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(補助動詞の「なさい」を省略した俗語的表現)動詞の連用形、または撥音便形を受けてぞんざいな命令を表す。「こっちへ這入んな」*滑・浮世風呂‐前上「ひとりで衣(べべ)を脱(ぬぎ)な」

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〔副〕禁止の意を表す。 下に動詞の連用形を伴って用いる。*万葉‐二六六九「吾(わが)背子が振り放(さ)け見つつ嘆くらむ清き月夜(つくよ)に雲莫(ナ)たなびき」下に「動詞の連用形+そ」を伴って用いる。→な…そ。下に「動詞の連用形+そね(そよ)」を伴って用いる。*播磨風土記‐賀毛・歌謡「愛(うつく)しき小目(をめ)の小竹葉に霰降り霜降るとも奈(ナ)枯れそね」*万葉‐四〇一一「奈(ナ)恋ひそよとそ夢(いま)に告げつる」 [補注](1)語源に関しては、ク活用形容詞「なし」の語幹、あるいは打消の助動詞「ず」の未然形に想定される「な」につながる否定の語といわれる。(2)品詞については副詞とするのが一般であるが、他に係助詞説、副助詞説、および「な…そ」の場合、全体を終助詞とする説などがある。(3)およびは中古には見られなくなり、の「な…そ」の型と、終助詞による「…な」の形が中古以後に引き継がれる。また中古末にはの型から新しく「…そ」の型が生じた。→「な…そ」の補注 ●な…そ 相手に懇願し、婉曲に禁止の気持を示す。どうか…してくれるな。どうぞ…してくださるな。な…そね。*古事記‐上・歌謡「汝鳥(などり)にあらむを命は那(ナ)死せたまひ曾(ソ)」*源氏‐桐壺「なうとみ給ひそ」 [補注](1)本来は「な」のあとに、連用形(カ変・サ変の場合は命令形の古形「こ」「せ」)を置くだけで、禁止の表現として十分であり、最後に添えられる「そ」は、禁止の気持をさらに強める働きを加えるものであったらしい。ただし「そ」を添えるいい方も非常に古くからあり、「な+連用形+そ」という型は、禁止表現の型として、早く固定した。さらに後世になると「な」を落とした「…そ」という形で、禁止を表すようにもなるが、近世には消滅。(2)「そ」に関しては、(イ)サ変動詞の古い命令形、(ロ)サ変動詞の古い未然形、(ハ)係助詞「そ」とつながるものなどの説がある。

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〔感動〕=なあ〔感動〕*滑・浮世風呂‐四「ナ、わかりましたか」

な【な・ナ】🔗🔉

な【な・ナ】 五十音図の第五行第一段(ナ行ア段)に置かれ、五十音順で第二十一位のかな。いろは順でも第二十一位で、「ね」のあと「ら」の前に位置する。現代標準語の発音では、舌の先と上の歯茎との間を閉鎖した有声通鼻音nと母音aとの結合した音節naにあたる。「な」の字形は「奈」の草体から出たもの、「ナ」の字形は、同じく「奈」の初二画をとったものである、ローマ字では、naをあてる。

