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いろ【色】🔗⭐🔉
いろ【色】
➊視覚のうち、光波のスペクトル組成の差異によって区別される感覚。光の波長だけでは定まらず、一般に色相、彩度および明度の3要素によって規定される。色彩。
➋色彩に関係ある次のようなもの。
①階級で定まった染色。当色とうじき。
②禁色きんじき。宇津保物語初秋「―ゆるされたる限り」
③喪服のにびいろ。源氏物語少女「世の中―改まりて」
④婚礼や葬礼の時、上に着る白衣。色着いろぎ。色被り。浄瑠璃、博多小女郎波枕「惣左衛門が葬礼に喪服いろを着て供してみせ」
⑤顔色。「―が悪い」
⑥おしろい。化粧。「―を作る」
⑦醤油しょうゆや紅べにの異称。
➌容姿などが美しいこと。
①容姿または髪の毛が美しいこと。宇津保物語藤原君「―なる娘ども」。源氏物語竹河「御ぐし―にて」。「―男」
②物事の美しさ。はなやかさ。「声に―がある」
➍ものの趣。
①興味。趣味。古今和歌集序「今の世の中、―につき、人の心、花になりにけるより」
②けはい。きざし。様子。古今和歌集春「春の―のいたりいたらぬ里はあらじ」。「秋の―が深まる」「敗北の―が濃い」
③調子。響き。「音ね―」「声こわ―」
➎愛情。愛情の対象たる人。
①なさけ。新古今和歌集雑「明石潟―なき人の袖を見よ」
②色情。欲情。情事。伊勢物語「これは―好むといふすきもの」。日葡辞書「イロヲコノム」。浄瑠璃、桂川連理柵「お半様の―の相手」
③情人。恋人。色男。色女。浄瑠璃、冥途飛脚「―で逢ひしは早昔、今日は親身の女夫合ひ」。徳田秋声、足迹「情人いろでも何でもないものなら、お前が自腹を切る謂いわれはないぢやないか」
④遊女。
➏①種類。品目。宇津保物語俊蔭「目に見ゆる鳥・獣、―もきらはず殺し食へば」。「色書いろがき」「大きさは幾―もある」
②(種々の物の意)租税としての物品。しき。→色代納いろだいおさめ。
➐邦楽で、主旋律でない修飾的な節。また、言葉の部分と節の部分との中間的な扱いをする唱え方。謡曲・義太夫等種目ごとに類型がある。
⇒色変えぬ松
⇒色に出る
⇒色の白いは七難隠す
⇒色は思案の外
⇒色も香も
⇒色を失う
⇒色を替え品を替える
⇒色を損ず
⇒色を正す
⇒色を作る
⇒色を付ける
⇒色を作す
⇒色を鬻ぐ
いろ‐あい【色合い】‥アヒ🔗⭐🔉
いろ‐あい【色合い】‥アヒ
①色のぐあい。色の加減。色調。また、顔色。「落ち着いた―」
②性格や傾向などのぐあい。「政治的―が濃い」「―の違う連中」
③演劇で、男女の恋愛の情をうつしたしぐさ。歌舞伎、与話情浮名横櫛ト書「お富と与三郎見合ひ、…―の摺れ違ひありて」
いろ‐あく【色悪】🔗⭐🔉
いろ‐あく【色悪】
歌舞伎の役柄。悪役あくやくでありながら外見は二枚目の役柄。色男の敵役かたきやく。「四谷怪談」の伊右衛門など。
いろ‐あわい【色合】‥アハヒ🔗⭐🔉
いろ‐あわい【色合】‥アハヒ
色の調子。いろあい。
いろ‐あわせ【色合せ】‥アハセ🔗⭐🔉
いろ‐あわせ【色合せ】‥アハセ
見本と照合して、それと色が違わないか確かめること。
いろ‐いろ【色色】🔗⭐🔉
いろ‐いろ【色色】
①さまざまの色。種々の色。古今和歌集秋「秋は―の花にぞありける」
②女房の襲かさねの色目で、各種の色を重ねること。栄華物語根合「菊の―に、濃き打ちたる蘇芳の唐衣」
③(副詞的にも用いる)種類の多いさま。さまざま。くさぐさ。種々。竹取物語「―の病をして」。「―な国」「―手を尽くした」「―と工夫をこらす」「その他―」
⇒いろいろ‐おどし【色色縅】
⇒いろいろ‐ごろも【色色衣】
⇒いろいろ・し【色色し】
いろいろ‐おどし【色色縅】‥ヲドシ🔗⭐🔉
いろいろ‐おどし【色色縅】‥ヲドシ
よろいの縅毛おどしげの名。種々の糸や革で縅したもの。段々おどし。まぜおどし。
⇒いろ‐いろ【色色】
いろいろ‐ごろも【色色衣】🔗⭐🔉
いろいろ‐ごろも【色色衣】
種々の色でつぎはぎをした衣服。つくろいをした、ぼろぼろの着物。夫木和歌抄33「賤の女めがつま木とりにと麻を着て―袖まくりしつ」
⇒いろ‐いろ【色色】
いろいろ・し【色色し】🔗⭐🔉
いろいろ・し【色色し】
〔形シク〕
①色好みのようである。古今著聞集16「―・しき者にて、…女といへば心をうごかしけり」
②きらびやかである。けばけばしい。義経記6「別して―・しくも出で立たず」
⇒いろ‐いろ【色色】
いろ・う【色ふ・彩ふ・艶ふ】イロフ🔗⭐🔉
いろ・う【色ふ・彩ふ・艶ふ】イロフ
[一]〔自四〕
色が美しく映える。色どりが多彩である。和泉式部集「露に―・へる撫子の花」
[二]〔他下二〕
①美しくいろどる。彩色する。竹取物語「種々くさぐさのうるはしき瑠璃を―・へて作れり」
②ことばなどを飾る。潤色する。
いろ‐うつり【色移り】🔗⭐🔉
いろ‐うつり【色移り】
洗濯の際に衣料の色が他の衣料につくこと。
いろ‐え【色絵】‥ヱ🔗⭐🔉
いろ‐え【色絵】‥ヱ
①彩色を施した絵。着色画。↔墨絵。
②焼付鑞ろうを使ってうすい金銀などの板を他の金属に焼きつける技法。
③上絵付うわえつけの装飾が施された陶磁器。また、その上絵付。赤絵。錦手。五彩。
いろ‐えぼし【色烏帽子】🔗⭐🔉
いろ‐えぼし【色烏帽子】
喪服用の鈍色にびいろの烏帽子。
いろ‐えんぴつ【色鉛筆】🔗⭐🔉
いろ‐えんぴつ【色鉛筆】
芯しんに各種の顔料をまぜて色をつけた鉛筆。
いろ‐おんど【色温度】‥ヲン‥🔗⭐🔉
いろ‐おんど【色温度】‥ヲン‥
物体や天体の可視域での放射が黒体放射であると仮定して、その放射の色から推定される温度。真の温度よりはやや高い。
いろ‐か【色香】🔗⭐🔉
いろ‐か【色香】
①色と香り。「花の―」
