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むいかのあやめとおかのきく【六日の菖蒲十日の菊】🔗🔉

むいかのあやめとおかのきく【六日の菖蒲十日の菊】 《5月6日のあやめは5日の端午(タンコ゛)の節句に、9月10日の菊は9日の重陽(チョウヨウ)の節句に、それぞれ間に合わないことから》時機に遅れて役に立たないもののたとえ。「六日の菖蒲」「十日の菊」「十日の菊六日の菖蒲」「六菖十菊(ロクショウシ゛ッキク)」とも。 《類句》後の祭り。盆過ぎての鯖商い。諍(イサカ)い果てての乳切木(チキ゛リキ゛)。

むいにしてかす【無為にして化す】▽中国🔗🔉

むいにしてかす【無為にして化す】▽中国 徳の高いすぐれた支配者は、自然のままにまかせて人間的作為を加えず、それでいて人民はひとりでに教化され、自然に天下がよく治まる。 《出典》 我為(ナ)ス無クシテ民自(オノス゛カ)ラ化ス。我静ヲ好ミテ民自ラ正シ。我事無クシテ民自ラ富ム。我欲無クシテ民自ラ樸(ホ゛ク)(=素朴)ナリ。〔老子(ロウシ)・第五十七章〕

むいのち【無為の治】▽中国🔗🔉

むいのち【無為の治】▽中国 聖天子の偉大な徳によって人民が知らず知らずの間に感化され、特別に何もしなくても国がよく治まること。「無為にして治まる」とも。 《出典》 子曰(イワ)ク、無為ニシテ治マル者ハ其(ソ)レ舜(シュン)(古代のすぐれた帝王)ナルカ。夫(ソ)レ何ヲカ為(ナ)サンヤ。己(オノレ)ヲ恭(ウヤウヤ)シクシテ、正シク南面スル(天子の座に就く)ノミト。〔論語(ロンコ゛)・衛霊公篇〕

むかうのきょう【無何有の郷】▽中国🔗🔉

むかうのきょう【無何有の郷】▽中国 何一つない世界。転じて、わずらわしいことの何もない、理想の世界。 《参考》 (イ)「無何有」は「むかゆう」とも、「郷」は「さと」とも読む。 (ロ)恵子(ケイシ)が荘子に向かって、「樗(チョ)という曲がりくねった大木があるが、どうにも使いものにならない。君の学説も大きいだけで役に立たないのは、この樗と同じだ。」と言うと、荘子は、「無何有の郷、広莫の野にその木を植えて、そのかたわらに自由にいこい、安らかにねそべって、豊かな生の充実を喜べばよい。こうなれば、斧(オノ)やまさかりで伐(キ)り倒されることもなく、危害を及ぼすものもないのですから、役に立たないなどと言って困ることはない。」と答えたという。 《出典》 〔荘子(ソウシ゛)・逍遥遊篇〕

むかしとしよりによわいものなし【昔年寄に弱い者なし】🔗🔉

むかしとしよりによわいものなし【昔年寄に弱い者なし】 年寄りの昔話を聞くと、若いときに弱かった者は一人もいないことになるということ。 《参考》 年寄りの昔の自慢話をからかって言う。

むかしとったきねづか【昔とった杵柄】🔗🔉

むかしとったきねづか【昔とった杵柄】 以前にきたえた腕前。今でもその技量を発揮する自信があること。 《例文》 「元刑事の老人は、昔とった杵柄で、犯人を鮮やかに推理した。」

むかしのつるぎいまのながたな【昔の剣今の菜刀】🔗🔉

むかしのつるぎいまのながたな【昔の剣今の菜刀】 《昔は剣だったものが、今ではせいぜい菜切(ナッキ)り包丁(ホ゛ウチョウ)にしか通用しないの意》 もとはよくても、古くなって役に立たなくなったものより、つまらないものでも今の役に立つもののほうがよいということ。 若いときにすぐれた働きをした人でも、年を取れば軽視されること。「昔の長刀(ナキ゛ナタ)今の菜刀」とも。

むかしはむかしいまはいま【昔は昔今は今】🔗🔉

むかしはむかしいまはいま【昔は昔今は今】 昔がどうであろうと今とは違うのだから、昔のことを今に当てはめようとしても当てはまらないということ。 《類句》昨日は昨日今日は今日。

