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お‐こしゃ🔗🔉

お‐こしゃ (形動)こましゃくれていること。こざかしいこと。*伎・日月星享和政談‐序幕「段々ませになりますので、おこしゃで困りまする」

おこ【朸】🔗🔉

おこ【朸】 運搬用のにない棒。おうご。

おこ【痴・烏滸・尾籠】(をこ)🔗🔉

おこ【痴・烏滸・尾籠】(をこ) (形動)(「烏滸」「尾籠」はヲコにあてた表音表記) 1 愚かなこと。ばかげたさま。また、愚かな人。うこ。*古事記‐中・歌謡「我が心しぞいや袁許(ヲコ)にして今ぞ悔しき」 2 ふとどきなこと。不敵なこと。*曾我物語‐九「おこの者」 ●烏滸の芸(げい) (中央アジアの烏許水(シル河)流域から伝来した芸に由来)散(猿)楽芸の趣向の一つ。こっけいなものまね演芸。これを芸術化したものが狂言のおかしみだといわれる。

お‐こ【御子】🔗🔉

お‐こ【御子】 1 他人の子供を敬っていう。 2 近世、遊里で、遣手(やりて)や茶屋の女房などが遊女をさしていう語。

お‐こう【御講】🔗🔉

お‐こう【御講】 1 宮中および諸大寺で行なわれた論議、講演を含む仏事。 2 真宗の信者が報恩のために東西本願寺で一一月下旬に行なう法事。参詣者の男は肩衣(かたぎぬ)をかけ、女は角隠しをして参拝した。報恩講。《季・冬》 3 仏教各宗派の信者の団体が毎月、日を定めて寺または在家に集って読経、説教の聴聞をすること。

お‐こう【汚行】(ヲカウ)🔗🔉

お‐こう【汚行】(ヲカウ) 不道徳な行ない。悪行。

お‐こう【汚垢】(ヲ‥)🔗🔉

お‐こう【汚垢】(ヲ‥) けがれ。よごれ。

お‐こうこ【御香香】(‥カウコ)🔗🔉

お‐こうこ【御香香】(‥カウコ) =おこうこう(御香香)

お‐こうこう【御香香】(‥カウカウ)🔗🔉

お‐こうこう【御香香】(‥カウカウ) 大根の漬物をいう女房詞。こうのもの。お新香。

お‐こうぞり【御髪剃・御剃刀】(‥かうぞり)🔗🔉

お‐こうぞり【御髪剃・御剃刀】(‥かうぞり) =おかみそり(御髪剃)1

おこう‐びより【御講日和】🔗🔉

おこう‐びより【御講日和】 報恩講の頃に晴天の日が続くこと。おこうなぎ。《季・冬》

おこ‐え【痴絵・烏滸絵】(をこヱ)🔗🔉

おこ‐え【痴絵・烏滸絵】(をこヱ) 1 ふざけて書いた絵。風刺的にえがいた絵。戯画。ざれ絵。鳥羽絵。 2 春画の俗語。かがみ絵。まくら絵。

おこえ‐がかり【御声掛】(おこゑ‥)🔗🔉

おこえ‐がかり【御声掛】(おこゑ‥) 目上の人、有力者などが直接に声をかけること。特に言葉を添えて紹介すること、頼むこと。「社長のお声がかりで入社」

おこおこ‐し【痴痴し・烏滸烏滸し】(をこをこ‥)🔗🔉

おこおこ‐し【痴痴し・烏滸烏滸し】(をこをこ‥) 〔形シク〕ばかばかしい。*花鳥余情‐五「をこになりぬ。おこおこしくなるなり。あなづらはしくなる心なり」

おこ‐がまし・い【痴がましい・烏滸がましい】(をこ‥)🔗🔉

おこ‐がまし・い【痴がましい・烏滸がましい】(をこ‥) 〔形口〕をこがまし〔形シク〕(「がましい」は接尾語) 1 ばかばかしくて、笑いを誘うようなさま。ばかげている。みっともない。いい物笑いになりそうだ。*落窪‐一「形うちふくれて、いとをこがましと」*徒然草‐二三四「ありのままに言はんはをこがましとにや」 2 さしでがましい。なまいきだ。思い上がっている。しゃくにさわる。*浄・神霊矢口渡‐一「佞人共の計ひよな。ハアおこがましや片腹いたや」*伎・青砥稿花紅彩画‐三幕「天に替って窮民を救ふといふもおこがましいが」 おこがまし‐げ(形動)/おこがまし‐さ(名)