な【七】🔗🔉

な【七】 数のななつ。なな。しち。特に、物の数を声に出して唱えながら数えるときのことばで、「なあ」となることが多い。

な【名】🔗🔉

な【名】 個、または集合としての事柄や物を、他から区別するために、対応する言語でいい表したもの。なまえ。上代では言霊信仰によって、「名」は実体そのものと意識されていた。 1 一般に物事の名称。呼び方。*万葉‐三三九「酒の名を聖(ひじり)とおほせしいにしへの大き聖の言(こと)のよろしさ」 2 固有のものとしてつけられた呼称。固有名詞。*土左「このいけといふは、ところのななり」 3 特に、人やその集団につけられた名称。 家や家系としての呼称。血縁としての氏(うじ)や職名としての姓(かばね)など。氏姓(しせい)。*万葉‐四四六五「大伴の氏と名に負へる大夫の伴」一個人の呼称。名前。*古事記‐中「兄(いろね)の名は蠅伊呂泥(はへいろね)」仏などの名号、または、経典の題目。*今昔‐七・三「汝、般若の名を聞き奉れる善有り」 (1)に伴う事柄、または、その属性を象徴するものとしての名称。 1 評判、うわさ。*源氏‐帚木「かろびたる名をや流さむ」 2 特に、よい評判をいう。名声。また、名誉。*大唐西域記長寛元年点‐五「威は瞻部を懾(をど)し、声(ナ)は隣国に震ふ」 3 評判だけの名称。実体をあらわしていない名前。虚名。*古今‐六三五「秋のよも名のみなりけり」 4 名前に伴って守るべき分際。名分。「名をただす」 (形式とその実際の内容とを対比して)表面的な理由や体裁。名目。 表面上の名誉や体裁。「名を捨てて実を取る」「名ばかりの結婚式」表向きに出す形式上の名義。「社長の名で寄付をする」何かするためにつける理由。口実。「来客を名に酒を飲む」 (助詞「の」を伴って用いる)名声の高いこと。有名。名代。*浮・俗つれづれ‐三「彼是名(ナ)の酒数かさなりて」 文字。古く、その物に対する名称の意から転用したもの。真名(まな)、仮名(かりな・かな)など。*書紀‐敏達元年五月(前田本訓)「表(ふみ)烏(からす)の羽(は)に書(か)けり。字(ナ)、羽の黒き随(まま)に、既に識る者(ひと)無し」 「なごり(名残)の折」の略。 ●名有(あ)り 有名である。名声がある。 ●名有りて実(じつ)なし 評判ばかり立派で実質が伴わない。有名無実。 ●名が朽(く)ちる 名声がすたれる。評判が落ちる。 ●名が立(た)つ 世間の評判になる。浮名(うきな)が立つ。 ●名が流(なが)れる 名が流布(るふ)する。評判が世間にひろがる。 ●名に負(お)う 1 名前として持つ。その実体を伴ったものとしての名を持つ。なにしおう。*古事記‐下・歌謡「かくの如那爾淤波(ナニオハ)むとそらみつ大和の国を蜻蛉島とふ」 2 世間一般にその名とともに評判される。有名である。なにしおう。*万葉‐三六三八「これやこの名爾於布(なニオフ)鳴門の渦潮に」 ●名に聞(き)く うわさに聞く。また、有名である。音に聞く。 ●名にし負(お)う (「し」は強意の助詞)=な(名)に負う ●名に立つ 広く世に聞こえる。名高くなる。*古今‐六二「あだなりと名にこそたてれ桜花」 ●名に流(なが)る 世間にその名が広く知られる。名高い。 ●名に旧(ふ)る 古くからその名が聞こえている。名高い。 ●名の朝臣(あそん) =なあそん(名朝臣) ●名の形見(かたみ) 名声や、名誉がその人の形見のように後世まで残ること。 ●名の木 ⇒親見出し ●名の無い星(ほし)は宵(よい)から出る つまらないものが先に出るたとえ。また、待っている者はなかなか来ないで、待たない者が早くから来る。 ●名の封(ふう) 文書の上紙などの封じ目に、差出人の名をしるすこと。また、そのもの。 ●名の禄(ろく) 律令制で、妃(き)・夫人・嬪(ひん)に与えられる季禄の称。号禄。 ●名は実(じつ)の賓(ひん) (「荘子‐逍遥遊」による)実際の徳が主で、名誉は客であること。徳があってはじめて名誉が自然にこれに伴うものであること。 ●名は体(たい)をあらわす 名はそのままそのものの実体を示す。 ●名も無(な)い 名乗るほどの名も持たない。また、有名でない。「名も無い野辺の草」 ●名を揚(あ)げる 名声を世にあらわす。有名になる。 ●名を埋(うず)む 世間に名を知らせないようにする。 ●名を売(う)る 自分の名を広く世間に知れわたるようにする。名を広める。 ●名を=得(う)る[=取る] 名声を得る。有名になる。 ●名を惜(お)しむ 名声の傷つくことを惜しむ。うき名のたつことを嫌う。 ●名を折(いの)る 不名誉なことをする。 ●名を掛(か)く 1 名をつらねる。また、名を知られる。 2 名を口に出して言う。 ●名を借(か)りる 1 他人の名義を使わせてもらう。 2 うわべの口実にする。 ●名を=腐(くた・くだ)す[=沈む・汚す・辱しむ] 名声や評判を落とす。面目を失う。 ●名を雪(そそ・すす)ぐ 汚名を挽回する。名誉を回復する。 ●名を正(ただ)す 1 事の正邪を判断する。 2 (「論語‐子路」による)ものの名称を正す。ものの名と実が一致するようにする。ひいて、名分を正す。 ●名を立(た)つ 1 名声を揚げる。名を揚げる。 2 評判をたてる。評判をとる。 ●名を保(たも)つ 名誉を守り続ける。名声を保持する。 ●名を竹帛(ちくはく)に垂(た)る (竹帛は書物、ひいて歴史の意。「後漢書‐禹伝」から)名を長く後世に伝え残す。歴史に残るような功績を立てる。 ●名を散(ち)らす 名声を世に広める。また、浮名を流す。 ●名を釣(つ)る 名誉や評判を得ようとつとめる。 ●名を遂(と)ぐ 名声を揚げることを遂げる。 ●名を留(とど・と)む =な(名)を残す ●名を流(なが)す 評判になる。また、悪い評判をたてられる。浮名を流す。 ●名を成(な)す 世間からよい評判をたてられる。ひとかどの人物として有名になる。 ●名を盗(ぬす)む 実力がないのに評判を得る。虚名を博す。 ●名を残(のこ)す 名を後々まで言いはやされる。名声を後世にとどめる。名を留む。 ●名を=広(ひろ)む[=振(ふ)るう] 広く世間に名を伝え知らす。世に名声を響かせる。

な【肴】🔗🔉

な【肴】 鳥獣の肉・魚介・野菜類など副食物とするものの総称。おかず。*古事記‐中・歌謡「前妻(こなみ)が那(ナ)乞はさば」

な【菜】🔗🔉

な【菜】 (「な(肴)」と同語源)食用、特に、副食物とする草の総称。葉、茎を食用とするアブラナ科のアブラナと、それに近縁な種類から育成された葉菜をいう。多数の品種がある。菜っ葉。あおな。

な【魚】🔗🔉

な【魚】 (「な(肴)」と同語源)食用、特に、副食物とするための魚(さかな)。*万葉‐八六九「たらし姫神のみことの奈(ナ)釣らすと」

な【儺】🔗🔉

な【儺】 疫鬼を追い払うこと。また、朝廷の年中行事の一つの追儺(ついな)のこと。

な【汝・己】🔗🔉

な【汝・己】 〔代名〕 1 自称。わたくし。自分。→補注。 2 対称。おまえ。あなた。敬意は高くなく、対等もしくはそれ以下の相手に用い、動物や植物などに呼びかけるときにも用いる。*古事記‐上・歌謡「吾(あ)はもよ女(め)にしあれば那(ナ)を置(き)て男は無し」 [補注]「大己貴」という神の名が「大名持」「大汝」「大穴牟遅」などと記されているところから、自己を表す「己」の文字に「ナ」の読みがあったことがわかる。「万葉‐一七五五」「万葉‐三二三九」にも、ふつう「自分自身」と訳される「な」に「己」の字を用いた例がある。また、親しい人を呼ぶのに用いる上代語「なおと(弟)」「なせ(夫)」「なにも(妹)」「なね(姉)」などの「な」は、一方において「わがせ」「わぎも」などのように「わ(我)」を付けるいい方があり、自称の代名詞を付けるのが当然であると考えられるので、これらの「な」も、古い自称代名詞の用法のなごりであろうと推定される。そして、自称を他称へ転用するのは、日本語でしばしばみられる現象であるから、対称の「な」はこの自称の転じたものと考えられる。

