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もの【物】🔗🔉

もの【物】 〔空間に位置を占め、形をもち、実際に見たり触れたりできる対象。抽象的な動作・作用、状態・変化などをいう「こと(事)」に対する。連体形を受ける言い方では、俗に「もん」とも〕 物体・物質、品物・物品、ひいては生物まで、具体的存在物を広くとらえていう。 「━には形と色がある」 「━が市場にあふれている」 「何か食べる━はないか」 「地球上に生きるすべての━に幸いあれ」 「洗い━・続き━・生き━」 ◇上に連体修飾語を伴うことも多い。 具体的な存在から離れて、物事や事物を広くとらえていう。考え・知識・言葉や、その他の事柄など、はっきりとはとらえ難いが、確かに意識の対象となる存在。 「━を思う」 「━を言う」 「━には順序がある」 悪霊など、得体えたいが知れず、恐ろしい存在。 「━に憑かれる」 「━の怪」 ◇直接指すことを避けていったもの。 考慮・注目・問題視すべき対象となる存在。 「遠路を━ともしない」 「━の数にも入らない」 《多く「━の」の形で》対象をはっきりと示さず、漠然ばくぜんととらえていう。 「━の五分とたたないうちに…」 「━のはずみ」 《連体修飾語を受けて》それによって特徴づけられるさまざまの、抽象的な物事や事物を表す。 「これは誰にでもできる━ではない」 「死因は出血による━だ」 「あれだけできれば大した━だ」 「心のどこかに寂しい━がある」 《主に「…という━」の形で》物事を抽象概念としてではなく、具体的な事物としてとらえていることを明示する。 「年老いて初めて若さという━の貴重さを知った」 《「…ような[みたいな]━だ」の形で、助動詞的に》ある事態を比喩ひゆ的に述べたり、近似値で述べたりする。言ってしまえば(だいたい)こうだ。 「それは猫に鰹節かつおぶしを預けるような━だ」 《「…━だ」の形で、活用語の連体形を受けて》 《助動詞的に》本性、当然、当為などを表す。 「だいたいにおいて、夏は暑い━だ」 「見られないとなると、かえって見たくなる━だ」 「苦労は買ってでもする━だ」 否定の言い方は「━では[じゃ]ない」。「本来的に暴力は許される━ではない」など、本性、不適当、禁止の意を表す。 《終助詞的に》感動・詠嘆を表す。 「世の中にはすごい人がいる━だ」 「いやあ、よくもそんなに食べられる━だ」 《「…━だ」の形で、過去の助動詞「た(だ)」を受けて、助動詞的に》過去の経験を感慨を込めて回想・確認する。 「昔は体重も尺貫法でいった━だ」 「子供のころはよくあの川で泳いだ━だなあ」 《「…たい[…てほしい]━だ」の形で、助動詞的に》感慨を込めた願望を表す。 「たまにはゆっくり休みたい━だなあ」 「今年は何としても優勝してほしい━だ」 《「…そうな━だ」の形で、動詞連用形を受けて、助動詞的に》事態が成立しそうに見えて、なかなか成立しないことを感慨を込めていう。 「それとなく察しがつきそうな━だが」 《「…━ではない」の形で、過去の助動詞「た(だ)」を受けて、終助詞的に》押しつけや通念に対する強い反発や反論を表す。とても…ではない。 「あの薬は苦くて飲めた━ではない」 「土足で乗り込まれたのではたまった━ではない」 《「…という━だ」の形で、終助詞的に》→言う 「これこそ本当の幸福という━だ」 《「━とする」の形で、活用語の連体形を受けて》そういう規定や仮定を設ける意を表す。 「委員は互選によって選出される━とする」 「かりに人間は死なない━とする」 《名詞に付いて複合語を作る》 それに所属する・関係する、などの意を表す。 「春━の服」 「男━・女━」 「縁起━・時代━」 まさにそれに相当する、の意を表す。 「冷や汗━・表彰━・眉唾まゆつば━」 接頭《形容詞・形容動詞の上に付いて》何となくそのようなようすである意を表す。 「━悲しい」 「━静かだ」 ◆は、一般にかな書き。は、漢字書きが一般的だが、近年かな書きが増えた。 には、「もんだ(くだけた俗語的な言い方)」「ものです(丁寧な言い方)」などのバリエーションがある。→もの(終助)ものかものでものならもののものを

