふりをすること。

そら‐いたわり【空労り】‥イタハリ🔗🔉

そら‐いたわり空労り‥イタハリ いたわるふりをすること。

そら‐いちみ【空一味】🔗🔉

そら‐いちみ空一味】 味方するふりをすること。浄瑠璃、大塔宮曦鎧「間に合せの―忍び入る廊下にて」

そら‐いねぶり【空居眠り】‥ヰ‥🔗🔉

そら‐いねぶり空居眠り‥ヰ‥ いねむりをしているふりをすること。そらいねむり。浄瑠璃、鑓の権三重帷子「人目を忍ぶ乗合に―の船こげば」

そら‐いびき【空鼾】🔗🔉

そら‐いびき空鼾】 そらねいりして立てるいびき。好色五人女2「おせん―を出せば」

そら‐いろ【空色】🔗🔉

そら‐いろ空色】 ①そらのけはい。空模様。 ②晴れた空の色。うすあお色。 Munsell color system: 9B7.5/5.5

そら‐うそ【空嘯】🔗🔉

そら‐うそ空嘯】 ①口をすぼめて息をひゅうひゅう吹くこと。また、口笛。日葡辞書「ソラウソヲフク」 ②何となく、うそぶくこと。何気ないさまをすること。

そら‐うそぶ・く【空嘯く】🔗🔉

そら‐うそぶ・く空嘯く】 〔自五〕 ①空を仰いでうそぶく。そらふく。 ②そらとぼけたふうをする。何気ないさまをする。浄瑠璃、出世景清「ちつとつかんで貰ひたしと、―・いてぞゐたりける」

そら‐うたがい【空疑い】‥ウタガヒ🔗🔉

そら‐うたがい空疑い‥ウタガヒ 根拠がないのに疑うこと。邪推。今昔物語集27「嫉妬の心深く―せむは」

そら‐うつぶ・く【空俯く】🔗🔉

そら‐うつぶ・く空俯く】 〔自五〕 そ知らぬさまをしてうつぶく。そらとぼけてうつむく。そらうつむく。

そら‐うで【空腕】🔗🔉

そら‐うで空腕(→)「空腕立て」に同じ。〈文明本節用集〉

そらうで【空腕】(作品名)🔗🔉

そらうで空腕】 狂言。臆病な太郎冠者が、夜道で相手もいないのに主人の太刀を差し出し命乞いをし、帰ってから仕方話で武勇伝を語って言い繕おうとし、叱られる。

そら‐うでだて【空腕立て】🔗🔉

そら‐うでだて空腕立て】 いつわりの腕自慢。そらうで。狂言、空腕「臆病者の癖として―を申す」

そら‐えい【空酔い】‥ヱヒ🔗🔉

そら‐えい空酔い‥ヱヒ 酒に酔ったふりをすること。そらみだれ。宇津保物語蔵開中「―をして、ただ入りに入るべきぞかし」

そら‐おがみ【空拝み】‥ヲガミ🔗🔉

そら‐おがみ空拝み‥ヲガミ うわのそらでおがむこと。うわべだけ尊敬して丁寧にすること。浮世風呂3「これは―にて、詞づかひもあそばせ尽しなり」

そら‐おしみ【空惜しみ】‥ヲシミ🔗🔉

そら‐おしみ空惜しみ‥ヲシミ 惜しくもないのに惜しいふりをすること。万代和歌集「忘れずななほざりごとを頼めおきて―せしあけぼののそら」

そら‐おそろし・い【空恐ろしい】🔗🔉

そら‐おそろし・い空恐ろしい】 〔形〕[文]そらおそろ・し(シク) (人の将来や世の行く末などについて)はっきりとした根拠があるわけではないが、おそろしい感じである。源氏物語帚木「夢にや見ゆらむと―・しくつつまし」。「―・い子だ」「―・い世相」

