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え【柄】🔗⭐🔉
え【柄】
①手で持つために、器物につけた細長い部分。とって。〈倭名類聚鈔11〉。「ひしゃくの―」
②きのこの「かさ」を支える部分。菌柄。
③葉柄ようへい。
⇒柄の無い所に柄をすげる
え‐かがみ【柄鏡】🔗⭐🔉
え‐かがみ【柄鏡】
紐鏡ひもかがみに対して、柄のついた円形の銅鏡。中国宋代に盛んで、日本では室町以後江戸時代に行われた。
柄鏡
提供:ポーラ文化研究所

え‐ぐし【柄串】🔗⭐🔉
え‐ぐし【柄串】
(山言葉)槍やり。
え‐こうろ【柄香炉】‥カウ‥🔗⭐🔉
え‐こうろ【柄香炉】‥カウ‥
(エゴウロとも)縁へりに長柄をつけた捧持用の香炉。
柄香炉
柄香炉
撮影:関戸 勇


えさし‐ぼうき【柄差箒】‥バウキ🔗⭐🔉
えさし‐ぼうき【柄差箒】‥バウキ
竹や木の柄がついた箒。浄瑠璃、冥途飛脚「―逆手さかてに取り」
え‐だいこ【柄太鼓】🔗⭐🔉
え‐だいこ【柄太鼓】
柄をつけた太鼓。
え‐だる【柄樽】🔗⭐🔉
え‐だる【柄樽】
角つののような一対の大きく高い柄をつけた、黒または朱塗りの祝儀用の樽。古くは長方形で、上の四すみに把手があった。つのだる。あまのだる。にんぎょうだる。柳樽。
柄樽

え‐なが【柄長】🔗⭐🔉
え‐なが【柄長】
スズメ目エナガ科の鳥。小形で体色は白と黒の斑、尾羽は黒く長い。山地の森林で繁殖し、冬期は人里にも小群をなして現れる。精巧な巣を作るので有名。繁殖には、つがいの他にヘルパー個体がつくことがある。韈雀。
エナガ
撮影:小宮輝之

○柄の無い所に柄をすげるえのないところにえをすげる🔗⭐🔉
○柄の無い所に柄をすげるえのないところにえをすげる
無理に理屈をつけ、または、口実を設ける。
⇒え【柄】
え‐の‐は【榎葉】
ヤマメの方言。アメノウオと混称される。
え‐のぼり【絵幟】ヱ‥
絵を書いたのぼり。5月5日、端午たんごの節句に立てる、鍾馗しょうきなどをかいたもの。浄瑠璃、女殺油地獄「余所よその―に影も隠れて」
えのみ‐てっぽう【榎の実鉄砲】‥パウ
竹筒の中に榎の実を詰めて、押しはじく玩具。竹鉄砲。
え‐の‐みや【埃宮】
神武天皇東征の際、行宮あんぐうが置かれたという地。多祁理宮たけりのみや。遺称地は広島県安芸あき郡府中町の総社趾・多家神社・松崎八幡趾の辺。
えのもと【榎本】
姓氏の一つ。
⇒えのもと‐きかく【榎本其角】
⇒えのもと‐けんいち【榎本健一】
⇒えのもと‐たけあき【榎本武揚】
えのもと‐きかく【榎本其角】
⇒たからいきかく(宝井其角)。
⇒えのもと【榎本】
えのもと‐けんいち【榎本健一】
喜劇俳優。東京生れ。愛称、エノケン。昭和初期より浅草で活躍、舞台と映画とで喜劇界に一世を風靡ふうび。当り役「法界坊」など。(1904〜1970)
榎本健一
撮影:田村 茂
⇒えのもと【榎本】
えのもと‐たけあき【榎本武揚】
政治家。通称、釜次郎。号、梁川。江戸生れの幕臣。長崎の海軍伝習所に学び、オランダに留学、帰国して海軍副総裁。戊辰戦争で、箱館五稜郭に拠って新政府軍に抗したが間もなく降伏。のち駐露公使としてロシアと樺太・千島交換条約を結ぶ。諸大臣を歴任。子爵。(1836〜1908)
榎本武揚
提供:毎日新聞社
⇒えのもと【榎本】
え‐の‐や【慧の矢】ヱ‥
密教で、慧(智慧)を矢にたとえていう語。→定じょうの弓
え‐ば【餌ば】ヱ‥
(「えばみ(餌食)」の略)(→)餌に同じ。天草本金句集「魚はその―を食んで」
え‐ば【絵羽】ヱ‥
①(→)絵羽羽織の略。
②(→)絵羽模様の略。
エバ【Eva ラテン】
(命の意)旧約聖書で、アダムの妻であり、人類最初の女性、母。カトリック教会では、聖母は教会の母として新しいエバとされる。イヴ。エヴァ。→アダム→エデン
エバー【ever】
「常に」の意。「―‐グリーン」
⇒エバー‐ホワイト【ever-white】
エバー‐ホワイト【ever-white】
過酸化水素水を用いた織物の漂白法。また、その処理をした綿布。商標名。
⇒エバー【ever】
え‐ばおり【絵羽織】ヱ‥
(→)絵羽羽織に同じ。
え‐はがき【絵葉書】ヱ‥
裏面に絵や写真のある郵便葉書。田山花袋、髪「宿屋から貰つた中禅寺湖の―を取り出して」。「記念の―」
え‐ばけ【絵刷毛】ヱ‥
絵画を描く時に用いるはけ。
えば‐しぼり【絵羽絞り】ヱ‥
絞り染の一種。衣服を仮仕立して大柄の文様をおき、その文様に従って絞り染めにしたもの。羽織・長襦袢ながじゅばんなどに応用。→絵羽縫
え‐はだ【絵肌】ヱ‥
絵の材質から受ける感じ。マチエール。
え‐はつ【衣鉢】
(エハチとも)
⇒いはつ
えば‐ぬい【絵羽縫】ヱ‥ヌヒ
縫目にまたがる文様を衣服に置く場合、縫目の部分で文様がくい違わないように、あらかじめ要所を縫い合わせて、文様の下絵を描きやすくするための仮仕立。
えば‐はおり【絵羽羽織】ヱ‥
肩から袖に続けて、または左右の身頃に続けて文様をあらわした女性用の羽織。文様は染織・刺繍をはじめ、かき絵風・押絵風のものなどがある。訪問の際などに用いる。えば。えばおり。