物ともしない🔗🔉

物ともしない

物ともせず🔗🔉

物ともせず 問題にもしない。何とも思わない。物ともしない。 「逆風を━突き進む」 「失敗を━に最後までやり遂げた」 「もろともせず」は誤り。

物に・する🔗🔉

物に・する 手に入れる。また、習得する。 「中国語を━」 詩文などを作る意で使うのは誤り。「著作を×ものにする→ものする」

物にな・る🔗🔉

物にな・る 一人前になる。また、ある段階にまで達する。 「練習を続ければ何とか━」

物は相談🔗🔉

物は相談 困ったときは人に相談すればうまくいきやすいの意で、相手に相談をもちかけるときに使うことば。 「━だが、君から説得してくれないか」

物は試ため🔗🔉

物は試ため 物事は実際にやってみないと成否は分からないということ。 「━、当たってみるか」 近年「物の試しに[で]」とも言うが、本来的でない。

物を言・う🔗🔉

物を言・う 効力を発揮する。 「経験が━社会」

物を言わ・せる🔗🔉

物を言わ・せる 力を発揮させる。 「財力に━・せて美術品を買い集める」

もの【者】🔗🔉

もの【者】 《上に連体修飾語を伴って、形式名詞的に》そのような特質をもった人の意を表す。 「若い━にはまだ負けない」 「家うちの━に連絡する」 「働き━・ひょうきん━」 ◆「物」と同語源。 単独で使う場合、軽視や卑下の対象となることが多い。「次の方[人]は申し出てください」「次の者は申し出よ」のように、「者」は「方・人」と違って、敬語化になじまない。 関連語 大分類‖人‖ひと 中分類‖人間‖にんげん

もの🔗🔉

もの 終助理由を述べる。 「でも、食べたくないんですもの」 「そう言われたって退屈だもの」 ◇形式名詞「もの」から。「ですもの」「ますもの」など丁寧語に付ける形は、主に女性が使う。くだけた言い方では「もん」とも。「あんな所、行きたくないもん 活用語の終止形に付く。 接続助詞的にも使う。「まだ子供だもの、無理ですよ」 反駁はんばくや訴えなどの気持ちがこもることも多い。また、終助詞「な」「ね」が付くと、相手と同調する気持ちが伴う。「今日はよく働いたものな」「この辺りは冬が厳しいですものね」

もの‐あんじ【物案じ】🔗🔉

もの‐あんじ【物案じ】 名・自他サ変〔古風な言い方で〕物事を思案すること。心配すること。

もの‐いい【物言い】━イヒ🔗🔉

もの‐いい【物言い】━イヒ 物を言うこと。また、物の言い方。言葉づかい。 「ぞんざいな━をする」 言い争い。口論。 決定について異議を唱えること。特に相撲で、行司の判定に対して審判委員や控え力士が異議を申し入れること。 「━がつく」

もの‐いみ【物忌み】🔗🔉

もの‐いみ【物忌み】 名・自サ変 神事などに際して一定期間飲食や言行を慎み、不浄を避けて心身を清めること。潔斎。斎戒。 夢見や暦の日取りが凶のとき、また不浄に触れたときなどに、一定期間家にこもって身を慎むこと。

もの‐いり【物入り】🔗🔉

もの‐いり【物入り】 名・形動費用のかかること。出費。散財。 「年末は何かと━だ」

もの‐う・い【物憂い(懶い)】🔗🔉

もの‐う・い【物憂い(懶い)】 なんとなく心が晴れない気持ちである。気がふさいで、おっくうに思うさま。けだるい。 「━気分」 「━春」 ‐げ/‐さ 関連語 大分類‖悲しい感情‖かなしいかんじょう 中分類‖憂い‖うれい