おこ‐が・る【痴がる・烏滸がる】(をこ‥)🔗🔉

おこ‐が・る【痴がる・烏滸がる】(をこ‥) 〔他ラ四〕(「がる」は接尾語)ばからしく思う。ばかにする。*宇治拾遺−二・一二「この聞く男どもおこがりあざけりて」

お‐こげ【御焦】🔗🔉

お‐こげ【御焦】 釜の底に焦げついた飯。こげめし。

おこ‐けい【烏骨鶏】(ヲコ‥)🔗🔉

おこ‐けい【烏骨鶏】(ヲコ‥) 「うこっけい(烏骨鶏)」の異名。

お‐こご【御供御】🔗🔉

お‐こご【御供御】 (「おくご(御供御)」の変化)昼食。もと、天皇にさしあげる内々の食事をいう女房詞。のち、一般に広く食事をいったが、昼食にかぎられるようになった。

おここ🔗🔉

おここ 〔形シク〕沈着でしっかりしている。いかめしい。*書紀‐綏靖即位前(熱田本訓)「志尚(みこころざし)沈毅(オココシ)」

おこ‐ごと【痴言・烏滸言】(をこ‥)🔗🔉

おこ‐ごと【痴言・烏滸言】(をこ‥) ふざけたことば。たわむれごと。冗談。ざれごと。しれごと。

おこさこ【右近左近】🔗🔉

おこさこ【右近左近】 狂言。各流。女狂言の一つ。田の稲を左近の牛に食われた右近は、妻を地頭に見立てて訴訟の練習をしているうちにとんだ泥仕合になってしまう。和泉・鷺流では「内沙汰(うちさた)」という。なお、「おこ」は愚者の意とする説もある。

おこし【起】🔗🔉

おこし【起】 1 寝ている人の目をさまさせたり、立たせたりすること。 2 田や畑を耕すこと。 3 花札で、めくり札を開いて場札と合わせること。

おこし【・興】🔗🔉

おこし【・興】 「おこしごめ(米)」の略。

お‐こし【御越】🔗🔉

お‐こし【御越】 来ること、行くことを敬っていう語。「ちっともお越しがない」

お‐こし【御腰】🔗🔉

お‐こし【御腰】 1 腰をいう尊敬語。 2 腰巻をいう丁寧語、女性語。

おこじ【】(をこじ)🔗🔉

おこじ【】(をこじ) =おこぜ()1

おこし‐い・ず【起こし出ず】(‥いづ)🔗🔉

おこし‐い・ず【起こし出ず】(‥いづ) 〔他ダ下二〕 1 寝ている人を起こして呼び出す。 2 埋まっているものを掘り起こしてかき出す。

おこし‐え【起絵】(‥ヱ)🔗🔉

おこし‐え【起絵】(‥ヱ) 口もとを広く、奥を狭くして、遠近をとったわくに、切り抜き絵の建物や樹木、人物などを立てならべたもの。近世、茶室などの立体設計図に利用、一般には子供などの遊びとして行なわれた。たてばんこ。《季・夏》

おこし‐かえ・る【起こし反る】(‥かへる)🔗🔉

おこし‐かえ・る【起こし反る】(‥かへる) 〔自ラ四〕大騒ぎをする。騒ぎ立てる。*浄・傾城反魂香‐上「問屋組頭、組町引き具しおこしかへって声々に」

おこし‐ごめ【米・興米】🔗🔉

おこし‐ごめ【米・興米】 蒸した糯米(もちごめ)を乾かし、炒(い)ったもの。また、それに胡麻や胡桃(くるみ)などを加え、水飴に砂糖や蜜などをまぜたものでまぶして固めた菓子。おこし。

