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あながち【強ち】🔗🔉

あながち強ち】 〔名・副〕 ①あまりに強引であるさま。身勝手であるさま。源氏物語紅葉賀「春宮女御は―なりと憎み聞え給ふ」 ②しいて。必要以上に。異常なまでに。竹取物語「―に志を見えありく」 ③(下に打消の語を伴って)必ずしも。一概に。まんざら。「―悪いとは言えない」

きょう【強】キヤウ🔗🔉

きょうキヤウ (呉音はゴウ) ①つよいこと。↔弱。 ②(昔、中国で、気力強く物に惑わぬため、仕官に適する年齢としたからいう)40歳の異称。 ③ある数のほかに切り捨てた端数のあること。実際はその数値よりもやや多いことを表す。「2メートル―」↔弱

きょう‐あく【強悪】キヤウ‥🔗🔉

きょう‐あく強悪キヤウ‥ 非常に悪いこと。ごうあく。

きょう‐あつ【強圧】キヤウ‥🔗🔉

きょう‐あつ強圧キヤウ‥ 強い力や権力でおしつけること。 ⇒きょうあつ‐てき【強圧的】 ○今日あって明日ない身きょうあってあすないみ ①人世の無常なことのたとえ。 ②死期の切迫していること。 ⇒きょう【今日】

きょうあつ‐てき【強圧的】キヤウ‥🔗🔉

きょうあつ‐てき強圧的キヤウ‥ 一方的にむりやりおさえつけようとするさま。「―な態度」 ⇒きょう‐あつ【強圧】

きょう‐い【強意】キヤウ‥🔗🔉

きょう‐い強意キヤウ‥ 文章表現上、意味をつよめること。「―の接頭語」

きょう‐うん【強運】キヤウ‥🔗🔉

きょう‐うん強運キヤウ‥ 強い運勢。運の強いこと。「―の持ち主」「―の日」

きょう‐えんき【強塩基】キヤウ‥🔗🔉

きょう‐えんき強塩基キヤウ‥ 水溶液中で大部分が電離し、水酸化物イオンを多量に出す塩基。水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの類。強アルカリ。↔弱塩基

きょう‐か【強化】キヤウクワ🔗🔉

きょう‐か強化キヤウクワ ①さらに強くすること。「体力の―を図る」「取締りを―する」「―合宿」↔弱化。 ②〔心〕条件反射が、報酬を与えることにより強まること。↔消去。 ⇒きょうか‐ガラス【強化ガラス】 ⇒きょうか‐プラスチック【強化プラスチック】 ⇒きょうか‐まい【強化米】

きょうか‐ガラス【強化ガラス】キヤウクワ‥🔗🔉

きょうか‐ガラス強化ガラスキヤウクワ‥ 耐衝撃性を高めたガラス。加熱炉中で軟化温度(セ氏500〜600度)付近に熱した後、急冷して内に著しい歪ひずみを生じさせてつくるのが代表的。破壊すれば粉々となって安全。 ⇒きょう‐か【強化】

