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広辞苑の検索結果 (73)
すみ【墨】🔗⭐🔉
すみ【墨】
①文房具の一種。油煙や松の根を燃やして出た煤すすを、膠にかわで練り固めたもの。また、これを水と共に硯ですってできる黒色の液。墨汁ぼくじゅう。書画をかくのに用いる。
②絵具を固めて作り、1と同様に用いるもの。「朱―」
③墨染の略。「―の衣」
④墨糸すみいと・墨縄の略。「―を打つ」
⑤煤すす。「なべ底の―」
⑥烏賊いか・蛸たこの体内にある黒い汁。
⇒墨と雪
⇒墨は餓鬼に磨らせ、筆は鬼に持たせよ
⇒墨を磨るは病夫の如くし、筆を把るは壮士の如くす
すみ‐いか【墨烏賊】🔗⭐🔉
すみ‐いか【墨烏賊】
マイカ・コウイカの異称。
すみ‐いろ【墨色】🔗⭐🔉
すみ‐いろ【墨色】
①書き、あるいは染めなどした、墨の色合。ぼくしょく。
Munsell color system: N2
②書いた墨の色合から吉凶を判断すること。浄瑠璃、新版歌祭文「御判、―、相性の考へ、見てあげませう」
すみ‐うち【墨打ち】🔗⭐🔉
すみ‐うち【墨打ち】
墨糸で線を引くこと。
すみ‐え【墨絵】‥ヱ🔗⭐🔉
すみ‐え【墨絵】‥ヱ
①彩色を施さない墨がきの絵。水墨画。「―扇」
②墨で輪郭だけを描いた絵。白描画。
すみ‐がき【墨書き・墨描き】🔗⭐🔉
すみ‐がき【墨書き・墨描き】
①墨ばかりで絵を描くこと。また、その絵。
②下絵したえ。
③平安時代の宮廷絵所えどころの職制で、主任画家の称。源氏物語帚木「絵所に上手多かれど―にえらばれ」
すみ‐かけ【墨掛】🔗⭐🔉
すみ‐かけ【墨掛】
大材から小材を木取きどりする場合、大材の小口に必要な小材の形を墨でしるしを付けること。
すみ‐がさ【墨傘】🔗⭐🔉
すみ‐がさ【墨傘】
地紙を黒く染めた日傘。
すみ‐がた【墨形】🔗⭐🔉
すみ‐がた【墨形】
墨絵の模様。好色五人女3「白しゆすに―の肌着」
すみ‐がね【墨金・墨曲尺】🔗⭐🔉
すみ‐がね【墨金・墨曲尺】
①まがりがね。曲尺。
②(スミカネとも)(→)規矩術きくじゅつ3に同じ。
すみ‐ぐま【墨隈】🔗⭐🔉
すみ‐ぐま【墨隈】
墨をぼかして隈を取る東洋絵画の手法の一つ。
すみ‐ぐろ【墨黒】🔗⭐🔉
すみ‐ぐろ【墨黒】
墨色の黒いこと。墨つきの濃いこと。堤中納言物語「白き扇の―に真名の手習したるを」
すみ‐ごろも【墨衣】🔗⭐🔉
すみ‐ごろも【墨衣】
黒く染めた衣。僧衣や喪服。墨染衣。
すみ‐さし【墨刺】🔗⭐🔉
すみ‐さし【墨刺】
竹を箆へらのように作り、その先を細かく割り、墨壺に添えて、木材や石材に印しるしを引き、字を書くのに用いる具。〈倭名類聚鈔15〉
墨刺
すみ‐じ【墨字】🔗⭐🔉
すみ‐じ【墨字】
点字に対し、普通に書いたり印刷したりした文字。
すみ‐ずり【墨摺】🔗⭐🔉
すみ‐ずり【墨摺】
①版木で摺るのに色を使用せず、墨だけを用いること。また、その摺ったもの。
②更紗サラサの文様の線描を彫刻板で摺り、彩色を筆で塗るもの。
すみ‐ぞめ【墨染】🔗⭐🔉
すみ‐ぞめ【墨染】
①墨汁で染めたような黒い色。古今和歌集雑体「―の夕べになれば」
②黒色の僧衣。源氏物語柏木「いであな心憂、―こそ猶いとうたて」
③鼠色の喪服。にびいろ。ふじごろも。古今和歌集哀傷「―の君が袂は雲なれや」
④夕暮。
⇒すみぞめ‐ごろも【墨染衣】
⇒すみぞめ‐ざくら【墨染桜】
⇒すみぞめ‐の【墨染の】
⇒すみぞめ‐の‐ころも【墨染の衣】
すみぞめ‐ごろも【墨染衣】🔗⭐🔉
すみぞめ‐ごろも【墨染衣】
黒色の僧衣。また、鼠色に染めた喪服。墨染の衣。新撰六帖5「―袖ぞはつるる」
⇒すみ‐ぞめ【墨染】
すみぞめ‐ざくら【墨染桜】🔗⭐🔉
すみぞめ‐ざくら【墨染桜】
①里桜の一品種。花は小さく単弁で細く白色。茎・葉ともに青く、薄墨のようである。
②伏見墨染の伝説上の桜。平安前期、上野岑雄かむつけのみねおが、藤原基経の死を悲しんで、「深草の野べの桜し心あらば今年ばかりは墨染に咲け」(古今哀傷)と詠んだので墨染に咲くようになったという。能・浄瑠璃にも脚色。大句数上「筆を黙する―」
⇒すみ‐ぞめ【墨染】
すみぞめ‐の【墨染の】🔗⭐🔉
すみぞめ‐の【墨染の】
〔枕〕
「くらし(暗し)」「ゆふべ」「たそがれ」にかかる。
⇒すみ‐ぞめ【墨染】
すみぞめ‐の‐ころも【墨染の衣】🔗⭐🔉
すみぞめ‐の‐ころも【墨染の衣】
(→)「すみぞめごろも」に同じ。
⇒すみ‐ぞめ【墨染】
すみ‐つぎ【墨継ぎ】🔗⭐🔉
すみ‐つぎ【墨継ぎ】
①(→)墨柄すみづかに同じ。
②筆に含ませた墨汁が乏しくなった時、さらに墨汁を含ませて書くこと。立体的な効果を与えるため、墨継ぎをした箇所が隣の行で並ばないようにするとか、和歌を書くには初句、三句、五句で墨継ぎをするとされている。
すみ‐つぼ【墨壺】🔗⭐🔉
すみ‐つぼ【墨壺】
①大工や石工などが直線を引くのに用いる道具。一方に墨肉を入れ、他方に糸(墨糸)を巻きつけた車をつけ、糸は墨池の中を通し、端に仮子かりこという小錐こきりをつける。墨糸を加工材にまっすぐに張って垂直に軽く弾くと、黒線が材面に印される。
墨壺
墨壺
提供:竹中大工道具館
②墨汁を入れた壺。墨斗すみつも。墨入れ。〈倭名類聚鈔15〉
墨壺
提供:竹中大工道具館
②墨汁を入れた壺。墨斗すみつも。墨入れ。〈倭名類聚鈔15〉
○墨と雪すみとゆき🔗⭐🔉
○墨と雪すみとゆき
性質が全く反対なもの、また、全く異なるもののたとえ。「雪と墨」とも。
⇒すみ【墨】
すみ‐とり【炭取・炭斗】
炭を小出しに入れておく器。木製または竹製が多い。すみいれ。すみかご。〈[季]冬〉
すみ‐と・る【角取る】
〔他五〕
角を金属などで縁取る。狂言、鎧「―・つた唐櫃に」
すみ‐なおし【墨直し】‥ナホシ
碑面にさした墨が風雨にあせたのを、新しく墨を点じてなおすこと。
すみ‐ながし【墨流し】
①水の上に字や絵をかく一法。嬉遊笑覧3に「小豆粉あずきこ一匁、黄柏おうはく五分、明礬みょうばん一分、これを麻切に包み、水にて湿し紙にひたし、その上に文字にても絵にても(墨で)書きて水の内に浮め、細き竹串にて紙を突けば、紙は底に沈み、書きたる墨ばかり水上に浮み残るなり」とある。
②水面に墨汁または顔料を吹き散らし、これを布や紙の面に移して曲線文様を製出する染法。また、その製品。古来、色紙・短冊などに用いたが、布帛ふはくに用いたものが福井県武生たけふ(現、越前市)の名産。すみながしぞめ。男色大鑑「―幅広の鳥の子三十枚」
墨流し
撮影:関戸 勇
⇒すみながし‐ぞめ【墨流し染め】
すみながし‐ぞめ【墨流し染め】
(→)「すみながし」2に同じ。
⇒すみ‐ながし【墨流し】
すみ‐な・す【住み成す】
〔自五〕
…のような状態で住む。源氏物語夕顔「なべての所に似ずいとのどかに心にくく―・し給へり」
すみ‐な・れる【住み馴れる・住み慣れる】
〔自下一〕[文]すみな・る(下二)
住んで年月を経て、なじんでいる。住んで居ごこちがよくなる。平家物語8「―・れしふるき都の恋しさは」。「土地にも家にも―・れる」
すみ‐なわ【墨縄】‥ナハ
(→)墨糸すみいとに同じ。〈倭名類聚鈔15〉
