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すみ【墨】🔗🔉

すみ】 ①文房具の一種。油煙や松の根を燃やして出た煤すすを、膠にかわで練り固めたもの。また、これを水と共に硯ですってできる黒色の液。墨汁ぼくじゅう。書画をかくのに用いる。 ②絵具を固めて作り、1と同様に用いるもの。「朱―」 ③墨染の略。「―の衣」 ④墨糸すみいと・墨縄の略。「―を打つ」 ⑤煤すす。「なべ底の―」 ⑥烏賊いか・蛸たこの体内にある黒い汁。 ⇒墨と雪 ⇒墨は餓鬼に磨らせ、筆は鬼に持たせよ ⇒墨を磨るは病夫の如くし、筆を把るは壮士の如くす

すみ‐いか【墨烏賊】🔗🔉

すみ‐いか墨烏賊】 マイカ・コウイカの異称。

すみ‐いと【墨糸】🔗🔉

すみ‐いと墨糸「墨壺1」参照。

すみ‐いろ【墨色】🔗🔉

すみ‐いろ墨色】 ①書き、あるいは染めなどした、墨の色合。ぼくしょく。 Munsell color system: N2 ②書いた墨の色合から吉凶を判断すること。浄瑠璃、新版歌祭文「御判、―、相性の考へ、見てあげませう」

すみ‐うち【墨打ち】🔗🔉

すみ‐うち墨打ち】 墨糸で線を引くこと。

すみ‐え【墨絵】‥ヱ🔗🔉

すみ‐え墨絵‥ヱ ①彩色を施さない墨がきの絵。水墨画。「―扇」 ②墨で輪郭だけを描いた絵。白描画。

すみ‐がき【墨書き・墨描き】🔗🔉

すみ‐がき墨書き・墨描き】 ①墨ばかりで絵を描くこと。また、その絵。 ②下絵したえ。 ③平安時代の宮廷絵所えどころの職制で、主任画家の称。源氏物語帚木「絵所に上手多かれど―にえらばれ」

すみ‐かけ【墨掛】🔗🔉

すみ‐かけ墨掛】 大材から小材を木取きどりする場合、大材の小口に必要な小材の形を墨でしるしを付けること。

すみ‐がさ【墨傘】🔗🔉

すみ‐がさ墨傘】 地紙を黒く染めた日傘。

すみ‐がた【墨形】🔗🔉

すみ‐がた墨形】 墨絵の模様。好色五人女3「白しゆすに―の肌着」

すみ‐がね【墨金・墨曲尺】🔗🔉

すみ‐がね墨金・墨曲尺】 ①まがりがね。曲尺。 ②(スミカネとも)(→)規矩術きくじゅつ3に同じ。

すみ‐ぐま【墨隈】🔗🔉

すみ‐ぐま墨隈】 墨をぼかして隈を取る東洋絵画の手法の一つ。

すみ‐ぐろ【墨黒】🔗🔉

すみ‐ぐろ墨黒】 墨色の黒いこと。墨つきの濃いこと。堤中納言物語「白き扇の―に真名の手習したるを」

すみ‐ごろも【墨衣】🔗🔉

すみ‐ごろも墨衣】 黒く染めた衣。僧衣や喪服。墨染衣。

すみ‐さし【墨刺】🔗🔉

すみ‐さし墨刺】 竹を箆へらのように作り、その先を細かく割り、墨壺に添えて、木材や石材に印しるしを引き、字を書くのに用いる具。〈倭名類聚鈔15〉 墨刺

すみ‐じ【墨字】🔗🔉

すみ‐じ墨字】 点字に対し、普通に書いたり印刷したりした文字。

すみ‐ずり【墨摺】🔗🔉

すみ‐ずり墨摺】 ①版木で摺るのに色を使用せず、墨だけを用いること。また、その摺ったもの。 ②更紗サラサの文様の線描を彫刻板で摺り、彩色を筆で塗るもの。

すみ‐ぞめ【墨染】🔗🔉

すみ‐ぞめ墨染】 ①墨汁で染めたような黒い色。古今和歌集雑体「―の夕べになれば」 ②黒色の僧衣。源氏物語柏木「いであな心憂、―こそ猶いとうたて」 ③鼠色の喪服。にびいろ。ふじごろも。古今和歌集哀傷「―の君が袂は雲なれや」 ④夕暮。 ⇒すみぞめ‐ごろも【墨染衣】 ⇒すみぞめ‐ざくら【墨染桜】 ⇒すみぞめ‐の【墨染の】 ⇒すみぞめ‐の‐ころも【墨染の衣】