おこし‐ずみ【熾炭】🔗🔉

おこし‐ずみ【熾炭】 1 おこした炭。燃えている炭。 2 火がつきやすくて、堅炭をおこすのに用いる炭。

おこし‐た・つ【起こし立つ】🔗🔉

おこし‐た・つ【起こし立つ】 〔他タ下二〕 1 ねているものを立たせる。起こす。 2 新しく設置する。

おこし‐び【熾火】🔗🔉

おこし‐び【熾火】 おこした炭火。火勢の盛んな炭火。おきび。おき。

おこじょ🔗🔉

おこじょ イタチ科の哺乳類。体長二五センチメートル、尾長六センチメートル内外。尾はイタチよりも短く、尾端が黒い。夏毛は上面が褐色で下面が白色。冬毛は尾端の黒色を残し白色に変わる。樹洞や岩地にすみ、主に夜間活動してネズミ、ウサギ、鳥類を捕食する。毛皮はアーミンと呼ばれ珍重される。ヨーロッパ、アジア北部に分布し、亜種が多い。日本には北海道に分布するエゾオコジョ、本州中部以北の山地に分布するホンドオコジョの二亜種がある。やまいたち。えぞいたち。ええじな。くだぎつね。

おこ・す【起こす・興す・熾す】🔗🔉

おこ・す【起こす・興す・熾す】 〔他サ五(四)〕 力を加えたり、うながしたりして起きるようにさせる。 1 横になっているものを立てる。傾いたものをもとに直す。「体(身)を起こす」*万葉‐四一六四「梓弓末ふり於許之(オコシ)」 2 眠りからさめるようにする。また、寝床から離れさせる。*宇津保‐蔵開上「日暮れにけり。おこしたてまつりてものまゐれ」 3 舟戦の語。舟のほばしらを立てる。また、いかりを上げる。 ひらたいものや、固着しているものに、裏返すような力を加える。 1 土を掘り返す。開墾する。また、掘って表に出す。「庭(畑)を起こす」*大唐西域記巻十二平安中期点「其の宝物を発(オコシ)掘り取らむなり」 2 固く付いているものを、はがすように動かす。「石(貝)を起こす」 3 花札など、めくって表を出す。 今までなかったところに、ある物事や状態を生じさせる。 1 (興)新しく物事を始める。 新しく物事をつくりだす。発足させる。「事業(会社)をおこす」「署名運動をおこす」特に、めんどうなことや騒がしい状態を生じさせる。「戦争(事件・訴訟)をおこす」「めまい(腹痛)をおこす」 2 大勢の人を集め動かす。出動させる。*古事記‐中「軍(いくさ)を興(おこ)して待ち向ひて戦ひき」 3 感情、欲望などを心に生じさせる。「好奇心(やる気)を起こす」*源氏‐若菜上「いかなる願をか心におこしけむ」 4 版に彫ったり、文章を書き始めたりする。「草(稿)を起こす」*咄・醒睡笑‐八「いろいろの尊むほどの姿をおこして持ちたりしが」 5 伝票などを新たに作る。起票する。 勢いをさかんにする。 1 (興)ふるわない物事をさかんにする。「国を興こす」*古今‐仮名序「いにしへの事をも忘れじ、ふりにし事をもおこし給ふとて」 2 気持をひきたてる。奮起させる。*万葉‐四三九八「大夫(ますらを)の情(こころ)ふり於許之(オコシ)」 3 (熾)火気をさかんにする。また、炭に火をうつす。*枕‐一「いと寒きに、火などいそぎおこして」

おこ・す【遣す・致す】🔗🔉

おこ・す【遣す・致す】 〔他サ下二〕こちらに送ってくる。よこす。*万葉‐四一〇五「白珠の五百(いほ)つつどひを手にむすび於許世(オコセ)む海女(あま)はむがしくもあるか」 〔他サ四〕(が室町末頃に四段に転じたもの)に同じ。*虎寛本狂言・末広がり「末広がりに成いて見せう。是へおこさしめ」

おこぜ【・虎魚】(をこぜ)🔗🔉

おこぜ【・虎魚】(をこぜ) (「おこじ」の変化) 1 カサゴ科に属するオコゼ類の総称。オニオコゼ、ダルマオコゼ、ハナオコゼなど。いずれも形が奇妙で背びれの棘(とげ)に毒をもつ種類が多いが、俗には普通、食用とするオニオコゼをいう。古くから、山神の供物として捧げる風習がある。おこじ。 2 容貌の醜い女性のたとえ。