きょうか‐プラスチック【強化プラスチック】キヤウクワ‥🔗🔉

きょうか‐プラスチック強化プラスチックキヤウクワ‥ (→)FRPのこと。 ⇒きょう‐か【強化】

きょうか‐まい【強化米】キヤウクワ‥🔗🔉

きょうか‐まい強化米キヤウクワ‥ ビタミンや無機質などを人工的に添加した米。 ⇒きょう‐か【強化】

きょう‐がん【強顔】キヤウ‥🔗🔉

きょう‐がん強顔キヤウ‥ ①あつかましいこと。厚顔。鉄面皮。 ②なさけごころのないこと。つれないこと。

きょう‐き【強記】キヤウ‥🔗🔉

きょう‐き強記キヤウ‥ 記憶力のよいこと。「博覧―」

きょう‐き【強毅】キヤウ‥🔗🔉

きょう‐き強毅キヤウ‥ 心が強く、しっかりしていること。

きょう‐きゅう【強弓】キヤウ‥🔗🔉

きょう‐きゅう強弓キヤウ‥ ⇒ごうきゅう。〈運歩色葉集〉

きょう‐ぎょ【強禦】キヤウ‥🔗🔉

きょう‐ぎょ強禦キヤウ‥ わるづよくて善を受けいれないこと。また、その者。

きょう‐けん【強肩】キヤウ‥🔗🔉

きょう‐けん強肩キヤウ‥ 肩の力が強いこと。投球力がすぐれていること。「―の外野手」

きょう‐けん【強健】キヤウ‥🔗🔉

きょう‐けん強健キヤウ‥ からだが丈夫で強いこと。「身体―」

きょう‐けん【強権】キヤウ‥🔗🔉

きょう‐けん強権キヤウ‥ 強い権力。特に、国家の司法・行政上の強力な権力。 ⇒きょうけん‐たいせい【強権体制】 ⇒きょうけん‐はつどう【強権発動】

きょうけん‐たいせい【強権体制】キヤウ‥🔗🔉

きょうけん‐たいせい強権体制キヤウ‥ 少数エリートが、暴力装置の掌握を背景に国家権力を行使する政治体制。第三世界に多発した軍事政権はその典型。→開発独裁⇒きょう‐けん【強権】

きょうけん‐はつどう【強権発動】キヤウ‥🔗🔉

きょうけん‐はつどう強権発動キヤウ‥ 警察力などの強制力を実際に行使すること。 ⇒きょう‐けん【強権】 ○郷原は徳の賊きょうげんはとくのぞく [論語陽貨]郷原は八方美人で識見も節操もないから徳をそこなうものである。 ⇒きょう‐げん【郷原・郷愿】

きょう‐こ【強固】キヤウ‥🔗🔉

きょう‐こ強固キヤウ‥ 強くかたいこと。しっかりして確かなこと。「―な鉄筋建築」「―な意志」

きょう‐こう【強行】キヤウカウ🔗🔉

きょう‐こう強行キヤウカウ 障害や反対などを押し切って強引に物事を行うこと。「風雨をついて登山を―する」 ⇒きょうこう‐きてい【強行規定】 ⇒きょうこう‐ほう【強行法】