むかっぱらをたてる【向かっ腹を立てる】🔗🔉

むかっぱらをたてる【向かっ腹を立てる】 大した理由もないのに怒る。わけもなく腹を立てる。 《例文》 「こちらの言い分も満足に聞かないで、そう向かっ腹を立てられたのでは迷惑千万だ。」

むかでのあだころび【百足のあだ転び】🔗🔉

むかでのあだころび【百足のあだ転び】 《足が多くてめったに倒れることはないむかでも誤って倒れることがあるの意》熟練者が油断してした失敗のたとえ。 《類句》猿も木から落ちる。河童(カッハ゜)の川流れ。

むかでのしたく【百足の仕度】🔗🔉

むかでのしたく【百足の仕度】 ぐずぐずしていて仕度にてまどることのたとえ。 《参考》 むかでが上方参りに行くとき、出掛けに1本1本の足にわらじをはき、宿屋について1本1本わらじを脱いだという昔話から。

むぎとしゅうとめはふむがよい【麦と姑は踏むがよい】🔗🔉

むぎとしゅうとめはふむがよい【麦と姑は踏むがよい】 麦は冬の間に踏むと生長がよいようにしゅうとめに対してもあまり下手(シタテ)にばかり出ないで、ときには強い態度を取ったほうがよいということ。

むきになる【向きになる】🔗🔉

むきになる【向きになる】 ちょっとしたことでも、本気になってその物事に当たる。また、ささいなことで腹を立てる。 《例文》 「悪口を言われたからって、そう向きになって怒らなくてもいいじゃないか。」

むぎのでほにひをふらせ【麦の出穂に火を降らせ】🔗🔉

むぎのでほにひをふらせ【麦の出穂に火を降らせ】 麦の穂が出るころは、よく照りつける天気であってほしい。 《参考》 麦は、日照りが続くほうが収穫が多いという。

むぎはひるねしてかれ【麦は昼寝して刈れ】🔗🔉

むぎはひるねしてかれ【麦は昼寝して刈れ】 麦の刈り入れ時は梅雨期に当たり、麦は雨にぬれると品質が悪くなって収量も減るから、朝早くあわてて刈らずに天気のようすを見てゆっくり刈るのがよいということ。

むぎめしでこいをつる【麦飯で鯉を釣る】🔗🔉

むぎめしでこいをつる【麦飯で鯉を釣る】 わずかな元手で大きな利益を得ることのたとえ。 《類句》海老(エヒ゛)で鯛(タイ)を釣る。飯粒(メシツフ゛)で鯛を釣る。

むくろじはさんねんみがいてもくろい【無患子は三年磨いても黒い】🔗🔉

むくろじはさんねんみがいてもくろい【無患子は三年磨いても黒い】 生まれつきの容貌(ヨウホ゛ウ)や性格は直せないことのたとえ。また、努力しても効果の薄いことのたとえ。「無患子は百年磨いても白くならぬ」とも。 《参考》 無患子の木の実の種は球状で黒く、追い羽根の羽根の玉や数珠(シ゛ュス゛)などに使われる。 《類句》烏(カラス)の黒いのは磨きがきかぬ。

むこうにまわす【向こうに回す】🔗🔉

むこうにまわす【向こうに回す】 相手にして戦う。 《例文》 「そんなに大勢を向こうに回して論戦したって、勝てっこないよ。」

むこうをはる【向こうを張る】🔗🔉

むこうをはる【向こうを張る】 相手にして堂々と対抗する。張りあう。 《例文》 「あの金持ちの向こうを張ってあの絵にそんな大金をかけるのは、つまらない話だ。」

むこはざしきからもらえよめはにわからもらえ【婿は座敷から貰え嫁は庭から貰え】🔗🔉

むこはざしきからもらえよめはにわからもらえ【婿は座敷から貰え嫁は庭から貰え】 婿を自分の家より家柄や財産が上位の家からもらえば、自分の家の格が上がり財産もふえるから、婿は上位の家からもらうのがよく、嫁を家柄が下位の家からもらえば、つき合いに苦労することもないので、嫁は下位の家からもらうのがよいということ。「嫁は庭から貰え」とも。 《類句》婿は大名から嫁は灰小屋から。嫁は下から婿は上から。嫁は台所から貰え婿は玄関から貰え。

