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じ【持】ヂ🔗⭐🔉
じ【持】ヂ
歌合・囲碁などで互いに優劣のないこと。あいこ。もちあい。宇津保物語初秋「この御文は今めきたる筋などのまさりたりけり。―なりと定められて」
じ・する【持する】ヂ‥🔗⭐🔉
じ・する【持する】ヂ‥
〔他サ変〕[文]持す(サ変)
①たもつ。もつ。「満を―・する」
②固く守る。「戒を―・する」
③つつしむ。「身を―・する」
せき【関】🔗⭐🔉
せき【関】
(「塞せく」の連用形から)
①さえぎり止めるもの。新千載和歌集恋「うき人の心の―にうちも寝で」
②水をせきとめるところ。→せき(堰)。
③関所。枕草子111「―は逢坂、須磨の―」
④関銭せきせんの略。日葡辞書「セキヲナ(済)ス」
⑤最上位の相撲取。せきとり。最手ほて。接尾語的に、しこ名につけて敬称とする。日本相撲鑑「今にすまふの長を―といひならはせり」。「双葉山―」
⑥(「持」とも書く)囲碁で、互いに攻め囲まれた一群の石が、どちらも眼め二つを持たないのに、双方手出しできないまま、互いに活いきている形。
もし【持】🔗⭐🔉
もし【持】
(上代東国方言)「持ち」の訛。万葉集20「白玉を手にとり―て」
もたせ【持たせ】🔗⭐🔉
もたせ【持たせ】
①もたせた物。贈物。手土産。おもたせ。狂言、船渡聟「某が―ぢやほどに汝よい時分に披露してくれい」
②もたせかけること。もたせかけるもの。「筆―」
③女の髪の結い方。銀杏髷いちょうまげにほぼ同じで、梳すき髪の一種。上方での呼び名。
④茸きのこの一種。木などに凭もたせかけたように生ずるもの。
⇒もたせ‐ぶり【持たせ振り】
もたせ‐か・ける【持たせ掛ける・凭せ掛ける】🔗⭐🔉
もたせ‐か・ける【持たせ掛ける・凭せ掛ける】
〔他下一〕[文]もたせか・く(下二)
よりかからせる。寄せかける。立てかける。狂言、河原新市「竹のさきに杉ばつけ、こしかけに―・けをく」。「はしごを壁に―・ける」
もたせ‐ぶり【持たせ振り】🔗⭐🔉
もたせ‐ぶり【持たせ振り】
思わせぶり。もったいぶり。浄瑠璃、ひらかな盛衰記「何が機嫌にいらぬやうめっきりと―」
⇒もたせ【持たせ】
もた・せる【持たせる】🔗⭐🔉
もた・せる【持たせる】
〔他下一〕[文]もた・す(下二)
①支えさせる。保たせる。「命を―・せる」
②(「凭せる」とも書く)立てかける。寄せかける。狂言、三本の柱「あの木の根へ―・せて持たう」
③持っていさせる。「自信を―・せる」
④相手に期待させる。遊子方言「ちとたまには―・せるも面白からうではないか」。「気を―・せる」
もた・り【持たり】🔗⭐🔉
もた・り【持たり】
〔他ラ変〕
持っている。伊勢物語「あてなる男―・りけり」
もち【持ち】🔗⭐🔉
もち【持ち】
①持つこと。
㋐所有すること。「―家」「―時間」「衣装―」
㋑負担すること。「費用はそっち―だ」
②品質や働きが長い時間変わらずにつづくこと。「―がよい」
③相場の上がるのを待つこと。
④歌合・囲碁・将棋などで、引分け。持じ。
⑤持太刀もちだちの略。
もち‐あ・う【持ち合う】‥アフ🔗⭐🔉
もち‐あ・う【持ち合う】‥アフ
〔自五〕
①ちょうど持ち合わせている。日葡辞書「モチヤウタニヨッテシン(進)ズル」
②双方がつり合いを保つ。
③(取引用語)値段または相場が持合いの状態にある。
もち‐あが・る【持ち上がる】🔗⭐🔉
もち‐あが・る【持ち上がる】
〔自五〕
①力が加わって上に上がる。「地面が―・る」
②降ってわいたように事が起こる。「大事件が―・る」「縁談が―・る」
③学級担任の教師が生徒の進級と共にその担任を続ける。「5年の担任が6年に―・る」
もち‐あ・げる【持ち上げる】🔗⭐🔉
もち‐あ・げる【持ち上げる】
〔他下一〕[文]もちあ・ぐ(下二)
①持って高く上げる。「俵を―・げる」
②ほめておだて上げる。「大いに―・げて仕事をさせる」
もち‐あじ【持ち味】‥アヂ🔗⭐🔉
もち‐あじ【持ち味】‥アヂ
①ある食物にもとから備わっている味。「―を生かした料理」
②人柄や小説・技芸・美術品などの持つ独特の味わいや良さ。「本来の―を出す」
もち‐あつかい【持扱い】‥アツカヒ🔗⭐🔉
もち‐あつかい【持扱い】‥アツカヒ
もちあつかうこと。
もち‐あつか・う【持ち扱う】‥アツカフ🔗⭐🔉
もち‐あつか・う【持ち扱う】‥アツカフ
〔他五〕
①あつかう。とりはからう。
②取扱いに困る。もてあます。保元物語(金刀比羅本)「十善の帝王に―・はれたてまつりて」。夏目漱石、門「泥棒も―・つたんでせう。それとも余り金にならないんで、已を得ず返して呉れた」
もち‐あら・す【持ち荒らす】🔗⭐🔉
もち‐あら・す【持ち荒らす】
〔他四〕
持っていて損じさせる。日葡辞書「イエ(家)ヲ、また、ウマヲモチアラス」
もち‐ある・く【持ち歩く】🔗⭐🔉
もち‐ある・く【持ち歩く】
〔他五〕
もって歩く。携帯する。「いつもパソコンを―・く」
もち‐あわ・す【持ち合わす】‥アハス🔗⭐🔉
もち‐あわ・す【持ち合わす】‥アハス
[一]〔他五〕
(→)「持ち合わせる」に同じ。
[二]〔他下二〕
⇒もちあわせる(下一)
もち‐あわ・せる【持ち合わせる】‥アハセル🔗⭐🔉
もち‐あわ・せる【持ち合わせる】‥アハセル
〔他下一〕[文]もちあは・す(下二)
①ちょうど必要なものを持っている。「筆記具を―・せていない」
②(自分が今、手にさかずきを持っているとき)相手にさかずきをさすのにいう語。浮世草子、諸道聴耳世間猿「盃取上げて一つうけて―・せましたがあげませうか」
もち‐いえ【持ち家】‥イヘ🔗⭐🔉
もち‐いえ【持ち家】‥イヘ
所有している家。もちや。
もち‐いつ・く【持ち斎く】🔗⭐🔉
もち‐いつ・く【持ち斎く】
〔自四〕
神としてあがめる。古事記上「阿曇連あずみのむらじ等が祖神おやがみと―・く神なり」
もち‐うた【持ち歌・持ち唄】🔗⭐🔉
もち‐うた【持ち歌・持ち唄】
いつでも歌えるように持ち合わせている得意な歌曲。レパートリー。
もち‐おもり【持ち重り】🔗⭐🔉
もち‐おもり【持ち重り】
持っているうちに重さが増してくるように感ずること。歌舞伎、幼稚子敵討おさなごのかたきうち「わしも此背中が―がして、どふもならぬ」
もち‐かえ・す【持ち返す】‥カヘス🔗⭐🔉
もち‐かえ・す【持ち返す】‥カヘス
〔自五〕
(→)「持ち直す」2に同じ。「業績が―・す」
もち‐かえり【持ち帰り】‥カヘリ🔗⭐🔉
もち‐かえり【持ち帰り】‥カヘリ
買った物を自分で持って帰ること。テイクアウト。
もち‐かえ・る【持ち帰る】‥カヘル🔗⭐🔉
もち‐かえ・る【持ち帰る】‥カヘル
〔他五〕
①品物を持って帰る。
②その場で解決できない問題などを、もとの部署に持って帰る。「―・って検討します」
もち‐か・える【持ち替える】‥カヘル🔗⭐🔉
もち‐か・える【持ち替える】‥カヘル
〔他下一〕[文]もちか・ふ(下二)
持ちなおす。持つ手をかえる。また、持っているものを別のものにかえる。「フォークを右手に―・える」「筆をペンに―・える」
もち‐か・ける【持ち掛ける】🔗⭐🔉
もち‐か・ける【持ち掛ける】
〔他下一〕[文]もちか・く(下二)
相談などを切り出す。誘いかける。「縁談を―・ける」「うまく―・けて承知させる」
もち‐かた【持ち方】🔗⭐🔉
もち‐かた【持ち方】
①持つ方法。
②持つ人。持ち手。
③維持の方法。保存の方法。
もち‐き・る【持ち切る】🔗⭐🔉
もち‐き・る【持ち切る】
〔自五〕
①終りまで持ちつづける。保ちつづける。
②初めから終りまで同一の事物または状態で継続する。
もち‐くず・す【持ち崩す】‥クヅス🔗⭐🔉