な【何】🔗🔉

な【何】 〔代名〕「なに」の変化した形、または、「なん」の撥音の表記されない形。→なぞ・など

な【無】🔗🔉

な【無】 (形容詞「ない(無)」の語幹)無いこと。また、そのさま。*源氏‐若菜上「殊なることなの御返りや」

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〔格助〕体言を受け、その体言が下の体言の修飾にたつことを示す上代語。同様の連体格助詞に「の」「が」「つ」があるが、「な」はきわめて用法が狭く、上代すでに固定し、「たなごころ」「たなすえ」「まなかい」などのように語構成要素化していた。*万葉‐四〇〇六「美奈(ナ)門には白波高み」 〔間投助〕 1 (終助詞ともする)文末にあって体言、活用語の終止形、助詞などを受けて詠嘆を表す。*古事記‐中・歌謡「赤ら嬢子(をとめ)を誘(いざ)ささばよらし那(ナ)」*古今‐一一三「花の色はうつりにけりな」 2 文節末にあって調子を整えたり、軽く詠嘆の意を添えたりする。*古事記‐中・歌謡「うべ那(ナ)うべ那(ナ)君待ちがたに我が着(け)せる襲(おすひ)の裾に月立たなむよ」 〔終助〕 動詞・助動詞の未然形を受けて希望の意を表す上代語。 自己の行動に関しての希望、あるいはその実現の意志を表す。*万葉‐二一〇三「馬並めていざ野に行か奈(ナ)萩の花見に」他者の行動の実現を希望する。*仏足石歌「諸々救ひ済(わた)したまは奈(ナ)」 文末にあって動詞・助動詞の終止形(ラ変は連体形)を受け、禁止の意を表す。*書紀‐武烈即位前・歌謡「水(みな)そそく鮪(しび)の若子を漁(あさ)り出(づ)那(ナ)猪の子」*竹取「竜の首の玉取り得ずは帰り来(く)な」

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(断定の助動詞「なり」「だ」の活用形) 1 「なり」が推量の助動詞「なり」「めり」を伴うときの形。終止形「なり」(一説に、連体形「なる」)の語尾が音便で撥音となり、その「ん」が表記されなかったもの。→ななり・なめり。 2 「なり」の連体形「なる」の語尾が脱落したもので、中世から近世にかけて、終止法にも連体法にも用いられた。現代語では、「だ」の活用の中で位置づけられ、終止法には用いない。形容動詞語尾としても同様であるが、体言を受ける助動詞の場合は連体法に用いることもまれで、「なのだ」の形で用いることが多い。*史記抄‐一一「そばな者にむけても、はらをたつるか」*浄・女殺油地獄‐中「十二三なめくらが」 3 終止形「なり」が接続助詞「と」に続くときの音便形。「なりとも」「…でも」の意を表す。*浄・博多小女郎波枕‐上「おまへひとりはどうなと成」

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(打消の助動詞「ず」の上代の未然形)ク語法「なく」をつくり、また、終助詞「な」などに続く場合に用いられる。→なく・なな

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(完了の助動詞「ぬ」の未然形)助動詞「む」「まし」、接続助詞「ば」などに続く。→ぬ

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〔接尾〕おもに時を表す体言を並列して、それぞれの下に付けて用い、その時ごとにの意を表す。「朝な朝な」「朝なさな」「朝な夕な」など。

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〔接尾〕人を表す語に付いて、親愛の意を含めるのに用いる。「せな」「いもなろ」など。

なあ🔗🔉

なあ 〔感動〕念を押したり、相手を誘ったり呼びかけたりするときに用いることば。な。*滑・浮世風呂‐前「ナア、番頭。下の男のやうにわからぬ男もない物だ」

なあ🔗🔉

なあ 〔間投助〕(間投助詞「な」の変化)文末に添えて、詠嘆の意を表す。*浮・好色一代男‐六「海藻凝(ところてん)を喰はせ、むまひなあといはせし事も」

ナーサリー‐スクール🔗🔉

ナーサリー‐スクール (英nursery school)イギリスの、二歳から五歳までの幼児のための教育施設。日本の保育所、託児所に相当する。

ナース🔗🔉

ナース (英nurse) 1 乳母。 2 看護婦。

な‐あそん【名朝臣】🔗🔉

な‐あそん【名朝臣】 その人の姓(かばね)の上に名をつけて呼ぶこと。道長朝臣や忠利宿禰の類。ここでいう朝臣は姓の代表としての意。時と場合により、四位または五位の人に用いられる。みょうじあそん。

な‐あて【名宛】🔗🔉

な‐あて【名宛】 1 書簡・書類・小包・贈り物などで、渡すべき相手を指定すること。また、その指定された名。受け取る人の名。あてな。 2 特に遊里で、遊女などの名を指名すること。

なあて‐にん【名宛人】🔗🔉

なあて‐にん【名宛人】 1 名宛にされた人。手紙などで、名宛にされてそれを受け取る人。 2 特に、証券などで、名を指定された人。

なあ‐なあ🔗🔉

なあ‐なあ (感動詞「なあ」を重ねたもので、互いにあいまいな表現で折り合うところから)なれ合い。「なあなあで終わる」「なあなあ主義」

なあに🔗🔉

なあに (「なに(何)」の変化) 〔代名〕=なに(何)1 〔感動〕相手のことばを受けて、これを軽く否定し、相手の言うほどたいしたことではないという気持を表す。「なあに、大した傷じゃないよ」

ない【地震】(なゐ)🔗🔉

ない【地震】(なゐ) 1 (「地」の意の古語「な」に「ゐ(居)」の加わったものといわれる。「ふる」「よる」を伴って「地震がする」の意に用いる)地盤。大地。*書紀‐武烈即位前・歌謡「那為(ナヰ)が揺(よ)り来ば破(や)れむ柴垣」 2 転じて、大地が震動すること。地震(じしん)。*宇津保‐楼上下「ないのやうにつち動く」