むしがいい【虫がいい】🔗🔉

むしがいい【虫がいい】 自分勝手で、ずうずうしい。 《例文》 「ただで部屋を貸せとは虫がいい注文だ。」

むしがおさまらない【虫が治まらない】🔗🔉

むしがおさまらない【虫が治まらない】 怒りを押さえきれなくて、我慢できない。「虫が承知せぬ」「腹の虫が治まらない」とも。 《参考》 「治まらない」は、「収まらない」「納まらない」とも書く。 《例文》 「借金を踏み倒して、あいさつもないのでは、こちらの虫が治まらない。」

むしがしらせる【虫が知らせる】🔗🔉

むしがしらせる【虫が知らせる】 なんとなく予感がする。前もって気配を感じる。 《例文》 「虫が知らせて、その飛行機に乗らなかったが、あとで聞くと、事故があって、乗客が大勢けがをしたそうだ。」 《参考》 どちらかというと、不吉な悪いことの予感のときに用いる場合が多い。

むしがすかない【虫が好かない】🔗🔉

むしがすかない【虫が好かない】 なんとなく気に入らなくてきらいである。 《例文》 「あの男はどうも虫が好かないよ。」

むしがつく【虫が付く】🔗🔉

むしがつく【虫が付く】 《植物・着物などに害虫が付くの意》未婚の女性に好ましくない男性ができることのたとえ。特に、親から見て娘に好ましくない愛人ができること。 《例文》 「虫が付かないうちに、早く嫁にやろう。」 《類句》悪い虫が付く。

むしずがはしる【虫酸が走る】🔗🔉

むしずがはしる【虫酸が走る】 《胸がむかむかしてすっぱい液が胃から口の中に流れ出てくるの意》非常に不愉快で、たまらなくなることのたとえ。 《例文》 「あの気障(キサ゛)な態度を見ると虫酸が走るね。」

むしのいき【虫の息】🔗🔉

むしのいき【虫の息】 今にも死にそうな非常に弱くて絶え絶えの息。あるかないか分からないほどの弱々しい呼吸。 《例文》 「被害者はすでに虫の息だった。」

むしのいどころがわるい【虫の居所が悪い】🔗🔉

むしのいどころがわるい【虫の居所が悪い】 いらいらしていて、いつもと違って機嫌が悪い。ささいなことでもすぐ腹を立てる。 《例文》 「あんなつまらないことで怒るなんて、よほど虫の居所が悪かったんだろう。」

むしもころさぬ【虫も殺さぬ】🔗🔉

むしもころさぬ【虫も殺さぬ】 《小さな虫さえも殺せないほど》気がやさしくて、温和であるようす。 《例文》 「虫も殺さぬような顔をしていて、あんなむごいことを平気でやるなんて。」

むじゅん【矛盾】▽中国🔗🔉

むじゅん【矛盾】▽中国 ことばや物事の前後がくい違っていて一致しないことのたとえ。 《参考》 楚(ソ)の国に盾(タテ)と矛(ホコ)とを売る商人がいた。まずその盾をほめて、「この盾は非常に堅くてどんなに鋭い矛でも突き通せない。」と言い、次に矛をほめて、「この矛は非常に鋭く、どんなに堅い盾でも必ず突き通せる。」と言った。そこである人が、「それならその矛でその盾を突いたらどうなるか。」と言ったら、商人は返答に困ったという。 《出典》 〔韓非子(カンヒ゜シ)・難篇〕 《類句》自家撞着(シ゛カト゛ウチャク)。

むしろぎょくさいすべしなんぞよくがぜんせん【寧ろ玉砕すべし何ぞよく瓦全せん】▽中国🔗🔉

むしろぎょくさいすべしなんぞよくがぜんせん【寧ろ玉砕すべし何ぞよく瓦全せん】▽中国 玉となって砕くとも瓦となって全からじ

むしろけいこうとなるもぎゅうごとなるなかれ【寧ろ鶏口となるも牛後となる勿れ】▽中国🔗🔉

むしろけいこうとなるもぎゅうごとなるなかれ【寧ろ鶏口となるも牛後となる勿れ】▽中国 鶏口となるも牛後となるなかれ

むしをおこす【虫を起こす】🔗🔉

むしをおこす【虫を起こす】 子どもが寄生虫などのために腹痛を起こす。また、子どもが癇(カン)を起こしてひきつけを起こしたり、むずがったりする。 《例文》 「泣いてばかりいるが、また虫を起こしたのだろう。」