おこそ‐ずきん【御高祖頭巾】(‥ヅキン)🔗🔉

おこそ‐ずきん【御高祖頭巾】(‥ヅキン) (「おこそうずきん」とも。御高祖(日蓮上人のこと)の像の頭巾に似ているところから)目の部分だけを残して頭や他の部分を全部包む防寒ずきん。達磨頭巾。大明(たいみん)頭巾。《季・冬》

お‐こぞり【御髪剃】🔗🔉

お‐こぞり【御髪剃】 =おかみそり(御髪剃)1

お‐こた【御炬燵】🔗🔉

お‐こた【御炬燵】 炬燵(こたつ)の丁寧語。

おこたり【怠】🔗🔉

おこたり【怠】 1 すべき事をしないこと。なまけること。怠慢。手おち。油断。*落窪‐二「翁のおこたりならず」 2 自分の怠慢や宿命によっておこる過失、または罪。*蜻蛉‐上「わが宿世のおこたりにこそあめれなど」 3 自分の過失を謝ること。また、そのことば。謝罪。*夜の寝覚‐四「返々、百(もも)かへりおこたりを言ひつくいても」 4 病気がよくなること。

おこたり‐ざま【怠様】🔗🔉

おこたり‐ざま【怠様】 病気が少し快方に向かっている状態。*河内本源氏‐夕顔「いといたくわづらひ給ひけれど〈略〉おこたりざまに見え給ふ」

おこたり‐は・つ【怠り果つ】🔗🔉

おこたり‐は・つ【怠り果つ】 〔自タ下二〕病気がすっかりなおる。全快する。*大和‐一〇一「みだり心ちはまだおこたりはてねど」

おこたり‐ぶみ【怠文】🔗🔉

おこたり‐ぶみ【怠文】 自分の過失を詫びる言葉を書いて、人に送る文。怠状(たいじょう)。

おこた・る【怠る】🔗🔉

おこた・る【怠る】 〔他ラ五(四)〕 1 しなくてはならない事をしないで、なまける。精を出さないでいる。「勉強(練習・仕事)を怠る」*徒然草‐三二「念仏の時、睡りにおかされて行をおこたり侍る事」 2 油断する。*源氏‐若菜上「今よりは疎からず、あなたなどにも物し給て、をこたらんことは、おどろかしなども物し給はんなん、嬉しかるべき」 3 いい加減にして、過失をおかす。*栄花‐浦々の別「身づからおこたると思ひ給ふる事侍らねど、さるべき身の罪にてかくあさましきめを見侍れば」 〔自ラ四〕 1 病気がよくなる。病気や苦しみがなおる。*大和‐一〇一「病にいといたうわづらひて、すこしおこたりて内にまゐりたりけり」 2 事態がもとにもどる。事態がおさまる。*平家‐二「夕には深山に向って宝号を唱ふるに、感応おこたる事なし」

おこ‐づ・く【痴づく・烏滸づく】(をこ‥)🔗🔉

おこ‐づ・く【痴づく・烏滸づく】(をこ‥) 〔自カ四〕ばかみたいに見える。みっともなく見える。*今昔‐二八・二六「腰かがまりて嗚呼付(をこづき)てなむありし」 〔他カ四〕ばかにする。おこがる。*今昔‐一〇・三六「男どもこれを聞きて嗚呼(をこ)づき嘲りて」

おこ‐づ・く🔗🔉

おこ‐づ・く 〔自カ四〕(「おこつく」とも) 1 調子づく。勢いづく。いどんで行く。*わらんべ草‐一「拍子に、うら、おもてあり。はづむと、おこづくと、はぢくと、つくとのちがひあるべし」 2 傷口がずきずき痛む。*浄・義経千本桜‐四「合戦の疵口おこづき、破傷風と云ふ病と成り」 3 舞踊や歌舞伎のしぐさの途中で、つまずくように片膝の力をぬいて、また立ち直るような動作をする。*舞正語磨「扨又よこに右へ引くによって、こしゆがみておこつく也」 4 物が一杯になって蓋(ふた)などがしまらなくなる意か。*評判・色道大鏡‐一五「此の筥(はこ)に蓋(ふた)のおこづくまでに初音一本を入られたり」