⇒すみながし‐ぞめ【墨流し染め】
すみながし‐ぞめ【墨流し染め】
(→)「すみながし」2に同じ。
⇒すみ‐ながし【墨流し】
すみ‐な・す【住み成す】
〔自五〕
…のような状態で住む。源氏物語夕顔「なべての所に似ずいとのどかに心にくく―・し給へり」
すみ‐な・れる【住み馴れる・住み慣れる】
〔自下一〕[文]すみな・る(下二)
住んで年月を経て、なじんでいる。住んで居ごこちがよくなる。平家物語8「―・れしふるき都の恋しさは」。「土地にも家にも―・れる」
すみ‐なわ【墨縄】‥ナハ
(→)墨糸すみいとに同じ。〈倭名類聚鈔15〉
すみ‐なおし【墨直し】‥ナホシ🔗⭐🔉
すみ‐なおし【墨直し】‥ナホシ
碑面にさした墨が風雨にあせたのを、新しく墨を点じてなおすこと。
すみのえ【住吉・墨江】🔗⭐🔉
すみのえ【住吉・墨江】
「すみよし」の古称。
⇒すみのえ‐の‐かみ【住吉神・墨江神】
すみのえ‐の‐かみ【住吉神・墨江神】🔗⭐🔉
すみのえ‐の‐かみ【住吉神・墨江神】
大阪の住吉すみよし神社の祭神である表筒男命うわづつのおのみこと・中筒男命なかづつのおのみこと・底筒男命そこづつのおのみことの三神。伊弉諾尊いざなきのみことが筑紫の檍原あはきはらで、禊みそぎをした時に生まれたという。航海の神、また和歌の神とされる。すみよしのかみ。
⇒すみのえ【住吉・墨江】
すみ‐の‐ころも【墨の衣】🔗⭐🔉
すみ‐の‐ころも【墨の衣】
(→)墨染衣すみぞめごろもに同じ。
すみ‐の‐たもと【墨の袂】🔗⭐🔉
すみ‐の‐たもと【墨の袂】
(→)墨染衣すみぞめごろもに同じ。
すみ‐の‐つか【墨の柄】🔗⭐🔉
すみ‐の‐つか【墨の柄】
(→)墨柄すみづかに同じ。
○墨は餓鬼に磨らせ、筆は鬼に持たせよすみはがきにすらせふではおににもたせよ🔗⭐🔉
○墨は餓鬼に磨らせ、筆は鬼に持たせよすみはがきにすらせふではおににもたせよ
墨をする時には、なるべく力を入れないようにし、一度筆をとったら、力をこめて勢いよく書くのがよい。
⇒すみ【墨】
すみ‐ばさみ【墨挿み】
(→)墨柄すみづかに同じ。
すみ‐ばしょ【住み場所】
住む場所。すみか。→生息場所
すみ‐はだ【澄肌】
刀身の地肌に、指で押したような青黒く澄んだ斑点が所々にあるもの。鯰肌なまずはだ。青江肌。
すみ‐はな・る【住み離る】
〔自下二〕
①家を離れる。世間を離れる。源氏物語須磨「―・れたらむ岩の中」
②愛情が失せて男が女のもとによりつかないようになる。とりかへばや「さばかり―・れたる所ある御心に」
すみ‐はん【墨判】
小判金の表面に極印ごくいんを打たないで墨書したもの。武蔵墨判小判・駿河墨判小判の類。
すみ‐び【炭火】
炭でおこした火。〈[季]冬〉。「―で魚を焼く」
⇒すみび‐やき【炭火焼き】
すみ‐ひき【墨引】
書状の封じ目。
すみ‐びたい【角額】‥ビタヒ
角前髪すみまえがみにした額。〈日葡辞書〉
すみび‐やき【炭火焼き】
肉などの食品を炭火で焼くこと。炭焼き。
⇒すみ‐び【炭火】
すみ‐ふ【墨斑】
葉などの淡緑色の地に、濃緑色の模様のあるもの。園芸界でいう。
すみ‐ぶくろ【すみ袋】
(→)頭陀ずだ袋に同じ。
すみ‐ぶくろ【角袋】
槍やりの鞘さや袋の角ばったもの。
すみ‐ぶくろ【墨袋】
烏賊いかのはらわたの墨のはいっているところ。
すみ‐ぶと【墨太】
筆の墨つきが太いこと。筆ぶと。
すみ‐ぼうし【角帽子】
⇒すんぼうし
すみ‐まえがみ【角前髪】‥マヘ‥
江戸時代、元服前の少年の髪型。前髪のはえぎわの左右を少し剃り込み、かどを立てたもの。角すみ。つの髪。半元服。西鶴織留4「―の若い者」
角前髪
すみ‐ませ‐ん【済みません】
「済まない」の丁寧語。「―がお願いします」
すみ‐み・つ【住み満つ】
〔自四〕
いっぱいに多くの人が住む。源氏物語玉鬘「勢ひことに―・ち給へれば」
すみ‐むね【隅棟】
屋根の隅に向かって作られた勾配こうばいのある棟。寄棟造・入母屋造・方形造ほうぎょうづくりの棟の類。
すみ‐や【炭屋】
炭を売る店、また、その人。
すみや【隅谷】
姓氏の一つ。
⇒すみや‐みきお【隅谷三喜男】
すみ‐やか【速やか】
はやいさま。ひまどらないさま。西大寺本最勝王経平安初期点「衣を焼かるることを被れるときに救ひて速スミヤカに滅けしたむ」。土佐日記「御船―に漕がしめたまへ」。「―に事を運ぶ」「―な解決」
すみ‐やか【澄みやか】
澄み切っているさま。謡曲、清経「腰より横笛ようじょう抜き出し、音ねも―に吹き鳴らし」
すみ‐やき【炭焼き】
①木材を焼いて炭を作ること。また、それを業とする人。〈[季]冬〉。→炭竈すみがま。
②(→)「炭火焼き」に同じ。
⇒すみやき‐がま【炭焼き竈】
⇒すみやき‐ごろも【炭焼衣】
⇒すみやき‐だい【炭焼鯛】
すみやき‐がま【炭焼き竈】
(→)炭竈に同じ。
⇒すみ‐やき【炭焼き】
すみやき‐ごろも【炭焼衣】
炭を焼く人の着る衣服。また、汚れて黒くなった着物。万代和歌集恋「冬山の―なれぬとて」
⇒すみ‐やき【炭焼き】
すみやき‐だい【炭焼鯛】‥ダヒ
イシナギの異名。
⇒すみ‐やき【炭焼き】
すみ‐や・く【速く】
〔自四〕
(スミヤカを活用させたもの)速やかになる。心がせく。いらだつ。詞花和歌集恋「君をわが思ふ心はおほ原やいつしかとのみ―・かれつつ」
すみ‐やぐら【角櫓】
城郭の隅の櫓。
すみや‐みきお【隅谷三喜男】‥ヲ
労働経済学者。東京生れ。東大卒、同教授。社会政策や労働経済論を研究。著「日本賃労働史論」「労働経済論」。(1916〜2003)
⇒すみや【隅谷】
すみ‐やり【墨遣】
(→)髱差たぼさしに同じ。
すみよし【住吉】
①大阪市南部の住吉区から堺市北部にまたがる地名。仁徳天皇時代、海上の守護神住吉神すみのえのかみを勧請して、墨江また住吉と書き、「すみのえ」と称したが、平安時代に「すみよし」の訓みが生じた。住吉神社の所在地。(歌枕)
②山田流箏曲。山田検校作曲。住吉神社への参詣道行、御田植神事に歌いはやす難波女の歌などを盛り込む。
⇒すみよし‐おどり【住吉踊】
⇒すみよし‐じんじゃ【住吉神社】
⇒すみよし‐じんだいき【住吉神代記】
⇒すみよし‐づくり【住吉造】
⇒すみよし‐にんぎょう【住吉人形】
⇒すみよし‐の‐かみ【住吉神】
⇒すみよし‐ものがたり【住吉物語】
すみよし【住吉】
姓氏の一つ。江戸時代、土佐家と並んで大和絵を標榜した画家の家系。
⇒すみよし‐ぐけい【住吉具慶】
⇒すみよし‐じょけい【住吉如慶】
⇒すみよし‐は【住吉派】
すみよし‐おどり【住吉踊】‥ヲドリ
①大阪住吉神社の御田植神事に行われる踊り。田植えをする早乙女のそばで踊り手が踊る。願人坊主によって流布されたのが、のちに、かっぽれとなる。
住吉踊
②河東節。本名題「泰平住吉踊」。1のさまを主題とする。
③上方舞(京舞)。江戸歌。2の詞章の短縮版。
⇒すみよし【住吉】
すみよし‐ぐけい【住吉具慶】
江戸前期の画家。名は広澄ひろずみ。京都の人。父如慶の画業をついで細密な大和絵をよくした。1683年(天和3)江戸に出、85年(貞享2)幕府の御用絵師に任ぜられ、住吉派の権威を確立。作「都鄙図巻」(奈良興福院)。(1631〜1705)
⇒すみよし【住吉】