むしをころす【虫を殺す】🔗🔉

むしをころす【虫を殺す】 しゃくにさわるのをじっと我慢する。 《例文》 「短気な彼がよく虫を殺していたな。」

むすめさんにんもてばしんだいつぶす【娘三人持てば身代潰す】🔗🔉

むすめさんにんもてばしんだいつぶす【娘三人持てば身代潰す】 娘を3人持てば、金のかかるその嫁入り支度のために財産がなくなってしまうということ。「女三人あれば身代が潰れる」とも。 《類句》娘の子は強盗八人。女の子三人あれば囲炉裏(イロリ)の灰もなくなる。

むすめひとりにむこはちにん【娘一人に婿八人】🔗🔉

むすめひとりにむこはちにん【娘一人に婿八人】 《一人の娘に対して婿になりたいと希望する者が何人もいるの意》一つしかないのに、それを望む人が非常に多いことのたとえ。 《参考》 「八人」は、「三人」「十人」とも。 《類句》一人娘に婿八人。

むすめをみるよりははをみよ【娘を見るより母を見よ】🔗🔉

むすめをみるよりははをみよ【娘を見るより母を見よ】 娘は、母親のよい点も悪い点も受け継いでいるものであるから、母親を見れば娘の人柄が分かるということ。

むだめしをくう【無駄飯を食う】🔗🔉

むだめしをくう【無駄飯を食う】 仕事もしないで、ぶらぶらと日を送る。 《例文》 「ぶらぶらして、無駄飯を食っているようだが、そのうちに、なんとなく見よう見まねで、仕事を覚えていくものだ。」

むちながしといえどもばふくにおよばさず【鞭長しと雖も馬腹に及ばさず】▽中国🔗🔉

むちながしといえどもばふくにおよばさず【鞭長しと雖も馬腹に及ばさず】▽中国 長鞭馬腹に及ばず

むちをおしむとこどもがだめになる【鞭を惜しむと子供が駄目になる】▽西洋🔗🔉

むちをおしむとこどもがだめになる【鞭を惜しむと子供が駄目になる】▽西洋 子どものしつけはきびしくしなければいけないということ。 《参考》 Spare the rod and spoil the child.の訳。 《類句》可愛い子には旅をさせよ。

むなくそがわるい【胸糞が悪い】🔗🔉

むなくそがわるい【胸糞が悪い】 しゃくにさわる。いまいましい。おもしろくない。 《例文》 「やっと終わった仕事にけちをつけられ、胸糞が悪いったらありゃしない。」

むにする【無にする】🔗🔉

むにする【無にする】 むだにする。なかったの同じことにする。 《例文》 「人の好意を無にする結果になる。」

むになる【無になる】🔗🔉

むになる【無になる】 むだになる。なかったのと同じことになる。 《例文》 「開墾(カイコン)の努力も、洪水で無になってしまった。」 《類句》無に帰する。水泡に帰する。

むねがいたむ【胸が痛む】🔗🔉

むねがいたむ【胸が痛む】 悲しみや心配で心に苦痛を感じる。心痛する。 《例文》 「不幸な身の上話を聞いて胸が痛んだ。」

むねがいっぱいになる【胸が一杯になる】🔗🔉

むねがいっぱいになる【胸が一杯になる】 悲しさ・くやしさ・うれしさなどの感情に強く心を動かされて、胸がつまるように感じる。 《例文》 「メインポールに、日の丸の旗がひるがえるのを見て、感激で胸が一杯になった。」

むねがさける【胸が裂ける】🔗🔉

むねがさける【胸が裂ける】 胸が破れるほど苦しみや悲しみを強く感じる。「胸が張り裂ける」とも。 《例文》 「交通事故で子どもを失った親は、胸が裂ける思いだろう。」

むねがさわぐ【胸が騒ぐ】🔗🔉

むねがさわぐ【胸が騒ぐ】 不安や不吉な予感などのために胸がどきどきして、心が落ち着かないようす。 《例文》 「電報がくると、故郷にいる母の病気が悪くなったのではないかと胸が騒ぐ。」