え‐ばみ【餌食み】ヱ‥
餌を食うこと。また、餌。西鶴置土産「これ金魚の―なるが」
エパミノンダス【Epaminōndas】
古代ギリシアのテーベの将軍・政治家。しばしばペロポネソスに侵入、スパルタに大打撃を加えたが、陣没。古来の戦法を改良して斜線陣法を創始。(前418頃〜前362)
エバ‐ミルク
(evaporated milkの略)濃縮した無糖の練乳。→コンデンス‐ミルク
え‐ば・む【餌食む】ヱ‥
〔自四〕
鳥や獣が餌を食う。浄瑠璃、伽羅先代萩「鳥獣の―・むのを羨しがる御言葉」
えば‐もよう【絵羽模様】ヱ‥ヤウ
和服で、縫目にまたがる大柄な文様。振袖・訪問着・羽織など盛装用。
え‐ばやし【江林】
語義未詳。入り江に近い林の意かともいう。万葉集7「―に宿る猪鹿ししやも」
えばら【江原】
姓氏の一つ。
⇒えばら‐そろく【江原素六】
えばら【荏原】
東京都品川区の一地区。もと東京市35区の一つ。
えばら【潁原】
姓氏の一つ。
⇒えばら‐たいぞう【潁原退蔵】
えばら‐そろく【江原素六】
教育家・政治家。江戸生れの幕臣。維新後静岡で教育に携わるとともに、キリスト教を伝道。のち代議士に当選、自由党・政友会の長老。(1842〜1922)
⇒えばら【江原】
えばら‐たいぞう【潁原退蔵】‥ザウ
国文学者。長崎県生れ。京大教授。江戸文学、殊に俳諧を研究。著「俳諧史の研究」「江戸文芸論考」「江戸時代語の研究」など。遺稿「江戸語辞典」。(1894〜1948)
⇒えばら【潁原】
え‐ば・る【威張る】
〔自五〕
イバルの転。
え‐はんきり【絵半切】ヱ‥
花鳥などの絵をうすく彩色して摺り出した半切紙。儀礼用の書簡などに用いる。
えび【海老・蝦】
①エビ目(十脚類)の甲殻類の一群(長尾類)の総称。約3000種が知られている。体は頭胸部と7節に分かれた腹部をもつ。腹部は長く伸び筋肉に富み、腹肢は一般によく発達して、クルマエビ・オトヒメエビ・コエビでは遊泳肢となる。一般に頭胸部の5対の歩脚のうちの1〜3対が鋏脚となる。クルマエビ類とサクラエビ類を除き、雌は産んだ卵を腹肢につけて腹部の下に抱き、孵化まで保護する。海・湖沼・川などの水域にすむ。食用として重要なものが多く、また長寿の象徴としてめでたい動物とされる。エビ目全体の総称として呼ぶ場合はヤドカリ類とカニ類も含む。海の翁。海の老。宇津保物語俊蔭「小さき子の深き雪を分けて、足手は―のやうにて、走り来るを見るに」。〈新撰字鏡9〉
えび
②海老錠えびじょうの略。宗安小歌集「門に閂かんのき―を下おろいた」
③海老責えびぜめの略。
⇒海老で鯛を釣る
⇒海老の鯛交り
えび【葡萄】
①ぶどう。エビカズラ・エビヅルの類。
②赤紫色。エビカズラの実の熟した色に似るからいう。
Munsell color system: 2.5R3/6
③織色の名。経たては赤、緯よこは薄紫。
④襲かさねの色目。表は蘇芳すおう、裏は縹はなだ。(桃華蘂葉)
えび【裛被】
⇒えい
えび‐あがり【海老上り】
器械体操で、鉄棒に下垂し、体をエビ状に曲げて空を蹴り、鉄棒の上に上がるもの。
えび‐いも【蝦芋】
京都市東寺付近特産のサトイモの一品種。小芋の形はエビに似て、軟らかく甘い。京都の名物料理「芋棒」ではこの芋を用いる。
えび‐いろ【葡萄色】
赤の濃い色。紫がかった赤色。→葡萄えび
Munsell color system: 2.5R3/6
えび‐お【海老尾・蝦尾】‥ヲ
①尾の形がエビの尾に似た金魚。
②琵琶・三味線の棹さおの上端の、エビの尾のように反った所。三味線では天神てんじん・頭かしら、薩摩琵琶などでは海老尻ともいう。かいろうび。→三味線(図)
エピオルニス【Æpyornis ラテン】
絶滅した巨大な走鳥類の鳥。18世紀までマダガスカルに生存。高さ約3メートル、体重は約500キログラムとされ、飛翔力なく、卵は鳥類中最大で長径32センチメートル以上、容積は約9リットル。アラビアン‐ナイト中の大鳥ロックの起源ともいう。象鳥。隆鳥。
え‐ひがさ【絵日傘】ヱ‥
絵模様のある日傘。〈[季]夏〉。「―をかなたの岸の草になげわたる小川よ春の水ぬるき」(晶子)
えび‐かずら【葡萄葛】‥カヅラ
①㋐ヤマブドウの古名。〈倭名類聚鈔20〉
㋑エビヅルの古名。〈本草和名〉
②かずら。かもじ。源氏物語初音「御髪みぐしなども…―してぞつくろひ給ふべき」
えび‐がた【海老型】
水泳の飛び込みや競泳のスタートで、空中で体を海老のように折り曲げる型。パイク。
えび‐がため【蝦固め】
レスリングの技の一つ。両腕で相手の首と片足を、蝦のように丸く固める。
えび‐がに【海老蟹】
ザリガニの別称。〈日葡辞書〉
えびがら‐すずめ【蝦殻天蛾】
スズメガ科のガ(蛾)。開張10センチメートル。腹部に赤と黒の縞模様があり、エビに似る。幼虫はヒルガオ科・マメ科植物の葉を食う。さなぎは土中にあって赤褐色。日本全土に分布。
エピキュリアン【epicurean】
(エピクロス主義者の意)快楽主義者。享楽主義者。→エピクロス
エピクテトス【Epiktētos ギリシア】