すみよし‐じょけい【住吉如慶】
江戸前期の画家。住吉派の祖。名は広通ひろみち。京都に住む。土佐光吉・土佐光則の門人。姓は初め土佐、のち勅命により住吉に改める。大和絵の細密描写を得意とした。作「堀川殿夜討絵巻」など。(1599〜1670)
⇒すみよし【住吉】
すみよし‐じんじゃ【住吉神社】
大阪市住吉区住吉にある元官幣大社。住吉神すみのえのかみの三神と神功皇后とを祀る。二十二社の一つ。摂津国一の宮。今は住吉大社と称す。同名の神社は、下関市一の宮住吉(長門国一の宮)や福岡市博多区住吉(筑前国一の宮)など各地にある。→すみのえのかみ。
住吉大社
撮影:的場 啓
⇒すみよし【住吉】
すみよし‐じんだいき【住吉神代記】
住吉神社の古縁起書。津守島麻呂・客人撰。奈良時代から平安初期の成立という。
⇒すみよし【住吉】
すみよし‐づくり【住吉造】
神社本殿の一形式。切妻造・妻入つまいりで、屋根に反りがなく、入口は中央にあり、内部は前後2室に仕切られている。住吉神社本殿の形式。
住吉造
⇒すみよし【住吉】
すみよし‐にんぎょう【住吉人形】‥ギヤウ
文政(1818〜1830)の頃、縁起物として住吉で製した土製の人形。
⇒すみよし【住吉】
すみよし‐の‐かみ【住吉神】
(→)「すみのえのかみ」に同じ。
⇒すみよし【住吉】
すみよし‐は【住吉派】
江戸時代における大和絵の一派。江戸初期に土佐派から分かれた住吉如慶・具慶父子に始まる。鎌倉時代の住吉慶恩けいおんを流祖として住吉姓を名のる。幕府の御用絵師となり、門人から出た板谷派・粟田口派も幕府に仕えた。
⇒すみよし【住吉】
すみよし‐ものがたり【住吉物語】
鎌倉初期頃の物語。1巻。作者不明。古く源氏物語・枕草子に見えるものは散逸、現存のものはこれを改作したものであろう。女主人公が継母の悪計を逃れて住吉の尼のもとに身を寄せ、好配偶の中将を得て栄えるという筋。絵巻物・奈良絵本などもある。
→文献資料[住吉物語]
⇒すみよし【住吉】
すみる‐ちゃ【素海松茶】
染色の名。菫色すみれいろを帯びた茶色。
すみれ【菫】
①スミレ科スミレ属植物の総称。→すみれ科。
②スミレ科の多年草。春、葉間に数本の花茎を出し、濃紫色の花一つをつける。相撲取草すもうとりぐさ。菫々菜きんきんさい。〈[季]春〉。万葉集8「春の野に―摘みにと来しわれそ」
すみれ
スミレ
提供:OPO
③襲かさねの色目。表は紫、裏は薄紫。
④菫色の略。
⇒すみれ‐いろ【菫色】
⇒すみれ‐か【菫科】
⇒すみれ‐さいしん【菫細辛】
すみれ‐いろ【菫色】
菫の花のような濃紫色。
Munsell color system: 2.5P4/11
⇒すみれ【菫】
すみれ‐か【菫科】‥クワ
双子葉植物の一科。世界に22属約1000種、日本にはスミレ属だけ約50種がある。まれに木本で、多くは草本。葉は互生、托葉をもつ。花は左右相称形で、萼・花弁・雄しべ各5、雌しべ1。果実は蒴果さくか。スミレ・パンジーなど。
⇒すみれ【菫】
すみれ‐さいしん【菫細辛】
スミレ科の多年草。中部以北の本州日本海側と北海道の山地林下に生ずる。地下に太い根茎があり、長い柄の根生葉を束生、葉身はややハート形で先が尖る。春に花茎の頂に大形の青紫色の花をつける。太平洋側の山地にはナガバノスミレサイシンがある。
⇒すみれ【菫】
スミロドン【Smilodon ラテン】
南北アメリカに生息したサーベル‐タイガー。
すみ‐わけ【住み分け・棲み分け】
〔生〕生活様式が類似する複数の動物の個体または個体群が、生活の場を空間的または時間的に分け合う状態で生存する現象。今西錦司・可児藤吉(1908〜1944)の水生昆虫の研究から提唱された概念。一般語としては単に生息場所が異なる現象をいう。
すみ‐わた・る【住み渡る】
〔自四〕
住みつづける。万葉集10「橘のはやしを植ゑむほととぎす常に冬まで―・るがね」
すみ‐わた・る【澄み渡る】
〔自五〕
空などが一面に澄む。源氏物語明石「空のけしき名残なく―・りて」。「―・った秋空」
すみ‐わ・ぶ【住み侘ぶ】
〔自上二〕
気落ちして、住んでいる力をなくす。住みづらく思う。伊勢物語「―・びぬ今は限りと山里に身を隠すべき宿求めてむ」
すみ‐ませ‐ん【済みません】
「済まない」の丁寧語。「―がお願いします」
すみ‐み・つ【住み満つ】
〔自四〕
いっぱいに多くの人が住む。源氏物語玉鬘「勢ひことに―・ち給へれば」
すみ‐むね【隅棟】
屋根の隅に向かって作られた勾配こうばいのある棟。寄棟造・入母屋造・方形造ほうぎょうづくりの棟の類。
すみ‐や【炭屋】
炭を売る店、また、その人。
すみや【隅谷】
姓氏の一つ。
⇒すみや‐みきお【隅谷三喜男】
すみ‐やか【速やか】
はやいさま。ひまどらないさま。西大寺本最勝王経平安初期点「衣を焼かるることを被れるときに救ひて速スミヤカに滅けしたむ」。土佐日記「御船―に漕がしめたまへ」。「―に事を運ぶ」「―な解決」
すみ‐やか【澄みやか】
澄み切っているさま。謡曲、清経「腰より横笛ようじょう抜き出し、音ねも―に吹き鳴らし」
すみ‐やき【炭焼き】
①木材を焼いて炭を作ること。また、それを業とする人。〈[季]冬〉。→炭竈すみがま。
②(→)「炭火焼き」に同じ。
⇒すみやき‐がま【炭焼き竈】
⇒すみやき‐ごろも【炭焼衣】
⇒すみやき‐だい【炭焼鯛】
すみやき‐がま【炭焼き竈】
(→)炭竈に同じ。
⇒すみ‐やき【炭焼き】
すみやき‐ごろも【炭焼衣】
炭を焼く人の着る衣服。また、汚れて黒くなった着物。万代和歌集恋「冬山の―なれぬとて」
⇒すみ‐やき【炭焼き】
すみやき‐だい【炭焼鯛】‥ダヒ
イシナギの異名。
⇒すみ‐やき【炭焼き】
すみ‐や・く【速く】
〔自四〕
(スミヤカを活用させたもの)速やかになる。心がせく。いらだつ。詞花和歌集恋「君をわが思ふ心はおほ原やいつしかとのみ―・かれつつ」
すみ‐やぐら【角櫓】
城郭の隅の櫓。
すみや‐みきお【隅谷三喜男】‥ヲ
労働経済学者。東京生れ。東大卒、同教授。社会政策や労働経済論を研究。著「日本賃労働史論」「労働経済論」。(1916〜2003)
⇒すみや【隅谷】
すみ‐やり【墨遣】
(→)髱差たぼさしに同じ。
すみよし【住吉】
①大阪市南部の住吉区から堺市北部にまたがる地名。仁徳天皇時代、海上の守護神住吉神すみのえのかみを勧請して、墨江また住吉と書き、「すみのえ」と称したが、平安時代に「すみよし」の訓みが生じた。住吉神社の所在地。(歌枕)
②山田流箏曲。山田検校作曲。住吉神社への参詣道行、御田植神事に歌いはやす難波女の歌などを盛り込む。
⇒すみよし‐おどり【住吉踊】
⇒すみよし‐じんじゃ【住吉神社】
⇒すみよし‐じんだいき【住吉神代記】
⇒すみよし‐づくり【住吉造】
⇒すみよし‐にんぎょう【住吉人形】
⇒すみよし‐の‐かみ【住吉神】
⇒すみよし‐ものがたり【住吉物語】
すみよし【住吉】
姓氏の一つ。江戸時代、土佐家と並んで大和絵を標榜した画家の家系。
⇒すみよし‐ぐけい【住吉具慶】
⇒すみよし‐じょけい【住吉如慶】
⇒すみよし‐は【住吉派】
すみよし‐おどり【住吉踊】‥ヲドリ