②女のあでやかな容色。女のいろけ。「―に迷う」
いろ‐がい【色貝】‥ガヒ🔗⭐🔉
いろ‐がい【色貝】‥ガヒ
さまざまの色の貝。一説に、紅貝べにがいの異名という。夫木和歌抄27「潮満てば磯間になびく―の浮きみ沈みみ恋ひわたるかな」
○色変えぬ松いろかえぬまつ
常緑の松を称えていう語。〈[季]秋〉
⇒いろ【色】
いろ‐かご【色駕籠】🔗⭐🔉
いろ‐かご【色駕籠】
置屋から揚屋へ遊女を送り迎えする駕籠。浄瑠璃、心中重井筒「送り迎ひの―も」
いろ‐がまし・い【色がましい】🔗⭐🔉
いろ‐がまし・い【色がましい】
〔形〕
好色めいている。歌舞伎、五大力恋緘「あの子に―・いことはなし」
いろ‐がわ【色革】‥ガハ🔗⭐🔉
いろ‐がわ【色革】‥ガハ
染色したなめし革。染め革。
いろ‐がわら【色河原】‥ガハラ🔗⭐🔉
いろ‐がわら【色河原】‥ガハラ
京都四条河原のこと。劇場があって色子がいたからいう。好色一代男8「京にて―、色里にて一座せし人々」
いろ‐きちがい【色狂】‥キチガヒ🔗⭐🔉
いろ‐きちがい【色狂】‥キチガヒ
①色情狂。
②はなはだ色情を好むこと。また、その人。好色家。
いろ‐きゃく【色客】🔗⭐🔉
いろ‐きゃく【色客】
遊女の情人である客。間夫まぶ。
いろ‐ぎわ【色際】‥ギハ🔗⭐🔉
いろ‐ぎわ【色際】‥ギハ
色のぐあい。色の加減。宇津保物語国譲中「―などいとめでたし」
いろ‐くうかん【色空間】🔗⭐🔉
いろ‐くうかん【色空間】
原色の数値を組み合わせることによって、色を表現する方式。また、表現できる範囲。カラー‐スペース。
いろ‐くらべ【色競べ】🔗⭐🔉
いろ‐くらべ【色競べ】
容色をあらそうこと。
いろ‐ぐるい【色狂い】‥グルヒ🔗⭐🔉
いろ‐ぐるい【色狂い】‥グルヒ
女色におぼれて遊びふけること。
いろ‐ぐろ【色黒】🔗⭐🔉
いろ‐ぐろ【色黒】
肌の色が普通より黒いこと。
いろ‐ぐわ・し【色ぐはし】‥グハシ🔗⭐🔉
いろ‐ぐわ・し【色ぐはし】‥グハシ
〔形シク〕
色美しい。万葉集10「あからひく色妙いろぐわし子をしば見れば」(「色妙」をシキタヘノと訓む説もある)
いろ‐け【色気】🔗⭐🔉
いろ‐け【色気】
①色のぐあい。いろあい。「ネクタイの―がよくない」
②愛敬あいきょう。おもむき。風情。「座に―を添える」
③異性の気をひく性的魅力。「おてんばで、―も何もない」
④女っ気。「―抜きの会」
⑤異性に対する関心・欲求。性的感情。「年ごろになって―が出てきた」
⑥あるものに対する関心・欲求。「大臣の椅子に―を示す」
⇒いろけ‐づ・く【色気付く】
⇒色気より食い気
○色気より食い気いろけよりくいけ🔗⭐🔉
○色気より食い気いろけよりくいけ
色欲より食欲を先にする。形よりも実質を取ることのたとえ。
⇒いろ‐け【色気】
いろこ【鱗】
①魚のうろこ。古事記上「魚鱗いろこのごと造れる宮室みや」
②魚。いろくず。
③頭の、ふけ。形状がうろこに似るからいう。〈倭名類聚鈔2〉
⇒いろこ‐がた【鱗形】
いろ‐こ【色子】
歌舞伎若衆で、男色を売る者。かげま。世間胸算用3「酒の相手に―ども」→本子ほんこ2。
⇒いろこ‐ぼうし【色子帽子】
いろ‐こい【色恋】‥コヒ
色情と恋愛。男女の情愛。いろごと。「―沙汰ざた」
イロコイ【Iroquois】
アメリカ合衆国ニューヨーク州付近の森林地帯に住んでいたアメリカ先住民6部族の総称。
いろ‐こ・い【色濃い】
〔形〕[文]いろこ・し(ク)
①衣服の紫・紅などの色が濃い。伊勢物語物語「紫の―・き時は」
②しつこい。くどい。徒然草「片田舎の人こそ―・くよろづはもて興ずれ」
③傾向が強い。「不況の―・い業界」
いろ‐ごえ【色声】‥ゴヱ
色めいた声。なまめかしい声。好色一代女5「すだれ越しに―かけて」
いろこ‐がた【鱗形】
(→)「うろこがた」に同じ。
⇒いろこ【鱗】
いろ‐ごころ【色心】
恋愛の情。色情。いろけ。
いろ‐こそで【色小袖】
色染めの小袖。↔白小袖
いろ‐ごと【色事】
①男女間の恋愛に関する行為。情事。誹風柳多留23「―の気けもないうちにいひなづけ」
②芝居で、男女の情事のしぐさ。ぬれごと。
③情人。愛人。いろ。歌舞伎、傾情吾嬬鑑「あの花紫は幡随院長兵衛が―だとのこと」
⇒いろごと‐し【色事師】
いろごと‐し【色事師】
芝居で、色事を得意とする役者。転じて、女たらし。
⇒いろ‐ごと【色事】
いろ‐ごのみ【色好み】
①恋愛の情緒を味得し、洗練された情趣を愛好すること。また、その人。古今和歌集序「―の家に埋れ木の人知れぬこととなりて」
②情事を好むこと。また、そういう人。好色。
いろこ‐ぼうし【色子帽子】
色子が前髪にあててかぶる紫色の帽子。
⇒いろ‐こ【色子】
いろ‐ごろも【色衣】
美しい色の衣。晴れ着。源氏物語葵「あまた年今日あらためし―着ては涙ぞ」
いろ‐さいげん【色再現】
カラー写真・映画・テレビ・印刷などで、元のままの色を出すこと。また、その程度。
いろ‐さかぶり【色酒振り】
色めかしい、酒席のもてなしぶり。男色大鑑「伊藤は古今の―」
いろ‐ざかり【色盛り】
女の容色や色気が最も盛りの年頃。浄瑠璃、十二段「三五の春の花盛り、―、恋盛り、情盛りの面影を」
いろ‐ざけ【色酒】
①色茶屋で飲む酒。茶屋酒。
②色情と飲酒。
いろ‐ざし【色差し】
①顔などの、色合い。色のぐあい。沙石集1「御―まことにめでたく」
②彩色。いろどり。
いろ‐ざしき【色座敷】
遊興の座敷。
いろ‐ざと【色里】
(→)「いろまち」に同じ。
いろ‐さま【色様】
美しい人の敬称。浄瑠璃、本領曾我「花をあざむく―の御顔も見たし」
いろ‐さわぎ【色騒ぎ】
①痴情に原因したもめごと。
②遊女などを相手に騒ぐこと。
いろ‐し【色師】