ストア派の哲学者。フリギアの人。初め奴隷、のちネロ帝に解放され、実践本位の哲学を説く。弟子編集の「語録」がある。(55頃〜135頃)
エピグラフ【epigraph】
①巻頭や章の初めに記す題句・引用句。題辞。
②碑文。銘文。
エピグラム【epigram】
警句。寸鉄詩。
エピクロス【Epikuros】
快楽主義を説いたギリシアの唯物論哲学者。アテナイに学園を開き、デモクリトスの流れをくむ原子論を基礎とする実践哲学を説いた。善とは快楽であるが、真の快楽とは放埒な欲望の充足ではなく、むしろ欲望から解放された平静な心境(アタラクシア)のうちにあるとした。(前341頃〜前270頃)
⇒エピクロス‐しゅぎ【エピクロス主義】
エピクロス‐しゅぎ【エピクロス主義】
エピクロスの教説。のちには洗練された官能的享楽主義・快楽主義を意味するに至った。
⇒エピクロス【Epikuros】
えび‐こうりょう【海老虹梁】‥リヤウ
本柱と側柱・向拝ごはい柱など、高低差のある所に用いる湾曲した虹梁。鎌倉時代から禅宗建築に用いた。
海老虹梁
エピゴーネン【Epigonen ドイツ】
思想・芸術上の追随者・模倣者を軽蔑していう語。亜流。
えび‐こおろぎ【蝦蟋蟀】‥コホロギ
カマドウマ(竈馬)の別称。
えひこ‐さん【英彦山】
⇒ひこさん
えび‐ごし【海老腰・蝦腰】
エビのように曲がった腰。
えび‐ざこ【蝦雑魚】
小エビの中に小魚のまじったもの。
えび‐さやまき【海老鞘巻】
柄・鞘ともにエビの殻のような刻み目をつけて朱塗りにした腰刀。
エピジェネシス【epigenesis】
(→)後成説に同じ。
えび‐じょう【海老錠・蝦錠】‥ヂヤウ
①門扉のかんぬきにさす錠で、エビの腰のように半円形をなすもの。えび。魚鑰ぎょやく。
②南京ナンキン錠。えび。〈日葡辞書〉
えびす
(→)「べろべろ」3に同じ。
えびす【夷・戎】
(エミシ(蝦夷)の転)
①(→)「えぞ」1に同じ。今昔物語集31「その国の奥に―といふものありて」
②都から遠く離れた開けぬ土地の人民。田舎人。源氏物語東屋「―めきたる人をのみ見ならひて」
③荒々しい武士。特に京都人が東国武士をさしていった語。あずまえびす。徒然草「―は弓引くすべ知らず」
④外国人をあなどっていう語。謡曲、唐船「もろこしは心なき―の国と聞きつるに」
⇒えびす‐うた【夷歌】
⇒えびす‐がい【夷貝・恵比須貝】
⇒えびす‐ぐさ【夷草・恵比須草】
⇒えびす‐ごころ【夷心】
⇒えびす‐ごろも【戎衣】
⇒えびす‐すがた【戎姿】
⇒えびす‐め【夷布】
⇒えびす‐やまい【夷病】
⇒えびす‐ゆみ【夷弓】
えびす【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
(エビス(夷)と同源)
①七福神の一つ。もと兵庫県西宮神社の祭神蛭子命ひるこのみこと。海上・漁業の神、また商売繁昌の神として信仰される。風折烏帽子かざおりえぼしをかぶり、鯛を釣り上げる姿に描く。3歳まで足が立たなかったと伝えられ、歪んだ形や不正常なさまの形容に用い、また、福の神にあやかることを願って或る語に冠し用いたともいう。
恵比須
②「えびすかき」の略。
⇒えびす‐あば【恵比須網端】
⇒えびす‐いし【恵比須石】
⇒えびす‐おうぎ【恵比須扇】
⇒えびす‐おしき【戎折敷】
⇒えびす‐がお【恵比須顔】
⇒えびす‐かき【恵比須舁き】
⇒えびす‐がね【戎金】
⇒えびす‐がみ【戎紙】
⇒えびす‐ぎれ【恵比須切れ】
⇒えびす‐ぎん【恵比須銀】
⇒えびす‐こう【恵比須講・夷講】
⇒えびす‐さぶろう【夷三郎】
⇒えびす‐ぜに【恵比須銭】
⇒えびす‐ぜん【夷膳】
⇒えびす‐なえ【恵比須苗】
⇒えびす‐の‐うお【恵比須の魚】
⇒えびす‐ば【恵比須歯】
⇒えびす‐ばしら【恵比須柱・夷柱】
⇒えびす‐まい【恵比須舞・夷舞】
⇒えびす‐まつり【恵比須祭】
⇒えびす‐まわし【恵比須回し】
えびす‐あば【恵比須網端】
(四国宇和島・隠岐などで)魚網の中央部の大浮子あば。→大玉おおだま。
⇒えびす【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
えびす‐いし【恵比須石】
恵比須神の神体とする石。九州南部には漁期の初めに海中からこれを拾い求める儀式がある。
⇒えびす【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
えびす‐うた【夷歌】
(「夷振ひなぶり」の「夷」の誤読に基づく語)
①未開の民の歌。みやびな歌に対して、田舎くさい歌。古今和歌集序「せうとの神のかたち、をかたににうつりてかかやくをよめる―なるべし」
②狂歌の異称。ひなぶり。洒落本、無駄酸辛甘「去年まではさしも流行せし―も」
⇒えびす【夷・戎】
えびす‐おうぎ【恵比須扇】‥アフギ
伊勢国山田から製出した粗製の扇。年始の祝いに用いた。
⇒えびす【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
えびす‐おしき【戎折敷】‥ヲ‥