①大阪住吉神社の御田植神事に行われる踊り。田植えをする早乙女のそばで踊り手が踊る。願人坊主によって流布されたのが、のちに、かっぽれとなる。
住吉踊
②河東節。本名題「泰平住吉踊」。1のさまを主題とする。
③上方舞(京舞)。江戸歌。2の詞章の短縮版。
⇒すみよし【住吉】
すみよし‐ぐけい【住吉具慶】
江戸前期の画家。名は広澄ひろずみ。京都の人。父如慶の画業をついで細密な大和絵をよくした。1683年(天和3)江戸に出、85年(貞享2)幕府の御用絵師に任ぜられ、住吉派の権威を確立。作「都鄙図巻」(奈良興福院)。(1631〜1705)
⇒すみよし【住吉】
すみよし‐じょけい【住吉如慶】
江戸前期の画家。住吉派の祖。名は広通ひろみち。京都に住む。土佐光吉・土佐光則の門人。姓は初め土佐、のち勅命により住吉に改める。大和絵の細密描写を得意とした。作「堀川殿夜討絵巻」など。(1599〜1670)
⇒すみよし【住吉】
すみよし‐じんじゃ【住吉神社】
大阪市住吉区住吉にある元官幣大社。住吉神すみのえのかみの三神と神功皇后とを祀る。二十二社の一つ。摂津国一の宮。今は住吉大社と称す。同名の神社は、下関市一の宮住吉(長門国一の宮)や福岡市博多区住吉(筑前国一の宮)など各地にある。→すみのえのかみ。
住吉大社
撮影:的場 啓
⇒すみよし【住吉】
すみよし‐じんだいき【住吉神代記】
住吉神社の古縁起書。津守島麻呂・客人撰。奈良時代から平安初期の成立という。
⇒すみよし【住吉】
すみよし‐づくり【住吉造】
神社本殿の一形式。切妻造・妻入つまいりで、屋根に反りがなく、入口は中央にあり、内部は前後2室に仕切られている。住吉神社本殿の形式。
住吉造
⇒すみよし【住吉】
すみよし‐にんぎょう【住吉人形】‥ギヤウ
文政(1818〜1830)の頃、縁起物として住吉で製した土製の人形。
⇒すみよし【住吉】
すみよし‐の‐かみ【住吉神】
(→)「すみのえのかみ」に同じ。
⇒すみよし【住吉】
すみよし‐は【住吉派】
江戸時代における大和絵の一派。江戸初期に土佐派から分かれた住吉如慶・具慶父子に始まる。鎌倉時代の住吉慶恩けいおんを流祖として住吉姓を名のる。幕府の御用絵師となり、門人から出た板谷派・粟田口派も幕府に仕えた。
⇒すみよし【住吉】
すみよし‐ものがたり【住吉物語】
鎌倉初期頃の物語。1巻。作者不明。古く源氏物語・枕草子に見えるものは散逸、現存のものはこれを改作したものであろう。女主人公が継母の悪計を逃れて住吉の尼のもとに身を寄せ、好配偶の中将を得て栄えるという筋。絵巻物・奈良絵本などもある。
→文献資料[住吉物語]
⇒すみよし【住吉】
すみる‐ちゃ【素海松茶】
染色の名。菫色すみれいろを帯びた茶色。
すみれ【菫】
①スミレ科スミレ属植物の総称。→すみれ科。
②スミレ科の多年草。春、葉間に数本の花茎を出し、濃紫色の花一つをつける。相撲取草すもうとりぐさ。菫々菜きんきんさい。〈[季]春〉。万葉集8「春の野に―摘みにと来しわれそ」
すみれ
スミレ
提供:OPO
③襲かさねの色目。表は紫、裏は薄紫。
④菫色の略。
⇒すみれ‐いろ【菫色】
⇒すみれ‐か【菫科】
⇒すみれ‐さいしん【菫細辛】
すみれ‐いろ【菫色】
菫の花のような濃紫色。
Munsell color system: 2.5P4/11
⇒すみれ【菫】
すみれ‐か【菫科】‥クワ
双子葉植物の一科。世界に22属約1000種、日本にはスミレ属だけ約50種がある。まれに木本で、多くは草本。葉は互生、托葉をもつ。花は左右相称形で、萼・花弁・雄しべ各5、雌しべ1。果実は蒴果さくか。スミレ・パンジーなど。
⇒すみれ【菫】
すみれ‐さいしん【菫細辛】
スミレ科の多年草。中部以北の本州日本海側と北海道の山地林下に生ずる。地下に太い根茎があり、長い柄の根生葉を束生、葉身はややハート形で先が尖る。春に花茎の頂に大形の青紫色の花をつける。太平洋側の山地にはナガバノスミレサイシンがある。
⇒すみれ【菫】
スミロドン【Smilodon ラテン】
南北アメリカに生息したサーベル‐タイガー。
すみ‐わけ【住み分け・棲み分け】
〔生〕生活様式が類似する複数の動物の個体または個体群が、生活の場を空間的または時間的に分け合う状態で生存する現象。今西錦司・可児藤吉(1908〜1944)の水生昆虫の研究から提唱された概念。一般語としては単に生息場所が異なる現象をいう。
すみ‐わた・る【住み渡る】
〔自四〕
住みつづける。万葉集10「橘のはやしを植ゑむほととぎす常に冬まで―・るがね」
すみ‐わた・る【澄み渡る】
〔自五〕
空などが一面に澄む。源氏物語明石「空のけしき名残なく―・りて」。「―・った秋空」
すみ‐わ・ぶ【住み侘ぶ】
〔自上二〕
気落ちして、住んでいる力をなくす。住みづらく思う。伊勢物語「―・びぬ今は限りと山里に身を隠すべき宿求めてむ」
すみ‐ばさみ【墨挿み】🔗⭐🔉
すみ‐ばさみ【墨挿み】
(→)墨柄すみづかに同じ。
すみ‐ひき【墨引】🔗⭐🔉
すみ‐ひき【墨引】
書状の封じ目。
すみ‐ぶくろ【墨袋】🔗⭐🔉
すみ‐ぶくろ【墨袋】
烏賊いかのはらわたの墨のはいっているところ。
すみ‐ぶと【墨太】🔗⭐🔉
すみ‐ぶと【墨太】
筆の墨つきが太いこと。筆ぶと。
○墨を磨るは病夫の如くし、筆を把るは壮士の如くすすみをするはびょうふのごとくしふでをとるはそうしのごとくす🔗⭐🔉
○墨を磨るは病夫の如くし、筆を把るは壮士の如くすすみをするはびょうふのごとくしふでをとるはそうしのごとくす
「墨は餓鬼に磨らせ、筆は鬼に持たせよ」と同趣意。
⇒すみ【墨】
す・む【住む・棲む・栖む】
〔自五〕
(「巣」と同源か)生物が巣と定めたところで生活を営む意。
①巣にいる。巣を作って生活する。万葉集11「河千鳥―・む沢の上に立つ霧の」。古今和歌集序「花に鳴く鶯、水に―・むかはづの声を聞けば」
②男が女のもとにかよって夫婦のまじわりをする。伊勢物語「昔陸奥みちの国にて男、女、―・みけり」。大鏡道隆「故帥中納言惟仲の女に―・み給ひて男一人女一人生ませ給へりし」
③居を定めてそこで生活する。すまう。万葉集15「雨ごもり物もふ時にほととぎすわが―・む里に来鳴きとよもす」。平家物語灌頂「岩に苔むしてさびたる所なりければ、―・ままほしうぞおぼしめす」。「村に―・む」
④そのところに永くとどまる。万葉集15「我妹子は早も来ぬかと待つらむを沖にや―・まむ家づかずして」
◇一般には、「住」を使う。1は、「棲」「栖」を使う。
⇒住めば都
す・む【済む】
[一]〔自五〕
(「澄すむ」の転義)
①事が終わる。成る。狂言、胸突「さりながら、まだ―・まぬことがおぢやる」。好色一代女1「此方望みの通り万事を定めて―・みける」。「―・んだことは仕方がない」「勉強が―・んだ」
②決着がつく。十分まにあう。狂言、二人大名「ただつつくりとさへ致いておれば―・む事でござる」。「助けを借りなくても―・みそうだ」「このままでは―・まない」「電話で話が―・む」
③借金などが片づく。世間胸算用5「殊更貧者の大節季、何と分別しても―・み難し」。「借りが―・む」