色事師いろごとし。洒落本、古契三娼「梅もとのていしゆは、あたま七といつて―さ」
いろ‐じかけ【色仕掛け】
目的を遂げるために、容色や色情を利用して相手に働きかけること。
いろ‐しすう【色指数】
①星や銀河の等級を分光感度の異なる2種の測光法で求めた値の差。青い星は負、赤い星は正の値を持つ。
②岩石の有色鉱物の量を0〜100で表す数値。厳密には雲母・角閃石・輝石・橄欖かんらん石などの有色鉱物の体積パーセントであるが、便宜上はこれらの鉱物の点在する割合を変えて作成した図と岩石の断面とを照らし合わせて決める。花崗岩は0〜10、玄武岩は35〜60。
いろ‐しな【色品】
①色々の種類。品目。しなじな。狂言、筑紫の奥「みねんぐの―を申せと、仰せいだされたれども」
②さまざまの手段・方法。浄瑠璃、曾我五人兄弟「お酌に参れと再三度の呼び使ひ、―替へて召さるれども」
いろ‐じゃしん【色写真】
①カラー写真のこと。
②絵具で彩色した写真。
いろ‐しゅう【色州】‥シウ
遊女。売女。色衆。傾城禁短気「年がまへなる―分別らしく申すは」
いろ‐しゅうさ【色収差】‥シウ‥
レンズを通して物体の像を結ばせる時、その物体の色によって像の位置が変わること。光の波長によってガラスの屈折率が異なるために生じるもので、光学器械ではレンズの組合せによって除去する。→色消し2
いろ‐じょうご【色上戸】‥ジヤウ‥
飲めばすぐ顔の赤くなる酒飲み。赤み上戸。
いろ‐しり【色知り】
人情・色恋の機微に通じていること。また、その人。わけしり。通人。申楽談儀「―にてなくは、住する時節あるべし」
いろ‐じろ【色白】
肌の色の白いこと。「―の美人」
いろ‐ずくめ【色尽め】‥ヅクメ
①美しい色彩をたくさん用いていること。
②色事ばかりであること。
いろ‐すな【色砂】
砂壁仕上げなどに用いる色彩を持った砂。また、その工法。
いろ‐ずり【色刷・色摺】
①衣服などに色彩で模様をつけること。
②2色以上の色を用いて印刷すること。「―の口絵」
いろせ【同母兄・同母弟】
(イロは接頭語)(姉妹からみて)同母の兄また弟。履中紀(図書寮本)院政期点「吾が兄イロセの王おおきみ」↔いろも
いろ‐そ・う【色添ふ】‥ソフ
〔自四〕
①色がひときわ濃くなる。
②物事が添い加わる。玉葉集雑「あはれもいとど―・ふさまに」
いろ‐ぞめ【色染】
種々の色に染めること。布を黒・藍・紺など以外の赤・黄・紫などの色に染めること。
いろ‐だい【色代】
①近親者の香奠。あるいは近親者が香奠以外に贈る金品をもいう。
②色代納いろだいおさめの略。
⇒いろだい‐おさめ【色代納】
いろだい‐おさめ【色代納】‥ヲサメ
江戸時代に例外的に行われた納税法。米や銭を納め難い時、藁わら・筵むしろ・糠ぬか・粟あわ・綿・竹などいろいろのもので代納すること。中世における色代納しきたいのうの転じたもの。
⇒いろ‐だい【色代】
いろ‐だか【色高】
江戸時代の税制の一つ。小物成こものなりのうち、石高を付けて村高に組み入れられたもの。一般には小物成は本年貢とは別立てであったが、美濃や信濃では、桑・漆・楮こうぞ・茶などの栽培に対して課税し、これを米に換算して村高に算入した。→村高→小物成
いろ‐だし【色出し】
素材に手を加えて、美しい色合いを出すこと。
いろ‐だ・つ【色立つ】
〔自四〕
緊張して色めきたつ。怒りなどで顔色が変わる。浄瑠璃、平家女護島「うはべは―・つ敵と敵」
いろ‐ちがい【色違い】‥チガヒ
①恐怖で顔色の変わること。いろちがえ。世間子息気質「子息―して、…身の毛がよだつて寒気立ちます」
②型や寸法などが同じで色だけ違うこと。また、そのもの。
いろ‐ぢゃや【色茶屋】
遊女をかかえておく茶屋。水茶屋に対していう。
いろ‐チョーク【色チョーク】
着色してある白墨はくぼく。
いろ‐づか【色柄】
色事にかかわる権柄けんぺい。遊里における権勢。歌舞伎、幼稚子敵討おさなごのかたきうち「国元では―も握つておる」
いろ‐づかい【色使い・色遣い】‥ヅカヒ
①遊興に金銭をつかうこと。浄瑠璃、桂川連理柵「百両の金を―と言うたはうそ」
②色のつかい方。彩色・配色の具合。「―に特徴のある画」
いろ‐づ・く【色付く】
〔自五〕
①花・紅葉・果実などの色が目だつようになる。「柿の実の―・くころ」
②色気が出てくる。色気づく。
いろ‐づけ【色付け】
①彩色。
②薬品の処理で金属などに美しい色を出すこと。
いろっ‐ぽ・い【色っぽい】
〔形〕
(→)色気3がある。「―・い女性」「―・いしぐさ」
いろ‐つや【色艶】
①色とつや。特に、肌や顔のつや。「―が良い」
②おもむき。おもしろみ。「―をつけて話す」「―に欠ける話」
いろど【同母弟・同母妹】
(イロは接頭語)(兄からみて)同母の弟。(姉からみて)同母の妹。古事記中「弟いろどの名は蠅伊呂杼はえいろど」↔いろえ
いろ‐どこ【色床】
男女がいっしょにねる床。浄瑠璃、蝉丸「一世一度の―」
いろ‐どころ【色所】
①遊里。遊郭。
②男女の愛情のこまやかな地。浄瑠璃、博多小女郎波枕「上方は―」
いろ‐どめ【色止め】
染物・洗濯などの際、布地の色がさめたり落ちたりしないようにすること。
いろ‐とめそで【色留袖】
地色が黒でない留袖。
いろ‐どり【色取り・彩り】
①いろどること。彩色。着色。
②色の配合。配色。「―が良い」
③はなやかな変化。おもしろみ。「―を添える」
⇒いろどり‐づき【色取月】
いろ‐どり【色鳥】
①(呉竹集に「いろどりとは色々の鳥をいふ」とある)種々の小鳥。特に、秋に渡ってくる小鳥。〈[季]秋〉
②飴で作った鳥。
いろどり‐づき【色取月】
(木の葉が色づく月の意)陰暦9月の異称。秘蔵抄「常磐山―になりぬれば錦をさらす心地こそすれ」