きょう‐こう【強攻】キヤウ‥🔗🔉

きょう‐こう強攻キヤウ‥ 多少の危険や不利を顧みず、無理を押して攻めること。

きょう‐こう【強硬】キヤウカウ🔗🔉

きょう‐こう強硬キヤウカウ 強い態度で自分の考えなどをまげないこと。手ごわいさま。「―に主張する」「―な意見」「―手段」↔軟弱

きょう‐こう【強項】キヤウカウ🔗🔉

きょう‐こう強項キヤウカウ (強いうなじの意)みだりに人に頭をさげないこと。容易に人に屈しないこと。

きょう‐ごう【強剛】キヤウガウ🔗🔉

きょう‐ごう強剛キヤウガウ てごわいこと。剛強。

きょう‐ごう【強豪】キヤウガウ🔗🔉

きょう‐ごう強豪キヤウガウ 強くて手ごわいこと。また、その人。「―と対戦する」

きょうこう‐きてい【強行規定】キヤウカウ‥🔗🔉

きょうこう‐きてい強行規定キヤウカウ‥ 〔法〕強行法の性質をもつ規定。↔任意規定。 ⇒きょう‐こう【強行】

きょう‐こうぐん【強行軍】キヤウカウ‥🔗🔉

きょう‐こうぐん強行軍キヤウカウ‥ 休憩時間を減らしたり昼夜を通じて歩いたりなど、日々の行程を増大して行う行軍。転じて、無理な日程で事を進めること。

きょうこう‐ほう【強行法】キヤウカウハフ🔗🔉

きょうこう‐ほう強行法キヤウカウハフ 当事者の意思にかかわらず適用される法規。公序良俗に関する法規はほとんどすべてこれである。↔任意法 ⇒きょう‐こう【強行】

きょう‐こく【強国】キヤウ‥🔗🔉

きょう‐こく強国キヤウ‥ 軍備・経済力ともにすぐれ、国際社会で勢力の強い国。

きょう‐さん【強酸】キヤウ‥🔗🔉

きょう‐さん強酸キヤウ‥ 水溶液中で大部分が電離し、水素イオンを多く出す酸。塩酸・硝酸・硫酸の類。↔弱酸

きょう‐し【強仕】キヤウ‥🔗🔉

きょう‐し強仕キヤウ‥ [礼記曲礼「四十曰強而仕」]40歳ではじめて官に仕えること。転じて40歳の称。太平記27「未だ―の齢幾程も過ぎざるに」

ごう‐あく【強悪】ガウ‥🔗🔉

ごう‐あく強悪ガウ‥ 極めてわるいこと。また、その人。「―非道」

ごう‐いん【強引】ガウ‥🔗🔉

ごう‐いん強引ガウ‥ 無理やりに行うこと。しいてやること。「―なやり方」「―に押し通す」

ごう‐いん【強淫】ガウ‥🔗🔉

ごう‐いん強淫ガウ‥ (→)強姦ごうかんに同じ。

ごう‐えん【強縁・剛縁】ガウ‥🔗🔉

ごう‐えん強縁・剛縁ガウ‥ 権力者との縁故。また、それを頼って強引にふるまうこと。円覚寺文書「近年或いは官挙と号し、或いは―と称し、みだりに非器の人をもつて其の職に補す」

ごう‐かん【強姦】ガウ‥🔗🔉

ごう‐かん強姦ガウ‥ 暴行・脅迫の手段を用い、または心神喪失・抗拒不能を利用して女子を姦淫すること。無理やり女性と交わること。強淫。婦女暴行。↔和姦。 ⇒ごうかん‐ざい【強姦罪】

ごうかん‐ざい【強姦罪】ガウ‥🔗🔉

ごうかん‐ざい強姦罪ガウ‥ 13歳以上の女子を強姦することによって成立する罪。13歳未満の女子に対しては本人の同意がある場合も成立。 ⇒ごう‐かん【強姦】

ごう‐ぎ【豪儀・豪気・強気】ガウ‥🔗🔉

ごう‐ぎ豪儀・豪気・強気ガウ‥ ①強情。頑固。狂言、花折「そのやうに―におしやるな」 ②勢いのはげしいこと。程度の甚だしいこと。浮世風呂3「―といぢめたはな」 ③(ゴウキとも)すばらしいさま。甚だしくよいこと。浮世風呂4「そいつは―だの」

ごう‐きゅう【強弓】ガウ‥🔗🔉

ごう‐きゅう強弓ガウ‥ はりが強く、引くのに力を要する弓。また、それを引く人。つよゆみ。↔弱弓

ごう‐ぎん【剛吟・強吟】ガウ‥🔗🔉

ごう‐ぎん剛吟・強吟ガウ‥ (→)強吟つよぎんに同じ。

ごう‐し【強市】ガウ‥🔗🔉

ごう‐し強市ガウ‥ 「和市わし参照。

ごう‐じお【強塩】ガウジホ🔗🔉

ごう‐じお強塩ガウジホ 魚に塩をする方法の一つ。材料の表面が白くなるくらいまで多めに塩を付けること。

こわ【強】コハ🔗🔉

こわコハ (形容詞コワイの語幹)こわい、硬い、きびしいなどの意を表す語。「―飯」「―談判」

こわ・い【強い】コハイ🔗🔉

こわ・い強いコハイ 〔形〕[文]こは・し(ク) ①ごわごわしている。かたい。堤中納言物語「いと―・くすくよかなる紙に」。「―・い毛」「―・い飯」 ②けわしい。大鏡道長「坂の―・きを登り侍りしかば」 ③相手の思い通りにならない。強情だ。執念深い。竹取物語「口惜しくこの幼き者は、―・く侍るものにて対面すまじきと申す」。栄華物語衣珠「いとど御物のけは―・くなりまさりければ」。「情が―・い」 ④つよい。てごわい。平家物語9「―・からう方へは教経承つて向ひ候はん」 ⑤生硬である。源氏物語若菜上「この文の言葉いとうたて―・く憎げなるさまを」 ⑥骨が折れる。疲れる。〈日葡辞書〉