④納得がいく。気がはれる。浄瑠璃、神霊矢口渡「お妹御ならようござんすが、もし御夫婦なら、こつちにちよつと―・まぬ訳がござんする」。浮世草子、好色万金丹「女形も若衆形もぢきに紫帽子の額つきも―・まぬものなり」。「これで私も気が―・んだ」
⑤(多く打消の語とともに用いる)他人に対して申しわけがたつ。歌舞伎、毛抜「それではお上へ―・みそもないものでござりまする」。「彼に―・まないことをした」
[二]〔他下二〕
①すます。決着をつける。日葡辞書「サンヨウ(算用)ヲスムル」
②(自動詞的に)納得がいく。気に入る。気がはれる。多く打消の語を伴って用いる。洒落本、辰巳之園「まじめになりて―・めぬ顔にてゐる」
す・む【澄む・清む】
[一]〔自五〕
浮遊物などがすっかり沈んで静止し、液体・気体などが透明になる意。
①にごりがなくなる。清くなる。宇津保物語国譲中「行く水と今日見るどちのこの宿にいずれ久しと―・み(「住み」と掛ける)くらべなむ」。「川の水が―・む」
②曇りがなく明るく見える。源氏物語槿「月いよいよ―・みて静かに面白し」。源氏物語明石「をやみなかりし空のけしき名残なく―・みわたりて」。「―・んだひとみ」
③楽器の音がさえて聞こえる。宇津保物語楼上下「響―・み音高きことすぐれたる琴なれば」。「―・んだ音」
④騒がしい動きなどがおさまって落ち着く。また、しらけてしんとなる。今昔物語集28「人―・みて後、三人ながら車よりおりぬれば」。古今著聞集4「満座興醒めてけり。あまりに―・みて侍りければ、有安が座の末にありけるに、入道朗詠すべきよしをすすめければ」
⑤けばけばしくなく落ち着いた感じである。源氏物語常夏「この御さまは…いとあてに―・みたるものの、なつかしきさま添ひて」。源氏物語梅枝「いといたう筆―・みたる気色ありて書きなし給へり」
⑥迷いや汚れがない。いさぎよい。悟っている。源氏物語帚木「思ひ立つほどはいと心―・めるやうにて、世にかへりみすべくも思へらず」
⑦平然とする。すましこむ。更級日記「舟も寄せず、うそぶいて見まはし、いといみじう―・みたるさまなり」
⑧条理がはっきりしている。道理が明らかである。玉塵抄8「理の―・みかね心得がたい所をときわくるを分疏と云ふぞ」。日葡辞書「リ(理)ノスマヌコトヂャ」
⑨(濁音を「にごる」というのに対して)清音せいおんである。玉塵抄11「上界…経文には上をにごるぞ。詩文では上を―・むなり」
[二]〔他下二〕
①にごり・よごれをなくす。
②条理をはっきりさせる。道理を明らかにする。日葡辞書「リ(理)ヲスムル」
すむい
拳けんの用語。数の4の意。浄瑠璃、冥途飛脚「はま、さんきう、ごう、りう、―」
スムージー【smoothie】
(口当りが滑らか(スムーズ)の意)凍らせた果物・野菜などを牛乳・ヨーグルトとともにミキサーで攪拌かくはんしてとろりとさせた冷たい飲物。
スムース
スムーズの訛。
スムーズ【smooth】
なめらかなさま。物事や動作が円滑に進むさま。スムース。「話が―に進む」
す‐むつかり【酢憤】
古くは、おろし大根に炒り大豆を加え、酢醤油をかけた郷土料理の一種。今では、栃木県地方などに「しもつかれ」の名でのこされ、塩鮭の頭・人参・酒粕などを加えて煮た料理。初午はつうまの嘉例に道祖神に捧げ、また自家の食用とする。すみつかり。しみつかれ。
すむ‐のり【紫苔】
アマノリの異称。〈本草和名下〉
すむや‐け・し【速けし】
〔形ク〕
すみやかである。早い。万葉集15「―・くはや帰りませ」
す‐め【素目】
潜水眼鏡をつけないで、水中で魚介類を見つけること。
す‐め【素面】
(スメンの訛)しらふ。
すめ【皇】
〔接頭〕
神または天皇に関する物事の名に冠して用いる語。すべ。神代紀下「―孫みま」
すめ‐いろと【皇弟】
天皇の弟。
すめ‐おおかみ【皇大神】‥オホ‥
皇室の祖先神の敬称。
すめ‐おおみかみ【皇大御神】‥オホ‥
①皇室の祖先神の敬称。祝詞、祈年祭「―の大前に」
②神の敬称。すめがみ。
すめ‐がみ【皇神】
①ある地域を領する神。万葉集13「山科の石田の森の―に」
②日本の国を領する神。また、皇祖の敬称。すべがみ。すべらがみ。万葉集5「そらみつやまとの国は―のいつくしき国」
すめ・く
〔自四〕
すうすうと息づかいをする。東海道名所記「うめき―・きて案じつつ」
スメクタイト【smectite】
粘土鉱物のグループ名。モンモリロン石などを含む。アルミニウム・マグネシウム・鉄・ナトリウム・カルシウムなどを主成分とする層状珪酸塩。
スメクティック‐えきしょう【スメクティック液晶】‥シヤウ
(smectic liquid crystal)液晶形態の一つ。分子の長軸が、積み重なる層の面に対して、直角の方向にバラバラに、あるいは、ある角度をもって並んでいるもの。
スメタナ【Bedřich Smetana】
ボヘミアの作曲家。チェコ国民楽派を確立。歌劇「売られた花嫁」、連作交響詩「わが祖国」(高い城・モルダウほか)など。(1824〜1884)
スメタナ
提供:Lebrecht Music & Arts/APL
→交響詩「わが祖国」 モルダウ
提供:コロムビアミュージックエンタテインメント(株)
→歌劇「売られた花嫁」序曲
提供:コロムビアミュージックエンタテインメント(株)
スメドレー【Agnes Smedley】
アメリカの女性ジャーナリスト。長く中国に滞在して、革命運動を報道。著「女一人大地を行く」「偉大なる道」。(1892?〜1950)
→交響詩「わが祖国」 モルダウ
提供:コロムビアミュージックエンタテインメント(株)
→歌劇「売られた花嫁」序曲
提供:コロムビアミュージックエンタテインメント(株)
スメドレー【Agnes Smedley】
アメリカの女性ジャーナリスト。長く中国に滞在して、革命運動を報道。著「女一人大地を行く」「偉大なる道」。(1892?〜1950)
ぼく【墨】🔗⭐🔉
ぼく【墨】
①いれずみ。五刑の一つ。
②(→)墨子の略。
③墨水(隅田川)のこと。
④(→)墨西哥メキシコの略。
ぼく‐が【墨画】‥グワ🔗⭐🔉
ぼく‐が【墨画】‥グワ
彩色せずに墨だけでかいた絵。すみえ。水墨画。
ぼく‐ぎん【墨銀】🔗⭐🔉
ぼく‐ぎん【墨銀】
(→)メキシコ‐ドルに同じ。
ぼく‐けい【墨刑】🔗⭐🔉
ぼく‐けい【墨刑】
中国古代の五刑の一つ。額などに入墨するもの。
ぼくし【墨子】🔗⭐🔉
ぼくし【墨子】
①春秋戦国時代の思想家。墨家ぼっかの祖。魯の人。姓は墨(顔が黒かったためとも、入墨の意で一種の蔑称ともいう)、名は翟てき。宋に仕官して大夫となる。(前480頃〜前390頃)
②1の著書。現存本53編。兼愛説と非戦論とを唱えたもので、門弟の説も含まれるという。
ぼく‐じ【墨字】🔗⭐🔉
ぼく‐じ【墨字】
墨で書いた字。平家物語5「書写したてまつる色紙―の妙法蓮華経一部」
ぼく‐しゅ【墨守】🔗⭐🔉
ぼく‐しゅ【墨守】
(墨子がよく城を守った故事から)古い習慣や自説を固く守りつづけること。融通がきかないこと。「旧習を―する」
ぼく‐じゅう【墨汁】‥ジフ🔗⭐🔉
ぼく‐じゅう【墨汁】‥ジフ
①墨をすり出した汁。特に、写字用として、すぐに使えるように作った墨色の液。墨液。
②イカ・タコが分泌する黒い汁。