もち‐くず・す【持ち崩す】‥クヅス
〔他五〕
身持ちを悪くする。品行を乱す。財産をつかいはたす。好色一代女1「おもふまま身を―・してすむもよしなし」
もち‐こ・す【持ち越す】🔗⭐🔉
もち‐こ・す【持ち越す】
〔他五〕
①持って来る。
②持って次へ送る。残して次へ送る。「票決は次回に―・す」「結論を―・す」
③食物が消化せずに胃中にたまる。前夜の酒の酔いを翌日まで残す。
もち‐こた・える【持ち堪える】‥コタヘル🔗⭐🔉
もち‐こた・える【持ち堪える】‥コタヘル
〔他下一〕[文]もちこた・ふ(下二)
長く支え続ける。頑張って持続する。ふみこたえる。「事業を―・える」「病人が―・える」
もち‐こ・む【持ち込む】🔗⭐🔉
もち‐こ・む【持ち込む】
〔他五〕
貨物などを持って入れる。運び入れる。持って来る。ある状態にもっていく。転じて、事の処理をゆだねる。「相談ごとを―・む」「同点に―・む」
もち‐ごも・る【持ち籠る】🔗⭐🔉
もち‐ごも・る【持ち籠る】
〔他四〕
胎児を腹にやどす。妊娠する。
もち‐こら・える【持ち堪える】‥コラヘル🔗⭐🔉
もち‐こら・える【持ち堪える】‥コラヘル
〔他下一〕[文]もちこら・ふ(下二)
(→)「もちこたえる」に同じ。
もち‐さ・る【持ち去る】🔗⭐🔉
もち‐さ・る【持ち去る】
〔他五〕
物を持って他の場所へ行く。
もち‐じかん【持ち時間】🔗⭐🔉
もち‐じかん【持ち時間】
①囲碁・将棋の対局で、考えるために費やしてよいと許されている時間。「―を使い切る」
②講演・演説などで、割り当てられた時間。
もち‐だ・す【持ち出す】🔗⭐🔉
もち‐だ・す【持ち出す】
〔他五〕
①持って外へ出す。盗んだりだまって使ったりすることにもいう。「店の金を―・す」
②持ちはじめる。「疑念を―・す」
③話を人前に出す。訴え出る。「話を―・す」「法廷へ―・す」
④自腹を切って費用を出す。「支給されるより―・す方が多い」
もち‐たて【持ち立て】🔗⭐🔉
もち‐たて【持ち立て】
持って間のないこと。所有して時を経ないこと。浮世風呂3「―の女房だつて間がな透すきがなお縁さんの傍へよつて」
もち‐ちょう・じる【持ち長じる】‥チヤウ‥🔗⭐🔉
もち‐ちょう・じる【持ち長じる】‥チヤウ‥
〔他上一〕
(「もっちょうずる」の転)もてはやす。浮世風呂2「人に―・じられるが面白さに」
もち‐つ・ける【持ち付ける】🔗⭐🔉
もち‐つ・ける【持ち付ける】
〔他下一〕
持ち馴れる。狂言、二人大名「そなたは―・けぬとおしやつたが一段とよい持ちぶりでござる」
○持ちつ持たれつもちつもたれつ🔗⭐🔉
○持ちつ持たれつもちつもたれつ
互いに助けたり助けられたりするさま。「世の中は―だ」
⇒も・つ【持つ】
もち‐て【以て】
(動詞モツ(持)の連用形に助詞テの付いたもの)…で。…によって。万葉集7「我が紐を妹が手―結八川ゆうやかわ」→もって→もて
もち‐てん【持ち点】
競技や賭事で、各参加者が事前に持っている点数。
もち‐どし【望年】
小正月のこと。
もち‐どり【黐鳥】
黐にかかった鳥。また、恩愛などにかかずらわって離れられないさまのたとえ。万葉集5「世の中はかくぞことわり―のかからはしもよ行方知らねば」
もち‐なお・す【持ち直す】‥ナホス
〔他五〕
①持ちかえる。持ち改める。「鞄を―・す」
②再び以前のような良い状態にかえる。「病状が―・す」「景気が―・す」
もち‐なか【餅中】
(→)「もちあわい(餅間)」に同じ。
もち‐な・す【持ち成す】
〔他四〕
持ち扱う。処置する。好色一代女5「身をぞんざいに―・し」
もち‐なわ【黐縄】‥ナハ
鳥を捕らえるために黐を塗りつけた縄。
もち‐に【持荷】
持っている荷物。持ち運ぶ荷物。後撰和歌集雑「数ならぬ身を―にて吉野山高き嘆を思ひこりぬる」
もち‐にげ【持逃げ】
他人の所有物を持って逃げること。「売上金を―する」
もち‐てん【持ち点】🔗⭐🔉
もち‐てん【持ち点】
競技や賭事で、各参加者が事前に持っている点数。
もち‐なお・す【持ち直す】‥ナホス🔗⭐🔉
もち‐なお・す【持ち直す】‥ナホス
〔他五〕
①持ちかえる。持ち改める。「鞄を―・す」
②再び以前のような良い状態にかえる。「病状が―・す」「景気が―・す」
もち‐な・す【持ち成す】🔗⭐🔉
もち‐な・す【持ち成す】
〔他四〕
持ち扱う。処置する。好色一代女5「身をぞんざいに―・し」
もち‐はこ・ぶ【持ち運ぶ】🔗⭐🔉
もち‐はこ・ぶ【持ち運ぶ】
〔他五〕
持って他所へ運ぶ。運搬する。「本を箱に入れて―・ぶ」
もち‐ふだ【持ち札】🔗⭐🔉
もち‐ふだ【持ち札】
トランプや花札の手持ちの札。転じて、手元にあって必要なときに自由に使える手段。
もち‐ぶり【持ち振り】🔗⭐🔉
もち‐ぶり【持ち振り】
持った様子。狂言、八幡の前「一段と―がようおりやるよ」
もち‐ふる・す【持ち古す】🔗⭐🔉
もち‐ふる・す【持ち古す】
〔他五〕
持って古くする。使って古くする。狂言、武悪「―・しましたれ共、…是を進じます」
もち‐ぶん【持ち分】🔗⭐🔉
もち‐ぶん【持ち分】
〔法〕共有者が共有物について有する割合的権利、または権利の割合。
⇒もちぶん‐がいしゃ【持分会社】
もち‐まえ【持ち前】‥マヘ🔗⭐🔉
もち‐まえ【持ち前】‥マヘ
①生れつきのもの。固有の性質。持料もちりょう。「―の明るさ」
②所有に属する部分。担当する部分。
もち‐まわ・る【持ち回る】‥マハル🔗⭐🔉
もち‐まわ・る【持ち回る】‥マハル
〔他五〕
あちこちへ持って歩く。「商品見本を―・る」「試案を―・って意見をきく」
○持ちも提げもならぬもちもさげもならぬ🔗⭐🔉
○持ちも提げもならぬもちもさげもならぬ
処置する方法がなくて苦しむさま。なすべき方法がない。
⇒も・つ【持つ】
もち‐もち
適度な弾力があること。「―した食感のパン」
もち‐もち【持ち持ち】
各自の持ち分。狂言、鍋八撥「そこが勝負の事でござるによつて、銘々の―でふれと仰せられい」
もちもち‐ぜっく【もちもち節供】
小正月のこと。
もち‐もの【持ち物】
①身につけて持っているもの。携えているもの。「―を調べる」
②所有に属するもの。「家は親の―だ」
もち‐や【持家・持屋】
所有している家。もちいえ。
もち‐や【餅屋】
餅をついて売る家。また、その人。
⇒餅屋は餅屋
もちゃ・げる【持ちゃげる】
〔他下一〕
モチアゲルの転。
もちゃそび【玩び・弄び】
モチアソビの転。誹風柳多留19「―に四五匹のこすどぢやう汁」
もち‐もち【持ち持ち】🔗⭐🔉
もち‐もち【持ち持ち】
各自の持ち分。狂言、鍋八撥「そこが勝負の事でござるによつて、銘々の―でふれと仰せられい」
もち‐もの【持ち物】🔗⭐🔉
もち‐もの【持ち物】
①身につけて持っているもの。携えているもの。「―を調べる」
②所有に属するもの。「家は親の―だ」
もちゃ・げる【持ちゃげる】🔗⭐🔉
もちゃ・げる【持ちゃげる】
〔他下一〕
モチアゲルの転。
もち‐よ・る【持ち寄る】🔗⭐🔉
もち‐よ・る【持ち寄る】
〔自五〕
各自が持って寄り集まる。「材料を―・る」
もち‐わ・く【持ち分く】🔗⭐🔉
もち‐わ・く【持ち分く】
〔他下二〕
任務を分担する。古事記上「二柱の神、河海に因りて―・けて生める神」
○餅を搗くもちをつく
①多くの蚊が群れて上下しあう。
②男女が交接する。あもつく。
⇒もち【餅】
も・つ【持つ】🔗⭐🔉
も・つ【持つ】
[一]〔他五〕
物を損なわず、元のままで長期間手中に置く意。
①手の中に入れて保つ。手に取る。万葉集1「籠もよみ籠―・ちふくしもよみぶくし―・ちこの丘に菜摘ます児」。平家物語3「手に―・てる物を投げ捨てて」。「箸はしを―・つ」