ない🔗🔉

ない 「あかりんご(赤林檎)」の古名。〔本草和名〕

ない【内】🔗🔉

ない【内】 1 うち。なか。内部。奥。⇔外(がい)。 2 仏語。 仏教以外の教えに対して仏教の教えあるいは仏教内の自己の立場をさす。また世間に対する出世間。⇔外(げ)。六根、または六識などの識(心)をさす。 3 身体の内部。内臓。 4 「ないじん(内陣)」の略。

な・い【無い・莫い・勿い・毋い・无い・亡い】🔗🔉

な・い【無い・莫い・勿い・毋い・无い・亡い】 〔形口〕な・し〔形ク〕 存在しない。 1 …が存在しない。所有しない。具備しない。*古事記‐上・歌謡「汝を置(き)て男は那志(ナシ)」*源氏‐帚木「なよびかにをかしきことはなくて」 2 (1の特殊な場合) 家にいない。不在である。*源氏‐夕顔「少将のなき折に見すれば心うしと思へど」(亡)世にない。故人になっている。→亡き。*万葉‐四四六「吾妹子が見し鞆の浦のむろの木は常世にあれど見し人そ奈吉(ナキ)」 3 抽象的な事柄について、その実現の否定を表す。 実現しない。事が起こらない。主として「…することなし」の形で、用言の意味を打ち消す。*万葉‐三六「此の川の絶ゆること奈久(ナク)」主として「…せずといふことなし」「…せざるはなし」などの形で、二重否定から「すべて…する」の意を表す。*日蓮遺文‐南条殿御返事「一人として仏にならざるはなし」(「なきようなり」の形で)正体がない。魂を失っている。*源氏‐賢木「なかばはなきやうなるみけしきの、心ぐるしければ」世間からみすてられている。*源氏‐絵合「中頃なきになりて沈みたりし」 4 事実がない。無実である。不当である。*大鏡‐二「なきことによりかくつみせられ給ふを」 5 またとない。外にない。比べものがない。「おかしいったらない」「母の心配ったらなかった」*十訓抄‐一〇「なきすき者にて、朝夕琴をさしおく事なかりけり」 補助的に用いて、否定の意を表す。 1 形容詞活用の連用法を受ける。*源氏‐柏木「年頃下の心こそ懇に深くもなかりしか」 2 副詞「さ」「かく」などを受ける。→さなきだに・さもない。*枕‐四一「よる鳴くもの、なにもなにもめでたし。ちごどものみぞさしもなき」 3 「である」の打消。あらず。 体言に付いた助動詞「なり」「だ」、また、形容動詞の連用法を受ける。*竹取「ここにつかはるる人にもなきにねがひをかなふることの嬉しさ」打消の語に付いた助動詞「だ」の連用法を受ける。全くは否定せず、いくぶんの存在を認めるさま。…しないわけではない。「理解できないではない」「ではないか」の形で、動詞、形容詞の終止形、形容動詞語幹および体言を受けて、予想外の事に驚いた気持、相手に判断の同意を求め、また問いただし、詰問する気持を表す。「来ると言ったじゃない」動詞の未然形に助動詞「う」「よう」の付いたものを受けて、相手の同意を求め、勧誘する気持を表す。「がんばろうではないか」 4 用言に付いた助動詞「のだ」の連用法を受ける。 否定的説明。「それはほめるのではない、けなすのだ」禁止の言いきかせ。「泣くんじゃないよ」「見るんじゃない」 5 接頭語「御(お・おん・ご)」を冠した動詞連用形に付いた助動詞「だ」の連用法を受ける。 「お…だ」の打消。「…しない」「…していない」の意の尊敬語。*滑・素人狂言紋切形‐上「おまへは三升をおほめでないから、私もほめません」禁止。同輩または目下に用いる。*人情・仮名文章娘節用‐前「アレモウいやだヨ、おふざけでない」 6 接頭語「御(お・おん・ご)」を冠した動詞の連用形に付いて、敬意のある打消を表す。*蒙求抄‐七「下の邪正を、御知りなうてはぢゃそ」 7 引用を表わす助詞「と」を受ける。 「と」が動詞活用の終止形に付く。その事態が起こっていないこと、また、自覚また確認できないことを表す。*万葉‐五九二「逢ふとは奈之(ナシ)に」「と」が動詞活用の終止形に付く。明確でないさまでその事態の起こっていることを表す。「聞くともなしに聞く」「降るともなき春の雨」「と」が体言または引用句に付く。それと指定しないこと、限定されないさまを表す。「大小」「昼夜」など対語に付くもの、「いつとなく」「どことなく」「そこはかとなく」など不定の語に付くものも多い。*曾丹集「いづこともなくなべて霞めば」 8 他動詞の連用形に助詞「て(で)」の付いたものを受ける。動作が起こらなかった状態にあることを表す。「名前はまだつけてない」「届は出してないが、休むつもりだ」 [補注](1)ただし、「はしたない」などの類の「ない」は、形容詞を作る接尾語であって、この形容詞の「ない」とは別のもとのであると考えられる。→接尾語「ない」。(2)活用形として「なく・なし・なき・なけれ」のほか、上代には未然形、已然形に「なけ」がある。「万葉‐三四二一」の「わがへには故はなけども子らによりてぞ」など。→なけなくに。なお、副詞法の「なく」にあたるところに、「なしに」が用いられることがある。(3)「あり」の結合した「なかり」は、上代には連用形「なかりけり・なかりし」、終止形「わぎもこに恋ひすべなかり」、連体形「ほととぎす無かる国」、已然形「神は無かれや」、命令形「浦吹く風の止む時無かれ」などの例があるが、平安時代には、補助活用としてもっぱら未然形「無からむ」など、連用形「無かりけり」など、連体形「無かるべし」などの助動詞への連接形が用いられ、また特に命令形「なかれ」は、「きることなかれ」「見るなかれ」など禁止の語として、特別の用法をもつようになった。→なけなくに(4)江戸語では、「なし」が次のように終止や「か」を付ける質問に用いられる。「洒・辰巳之園」の「なんと深川へいく気はなしか」、「滑・浮世風呂‐二」の「出好(でずき)での、内に尻が居る間(すは)なしさ」など。(5)「ない」は、様態の助動詞「そうだ」に続くとき、語幹から接尾語「さ」を介して続く。(6)補助的に用いる「ない」「なし」を助動詞とする説もある。→ない(助動詞) ●無い図(ず) 今まで世間で見たことのない図柄。転じて、これまでにない珍しいこと。珍奇な趣向・様子。*浮・好色由来揃‐五「下京の者と見えてない図な男」 ●無い袖(そで)は=振れぬ[=振られぬ] 実際ないものはどうにもしようがない。してやりたいと思っても力がなくてどうにもならない。 ●無い知恵(ちえ)を絞る 四苦八苦して方策を考える。 ●無い名(な) 1 ⇒なき(無)名 2 めったにない名前。珍しい名前。 ●無いも=しない[=せぬ] (「ない」を強調した表現)ありもしない。あるはずがない。*人情・祝井風呂時雨傘‐一五回「無いもしない事をいって、人に気を揉ませはしないわね」 ●亡き跡(あと) 亡くなったあと。死んだのち。 ●亡き影(かげ) 1 死んだ人の面影。死者の霊。*源氏‐松風「親の御なきかげを恥づかしめむ事」 2 亡くなったあと。死んで霊魂となってしまっていること。*源氏‐浮舟「なきかげにうき名流さんことをこそ思へ」 ●亡き数(かず) 亡くなったものの数。なき人のなかま。死人のうち。「亡き数に入る」 ●亡き魂(たま) 亡き人のたましい。亡霊。 ●無き手(て) ふたつとない手段・方法。また、この上もない手ぶり。 ●無き手を出す 1 この上もない秘術を尽くす。 2 できそうもないことに知恵をしぼって種々の手段をめぐらす。 ●無き名(な) 何の事実もない噂。身に覚えのない噂。ぬれぎぬ。 ●無きにしも非(あら)ず ないわけでもない。少しはある。また、ないのではない。確実にある。 ●無きになす ないものとする。数の中に入れない。無視する。 ●亡き人(ひと) この世にいない人。死んで今はいない人。死者。 ●亡き身(み) 死んでこの世の人ではなくなった身。 ●亡きもの 1 現存しないもの。ないに等しいもの。 2 この世にいない人。死んだ人。 ●亡きものにする 殺す。 ●亡き世(よ) 自分が死んで存在しない世。死後。 ●無くて七癖(ななくせ)あって四十八癖(しじゅうはっくせ) 多かれ少なかれ人には癖がある。 ●無くもがな ない方がよい。なくてよい。あらずもがな。*伊勢‐八四「世の中にさらぬ別れのなくも哉」 ●無しに ⇒親見出し