すみぞめ‐ごろも【墨染衣】🔗🔉

すみぞめ‐ごろも墨染衣】 黒色の僧衣。また、鼠色に染めた喪服。墨染の衣。新撰六帖5「―袖ぞはつるる」 ⇒すみ‐ぞめ【墨染】

すみぞめ‐ざくら【墨染桜】🔗🔉

すみぞめ‐ざくら墨染桜】 ①里桜の一品種。花は小さく単弁で細く白色。茎・葉ともに青く、薄墨のようである。 ②伏見墨染の伝説上の桜。平安前期、上野岑雄かむつけのみねおが、藤原基経の死を悲しんで、「深草の野べの桜し心あらば今年ばかりは墨染に咲け」(古今哀傷)と詠んだので墨染に咲くようになったという。能・浄瑠璃にも脚色。大句数「筆を黙する―」 ⇒すみ‐ぞめ【墨染】

すみぞめ‐の【墨染の】🔗🔉

すみぞめ‐の墨染の】 〔枕〕 「くらし(暗し)」「ゆふべ」「たそがれ」にかかる。 ⇒すみ‐ぞめ【墨染】

すみ‐つぎ【墨継ぎ】🔗🔉

すみ‐つぎ墨継ぎ】 ①(→)墨柄すみづかに同じ。 ②筆に含ませた墨汁が乏しくなった時、さらに墨汁を含ませて書くこと。立体的な効果を与えるため、墨継ぎをした箇所が隣の行で並ばないようにするとか、和歌を書くには初句、三句、五句で墨継ぎをするとされている。

すみ‐つぼ【墨壺】🔗🔉

すみ‐つぼ墨壺】 ①大工や石工などが直線を引くのに用いる道具。一方に墨肉を入れ、他方に糸(墨糸)を巻きつけた車をつけ、糸は墨池の中を通し、端に仮子かりこという小錐こきりをつける。墨糸を加工材にまっすぐに張って垂直に軽く弾くと、黒線が材面に印される。 墨壺 墨壺 提供:竹中大工道具館 ②墨汁を入れた壺。墨斗すみつも。墨入れ。〈倭名類聚鈔15

○墨と雪すみとゆき🔗🔉

○墨と雪すみとゆき 性質が全く反対なもの、また、全く異なるもののたとえ。「雪と墨」とも。 ⇒すみ【墨】 すみ‐とり炭取・炭斗】 炭を小出しに入れておく器。木製または竹製が多い。すみいれ。すみかご。〈[季]冬〉 すみ‐と・る角取る】 〔他五〕 角を金属などで縁取る。狂言、鎧「―・つた唐櫃に」 すみ‐なおし墨直し‥ナホシ 碑面にさした墨が風雨にあせたのを、新しく墨を点じてなおすこと。 すみ‐ながし墨流し】 ①水の上に字や絵をかく一法。嬉遊笑覧3に「小豆粉あずきこ一匁、黄柏おうはく五分、明礬みょうばん一分、これを麻切に包み、水にて湿し紙にひたし、その上に文字にても絵にても(墨で)書きて水の内に浮め、細き竹串にて紙を突けば、紙は底に沈み、書きたる墨ばかり水上に浮み残るなり」とある。 ②水面に墨汁または顔料を吹き散らし、これを布や紙の面に移して曲線文様を製出する染法。また、その製品。古来、色紙・短冊などに用いたが、布帛ふはくに用いたものが福井県武生たけふ(現、越前市)の名産。すみながしぞめ。男色大鑑「―幅広の鳥の子三十枚」 墨流し 撮影:関戸 勇 ⇒すみながし‐ぞめ【墨流し染め】 すみながし‐ぞめ墨流し染め(→)「すみながし」2に同じ。 ⇒すみ‐ながし【墨流し】 すみ‐な・す住み成す】 〔自五〕 …のような状態で住む。源氏物語夕顔「なべての所に似ずいとのどかに心にくく―・し給へり」 すみ‐な・れる住み馴れる・住み慣れる】 〔自下一〕[文]すみな・る(下二) 住んで年月を経て、なじんでいる。住んで居ごこちがよくなる。平家物語8「―・れしふるき都の恋しさは」。「土地にも家にも―・れる」 すみ‐なわ墨縄‥ナハ (→)墨糸すみいとに同じ。〈倭名類聚鈔15

すみ‐なおし【墨直し】‥ナホシ🔗🔉

すみ‐なおし墨直し‥ナホシ 碑面にさした墨が風雨にあせたのを、新しく墨を点じてなおすこと。

すみのえ【住吉・墨江】🔗🔉

すみのえ住吉・墨江】 「すみよし」の古称。 ⇒すみのえ‐の‐かみ【住吉神・墨江神】

すみのえ‐の‐かみ【住吉神・墨江神】🔗🔉

すみのえ‐の‐かみ住吉神・墨江神】 大阪の住吉すみよし神社の祭神である表筒男命うわづつのおのみこと・中筒男命なかづつのおのみこと・底筒男命そこづつのおのみことの三神。伊弉諾尊いざなきのみことが筑紫の檍原あはきはらで、禊みそぎをした時に生まれたという。航海の神、また和歌の神とされる。すみよしのかみ。 ⇒すみのえ【住吉・墨江】