そら‐おどり【空躍り】‥ヲドリ🔗🔉

そら‐おどり空躍り‥ヲドリ 落ち着かずにおどりはねること。弁内侍日記「―する鳥にもあるかな」

そら‐おぼえ【空覚え】🔗🔉

そら‐おぼえ空覚え】 ①覚えていて、何も見ずに読みまたは語ること。暗記。 ②確かでない記憶。うろおぼえ。

そら‐おぼめき【空おぼめき】🔗🔉

そら‐おぼめき空おぼめき】 そ知らぬ顔つき。知らないふり。そらとぼけ。源氏物語「御心のやうにつれなく―したるは世にあらじな」

そら‐おぼれ【空おぼれ】🔗🔉

そら‐おぼれ空おぼれ】 わざととぼけたさまをよそおうこと。そらとぼけ。源氏物語夕顔「―してなむ隠れまかりありく」

そら‐かぎ【空鉤】🔗🔉

そら‐かぎ空鉤】 炉の自在鉤が二つあるとき、上の方の鉤。

そら‐がくれ【空隠れ】🔗🔉

そら‐がくれ空隠れ】 隠れたように見せかけること。偽って不在をよそおうこと。詞花和歌集「世の中の人の心のうき雲に―する有明の月」

そら‐かぜ【空風】🔗🔉

そら‐かぜ空風】 感冒にかかったふりをすること。古今著聞集6「このものは―を病み給ふ」

そら‐かぞう【天数ふ】‥カゾフ🔗🔉

そら‐かぞう天数ふ‥カゾフ 〔枕〕 (おおよそにかぞえる意からか)「おほ」または「大津」にかかる。万葉集2「―大津の子が逢ひし日におほに見しくは今ぞ悔しき」

そら‐がな・し【空悲し】🔗🔉

そら‐がな・し空悲し】 〔形シク〕 何となく悲しい。夫木和歌抄8「うぢま山すその河原にともす火は―・しくや鹿は見るらむ」

そら‐がらく・る【空絡繰る】🔗🔉

そら‐がらく・る空絡繰る】 〔他四〕 みだりに刀などをもてあそぶ。ひねくりまわす。太平記12「かやうの―・る者共、毎夜京白河を回つて辻切りをしける程に」 ○空聞かずそらきかず わざと聞こえないふりをするさま。源平盛衰記37「―してはや行きけり」。日葡辞書「ソラキカズヲスル」 ⇒そら【空】