ない🔗🔉

ない 〔感動〕 1 相手の呼びかけに答えて発することば。江戸時代、武家に仕える下僕(中間・小者・奴)などが用いた。はい。*浄・薩摩歌‐上「ないといらへてふり出す手さきあがりの頭八ぶん」 2 相手の注意をひこうとして呼びかけるとき発することば。なあ。

ない🔗🔉

ない 〔助動〕(現代語の活用は「なかろ(なから)・なく、なかっ・ない・ない・なけれ・〇」。動詞、助動詞「せる」「させる」「しめる」「れる」「られる」「たがる」の未然形に付く打消の助動詞) 1 打消を表す。*ロドリゲス日本大文典「Aguenai(アゲナイ)。Yomanai(ヨマナイ)」*洒・古契三娼「指がどこへかとんで、見えなくなったのさ」 2 (「か」「かしら」などを伴って)否定的叙述の疑問を表す。また、婉曲に命令・希望・勧誘・依頼する意を表す。*洒・遊子方言「貴さまいっそかわないか、出来てゐようから」 [補注](1)起源は、上代東国語の助動詞「なふ」であるとする考え方がある。ただし、「ない」は文献上室町末から関東方言としてあらわれるが、上代との間を結びつける証例は得られない。→なう。(2)近世後期の江戸語では、打消は「ない」より「ぬ」が一般的であるが、国定教科書では尋常小学読本(明治四〇年)以来、「ない」が優位を占めるようになり、今日普通の口語文では、特別の場合のほか、ほとんど「ない」である。(3)「ない」が今日のような活用をするようになったのは、後期江戸語以来と考えられている。それは形容詞の活用に類推したものである。ただし、その初めは、「なかった」よりも「なんだ」「なければ」よりも「ないければ」の言い方のほうが普通である。(4)助動詞「そうだ」、動詞「すぎる」には語幹「な」から続く。「できなそうだ」「できなすぎる」など。形容詞「ない」の場合と同様に、接尾語の「さ」を伴うこともある。「できなさそうだ」「できなさすぎる」など。(5)「ない」は、一般に動詞および動詞活用の助動詞に付くが、(イ)動詞「ある」と助動詞「ます」には接続しない。ただし、文献には、次のような例が見える。「浄・心中宵庚申‐上」の「せく事はあらない」、「滑・八笑人‐二」の「其様なお客はいりましねへ。商売の邪魔になる」など。(ロ)サ変動詞「する」には、未然形「し」に付くのが普通であるが、まれに、「せ」に付くことがある。カ変動詞「来る」には、未然形「こ」に付くが、関東方言には「き」に付くものがある。(6)形容詞、形容動詞、助動詞などの連用形、または、それに助詞「は」「も」の付いたものに付く「ない」は、普通、形容詞「ない」の補助用言としての用法とみる。

ない🔗🔉

ない (助動詞「なる」の命令形)→なる

な・い🔗🔉

な・い 〔接尾〕(形容詞型活用)な・し(形容詞ク活型活用)性質・状態を表す語(多く、形容詞語幹・形容動詞語幹など)に付いてその意味を強調し、形容詞化する。「苛(いら)なし」「うしろめたなし」「切(せつ)ない」「はしたない」など。また、「大層もない」「滅相もない」など、「も」のはいった形でも用いられる。