おこっ‐けい【烏骨鶏】(ヲコッ‥)🔗🔉

おこっ‐けい【烏骨鶏】(ヲコッ‥) 「うこっけい(烏骨鶏)」の異名。

おこつ・る【誘る】(をこつる)🔗🔉

おこつ・る【誘る】(をこつる) 〔他ラ四〕(「わかつる(機)」の交替形)うまい事を言ったり、したりして人をあざむき誘う。また、御機嫌をとる。とり入る。*源氏‐夕霧「此の文のけしきなくをこつりとどむの心にて、あざむき申し給へば」

お‐こと【御事】🔗🔉

お‐こと【御事】 1 天皇、上皇、法皇等が崩御されたとき、崩御という言葉を忌んでいう語。 2 小祭の意。特に関東では二月八日の事八日、関西では三、四月頃の春事という年中行事。《季・春》 3 「おことはじめ(御事始)」または「おことおさめ(御事納)」の略。 〔代名〕対称。一般に、相手に対して親愛の心をこめて呼ぶ語。男に対しても、女に対しても用いた。御身。そなた。*平治‐下「昨日までも御事ゆゑに心をくだきつるが」

おこと‐おさめ【御事納】(‥をさめ)🔗🔉

おこと‐おさめ【御事納】(‥をさめ) 1 古く、東国で陰暦一二月八日に農事の終了を祝って行なった行事。のち、一般の行事ともなった。《季・春》 2 江戸時代、陰暦二月八日、正月の行事の終わりとして、年神の棚の取外しなどをした習俗。《季・春》

おこと‐じる【御事汁】🔗🔉

おこと‐じる【御事汁】 江戸などで、一二月八日の事始めと二月八日の事納めの日に作った味噌汁。芋、こんにゃく、小豆(あずき)、人参などをまぜて煮た。御事煮。《季・新年‐春‐冬》

お‐ことぞえ【御言添】(‥ことぞへ)🔗🔉

お‐ことぞえ【御言添】(‥ことぞへ) うまくいくように、ことばをかけてもらうこと。

おこと‐てん【乎古止点】(をこと‥)🔗🔉

おこと‐てん【乎古止点】(をこと‥) ⇒をことてん(乎古止点)

おこと‐に【御事煮】🔗🔉

おこと‐に【御事煮】 =おことじる(御事汁)

おこと‐はじめ【御事始】🔗🔉

おこと‐はじめ【御事始】 1 古く、東国で陰暦二月八日に農事の開始を祝って行なった行事。後には、一般の行事ともなった。ことはじめ。《季・新年》 2 江戸時代、江戸などでは陰暦一二月八日、上方などでは同一二月一三日にすす払いをし、正月の準備を始めること。《季・新年》

おこない【行】(おこなひ)🔗🔉

おこない【行】(おこなひ) 1 おこなうこと。 行動。ふるまい。「日頃の行ない」*書紀‐允恭八年二月・歌謡「ささがねの蜘蛛の於虚奈比(オコナヒ)今宵著(しるし)も」道徳的な見地から見た人の行状。身持ち。「行ないを慎む」 2 仏道修行。勤行(ごんぎょう)*源氏‐若紫「阿闍梨(あざり)などにもなるべきものにこそあなれ。をこなひの労は積りて」 3 特に、年頭の仏事勤行(修正月)。*蜻蛉‐下「おこなひのほどもすぎぬ」 4 神事をつとめること。*讚岐典侍‐上「あしたの御おこなひ、夕の御笛の音」 5 年頭または春先に行なわれる祈祷行事。近畿地方を中心にいう。もと農事祈願の神事であったが、仏教の感化を受けて修正会(しゅうしょうえ)や習二会(しゅうにえ)の行法に似たものがおこなわれている。寺や、堂、または村人が当屋(とうや)組織でおこなう。 ●行いの具(ぐ) 数珠、経典、香など仏前で読経、念仏する時に使う道具。 ●行いの道(みち) 仏道。また、仏道修行の道。

おこない‐い・ず【行ない出ず】(おこなひいづ)🔗🔉

おこない‐い・ず【行ない出ず】(おこなひいづ) 〔他ダ下二〕 1 仏道修行の功徳や法力によってその霊験を現わす。おこないいだす。*古本説話集‐六五「この沙門は命蓮聖の、をこなひいでたてまつりたるけるとか」 2 物事の処置について指図する。*落窪‐二「かかる、いみじと思ひて、『胴かきすゑよ』とおこなひいでたるに」