すみ‐の‐ころも【墨の衣】🔗🔉

すみ‐の‐ころも墨の衣(→)墨染衣すみぞめごろもに同じ。

すみ‐の‐たもと【墨の袂】🔗🔉

すみ‐の‐たもと墨の袂(→)墨染衣すみぞめごろもに同じ。

すみ‐の‐つか【墨の柄】🔗🔉

すみ‐の‐つか墨の柄(→)墨柄すみづかに同じ。

○墨は餓鬼に磨らせ、筆は鬼に持たせよすみはがきにすらせふではおににもたせよ🔗🔉

○墨は餓鬼に磨らせ、筆は鬼に持たせよすみはがきにすらせふではおににもたせよ 墨をする時には、なるべく力を入れないようにし、一度筆をとったら、力をこめて勢いよく書くのがよい。 ⇒すみ【墨】 すみ‐ばさみ墨挿み(→)墨柄すみづかに同じ。 すみ‐ばしょ住み場所】 住む場所。すみか。→生息場所 すみ‐はだ澄肌】 刀身の地肌に、指で押したような青黒く澄んだ斑点が所々にあるもの。鯰肌なまずはだ。青江肌。 すみ‐はな・る住み離る】 〔自下二〕 ①家を離れる。世間を離れる。源氏物語須磨「―・れたらむ岩の中」 ②愛情が失せて男が女のもとによりつかないようになる。とりかへばや「さばかり―・れたる所ある御心に」 すみ‐はん墨判】 小判金の表面に極印ごくいんを打たないで墨書したもの。武蔵墨判小判・駿河墨判小判の類。 すみ‐び炭火】 炭でおこした火。〈[季]冬〉。「―で魚を焼く」 ⇒すみび‐やき【炭火焼き】 すみ‐ひき墨引】 書状の封じ目。 すみ‐びたい角額‥ビタヒ 角前髪すみまえがみにした額。〈日葡辞書〉 すみび‐やき炭火焼き】 肉などの食品を炭火で焼くこと。炭焼き。 ⇒すみ‐び【炭火】 すみ‐ふ墨斑】 葉などの淡緑色の地に、濃緑色の模様のあるもの。園芸界でいう。 すみ‐ぶくろすみ袋(→)頭陀ずだに同じ。 すみ‐ぶくろ角袋】 槍やりの鞘さや袋の角ばったもの。 すみ‐ぶくろ墨袋】 烏賊いかのはらわたの墨のはいっているところ。 すみ‐ぶと墨太】 筆の墨つきが太いこと。筆ぶと。 すみ‐ぼうし角帽子⇒すんぼうし すみ‐まえがみ角前髪‥マヘ‥ 江戸時代、元服前の少年の髪型。前髪のはえぎわの左右を少し剃り込み、かどを立てたもの。角すみ。つの髪。半元服。西鶴織留4「―の若い者」 角前髪 すみ‐ませ‐ん済みません】 「済まない」の丁寧語。「―がお願いします」 すみ‐み・つ住み満つ】 〔自四〕 いっぱいに多くの人が住む。源氏物語玉鬘「勢ひことに―・ち給へれば」 すみ‐むね隅棟】 屋根の隅に向かって作られた勾配こうばいのある棟。寄棟造・入母屋造・方形造ほうぎょうづくりの棟の類。 すみ‐や炭屋】 炭を売る店、また、その人。 すみや隅谷】 姓氏の一つ。 ⇒すみや‐みきお【隅谷三喜男】 すみ‐やか速やか】 はやいさま。ひまどらないさま。西大寺本最勝王経平安初期点「衣を焼かるることを被れるときに救ひて速スミヤカに滅したむ」。土佐日記「御船―に漕がしめたまへ」。「―に事を運ぶ」「―な解決」 すみ‐やか澄みやか】 澄み切っているさま。謡曲、清経「腰より横笛ようじょう抜き出し、音も―に吹き鳴らし」 すみ‐やき炭焼き】 ①木材を焼いて炭を作ること。また、それを業とする人。〈[季]冬〉。→炭竈すみがま。 ②(→)「炭火焼き」に同じ。 ⇒すみやき‐がま【炭焼き竈】 ⇒すみやき‐ごろも【炭焼衣】 ⇒すみやき‐だい【炭焼鯛】 すみやき‐がま炭焼き竈(→)炭竈に同じ。 ⇒すみ‐やき【炭焼き】 すみやき‐ごろも炭焼衣】 炭を焼く人の着る衣服。また、汚れて黒くなった着物。万代和歌集「冬山の―なれぬとて」 ⇒すみ‐やき【炭焼き】 すみやき‐だい炭焼鯛‥ダヒ イシナギの異名。 ⇒すみ‐やき【炭焼き】 すみ‐や・く速く】 〔自四〕 (スミヤカを活用させたもの)速やかになる。心がせく。いらだつ。詞花和歌集「君をわが思ふ心はおほ原やいつしかとのみ―・かれつつ」 すみ‐やぐら角櫓】 城郭の隅の櫓。 すみや‐みきお隅谷三喜男‥ヲ 労働経済学者。東京生れ。東大卒、同教授。社会政策や労働経済論を研究。著「日本賃労働史論」「労働経済論」。(1916〜2003) ⇒すみや【隅谷】 すみ‐やり墨遣(→)髱差たぼさしに同じ。 すみよし住吉】 ①大阪市南部の住吉区から堺市北部にまたがる地名。仁徳天皇時代、海上の守護神住吉神すみのえのかみを勧請して、墨江また住吉と書き、「すみのえ」と称したが、平安時代に「すみよし」の訓みが生じた。住吉神社の所在地。(歌枕) ②山田流箏曲。山田検校作曲。住吉神社への参詣道行、御田植神事に歌いはやす難波女の歌などを盛り込む。 ⇒すみよし‐おどり【住吉踊】 ⇒すみよし‐じんじゃ【住吉神社】 ⇒すみよし‐じんだいき【住吉神代記】 ⇒すみよし‐づくり【住吉造】 ⇒すみよし‐にんぎょう【住吉人形】 ⇒すみよし‐の‐かみ【住吉神】 ⇒すみよし‐ものがたり【住吉物語】 すみよし住吉】 姓氏の一つ。江戸時代、土佐家と並んで大和絵を標榜した画家の家系。 ⇒すみよし‐ぐけい【住吉具慶】 ⇒すみよし‐じょけい【住吉如慶】 ⇒すみよし‐は【住吉派】 すみよし‐おどり住吉踊‥ヲドリ ①大阪住吉神社の御田植神事に行われる踊り。田植えをする早乙女のそばで踊り手が踊る。願人坊主によって流布されたのが、のちに、かっぽれとなる。 住吉踊 ②河東節。本名題「泰平住吉踊」。1のさまを主題とする。 ③上方舞(京舞)。江戸歌。2の詞章の短縮版。 ⇒すみよし【住吉】 すみよし‐ぐけい住吉具慶】 江戸前期の画家。名は広澄ひろずみ。京都の人。父如慶の画業をついで細密な大和絵をよくした。1683年(天和3)江戸に出、85年(貞享2)幕府の御用絵師に任ぜられ、住吉派の権威を確立。作「都鄙図巻」(奈良興福院)。(1631〜1705) ⇒すみよし【住吉】 すみよし‐じょけい住吉如慶】 江戸前期の画家。住吉派の祖。名は広通ひろみち。京都に住む。土佐光吉・土佐光則の門人。姓は初め土佐、のち勅命により住吉に改める。大和絵の細密描写を得意とした。作「堀川殿夜討絵巻」など。(1599〜1670) ⇒すみよし【住吉】 すみよし‐じんじゃ住吉神社】 大阪市住吉区住吉にある元官幣大社。住吉神すみのえのかみの三神と神功皇后とを祀る。二十二社の一つ。摂津国一の宮。今は住吉大社と称す。同名の神社は、下関市一の宮住吉(長門国一の宮)や福岡市博多区住吉(筑前国一の宮)など各地にある。→すみのえのかみ。 住吉大社 撮影:的場 啓 ⇒すみよし【住吉】 すみよし‐じんだいき住吉神代記】 住吉神社の古縁起書。津守島麻呂・客人撰。奈良時代から平安初期の成立という。 ⇒すみよし【住吉】 すみよし‐づくり住吉造】 神社本殿の一形式。切妻造・妻入つまいりで、屋根に反りがなく、入口は中央にあり、内部は前後2室に仕切られている。住吉神社本殿の形式。 住吉造 ⇒すみよし【住吉】 すみよし‐にんぎょう住吉人形‥ギヤウ 文政(1818〜1830)の頃、縁起物として住吉で製した土製の人形。 ⇒すみよし【住吉】 すみよし‐の‐かみ住吉神(→)「すみのえのかみ」に同じ。 ⇒すみよし【住吉】 すみよし‐は住吉派】 江戸時代における大和絵の一派。江戸初期に土佐派から分かれた住吉如慶・具慶父子に始まる。鎌倉時代の住吉慶恩けいおんを流祖として住吉姓を名のる。幕府の御用絵師となり、門人から出た板谷派・粟田口派も幕府に仕えた。 ⇒すみよし【住吉】 すみよし‐ものがたり住吉物語】 鎌倉初期頃の物語。1巻。作者不明。古く源氏物語・枕草子に見えるものは散逸、現存のものはこれを改作したものであろう。女主人公が継母の悪計を逃れて住吉の尼のもとに身を寄せ、好配偶の中将を得て栄えるという筋。絵巻物・奈良絵本などもある。 →文献資料[住吉物語] ⇒すみよし【住吉】 すみる‐ちゃ素海松茶】 染色の名。菫色すみれいろを帯びた茶色。 すみれ】 ①スミレ科スミレ属植物の総称。→すみれ科。 ②スミレ科の多年草。春、葉間に数本の花茎を出し、濃紫色の花一つをつける。相撲取草すもうとりぐさ。菫々菜きんきんさい。〈[季]春〉。万葉集8「春の野に―摘みにと来しわれそ」 すみれ スミレ 提供:OPO ③襲かさねの色目。表は紫、裏は薄紫。 ④菫色の略。 ⇒すみれ‐いろ【菫色】 ⇒すみれ‐か【菫科】 ⇒すみれ‐さいしん【菫細辛】 すみれ‐いろ菫色】 菫の花のような濃紫色。 Munsell color system: 2.5P4/11 ⇒すみれ【菫】 すみれ‐か菫科‥クワ 双子葉植物の一科。世界に22属約1000種、日本にはスミレ属だけ約50種がある。まれに木本で、多くは草本。葉は互生、托葉をもつ。花は左右相称形で、萼・花弁・雄しべ各5、雌しべ1。果実は蒴果さくか。スミレ・パンジーなど。 ⇒すみれ【菫】 すみれ‐さいしん菫細辛】 スミレ科の多年草。中部以北の本州日本海側と北海道の山地林下に生ずる。地下に太い根茎があり、長い柄の根生葉を束生、葉身はややハート形で先が尖る。春に花茎の頂に大形の青紫色の花をつける。太平洋側の山地にはナガバノスミレサイシンがある。 ⇒すみれ【菫】 スミロドンSmilodon ラテン】 南北アメリカに生息したサーベル‐タイガー。 すみ‐わけ住み分け・棲み分け】 〔生〕生活様式が類似する複数の動物の個体または個体群が、生活の場を空間的または時間的に分け合う状態で生存する現象。今西錦司・可児藤吉(1908〜1944)の水生昆虫の研究から提唱された概念。一般語としては単に生息場所が異なる現象をいう。 すみ‐わた・る住み渡る】 〔自四〕 住みつづける。万葉集10「橘のはやしを植ゑむほととぎす常に冬まで―・るがね」 すみ‐わた・る澄み渡る】 〔自五〕 空などが一面に澄む。源氏物語明石「空のけしき名残なく―・りて」。「―・った秋空」 すみ‐わ・ぶ住み侘ぶ】 〔自上二〕 気落ちして、住んでいる力をなくす。住みづらく思う。伊勢物語「―・びぬ今は限りと山里に身を隠すべき宿求めてむ」