もの‐うり【物売り】🔗🔉

もの‐うり【物売り】 商品を持ち歩いて、または露天に並べて売りさばくこと。また、その人。

もの‐おき【物置】🔗🔉

もの‐おき【物置】 普段あまり使わない雑多な道具などを入れておく場所。また、そのための小屋。物置小屋。

もの‐おじ【物怖じ】━オヂ🔗🔉

もの‐おじ【物怖じ】━オヂ 名・自サ変なにかにつけて物事をこわがること。 「━しない子」 関連語 大分類‖不快な心の状態‖ふかいなこころのじょうたい 中分類‖恐れ‖おそれ

もの‐おしみ【物惜しみ】━ヲシミ🔗🔉

もの‐おしみ【物惜しみ】━ヲシミ 物を使ったり、人に物を与えたりすることを惜しがること。

もの‐おそろし・い【物恐ろしい】🔗🔉

もの‐おそろし・い【物恐ろしい】 なんとなく恐ろしいさま。 「━うなり声」 ‐げ/‐さ

もの‐おと【物音】🔗🔉

もの‐おと【物音】 物が立てる音。 「━一つしない」 関連語 大分類‖音‖おと 中分類‖‖おと

もの‐おぼえ【物覚え】🔗🔉

もの‐おぼえ【物覚え】 物事を覚えること。記憶。 「━のよい子」 関連語 大分類‖記憶‖きおく 中分類‖記憶‖きおく

もの‐おもい【物思い】━オモヒ🔗🔉

もの‐おもい【物思い】━オモヒ あれこれと考えること。また、思い悩むこと。 「━にふける」 「━に沈む」 関連語 大分類‖悲しい感情‖かなしいかんじょう 中分類‖憂い‖うれい

もの‐か🔗🔉

もの‐か 終助強く否定する気持ちを表す。 「あんな奴に負けるものか」 「あの人に私の気持ちが分かるものか」 「こんなに晴れているのに、雨なんか降るもんか」 「彼が犯人なものか」 ◇名詞「もの」+終助詞「か」から。くだけた言い方では「もんか」とも。 活用語の連体形に付く。

もの‐かき【物書き】🔗🔉

もの‐かき【物書き】 文章を書くこと。また、それを職業としている人。 絵描えか

もの‐かげ【物陰】🔗🔉

もの‐かげ【物陰】 物に隠れて見えない所。 「━にひそむ」

もの‐かげ【物影】🔗🔉

もの‐かげ【物影】 何かの姿。物の形。 「━が動く」

もの‐がた・い【物堅い】🔗🔉

もの‐がた・い【物堅い】 実直で義理がたいさま。律儀である。 「━・くて信用の厚い人」 ‐さ

もの‐がたり【物語】🔗🔉

もの‐がたり【物語】 ある事柄について話すこと。また、その内容。 「聞くも涙の━」 「寝━」 古くから語り伝えられてきた話。 「八郎潟にまつわる━」 作者の見聞や想像をもとに虚構として作られ、相手に語る形式で書かれた散文作品。 「軍記━」 「━文学」

もの‐がた・る【物語る】🔗🔉

もの‐がた・る【物語る】 他五 ある事柄についてまとまった話をする。語る。 「子供たちに戦争体験を━」 「克明に[赤裸々に]━」 「事件の一部始終を━」 ある事実がおのずからある意味を表す。 「節くれ立った手が厳しい労働を━」 「瓦礫がれきの山が爆発のものすごさを━」 「如実に[雄弁に・暗々裏に]━」 ものがたれる 物語 関連語 大分類‖話す‖はなす 中分類‖話す‖はなす