むねがすく【胸がすく】🔗🔉

むねがすく【胸がすく】 《胸のつかえがとれるの意》心の中のわだかまりがなくなって、気持ちがすっとする。 《例文》 「色よく黄ばんだ晩稲(オクテ)に露をおんで、シットリと打伏した光景は、気のせいか殊に清々(スカ゛スカ゛)しく、胸のすくような眺めである。」《伊藤左千夫(イトウサチオ)・野菊の墓》

むねがつかえる【胸がつかえる】🔗🔉

むねがつかえる【胸がつかえる】 食べた物が途中でつまったように感じられて苦しい。 《例文》 「もちを急いで食べたので胸がつかえる。」 心配事などがあって、気持ちがすっきりしない。また、強く感動して、胸がつまるような感じになる。 《例文》 「勝利の感動に胸がつかえて、ことばが出ない。」

むねがつぶれる【胸が潰れる】🔗🔉

むねがつぶれる【胸が潰れる】 驚きや悲しみに押しひしがれる。ひどく悲しむ。 《例文》 「山で遭難があったと聞き、もしやわが子ではと、胸が潰れる思いであった。」

むねがはりさける【胸が張り裂ける】🔗🔉

むねがはりさける【胸が張り裂ける】 強い悲しみや悔しさで、胸が裂けるような痛みを感じる。「胸が裂ける」とも。 《例文》 「子どもを亡くしたことのある親は、この記事を見て胸が張り裂ける思いだったろう。」

むねがふさがる【胸が塞がる】🔗🔉

むねがふさがる【胸が塞がる】 心配事やいやなことなどがあって、心がゆううつになる。暗然たる気持ちになる。「胸塞(フタ)がる」とも。 《例文》 「今日の新聞は胸がふさがるような記事ばかりだった。」

むねがやける【胸が焼ける】🔗🔉

むねがやける【胸が焼ける】 胃が焼けるように感じて不快である。胸焼けがする。 《例文》 「昨夜強い酒を飲み過ぎたせいか、けさは胸が焼けてしかたがない。」

むねさんずんにおさめる【胸三寸に納める】🔗🔉

むねさんずんにおさめる【胸三寸に納める】 ことばや表情に表さず、心の中にしまっておく。「胸に納める」「胸先(ムナサキ)三寸に納める」とも。 《例文》 「きみの秘密は、わたしの胸三寸に納めておくから安心しなさい。」 《類句》胸三寸に畳(タタ)む。胸に畳む。

むねにいちもつ【胸に一物】🔗🔉

むねにいちもつ【胸に一物】 心の中にたくらみを持っていること。 《例文》 「いつも高慢な男性が妙におせじを言うのは、何か胸に一物あるんだろう。」 《参考》 後に「背に荷物」「手に荷物」などと続けてもいう。 《類句》腹に一物。

むねにきく【胸に聞く】🔗🔉

むねにきく【胸に聞く】 《自分の心に聞くの意》心の中でよく考える。 《例文》 「そんなでたらめが通るか通らないか、よく自分の胸に聞いてみることだ。」

むねにこたえる【胸に応える】🔗🔉

むねにこたえる【胸に応える】 急所・弱点を指摘されて心に痛切に感ずる。 《例文》 「先生のお説教が少しは胸に応えたか。」 《類句》肝(キモ)に応える。

むねにせまる【胸に迫る】🔗🔉

むねにせまる【胸に迫る】 強く感動して、その感動を心にひしひしと感じる。 《例文》 「別離に臨んで万感胸に迫る思いだ。」

むねにたたむ【胸に畳む】🔗🔉

むねにたたむ【胸に畳む】 思いを心の中に納めて表面に現さない。「胸に畳み込む」とも。 《例文》 「その気持ちを胸に畳んでだれにも話さない。」 《類句》胸に納める。胸に秘める。

むねにてをあてる【胸に手を当てる】🔗🔉

むねにてをあてる【胸に手を当てる】 心を静めて、よく考える。 《例文》 「日ごろの行いについて胸に手を当てて反省してみなさい。」 《類句》胸に手を置く。

むねにてをおく【胸に手を置く】🔗🔉

むねにてをおく【胸に手を置く】 胸に手を当てる

むいかのあやめ とおかのきく【六日の菖蒲 十日の菊】🔗🔉

むいかのあやめ とおかのきく【六日の菖蒲 十日の菊】 時機に遅れてしまってものの役に立たないことのたとえ。 ◎五月六日の菖蒲では五月五日の端午(たんご)の節句に間に合わず、九月十日の菊では九月九日の重陽(ちょうよう)の節句に一日遅れで役に立たないところから。「十日の菊六日の菖蒲」とも言う。 〔類〕夏炉冬扇(かろとうせん)/後の祭 〔較〕a day after the fair(市の後の日)