②身につける。携帯する。万葉集14「置きて行かば妹はまかなし―・ちて行く梓の弓の束にもがも」。平家物語9「いくさの陣へ笛―・つ人はよもあらじ」。「大金を―・つ」
③自己のものにする。所有する。支配する。方丈記「さりがたき妻をとこ―・ちたるものは」。平家物語3「この御ありさまにても家を―・ち給へる不思議さよ」。日葡辞書「ヨ(世)ヲモツ」。「所帯を―・つ」
④身にそなえる。それを中に含む。万葉集3「妹が悔ゆべき心は―・たじ」。「あどけないところを―・つ人」「手に職を―・つ」「重大な意味を―・つ事件」
⑤使う。用いる。古事記下「つぎねふ山城女の木鍬こくわ―・ち打ちし大根ねじろの白ただむき」。万葉集16「か黒し髪をま櫛―・ち肩に懸き垂れ」
⑥受け持つ。担当する。日葡辞書「ヤク、また、ダイクヮンヲモツ」。「1年生の組を―・つ」
⑦心にいだく。「根に―・つ」「自信を―・つ」
⑧それを行う。「組合との交渉を―・つ」
⑨負担する。「学費は国が―・つ」
[二]〔自五〕
永くその状態を保つ。「天気が―・つ」「からだが―・たない」
[三]〔他下二〕
持たせる。万葉集18「片思ひを馬にふつまに負せ―・て」
⇒持ちつ持たれつ
⇒持ちも提げもならぬ
⇒持ったが病
⇒持って生まれた
⇒持って来て
⇒持って来い
⇒持って回る
⇒持つべきものは友
○持ったが病もったがやまい🔗⭐🔉
○持ったが病もったがやまい
持たなくてもいいものを持ってしまったがために面倒が起こるということ。多く金や子供についていう。
⇒も・つ【持つ】
もっ‐た・てる【持っ立てる】
〔他下一〕
持ち上げる。立てる。狂言、竹生島参「鎌首を―・て」
もっちょう・ずる
〔他サ変〕
たいせつにする。ちやほやする。浄瑠璃、国性爺合戦「―・ずれば方図もない」
モッツァレラ【mozzarella イタリア】
イタリアのチーズ。本来は水牛の乳で作るが、現在では牛乳製も多く、熟成させたタイプもある。加熱すると溶けて糸を引くようにのびる。
もっ‐て【以て】
(モチテの音便)
①助詞「を」から続く。
㋐手段・方法・材料などを示す。…によって。…で。平家物語2「御恩を―頸をつがれ参らせ」。太平記2「やがてこの僧を―持仏堂に誘ひ入れて」。天草本伊曾保物語「アテナスの在所初めは主人も無うて、地下の宿老の評定を―治めたに」。「書面を―通知する」
㋑原因・理由を示す。…によって。…のために。「博学を―聞こえる」
㋒動作の行われる時を示す。…に。今昔物語集3「八月十五日を―行ふべきなり」。「本日を―閉店します」
②上を受けて語調を強めていう語。とりもなおさず。すなわち。浮世草子、日本新永代蔵「百目も千貫目も道理は―同じ事なり」
③副詞または副詞句に添えて、その意を強めるのに用いる。日葡辞書「イササカモッテ」。狂言、七騎落「それがしは船より―全く下りまじき」。「まことに―遺憾なことであります」
④…しながら。清元、其小唄夢廓そのこうたゆめもよしわら「踊り―ござつた」
⑤(接続詞的に用いて)
㋐その上に。かつ。「利口で―愛敬がある」
㋑そして。それによって。
⇒もって‐の‐ほか【以ての外】
⇒以て瞑すべし
もっ‐た・てる【持っ立てる】🔗⭐🔉
もっ‐た・てる【持っ立てる】
〔他下一〕
持ち上げる。立てる。狂言、竹生島参「鎌首を―・て」
○持って生まれたもってうまれた🔗⭐🔉
○持って生まれたもってうまれた
生まれて来るときから身につけている。生れつきの。「―才能」
⇒も・つ【持つ】
○持って来てもってきて🔗⭐🔉
○持って来てもってきて
更にその上に。「道が分からぬところへ―あたりも暗くなる」
⇒も・つ【持つ】
○持って来いもってこい🔗⭐🔉
○持って来いもってこい
能力や状態が、そのことを行うのにまさに適しているさま。ちょうどあつらえむきなこと。「運動会には―の天気」「幹事役に―だ」
⇒も・つ【持つ】
もって‐こい【持って来い】
⇒もつ(持)(成句)
もって‐の‐ほか【以ての外】
とんでもないこと。常軌をはずれたこと。思ってもみないこと。「―のお腹立ち」「無断外泊など―」
⇒もっ‐て【以て】
もって‐こい【持って来い】🔗⭐🔉
もって‐こい【持って来い】
⇒もつ(持)(成句)
○持って回るもってまわる🔗⭐🔉
○持って回るもってまわる
肝腎なことをする前に必要もないことをあれこれする。遠回しに言ったりしたりする。「持って回った言い方」
⇒も・つ【持つ】
もって‐まわ・る【持って回る】‥マハル
⇒もつ(持)(成句)
もって‐まわ・る【持って回る】‥マハル🔗⭐🔉
もって‐まわ・る【持って回る】‥マハル
⇒もつ(持)(成句)
○以て瞑すべしもってめいすべし
それだから心残りなく成仏できるだろうの意で、物事が非常にうまくいったから、もう死んでもかまわない気持をいう。
⇒もっ‐て【以て】
○持つべきものは友もつべきものはとも🔗⭐🔉
○持つべきものは友もつべきものはとも
困ったときに助けてくれるから、友ほどありがたいものはない。
⇒も・つ【持つ】
もっぽ【木浦】モク‥
⇒モクポ
もつ‐やき【もつ焼】
(「もつ」は臓物の略)鶏・牛・豚の臓物を串にさして焼いた料理。
もつ‐やく【没薬】
(→)ミルラに同じ。〈伊呂波字類抄〉
もつ‐りょうり【もつ料理】‥レウ‥
(「もつ」は臓物の略)鳥獣の臓物を用いた料理。
もつ・る【縺る】
〔自下二〕
⇒もつれる(下一)
もつれ【縺れ】
①もつれること。結ぼれて解けないこと。「糸の―」
②もめごと。ごたごた。葛藤。「感情の―」
⇒もつれ‐がみ【縺れ髪】
もつれ‐がみ【縺れ髪】
もつれた髪。みだれがみ。
⇒もつれ【縺れ】
もつれ‐こ・む【縺れ込む】
〔自五〕
決着がつかないまま、次の段階に入る。「政治折衝に―・んだ」「交渉は翌日まで―・んだ」
もつ・れる【縺れる】
〔自下一〕[文]もつ・る(下二)
①まつわりつく。日葡辞書「ユクミチニカヅラガシゲッテアシニモツルル」
②からみ合って乱れる。こぐらかる。俳諧新選「蝶々やほこりの中を―・れゆく」。「糸が―・れる」
③(言語・動作などが)正常さを失って自由にならない。「舌が―・れる」「足が―・れる」
④いろいろ事情がからんで、事が混乱して秩序を失う。「交渉が―・れる」「試合が―・れる」
もて【面】
「おもて」の略。万葉集20「あが―の忘れも時しだは筑波嶺をふりさけ見つつ妹はしぬはね」
も‐て
(モチテの音便モッテの約)
①手段・方法・材料を表す。…によって。万葉集15「何もの―か命つがまし」。地蔵十輪経元慶点「慈心を―一切の国人を撫育す」
②上の語を強める。推古紀「和やわらかなるを―貴しとし」
③二つの動詞を結び、次第に進行することを表す。…て。枕草子1「昼になりてぬるくゆるび―いけば」
もて
〔接頭〕
動詞に冠して意味を強め、また、語調を整えるのに用いる。宇治拾遺物語9「此の人々―饗応し」。「―はやす」
もて‐あ・う【持て合ふ】‥アフ
〔他四〕
互いにもつ。浜松中納言物語1「この世はかるむる事も、かく堪えがたく―・へる事も」
もて‐あ・ぐ【持て上ぐ】
〔他下二〕
持ち上げる。徒然草「いにしへは車もたげよ、火かかげよとこそいひしを今様の人は―・げよ、かきあげよといふ」
もて‐あそび【玩び・翫び・弄び】
もてあそぶこと。また、そのもの。源氏物語若紫「いとをかしき―なり」
⇒もてあそび‐ぐさ【玩び草・弄び種】
⇒もてあそび‐もの【弄び物】
もてあそび‐ぐさ【玩び草・弄び種】
もてあそぶ材料。おもちゃ。源氏物語若菜上「うつくしき―に思ひ聞え給へり」
⇒もて‐あそび【玩び・翫び・弄び】
もてあそび‐もの【弄び物】
もてあそぶ物。おもちゃ。清寧紀「―献上たてまつること得じ」