ぼく‐しょ【墨書】🔗⭐🔉
ぼく‐しょ【墨書】
墨で書くこと。また、その書いたもの。「―銘」
⇒ぼくしょ‐どき【墨書土器】
ぼく‐しょう【墨床】‥シヤウ🔗⭐🔉
ぼく‐しょう【墨床】‥シヤウ
(→)墨台ぼくだいに同じ。
ぼく‐しょう【墨象】‥シヤウ🔗⭐🔉
ぼく‐しょう【墨象】‥シヤウ
(→)前衛書道に同じ。
ぼく‐じょう【墨帖】‥デフ🔗⭐🔉
ぼく‐じょう【墨帖】‥デフ
(→)法帖ほうじょうに同じ。
ぼく‐じょう【墨場】‥ヂヤウ🔗⭐🔉
ぼく‐じょう【墨場】‥ヂヤウ
①書家・画家などの集まる場所。文墨の場所。
②文墨のなかま。
ぼくじょうひっけい【墨場必携】‥ヂヤウ‥🔗⭐🔉
ぼくじょうひっけい【墨場必携】‥ヂヤウ‥
市河米庵著。天保7年(1836)序。明治13年刊。文人・画家の便に供するために古人の成語・詩歌を集めたもの。
ぼく‐しょく【墨色】🔗⭐🔉
ぼく‐しょく【墨色】
すみのいろ。すみつきの色。すみいろ。
Munsell color system: N2
ぼくしょ‐どき【墨書土器】🔗⭐🔉
ぼくしょ‐どき【墨書土器】
墨で文字や絵画などを書いた土器。7世紀以降出現。
⇒ぼく‐しょ【墨書】
ぼく‐せき【墨蹟・墨跡】🔗⭐🔉
ぼく‐せき【墨蹟・墨跡】
紙や布に墨で書いた肉筆の筆跡。特に、日本で禅僧の筆跡をいう。書跡。墨痕。
ぼく‐だい【墨台】🔗⭐🔉
ぼく‐だい【墨台】
すりかけの墨をのせておく小さな台。墨床。
ぼく‐ち【墨池】🔗⭐🔉
ぼく‐ち【墨池】
①硯すずりの水をためるところ。硯のうみ。
②すみつぼ。
③(張伯が池に臨み書を学ぶと池が黒くなった故事による)書道に専念すること。
ぼく‐ちょく【墨勅】🔗⭐🔉
ぼく‐ちょく【墨勅】
宸筆の勅書。
ぼく‐てい【墨堤】🔗⭐🔉
ぼく‐てい【墨堤】
隅田川堤の別称。
ぼっ‐か【墨家】ボク‥🔗⭐🔉
ぼっ‐か【墨家】ボク‥
春秋時代の学者、墨翟ぼくてきの学説を奉ずる一派。兼愛説を説いた。→墨子
ぼっ‐かい【墨界】ボク‥🔗⭐🔉
ぼっ‐かい【墨界】ボク‥
料紙に墨で引いたり墨色に刷ったりした罫線けいせん。墨罫。
ぼっ‐かく【墨客】ボク‥🔗⭐🔉
ぼっ‐かく【墨客】ボク‥
書や絵をかく人。また、書画の巧みな人。ぼっきゃく。「文人―」
ぼっ‐きゃく【墨客】ボク‥🔗⭐🔉
ぼっ‐きゃく【墨客】ボク‥
⇒ぼっかく
ぼっ‐けい【墨刑】ボク‥🔗⭐🔉
ぼっ‐けい【墨刑】ボク‥
⇒ぼくけい
ぼっ‐こう【墨香】ボクカウ🔗⭐🔉
ぼっ‐こう【墨香】ボクカウ
すみのにおい。
ぼっ‐こん【墨痕】ボク‥🔗⭐🔉
ぼっ‐こん【墨痕】ボク‥
すみのあと。筆のあと。筆跡。
⇒ぼっこん‐りんり【墨痕淋漓】
ぼっこん‐りんり【墨痕淋漓】ボク‥🔗⭐🔉
ぼっこん‐りんり【墨痕淋漓】ボク‥
墨で書いた書画に勢いがあふれているさま。
⇒ぼっ‐こん【墨痕】
メキシコ【Mexico・墨西哥】🔗⭐🔉
メキシコ【Mexico・墨西哥】
①北米大陸南部の合衆国。14世紀からアステカ文明が繁栄したが、1521年スペインに征服された。1821年独立。鉱産物に富み、工業・農業を主産業とする。面積196万平方キロメートル。人口1億535万(2004)。住民は主にメスティーソと先住民で、言語はスペイン語。スペイン語名メヒコ。→中央アメリカ(図)。
②1の首都。同国中部高原上にあり、標高2280メートル。アステカの湖上都市テノチティトランの上に建設された。人口1853万9千(2002)。メキシコ‐シティー。
メキシコシティー
撮影:田沼武能
⇒メキシコ‐かくめい【メキシコ革命】
⇒メキシコ‐ぎん【メキシコ銀】
⇒メキシコ‐ドル
⇒メキシコ‐わん【メキシコ湾】
⇒メキシコ‐わんりゅう【メキシコ湾流】
⇒メキシコ‐かくめい【メキシコ革命】
⇒メキシコ‐ぎん【メキシコ銀】
⇒メキシコ‐ドル
⇒メキシコ‐わん【メキシコ湾】
⇒メキシコ‐わんりゅう【メキシコ湾流】
[漢]墨🔗⭐🔉
墨 字形
筆順
〔土部11画/14画/常用/4347・4B4F〕
[
] 字形
〔土部12画/15画〕
〔音〕ボク(漢) モク(呉)
〔訓〕すみ
[意味]
①字や絵を書くのに使う、(黒色の)すみ。「墨汁・墨痕ぼっこん・筆墨・水墨画・朱墨・白墨」
②(すみで)書いた筆跡。書画。「遺墨・断簡零墨・墨客」
③刑罰としての、いれずみ。「墨刑・墨黥ぼくげい」
④諸子百家の一人、墨子(=墨翟ぼくてき)。「墨家・墨守」
⑤「墨水」(=隅田川)の略。「墨堤・墨東」▶「濹」とも書く。
⑥「墨西哥メキシコ」の略。「米墨戦争」
[解字]
形声。「土」+音符「黑」。くろいすすを土のように固めたもの、の意。
[下ツキ
遺墨・花墨・翰墨・朱墨・縄墨・水墨・石墨・唐墨・白墨・潑墨・破墨・筆墨・文墨・芳墨・零墨
[難読]
墨西哥メキシコ
筆順
〔土部11画/14画/常用/4347・4B4F〕
[
] 字形
〔土部12画/15画〕
〔音〕ボク(漢) モク(呉)
〔訓〕すみ
[意味]
①字や絵を書くのに使う、(黒色の)すみ。「墨汁・墨痕ぼっこん・筆墨・水墨画・朱墨・白墨」
②(すみで)書いた筆跡。書画。「遺墨・断簡零墨・墨客」
③刑罰としての、いれずみ。「墨刑・墨黥ぼくげい」
④諸子百家の一人、墨子(=墨翟ぼくてき)。「墨家・墨守」
⑤「墨水」(=隅田川)の略。「墨堤・墨東」▶「濹」とも書く。
⑥「墨西哥メキシコ」の略。「米墨戦争」
[解字]
形声。「土」+音符「黑」。くろいすすを土のように固めたもの、の意。
[下ツキ
遺墨・花墨・翰墨・朱墨・縄墨・水墨・石墨・唐墨・白墨・潑墨・破墨・筆墨・文墨・芳墨・零墨
[難読]
墨西哥メキシコ
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すみ【墨】🔗⭐🔉
すみ [2] 【墨】
(1)油煙・松煙を膠(ニカワ)で固め,硯(スズリ)ですって書画を書くのに用いるもの。また,それをすって作った黒い液。
(2)絵の具を固めて作り,硯などですって絵などを書くときに用いるもの。朱墨・藍(アイ)墨など。
(3)まっ黒なすす。「鍋(ナベ)の―」
(4)タコ・イカなどの体内にある黒い汁。身に危険が迫った時,噴出して外敵の目をくらます。「タコが―を吐く」
(5){(1)}で書いたり染めたりした色。
(6)「墨染め」の略。「―の衣」
(7)「墨縄」「墨糸」の略。「―を打つ」
(8)印刷用の黒インク。「―一色」
すみ=と雪🔗⭐🔉
――と雪
性質が全く反対のもののたとえ。
すみ=に染まれば黒くなる🔗⭐🔉
――に染まれば黒くなる
人は環境や交わる友によって良くも悪くもなることのたとえ。朱に交われば赤くなる。
すみ=は餓鬼(ガキ)に磨(ス)らせ、筆は鬼に持たせよ🔗⭐🔉
――は餓鬼(ガキ)に磨(ス)らせ、筆は鬼に持たせよ
墨をするときにはできるだけ力を入れないですり,筆で書くときは勢いよく力強く書くべきだ,というたとえ。
すみ=を打・つ🔗⭐🔉
――を打・つ
墨縄で木材などに黒い線をつける。
すみ=を磨(ス)るは病夫の如(ゴト)くし、筆を把(ト)るは壮士の如くす🔗⭐🔉
――を磨(ス)るは病夫の如(ゴト)くし、筆を把(ト)るは壮士の如くす
「墨は餓鬼(ガキ)に磨らせ,筆は鬼に持たせよ」に同じ。