⇒いろ‐どり【色取り・彩り】
いろ‐とりどり【色取り取り】
種類が多く、さまざまであるさま。色がさまざまにあるさま。「―の服装」
いろ‐とりのこ【色鳥の子】
色をつけた鳥の子紙。
いろ‐ど・る【色取る・彩る】
〔他五〕
①着色する。彩色する。源氏物語末摘花「絵などかきて―・り給ふ」。「緑に―・られた山」
②顔に白粉おしろいや紅べに・黛まゆずみをつける。化粧する。源氏物語総角「額髪をひきかけつつ、―・りたる顔づくりをよくして」
③種々の色をとりあわせて飾る。潤色する。風姿花伝「十体じっていの中を―・らば、百色ももいろにもなるべし」。「食卓を花で―・る」「戦後を―・る社会的事件」
④身なりを飾る。めかす。また、色っぽい様子をする。契情買虎之巻「好かや―・るにやけ男」
いろ‐なおし【色直し】‥ナホシ
①結婚後3日目または出産後101日目に、新婦または産婦・産児の着けた白小袖などを色物に取り替える習俗。
②結婚式後、披露宴で新婦が式服を別の衣服に着替えること。
⇒いろなおし‐の‐さかずき【色直しの盃】
いろなおし‐の‐さかずき【色直しの盃】‥ナホシ‥サカヅキ
結婚当夜新夫婦が床に入る時、改めて盃をとりかわすこと。床盃。
⇒いろ‐なおし【色直し】
いろ‐ながし【色流し】
染料などを水に溶かして、これを吹き乱してできた波紋文様を紙や布帛ふはくに染めつける染法。
いろな‐ぐさ【色無草】
松の異名。蔵玉集「おく露もときはの名なる―」
いろ‐な・し【色無し】
〔形ク〕
①色つやが欠けている。はなやかでない。古今和歌集哀傷「もみぢばもぬしなき宿は―・かりけり」
②無愛想である。そっけない。日葡辞書「イロナイヒト。即ち、スゲナイヒト」
イロニー【Ironie ドイツ・ironie フランス】
⇒アイロニー
いろ‐にく・し【色にくし】
〔形ク〕
つっけんどんである。そっけない。日葡辞書「イロニクウマウス、また、イウ」
いろ‐こ【色子】🔗⭐🔉
いろ‐こ【色子】
歌舞伎若衆で、男色を売る者。かげま。世間胸算用3「酒の相手に―ども」→本子ほんこ2。
⇒いろこ‐ぼうし【色子帽子】
いろ‐ごのみ【色好み】🔗⭐🔉
いろ‐ごのみ【色好み】
①恋愛の情緒を味得し、洗練された情趣を愛好すること。また、その人。古今和歌集序「―の家に埋れ木の人知れぬこととなりて」
②情事を好むこと。また、そういう人。好色。
いろこ‐ぼうし【色子帽子】🔗⭐🔉
いろこ‐ぼうし【色子帽子】
色子が前髪にあててかぶる紫色の帽子。
⇒いろ‐こ【色子】
いろ‐ごろも【色衣】🔗⭐🔉
いろ‐ごろも【色衣】
美しい色の衣。晴れ着。源氏物語葵「あまた年今日あらためし―着ては涙ぞ」
いろ‐さいげん【色再現】🔗⭐🔉
いろ‐さいげん【色再現】
カラー写真・映画・テレビ・印刷などで、元のままの色を出すこと。また、その程度。
いろ‐ざし【色差し】🔗⭐🔉
いろ‐ざし【色差し】
①顔などの、色合い。色のぐあい。沙石集1「御―まことにめでたく」
②彩色。いろどり。
いろ‐ざしき【色座敷】🔗⭐🔉
いろ‐ざしき【色座敷】
遊興の座敷。
いろ‐し【色師】🔗⭐🔉
いろ‐し【色師】
色事師いろごとし。洒落本、古契三娼「梅もとのていしゆは、あたま七といつて―さ」
いろ‐じかけ【色仕掛け】🔗⭐🔉
いろ‐じかけ【色仕掛け】
目的を遂げるために、容色や色情を利用して相手に働きかけること。
いろ‐すな【色砂】🔗⭐🔉
いろ‐すな【色砂】
砂壁仕上げなどに用いる色彩を持った砂。また、その工法。
いろ‐ずり【色刷・色摺】🔗⭐🔉
いろ‐ずり【色刷・色摺】
①衣服などに色彩で模様をつけること。
②2色以上の色を用いて印刷すること。「―の口絵」
いろ‐だか【色高】🔗⭐🔉
いろ‐ちがい【色違い】‥チガヒ🔗⭐🔉
いろ‐ちがい【色違い】‥チガヒ
①恐怖で顔色の変わること。いろちがえ。世間子息気質「子息―して、…身の毛がよだつて寒気立ちます」
②型や寸法などが同じで色だけ違うこと。また、そのもの。
いろ‐チョーク【色チョーク】🔗⭐🔉
いろ‐チョーク【色チョーク】
着色してある白墨はくぼく。
いろ‐づかい【色使い・色遣い】‥ヅカヒ🔗⭐🔉
いろ‐づかい【色使い・色遣い】‥ヅカヒ
①遊興に金銭をつかうこと。浄瑠璃、桂川連理柵「百両の金を―と言うたはうそ」
②色のつかい方。彩色・配色の具合。「―に特徴のある画」
いろっ‐ぽ・い【色っぽい】🔗⭐🔉
いろっ‐ぽ・い【色っぽい】
〔形〕
(→)色気3がある。「―・い女性」「―・いしぐさ」
いろ‐つや【色艶】🔗⭐🔉
いろ‐つや【色艶】
①色とつや。特に、肌や顔のつや。「―が良い」
②おもむき。おもしろみ。「―をつけて話す」「―に欠ける話」
いろ‐にく・し【色にくし】🔗⭐🔉
いろ‐にく・し【色にくし】
〔形ク〕
つっけんどんである。そっけない。日葡辞書「イロニクウマウス、また、イウ」
○色に出るいろにでる
心の中の思い、特に、秘めた恋心が表情やしぐさに表れる。様子に出る。
⇒いろ【色】
○色に出るいろにでる🔗⭐🔉
○色に出るいろにでる
心の中の思い、特に、秘めた恋心が表情やしぐさに表れる。様子に出る。
⇒いろ【色】
いろ‐ぬい【色縫い】‥ヌヒ
死者に着せる白衣を縫うこと。親類・近隣の女たちが寄って縫い、縫尻はとめない。衣裳縫いしょうぬい。引張縫ひっぱりぬい。
いろ‐ぬか【揺糠】
(イロはユリの転)玄米精白の際に生じる砕米くだけまい。揺子ゆりご。いりご。えりご。
いろ‐ぬき【色抜き】
①布の染めかえのとき、もとの染色を抜き去ること。
②酒宴などで女っ気のないこと。色気抜き。
いろね【同母兄・同母姉】
(イロは接頭語)(→)「いろえ」に同じ。允恭紀(図書寮本)院政期点「妾やつこが姉イロネなり」
いろ‐ね【色音】