(→)「えびす膳」に同じ。
⇒えびす【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
えびす‐がい【夷貝・恵比須貝】‥ガヒ
磯にすむ巻貝の一種。本州中部以南に分布する。殻高3センチメートルほどで、典型的な円錐形。赤褐色で、黒褐色の不規則斑がある。
⇒えびす【夷・戎】
えびす‐がお【恵比須顔】‥ガホ
恵比須のように、にこにこした顔つき。浄瑠璃、長町女腹切「ここではわつさり―して見せましや」
⇒えびす【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
えびす‐かき【恵比須舁き】
兵庫県西宮から出た人形つかい。もと恵比須が鯛を釣るまねをし、正月に豊漁を予祝したもの。えびすまわし。
⇒えびす【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
えびす‐がね【戎金】
にせがね。贋小判。
⇒えびす【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
えびす‐がみ【戎紙】
紙を重ねて裁つ時、内へ折れこんで裁ち残しになったもの。福紙ふくがみ。
⇒えびす【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
えびす‐ぎれ【恵比須切れ】
恵比須講の日に、呉服屋で売り出す寄切よせぎれの布。
⇒えびす【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
えびす‐ぎん【恵比須銀】
入漁料。えびすがね。
⇒えびす【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
えびす‐ぐさ【夷草・恵比須草】
①マメ科の一年草。北アメリカ原産で江戸中期に中国から渡来。高さ約1メートル。葉は2〜4対の偶数羽状複葉、夏、葉腋に黄花を開き、約15センチメートルの莢さやを生ずる。種子を乾燥したものが漢方生薬の決明子けつめいしで下剤などに用い、また、はぶ茶の代用として飲用。ロッカクソウ。漢名、決明。
②シャクヤクの古名。新撰字鏡7「夕薬、衣比須草」
⇒えびす【夷・戎】
えびす‐こう【恵比須講・夷講】‥カウ
商家で商売繁昌を祝福して恵比須を祭ること。親類・知人を招いて祝宴を開く。旧暦11月20日に行う地方が多いが、1月10日・1月20日・10月20日に行うところもある。中世末に始まり、江戸時代に盛行。〈[季]冬〉
恵比須講
撮影:関戸 勇
⇒えびす【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
えびす‐ごころ【夷心】
未開の民の荒々しい心。もののあわれを解さない心。伊勢物語「さるさがなき―を見てはいかがはせむは」
⇒えびす【夷・戎】
エピスコパル‐きょうかい【エピスコパル教会】‥ケウクワイ
(Episcopal Church)司教・主教・監督をもつ教会の総称。特にアングリカン教会を米国でこう呼ぶ。監督教会。
えびす‐ごろも【戎衣】
(「戎衣じゅうい」の訓読)武家の服装。よろい。
⇒えびす【夷・戎】
えびす‐さぶろう【夷三郎】‥ラウ
恵比須の異称。伊弉諾いざなぎ・伊弉冉いざなみ2神の第3子であったというところからの称。(和訓栞)
⇒えびす【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
えびす‐すがた【戎姿】
よろいをつけた姿。
⇒えびす【夷・戎】
えびす‐ぜに【恵比須銭】
①絵銭の一種。表面に恵比須の姿を鋳出したもの。
②分配できない余り銭。
⇒えびす【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
えびす‐ぜん【夷膳】
膳の側面を人の面前に向けて据えること。礼を欠くとして忌む。横膳。左膳。えびすおしき。
⇒えびす【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
エピステーメー【episteme ギリシア】
〔哲〕
①知識。特に、生成消滅する現象界について成立するドクサ(臆見)に対し、永遠不変の存在について成立する学問的知識をいう。
②フーコーの用語。ある一定の時代の認識や言説を成立させる知の制度的枠組をいう。認識の台座。
えびす‐なえ【恵比須苗】‥ナヘ
苗取りの終りに神に供える苗。
⇒えびす【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
えびす‐の‐うお【恵比須の魚】‥ウヲ
初穂として恵比須に供える初漁の魚。
⇒えびす【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
えびす‐ば【恵比須歯】
人の上顎の中央にある2枚の歯の右方の称。→大黒歯。
⇒えびす【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