すみ-いか【墨烏賊】🔗⭐🔉
すみ-いか [2] 【墨烏賊】
(1)コウイカの別名。
(2)シリヤケイカの別名。
すみ-いれ【墨入れ】🔗⭐🔉
すみ-いれ [4][3] 【墨入れ】
(1)「墨壺(スミツボ)」に同じ。
(2)図面などを,墨または製図用インクで仕上げること。
すみ-いろ【墨色】🔗⭐🔉
すみ-いろ [0] 【墨色】
(1)書いたり染めたりした墨の色合い。ぼくしょく。
(2)墨で字を書かせ,その色合いでその人の吉凶を判断する一種の占い。墨色の考え。「占ひ,御判―相性の考へ,見て上ませう/浄瑠璃・新版歌祭文」
すみ-うち【墨打ち】🔗⭐🔉
すみ-うち [4][3] 【墨打ち】
(1)墨縄で線を引くこと。
(2)前もって手を打っておくこと。「淀さまへは取做しの―をしておくほどに/桐一葉(逍遥)」
すみ-え【墨絵】🔗⭐🔉
すみ-え ―
[0] 【墨絵】
(1)水墨画(スイボクガ)。
(2)墨で線描きした絵。「よき―に髪どもをおほひたるやうに見ゆ/紫式部日記」
[0] 【墨絵】
(1)水墨画(スイボクガ)。
(2)墨で線描きした絵。「よき―に髪どもをおほひたるやうに見ゆ/紫式部日記」
すみ-がき【墨書き・墨描き】🔗⭐🔉
すみ-がき [0][4] 【墨書き・墨描き】
(1)墨でかくこと。また,そのかいたもの。
(2)日本画で,墨だけで物の輪郭を描き構図を定めること。また,彩色後,描線を生かして仕上げる技法。
(3)平安時代の宮廷の絵所の役職の一。「絵所に上手多かれど,―に選ばれて/源氏(帚木)」
すみ-かけ【墨掛け】🔗⭐🔉
すみ-かけ [4][0] 【墨掛け】 (名)スル
木材から板や柱などの部材を取るために,木口(コグチ)に所要の印や線をつけること。
すみ-がさ【墨傘】🔗⭐🔉
すみ-がさ [3] 【墨傘】
地紙を黒く染めた日傘。
すみ-がね【墨矩・墨曲尺】🔗⭐🔉
すみ-がね [0][2] 【墨矩・墨曲尺】
〔古くは「すみかね」とも〕
(1)「曲尺(カネジヤク){(1)}」に同じ。
(2)〔建〕 {(1)}を使って,建築用木材に工作用の墨付けをする技術。規矩術(キクジユツ)。
すみ-ぐま【墨隈】🔗⭐🔉
すみ-ぐま [0] 【墨隈】
絵画手法の一。陰影・濃淡を表すときに淡墨で隈取りすること。
すみけち-うた【墨滅歌・墨消ち歌】🔗⭐🔉
すみけち-うた [4] 【墨滅歌・墨消ち歌】
古今和歌集の歌の中で,古写本に書かれていながら墨で消してあるもの。流布(ルフ)本では巻末にまとめられている。ぼくめつか。
すみ-ごろも【墨衣】🔗⭐🔉
すみ-ごろも [3] 【墨衣】
黒く染めた衣。墨染めの衣。
すみ-さし【墨差(し)・墨刺(し)】🔗⭐🔉
すみ-さし [0] 【墨差(し)・墨刺(し)】
へら状に削った竹の先端を細かく割った竹筆。大工・石工などが墨をつけて木材や石材に線を引くのに用いる。
すみ-じ【墨字】🔗⭐🔉
すみ-じ [0] 【墨字】
点字に対して,普通に書いたり印刷したりした文字。
すみ-ずり【墨摺り】🔗⭐🔉
すみ-ずり [0] 【墨摺り】
(1)版木を摺るのに墨だけを用いること。また,その摺ったもの。
(2)更紗(サラサ)の模様の骨描(コツガ)きを彫刻版で摺り,彩色を筆で行うもの。
すみ-ぞめ【墨染(め)】🔗⭐🔉
すみ-ぞめ [0] 【墨染(め)】
□一□
(1)墨で染めたような黒い色。
(2)「墨染め衣」の略。
(3)僧のこと。「―も兼て好むは色と酒/柳多留 61」
□二□京都市伏見区の地名。墨染寺がある。近世,遊郭のあった所。
すみぞめ-ごろも【墨染(め)衣】🔗⭐🔉
すみぞめ-ごろも [5] 【墨染(め)衣】
(1)黒く染めた衣。黒色の僧衣。
(2)ねずみ色の喪服。
すみぞめ-ざくら【墨染桜】🔗⭐🔉
すみぞめ-ざくら [5] 【墨染桜】
(1)桜の一種。花は小さく単弁で白いが,茎・葉とも青く,薄墨色のように見える。
(2)墨染{□二□}のあたりにあったという伝説上の桜。藤原基経の死をいたんで上野峯雄が「深草の野辺の桜し心あらば今年ばかりは墨染に咲け」と詠じたところ,墨染め色に咲いたという。
すみぞめ-の【墨染めの】🔗⭐🔉
すみぞめ-の 【墨染めの】 (枕詞)
墨染めが黒く,暗いことから「たそがれどき」「夕べ」「鞍馬」などにかかる。「―黄昏時(タソガレドキ)の朧夜(オボロヨ)に/古今六帖 5」「―のゆふべになればひとりゐて/古今(雑体)」「―鞍馬の山にいる人は/後撰(恋四)」
すみぞめ-の-けさ【墨染(め)の袈裟】🔗⭐🔉
すみぞめ-の-けさ 【墨染(め)の袈裟】
黒く染めた袈裟。
すみぞめ-の-ころも【墨染(め)の衣】🔗⭐🔉
すみぞめ-の-ころも 【墨染(め)の衣】
「墨染め衣(ゴロモ)」に同じ。
すみだ【墨田】🔗⭐🔉
すみだ 【墨田】
東京都二三区の一。隅田川と荒川放水路に挟まれた地。商工業地区。旧本所区と向島区が合併。
すみ-つき【墨付(き)】🔗⭐🔉
すみ-つき [2][4] 【墨付(き)】
(1)(紙などの)墨の付き具合。
(2)墨で書いた筆の跡。筆跡。
(3)書誌学用語で,写本などの文字や絵などが書かれている部分。
(4)〔末尾に墨で書き判をしたところから〕
中世・近世,将軍や諸大名が臣下に与えた証明書。判物(ハンモツ)。
→御墨付(オスミツキ)
(5)機嫌。顔色。人のあしらい。「少し―がわるいを駕(カゴ)のもの見てとり/洒落本・初葉南志」
(6)口上(コウジヨウ)。挨拶。「互に味な―を子太郎がひつ取つて/浄瑠璃・妹背山」
すみ-つぎ【墨継(ぎ)】🔗⭐🔉
すみ-つぎ [4][0][3] 【墨継(ぎ)】
(1)筆で文字を書いているとき,途中で筆に,新たに墨を含ませて書き継ぐこと。
(2)「墨柄(スミヅカ)」に同じ。
すみ-なおし【墨直し】🔗⭐🔉
すみ-なおし ―ナホシ [3] 【墨直し】
石碑などの字にさした墨が風雨であせたのを,新しく墨をさして直すこと。
すみ-なわ【墨縄】🔗⭐🔉
すみ-なわ ―ナハ [0][2] 【墨縄】
「墨糸(スミイト)」に同じ。
すみ-に【墨煮】🔗⭐🔉
すみ-に [0] 【墨煮】
イタリア・スペイン料理で,イカの身とその墨を煮たもの。
すみぬり【墨塗】🔗⭐🔉
すみぬり 【墨塗】
狂言の一。遠国の大名が帰国に際し,なじみの女のもとへ別れを言いに行く。女が水で目をぬらして涙のようにみせかけているのを見た太郎冠者は,水を墨と取りかえる。女はそれともしらず,墨を塗って真っ黒になる。墨塗女。
すみぬり-まつり【墨塗(り)祭】🔗⭐🔉
すみぬり-まつり [5] 【墨塗(り)祭】
「墨付け正月」に同じ。
すみのえ【墨江・住吉】🔗⭐🔉
すみのえ 【墨江・住吉】
「すみよし(住吉){(2)}」に同じ。
すみ-の-ころも【墨の衣】🔗⭐🔉
すみ-の-ころも 【墨の衣】
墨染めの衣。
すみ-の-たもと【墨の袂】🔗⭐🔉
すみ-の-たもと 【墨の袂】
墨染めの衣。
すみ-ばさみ【墨挟み】🔗⭐🔉
すみ-ばさみ [3] 【墨挟み】
「墨柄(スミヅカ)」に同じ。
すみ-はだ【澄肌・墨肌】🔗⭐🔉
すみ-はだ [0] 【澄肌・墨肌】
刀身に見える,黒く澄んだ斑点。なまず肌。
すみ-ひき【墨引き】🔗⭐🔉