①こわね。ねいろ。声色。狂言、月見座頭「虫の音はさまざまの―がござつて」
②色と声。特に、花の色と鳥の声。耳底記「花鳥の―」
いろ‐ね【色音】🔗⭐🔉
いろ‐ね【色音】
①こわね。ねいろ。声色。狂言、月見座頭「虫の音はさまざまの―がござつて」
②色と声。特に、花の色と鳥の声。耳底記「花鳥の―」
○色の白いは七難隠すいろのしろいはしちなんかくす
女の肌が白いのは、少しくらい醜くても美しく見せる。
⇒いろ【色】
○色の白いは七難隠すいろのしろいはしちなんかくす🔗⭐🔉
○色の白いは七難隠すいろのしろいはしちなんかくす
女の肌が白いのは、少しくらい醜くても美しく見せる。
⇒いろ【色】
いろ‐のり【色糊】
捺染糊なっせんのりに染料の溶液を加えたもの。
いろは【母】
(イロは接頭語)継母や義母でない、生みのはは。生母。実母。允恭紀(図書寮本)院政期点「母イロハに随ひたまひ」
い‐ろ‐は【以呂波・伊呂波】
①「いろは歌」の最初の3字で、「いろは歌」47文字の総称。また、仮名文字のこと。この47字に「ん」または「京」を加えて48字とし、習字手本の文字とする。
②(手習いの始めに「いろは」を習うことから)物事の初歩。「歌の―も知らない」
⇒いろは‐うた【以呂波歌】
⇒いろは‐がな【以呂波仮名】
⇒いろは‐カルタ
⇒いろはぐみ‐まちびけし【いろは組町火消】
⇒いろは‐こもん【いろは小紋】
⇒いろは‐ざか【いろは坂】
⇒いろは‐じゅん【いろは順】
⇒いろは‐たとえ【いろは喩】
⇒いろは‐たんか【いろは短歌】
⇒いろは‐ぢゃや【いろは茶屋】
⇒いろは‐づけ【いろは付け】
⇒いろは‐ぶね【いろは船】
⇒いろは‐もみじ【以呂波楓】
⇒いろは‐れんが【伊呂波連歌】
いろは‐うた【以呂波歌】
①手習歌の一つ。音の異なる仮名47文字の歌から成る。「色は匂へど散りぬるを我が世誰ぞ常ならむ有為うゐの奥山今日越えて浅き夢見じ酔ひもせず」。涅槃ねはん経第十四聖行品の偈げ「諸行無常、是生滅法、生滅滅已、寂滅為楽」の意を和訳したものという。弘法大師の作と信じられていたが、実はその死後、平安中期の作。色葉歌。
②(→)いろは短歌に同じ。
⇒い‐ろ‐は【以呂波・伊呂波】
いろは‐がな【以呂波仮名】
(「いろは」は多く平仮名で書いたから)平仮名のこと。
⇒い‐ろ‐は【以呂波・伊呂波】
いろは‐カルタ
カルタの一種。いろは短歌を記した読み札48枚と、その意味を絵解きした絵札48枚と、合計96枚を一組としたもの。江戸後期に始まり、犬棒カルタはその代表。〈[季]新年〉
いろはガルタ
撮影:関戸 勇
⇒い‐ろ‐は【以呂波・伊呂波】
いろはぐみ‐まちびけし【いろは組町火消】
江戸時代、江戸市中に設けた町火消。町奉行大岡忠相の主導により設置。いろは四十七文字(「へ」「ら」「ひ」は除き、代りに「百」「千」「万」を用いる)を冠して、い組・ろ組などと組を分けた。
⇒い‐ろ‐は【以呂波・伊呂波】
いろは‐こもん【いろは小紋】
「いろは」47文字の文様を染め出した小紋文様。
⇒い‐ろ‐は【以呂波・伊呂波】
いろは‐ざか【いろは坂】
栃木県日光市馬返うまがえしと中宮祠ちゅうぐうじとを結ぶ坂。第1いろは坂に28地点、第2に20地点の48のカーブがある。
⇒い‐ろ‐は【以呂波・伊呂波】

いろ‐のり【色糊】🔗⭐🔉
いろ‐のり【色糊】
捺染糊なっせんのりに染料の溶液を加えたもの。
○色は思案の外いろはしあんのほか🔗⭐🔉
○色は思案の外いろはしあんのほか
男女の恋は常識では判断できず、とかく分別をこえやすい。「恋は思案の外」とも。
⇒いろ【色】
いろは‐じゅん【いろは順】
いろは歌の順序に配列すること。また、その順序。
⇒い‐ろ‐は【以呂波・伊呂波】
いろはじるいしょう【色葉字類抄】‥セウ
辞書。2巻または3巻。橘忠兼編。天養(1144〜1145)〜治承(1177〜1181)年間成る。平安末期の国語を頭音により「いろは」別にし、それぞれをさらに天象より名字に至る21部門に分けて、表記すべき漢字とその用法とを記す。鎌倉初期にこれを増補した10巻本が「伊呂波字類抄」。
いろはしんすけ【いろは新助】
歌舞伎脚本「鐘鳴今朝噂かねがなるけさのうわさ」の通称。3幕。竹田治蔵作の世話物。1761年(宝暦11)初演。刀屋新助が旧主のための刀の詮議に、恋仲の遊女いろはがからむ。
いろは‐たとえ【いろは喩】‥タトヘ
(→)「いろは短歌」に同じ。
⇒い‐ろ‐は【以呂波・伊呂波】
いろは‐たんか【いろは短歌】
「いろは」47字と「京」の字の1字ずつを頭に置いた教訓譬喩ひゆの諺ことわざや歌。「い」の「祈る身は邪よこしまならぬ願ひこそ神もあはれとうけ給ふらん」「一寸先は闇」の類。いろはうた。いろはたとえ。
⇒い‐ろ‐は【以呂波・伊呂波】
いろは‐ぢゃや【いろは茶屋】
①江戸谷中やなか感応寺前にあった水茶屋。後には私娼をおき、岡場所となった。
②大坂道頓堀にあった水茶屋、後に芝居茶屋。48軒あったのでこの名がある。
⇒い‐ろ‐は【以呂波・伊呂波】
いろは‐づけ【いろは付け】
番号をいろは順につけること。日本永代蔵1「―の引出しに」
⇒い‐ろ‐は【以呂波・伊呂波】
いろ‐ばなし【色話】
色事に関する話。情話。痴話。
いろは‐ぶね【いろは船】
同形の大船を「いろは」別にして、帆柱・艫ともなどに記したもの。浄瑠璃、暦「―四十八番並べたる」
⇒い‐ろ‐は【以呂波・伊呂波】
いろはぶんこ【いろは文庫】
人情本。18編54冊。為永春水作。浄瑠璃「仮名手本忠臣蔵」に取材した赤穂義士外伝。1836年(天保7)初編出版、72年(明治5)完結。5編以下は2世為永春水の作。
いろは‐もみじ【以呂波楓】‥モミヂ
カエデの葉が掌状に5〜7裂したもの。
⇒い‐ろ‐は【以呂波・伊呂波】