もの‐がなし・い【物悲しい】🔗🔉

もの‐がなし・い【物悲しい】 なんとなく悲しいさま。 「━調べ」 ‐げ/‐さ 関連語 大分類‖悲しい感情‖かなしいかんじょう 中分類‖悲しい‖かなしい

もの‐かは🔗🔉

もの‐かは 連語〔古い言い方で〕もののかずではない。 「向かい風も━舟をこぐ」 ◇名詞「もの」+副助詞「かは」から。

もの‐ぐさ【物臭・懶】🔗🔉

もの‐ぐさ【物臭・懶】 名・形動何かをするのを面倒がること。また、そのような性質・人。 「━な人」

モノグラム[monogram]🔗🔉

モノグラム[monogram] 頭文字などを組み合わせて図案化したもの。商標や署名に用いる。組み字。

もの‐ぐるおし・い【物狂おしい】━グルホシイ🔗🔉

もの‐ぐるおし・い【物狂おしい】━グルホシイ 正気を失わせるほどの強烈な刺激や印象があるさま。 「━ほどの色香」 ‐げ/‐さ

モノクロ🔗🔉

モノクロ 「モノクローム」の略。→モノクローム 「━写真」

モノクローム[monochrome]🔗🔉

モノクローム[monochrome] 一色だけで描かれた絵画。単色画。 画面が白黒の写真や映画。モノクロ。 ⇔カラー

もの‐ごい【物乞い】━ゴヒ🔗🔉

もの‐ごい【物乞い】━ゴヒ 名・自サ変他人に金品を恵んでくれるよう頼むこと。また、その人。乞食こじき

もの‐ごころ【物心】🔗🔉

もの‐ごころ【物心】 世の中の道理や人情などを理解する心。 「━がつく(=幼児期を過ぎて、世の中の物事が何となくわかってくる)」 関連語 大分類‖心‖こころ 中分類‖‖こころ

もの‐ごし【物腰】🔗🔉

もの‐ごし【物腰】 他人と接するときの態度や言葉遣い。 「━の柔らかい人」

もの‐ごと【物事】🔗🔉

もの‐ごと【物事】 この世にある有形・無形のすべてのもの。一切の事物。もの。 「━を多面的にとらえる」 「━は初めが肝心だ」 ◇「物と事」の意。 「事物じぶつ」は「もの」に、「物事」は「こと」に重点を置いて使う。「事柄」は「物事」より抽象度が高い。 関連語 大分類‖事‖こと 中分類‖‖こと

もの‐さし【物差し(物指し)】🔗🔉

もの‐さし【物差し(物指し)】 物にあてがい、刻まれた目盛りで長さを測る道具。竹製・金属製・プラスチック製などがある。さし。 評価の基準。尺度。 「普通の━でははかれない人物」 関連語 大分類‖程度‖ていど 中分類‖標準‖ひょうじゅん

もの‐さびし・い【物寂しい(物淋しい)】🔗🔉

もの‐さびし・い【物寂しい(物淋しい)】 なんとなく寂しい。 「━夕景」 ‐げ/‐さ

もの‐さ・びる【物寂びる】🔗🔉

もの‐さ・びる【物寂びる】 自上一どことなく古びてみすぼらしくなる。また、古びてどことなく趣がある。 「━・びた古寺」 ものさ・ぶ(上二)

もの‐しずか【物静か】━シヅカ🔗🔉

もの‐しずか【物静か】━シヅカ 形動 ひっそりと静かなさま。 「━な境内」 態度や言葉遣いが落ち着いていて穏やかなさま。 「━な人」

もの‐しらず【物知らず(物識らず)】🔗🔉

もの‐しらず【物知らず(物識らず)】 知識・常識がないこと。また、その人。

もの‐しり【物知り(物識り)】🔗🔉

もの‐しり【物知り(物識り)】 さまざまな物事を知っていること。また、その人。博識。

ものしり‐がお【物知り顔】━ガホ🔗🔉

ものしり‐がお【物知り顔】━ガホ いかにも物事を知っているというような顔つき。 「━に語る」

もの‐ずき【物好き】🔗🔉

もの‐ずき【物好き】 名・形動風変わりな物事を好むこと。また、そのような人。 「この雨の中を花見とは━な人だ」

もの‐すご・い【物凄い】🔗🔉

もの‐すご・い【物凄い】 普通では考えられないくらい、物事の程度が甚だしいさま。驚くほどすごい。尋常でない。 「キャンペーンの反響が━」 「外は━風だ」 「足が━・く痛い」 表情や姿が非常に恐ろしい。 「━形相ぎょうそうで追いかけてきた」 ‐さ