こわ‐いけん【強意見】コハ‥🔗🔉

こわ‐いけん強意見コハ‥ きびしい意見・訓戒。尾崎紅葉、手引の糸「段々と―が始つたといふものであります」 ○恐いものなしこわいものなし わがままが増長して恐ろしく思うもののないこと。 ⇒こわ・い【怖い・恐い】 ○恐いもの見たさこわいものみたさ こわいものは好奇心を刺激されてかえって見たいものであること。 ⇒こわ・い【怖い・恐い】

こわ‐がね【強金】コハ‥🔗🔉

こわ‐がね強金コハ‥ 金属のうち、極めて質の硬いもの。

こわ‐くご【強供御】コハ‥🔗🔉

こわ‐くご強供御コハ‥ (女房詞)こわめし。赤飯。

こわ‐ごと【強言】コハ‥🔗🔉

こわ‐ごと強言コハ‥ 強がり。負けん気の言葉。義経記3「何時も―は変らざり」

ごわ‐ごわ【強強】ゴハゴハ🔗🔉

ごわ‐ごわ強強ゴハゴハ 紙や布などが、こわばっていてしなやかでないさま。

こわ‐ごわ・し【強強し】コハゴハシ🔗🔉

こわ‐ごわ・し強強しコハゴハシ 〔形シク〕 ①手ざわりがかたい。しなやかでない。源氏物語手習「―・しういららぎたるものども着給へるしも」 ②ごつごつしている。なめらかにいかない。源氏物語帚木「おのづから―・しき声に読みなされなどしつつ」 ③無骨ぶこつである。源平盛衰記3「田舎侍の気折りに―・しかりけるが」

こわ‐ざれ【強戯れ】コハ‥🔗🔉

こわ‐ざれ強戯れコハ‥ ひどいたわむれ。わるじゃれ。狂言、悪太郎「アア―事をするないやい」

こわ‐じい【強強い】コハジヒ🔗🔉

こわ‐じい強強いコハジヒ 強くしいること。むりじい。

ごわ‐つ・く【強つく】ゴハ‥🔗🔉

ごわ‐つ・く強つくゴハ‥ 〔自五〕 固くてごわごわする。

こわ‐むね【強胸】コハ‥🔗🔉

こわ‐むね強胸コハ‥ 胸の固い部分。義経記7「―を踏まへて」

こわ‐ゆみ【強弓】コハ‥🔗🔉

こわ‐ゆみ強弓コハ‥ 強い弓。ごうきゅう。

こわ‐らか【強らか】コハ‥🔗🔉

こわ‐らか強らかコハ‥ ごつごつしているさま。ぶこつなさま。平家物語1「片田舎の侍どもの―にて」

こわ・る【強る】コハル🔗🔉

こわ・る強るコハル 〔自四〕 ①かたくなる。こわばる。栄華物語楚王夢「御乳はいとうつくしげにおはしますが、いたう―・るまで膨らせ給へれば」 ②かたくなになる。周易抄「―・つて人に従はざるぞ」 ③腹が痛む。(和訓栞)

しい‐がたり【強い語り】シヒ‥🔗🔉

しい‐がたり強い語りシヒ‥ 相手が求めないのに自分から語って無理に聞かせること。また、その話。しいごと。万葉集3「いなといへど強ふるしひのが―このころ聞かずてわれ恋ひにけり」