いろは‐れんが【伊呂波連歌】
「いろは」47字を順番に1字ずつ句の頭において作る連歌。いろは冠字連歌。
⇒い‐ろ‐は【以呂波・伊呂波】
いろ‐びと【色人】
①美しくなまめかしい人。謡曲、羽衣「その名も月の―は」
②色道を解する人。遊里に遊ぶ粋人。また遊女をいう。好色一代男4「―ばかり集まりて」
いろ‐ぶか・し【色深し】
〔形ク〕
①色が濃い。また、美しい。万葉集20「―・く背なが衣は染めましを」
②容貌が美しい。御伽草子、物くさ太郎「都の人は情ありて、いかなる人をもきらはず、―・き御人も、互に夫妻とたのみたのまるるならひなり」
③色情が深い。恨之介「その比ころ都に隠れもなく、―・き男どもあり」
いろ‐ふし【色節】
①晴れがましいこと。光栄。宇津保物語藤原君「けふの―にて、けしからぬいと多かり」
②色調。光彩。徒然草「よろづのものの綺羅、飾り、―も」
いろ‐ぶみ【色文】
恋文。けそうぶみ。誹風柳多留6「―を人中で書く勤めの身」
いろ‐ぶんかい【色分解】
カラー印刷などで、もとの色を再現するため、原画をシアン・黄・マゼンタの3色、または黒を加えた4色の成分に分けて3種ないし4種の画像を作ること。カラーテレビなどでは青・緑・赤の3色に分解する。
いろ‐ぼうしょ【色奉書】
色をつけた奉書紙。福井県越前市の名産。
いろ‐まきえ【色蒔絵】‥ヱ
金銀粉と同様に、朱・石黄・青漆粉などの色粉を用いた蒔絵。色粉蒔絵。
いろ‐まち【色町・色街】
遊女屋や芸者屋が集まり、遊興のために人々の集まるところ。色里。遊郭。花柳街。田山花袋、髪「其の停留場の附近には、かれの曾かつて往来した狭斜いろまちがあつた」
いろ‐み【色見】
①(「魚見」とも書く。「いろ」は「うを」の方言)魚の群れて来るのを見張ること。また、その人。うおみ。
②窯かまの中の陶磁器の焼き加減をみるための試験標本。焼成品と同質の材料で、ゼーゲル錐すいの一種。
いろ‐み【色身】
色めいた身ぶり。すき者のようなこなし。滑稽本、旧観帖「越後は―な男ゆゑ」
いろみ‐ぐさ【色見草】
もみじの異名。蔵玉集「秋もはやしぐるるころの―散らまく惜しき山風ぞ吹く」
いろみ‐じょうご【色み上戸】‥ジヤウ‥
(→)「赤み上戸」に同じ。狂言、富士松「―の顔の赤いが、それ程をかしいか」
いろ‐みなと【色湊】
色里のある船つき場。傾城色三味線「播磨潟室の―は」
いろ‐みほん【色見本】
紙・布地・塗料などで、種々の色を集めて見本としたもの。「―帳」
いろ‐むじ【色無地】‥ヂ
黒以外の色一色で染めた和服地。また、その着物。家紋をつけて礼服にすることが多い。
いろ‐むら【色斑】
染色や工芸で、色の調子や濃淡に不揃いが生じていること。また、その箇所。
いろ‐め【色目】
①色のぐあい。「―が分からない」
②衣服の色合いの名目。
③種類の名目。品目。
④思いをひそかに知らせる目つき。また、色めかしい目つき。秋波。「―をつかう」
⑤様子。そぶり。好色五人女4「いよいよ思ひ極めて舌喰ひ切る―の時」
いろ‐めか・し【色めかし】
〔形シク〕
色好みらしい。色気があるようだ。源氏物語紅葉賀「―・しうなよび給へるを」
いろ‐めか・す【色めかす】
〔他下二〕
なまめかしく飾る。人目をひくように飾る。栄華物語木綿四手「桟敷を造り―・せ給はばこそは」
いろ‐めがね【色眼鏡】
①色つきガラスを用いた眼鏡。
②転じて、先入見や感情に支配された見方。「人を―で見る」
いろめき‐た・つ【色めき立つ】
〔自五〕
興奮・緊張の様子がみなぎる。色めく。「すわとばかりに―・つ」
いろ‐め・く【色めく】
〔自五〕
①目に見えて色がはっきりしてくる。時節になって色づく。花やかになる。謡曲、羽衣「げに花かづら―・くは春のしるしかや」
②異性に対して関心があるように見える。また、そのようにふるまう。源氏物語末摘花「あまり―・いたりとおぼして」
③興奮・緊張した様子があらわれる。感情が露あらわにでる。太平記8「互ひに人を楯に成して、その陰にかくれんと、―・きける気色を見て」。「事故の知らせに一同が―・く」
④軍勢に敗色があらわれる。太平記8「すはや、敵は―・きたるは」
いろも【同母妹】
(イロは接頭語)(兄弟からみて)同母の姉また妹。古事記上「其の―高比売命」↔いろせ
いろ‐まち【色町・色街】🔗⭐🔉
いろ‐まち【色町・色街】
遊女屋や芸者屋が集まり、遊興のために人々の集まるところ。色里。遊郭。花柳街。田山花袋、髪「其の停留場の附近には、かれの曾かつて往来した狭斜いろまちがあつた」
いろ‐み【色見】🔗⭐🔉
いろ‐み【色見】
①(「魚見」とも書く。「いろ」は「うを」の方言)魚の群れて来るのを見張ること。また、その人。うおみ。
②窯かまの中の陶磁器の焼き加減をみるための試験標本。焼成品と同質の材料で、ゼーゲル錐すいの一種。
いろみ‐ぐさ【色見草】🔗⭐🔉
いろみ‐ぐさ【色見草】
もみじの異名。蔵玉集「秋もはやしぐるるころの―散らまく惜しき山風ぞ吹く」
いろみ‐じょうご【色み上戸】‥ジヤウ‥🔗⭐🔉
いろみ‐じょうご【色み上戸】‥ジヤウ‥
(→)「赤み上戸」に同じ。狂言、富士松「―の顔の赤いが、それ程をかしいか」
いろ‐みほん【色見本】🔗⭐🔉
いろ‐みほん【色見本】
紙・布地・塗料などで、種々の色を集めて見本としたもの。「―帳」
いろ‐めか・し【色めかし】🔗⭐🔉
いろ‐めか・し【色めかし】
〔形シク〕
色好みらしい。色気があるようだ。源氏物語紅葉賀「―・しうなよび給へるを」
いろ‐めか・す【色めかす】🔗⭐🔉
いろ‐めか・す【色めかす】
〔他下二〕
なまめかしく飾る。人目をひくように飾る。栄華物語木綿四手「桟敷を造り―・せ給はばこそは」
いろ‐めがね【色眼鏡】🔗⭐🔉