おこない‐いだ・す【行ない出だす】(おこなひ‥)🔗🔉

おこない‐いだ・す【行ない出だす】(おこなひ‥) 〔他サ四〕=おこないいず(行出)

おこない‐がち【行勝】(おこなひ‥)🔗🔉

おこない‐がち【行勝】(おこなひ‥) 〔形動〕仏道修行に専心して日を送るさま。*源氏‐柏木「行くすゑ短かう、物心ぼそくて、おこなひがちになりにて侍れば」

おこない‐ごえ【行声】(おこなひごゑ)🔗🔉

おこない‐ごえ【行声】(おこなひごゑ) 修行のために経を読む声。

おこない‐さ・す【行ない止す】(おこなひ‥)🔗🔉

おこない‐さ・す【行ない止す】(おこなひ‥) 〔他サ四〕念仏、読経することを途中で中止する。*更級「をこなひさしてうちまどろみたる夢に」

おこない‐さま【行様】(おこなひ‥)🔗🔉

おこない‐さま【行様】(おこなひ‥) (「おこない」は行法修法の意)山形県や岩手県で家の神の総称。「おしらさま」の別名として使われる場合が多い。おくないさま。

おこない‐さらぼ・う【行ないさらぼう】(おこなひさらぼふ)🔗🔉

おこない‐さらぼ・う【行ないさらぼう】(おこなひさらぼふ) 〔自ハ四〕一心不乱に仏道を修行したために、やせ衰える。おこないやつる。

おこない‐すま・す【行ない澄ます】(おこなひ‥)🔗🔉

おこない‐すま・す【行ない澄ます】(おこなひ‥) 〔自サ五(四)〕 1 仏道の戒めを守り、心を清くして修行に励む。戒行に専心して心をすます。おこないきる。*承応版狭衣‐三下「行ひすまし給へるけはひ、いみじうあはれなり」 2 神妙らしくふるまう。殊勝らしくする。とりすます。「その当座は行ないすましている」

おこない‐びと【行人】(おこなひ‥)🔗🔉

おこない‐びと【行人】(おこなひ‥) 1 仏道を修行する人。修行者。おこないと。 2 仙術を行なう人。道士。

おこない‐やつ・る【行ない窶る】(おこなひ‥)🔗🔉

おこない‐やつ・る【行ない窶る】(おこなひ‥) 〔自ラ下二〕=おこないさらぼう(行―)

おこな・う【行なう】(おこなふ)🔗🔉

おこな・う【行なう】(おこなふ) 〔他ワ五(ハ四)〕 1 物事をする。 順序、方式にしたがってする。挙行する。実行する。「式(裁判)を行なう」*源氏‐紅葉賀「左右の楽のことをこなふ」一般に「する」の意の改まった言い方で用いる。「商売(勉強)を行なう」「改訂を行なう」 2 修行する。ことに仏道修行をする。勤行(ごんぎょう)をする。*源氏‐夕顔「板屋のかたはらに堂建てておこなへる尼の住まひ」 3 言われた通りに処置する。*土左「米、魚など乞へば、おこなひつ」 4 やり方などを指図する。*宇治拾遺−一〇・八「『これ、諸司の下部めして、かきいでよ』とおこなひ給」 5 (法によって)処罰する。制裁する。*平家‐二「重科におこなはるべし」 6 食事をする。食べる。*実隆公記‐長享二年三月二一日「早朝行朝膳、進発可参江州御陣之由也」 7 女を自由にする。手ごめにする。*滑・続膝栗毛‐三「ここには女房がないそうだから、きゃつめをおこなってゐるに違ひはねへ」 〔自ハ四〕順序どおり進行する。*徒然草‐一五五「暫(しばし)も滞(とどこほ)らず、ただちにおこなひゆくものなり」