ナイアガラ‐の‐たき【ナイアガラの滝】🔗🔉

ナイアガラ‐の‐たき【ナイアガラの滝】 (ナイアガラはNiagara)北アメリカ東部、アメリカ合衆国とカナダとの国境をエリー湖からオンタリオ湖へ流れるナイアガラ川にかかる滝。アメリカ領のゴート島で二分される。ゴート島とカナダのオンタリオ州との間にあるカナダ滝は幅八〇〇メートル、高さ四八メートル。ゴート島北東側のアメリカ滝は幅三〇五メートル、高さ五一メートル。

ナイアシン🔗🔉

ナイアシン (アメリカniacin)ニコチン酸のこと。

ない‐あん【内案】🔗🔉

ない‐あん【内案】 1 律令制で、公文書の発給者がみずから作成し、正文(しょうもん)と同一であることを確認された控え。本案。 2 考えること。また、心のうちで考えを練ること。

ない‐い【内衣】🔗🔉

ない‐い【内衣】 1 重ねた小袖の一番上のもの。 2 「ゆかたびら(湯帷子)」の異称。 3 ⇒ないえ(内衣)

ない‐い【内位】(‥ヰ)🔗🔉

ない‐い【内位】(‥ヰ) 律令制で、外(げ)のつかない位階。たとえば、外従五位下は外位で、従五位下は内位。地方官や姓(かばね)の下位の者が位階を与えられるときは、外位に叙せられ、ついで内位に叙せられる。なお、内外の別は五位以下についていう。内階。

ない‐い【内意】🔗🔉

ない‐い【内意】 心の中で考え思うこと。内心。また、公表していない考え。内々の意向。腹案。「長官の内意を伝える」

ナイーブ🔗🔉

ナイーブ 〔形動〕(英nave,naive)〈ナイブ〉 1 人の性格や感じ方、考え方などが、生まれつきのままで、すなおなさま。純真。また、感じやすい性質であるさま。「ナイーブな感じの青年」 2 事物に手のこんだ飾りや技巧がなく、単純なさま。素朴。

ない‐いん【内印】🔗🔉

ない‐いん【内印】 天皇の印。三寸(約九センチメートル)平方で、「天皇御璽」の印文がある。少納言がその職掌にあたり、五位以上の位記や諸国にくだす公文書などに押した。外印(げいん=太政官の印)に対していう。

ない‐いん【内因】🔗🔉

ない‐いん【内因】 1 内部にある原因。物事それ自体に内在する原因。⇔外因。 2 仏語。結果を生ずる直接的な内的原因。外縁(げえん)に対していう。 3 身体それ自身がもっている、病気にかかりやすい性状。素因。

ない‐いん【内院】(‥ヰン)🔗🔉

ない‐いん【内院】(‥ヰン) 伊勢神宮の斎宮寮の三院の一つ。斎内親王の常の御座所。 1 神社の瑞垣(みずがき)の内部。伊勢神宮では内外宮ともに、正殿および東西宝殿を含む神域をさす。 2 =とそつてん(兜率天)の内院 3 寺院などで、奥の方にある道場。 4 矢の的(まと)の中央に近い部分。内規。

ない‐え【内衣】🔗🔉

ない‐え【内衣】 (「え」は「衣」の呉音)仏語。十三資具衣の一つ。裙(くん)2のこと。

ない‐え【内衛】(‥ヱ)🔗🔉

ない‐え【内衛】(‥ヱ) 律令制で、六衛府のうち、左右衛門府・左右兵衛府と区別して、左右近衛府をいう。

ない‐えつ【内謁】🔗🔉

ない‐えつ【内謁】 1 内々で謁見すること。内々に面会すること。内謁見。 2 内々に謁見を願って頼みごとをすること。実権者に取り入ること。

ない‐えつ【内閲】🔗🔉

ない‐えつ【内閲】 内々で閲覧・検閲すること。非公式に見たり調べたりすること。

ない‐えっけん【内謁見】🔗🔉

ない‐えっけん【内謁見】 =ないえつ(内謁)1

ないえつ‐しゃ【内謁者】🔗🔉

ないえつ‐しゃ【内謁者】 1 内謁を賜る人。 2 蔵人(くろうど)の唐名。

ない‐えん【内炎】🔗🔉

ない‐えん【内炎】 ガスバーナーなどの炎で、下部の青緑色に輝く円錐形の部分。炭素・水素・一酸化炭素などが高温で存在し、還元性をもつところから還元炎ともいう。⇔外炎

ない‐えん【内苑】(‥ヱン)🔗🔉

ない‐えん【内苑】(‥ヱン) 御所や神社の中庭。宮中の庭。禁苑。

ない‐えん【内宴】🔗🔉

ない‐えん【内宴】 1 内々に催す宴。内部の者が行う宴。 2 平安時代、正月二一日頃の子(ね)の日に、天皇が、通常、仁寿殿(じじゅうでん)に出御して公卿以下文人などを召して行う内々の宴。題を賜って漢詩や漢文を作り、管弦なども行われた。《季・新年》

ない‐えん【内縁】🔗🔉

ない‐えん【内縁】 1 内々の縁故。私的な縁故関係。 2 事実上は婚姻関係にあり、夫婦としての生活をしているが、婚姻届を出していないために法律上の夫婦とは認められない男女関係。「内縁の夫」 3 内側のへり。内側にそった部分。⇔外縁