えびす‐ばしら【恵比須柱・夷柱】
民家で、大黒柱と並んで重要な柱。位置は一定しない。
⇒えびす【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
えびす‐まい【恵比須舞・夷舞】‥マヒ
恵比須に扮した仮面舞踊。豊漁をいのる神事舞。
⇒えびす【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
えびす‐まつり【恵比須祭】
(西日本で)不漁のとき、間直まんなおしのために催す酒盛り。
⇒えびす【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
えびす‐まわし【恵比須回し】‥マハシ
(→)「えびすかき」に同じ。〈[季]新年〉
⇒えびす【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
えびす‐め【夷布】
真昆布まこんぶの古名。〈倭名類聚鈔17〉
⇒えびす【夷・戎】
えびす‐やまい【夷病】‥ヤマヒ
咳せきの出る病の俗称。明月記貞永2年2月17日条「近日咳病、世俗―と称す」
⇒えびす【夷・戎】
えびす‐ゆみ【夷弓】
短い弓。半弓。
⇒えびす【夷・戎】
えび‐ぜめ【海老責め・蝦責め】
江戸時代の拷問の一つ。罪人にあぐらをかかせ、両手を後ろにして縛り、体の上部を前に屈ませ、両足を首に密着させるもの。
えび‐せんべい【海老煎餅】
干菓子の一種。乾した小海老を混ぜて焼いた煎餅。
海老煎餅
撮影:関戸 勇
えび‐そうめん【蝦素麺】‥サウ‥
エビのすり身に小麦粉を繋ぎにして素麺のように作ったもの。椀種わんだねなどに用いる。
エピソード【episode】
①物語の本筋の間に挿入する小話。挿話。
②ある人や物事の、まだ世人に知られていない話。逸話。
③〔音〕主要主題やそれに基づく楽節の間に挿入する副次的な楽節や楽句。特にフーガやロンド形式で主要主題とは別趣の補助的挿入句。
えび‐ぞめ【葡萄染】
葡萄えび色に染めること。また、その染め物。
えび‐たい【海老鯛】‥タヒ
「海老で鯛を釣る」の略。→海老(成句)
エピタキシャル【epitaxial】
半導体の基板の上に特定の方位関係にある結晶を薄く成長させること。半導体製造技術の一つ。
えび‐ちゃ【葡萄茶・海老茶】
黒みをおびた赤茶色。
⇒えびちゃ‐しきぶ【葡萄茶式部】
えびちゃ‐しきぶ【葡萄茶式部】
(多く葡萄茶色の袴を着用したからいう)明治30年代、女学生の俗称。国木田独歩、湯ケ原より「芸者でも女郎でもない、海老茶式部でも島田の令嬢でもない」
⇒えび‐ちゃ【葡萄茶・海老茶】
え‐びつ【絵櫃】ヱ‥
桃・柳・菊などの絵を彩色した飯櫃めしびつ形の曲物まげもの。3月・9月の節句に草餅・赤飯などを入れた。
絵櫃
えび‐づか【蝦束・海老束】
違い棚の上下の棚板の間にある小さい束。雛束。→違い棚(図)
エピック【epic】
叙事詩。英雄詩。史詩。
えび‐づる【蝦蔓】
ブドウ科の蔓草。全株に淡褐色または灰白色の綿毛を密生し、巻鬚がある。葉はブドウに似るが小さい。雌雄異株。夏、淡黄緑色の花を多数総状につけ、紫黒色球形の液果を結ぶ。甘く、食用または醸造用。エビカズラ。漢名、蘡薁。〈[季]秋〉
えびづる
エビヅル
撮影:関戸 勇
⇒えびづる‐むし【蝦蔓虫】
えびづる‐むし【蝦蔓虫】
スカシバガ科のブドウスカシバとムラサキスカシバの幼虫の俗称。ブドウやエビヅルの枝に食い入って虫癭ちゅうえいをつくる。釣餌や小鳥の餌として市販。ぶどう虫。
⇒えび‐づる【蝦蔓】










え‐ぶり【柄振・朳】🔗⭐🔉
え‐ぶり【柄振・朳】
農具の一種。穀物の実などを掻き寄せ、また水田の土をならすのに用いる。竿の先に横板をつけ、しばしば鋸歯状の凹凸を設けたもの。〈新撰字鏡12〉
柄振
柄振
撮影:薗部 澄(JCII蔵)
⇒えぶり‐いた【柄振板】
⇒えぶり‐すり【朳摺】


えぶり‐いた【柄振板】🔗⭐🔉
えぶり‐いた【柄振板】
塀または出し桁げたなどの端を隠すために用いる化粧板。絵振板。恵振板。
柄振板
⇒え‐ぶり【柄振・朳】

え‐もり【柄漏り】🔗⭐🔉
え‐もり【柄漏り】
傘などの柄を伝わって雨の漏ること。「五月雨にさす傘の―して」(狂言歌謡)
かび【柄】🔗⭐🔉
かび【柄】
つか。え。〈類聚名義抄〉
から【幹・柄】🔗⭐🔉
から【幹・柄】
(「殻から」と同源)
①木のみき。草の茎。万葉集11「わが屋戸の穂蓼ほたで古―つみ生おおし」
②矢の箆の。
③器物の柄え。〈倭名類聚鈔16〉
④柄えのある器物を数える語。狂言、宝の槌「それならば鉄砲を百―」
がら【柄】🔗⭐🔉
がら【柄】
①なり。体格。「―が大きい」
②その人の地位・能力・性格・品位など。「―が悪い」「人―」
③織物などの模様。「派手な―」
④(接尾語的に)そのものの性質やおかれている状況。「時節―」「場所―」
⇒柄にもない
がら‐あわせ【柄合せ】‥アハセ🔗⭐🔉
がら‐あわせ【柄合せ】‥アハセ