すみ‐ばさみ【墨挿み】🔗🔉

すみ‐ばさみ墨挿み(→)墨柄すみづかに同じ。

すみ‐ひき【墨引】🔗🔉

すみ‐ひき墨引】 書状の封じ目。

すみ‐ぶくろ【墨袋】🔗🔉

すみ‐ぶくろ墨袋】 烏賊いかのはらわたの墨のはいっているところ。

すみ‐ぶと【墨太】🔗🔉

すみ‐ぶと墨太】 筆の墨つきが太いこと。筆ぶと。

すみ‐やり【墨遣】🔗🔉

すみ‐やり墨遣(→)髱差たぼさしに同じ。

○墨を磨るは病夫の如くし、筆を把るは壮士の如くすすみをするはびょうふのごとくしふでをとるはそうしのごとくす🔗🔉

○墨を磨るは病夫の如くし、筆を把るは壮士の如くすすみをするはびょうふのごとくしふでをとるはそうしのごとくす 「墨は餓鬼に磨らせ、筆は鬼に持たせよ」と同趣意。 ⇒すみ【墨】 す・む住む・棲む・栖む】 〔自五〕 (「巣」と同源か)生物が巣と定めたところで生活を営む意。 ①巣にいる。巣を作って生活する。万葉集11「河千鳥―・む沢の上に立つ霧の」。古今和歌集「花に鳴く鶯、水に―・むかはづの声を聞けば」 ②男が女のもとにかよって夫婦のまじわりをする。伊勢物語「昔陸奥みちの国にて男、女、―・みけり」。大鏡道隆「故帥中納言惟仲の女に―・み給ひて男一人女一人生ませ給へりし」 ③居を定めてそこで生活する。すまう。万葉集15「雨ごもり物もふ時にほととぎすわが―・む里に来鳴きとよもす」。平家物語灌頂「岩に苔むしてさびたる所なりければ、―・ままほしうぞおぼしめす」。「村に―・む」 ④そのところに永くとどまる。万葉集15「我妹子は早も来ぬかと待つらむを沖にや―・まむ家づかずして」 ◇一般には、「住」を使う。1は、「棲」「栖」を使う。 ⇒住めば都 す・む済む】 [一]〔自五〕 (「澄む」の転義) ①事が終わる。成る。狂言、胸突「さりながら、まだ―・まぬことがおぢやる」。好色一代女1「此方望みの通り万事を定めて―・みける」。「―・んだことは仕方がない」「勉強が―・んだ」 ②決着がつく。十分まにあう。狂言、二人大名「ただつつくりとさへ致いておれば―・む事でござる」。「助けを借りなくても―・みそうだ」「このままでは―・まない」「電話で話が―・む」 ③借金などが片づく。世間胸算用5「殊更貧者の大節季、何と分別しても―・み難し」。「借りが―・む」 ④納得がいく。気がはれる。浄瑠璃、神霊矢口渡「お妹御ならようござんすが、もし御夫婦なら、こつちにちよつと―・まぬ訳がござんする」。浮世草子、好色万金丹「女形も若衆形もぢきに紫帽子の額つきも―・まぬものなり」。「これで私も気が―・んだ」 ⑤(多く打消の語とともに用いる)他人に対して申しわけがたつ。歌舞伎、毛抜「それではお上へ―・みそもないものでござりまする」。「彼に―・まないことをした」 [二]〔他下二〕 ①すます。決着をつける。日葡辞書「サンヨウ(算用)ヲスムル」 ②(自動詞的に)納得がいく。気に入る。気がはれる。多く打消の語を伴って用いる。洒落本、辰巳之園「まじめになりて―・めぬ顔にてゐる」 す・む澄む・清む】 [一]〔自五〕 浮遊物などがすっかり沈んで静止し、液体・気体などが透明になる意。 ①にごりがなくなる。清くなる。宇津保物語国譲中「行く水と今日見るどちのこの宿にいずれ久しと―・み(「住み」と掛ける)くらべなむ」。「川の水が―・む」 ②曇りがなく明るく見える。源氏物語槿「月いよいよ―・みて静かに面白し」。源氏物語明石「をやみなかりし空のけしき名残なく―・みわたりて」。「―・んだひとみ」 ③楽器の音がさえて聞こえる。宇津保物語楼上下「響―・み音高きことすぐれたる琴なれば」。「―・んだ音」 ④騒がしい動きなどがおさまって落ち着く。また、しらけてしんとなる。今昔物語集28「人―・みて後、三人ながら車よりおりぬれば」。古今著聞集4「満座興醒めてけり。