もの・する【物する】🔗🔉

もの・する【物する】 他サ変詩文などを作る。 「一句━」 もの・す(サ変)

もの‐・だ【(物だ)】🔗🔉

もの‐・だ【(物だ)】 連語もの(物)

もの‐だね【物種】🔗🔉

もの‐だね【物種】 物事のもとになるもの。 「命あっての━」

もの‐たりな・い【物足りない】🔗🔉

もの‐たりな・い【物足りない】 連語何かが欠けていて満ち足りない気持ちである。また、内容が不十分で人の心を満たさないさま。もの足らない。 「おかずが少なくて━」 「通り一遍の━説明」

もの‐で🔗🔉

もの‐で 接助言い訳がましく理由を示す。…ものだから。 「貧乏所帯なもので、大したおかまいもできません」 「気が弱いもので、断れません」 ◇名詞「もの」+断定の助動詞「だ」の連用形「で」から。 活用語の連体形に付く。形容動詞、助動詞「だ」の類では終止形にも付く。「病弱な/だもので、授業も休みがちです」「学生な/だもので、金銭的に余裕がありません」 くだけた言い方では、「もんで」となる。「ついでがあったもんで、寄らせてもらいました」

モノトーン[monotone]🔗🔉

モノトーン[monotone] 名・形動 単調であること。一本調子。 単一色の濃淡や明暗だけで表現すること。

もの‐ども【者ども(者共)】🔗🔉

もの‐ども【者ども(者共)】 二人称の人代名詞目下の人々に呼びかける語。お前たち。その方ども。 「━、後に続け」

もの‐とり【物取り(物盗り)】🔗🔉

もの‐とり【物取り(物盗り)】 他人の金品を盗み取ること。また、その人。どろぼう。

もの‐なら🔗🔉

もの‐なら 接助 《可能表現など物事の実現を表す動詞の連体形を受け、下に命令や希望や推奨の表現を伴って》順接の仮定条件できないと思われることをあげて、それにもかかわらず、後にその実現を命令したり希望したり推奨したりするのに使う。 「勝てるものなら勝ってみろ」 「できるものなら、代わってやりたい」 《助動詞「…(よ)う」を受けて》好ましくない事態が起こるきっかけを表す。もし万一…ならば。 「口答えをしようものなら、大目玉をくらう」 「雨でも降ろうものならすぐに洪水だ」 ◆名詞「もの」+断定の助動詞「だ」の仮定形「なら」から。 くだけた言い方では、「もんなら」となる。

もの‐な・れる【物慣れる(物馴れる)】🔗🔉

もの‐な・れる【物慣れる(物馴れる)】 自下一その物事になれる。なれて扱いがうまくなる。 「━・れた態度で応対する」 ものな・る(下二)

もの‐の【(物の)】🔗🔉

もの‐の【(物の)】 連体数を表す語の上に付いて、それが大した程度ではない意を表す。ほんの。たかだか。 「━五分もあれば出来上がる」

もの‐の🔗🔉

もの‐の 接助 逆接の確定条件前件の内容を一応は認めながらも、なおそれとは矛盾する事柄が後件に続くことを表す。…ではあるが、しかし。…とは言え。 「出席すると返事はしたものの、行く気がしない」 「力はあるものの、実戦に弱い」 「一口にマスコミとは言うものの、その実体はさまざまだ」 《「…からいいようなものの」「…からよかった(ような)ものの」の形で》ある大きな事態を回避する原因となった出来事が、確実なものではなく偶然もたらされた意を表す。 「私が気づいたからいいようなものの、ほかの人だったらどうするつもりだ」 「援軍があったからよかったものの、そうでなければ壊滅していた」 《「…すれば[すると]いい(ような)ものの」などの形で》そうすれば物事が好転することがわかっていながら、の意を表す。…なのに。…ものを。 「店をたたんでしまえばいいようなものの、諸般の事情があってそうもいかない」 「謝れば済むようなものの、その一言が言えない」 ◆名詞「もの」+助詞「の」から。 活用語の連体形に付く。 くだけた言い方で、「もんの」となることもある。「喜助はんのとこへ、嫁にきたちゅうもンの、…水上勉