おこなわ‐・れる【行なわれる】(おこなは‥)🔗🔉

おこなわ‐・れる【行なわれる】(おこなは‥) 〔自ラ下一〕おこなは・る〔自ラ下二〕(動詞「おこなう(行)」の未然形に受身の助動詞「れる」が付いて一語となったもの)ひろく世間に広まる。もてはやされる。流行する。*大慈恩寺三蔵法師伝院政期点「是に由りて仏教行(オコナ)はる」*合巻・於六櫛木曾仇討「木曾のお六櫛とて、今に行はる」

お‐このみ【御好】🔗🔉

お‐このみ【御好】 「このみ(好)」の尊敬語、丁寧語。好むこと。好むものを示すこと。望みのものをえらぶこと。また、そのもの。「どれでもお好み次第です」

おこのみ‐しょくどう【御好食堂】(‥ショクダウ)🔗🔉

おこのみ‐しょくどう【御好食堂】(‥ショクダウ) 大衆食堂の一つで、種々の一品料理がそろっていて、これを任意に注文して食べられる食堂。

おこのみ‐やき【御好焼】🔗🔉

おこのみ‐やき【御好焼】 水でといた小麦粉に、桜海老、烏賊(いか)、牛肉、野菜など好みのものをまぜ、油をひいた鉄板で焼きながら食べるもの。

お‐こびと【御小人】🔗🔉

お‐こびと【御小人】 =おこもの(御小者)

おこびと‐めつけ【御小人目付】🔗🔉

おこびと‐めつけ【御小人目付】 ⇒こびとめつけ(小人目付)

お‐こぶし【御拳】🔗🔉

お‐こぶし【御拳】 1 江戸時代、将軍が、冬季に江戸の近郊へ出て、自ら鷹を拳にとまらせて、鶴などを捕えさせること。また、その鶴など。 2 「さざえ」をいう女房詞。

おこぶし‐ば【御拳場】🔗🔉

おこぶし‐ば【御拳場】 江戸時代、将軍が自ら拳に鷹をすえて狩りをする猟場。

おこまさいざ【お駒才三】🔗🔉

おこまさいざ【お駒才三】 浄瑠璃・新内節「恋娘昔八丈(こいむすめむかしはちじょう)」の俗称。

おこ‐め・く【痴めく・烏滸めく】(をこ‥)🔗🔉

おこ‐め・く【痴めく・烏滸めく】(をこ‥) 〔自カ四〕(「めく」は接尾語)じょうだんめく。たわむれる。*源氏‐初音「をこめきたることもことごとしく取りなしたる」

お‐こも【御薦】🔗🔉

お‐こも【御薦】 (「こも」は「こもかぶり(薦被)」の略)乞食(こじき)。ものもらい。

お‐こもの【御小者】🔗🔉

お‐こもの【御小者】 将軍家、貴人の家などで、主人の雑用をする少年。おこびと。

お‐こもり【御籠】🔗🔉

お‐こもり【御籠】 1 神仏に祈願するため、社寺などに宿泊すること。参籠。 2 懐妊すること。みごもること。

おこよ‐げんざぶろう【おこよ源三郎】(‥ゲンザブラウ)🔗🔉

おこよ‐げんざぶろう【おこよ源三郎】(‥ゲンザブラウ) 非人の娘で鳥追女のおこよと旗本座光寺源三郎。法度を破って結ばれたために処刑された。後に実録小説「月玉輿(げつべつたまのこし)」に描かれ、歌舞伎「夢結蝶鳥追(ゆめむすぶちょうにとりおい)」に、おこよ源之丞として脚色された。

おこよ‐ば【御小用場】🔗🔉

おこよ‐ば【御小用場】 便所。

おこら‐ご【御子良子】🔗🔉

おこら‐ご【御子良子】 伊勢神宮や鹿島神宮で神饌に奉仕する神聖視された少女。大神宮の神饌を調える子良(こら)の館(たち)に奉仕するので名づけた。おくらご。おはらご。こら。

おこり【起】🔗🔉

おこり【起】 物事の始まり。物事の原因。起源。起因。由来。*源氏‐桐壺「唐土にも、かかる事のおこりにこそ、世の乱れ悪しかりけれ」

おこり【瘧】🔗🔉

おこり【瘧】 (「起り」の意)間欠熱の一種。悪寒、発熱が、隔日または毎日時を決めておこる病気。マラリア性の熱病。ぎゃく。えやみ。おこりやまい。おこりやみ。 ●瘧が落(お)ちる おこりにかかったように物事に夢中になっていた状態からさめる。