⇒もて‐あそび【玩び・翫び・弄び】
もて‐あそ・ぶ【玩ぶ・翫ぶ・弄ぶ】
〔他五〕
(持ちて遊ぶ意)
①手に持って遊ぶ。神代紀上「掌中たなうらに置きて―・びたまひしかば」
②慰み愛好する。また、寵愛する。慰み興ずる。源氏物語少女「松の木しげく雪を―・ばむ便りによせたり」。「詩歌を―・ぶ」「笛を―・ぶ」
③人を慰みものにする。なぶる。「人の気持を―・ぶ」
④思いのままに扱う。好き勝手に扱う。「政治を―・ぶ」「大波に―・ばれる小舟」
もて‐あつかい【持て扱い】‥アツカヒ
もてあつかうこと。
⇒もてあつかい‐ぐさ【持て扱い種】
もてあつかい‐ぐさ【持て扱い種】‥アツカヒ‥
とりあつかう材料。また、その事柄。増鏡「つくもがみの物語も人の―になれるは」
⇒もて‐あつかい【持て扱い】
もて‐あつか・う【持て扱う】‥アツカフ
〔他五〕
①取り扱う。とりはからう。世話をする。源氏物語若紫「尼君一人―・ひ侍りし程に」
②取扱いに困る。もてあます。保元物語(金刀比羅本)「狩野工藤茂光―・ひていかがせんとぞ思ひける」
もて‐あまし【持て余し】
もてあますこと。また、そのもの。「世間の―者」
もて‐あま・す【持て余す】
〔他五〕
処置に困る。取扱いに苦しむ。手にあます。「ひまで体を―・す」「腕白小僧を―・す」
モティーフ【motif フランス】
⇒モチーフ
もて‐い・ず【持て出づ】‥イヅ
〔他下二〕
①持って出る。持ちだす。源氏物語帚木「盃―・でて」
②表面に出す。源氏物語常夏「―・でてこそあらね若き人はものをかしくて皆うちわらひぬ」
モディフィケーション【modification】
(部分的な)変更。修正。
モディリアーニ【Amedeo Modigliani】
イタリアの画家。エコール‐ド‐パリの一人。セザンヌおよびフォーヴィスム・キュビスムの影響を受けた。一種の哀愁を帯びた首の長い人物画が多い。(1884〜1920)
モディリアーニ(1)
提供:Lebrecht Music & Arts/APL
モディリアーニ(2)
提供:Photos12/APL
モディリアーニ(3)
提供:Photos12/APL
モディリアーニ(4)
提供:Photos12/APL
もて‐かえ・す【もて返す】‥カヘス
〔自四〕
(モテは接頭語)混雑する。ごったがえす。浄瑠璃、曾我会稽山「人の足音どろどろどろ右往左往に―・す」
もて‐かく・す【もて隠す】
〔他四〕
(モテは接頭語)
①かくす。源氏物語帚木「いとよく―・すなりけり」
②そのままにしておく。今昔物語集9「飲食は少し―・して調へ備ふべきなり」
もて‐かしず・く【もて傅く】‥カシヅク
〔他四〕
(モテは接頭語)かしずく。大切にする。枕草子278「―・きわたし奉らせ給ふさま」
もて‐かや・す【もて返す】
〔自四〕
(モテカヘスの訛)混雑する。ごったがえす。浄瑠璃、夕霧阿波鳴渡「巫子みこの御符のと、屋内が―・いて」
もて‐きょう・ず【もて興ず】
〔自サ変〕
(モテは接頭語)おもしろがる。更級日記「けぢかくて、人々―・ずるに」
もて‐け・つ【もて消つ】
〔他四〕
(モテは接頭語)
①無くする。払い除く。うまく消す。源氏物語御法「涙の玉をば―・ち給ひける」
②気持をおさえる。源氏物語胡蝶「いとようなだらかに―・ちてむ」
③けなす。軽蔑する。源氏物語常夏「もてはやし、また―・ち軽むることも」
④見ばえしないようにする。下風に立たせる。源氏物語若菜下「誇りかに花やぎたる方は、弟の君達には―・たれて」
もて‐さわ・ぐ【もて騒ぐ】
〔自四〕
(モテは接頭語)大騒ぎをする。源氏物語浮舟「何人をかく―・ぎ給ふらむ」
もて‐しず・む【もて鎮む】‥シヅム
〔他下二〕
(モテは接頭語)落ちつかせる。源氏物語花宴「いとめやすく―・めて」
もて‐そこな・う【もて損ふ】‥ソコナフ
〔他四〕
(モテは接頭語)そこなう。失敗する。源氏物語手習「あさましく―・ひたる身を思ひてゆけば」
もて‐つ・く【もて付く】
〔他下二〕
(モテは接頭語)(態度・様子を)取りつくろう。枕草子195「わが―・けたるをつつみなくいひたるは」
もて‐つけ【もて付け】
(モテは接頭語)態度。ふるまい。栄華物語殿上花見「大方の有様―心にくく立ちならぶべき人なき御有様」
モテット【motet イギリス・Motette ドイツ】
〔音〕(フランス語で「言葉」の意のmotから)
①中世の多声音楽。既存の多声教会聖歌の上声部に新たな歌詞を付けたもので、フランス語で世俗的な内容の歌詞を付けたものが多い。上2声に異なった歌詞を付けたものも多く、2重モテットとも呼ばれる。13世紀に誕生、14世紀まで創作。
②ルネサンス時代の多声教会音楽。聖歌や聖書中の詞句による。モテト。
もて‐なし【持て成し】
①とりなし。とりつくろい。たしなみ。源氏物語末摘花「いとわろかりしかたちざまなれど―に隠されて」
②ふるまい。挙動。態度。源氏物語空蝉「ばうぞくなる―なり」
③取扱い。あしらい。待遇。源氏物語桐壺「世の例にもなりぬべき御―なり」。「丁重な―を受ける」
④馳走。饗応。謡曲、八島「お―に語つて聞かせ申し候ふべし」。「何のお―もできず、失礼しました」
もて‐な・す【持て成す】
〔他五〕
①とりなす。処置する。源氏物語桐壺「何事の儀式をも―・し給ひ」
②取り扱う。待遇する。落窪物語3「少輔はいとにくき物に思ひしみてすげなくのみ―・しければ」。「我が子のように―・す」
③歓待する。ご馳走する。平家物語11「御前へ召されまゐらせて、御引出物をたまはつて―・され給ひしありさま」。「心づくしの料理で―・す」
④面倒をみる。世話をする。源氏物語若紫「そもそも女は人に―・されておとなにもなり給ふものなれば」
⑤自分の身を処する。ふるまう。源氏物語手習「時々はればれしう―・しておはしませ」
⑥取り上げて問題にする。もてはやす。徒然草「鎌倉の海に鰹と云ふ魚は、かの境にはさうなきものにて、この比―・すものなり」
⑦そぶりをする。見せかける。平家物語10「涙おしのごひ、さらぬ体に―・いて申しけるは」
もて‐なやみ‐ぐさ【持て悩み種】
扱いかねるもの。もてあますもの。悩みの種。源氏物語桐壺「人の―になりて」
もて‐なや・む【持て悩む】
〔他四〕
もてあます。処置に困る。源氏物語東屋「何かは苦しきまでも―・まし」
もて‐なら・す【持て馴らす】
〔他四〕
使い馴らす。源氏物語花宴「かのしるしの扇は…なつかしう―・したり」
もて‐はな・る【もて離る】
〔自下二〕
(モテは接頭語)ひどく離れる。遠ざかる。源氏物語帚木「―・れたることをも思ひよせて疑ふも」
もて‐はや・す【もて映やす・もて囃す】
〔他五〕
(モテは接頭語)
①照りはえるようにする。栄華物語音楽「御堂の飾りも―・され」
②下にもおかぬようにしてもてなす。落窪物語2「只今の御世おぼえのたぐひなき君なれば、―・さんとて」
③さかんにほめそやす。引きたててほめる。紫式部日記「御声にあひてなん聞ゆると―・しきこえ給ふ」。「神童と―・される」
もて‐まい・る【持て参る】‥マヰル
〔他四〕
①持参する。源氏物語夕顔「紙燭しそく―・れり」
②さしあげる。献上する。源氏物語須磨「貝つ物―・れるを」
モデム【MODEM】
(modulator(変調器)とdemodulator(復調器)との合成語)コンピューターの信号と電話回線の信号を相互に変換する装置。
もて‐もて【持て持て】
人気があってよい待遇を受けること。おおもて。「店で―の客」
もて‐ゆ・く【もて行く】
〔自四〕
(モテは接頭語)しだいに…して行く。どんどん…して行く。蜻蛉日記上「やうやう例のやうになり―・けば」