しい‐ごと【強い言】シヒ‥🔗🔉

しい‐ごと強い言シヒ‥ (→)「しいがたり」に同じ。

しい‐ざかな【強い肴】シヒ‥🔗🔉

しい‐ざかな強い肴シヒ‥ 懐石かいせきの時、客に酒をすすめるために献立に加えて出す肴。進め肴。

しい‐そ・す【強ひ過す】シヒ‥🔗🔉

しい‐そ・す強ひ過すシヒ‥ 〔他四〕 強くしいる。無理に勧める。源氏物語明石「人々に酒―・しなどして」

しい‐つ・ける【強い付ける】シヒ‥🔗🔉

しい‐つ・ける強い付けるシヒ‥ 〔他下一〕 しいてすすめる。無理にすすめる。東海道中膝栗毛7「何ぼでもようくふさかい斎非時ときひじによばれてゐても、―・けられて」 ○死一等を減ずるしいっとうをげんずる 死罪を免れさせて一段階低い刑に減刑する。 ⇒し【死】

しい‐て【強いて】シヒ‥🔗🔉

しい‐て強いてシヒ‥ 〔副〕 (動詞シイルの連用形に助詞テが付いたもの) ①むりをおして。あえてさからって。源氏物語少女「上はしぶしぶと思し召したるを、―御迎へし給ふ」。「―欠点をあげるならば」 ②どこまでも。ひたすら。むやみに。源氏物語若菜上「なほ―後の世の御疑ひ残るべくは」

し・いる【強いる】シヒル🔗🔉

し・いる強いるシヒル 〔他上一〕[文]し・ふ(上二) 相手の意志を無視して、自分の意のままに物事をおしつける。強制する。万葉集4「否と言はば―・ひめやわが背」。徒然草「いたう痛む人の、―・ひられて少し飲みたるもいとよし」。「犠牲を―・いる」

し・う【強ふ】シフ🔗🔉

し・う強ふシフ 〔他上二〕 ⇒しいる(上一)

したたか【健か・強か】🔗🔉

したたか健か・強か】 ①非常に強いさま。てごわいさま。「―な人物」 ②いかめしいさま。しっかりしているさま。源氏物語末摘花「御歌も、…ことわり聞えて―にこそあれ」 ③(副詞的にも用いる)甚だしいこと。沢山。源氏物語初音「いと―なるみづからの祝ひごとどもかな」。「腰を―打った」「―に飲んだ」 ⇒したたか‐もの【健か者・強か者】

したたか‐もの【健か者・強か者】🔗🔉

したたか‐もの健か者・強か者】 ①容易に人に屈しない者。剛の者。強い者。平家物語9「八ヶ国に聞えたる―なり」 ②一筋縄ではいかない者。海千山千のくせもの。「金儲けにかけては相当な―だ」 ⇒したたか【健か・強か】

つよ・い【強い】🔗🔉

つよ・い強い】 〔形〕[文]つよ・し(ク) ①力がすぐれている。勇猛である。源氏物語竹河「わりなしや―・きによらむ勝負を」。「―・いチームをつくる」 ②丈夫である。頑丈である。すこやかである。「からだが―・い」「熱に―・い」 ③気丈である。屈しない。きつい。源氏物語帚木「人柄のたをやぎたるに―・き心をしひて加へたれば」。「気が―・い」 ④堅固である。ゆるみがない。源氏物語末摘花「二間のきはなる障子手づからいと―・くさして」。源氏物語若菜下「守り―・く、いと御あたり遠き心地してえ近づき参らず」。「ベルトを―・くしめる」「結束が―・い」 ⑤程度が激しい。きびしい。源氏物語柏木「同じうは―・うもあらがひ聞えましをと思ひ侍るに」。拾遺和歌集愚草「路のべの日かげの―・くなるままに」。「―・いにおい」「―・い酒」「―・く言う」 ⑥はなはだしい。源氏物語帚木「うしろやすくのどけき所だに―・くば」。源氏物語玉鬘「読みつぎたるすぢこそは―・うは変らざるべけれ」 ⑦はっきりとする。定まる。源氏物語夕顔「いま一方は主―・くなるともかはらずうちとけぬべく見えしさまなるを頼みて」 ⑧(「…に―・い」の形で)…の点で(特に)力がすぐれている。「英語に―・い」「不況に―・い」