むいにしておさまる【無為にして治まる】🔗🔉

むいにしておさまる【無為にして治まる】 人徳のあるりっぱな人が上に立つと、特別な政策を講じなくても世の中は自然に治まるものだということ。 ◎中国の伝説上の聖天子、舜(しゅん)の政治を、孔子がたたえたことばから。「無為の治(ち)」「無為にして化(か)す」とも言う。 〔出〕論語

むいにしてかす【無為にして化す】🔗🔉

むいにしてかす【無為にして化す】 →無為にして治まる

むかうのさと【無何有の郷】🔗🔉

むかうのさと【無何有の郷】 自然のままの楽土、理想郷のこと。 ◎「無何有」は何もないことで、何もなく果てしなく広々とした所の意。「むかゆうのきょう」とも読む。 〔出〕荘子(そうじ) 〔類〕桃源郷

むかしせんりもいまいちり【昔千里も今一里】🔗🔉

むかしせんりもいまいちり【昔千里も今一里】 すぐれた人でも、年を取れば普通の人よりも劣ってしまうというたとえ。 ◎昔は千里を行くことができた馬も、今では一里しか行くことができないの意から。 〔類〕騏りんも老いては駑馬に劣る/昔の剣今の菜刀

むかしとったきねづか【昔取った杵柄】🔗🔉

むかしとったきねづか【昔取った杵柄】 かつてしっかりと鍛えた腕前や技なので、腕に覚えがあるということ。 ◎「杵柄」は杵の柄(え)で、昔、杵を巧みに操ったことがあるの意から。 〔例〕「昔取った杵柄で歳忘れ」(古川柳)

むかしのつるぎ いまのながたな【昔の剣 今の菜刀】🔗🔉

むかしのつるぎ いまのながたな【昔の剣 今の菜刀】 かつてすぐれた働きをした人も、年取って時代に合わなくなれば役に立たなくなるということ。また、昔いくらよかったものでも今の役に立たなくてはしかたがなく、たとえつまらないものでも現在役に立つもののほうがよいということ。 ◎昔は剣として使われていたものが、今ではせいぜい菜切り包丁にしか使えないの意から。また、昔は剣がもてはやされたが、今では菜刀のほうが実用的で重宝がられるの意から。 〔類〕騏りんも老いては駑馬に劣る/昔千里も今一里

むかしはかたでかぜをきりいまはあるくにいきをきる【昔は肩で風を切り今は歩くに息を切る】🔗🔉

むかしはかたでかぜをきりいまはあるくにいきをきる【昔は肩で風を切り今は歩くに息を切る】 人生の浮沈の激しいことのたとえ。 ◎昔はさっそうと肩で風を切ったものだが、今ではただ歩くだけで息が切れるほど衰えてしまったの意から。 〔較〕We shall never be younger.(だれも若返ることはない)

むかしはむかし いまはいま【昔は昔 今は今】🔗🔉

むかしはむかし いまはいま【昔は昔 今は今】 昔のことは昔のこと、今はあくまでも今なのだから、昔はああだった、こうだったと言ってもはじまらないし、通用しないということ。 〔類〕昨日は昨日今日は今日

むぎいいでこいをつる【麦飯で鯉を釣る】🔗🔉

むぎいいでこいをつる【麦飯で鯉を釣る】 むぎめしのめし粒で、りっぱな鯉を釣りあげるように、わずかばかりの元手で、大きな利益を手に入れること。 〔類〕蝦で鯛を釣る

むくろじはさんねんみがいてもくろい【無患子は三年磨いても黒い】🔗🔉

むくろじはさんねんみがいてもくろい【無患子は三年磨いても黒い】 生まれつきのものは、どうやっても、変えたり直したりできないというたとえ。 ◎「無患子」は山地に生える高木で、その果実を磨いて追い羽根の球などに用いる。