モデュロール【modulor フランス】
ル=コルビュジエが提唱した建築デザイン用の寸法の比例体系。人体の寸法比や黄金比で構成される。
モデラート【moderato イタリア】
〔音〕速度標語。「中くらいの速さで」の意。アンダンテとアレグロの中間。
モデリング【modelling】
①模型製作。
②彫刻で、肉付けを施すこと。絵画では陰影による立体感の効果を調整すること。肉づけ。
も・てる【持てる】
〔自下一〕
①持つことができる。持ち得る。「これなら片手で―・てる」
②保たれる。支えられる。「間まが―・てない」
③もてはやされる。ちやほやされる。人気がある。「女に―・てる」
モデル【model】
①型。型式かたしき。「最新―」
②模型。雛型。「プラスチック‐―」「計量経済―」
③模範。手本。「―地区」
④美術家が制作の対象にする人。
⑤小説・戯曲などの題材とされた実在の人物。二葉亭四迷、予が半生の懺悔「この意味からだと『浮雲』にも―が無いぢやないが」。「―小説」
⑥ファッション‐モデルの略。
⇒モデル‐ガン【model gun】
⇒モデル‐ケース【model case】
⇒モデル‐スクール【model school】
⇒モデル‐チェンジ
⇒モデル‐ハウス【model house】
⇒モデル‐ルーム
モデル‐ガン【model gun】
本物そっくりにつくった玩具の銃。弾を発射できないよう、銃口をふさぐことが定められている。
⇒モデル【model】
モデル‐ケース【model case】
典型的・標準的な事例。代表例。
⇒モデル【model】
モデル‐スクール【model school】
特定の教育理念や方法などを計画的に実施して、他校の模範とし、また、これを実験・研究する学校。
⇒モデル【model】
モデル‐チェンジ
(和製語model change)商品のデザインや性能を変えること。型式を変更すること。
⇒モデル【model】
モデルニスモ【modernismo スペイン】
19世紀末のラテン‐アメリカで生まれたスペイン語詩の刷新運動。最初は芸術至上主義だったが次第に社会性を帯びる。代表的詩人はマルティ・ダリーオら。
モデルノロジー
(和製語modernology)(→)考現学。
モデル‐ハウス【model house】
住宅の見本として建築した家。
⇒モデル【model】
モデル‐ルーム
(和製語model room)分譲マンションなどを販売する際に、見本として展示する、実物と同じ作りの部屋。
⇒モデル【model】
もて‐わずら・う【持て煩ふ】‥ワヅラフ
〔自四〕
もてあます。扱いかねる。竹取物語「この女の童は…―・ひ侍り」
もて‐わた・る【持て渡る】
〔自四〕
持って行く。枕草子1「炭―・るもいとつきづきし」
もと【下・許】
①物の下した。また、そのあたり。南海寄帰内法伝平安後期点「幽辟の処、林叢の下モトに或いは河地の内に在おいて以て先亡に施す」。「旗の―に集まる」
②影響が及ぶ範囲。「両親の―で育つ」「一定の条件の―で成立する」「警察の監視の―にある」
もと【本・元・原・基】
「すえ(末)」に対して、物事の起こる所の意。
①はじめ。起源。万葉集9「―の如家はあらむと」。「―をたずねる」「―に戻す」「火―」
②以前。「―は警官だった」「―通りにする」
③物事の主要な部分。根幹。基礎。もとい。万葉集10「吾が恋止まず―の繁けば」。「農は国の―」「―をしっかりさせる」「事実を―に論ずる」
④(「因」とも書く)原因。「けんかの―」「口は禍わざわいの―」
⑤木の根や幹。根もと。万葉集17「―も枝えも同おやじ常磐に」。「木―竹うら」
⑥和歌の上の句。
⑦もとで。元金。資本。「―がかかる」
⑧元値もとね。原価。「―が取れない」「―を割る」
⑨(「酛」とも書く)酒母しゆぼのこと。
⑩(「素」とも書く)原料。「スープの―」「―を仕込む」
⑪(助数詞。「本」と書く)
㋐草木などを数えるのに用いる。万葉集18「一―のなでしこ植ゑし」
㋑鷹などを数えるのに用いる。羽わ。「大鷹一―」
◇ふつう「本」は3・6、「元」は1・2・4・7・8に使う。「原」は主に4、「基」は3に使う。
⇒元が切れる
⇒元も子もない
⇒元を正す
もと【元・旧・故】
むかし。はじめ。以前。源氏物語桐壺「内には―の淑景舎を御曹司にて」。「―代議士」「―の校舎」
⇒元の鞘へ収まる
⇒元の木阿弥
もと‐あら【本荒】
草木の根ぎわが、まばらなこと。一説に、根もとの方に花も葉もなく、荒れていること。古今和歌集恋「宮城野の―の小萩露を重み風を待つごと君をこそ待て」
もとい【基】モトヰ
(本居もといの意)
①土台。基礎。また、物事の根本。根拠。栄華物語音楽「紫金銀の棟、金色の扉、水精すいしょうの―」。「国の―」
②因。原因。源氏物語若菜下「女の身は皆同じ、罪深き―ぞかし」
③本拠となる所。栄華物語玉飾「昔の御―を思し忘れぬにや」
もと‐い【元結】‥ヒ
モトユイの約。
もと‐い【元い】
〔感〕
モトヘの訛。
もと‐いえ【元家】‥イヘ
(→)元屋もとやに同じ。
もと‐いれ【元入れ】
元手もとで1として入れること。資金をつぎこむこと。
⇒もといれ‐しほん【元入れ資本】
もといれ‐しほん【元入れ資本】
自己所有の財産から成る資本。自己資本。
⇒もと‐いれ【元入れ】
もと‐いろ【本色】
本来の色。固有の色。貫之集「―かへぬ松にぞありける」
もと‐うけ【元浮け】
(北九州地方で)延縄はえなわの起点に付ける浮樽。夜漁にはこれに火をともす。
もと‐うけ【元請】
(元請負の略)注文主から直接仕事を引き受けること。また、その業者。↔下請
もと‐うけおい【元請負】‥オヒ
(→)「もとうけ」に同じ。
もと‐うた【本歌】
①⇒ほんか。
②(「元歌」とも書く)替え歌のもとになった歌。
もと‐うち【元内】
(→)元屋もとやに同じ。
もと‐うり【元売り】
生産者から卸売り業者へ売ること。「―価格」
もと‐え【元え】
(→)「もとのえ」に同じ。
もとおし【回・廻】モトホシ
①めぐり。まわり。
②(→)「もとおり」3に同じ。
③衣服の襟などの紐に通してある金具。今昔物語集23「水干装束にて―を解きて」
⇒もとおし‐の‐ほう【縫腋の袍】
もとおし‐の‐ほう【縫腋の袍】モトホシ‥ハウ
⇒ほうえきのほう
⇒もとおし【回・廻】
もとお・す【回す・廻す】モトホス
〔他四〕
めぐらす。まわす。古事記中「豊寿ほき寿き―・し」
もとおり【回・廻】モトホリ
①もとおること。
②まわり。めぐり。万葉集19「大殿のこの―の雪な踏みそね」
③鷹狩の鷹の脚に取り付ける紐の金具。もとおし。倭名類聚鈔15「旋子、毛度保利」
もとおり【本居】‥ヲリ
宣長に始まる国学者の姓。
⇒もとおり‐うちとお【本居内遠】
⇒もとおり‐おおひら【本居大平】
⇒もとおり‐とよかい【本居豊穎】
⇒もとおり‐ながよ【本居長世】
⇒もとおり‐のりなが【本居宣長】
⇒もとおり‐はるにわ【本居春庭】
もとおり‐うちとお【本居内遠】‥ヲリ‥トホ
江戸後期の国学者。旧姓、浜田。号は榛園はりのきえん。本居大平に学び、その養子となる。紀州徳川家に仕え、「紀伊続風土記」などの編纂に従事、学風は考証を主とする。(1792〜1855)
⇒もとおり【本居】
もとおり‐おおひら【本居大平】‥ヲリオホ‥
江戸後期の国学者。伊勢松坂の人。本居宣長に学び、その養子となる。号は藤垣内ふじのかきつ。紀州藩に仕え、本居家の学風を継いで普及。家集「稲葉集」や「神楽歌新釈」「八十浦之玉やそうらのたま」などの著がある。(1756〜1833)
⇒もとおり【本居】
もとおり‐とよかい【本居豊穎】‥ヲリ‥カヒ