つよ‐がり【強がり】🔗🔉

つよ‐がり強がり】 つよがること。「―を言う」

つよ‐が・る【強がる】🔗🔉

つよ‐が・る強がる】 〔自五〕 実際は弱いのに、しいて強いようによそおう。源氏物語夕顔「さこそ―・り給へど」

つよ‐き【強気】🔗🔉

つよ‐き強気】 ①気の強いこと。「―に出る」「―の発言」 ②(取引用語)相場が上がると予想すること。 ↔弱気。 ⇒つよき‐すじ【強気筋】

つよき‐すじ【強気筋】‥スヂ🔗🔉

つよき‐すじ強気筋‥スヂ 相場で強気の予想をする側の人々。ブル。 ⇒つよ‐き【強気】

つよ‐ぎん【強吟】🔗🔉

つよ‐ぎん強吟】 謡曲の発声法の一つ。弱吟よわぎんにくらべて音域が狭く、音階が不安定で音の顫動せんどうも不規則な部分。おもに祝意・勇壮等の表現に用いるが、常に強く謡うとは限らない。剛吟ごうぎん。↔弱吟

つよ‐ごし【強腰】🔗🔉

つよ‐ごし強腰】 ①腰が強いこと。 ②態度が強硬なこと。「―に出る」↔弱腰

つよ‐ざいりょう【強材料】‥レウ🔗🔉

つよ‐ざいりょう強材料‥レウ 相場を騰貴させる原因となる事件や臆説。買材料。好材料。↔弱材料

つよ・し【強し】🔗🔉

つよ・し強し】 〔形ク〕 ⇒つよい

つよ‐つよ【強強】🔗🔉

つよ‐つよ強強】 ひどく強いさま。丈夫なさま。今昔物語集28「この別当が年は八十に余りたれども、七十になく―としてあるに」

つよ‐び【強火】🔗🔉

つよ‐び強火】 煮炊きで、つよい火。よくおこった火。「―で焼く」

つよ‐ふくみ【強含み】🔗🔉

つよ‐ふくみ強含み】 (取引用語)相場が先行き上がりそうなこと。つよぶくみ。↔弱含み

つよ‐ま・る【強まる】🔗🔉

つよ‐ま・る強まる】 〔自五〕 強くなる。激しくなる。「風雨が―・る」「反対論が―・る」↔よわまる

つよ‐み【強み】🔗🔉

つよ‐み強み】 ①強いこと。また、その程度。 ②頼んで力とするもの。たよりになる点。こんてむつすむん地「難儀の時大きなる心の―を得」。「語学力が―だ」

つよ・める【強める】🔗🔉

つよ・める強める】 〔他下一〕[文]つよ・む(下二) 強くする。心を奮い起こす。強化する。「暖房を―・める」「自信を―・める」↔よわめる

つよ‐ゆみ【強弓】🔗🔉

つよ‐ゆみ強弓】 弦の張りのつよい弓。また、それを使いこなす人。ごうきゅう。平家物語4「競はもとよりすぐれたる―精兵」 ⇒強弓を引く ○強弓を引くつよゆみをひく 片意地を張る。無理を通す。狂言、鎌腹「余り強弓を引き過ぎて、いま後へも先へも行かぬ」 ⇒つよ‐ゆみ【強弓】