衣服を仕立てるとき、前後左右の柄がうまく合うように裁ち合わせること。
からい【柄井】‥ヰ🔗⭐🔉
からい【柄井】‥ヰ
姓氏の一つ。
⇒からい‐せんりゅう【柄井川柳】
がら‐ぞめ【柄染】🔗⭐🔉
がら‐ぞめ【柄染】
模様を染め出した染物。
○柄にもないがらにもない🔗⭐🔉
○柄にもないがらにもない
地位・能力・性格などにふさわしくない。「―ことを言う」「柄にもなく遠慮する」
⇒がら【柄】
から‐ぬい【唐縫い】‥ヌヒ
撚糸よりいとでかがって文様を縫うこと。浄瑠璃、兼好法師物見車「平文の練貫に―したる上重」
から‐ねこ【唐猫】
(中国から伝わったからいう)猫のこと。源氏物語若菜上「―のいと小さくをかしげなるを」
から‐ねんぶつ【空念仏】
①心のこもらない口先だけの念仏。
②実行のともなわない主張。「―に終わる」
から‐の【枯野】
(→)「かれの」に同じ。
から‐の‐いぬ【唐の犬】
中国種の犬。今の「ちん」かという。徒然草「あれほど―に似候ひなむうへは」
から‐の‐うすもの【唐の薄物】
中国渡来の羅うすもの。宇津保物語吹上上「しろがねの折敷おしきはたち、打敷うちしき、―」
から‐の‐おんぞ【唐の御衣】
(→)唐衣からぎぬに同じ。
から‐の‐かがみ【唐の鏡】
①中国渡来の鏡。春曙抄本枕草子心ときめきするもの「―の少しくらき見たる」
②貴重なもののたとえ。特に、大事にする妻・母など。誹風柳多留21「―とは誰だと亭主聞き」
から‐の‐かしら【唐の頭】
舶来の旄牛ぼうぎゅうなどの尾をつけたかぶりもの。特に兜の鉢の装飾とした。
から‐の‐かみ【唐の紙】
舶来の紙。とうし。枕草子241「―の赤みたるに」
から‐の‐かみ【韓神】
(朝鮮から渡来した神の意か)守護神として宮内省に祀られていた神。大己貴おおなむち・少彦名すくなびこな2神をさすという。→園神そののかみ。
⇒からのかみ‐の‐まつり【韓神祭】
からのかみ‐の‐まつり【韓神祭】
宮内省内に祀ってあった韓神の祭。古くは陰暦2月の春日祭の後の丑の日と11月の新嘗祭の前の丑の日に、園神そののかみ祭と共に行われたが、中世以後衰え廃絶した。からかみのまつり。
⇒から‐の‐かみ【韓神】
から‐の‐き【唐の綺】
薄い唐綾。源氏物語梅枝「同じ色の濃き紋の―の表紙」
から‐の‐こもん【唐の小紋】
唐織物に小紋を織り出したもの。源氏物語横笛「白き薄物に、―の紅梅の御ぞ」
から‐の‐しょうがつ【唐の正月】‥シヤウグワツ
(近世語。中国で冬至を元旦としたからいう)冬至。
から‐の‐ふせんりょう【唐の浮線綾】
唐織の浮線綾。模様を浮織にした唐綾。源氏物語橋姫「この袋を見給へば、―を縫ひて」
から‐の‐ふね【唐の船】
唐風の船。竜頭鷁首りょうとうげきすの船。
から‐の‐みず【辛の水】‥ミヅ
(女房詞)たれ味噌の汁。
から‐の‐よこちょう【唐の横町】‥チヤウ
所在のわからぬ地。
から‐は【枯葉】
⇒かれは。元永元年十月二日内大臣家歌合「山家にはならの―の散り敷きて」
カラパ【Kalapa オランダ・咬
吧】
ジャカルタの古称。スンダカラパ。
から‐ばいばい【空売買】
(→)空取引くうとりひきに同じ。
から‐ばかり【柄秤・権衡・唐秤】
(→)秤はかりに同じ。
から‐はぎ【空脛】
あらわに出した脛。からずね。
から‐はぎ【唐萩】
(→)萩に同じ。古今和歌集物名「うつせみのからは木(「殻は木」に「唐萩」をかける)ごとにとどむれど」
から‐はこ【唐箱】
中国製の箱。また、美しく珍しい箱。続日本後紀12「辛苣からはこの小苣の華」
から‐ばこ【空箱】
何も入っていない箱。
ガラパゴス‐しょとう【ガラパゴス諸島】‥タウ
(Galápagos Islands)南米、エクアドルの西方約1000キロメートルの太平洋上にある火山群島。同国の領有。ダーウィンの「ビーグル号航海記」で有名。特異な生物相をなす。コロン諸島。
ガラパゴス
提供:NHK
から‐ばさみ【空鋏】
物を切らずに、ただ鋏を動かし鳴らすこと。
から‐はし【唐橋】
欄干を設けた中国風の橋。紫式部日記「ゆゑゆゑしき―どもを渡りつつ」。「瀬田の―」
から‐はじかみ【呉茱萸】
〔植〕ゴシュユの古名。〈本草和名〉
カラバッジョ【Caravaggio】
⇒カラヴァッジオ
から‐ばと【唐鳩】
(→)南京鳩なんきんばとに同じ。好色五人女5「その奥に庭籠にわこありて、白鷴はっかん・―・錦鶏、さまざまの声なして」
から‐はな【唐花】
①文様・紋所の名。異国的な花を文様化したもの。花弁の先の左右に切れ込みがある。4弁が一般的だが5弁・6弁のものもある。4弁で菱形のものは唐花菱、略して花菱という。→花菱(図)。
②唐花草の略。
⇒からはな‐そう【唐花草】
からはな‐そう【唐花草】‥サウ
クワ科の多年草。日本の山地に自生。ビールに入れるホップとは同一種とされる。茎は蔓つるをなして他物にからみ、とげ状の毛がある。葉は心臓形で往々3裂。夏、葉腋から小枝を出し、細花をつける。花は淡黄緑色で、雌雄異株。果実は松毬まつかさ形で、柔らかく緑色。
⇒から‐はな【唐花】
から‐はふ【唐破風】