ないえん‐りょう【内苑寮】(ナイヱンレウ)🔗🔉

ないえん‐りょう【内苑寮】(ナイヱンレウ) 明治四一年一月宮内省に置かれた寮。庭園および園芸に関する事務をつかさどった。大正三年七月廃止。

ない‐おう【内応】🔗🔉

ない‐おう【内応】 内部の者がひそかに敵と通じること。裏ぎり。内通。「敵に内応する」

ない‐おう【内奥】(‥アウ)🔗🔉

ない‐おう【内奥】(‥アウ) 内部の奥深いところ。奥。

ない‐か【内科】(‥クヮ)🔗🔉

ない‐か【内科】(‥クヮ) 成人の外傷性でない疾患の診断と、手術によらない治療を中心とする臨床医学の一分科。

ない‐かい【内海】🔗🔉

ない‐かい【内海】 1 狭い海峡で外洋と連絡し、陸地に囲まれた海。瀬戸内海など。沿岸が同一国家の領土に属し、内海の入口が一定の距離を越えない場合は、その国の領海を構成する。うちうみ。⇔外海。 2 仏語。須弥山(しゅみせん)とそれを囲んでいる七金山の間にある七海のこと。七金山の外にある外海(げかい)に対する。 3 口の広い、胴の扁平な茶入れの名。大海(たいかい)の小型のもの。

ない‐かい【内界】🔗🔉

ない‐かい【内界】 1 心の中の世界。内部の世界。 2 (ドイツInnenwelltの訳語)自意識の及ぶ領域。広義には、意識領域のほかに、身体をも含むが、狭義には、意識作用をさす。 3 仏語。身体を外界というのに対して、心意をいう。 4 仏語。六界のうち、地・水・火・風・空の五界を外界というのに対して、第六の識界をいう。 ●内界の財貨(ざいか) 知識・芸能のように人間の心の中に存在する無形の財貨をいう。

ない‐かい【内階】🔗🔉

ない‐かい【内階】 =ないい(内位)

ないか‐い【内科医】(ナイクヮ‥)🔗🔉

ないか‐い【内科医】(ナイクヮ‥) 内科を専門とする医師。

ない‐がい【内外】(‥グヮイ)🔗🔉

ない‐がい【内外】(‥グヮイ) 1 内側と外側。内部に属するものと外部に属するもの。国内と国外。「内外の平和を守る」 2 数量、時間などを表す語に付いて、それに近いことを示す語。ぐらい。前後。「五千円内外」

ないがいじん‐びょうどうしゅぎ【内外人平等主義】(ナイグヮイジンビャウドウシュギ)🔗🔉

ないがいじん‐びょうどうしゅぎ【内外人平等主義】(ナイグヮイジンビャウドウシュギ) 外国人にも自国人と平等の権利能力を認める立法上の主義。わが国の民法はこの主義を原則とする。

ない‐かがい【内花蓋】(‥クヮガイ)🔗🔉

ない‐かがい【内花蓋】(‥クヮガイ) =ないかひ(内花被)

ない‐かく【内角】🔗🔉

ない‐かく【内角】 1 多角形の隣り合う二辺のなす角のうち、多角形の内部にある角。⇔外角。「三角形の内角の和」 2 野球で、インコーナー。⇔外角

ない‐かく【内郭・内廓】(‥クヮク)🔗🔉

ない‐かく【内郭・内廓】(‥クヮク) 城の内側に石などで築かれた囲い。また、その地域。うちぐるわ。⇔外郭

ない‐かく【内閣】🔗🔉

ない‐かく【内閣】 (奥深い内方の殿閣の意) 1 中国、明・清時代の政務統轄の最高機関。明の永楽帝(成祖)が殿閣大学士を置いて機務に参与させたのが始まり。清の雍正帝が軍機処を設置したため、次第に実権を奪われた。一九一一年、内閣・軍機処はともに廃止され、責任内閣制度となった。 2 (英cabinetの訳語)首長である内閣総理大臣およびその他の国務大臣で組織される合議体。行政権の主体であり、その行使について国会に対し連帯して責任を負う。天皇の国事に関する行為に助言と承認を与えるほか、一般行政事務、法律の執行、外交関係の処理、条約の締結、予算の作成、政令の制定、大赦特赦の決定などの事務を行う。明治一八年にそれまでの太政官を廃止して設置。政府。

ない‐がく【内学】🔗🔉

ない‐がく【内学】 1 仏教に関する学問。⇔外学(げがく)。 2 自分の信奉する宗教、学問など。⇔外学(げがく)。 3 人前に出るのに先立って、うちで学問の勉強・訓練・習練をすること。

ないかく‐かんぼう【内閣官房】(‥クヮンバウ)🔗🔉

ないかく‐かんぼう【内閣官房】(‥クヮンバウ) 内閣に置かれる機関の一つ。閣議事項の整理、内閣の庶務、閣議を必要とする重要事項の総合調整、および情報の収集調査などにあたる。内閣官房長官が事務を統轄する。

ないかくかんぼう‐ちょうかん【内閣官房長官】(‥クヮンバウチャウクヮン)🔗🔉

ないかくかんぼう‐ちょうかん【内閣官房長官】(‥クヮンバウチャウクヮン) 内閣官房の長。内閣の諸事務を統轄し、内閣総理大臣を補佐する役職。また、その人。

ないかく‐そうりだいじん【内閣総理大臣】🔗🔉

ないかく‐そうりだいじん【内閣総理大臣】 内閣の首長としての国務大臣。現在は、国会議員のなかから、国会の議決によって指名され、天皇により任命される。他の国務大臣を任免する権限をもち、また、総理府の長として所管の行政事務を担当するほか、閣議を主宰し、行政各部を指揮監督する。総理。首相。宰相。

ないかく‐ふしんにんあん【内閣不信任案】🔗🔉

ないかく‐ふしんにんあん【内閣不信任案】 内閣を信任しないという決議案。これが衆議院で可決されたときには、内閣は衆議院を解散するか総辞職するかのいずれかを選ばなければならない。

ないかく‐ぶんこ【内閣文庫】🔗🔉

ないかく‐ぶんこ【内閣文庫】 内閣所蔵図書を収容する文庫。総理府大臣官房の所管。明治六年太政官に文庫掛をおいたのに始まり、その保有する古書、古文書、その他の図書を管理し、各府および一般研究者の閲覧に供している。現在国立国会図書館支部を兼ね、昭和四六年、国立公文書館の一部となった。また紅葉山文庫本、昌平坂学問所本をも継承。