むげいたいしょく【無芸大食】🔗🔉

むげいたいしょく【無芸大食】 ただやたらに食うだけで、なんの取り柄もないこと。 〔例〕「無芸とは過言この飯食ってみろ」(古川柳―「過言」は言い過ぎ)

むこうさんげんりょうどなり【向こう三軒両隣】🔗🔉

むこうさんげんりょうどなり【向こう三軒両隣】 日ごろ親しく付き合っている隣近所を、調子よく言ったことば。 〔類〕近所合壁(がっぺき)

むこくのたみ【無告の民】🔗🔉

むこくのたみ【無告の民】 自分の苦しみを伝える当てのない、身寄りや縁故のない人のこと。 ◎自分の苦しみを伝えることができない人たちの意から。

むこのたみ【無辜の民】🔗🔉

むこのたみ【無辜の民】 無力でなんの罪もない人のこと。 ◎「無辜」は罪がないの意。

むしがしらせる【虫が知らせる】🔗🔉

むしがしらせる【虫が知らせる】 いやなことが起こりそうな予感をなんとなく感じること。胸騒ぎなどがして悪い予感がすること。 ◎「虫」は人間のからだの中にあって、感情や気分などにさまざまな影響を与えるとされていたもの。

むしがすかない【虫が好かない】🔗🔉

むしがすかない【虫が好かない】 なんとなく好感が持てず、いやな感じがするようすの形容。 ◎「虫」は「虫が知らせる」の項参照。

むしがつく【虫が付く】🔗🔉

むしがつく【虫が付く】 結婚前の娘に、親にとって好ましくない相手ができることのたとえ。 ◎害虫が付いて衣類や植物などが傷むことから。「悪い虫が付く」とも言う。 〔例〕「虫が付かぬ内と桐の木をひかせ」(古川柳)

むしずがはしる【虫酸が走る】🔗🔉

むしずがはしる【虫酸が走る】 たまらなく不快な感じがすること。ひどく嫌うこと。 ◎「虫酸」は胃から出る酸っぱい液。その液が口に逆流して吐き気を覚える意から。

むしでもむかってくるものである【虫でも向かってくるものである】🔗🔉

むしでもむかってくるものである【虫でも向かってくるものである】 どんなに小さくて弱いものでもそれ相応の意地があるから、踏みつけるとたとえ強敵にでも敢然と立ち向かってくる。だから、決してばかにはできないということ。 ◎英語のEven a worm will turn.から。 〔類〕一寸の虫にも五分の魂

むしのいき【虫の息】🔗🔉

むしのいき【虫の息】 今にも死にそうなこと。 ◎まるで小さな虫がするような、かすかで心もとない息の意から。

むしのいどころがわるい【虫の居所が悪い】🔗🔉

むしのいどころがわるい【虫の居所が悪い】 機嫌が悪くて怒りっぽくなっているたとえ。 ◎「虫」は「虫が知らせる」の項参照。 〔例〕「虫の居所を直させる猪口(ちょこ)二つ」(古川柳)

むしもころさぬ【虫も殺さぬ】🔗🔉

むしもころさぬ【虫も殺さぬ】 小さな虫一匹殺せないほど気が弱く、やさしくて、おとなしいようすの形容。

むじゅん【矛盾】🔗🔉

むじゅん【矛盾】 言うことやすることに食い違いがあって、つじつまの合わないこと。 ◎「矛(ほこ)」は槍(やり)に似た武器、「盾(たて)」は槍などを防ぐ武器。中国の楚(そ)の国で、矛と盾を売る男が、「この盾は堅いからどんなに鋭い矛でも突き通すことはできないし、この矛は鋭いからどんなに堅い盾でも突き通すことができる」と宣伝するので、ある人が「それならその矛でその盾を突いたらいったいどうなるのか」と質問したところ、男は返事に困って答えられなかったという故事から。 〔出〕韓非子(かんぴし)

むじょうじんそく【無常迅速】🔗🔉

むじょうじんそく【無常迅速】 人の世は移り変わりが激しく、月日はまたたく間に過ぎ去り、死もたちまちのうちにやってくるということ。 〔出〕伝灯録

むじょうのおにがみをせむる【無常の鬼が身を責むる】🔗🔉

むじょうのおにがみをせむる【無常の鬼が身を責むる】 いつ死ぬかわからない不安が、まるで鬼の責め苦のように、人を責めさいなむということ。 ◎「無常の鬼」は、はかない命を鬼にたとえたことば。 〔較〕Fear of death is worse than death itself.(死の恐怖は死そのものより悪い)