あまりに―・みて侍りければ、有安が座の末にありけるに、入道朗詠すべきよしをすすめければ」 ⑤けばけばしくなく落ち着いた感じである。源氏物語常夏「この御さまは…いとあてに―・みたるものの、なつかしきさま添ひて」。源氏物語梅枝「いといたう筆―・みたる気色ありて書きなし給へり」 ⑥迷いや汚れがない。いさぎよい。悟っている。源氏物語帚木「思ひ立つほどはいと心―・めるやうにて、世にかへりみすべくも思へらず」 ⑦平然とする。すましこむ。更級日記「舟も寄せず、うそぶいて見まはし、いといみじう―・みたるさまなり」 ⑧条理がはっきりしている。道理が明らかである。玉塵抄8「理の―・みかね心得がたい所をときわくるを分疏と云ふぞ」。日葡辞書「リ(理)ノスマヌコトヂャ」 ⑨(濁音を「にごる」というのに対して)清音せいおんである。玉塵抄11「上界…経文には上をにごるぞ。詩文では上を―・むなり」 [二]〔他下二〕 ①にごり・よごれをなくす。 ②条理をはっきりさせる。道理を明らかにする。日葡辞書「リ(理)ヲスムル」 すむいけんの用語。数の4の意。浄瑠璃、冥途飛脚「はま、さんきう、ごう、りう、―」 スムージーsmoothie】 (口当りが滑らか(スムーズ)の意)凍らせた果物・野菜などを牛乳・ヨーグルトとともにミキサーで攪拌かくはんしてとろりとさせた冷たい飲物。 スムース スムーズの訛。 スムーズsmooth】 なめらかなさま。物事や動作が円滑に進むさま。スムース。「話が―に進む」 す‐むつかり酢憤】 古くは、おろし大根に炒り大豆を加え、酢醤油をかけた郷土料理の一種。今では、栃木県地方などに「しもつかれ」の名でのこされ、塩鮭の頭・人参・酒粕などを加えて煮た料理。初午はつうまの嘉例に道祖神に捧げ、また自家の食用とする。すみつかり。しみつかれ。 すむ‐のり紫苔】 アマノリの異称。〈本草和名すむや‐け・し速けし】 〔形ク〕 すみやかである。早い。万葉集15「―・くはや帰りませ」 す‐め素目】 潜水眼鏡をつけないで、水中で魚介類を見つけること。 す‐め素面】 (スメンの訛)しらふ。 すめ】 〔接頭〕 神または天皇に関する物事の名に冠して用いる語。すべ。神代紀「―孫みますめ‐いろと皇弟】 天皇の弟。 すめ‐おおかみ皇大神‥オホ‥ 皇室の祖先神の敬称。 すめ‐おおみかみ皇大御神‥オホ‥ ①皇室の祖先神の敬称。祝詞、祈年祭「―の大前に」 ②神の敬称。すめがみ。 すめ‐がみ皇神】 ①ある地域を領する神。万葉集13「山科の石田の森の―に」 ②日本の国を領する神。また、皇祖の敬称。すべがみ。すべらがみ。万葉集5「そらみつやまとの国は―のいつくしき国」 すめ・く 〔自四〕 すうすうと息づかいをする。東海道名所記「うめき―・きて案じつつ」 スメクタイトsmectite】 粘土鉱物のグループ名。モンモリロン石などを含む。アルミニウム・マグネシウム・鉄・ナトリウム・カルシウムなどを主成分とする層状珪酸塩。 スメクティック‐えきしょうスメクティック液晶‥シヤウ (smectic liquid crystal)液晶形態の一つ。分子の長軸が、積み重なる層の面に対して、直角の方向にバラバラに、あるいは、ある角度をもって並んでいるもの。 スメタナBedřich Smetana】 ボヘミアの作曲家。チェコ国民楽派を確立。歌劇「売られた花嫁」、連作交響詩「わが祖国」(高い城・モルダウほか)など。(1824〜1884) スメタナ 提供:Lebrecht Music & Arts/APL →交響詩「わが祖国」 モルダウ 提供:コロムビアミュージックエンタテインメント(株) →歌劇「売られた花嫁」序曲 提供:コロムビアミュージックエンタテインメント(株) スメドレーAgnes Smedley】 アメリカの女性ジャーナリスト。長く中国に滞在して、革命運動を報道。著「女一人大地を行く」「偉大なる道」。(1892?〜1950)