ないかく‐もん【内郭門】(ナイクヮク‥)🔗🔉

ないかく‐もん【内郭門】(ナイクヮク‥) 1 城や王宮などの内がこいの門。 2 内裏の内郭の諸門。外郭の宮門に対して内側の閤門(こうもん)。

ない‐が‐しろ【蔑】🔗🔉

ない‐が‐しろ【蔑】 〔形動〕(「無きが代」の変化。人や物があってもないかのようにするさま) 1 (多く「ないがしろにする」の形で)無視するさま。軽んじあなどるさま。「親をないがしろにした言動」*石山寺本蘇悉地羯羅経略疏天暦五年点‐五「軽(かろ)み蔑(ナイガシロニスル)こと」 2 人目を気にしないでうちとけたさま。しどけないさま。無造作なさま。*源氏‐空蝉「小袿だつ物、ないがしろに着なして」

ないか‐てい【内火艇】(ナイクヮ‥)🔗🔉

ないか‐てい【内火艇】(ナイクヮ‥) 機動艇の一つ。内燃機関で走る小艇。

ない‐かひ【内花被】(‥クヮヒ)🔗🔉

ない‐かひ【内花被】(‥クヮヒ) 種子植物の花被のうち、内側にあって花冠と呼ばれるもの。内花蓋。

ない‐かひ【内果皮】(‥クヮヒ)🔗🔉

ない‐かひ【内果皮】(‥クヮヒ) 果皮の最も内側にある層。ウメ・モモではかたい果核だが、ミカンでは果肉の部分にあたるなど、性状は多様。

ない‐がま【薙鎌・鎌】🔗🔉

ない‐がま【薙鎌・鎌】 「なぎがま(薙鎌)」の変化した語。

ない‐かん【内官】(‥クヮン)🔗🔉

ない‐かん【内官】(‥クヮン) 1 律令制で、京都に居住し、中央官庁に勤務した役人。京官。外官(げかん)に対していう。 2 宮中に奉仕する官吏。 ●内官の除目(じもく) =つかさめし(司召)の除目

ない‐かん【内勘】🔗🔉

ない‐かん【内勘】 内々で勘定すること。

ない‐かん【内患】(‥クヮン)🔗🔉

ない‐かん【内患】(‥クヮン) 内部のわざわい。内包している心配事。特に国内の心配事をいう。内憂。⇔外患

ない‐かん【内感】🔗🔉

ない‐かん【内感】 精神活動によって知覚される感覚。内的経験。反省。

ない‐かん【内観】(‥クヮン)🔗🔉

ない‐かん【内観】(‥クヮン) 1 仏語。自分自身を内省して、仏性・仏身などを観ずること。観心(かんじん)。 2 自己の内面を観察すること。内省。 3 (英intro-spectionの訳語)心理学で、自己の意識現象を意図的・計画的に観察すること。内省。自己観察。

ない‐がん【内含】🔗🔉

ない‐がん【内含】 1 内部に含むこと。包含。内包。内在。 2 (英implicationの訳語)=がんい(含意)

ない‐かんかく【内感覚】🔗🔉

ない‐かんかく【内感覚】 身体内部の刺激源から出される刺激によって身体内の状態や変化を意識させる感覚。深部感覚・内臓感覚や意欲感覚などが含まれる。内部感覚。⇔外感覚

ないかん‐ほう【内観法】(ナイクヮンハフ)🔗🔉

ないかん‐ほう【内観法】(ナイクヮンハフ) (英introspective methodの訳語)自分自身の心理過程を自分自身で考察したり、他の人々の自己観察による報告をもとにしたりして研究をすすめる方法。内省法。

ない‐かんりょう【内管領】(‥クヮンリャウ)🔗🔉

ない‐かんりょう【内管領】(‥クヮンリャウ) =うちかんれい(内管領)

ない‐かんれい【内管領】(‥クヮンレイ)🔗🔉

ない‐かんれい【内管領】(‥クヮンレイ) =うちかんれい(内管領)

ない‐き【内記】🔗🔉

ない‐き【内記】 1 律令制で、中務(なかつかさ)省の品官(ほんかん)。詔・勅の起草、位記の作成をつかさどる。文人・学者が選任された。令の規定では大・中・少内記各二人があるが、中内記は廃された。唐名、柱下・柱史。うちのしるすつかさ。 2 =しょじょうじしゃ(書状侍者)

ない‐き【内規】🔗🔉

ない‐き【内規】 1 内部の規定。部内の規約。内規則。 2 三重の円になった矢の的(まと)の最も中心に近い所。内院。

ない‐ぎ【内儀・内義】🔗🔉

ない‐ぎ【内儀・内義】 他人の妻を敬っていう語。近世、特に町家の妻に対していう。さらに敬って「おないぎ」とも。内方(ないほう)。

ない‐ぎ【内議・内儀・内義】🔗🔉

ない‐ぎ【内議・内儀・内義】 1 内々の相談。内々で評議すること。また、その評議。とりきめ。 2 表向きでない内々のこと。内情、内心など。内証。 3 内々の規模。大がかりでないこと。また、そのような法要や演能。

ない‐ぎき【内聞】🔗🔉

ない‐ぎき【内聞】 内々で聞くこと。ひそかに聞くこと。また、そのことがら。

ない‐きゃく【内客】🔗🔉

ない‐きゃく【内客】 内々の客。うちわの客。また、秘密の客。

ない‐きゅう【内給】(‥キフ)🔗🔉

ない‐きゅう【内給】(‥キフ) 平安中期以降、天皇に与えられた年給。毎年、諸国の掾(じょう)二人、目(さかん)三人、および史生その他の一分官二〇人の任官を請求する権利で、天皇はこれによって近侍の者に官職を与え、あるいは任料を得て財源の不足を補い、また、この権利を乳母、女房に年官として与えてその給与の一部とするなどのために用いた。→年給

ない‐きょ【内許】🔗🔉

ない‐きょ【内許】 内々で許可すること。

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