おこり‐おとし【瘧落】🔗🔉

おこり‐おとし【瘧落】 1 おこりを落とすまじない。 2 植物「うまのあしがた(馬足形)」の異名。 3 植物「りんどう(竜胆)」の異名。

おこり‐こ・す【送り越す】🔗🔉

おこり‐こ・す【送り越す】 〔他サ五(四)〕送ってよこす。

おこり‐さめ【発歇】🔗🔉

おこり‐さめ【発歇】 1 からだの熱が、あるいは高くなり、あるいはさめること。また、病がよくなったり、悪くなったりすること。 2 物事が強まったり弱まったりすること。

おこり‐じょうご【怒上戸】(‥ジャウゴ)🔗🔉

おこり‐じょうご【怒上戸】(‥ジャウゴ) 酒を飲んで酔うと怒る癖があること。また、その人。腹立上戸。

おこり‐た・つ【起こり立つ】🔗🔉

おこり‐た・つ【起こり立つ】 〔自タ四〕 1 勢いよく燃える。また、火のように燃え上がる。 2 大勢の者が集まって敵対する。

おこり‐つ・ける【怒り付ける】🔗🔉

おこり‐つ・ける【怒り付ける】 〔他カ下一〕きびしくしかる。強くおこる。

おこりっ‐ぽ・い【怒りっぽい】🔗🔉

おこりっ‐ぽ・い【怒りっぽい】 〔形口〕(「ぽい」は接尾語)少しのことにも腹をたてやすい傾向がある。

おこり‐び【発日】🔗🔉

おこり‐び【発日】 瘧(おこり)などが周期的におこる日。瘧の発作で熱の出る日。

おこり‐ぶるい【瘧慄】(‥ぶるひ)🔗🔉

おこり‐ぶるい【瘧慄】(‥ぶるひ) 熱病にかかって、体がわなわなとふるえること。また、その病人。 ●瘧慄いが湯治(とうじ)に行(い)く (熱病の患者は入浴を避けるべきであるところから)自分からわざわいを求めることのたとえ。

おこり‐やみ【瘧病】🔗🔉

おこり‐やみ【瘧病】 瘧(おこり)を病むこと。また、その人。

おこりん‐ぼ【怒ん坊】🔗🔉

おこりん‐ぼ【怒ん坊】 何かというとすぐ怒る人。親しみやからかいの気持をこめていう。

おこ・る【怒る】🔗🔉

おこ・る【怒る】 〔自ラ五(四)〕(「起こる」と同語源で、勢いが盛んになる意から、感情が高ぶるのを言うようになったもの) 1 いかる。腹を立てる。興奮して気が荒くなる。*滑・浮世風呂‐前「そら弁慶が怒ったぞ」 2 しかる。「ひどく怒られた」

おこ・る【起こる・興る・熾る】🔗🔉

おこ・る【起こる・興る・熾る】 〔自ラ五(四)〕 今までなかったところに、ある物事や、状態が生じる。 1 新しく物事が始まる。 物事が新たにできる。発足する。「署名運動が起こる」*徒然草‐一三〇「興宴よりおこりて長き恨を結ぶたぐひ多し」特に、めんどうなことや騒がしい状態が生じる。「戦争(事件)が起こる」「めまい(腹痛)が起こる」 2 大勢の人が出て集まってくる。大挙する。*中外抄‐康治二年四月一八日「山大衆のをこりたりける時に」 3 ある感情、欲望などが、心に生じる。「好奇心(やる気)が起こる」*源氏‐若菜上「をのがどちの心よりおこれるけさうにもあらず」 高く盛りあがる。隆起する。「雲がわきおこる」*大唐西域記巻十二平安中期点「山の峯は両つに起(オコリ)て、巌四むに絶えたり」 勢いがさかんになる。 1 (興)ふるわない物事がさかんになる。働きが強まる。ふるいたつ。「国が大いに興る」*大智度論平安初期点‐一六「腹の内の薬作(オコリ)て、下処を欲求す」 2 (熾)火気がさかんになる。また、炭に火が移る。*広本拾玉集‐二「うづみ火のおこすにおこる世を祈るかな」

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