すみ-ひき [0] 【墨引き】
書状の封じ目。
すみ-ひげ【墨髭】🔗⭐🔉
すみ-ひげ [2] 【墨髭】
墨や炭などで顔に書いた作り髭。奴(ヤツコ)が書いたり,勝負で負けた者の顔に書いたりした。
すみ-ふ【墨斑】🔗⭐🔉
すみ-ふ [0] 【墨斑】
植物の葉で,淡緑色の地に濃緑色の斑が入っているもの。
すみ-ぶくろ【墨袋】🔗⭐🔉
すみ-ぶくろ [3] 【墨袋】
イカの体内で墨の入っている内臓。
すみ-ぶと【墨太】🔗⭐🔉
すみ-ぶと [0] 【墨太】 (名・形動)[文]ナリ
字を書いた筆のあとが太い・こと(さま)。筆太。「―に書き上げる」
ぼく-えき【墨液】🔗⭐🔉
ぼく-えき [0] 【墨液】
墨(スミ)の液。
ぼく-が【墨画】🔗⭐🔉
ぼく-が ―グワ [0] 【墨画】
すみえ。水墨画。
ぼく-ぎょ【墨魚】🔗⭐🔉
ぼく-ぎょ [1] 【墨魚】
イカの異名。
ぼくし【墨子】🔗⭐🔉
ぼくし 【墨子】
(1)中国,戦国時代の魯(宋または楚とも)の思想家。墨家の始祖。墨は姓,名は
(テキ)。工匠の子といわれる。儒家に学んだが,のちに儒家の仁を差別愛であるとして,無差別的博愛の兼愛を説き,平和論を唱え,儒家と並び称せられるほどの勢力の学派を立てた。生没年未詳。
(2)思想書。五三編現存。兼愛・非攻・非楽・非命・節用など,墨家の始祖,墨子の説く十大主張をはじめ,後期墨家の論理学的思惟・守城法などを記す。
(テキ)。工匠の子といわれる。儒家に学んだが,のちに儒家の仁を差別愛であるとして,無差別的博愛の兼愛を説き,平和論を唱え,儒家と並び称せられるほどの勢力の学派を立てた。生没年未詳。
(2)思想書。五三編現存。兼愛・非攻・非楽・非命・節用など,墨家の始祖,墨子の説く十大主張をはじめ,後期墨家の論理学的思惟・守城法などを記す。
ぼく-じ【墨字】🔗⭐🔉
ぼく-じ [0] 【墨字】
(1)墨で書いた文字。
(2)点字に対して,普通に書かれた文字。
ぼく-しゅ【墨守】🔗⭐🔉
ぼく-しゅ [1] 【墨守】 (名)スル
〔墨子がよく城を守り通し,楚軍を退けたという故事から〕
昔からのしきたりや自説を固く守ること。「旧習を―する」
ぼく-じゅう【墨汁】🔗⭐🔉
ぼく-じゅう ―ジフ [0] 【墨汁】
(1)墨をすった黒い汁。また,すぐに使えるように製造した黒色の墨液。
(2)イカ・タコの黒い排出液。
ぼくじゅう-のう【墨汁嚢】🔗⭐🔉
ぼくじゅう-のう ―ジフナウ [3] 【墨汁嚢】
イカやタコに特有な器官。墨汁を蓄え,他の動物に襲われたときなどに墨汁管を経て肛門の近く外套腔から水とともに排出する。
ぼく-しょ【墨書】🔗⭐🔉
ぼく-しょ [1] 【墨書】 (名)スル
墨で書くこと。また,その書いたもの。「座右銘を―する」
ぼくしょ-どき【墨書土器】🔗⭐🔉
ぼくしょ-どき [4] 【墨書土器】
文字や人面などを墨書した土器。日本で七〜一〇世紀頃まで盛行。
ぼく-しょう【墨床】🔗⭐🔉
ぼく-しょう ―シヤウ [0] 【墨床】
すりかけの墨を置く道具。墨台。
ぼく-しょう【墨象】🔗⭐🔉
ぼく-しょう ―シヤウ [0] 【墨象】
前衛芸術としての書道。前衛書道。
ぼく-じょう【墨帖】🔗⭐🔉
ぼく-じょう ―デフ [0] 【墨帖】
「法帖(ホウジヨウ)」に同じ。
ぼく-じょう【墨場】🔗⭐🔉
ぼく-じょう ―ヂヤウ [0] 【墨場】
書家などが集う場所。
ぼくじょうひっけい【墨場必携】🔗⭐🔉
ぼくじょうひっけい ボクヂヤウ― 【墨場必携】
古人の詩や成句などを集めて字数ごとに配列し,書家の揮筆の便に供した書。市河米庵著。1836年佐藤一斎の序。1880年刊。
ぼく-しょく【墨色】🔗⭐🔉
ぼく-しょく [0] 【墨色】
(文字や墨絵などの)すみの色。また,すみのような色。
ぼく-すい【墨水】🔗⭐🔉
ぼく-すい 【墨水】
隅田川の異名。
〔「隅田川」の「隅」に「墨」を当てたもの〕
ぼく-せき【墨跡・墨蹟】🔗⭐🔉
ぼく-せき [0] 【墨跡・墨蹟】
筆で書いた文字。筆跡。書跡。特に日本では,禅僧の筆跡をさしていう語。
ぼく-だい【墨台】🔗⭐🔉
ぼく-だい [0] 【墨台】
「墨床(ボクシヨウ)」に同じ。
ぼく-ち【墨池】🔗⭐🔉
ぼく-ち [1] 【墨池】
(1)硯(スズリ)で,くぼんでいて水や墨汁をためるところ。硯池(ケンチ)。
(2)すみつぼ。
ぼく-ちょく【墨勅】🔗⭐🔉
ぼく-ちょく [0] 【墨勅】
〔朱印をおさないところから〕
天子・天皇直筆の勅書。宸筆(シンピツ)の勅書。
ぼく-てい【墨堤】🔗⭐🔉
ぼく-てい [0] 【墨堤】
隅田川の土手。
ぼく-とう【墨東・
東】🔗⭐🔉
ぼく-とう 【墨東・
東】
〔「墨」「
」は「隅田川」の意〕
隅田川の東岸にあたる地域。今の東京都墨田区一帯の雅称。
東】
〔「墨」「
」は「隅田川」の意〕
隅田川の東岸にあたる地域。今の東京都墨田区一帯の雅称。
ぼく-ひつ【墨筆】🔗⭐🔉
ぼく-ひつ [0] 【墨筆】
(1)墨と筆。また,墨をつけて書く筆。
(2)墨と筆で書いた書画。
ぼく-ひん【墨浜】🔗⭐🔉
ぼく-ひん 【墨浜】
隅田川両岸一帯の雅称。
ぼっ-か【墨家】🔗⭐🔉
ぼっ-か ボク― [1] 【墨家】
中国,戦国時代の諸子百家の一。墨子を祖とする学派。儒家の説く礼楽をしりぞけ,兼愛(無差別の愛)・交利(相互扶助)を唱え,勤倹節約を重んじた。
ぼっ-かく【墨客】🔗⭐🔉
ぼっ-かく ボク― [0] 【墨客】
書画をよくする人。ぼっきゃく。「文人―」
ぼっ-きゃく【墨客】🔗⭐🔉
ぼっ-きゃく ボク― [0] 【墨客】
⇒ぼっかく(墨客)
ぼっ-けい【墨刑】🔗⭐🔉
ぼっ-けい ボク― [0] 【墨刑】
中国,古代の五刑の一。額や腕などに入れ墨をする刑罰。
ぼっ-こう【墨香】🔗⭐🔉
ぼっ-こう ボクカウ [0] 【墨香】
すみのかおり。
ぼっ-こん【墨痕】🔗⭐🔉
ぼっ-こん ボク― [0] 【墨痕】
筆で書いた字の墨のつき具合。筆のあと。「―鮮やかにしたためる」
ぼっこん-りんり【墨痕淋漓】🔗⭐🔉
ぼっこん-りんり ボク― [5] 【墨痕淋漓】 (ト|タル)[文]形動タリ
筆で書いた文字が黒々と,生き生きとして勢いのあるさま。
すみ【墨】(和英)🔗⭐🔉
すみ【墨】
India(n) ink;China[Chinese]ink;an ink stick (固体).〜で書く write in Indian ink.〜をする rub an ink stick.〜をつける smear with ink.いかの〜 cuttlefish ink.〜色の black.→英和
すみえ【墨絵】(和英)🔗⭐🔉
すみえ【墨絵】
an India(n)-ink drawing.
すみぞめ【墨染めの衣】(和英)🔗⭐🔉
すみぞめ【墨染めの衣】
a (Buddhist's) black robe.
ぼくしゅ【墨守する】(和英)🔗⭐🔉
ぼくしゅ【墨守する】
cling[stick].→英和
ぼくじゅう【墨汁】(和英)🔗⭐🔉
ぼくじゅう【墨汁】
India ink.
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