国文学者・歌人。宣長の曾孫。内遠の子。名古屋の人。「本居雑考」「秋屋集」「諄辞集」などの著がある。(1834〜1913)
⇒もとおり【本居】
もとおり‐ながよ【本居長世】‥ヲリ‥
作曲家。豊穎とよかいの孫。東京生れ。東京音楽学校卒。洋楽と邦楽の融合を模索。童謡「七つの子」「汽車ポッポ」「青い目の人形」「赤い靴」など。(1885〜1945)
⇒もとおり【本居】
もとおり‐のりなが【本居宣長】‥ヲリ‥
江戸中期の国学者。国学四大人の一人。号は鈴屋すずのやなど。小津定利の子。伊勢松坂の人。京に上って医学修業のかたわら源氏物語などを研究。賀茂真淵に入門して古道研究を志し、三十余年を費やして大著「古事記伝」を完成。儒仏を排して古道に帰るべきを説き、また、「もののあはれ」の文学評論を展開、「てにをは」・活用などの研究において一時期を画した。著「源氏物語玉の小櫛」「古今集遠鏡」「てにをは紐鏡」「詞の玉緒」「石上私淑言いそのかみささめごと」「直毘霊なおびのみたま」「玉勝間」「うひ山ぶみ」「馭戎慨言ぎょじゅうがいげん」「玉くしげ」など。(1730〜1801)
→著作:『うひ山ぶみ』
→著作:『玉勝間』
→著作:『玉くしげ』
⇒もとおり【本居】
もとおり‐はるにわ【本居春庭】‥ヲリ‥ニハ
江戸後期の国学者。号は後鈴屋のちのすずのや。宣長の長男。中年に失明、鍼医を業としながら門弟を指導。「詞八衢ことばのやちまた」「詞通路ことばのかよいじ」は国語用言研究の根底を築いた著。家集「後鈴屋集」がある。(1763〜1828)
⇒もとおり【本居】
もとお・る【回る・廻る】モトホル
〔自四〕
めぐる。まわる。徘徊する。古事記中「い這ひ―・り」
もとおろ・う【廻ろふ】モトホロフ
〔自四〕
(モトホルに接尾語フの付いた語)まわりまわる。ぐるぐるまわる。古事記中「大石おいしに這ひ―・ふ細螺しただみの」
モディリアーニ(2)
提供:Photos12/APL
モディリアーニ(3)
提供:Photos12/APL
モディリアーニ(4)
提供:Photos12/APL
もて‐かえ・す【もて返す】‥カヘス
〔自四〕
(モテは接頭語)混雑する。ごったがえす。浄瑠璃、曾我会稽山「人の足音どろどろどろ右往左往に―・す」
もて‐かく・す【もて隠す】
〔他四〕
(モテは接頭語)
①かくす。源氏物語帚木「いとよく―・すなりけり」
②そのままにしておく。今昔物語集9「飲食は少し―・して調へ備ふべきなり」
もて‐かしず・く【もて傅く】‥カシヅク
〔他四〕
(モテは接頭語)かしずく。大切にする。枕草子278「―・きわたし奉らせ給ふさま」
もて‐かや・す【もて返す】
〔自四〕
(モテカヘスの訛)混雑する。ごったがえす。浄瑠璃、夕霧阿波鳴渡「巫子みこの御符のと、屋内が―・いて」
もて‐きょう・ず【もて興ず】
〔自サ変〕
(モテは接頭語)おもしろがる。更級日記「けぢかくて、人々―・ずるに」
もて‐け・つ【もて消つ】
〔他四〕
(モテは接頭語)
①無くする。払い除く。うまく消す。源氏物語御法「涙の玉をば―・ち給ひける」
②気持をおさえる。源氏物語胡蝶「いとようなだらかに―・ちてむ」
③けなす。軽蔑する。源氏物語常夏「もてはやし、また―・ち軽むることも」
④見ばえしないようにする。下風に立たせる。源氏物語若菜下「誇りかに花やぎたる方は、弟の君達には―・たれて」
もて‐さわ・ぐ【もて騒ぐ】
〔自四〕
(モテは接頭語)大騒ぎをする。源氏物語浮舟「何人をかく―・ぎ給ふらむ」
もて‐しず・む【もて鎮む】‥シヅム
〔他下二〕
(モテは接頭語)落ちつかせる。源氏物語花宴「いとめやすく―・めて」
もて‐そこな・う【もて損ふ】‥ソコナフ
〔他四〕
(モテは接頭語)そこなう。失敗する。源氏物語手習「あさましく―・ひたる身を思ひてゆけば」
もて‐つ・く【もて付く】
〔他下二〕
(モテは接頭語)(態度・様子を)取りつくろう。枕草子195「わが―・けたるをつつみなくいひたるは」
もて‐つけ【もて付け】
(モテは接頭語)態度。ふるまい。栄華物語殿上花見「大方の有様―心にくく立ちならぶべき人なき御有様」
モテット【motet イギリス・Motette ドイツ】
〔音〕(フランス語で「言葉」の意のmotから)
①中世の多声音楽。既存の多声教会聖歌の上声部に新たな歌詞を付けたもので、フランス語で世俗的な内容の歌詞を付けたものが多い。上2声に異なった歌詞を付けたものも多く、2重モテットとも呼ばれる。13世紀に誕生、14世紀まで創作。
②ルネサンス時代の多声教会音楽。聖歌や聖書中の詞句による。モテト。
もて‐なし【持て成し】
①とりなし。とりつくろい。たしなみ。源氏物語末摘花「いとわろかりしかたちざまなれど―に隠されて」
②ふるまい。挙動。態度。源氏物語空蝉「ばうぞくなる―なり」
③取扱い。あしらい。待遇。源氏物語桐壺「世の例にもなりぬべき御―なり」。「丁重な―を受ける」
④馳走。饗応。謡曲、八島「お―に語つて聞かせ申し候ふべし」。「何のお―もできず、失礼しました」
もて‐な・す【持て成す】
〔他五〕
①とりなす。処置する。源氏物語桐壺「何事の儀式をも―・し給ひ」
②取り扱う。待遇する。落窪物語3「少輔はいとにくき物に思ひしみてすげなくのみ―・しければ」。「我が子のように―・す」
③歓待する。ご馳走する。平家物語11「御前へ召されまゐらせて、御引出物をたまはつて―・され給ひしありさま」。「心づくしの料理で―・す」
④面倒をみる。世話をする。源氏物語若紫「そもそも女は人に―・されておとなにもなり給ふものなれば」
⑤自分の身を処する。ふるまう。源氏物語手習「時々はればれしう―・しておはしませ」
⑥取り上げて問題にする。もてはやす。徒然草「鎌倉の海に鰹と云ふ魚は、かの境にはさうなきものにて、この比―・すものなり」
⑦そぶりをする。見せかける。平家物語10「涙おしのごひ、さらぬ体に―・いて申しけるは」
もて‐なやみ‐ぐさ【持て悩み種】
扱いかねるもの。もてあますもの。悩みの種。源氏物語桐壺「人の―になりて」
もて‐なや・む【持て悩む】
〔他四〕
もてあます。処置に困る。源氏物語東屋「何かは苦しきまでも―・まし」
もて‐なら・す【持て馴らす】
〔他四〕
使い馴らす。源氏物語花宴「かのしるしの扇は…なつかしう―・したり」
もて‐はな・る【もて離る】
〔自下二〕
(モテは接頭語)ひどく離れる。遠ざかる。源氏物語帚木「―・れたることをも思ひよせて疑ふも」
もて‐はや・す【もて映やす・もて囃す】
〔他五〕
(モテは接頭語)
①照りはえるようにする。栄華物語音楽「御堂の飾りも―・され」
②下にもおかぬようにしてもてなす。落窪物語2「只今の御世おぼえのたぐひなき君なれば、―・さんとて」
③さかんにほめそやす。引きたててほめる。紫式部日記「御声にあひてなん聞ゆると―・しきこえ給ふ」。「神童と―・される」
もて‐まい・る【持て参る】‥マヰル
〔他四〕
①持参する。源氏物語夕顔「紙燭しそく―・れり」
②さしあげる。献上する。源氏物語須磨「貝つ物―・れるを」
モデム【MODEM】
(modulator(変調器)とdemodulator(復調器)との合成語)コンピューターの信号と電話回線の信号を相互に変換する装置。
もて‐もて【持て持て】
人気があってよい待遇を受けること。おおもて。「店で―の客」
もて‐ゆ・く【もて行く】
〔自四〕
(モテは接頭語)しだいに…して行く。どんどん…して行く。蜻蛉日記上「やうやう例のやうになり―・けば」
モデュロール【modulor フランス】
ル=コルビュジエが提唱した建築デザイン用の寸法の比例体系。人体の寸法比や黄金比で構成される。