むじょうのかぜはときをえらばず【無常の風は時を選ばず】🔗🔉

むじょうのかぜはときをえらばず【無常の風は時を選ばず】 はかない人間の命はいつ果てるのか、まったく予測はつかないということ。 ◎心ない風が今、せっかく咲いている花を情け容赦なく吹き散らしてしまうの意から。 〔例〕「無常の早手というべきは卒中風」(古川柳) 〔較〕It is the unexpected that always happens.(常に起きるのは予期せぬことである)

むじんぞう【無尽蔵】🔗🔉

むじんぞう【無尽蔵】 いくら取ってもなくならないこと。限りなく、いくらでもあること。 ◎どんなに取っても尽きることのない蔵の意から。 〔出〕蘇軾(そしょく)

むすめさんにんもてばしんだいつぶす【娘三人持てば身代潰す】🔗🔉

むすめさんにんもてばしんだいつぶす【娘三人持てば身代潰す】 娘を三人持てば、嫁入り費用のために財産がなくなってしまう。娘を養育して結婚させるのはそれほど費用がかかるということ。 〔類〕女三人あれば身代が潰れる/娘三人くれると竈の灰までなくなる 〔較〕Two daughters and a back door are three arrant thieves.(二人の娘と裏口は三人の大泥棒である)

むすめひとりにむこはちにん【娘一人に婿八人】🔗🔉

むすめひとりにむこはちにん【娘一人に婿八人】 一人の娘に、婿になりたがる者が八人も、つまりたくさんいること。転じて、一つしかないのに、それを欲しがる者がたくさんいることのたとえ。 ◎「娘一人に婿三人」「娘一人に婿十人」とも言う。

むすめふさほせ【むすめふさほせ】🔗🔉

むすめふさほせ【むすめふさほせ】 百人一首のかるた取りで、最初の一音で下の句が決定できるのは七首。その七首を記憶するために第一音を並べたもの。 ◎次の七首。「むらさめの露もまだひぬ真木(まき)の葉に霧立ちのぼる秋の夕暮」「すみのえの岸による波よるさへや夢の通(かよ)ひ路人目よくらむ」「めぐりあひて見しやそれともわかぬまに雲がくれにし夜半(よは)の月かな」「ふくからに秋の草木のしをるればむべ山風をあらしといふらむ」「さびしさに宿を立ち出でてながむればいづくもおなじ秋のゆふぐれ」「ほととぎす鳴きつる方をながむればただ有明(ありあけ)の月ぞ残れる」「せを早み岩にせかるる滝川のわれても末にあはむとぞ思ふ」

むだほうべん【無駄方便】🔗🔉

むだほうべん【無駄方便】 一見むだのように思われることでも、使い方ややり方しだいでは案外役に立つこともあるということ。 ◎「方便」は便宜上の手段の意。

むちもうまい【無知蒙昧】🔗🔉

むちもうまい【無知蒙昧】 知識や学問がなく、愚かでものごとの道理にうといこと。 ◎「蒙昧」は知識がなく道理には暗いの意。

むちをおしめばこどもはだめになる【鞭を惜しめば子供は駄目になる】🔗🔉

むちをおしめばこどもはだめになる【鞭を惜しめば子供は駄目になる】 子供を甘やかすとろくな人間にならないから、厳しくしつけなければならないということ。 ◎英語のSpare the rod and spoil the child.から。 〔類〕かわいい子には旅をさせよ

むねさんずんにおさめる【胸三寸に納める】🔗🔉

むねさんずんにおさめる【胸三寸に納める】 いっさいを自分の心の中一つにしまい込んで、みだりに口外したりせず、おくびにも出さないこと。 ◎「胸三寸」は胸の中の意。「胸三寸に畳む」とも言う。

むねにいちもつ【胸に一物】🔗🔉

むねにいちもつ【胸に一物】 →腹に一物

むねにくぎ【胸に釘】🔗🔉

むねにくぎ【胸に釘】 まるで胸に釘をぐさりと打ち込まれたように、弱点を突かれて内心どきりとすることのたとえ。 ◎「胸に釘打つ」とも言う。

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