そり曲がった曲線状の破風。玄関・門・神社の向拝ごはいなどの屋根や軒に多く造る。
唐破風
カラハリ【Kalahari】
アフリカ南部の大砂漠。ボツワナ南半部を占め、南アフリカ・ナミビアの一部に及ぶ。
カラバル‐まめ【加剌抜児豆】
(Calabar bean)マメ科の蔓性半木本。アフリカ西岸中部カラバル地方原産の薬用植物。茎は木質で他物に巻きつく。葉は3小葉から成る複葉でインゲンマメに似る。花は紫紅色の蝶形。莢さやは暗褐色。種子は、アルカロイドを含み鎮痙薬・眼圧低下剤に用いる。
カラハン【Lev Mikhailovich Karakhan】
ソ連の外交官。1919年、中国に対する不平等条約破棄を宣言(カラハン宣言)。駐華公使の時、24年中ソ協定、翌年日ソ協定、28年日ソ漁業条約を締結。(1889〜1937)
カラバン【caravan】
⇒キャラバン
カラハン‐ちょう【カラハン朝】‥テウ
(Qara-khan)10世紀を中心に中央アジアを支配したトルコ系最初のイスラム王朝。13世紀初頭、ホラズム‐シャー朝に滅ぼされた。(840頃〜1212)
から‐びさし【唐庇】
①唐破風からはふ造りの軒先。また、その建物。枕草子278「西の対の―にさし寄せてなん乗るべきとて」
②「唐庇の車」の略。
⇒からびさし‐の‐くるま【唐庇の車】
からびさし‐の‐くるま【唐庇の車】
屋根を唐庇に造った最上の牛車ぎっしゃ。大形で装飾が美しく、檳榔びろうの葉でふき、庇・腰にも同じ葉を総ふさにして垂れる。檳榔を糸に代えることもある。上皇・皇后・東宮・准后・親王や摂政・関白の晴の乗用。唐車からぐるま。からびさし。
唐庇の車
⇒から‐びさし【唐庇】
から‐ひつ【屍櫃・辛櫃】
棺。ひつぎ。かろうど。宇津保物語蔵開中「石の―に入るるぞかし」
から‐びつ【唐櫃・韓櫃・辛櫃】
(古くはカラヒツ。カラウヅ・カラウドとも)脚のつかない和櫃やまとびつに対し、4本または6本の脚のついた櫃。白木造りのほか、漆塗り、さらに螺鈿らでん・蒔絵まきえなどで飾ったものがある。衣服・甲冑・文書などの収納具、また中世までは運搬具としても盛んに使われた。源氏物語夕霧「櫛・手箱・―」
唐櫃
⇒からびつ‐ぶぎょう【唐櫃奉行】
からびつ‐ぶぎょう【唐櫃奉行】‥ギヤウ
(→)御物おもの奉行に同じ。
⇒から‐びつ【唐櫃・韓櫃・辛櫃】
から‐びと【韓人・唐人】
朝鮮または中国の人。外国人。万葉集19「―も舟を浮べて遊ぶとふ」
カラビナ【Karabiner ドイツ】
岩登り用具。ハーケンとザイルとを連絡するための金属製の輪。一部分がばね式で開閉できる。
から‐ひる【辛蒜】
味の辛い蒜。狂言、酢薑すはじかみ「からき物、辛子から蓼―や」
から・びる【乾びる・涸びる・枯びる・嗄びる】
〔自上一〕[文]から・ぶ(上二)
①乾いて水気がなくなる。願経四分律平安初期点「樹通しかしながら身乾カラビつ」
②枯寂な趣を帯びる。狂言、連歌毘沙門「いやこれは人間とも見えず、―・びたるていにて御出現は」
③しわがれる。雨月物語5「―・びたる声」
から‐ひわ【唐鶸】‥ヒハ
〔動〕マヒワの別称。
カラビン【karabijn オランダ】
カービン銃のこと。
から・ぶ【乾ぶ・涸ぶ・枯ぶ・嗄ぶ】
〔自上二〕
⇒からびる(上一)
から‐ふう【唐風】
中国の風。からよう。
から‐ぶえ【唐笛】
唐楽用の横笛の雅称。
から‐ぶかし【空吹かし】
自動車を停止させた状態でエンジンを回転させること。
から‐ぶき【乾拭き】
家具・縁側などのつやを出すため、かわいた布で拭くこと。艶拭つやぶき。
から‐ぶきん【乾布巾】
かわいた布巾。乾拭き用の布巾。
から‐ふさ【唐総】
美しく造ったふさ。
から‐ふだ【空札】
歌ガルタで、競技開始前などに読む取り札のない読み札。
からふと【樺太】
サハリンの日本語名。唐太。
⇒からふと‐いぬ【樺太犬】
⇒からふと‐シシャモ【樺太柳葉魚】
⇒からふと‐だま【樺太玉】
⇒からふと‐ちしま‐こうかん‐じょうやく【樺太千島交換条約】
⇒からふと‐ます【樺太鱒】
⇒からふと‐まつ【樺太松】
からふと‐いぬ【樺太犬】
樺太地方で発達した大陸北方系に属する労役犬の俗称。品種として固定したものではない。耐寒性に富み、大形で牽引力が強く、極地探検などで活躍。からふとけん。
⇒からふと【樺太】
からふと‐シシャモ【樺太柳葉魚】
キュウリウオ科の海産の硬骨魚。体長12センチメートル。シシャモに似るが、鱗が極端に細かい。大西洋・太平洋の北部と北極海に産する。「子持シシャモ」として販売されているものの大半は本種。カペリン。
⇒からふと【樺太】
からふと‐だま【樺太玉】
中国東北部から樺太を経て日本に渡来した練物の玉。緑または赤色で緒締おじめなどに用いる。むしのすだま。むしのす。
⇒からふと【樺太】
からふと‐ちしま‐こうかん‐じょうやく【樺太千島交換条約】‥カウクワンデウ‥
1875年(明治8)榎本武揚たけあきが特使となり調印したロシアとの国境画定条約。両国人雑居とされていた樺太をロシア領、千島列島のうち得撫ウルップ島以北の島々を日本領と規定。→日露和親条約。
⇒からふと【樺太】