モデラート【moderato イタリア】
〔音〕速度標語。「中くらいの速さで」の意。アンダンテとアレグロの中間。
モデリング【modelling】
①模型製作。
②彫刻で、肉付けを施すこと。絵画では陰影による立体感の効果を調整すること。肉づけ。
も・てる【持てる】
〔自下一〕
①持つことができる。持ち得る。「これなら片手で―・てる」
②保たれる。支えられる。「間まが―・てない」
③もてはやされる。ちやほやされる。人気がある。「女に―・てる」
モデル【model】
①型。型式かたしき。「最新―」
②模型。雛型。「プラスチック‐―」「計量経済―」
③模範。手本。「―地区」
④美術家が制作の対象にする人。
⑤小説・戯曲などの題材とされた実在の人物。二葉亭四迷、予が半生の懺悔「この意味からだと『浮雲』にも―が無いぢやないが」。「―小説」
⑥ファッション‐モデルの略。
⇒モデル‐ガン【model gun】
⇒モデル‐ケース【model case】
⇒モデル‐スクール【model school】
⇒モデル‐チェンジ
⇒モデル‐ハウス【model house】
⇒モデル‐ルーム
モデル‐ガン【model gun】
本物そっくりにつくった玩具の銃。弾を発射できないよう、銃口をふさぐことが定められている。
⇒モデル【model】
モデル‐ケース【model case】
典型的・標準的な事例。代表例。
⇒モデル【model】
モデル‐スクール【model school】
特定の教育理念や方法などを計画的に実施して、他校の模範とし、また、これを実験・研究する学校。
⇒モデル【model】
モデル‐チェンジ
(和製語model change)商品のデザインや性能を変えること。型式を変更すること。
⇒モデル【model】
モデルニスモ【modernismo スペイン】
19世紀末のラテン‐アメリカで生まれたスペイン語詩の刷新運動。最初は芸術至上主義だったが次第に社会性を帯びる。代表的詩人はマルティ・ダリーオら。
モデルノロジー
(和製語modernology)(→)考現学。
モデル‐ハウス【model house】
住宅の見本として建築した家。
⇒モデル【model】
モデル‐ルーム
(和製語model room)分譲マンションなどを販売する際に、見本として展示する、実物と同じ作りの部屋。
⇒モデル【model】
もて‐わずら・う【持て煩ふ】‥ワヅラフ
〔自四〕
もてあます。扱いかねる。竹取物語「この女の童は…―・ひ侍り」
もて‐わた・る【持て渡る】
〔自四〕
持って行く。枕草子1「炭―・るもいとつきづきし」
もと【下・許】
①物の下した。また、そのあたり。南海寄帰内法伝平安後期点「幽辟の処、林叢の下モトに或いは河地の内に在おいて以て先亡に施す」。「旗の―に集まる」
②影響が及ぶ範囲。「両親の―で育つ」「一定の条件の―で成立する」「警察の監視の―にある」
もと【本・元・原・基】
「すえ(末)」に対して、物事の起こる所の意。
①はじめ。起源。万葉集9「―の如家はあらむと」。「―をたずねる」「―に戻す」「火―」
②以前。「―は警官だった」「―通りにする」
③物事の主要な部分。根幹。基礎。もとい。万葉集10「吾が恋止まず―の繁けば」。「農は国の―」「―をしっかりさせる」「事実を―に論ずる」
④(「因」とも書く)原因。「けんかの―」「口は禍わざわいの―」
⑤木の根や幹。根もと。万葉集17「―も枝えも同おやじ常磐に」。「木―竹うら」
⑥和歌の上の句。
⑦もとで。元金。資本。「―がかかる」
⑧元値もとね。原価。「―が取れない」「―を割る」
⑨(「酛」とも書く)酒母しゆぼのこと。
⑩(「素」とも書く)原料。「スープの―」「―を仕込む」
⑪(助数詞。「本」と書く)
㋐草木などを数えるのに用いる。万葉集18「一―のなでしこ植ゑし」
㋑鷹などを数えるのに用いる。羽わ。「大鷹一―」
◇ふつう「本」は3・6、「元」は1・2・4・7・8に使う。「原」は主に4、「基」は3に使う。
⇒元が切れる
⇒元も子もない
⇒元を正す
もと【元・旧・故】
むかし。はじめ。以前。源氏物語桐壺「内には―の淑景舎を御曹司にて」。「―代議士」「―の校舎」
⇒元の鞘へ収まる
⇒元の木阿弥
もと‐あら【本荒】
草木の根ぎわが、まばらなこと。一説に、根もとの方に花も葉もなく、荒れていること。古今和歌集恋「宮城野の―の小萩露を重み風を待つごと君をこそ待て」
もとい【基】モトヰ
(本居もといの意)
①土台。基礎。また、物事の根本。根拠。栄華物語音楽「紫金銀の棟、金色の扉、水精すいしょうの―」。「国の―」
②因。原因。源氏物語若菜下「女の身は皆同じ、罪深き―ぞかし」
③本拠となる所。栄華物語玉飾「昔の御―を思し忘れぬにや」
もと‐い【元結】‥ヒ
モトユイの約。
もと‐い【元い】
〔感〕
モトヘの訛。
もと‐いえ【元家】‥イヘ
(→)元屋もとやに同じ。
もと‐いれ【元入れ】
元手もとで1として入れること。資金をつぎこむこと。
⇒もといれ‐しほん【元入れ資本】
もといれ‐しほん【元入れ資本】
自己所有の財産から成る資本。自己資本。
⇒もと‐いれ【元入れ】
もと‐いろ【本色】
本来の色。固有の色。貫之集「―かへぬ松にぞありける」
もと‐うけ【元浮け】
(北九州地方で)延縄はえなわの起点に付ける浮樽。夜漁にはこれに火をともす。
もと‐うけ【元請】
(元請負の略)注文主から直接仕事を引き受けること。また、その業者。↔下請
もと‐うけおい【元請負】‥オヒ
(→)「もとうけ」に同じ。
もと‐うた【本歌】
①⇒ほんか。
②(「元歌」とも書く)替え歌のもとになった歌。
もと‐うち【元内】
(→)元屋もとやに同じ。
もと‐うり【元売り】
生産者から卸売り業者へ売ること。「―価格」
もと‐え【元え】
(→)「もとのえ」に同じ。
もとおし【回・廻】モトホシ
①めぐり。まわり。
②(→)「もとおり」3に同じ。
③衣服の襟などの紐に通してある金具。今昔物語集23「水干装束にて―を解きて」
⇒もとおし‐の‐ほう【縫腋の袍】
もとおし‐の‐ほう【縫腋の袍】モトホシ‥ハウ
⇒ほうえきのほう
⇒もとおし【回・廻】
もとお・す【回す・廻す】モトホス
〔他四〕
めぐらす。まわす。古事記中「豊寿ほき寿き―・し」
もとおり【回・廻】モトホリ
①もとおること。
②まわり。めぐり。万葉集19「大殿のこの―の雪な踏みそね」
③鷹狩の鷹の脚に取り付ける紐の金具。もとおし。倭名類聚鈔15「旋子、毛度保利」
もとおり【本居】‥ヲリ
宣長に始まる国学者の姓。
⇒もとおり‐うちとお【本居内遠】
⇒もとおり‐おおひら【本居大平】
⇒もとおり‐とよかい【本居豊穎】
⇒もとおり‐ながよ【本居長世】
⇒もとおり‐のりなが【本居宣長】
⇒もとおり‐はるにわ【本居春庭】
もとおり‐うちとお【本居内遠】‥ヲリ‥トホ
江戸後期の国学者。旧姓、浜田。号は榛園はりのきえん。本居大平に学び、その養子となる。紀州徳川家に仕え、「紀伊続風土記」などの編纂に従事、学風は考証を主とする。(1792〜1855)
⇒もとおり【本居】
もとおり‐おおひら【本居大平】‥ヲリオホ‥
江戸後期の国学者。伊勢松坂の人。本居宣長に学び、その養子となる。号は藤垣内ふじのかきつ。紀州藩に仕え、本居家の学風を継いで普及。家集「稲葉集」や「神楽歌新釈」「八十浦之玉やそうらのたま」などの著がある。(1756〜1833)
⇒もとおり【本居】
もとおり‐とよかい【本居豊穎】‥ヲリ‥カヒ
国文学者・歌人。宣長の曾孫。内遠の子。名古屋の人。「本居雑考」「秋屋集」「諄辞集」などの著がある。(1834〜1913)