もの‐の‐あわれ【物の哀れ】━アハレ🔗🔉

もの‐の‐あわれ【物の哀れ】━アハレ 本居宣長が唱えた平安文学の美的理念。外界の「もの」と、それにふれたときにわき起こる感動の「あわれ」とが一致した所に生じる、しみじみとした情趣の世界を理念化した語。 ◇一般に、外界の事物にふれたときに生じる、しみじみとした情趣・哀感の意でも使う。

もの‐の‐かず【物の数】🔗🔉

もの‐の‐かず【物の数】 特に数えたてるほど価値のあるもの。 「あんなチームは━ではない」 ◇多く打ち消しの語を伴って使う。

もの‐の‐ぐ【物の具】🔗🔉

もの‐の‐ぐ【物の具】 調度品。道具。 武具。特に、鎧よろい

もの‐の‐け【物の怪(物の気)】🔗🔉

もの‐の‐け【物の怪(物の気)】 人にとりついて祟たたりをするといわれる生き霊・死霊・妖怪の類。 関連語 大分類‖魔物‖まもの 中分類‖化け物‖ばけもの

もの‐の‐ふ【武士🔗🔉

もの‐の‐ふ【武士 〔雅〕武士。武人。 関連語 大分類‖戦争‖せんそう 中分類‖軍人‖ぐんじん

もの‐の‐ほん【物の本】🔗🔉

もの‐の‐ほん【物の本】 ある事柄に関することが書かれた本。 「━によるとその寺は寛永年間に焼失したという」 本の総称。書物。 関連語 大分類‖読み物‖よみもの 中分類‖‖ほん

ものの‐みごとに【物の見事に】🔗🔉

ものの‐みごとに【物の見事に】 連語〔副詞的に〕 たいそう鮮やかに。 「━やってのける」 完全に。 「━失敗する」

もの‐び【物日】🔗🔉

もの‐び【物日】 祝い事や祭礼などが行われる特定の日。

モノフォニー[monophony]🔗🔉

モノフォニー[monophony] 一つの声部だけからなる音楽。単旋律音楽。単音楽。→ポリフォニー

もの‐ほし【物干し】🔗🔉

もの‐ほし【物干し】 洗濯物を干すこと。また、そのための場所。物干し場。 「━竿ざお

ものほし‐げ【物欲しげ】🔗🔉

ものほし‐げ【物欲しげ】 形動いかにも物が欲しそうなさま。もの欲しそう。 「━な顔」

ものほし‐そう【物欲しそう】━サウ🔗🔉

ものほし‐そう【物欲しそう】━サウ 形動いかにも物が欲しそうなさま。ものほしげ。 「━な顔をする」

モノマニア[monomania]🔗🔉

モノマニア[monomania] 一つのことに病的に執着する人。偏執狂。

もの‐まね【物真似🔗🔉

もの‐まね【物真似 名・他サ変 人や動物の声・動作などをまねること。また、それを行う芸。 他人のしたことをそっくりまねること。 関連語 大分類‖学習‖がくしゅう 中分類‖真似‖まね

もの‐み【物見】🔗🔉

もの‐み【物見】 見物すること。 「━遊山ゆさん(=あちこちを見物して遊び歩くこと)」 戦場で、敵情を偵察すること。また、その役の人。 眺望のために設けた場所や施設。 「━櫓やぐら」 関連語 大分類‖見る‖みる 中分類‖見張り‖みはり