いろ‐めがね【色眼鏡】
①色つきガラスを用いた眼鏡。
②転じて、先入見や感情に支配された見方。「人を―で見る」
いろめき‐た・つ【色めき立つ】🔗⭐🔉
いろめき‐た・つ【色めき立つ】
〔自五〕
興奮・緊張の様子がみなぎる。色めく。「すわとばかりに―・つ」
いろ‐め・く【色めく】🔗⭐🔉
いろ‐め・く【色めく】
〔自五〕
①目に見えて色がはっきりしてくる。時節になって色づく。花やかになる。謡曲、羽衣「げに花かづら―・くは春のしるしかや」
②異性に対して関心があるように見える。また、そのようにふるまう。源氏物語末摘花「あまり―・いたりとおぼして」
③興奮・緊張した様子があらわれる。感情が露あらわにでる。太平記8「互ひに人を楯に成して、その陰にかくれんと、―・きける気色を見て」。「事故の知らせに一同が―・く」
④軍勢に敗色があらわれる。太平記8「すはや、敵は―・きたるは」
○色も香もいろもかも🔗⭐🔉
○色も香もいろもかも
姿も美しく、心もゆかしく。名と実と兼ねそなわって。
⇒いろ【色】
いろ‐もの【色物】
①衣服や織物などで、白・黒色以外の彩色のあるもの。
②寄席よせ演芸のうち、講談・浄瑠璃などに対して、音曲・踊・奇術・声色こわいろ・漫才などの称。
⇒いろもの‐せき【色物席】
いろもの‐せき【色物席】
色物2を常打ちにする寄席。
⇒いろ‐もの【色物】
いろ‐もよう【色模様】‥ヤウ
①布地などの染色の模様。
②歌舞伎で恋愛の情景。また、その演技。
いろ‐やけ【色焼け】
顔・身体・衣服などが日にやけて変色すること。
いろ‐やど【色宿】
色遊びをする家。遊女屋。好色五人女1「替るは―のならひ」
いろ‐ゆるし【色聴し】
禁色きんじきを許されること。
いろ‐よい【色好い】
〔連体〕
期待どおりの、好意的な。好ましい。「―返事」
いろよし‐がみ【色好紙】
修善寺紙の異称。
いろりヰロリ
(「囲炉裏」「居炉裏」は当て字)地方の民家などで、床ゆかを四角に切り抜いてつくった炉ろ。地炉。〈[季]冬〉。「―を囲む」。
いろり
横座
客座
木尻
嬶座
⇒いろり‐ばた【いろり端】
いろ‐り【色利・煎汁】
かつおぶしまたは大豆を煎せんじた煮出し汁。煮物の調味に用いる。倭名類聚鈔16「堅魚煎汁、加豆乎以呂利」
いろ‐りったい【色立体】
物体の色を表す三つの要素(色相・彩度・明度)を3次元空間の座標と見なし、色をその空間内の位置で表したもの。
いろり‐ばた【いろり端】ヰロリ‥
いろりの周囲。いろりのそば。
⇒いろり
いろ‐わけ【色分け】
①彩色をちがえて区別すること。
②色合いや性格・傾向などによって分類すること。種類わけ。「賛成派、反対派に―する」

いろ‐よい【色好い】🔗⭐🔉
いろ‐よい【色好い】
〔連体〕
期待どおりの、好意的な。好ましい。「―返事」
いろよし‐がみ【色好紙】🔗⭐🔉
いろよし‐がみ【色好紙】
修善寺紙の異称。
○色を失ういろをうしなう🔗⭐🔉
○色を失ういろをうしなう
驚き恐れて顔色が青ざめる。「客車が暴走し、誰もが色を失った」
⇒いろ【色】
○色を替え品を替えるいろをかえしなをかえる🔗⭐🔉
○色を替え品を替えるいろをかえしなをかえる
さまざまに手をつくす。「手を替え品を替える」とも。
⇒いろ【色】
○色を損ずいろをそんず🔗⭐🔉
○色を損ずいろをそんず
不機嫌な顔色になる。
⇒いろ【色】
○色を正すいろをただす🔗⭐🔉
○色を正すいろをただす
あらたまった顔つきになる。様子をきちんと正す。
⇒いろ【色】
○色を作るいろをつくる🔗⭐🔉
○色を作るいろをつくる
化粧をする。しなを作る。
⇒いろ【色】
○色を付けるいろをつける🔗⭐🔉
○色を付けるいろをつける
物事の扱いに情を加える。売値を安くする、祝儀を出す、景品をそえるなどにいう。
⇒いろ【色】
○色を作すいろをなす🔗⭐🔉
○色を作すいろをなす
[戦国策斉策]怒って顔色をかえる。
⇒いろ【色】
○色を鬻ぐいろをひさぐ🔗⭐🔉
○色を鬻ぐいろをひさぐ
売春する。色を売る。
⇒いろ【色】
い‐ろん【異論】
他とはちがう議論・意見。「―を唱える」
⇒いろん‐は【異論派】
いろ‐ん‐な【色んな】
〔連体〕
(イロイロナの訛)さまざまな。浮世風呂2「―無理八百」。「―形の家」
いろん‐は【異論派】
(dissident ロシア)ソ連の反体制知識人の称。
⇒い‐ろん【異論】
いわ【岩・巌・磐】イハ
石の大きいもの。特に、加工せず表面がごつごつしているもの。岩石。「―をも通す信念」
⇒岩に花
いわ【家】イハ
(上代東国方言)いえ。万葉集20「―なる妹は」
いわ【錘・沈子・墜子】イハ
①漁網の下縁につけ網足を水底に沈着させ、または網を水中に沈下させるために鉄・鉛・陶器・石などで作ったおもり。あみいし。
②石の碇いかり。
い‐わ【違和】ヰ‥
からだの調和が破れること。転じて、他のものとしっくりしないこと。ちぐはぐ。「―感」
いわ‐あな【岩穴】イハ‥
岩にできた穴。岩窟。
いわい【斎・祝】イハヒ
①不浄をきよめ、いみ慎んで神をまつること。神代紀下「―の大人うしと号もうす」
②神を祭る所。また、その人。雄略紀(前田本訓)「伊勢大神の祠いわいに侍り」
③《祝》めでたい事を喜ぶこと。祝賀。また、祝賀の行事・言葉・品物など。「―の言葉」「お―を贈る」「七五三の―」
⇒いわい‐うた【祝歌・頌】
⇒いわい‐おの【斎斧】
⇒いわい‐ぎ【祝木】
⇒いわい‐ぐそく【祝具足】
⇒いわい‐ご【祝衣】
⇒いわい‐ご【斎児】
⇒いわい‐ごと【祝言・斎言】
⇒いわい‐ごと【祝事】
⇒いわい‐ざけ【祝酒】
⇒いわい‐すき【斎鋤】
⇒いわい‐だけ【祝茸】
⇒いわい‐だて【祝立て】
⇒いわい‐だる【祝樽】
⇒いわい‐づき【祝月・斎月】