⇒もとおり【本居】
もとおり‐ながよ【本居長世】‥ヲリ‥
作曲家。豊穎とよかいの孫。東京生れ。東京音楽学校卒。洋楽と邦楽の融合を模索。童謡「七つの子」「汽車ポッポ」「青い目の人形」「赤い靴」など。(1885〜1945)
⇒もとおり【本居】
もとおり‐のりなが【本居宣長】‥ヲリ‥
江戸中期の国学者。国学四大人の一人。号は鈴屋すずのやなど。小津定利の子。伊勢松坂の人。京に上って医学修業のかたわら源氏物語などを研究。賀茂真淵に入門して古道研究を志し、三十余年を費やして大著「古事記伝」を完成。儒仏を排して古道に帰るべきを説き、また、「もののあはれ」の文学評論を展開、「てにをは」・活用などの研究において一時期を画した。著「源氏物語玉の小櫛」「古今集遠鏡」「てにをは紐鏡」「詞の玉緒」「石上私淑言いそのかみささめごと」「直毘霊なおびのみたま」「玉勝間」「うひ山ぶみ」「馭戎慨言ぎょじゅうがいげん」「玉くしげ」など。(1730〜1801)
→著作:『うひ山ぶみ』
→著作:『玉勝間』
→著作:『玉くしげ』
⇒もとおり【本居】
もとおり‐はるにわ【本居春庭】‥ヲリ‥ニハ
江戸後期の国学者。号は後鈴屋のちのすずのや。宣長の長男。中年に失明、鍼医を業としながら門弟を指導。「詞八衢ことばのやちまた」「詞通路ことばのかよいじ」は国語用言研究の根底を築いた著。家集「後鈴屋集」がある。(1763〜1828)
⇒もとおり【本居】
もとお・る【回る・廻る】モトホル
〔自四〕
めぐる。まわる。徘徊する。古事記中「い這ひ―・り」
もとおろ・う【廻ろふ】モトホロフ
〔自四〕
(モトホルに接尾語フの付いた語)まわりまわる。ぐるぐるまわる。古事記中「大石おいしに這ひ―・ふ細螺しただみの」
もて‐あ・う【持て合ふ】‥アフ🔗⭐🔉
もて‐あ・う【持て合ふ】‥アフ
〔他四〕
互いにもつ。浜松中納言物語1「この世はかるむる事も、かく堪えがたく―・へる事も」
もて‐あ・ぐ【持て上ぐ】🔗⭐🔉
もて‐あ・ぐ【持て上ぐ】
〔他下二〕
持ち上げる。徒然草「いにしへは車もたげよ、火かかげよとこそいひしを今様の人は―・げよ、かきあげよといふ」
もて‐あつかい【持て扱い】‥アツカヒ🔗⭐🔉
もて‐あつかい【持て扱い】‥アツカヒ
もてあつかうこと。
⇒もてあつかい‐ぐさ【持て扱い種】
もてあつかい‐ぐさ【持て扱い種】‥アツカヒ‥🔗⭐🔉
もてあつかい‐ぐさ【持て扱い種】‥アツカヒ‥
とりあつかう材料。また、その事柄。増鏡「つくもがみの物語も人の―になれるは」
⇒もて‐あつかい【持て扱い】
もて‐あつか・う【持て扱う】‥アツカフ🔗⭐🔉
もて‐あつか・う【持て扱う】‥アツカフ
〔他五〕
①取り扱う。とりはからう。世話をする。源氏物語若紫「尼君一人―・ひ侍りし程に」
②取扱いに困る。もてあます。保元物語(金刀比羅本)「狩野工藤茂光―・ひていかがせんとぞ思ひける」
もて‐あまし【持て余し】🔗⭐🔉
もて‐あまし【持て余し】
もてあますこと。また、そのもの。「世間の―者」
もて‐あま・す【持て余す】🔗⭐🔉
もて‐あま・す【持て余す】
〔他五〕
処置に困る。取扱いに苦しむ。手にあます。「ひまで体を―・す」「腕白小僧を―・す」
もて‐い・ず【持て出づ】‥イヅ🔗⭐🔉
もて‐い・ず【持て出づ】‥イヅ
〔他下二〕
①持って出る。持ちだす。源氏物語帚木「盃―・でて」
②表面に出す。源氏物語常夏「―・でてこそあらね若き人はものをかしくて皆うちわらひぬ」
もて‐なし【持て成し】🔗⭐🔉
もて‐なし【持て成し】
①とりなし。とりつくろい。たしなみ。源氏物語末摘花「いとわろかりしかたちざまなれど―に隠されて」
②ふるまい。挙動。態度。源氏物語空蝉「ばうぞくなる―なり」
③取扱い。あしらい。待遇。源氏物語桐壺「世の例にもなりぬべき御―なり」。「丁重な―を受ける」
④馳走。饗応。謡曲、八島「お―に語つて聞かせ申し候ふべし」。「何のお―もできず、失礼しました」
もて‐な・す【持て成す】🔗⭐🔉
もて‐な・す【持て成す】
〔他五〕
①とりなす。処置する。源氏物語桐壺「何事の儀式をも―・し給ひ」
②取り扱う。待遇する。落窪物語3「少輔はいとにくき物に思ひしみてすげなくのみ―・しければ」。「我が子のように―・す」
③歓待する。ご馳走する。平家物語11「御前へ召されまゐらせて、御引出物をたまはつて―・され給ひしありさま」。「心づくしの料理で―・す」
④面倒をみる。世話をする。源氏物語若紫「そもそも女は人に―・されておとなにもなり給ふものなれば」
⑤自分の身を処する。ふるまう。源氏物語手習「時々はればれしう―・しておはしませ」
⑥取り上げて問題にする。もてはやす。徒然草「鎌倉の海に鰹と云ふ魚は、かの境にはさうなきものにて、この比―・すものなり」
⑦そぶりをする。見せかける。平家物語10「涙おしのごひ、さらぬ体に―・いて申しけるは」
もて‐なやみ‐ぐさ【持て悩み種】🔗⭐🔉
もて‐なやみ‐ぐさ【持て悩み種】
扱いかねるもの。もてあますもの。悩みの種。源氏物語桐壺「人の―になりて」
もて‐なや・む【持て悩む】🔗⭐🔉
もて‐なや・む【持て悩む】
〔他四〕
もてあます。処置に困る。源氏物語東屋「何かは苦しきまでも―・まし」
もて‐なら・す【持て馴らす】🔗⭐🔉
もて‐なら・す【持て馴らす】
〔他四〕
使い馴らす。源氏物語花宴「かのしるしの扇は…なつかしう―・したり」
もて‐まい・る【持て参る】‥マヰル🔗⭐🔉
もて‐まい・る【持て参る】‥マヰル
〔他四〕
①持参する。源氏物語夕顔「紙燭しそく―・れり」
②さしあげる。献上する。源氏物語須磨「貝つ物―・れるを」
もて‐もて【持て持て】🔗⭐🔉
もて‐もて【持て持て】
人気があってよい待遇を受けること。おおもて。「店で―の客」
も・てる【持てる】🔗⭐🔉
も・てる【持てる】
〔自下一〕
①持つことができる。持ち得る。「これなら片手で―・てる」
②保たれる。支えられる。「間まが―・てない」
③もてはやされる。ちやほやされる。人気がある。「女に―・てる」
もて‐わずら・う【持て煩ふ】‥ワヅラフ🔗⭐🔉
もて‐わずら・う【持て煩ふ】‥ワヅラフ
〔自四〕
もてあます。扱いかねる。竹取物語「この女の童は…―・ひ侍り」
もて‐わた・る【持て渡る】🔗⭐🔉
もて‐わた・る【持て渡る】
〔自四〕
持って行く。枕草子1「炭―・るもいとつきづきし」
[漢]持🔗⭐🔉
持 字形
筆順
〔手(扌)部6画/9画/教育/2793・3B7D〕
〔音〕ジ〈ヂ〉(呉) チ(漢)
〔訓〕もつ
[意味]
①手でもつ。身につける。もちこたえる。たもつ。「満を持する」(準備を十分にして待ちうける)「持参・持続・保持・扶持ふち」
②歌合わせや囲碁・将棋などで、無勝負。もち。ひきわけ。「持碁」
[解字]
形声。「手」+音符「寺」(=じっと止める)。手の中にじっと確保する意。
[下ツキ
維持・加持・挟持・矜持・行持・堅持・固持・護持・支持・住持・所持・念持・把持・扶持・捧持・保持
筆順
〔手(扌)部6画/9画/教育/2793・3B7D〕
〔音〕ジ〈ヂ〉(呉) チ(漢)
〔訓〕もつ
[意味]
①手でもつ。身につける。もちこたえる。たもつ。「満を持する」(準備を十分にして待ちうける)「持参・持続・保持・扶持ふち」
②歌合わせや囲碁・将棋などで、無勝負。もち。ひきわけ。「持碁」
[解字]
形声。「手」+音符「寺」(=じっと止める)。手の中にじっと確保する意。
[下ツキ
維持・加持・挟持・矜持・行持・堅持・固持・護持・支持・住持・所持・念持・把持・扶持・捧持・保持
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