からふと‐ます【樺太鱒】
サケ科の硬骨魚。全長55センチメートルと、日本産サケ類中最も小型。背部や尾びれなどに黒点があり、産卵期の雄は頭の後ろの背部が著しく盛り上がる。北太平洋に産。セッパリマス。
⇒からふと【樺太】
からふと‐まつ【樺太松】
グイマツの別称。
⇒からふと【樺太】
から‐ふね【空船】
(カラブネとも)積荷も乗客もない船。
から‐ふね【唐船】
唐土の船。また、それにならって製した船。もろこし船。
⇒からふね‐ぶぎょう【唐船奉行】
からふね‐ぶぎょう【唐船奉行】‥ギヤウ
室町幕府の職名。明との修交・通商、五山僧の入明をつかさどった。足利義満の時に創始。唐奉行。
⇒から‐ふね【唐船】
から‐ぶみ【漢書】
中国の書籍。漢文の書物。漢籍。もろこしぶみ。かんしょ。
⇒からぶみ‐よみ【漢書読み】
からぶみ‐よみ【漢書読み】
漢書の読み方。また、漢書を読む人。
⇒から‐ぶみ【漢書】
から‐ぶり【空振り】
野球で、打者の振ったバットが球に当たらないこと。転じて、企てが不成功に終わること。「―の三振」「作戦が―に終わる」
カラフル【colo(u)rful】
色彩豊かなさま。色あざやかなさま。はなやか。「―な服装」
から‐ぶろ【空風呂】
①むしぶろ。日葡辞書「カラフロ」
②湯水を入れてない風呂。
から‐へいじ【唐瓶子】
中国風の瓶子。金属製または木製で黒塗り。平家物語12「―菓子などとりさばくり」
から‐へた【空下手】
この上もないへた。からっぺた。




から‐ばかり【柄秤・権衡・唐秤】🔗⭐🔉
から‐ばかり【柄秤・権衡・唐秤】
(→)秤はかりに同じ。
がらめき‐の‐ひ【柄目木の火】🔗⭐🔉
がらめき‐の‐ひ【柄目木の火】
越後七不思議の一つ。新潟市柄目木付近の地中から自然に出る天然ガス。ともに湧き出る石油を指して、柄目木の臭水くそうずともいう。
がら‐もの【柄物】🔗⭐🔉
がら‐もの【柄物】
模様のついている品物。↔無地むじ
がら‐ゆき【柄行き】🔗⭐🔉
がら‐ゆき【柄行き】
がら。体裁。模様。
つか【柄・
】🔗⭐🔉
つか【柄・
】
①刀剣などの、手で握るところ。
②筆の軸。源氏物語澪標「ふところに設けたる―短き筆など」

つか‐いと【柄糸】🔗⭐🔉
つか‐いと【柄糸】
刀の柄に巻く組糸。
つか‐がしら【柄頭】🔗⭐🔉
つか‐がしら【柄頭】
刀の柄の先の部分。また、そこにつける金具。→兜金かぶとがね
つか‐ぐち【柄口】🔗⭐🔉
つか‐ぐち【柄口】
刀の中子なかごが入る、柄の口もとの部分。
つか‐ざめ【柄鮫】🔗⭐🔉
つか‐ざめ【柄鮫】
鮫の皮の、粒のような突起のある部分。刀の柄に巻く。好色五人女5「―、青磁の道具限りもなく」
つか‐なが【柄長】🔗⭐🔉
つか‐なが【柄長】
刀などの柄を前へ長く出して差すこと。また、柄の長い刀。謡曲、錦戸「もとより好む大太刀を―におつ取り延べて」↔柄短つかみじか
つか‐ぶくろ【柄袋】🔗⭐🔉
つか‐ぶくろ【柄袋】
刀の柄にかぶせる袋。旅行・雨天などの時に用いる。日本永代蔵1「中脇差に―をはめて」
つか‐まえ【柄前】‥マヘ🔗⭐🔉
つか‐まえ【柄前】‥マヘ
刀の柄。また、その体裁。浄瑠璃、伊賀越道中双六「伊達だてを好まぬ刀の―」
つか‐まき【柄巻】🔗⭐🔉
つか‐まき【柄巻】
刀剣の柄を糸・革などで巻くこと。また、それを業とする人。
つか‐みじか【柄短】🔗⭐🔉
つか‐みじか【柄短】
柄の短いこと。また、そのもの。↔柄長つかなが
ひさく【杓・柄杓】🔗⭐🔉
ひさく【杓・柄杓】
⇒ひしゃく。徒然草「古き―の柄ありや」
⇒ひさく‐がた【柄杓形】
ひさく‐がた【柄杓形】🔗⭐🔉
ひさく‐がた【柄杓形】
①柄杓のような形。また、そのもの。
②塔の九輪や宝形造ほうぎょうづくりの屋根の頂につける火焔つきの宝珠。火珠。
⇒ひさく【杓・柄杓】
ひしゃく【柄杓・杓】🔗⭐🔉
ひしゃく【柄杓・杓】
(ヒサコ(瓠)の転。のち、シャクは「杓」の音から出たもののように誤られた)
①湯・水などを汲みとる具。竹・木・金属などでつくり柄をつけたもの。しゃく。ひさく。→ひさご。
②茶道で、茶釜から湯を汲みとるために用いる具。
柄杓
⇒ひしゃく‐たて【柄杓立て】

ひしゃく‐たて【柄杓立て】🔗⭐🔉
ひしゃく‐たて【柄杓立て】
茶の湯用の柄杓を立てておく具。しゃくたて。
⇒ひしゃく【柄杓・杓】
へい‐しん【柄臣】🔗⭐🔉
へい‐しん【柄臣】
政権をとる臣。権臣。
[漢]柄🔗⭐🔉
柄 字形
筆順
〔木部5画/9画/常用/4233・4A41〕
[
] 字形
〔木部5画/9画〕
〔音〕ヘイ(漢)
〔訓〕え・がら・つか
[意味]
①え。器物の、とって。刀の、手でにぎり持つ所。つか。「葉柄・花柄・斗柄」
②材料。しろ。「話柄・笑柄」▶手にとって用いるものの意。
③いきおい。権力。「権柄・執柄・横柄・柄臣」▶手中に納めにぎるものの意。
④がら。
㋐模様。
㋑品格。体格。
[解字]
形声。「木」+音符「
」(=はり出す)。はり出したとっての意。





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