○空聞かずそらきかず🔗🔉

○空聞かずそらきかず わざと聞こえないふりをするさま。源平盛衰記37「―してはや行きけり」。日葡辞書「ソラキカズヲスル」 ⇒そら【空】 そら‐きかず空聞かず⇒そら(空)(成句) そら‐ぎき空聞き】 ①いい加減に聞きとること。 ②聞かないふりをしながら聞くこと。〈日葡辞書〉 そら‐ぎしょう空起請‥シヤウ いつわりの起請文。いつわって誓いを立てること。空誓文そらぜいもん。謡曲、正尊「さても書きつる―の罰を忽ち与ふべし」 そ‐らく殂落・徂落】 死ぬこと。特に、天子の死去すること。崩御。 そら‐ぐもり空曇り】 空のくもること。 そら‐けいはく空軽薄】 心にもなく世辞をいうこと。そらぞらしい世辞。浄瑠璃、双生隅田川「笑顔作つて―」 そら‐げんか空喧嘩‥クワ 喧嘩のふりをすること。なれあいの喧嘩。狂言、鴈盗人「お前と身共と内証の―」 そら‐ごころ空心】 いいかげんな心。うわのそらの心。宇津保物語蔵開中「なでふ―にてかは」 そら‐ごたえ空答え‥ゴタヘ 口さきでよいように答えること。いいかげんなこたえ。宇津保物語国譲中「―をし給ひつつ、さらばと聞き給へば」 そら‐ごと空言・虚言】 真実でないことば。うそ。竹取物語「かくあさましき―にてありければ」。「―を言う」 ⇒そらごと‐びと【空言人】 そら‐ごと空事・虚事】 事実にもとづかないこと。つくりごと。「絵―」 そらごと‐びと空言人】 うそを言う人。うそつき。宇津保物語初秋「心のうちはよき―なりけりなどいふ」 ⇒そら‐ごと【空言・虚言】 そら‐ざま空方】 空の方。上の方。上向き。平家物語3「髪は―へ生ひあがり」 そら‐ざや空鞘】 ①刀身よりも不相応に長いさや。 ②転じて、余裕。ゆとり。日葡辞書「ソラザヤモナイヒト」 ③外面と内容とがくい違うこと。 そら‐ざれ空戯れ】 わざとふざけたまねをすること。 そら‐さわぎ空騒ぎ】 そらぞらしく騒ぐこと。からさわぎ。宇津保物語藤原君「殿の人々―すれば」 そらし藁本・薫蕖】 〔植〕(→)アギ(阿魏)の異称。〈本草和名〉 そら‐じ空路‥ヂ ①空へ行くみち。心もとない旅路。万葉集15「夢いめのごと道の―に別れする君」 ②空。天空。 そら‐じに空死に】 死んだふりをすること。今昔物語集29「裸にて―をして路傍に臥せりければ」 そらし‐ばた反らし畑】 休耕中の焼畑地。反そりそら‐しゃく空癪】 癪の起こったふりをすること。 そら‐じゃく空尺】 尺度をごまかした物指し。不当な取引をするために作り用いた。「―を使う」 そら‐じょう空錠‥ヂヤウ 役に立たない錠。徳和歌後万載集「久方の―なれや天の戸をあけたつ春の限りなければ」 そら‐じょうご空上戸‥ジヤウ‥ 酒を飲んでも、酔いが顔に出ないこと。また、そういう人。 そら‐しょうそこ空消息‥セウ‥ 人の手紙・伝言といつわること。また、その手紙・伝言。源氏物語藤袴「―をつきづきしう取りつづけて」 そら‐しょうもん空証文】 うその証文。

そら‐きかず【空聞かず】🔗🔉

そら‐きかず空聞かず⇒そら(空)(成句)

そら‐ぎき【空聞き】🔗🔉

そら‐ぎき空聞き】 ①いい加減に聞きとること。 ②聞かないふりをしながら聞くこと。〈日葡辞書〉

そら‐ぎしょう【空起請】‥シヤウ🔗🔉

そら‐ぎしょう空起請‥シヤウ いつわりの起請文。いつわって誓いを立てること。空誓文そらぜいもん。謡曲、正尊「さても書きつる―の罰を忽ち与ふべし」

そ‐らく【殂落・徂落】🔗🔉

そ‐らく殂落・徂落】 死ぬこと。特に、天子の死去すること。崩御。

そら‐ぐもり【空曇り】🔗🔉

そら‐ぐもり空曇り】 空のくもること。

そら‐けいはく【空軽薄】🔗🔉

そら‐けいはく空軽薄】 心にもなく世辞をいうこと。そらぞらしい世辞。浄瑠璃、双生隅田川「笑顔作つて―」

そら‐げんか【空喧嘩】‥クワ🔗🔉

そら‐げんか空喧嘩‥クワ 喧嘩のふりをすること。なれあいの喧嘩。狂言、鴈盗人「お前と身共と内証の―」

そら‐ごころ【空心】🔗🔉

そら‐ごころ空心】 いいかげんな心。うわのそらの心。宇津保物語蔵開中「なでふ―にてかは」

そら‐ごたえ【空答え】‥ゴタヘ🔗🔉

そら‐ごたえ空答え‥ゴタヘ 口さきでよいように答えること。いいかげんなこたえ。宇津保物語国譲中「―をし給ひつつ、さらばと聞き給へば」

そら‐ごと【空言・虚言】🔗🔉

そら‐ごと空言・虚言】 真実でないことば。うそ。竹取物語「かくあさましき―にてありければ」。「―を言う」 ⇒そらごと‐びと【空言人】

そら‐ごと【空事・虚事】🔗🔉

そら‐ごと空事・虚事】 事実にもとづかないこと。つくりごと。「絵―」

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