ぼく【墨】🔗🔉

ぼく】 ①いれずみ。五刑の一つ。 ②(→)墨子の略。 ③墨水(隅田川)のこと。 ④(→)墨西哥メキシコの略。

ぼく‐えき【墨液】🔗🔉

ぼく‐えき墨液(→)墨汁に同じ。

ぼく‐か【墨家】🔗🔉

ぼく‐か墨家⇒ぼっか

ぼく‐が【墨画】‥グワ🔗🔉

ぼく‐が墨画‥グワ 彩色せずに墨だけでかいた絵。すみえ。水墨画。

ぼく‐ぎん【墨銀】🔗🔉

ぼく‐ぎん墨銀(→)メキシコ‐ドルに同じ。

ぼく‐けい【墨刑】🔗🔉

ぼく‐けい墨刑】 中国古代の五刑の一つ。額などに入墨するもの。

ぼくし【墨子】🔗🔉

ぼくし墨子】 ①春秋戦国時代の思想家。墨家ぼっかの祖。魯の人。姓は墨(顔が黒かったためとも、入墨の意で一種の蔑称ともいう)、名は翟てき。宋に仕官して大夫となる。(前480頃〜前390頃) ②1の著書。現存本53編。兼愛説と非戦論とを唱えたもので、門弟の説も含まれるという。