○強弓を引くつよゆみをひく🔗🔉

○強弓を引くつよゆみをひく 片意地を張る。無理を通す。狂言、鎌腹「余り強弓を引き過ぎて、いま後へも先へも行かぬ」 ⇒つよ‐ゆみ【強弓】 つより強り】 頼んで力とするもの。頼りになるもの。つよみ。源氏物語紅葉賀「―にと思すになむありける」 つよ・る強る】 〔自四〕 ①つよくなる。平家物語12「源氏の世の―・りし後は」 ②奮起する。気強く思い立つ。狭衣物語4「切に思ひ―・りたまひて起き出で給へれど」 つら】 (上代語)弓のつる。万葉集7「陸奥のあだたら真弓―はけて」 つら面・頬】 ①ほお。神代紀「跳りて其の―を囓ふ」 ②かお。おも。おもて。後世は卑語やののしりとして用いる。能因本枕草子人の家の門の前を「―いと赤うふくらかなる」。「何だそんな―しやがって」 ③物の表面。おもて。「上っ―」 ④まえ。あたり。近辺。大和物語「さうしの蔀の―に立ちより給へりけるを」 →づら ⇒つらぁ見ろ ⇒面から火が出る ⇒面で人をきる ⇒面に似せてへそを巻く ⇒面を膨らす ⇒面を見返す つら連・列】 ①つらなること。ならぶこと。また、そのもの。なみ。れつ。雄略紀「群臣の―にな預らしめそ」 ②連中。仲間。同類。源氏物語桐壺「ただわが女みこたちと同じ―におもひきこえむと」 つら】 「つる」の古語。古事記「這ひもとほろふ野老ところづら」 つら (完了の助動詞ツに推量の助動詞ラムの付いたツラムのムの脱落した形)過去の推量に用いる。…たろう。史記抄「何とし―」→つろう づら】 〔接尾〕 ①名詞に付いて、そのような顔つきをののしっていう語。「間抜け―」「紳士―」「三十―」 ②地形を表す名詞に付いて、その表面、その近くの意を表す。「川―」 →つら(面) つら‐あかり面明り】 歌舞伎で、電灯照明のない時代に、役者の顔を観衆によく見せるために、後見が長い柄の燭台を差し出して、その面を照らしたもの。面火つらび。差出さしだしつら‐あて面当て】 憎いと思う人の面前で故意にあてこすりをすること。その言動。つらうち。「―を言う」「―自殺」

つより【強り】🔗🔉

つより強り】 頼んで力とするもの。頼りになるもの。つよみ。源氏物語紅葉賀「―にと思すになむありける」

つよ・る【強る】🔗🔉

つよ・る強る】 〔自四〕 ①つよくなる。平家物語12「源氏の世の―・りし後は」 ②奮起する。気強く思い立つ。狭衣物語4「切に思ひ―・りたまひて起き出で給へれど」

[漢]強🔗🔉

 字形  筆順 〔弓部8画/11画/教育/2215・362F〕 〔音〕キョウ〈キャウ〉(漢) ゴウ〈ガウ〉(呉) 〔訓〕つよい・つよまる・つよめる・いる・あながち・こわい [意味] ①がっちりしてかたい。気力・体力・勢力が十分でつよい。(心が)しっかりしている。かたくこわばっている。(対)弱。「強大・強力きょうりょく・ごうりき・強記・精強・富強・強直ごうちょく」 ②つよめる。力をつける。「補強・富国強兵・強心剤」 ③無理をおす。しいる。しいて。あながち。「強制・強要・勉強・牽強付会・強引ごういん・強姦ごうかん」 ④その数よりやや数量が多い。(対)弱。「五十名強」 [解字] 形声。「彊」(=じょうぶな弓)の省略形が音符。「虫」を加え、かたいからをかぶった虫の意。転じて、かたくてじょうぶの意。は異体字。 [下ツキ 頑強・屈強・堅強・牽強・最強・自強・精強・増強・富強・勉強・補強・木強漢・列強 [難読] 強飯こわめし・こわいい・強面こわもて・強請るゆする・ねだる

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