ものみ‐だか・い【物見高い】🔗🔉

ものみ‐だか・い【物見高い】 好奇心が強く、何でも珍しがって見物したがるさま。 「━群衆が押しかける」

もの‐めずらし・い【物珍しい】━メヅラシイ🔗🔉

もの‐めずらし・い【物珍しい】━メヅラシイ 見ることが少なく、好奇心をそそるさま。なんとなく珍しい。 「物珍しそうに仮装行列を眺める」 ‐げ/‐さ/‐が・る

もの‐もう・す【物申す】━マウス🔗🔉

もの‐もう・す【物申す】━マウス 自五ものを言う。特に、文句を言う。 「役所[プロ野球界]に━」 ◇古くは、「物言う」の謙譲語。

もの‐もち【物持ち】🔗🔉

もの‐もち【物持ち】 財産をたくさん持っている人。財産家。 物を大切にして、いつまでも持っていること。 「━のいい人」 関連語 大分類‖金銭‖きんせん 中分類‖金持ち‖かねもち

ものもの‐し・い【(物物しい)】🔗🔉

ものもの‐し・い【(物物しい)】 いかにも厳重で厳しい態度をとっているように思わせるさま。いかめしい。大げさだ。 「━いでたち」 「━警戒網を張る」 「━話し方をする」 ‐げ/‐さ

もの‐もらい【物貰い】━モラヒ🔗🔉

もの‐もらい【物貰い】━モラヒ 他人から食べ物などをもらって生活すること。また、その人。乞食こじき まぶたにできる小さなはれもの。まつげの根もとの脂腺に細菌が侵入して炎症を起こす。 ◇麦粒腫ばくりゅうしゅの通称。

もの‐やわらか【物柔らか】━ヤハラカ🔗🔉

もの‐やわらか【物柔らか】━ヤハラカ 形動言動がやさしく、穏やかであるさま。 「━な態度」 「━に話す」 ‐さ

モノラル[monaural]🔗🔉

モノラル[monaural] 単一のマイク・スピーカーだけを使って録音・再生する方式。 ⇔ステレオ

モノレール[monorail]🔗🔉

モノレール[monorail] 一本のレールを使って列車を走行させる鉄道。単軌鉄道。レールから車両をつり下げる懸垂式と、上にまたがらせる跨座こざ式とがある。

モノローグ[monologue]🔗🔉

モノローグ[monologue] 演劇で、登場人物が相手なしに一人で語る台詞せりふ。独白。 ⇔ダイアローグ 登場人物が一人だけの芝居。独演劇。

もの‐わかり【物分かり】🔗🔉

もの‐わかり【物分かり】 物事の道理・事情などをよく理解すること。また、その能力・程度。 「━のいい人」 関連語 大分類‖学習‖がくしゅう 中分類‖理解‖りかい

もの‐わかれ【物別れ】🔗🔉

もの‐わかれ【物別れ】 話し合いなどがまとまらないままに終わること。 「交渉が━に終わる」 関連語 大分類‖離れる‖はなれる 中分類‖別れ‖わかれ

もの‐わすれ【物忘れ】🔗🔉

もの‐わすれ【物忘れ】 名・自サ変物事を忘れること。 「━がひどい」 関連語 大分類‖記憶‖きおく 中分類‖忘れる‖わすれる

もの‐わらい【物笑い】━ワラヒ🔗🔉

もの‐わらい【物笑い】━ワラヒ 世間の人々があざけり笑うこと。また、その対象。 「世の━になる」 関連語 大分類‖声に出す行為‖こえにだすこうい 中分類‖笑う‖わらう

もの‐を🔗🔉

もの‐を 接助そうしなかったことに対する不満や恨みをこめて、逆接的に下に続ける。仮定条件にも確定条件にも使う。…のに。 「一言断ればいいものを、黙ってやるから怒られるのだ」 「あれほど謝っているものを、なんで許してやらないのだ」 ◇名詞「もの」+助詞「を」から。 活用語の連体形に付く。 後件の句が略されて、終助詞的にも使う。「知らせてくれれば助けてやれたものを」「もう一息で完成させられたものを

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