ぼく‐じ【墨字】🔗🔉

ぼく‐じ墨字】 墨で書いた字。平家物語5「書写したてまつる色紙―の妙法蓮華経一部」

ぼく‐しゅ【墨守】🔗🔉

ぼく‐しゅ墨守】 (墨子がよく城を守った故事から)古い習慣や自説を固く守りつづけること。融通がきかないこと。「旧習を―する」

ぼく‐じゅう【墨汁】‥ジフ🔗🔉

ぼく‐じゅう墨汁‥ジフ ①墨をすり出した汁。特に、写字用として、すぐに使えるように作った墨色の液。墨液。 ②イカ・タコが分泌する黒い汁。

ぼく‐しょ【墨書】🔗🔉

ぼく‐しょ墨書】 墨で書くこと。また、その書いたもの。「―銘」 ⇒ぼくしょ‐どき【墨書土器】

ぼく‐しょう【墨床】‥シヤウ🔗🔉

ぼく‐しょう墨床‥シヤウ (→)墨台ぼくだいに同じ。

ぼく‐しょう【墨象】‥シヤウ🔗🔉

ぼく‐しょう墨象‥シヤウ (→)前衛書道に同じ。

ぼく‐じょう【墨帖】‥デフ🔗🔉

ぼく‐じょう墨帖‥デフ (→)法帖ほうじょうに同じ。

ぼく‐じょう【墨場】‥ヂヤウ🔗🔉

ぼく‐じょう墨場‥ヂヤウ ①書家・画家などの集まる場所。文墨の場所。 ②文墨のなかま。

ぼくじょうひっけい【墨場必携】‥ヂヤウ‥🔗🔉

ぼくじょうひっけい墨場必携‥ヂヤウ‥ 市河米庵著。天保7年(1836)序。明治13年刊。文人・画家の便に供するために古人の成語・詩歌を集めたもの。

ぼく‐しょく【墨色】🔗🔉

ぼく‐しょく墨色】 すみのいろ。すみつきの色。すみいろ。 Munsell color system: N2

ぼくしょ‐どき【墨書土器】🔗🔉

ぼくしょ‐どき墨書土器】 墨で文字や絵画などを書いた土器。7世紀以降出現。 ⇒ぼく‐しょ【墨書】

ぼく‐すい【墨水】🔗🔉

ぼく‐すい墨水(→)隅田川の異称。

ぼく‐せき【墨蹟・墨跡】🔗🔉

ぼく‐せき墨蹟・墨跡】 紙や布に墨で書いた肉筆の筆跡。特に、日本で禅僧の筆跡をいう。書跡。墨痕。

ぼく‐だい【墨台】🔗🔉

ぼく‐だい墨台】 すりかけの墨をのせておく小さな台。墨床。

ぼく‐ち【墨池】🔗🔉

ぼく‐ち墨池】 ①硯すずりの水をためるところ。硯のうみ。 ②すみつぼ。 ③(張伯が池に臨み書を学ぶと池が黒くなった故事による)書道に専念すること。

ぼく‐ちょく【墨勅】🔗🔉

ぼく‐ちょく墨勅】 宸筆の勅書。

ぼく‐てい【墨堤】🔗🔉

ぼく‐てい墨堤】 隅田川堤の別称。

ぼっ‐か【墨家】ボク‥🔗🔉

ぼっ‐か墨家ボク‥ 春秋時代の学者、墨翟ぼくてきの学説を奉ずる一派。兼愛説を説いた。→墨子

ぼっ‐かい【墨界】ボク‥🔗🔉

ぼっ‐かい墨界ボク‥ 料紙に墨で引いたり墨色に刷ったりした罫線けいせん。墨罫。

ぼっ‐かく【墨客】ボク‥🔗🔉

ぼっ‐かく墨客ボク‥ 書や絵をかく人。また、書画の巧みな人。ぼっきゃく。「文人―」

ぼっ‐きゃく【墨客】ボク‥🔗🔉

ぼっ‐きゃく墨客ボク‥ ⇒ぼっかく

ぼっ‐けい【墨刑】ボク‥🔗🔉

ぼっ‐けい墨刑ボク‥ ⇒ぼくけい

ぼっ‐こう【墨香】ボクカウ🔗🔉

ぼっ‐こう墨香ボクカウ すみのにおい。

ぼっ‐こん【墨痕】ボク‥🔗🔉

ぼっ‐こん墨痕ボク‥ すみのあと。筆のあと。筆跡。 ⇒ぼっこん‐りんり【墨痕淋漓】

ぼっこん‐りんり【墨痕淋漓】ボク‥🔗🔉

ぼっこん‐りんり墨痕淋漓ボク‥ 墨で書いた書画に勢いがあふれているさま。 ⇒ぼっ‐こん【墨痕】

メキシコ【Mexico・墨西哥】🔗🔉

メキシコMexico・墨西哥】 ①北米大陸南部の合衆国。14世紀からアステカ文明が繁栄したが、1521年スペインに征服された。1821年独立。鉱産物に富み、工業・農業を主産業とする。面積196万平方キロメートル。人口1億535万(2004)。住民は主にメスティーソと先住民で、言語はスペイン語。スペイン語名メヒコ。→中央アメリカ(図)。 ②1の首都。同国中部高原上にあり、標高2280メートル。アステカの湖上都市テノチティトランの上に建設された。人口1853万9千(2002)。メキシコ‐シティー。 メキシコシティー 撮影:田沼武能 ⇒メキシコ‐かくめい【メキシコ革命】 ⇒メキシコ‐ぎん【メキシコ銀】 ⇒メキシコ‐ドル ⇒メキシコ‐わん【メキシコ湾】 ⇒メキシコ‐わんりゅう【メキシコ湾流】

[漢]墨🔗🔉

 字形  筆順 〔土部11画/14画/常用/4347・4B4F〕 [] 字形 〔土部12画/15画〕 〔音〕ボク(漢) モク(呉) 〔訓〕すみ [意味] ①字や絵を書くのに使う、(黒色の)すみ。「墨汁・墨痕ぼっこん・筆墨・水墨画・朱墨・白墨」 ②(すみで)書いた筆跡。書画。「遺墨・断簡零墨・墨客」 ③刑罰としての、いれずみ。「墨刑・墨黥ぼくげい」 ④諸子百家の一人、墨子(=墨翟ぼくてき)。「墨家・墨守」 ⑤「墨水」(=隅田川)の略。「墨堤・墨東」▶「濹」とも書く。 ⑥「墨西哥メキシコ」の略。「米墨戦争」 [解字] 形声。「土」+音符「黑」。くろいすすを土のように固めたもの、の意。 [下ツキ 遺墨・花墨・翰墨・朱墨・縄墨・水墨・石墨・唐墨・白墨・潑墨・破墨・筆墨・文墨・芳墨・零墨 [難読] 墨西哥メキシコ

[漢]墨🔗🔉

 〔黒(黑)部3画〕 ⇒土部

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