⇒いわい‐づま【斎妻】
⇒いわい‐でん【祝殿】
⇒いわい‐どの【斎殿】
⇒いわい‐の‐うし【斎主】
⇒いわい‐の‐ぜん【祝の膳】
⇒いわい‐の‐つえ【祝の杖】
⇒いわい‐の‐みず【祝の水】
⇒いわい‐の‐みてぐら【斎御幣】
⇒いわい‐の‐みや【斎宮】
⇒いわい‐ばし【祝箸】
⇒いわい‐び【祝日】
⇒いわい‐びと【斎人】
⇒いわい‐べ【斎瓮】
⇒いわいべ‐どき【祝部土器】
⇒いわい‐ぼう【祝棒】
⇒いわい‐もの【祝物】
⇒いわい‐や【斎矢】
⇒祝い事は延ばせ、仏事は取り越せ
いわ‐い【石井・岩井】イハヰ
岩間の泉を井としたもの。万葉集7「―の水は飲めど飽かぬかも」
いわい【岩井】イハヰ
茨城県坂東市の地名。平安時代、平将門の館があった地。
いわい【岩井】イハヰ
姓氏の一つ。
⇒いわい‐はんしろう【岩井半四郎】
いわい‐うた【祝歌・頌】イハヒ‥
祝いことほぐ歌。和歌の六義の一つ。また、木遣り唄や長持唄の類。祝儀歌。古今和歌集序「六つには―」
⇒いわい【斎・祝】
いわい‐おの【斎斧】イハヒヲノ
(→)「いみおの」に同じ。
⇒いわい【斎・祝】
いわい‐ぎ【祝木】イハヒ‥
柳・桧の枝の先を削りかけにし、新年の予祝行事などに用いる棒。祝い棒。削り花。削り棒。
⇒いわい【斎・祝】
いわい‐ぐそく【祝具足】イハヒ‥
武家の子息の元服に着せる具足。
⇒いわい【斎・祝】
いわい‐ご【祝衣】イハヒ‥
年祝のときに着る着物。還暦の祝に近親から贈る。
⇒いわい【斎・祝】
いわい‐ご【斎児】イハヒ‥
⇒いつきご。
⇒いわい【斎・祝】
いわい‐ごと【祝言・斎言】イハヒ‥
幸いを祈る、神聖なことば。
⇒いわい【斎・祝】
いわい‐ごと【祝事】イハヒ‥
①喜び祝うべき事柄。慶事。
②(「斎事」と書く)いみ慎むべき事。
⇒いわい【斎・祝】
いろ‐ん‐な【色んな】🔗⭐🔉
いろ‐ん‐な【色んな】
〔連体〕
(イロイロナの訛)さまざまな。浮世風呂2「―無理八百」。「―形の家」
しき【色】🔗⭐🔉
しき【色】
(呉音)
①〔仏〕(梵語rūpa)
㋐五蘊ごうんの一つ。物質的存在。変化して壊れ、また空間を占めて他の障害になるもの(変壊質礙へんねぜつげ)。
㋑五境の一つ。視覚の対象。色・形のあるもの。色境。
②租税としての物品。いろ。「―代納」
→しょく(色)
しき‐え【色衣】🔗⭐🔉
しき‐え【色衣】
墨染の衣以外の法衣。高位の僧の着る色ごろも。
しき‐かい【色界】🔗⭐🔉
しき‐かい【色界】
〔仏〕三界の一つ。欲界の上に位置し、欲望を離れているが、なお物質的存在(色)からは解放されていない。四禅天に分かれ、さらに十七天(または十八天)に分かれる。色界天。色天。
⇒しきかい‐てん【色界天】
しきかい‐てん【色界天】🔗⭐🔉
しきかい‐てん【色界天】
(→)色界に同じ。
⇒しき‐かい【色界】
しき‐かく【色覚】🔗⭐🔉
しき‐かく【色覚】
可視光線中の光の波長の差を色の差として弁別・識別する機能。色調・明度・飽和度で表される。色神しきしん。
⇒しきかく‐いじょう【色覚異常】
しきかく‐いじょう【色覚異常】‥ジヤウ🔗⭐🔉
しきかく‐いじょう【色覚異常】‥ジヤウ
色彩の弁別の異常。先天性と後天性とがあり、先天性色覚異常は日本では男子の約5パーセント、女子の約0.2パーセントに発現。一色覚(全色盲)・二色覚(部分色盲)・異常三色覚(色弱)に分類されるが、一色覚は極めて稀で多くは非遺伝性とされる。赤色または緑色の弁別障害が普通で、いずれも色覚検査表などの赤と緑とを混同する。独自の色覚を持ち、日常生活には支障のないものが多い。ドルトニズム。
⇒しき‐かく【色覚】
しき‐さい【色彩】🔗⭐🔉
しき‐さい【色彩】
①いろ。いろどり。「あざやかな―」
②転じて、傾向。ようす。「進歩的―」
⇒しきさい‐かんかく【色彩感覚】
⇒しきさい‐ちょうせつ【色彩調節】
しきさい‐かんかく【色彩感覚】🔗⭐🔉
しきさい‐かんかく【色彩感覚】
(→)色感3に同じ。
⇒しき‐さい【色彩】
しきさい‐ちょうせつ【色彩調節】‥テウ‥🔗⭐🔉
しきさい‐ちょうせつ【色彩調節】‥テウ‥
色彩が人間に及ぼす生理的・心理的作用を利用して、環境中の色彩を適切なものとし、心身の健康維持、労働の能率増進、災害の防止などに役立たせること。カラー‐コンディショニング。→安全色彩
⇒しき‐さい【色彩】
[漢]色🔗⭐🔉
色 字形
筆順
〔色部0画/6画/教育/3107・3F27〕
〔音〕ショク(漢) シキ(呉)
〔訓〕いろ
[意味]
①いろ。いろどり。「原色・変色・色彩しきさい・色紙しきし」
②表情。顔だち。「顔色・容色・喜色満面・才色兼備」
③男女間の愛欲。「好色・女色・漁色・色欲しきよく」
④すがた。おもむき。様子。「景色けしき・春色・暮色・敗色・古色」
⑤〔仏〕五蘊ごうんの一つ。感覚的に意識される一切のもの。かたちあるもの。「色界しきかい・色即是空しきそくぜくう」
⑥品。種類。「五色ごしき揚げ」「八色はっしきの姓かばね」
[解字]
解字
象形。かがんだ女性とその上に乗った男性とを表し、男女の交合・情愛、転じて、かお、ようす、いろどりの意。
[下ツキ
悪色・暗色・異色・一色・慍色・鉛灰色・艶色・黄色・温色・音色・灰白色・褐色・寒色・間色・顔色・喜色・気色・脚色・漁色・銀灰色・禁色・慶色・景色・血色・月色・原色・巧言令色・好色・極彩色・五色・古色・金色・彩色・才色・菜色・雑色・山色・辞色・愁色・秋色・殊色・酒色・出色・春色・潤色・諸色・女色・神色・翠色・声色・晴色・生色・赤色・染色・遜色・退色・褪色・脱色・単色・暖色・男色・着色・昼光色・特色・難色・乳白色・敗色・配色・売色・白色・発色・風色・物色・変色・補色・暮色・無色・明色・夜色・憂色・有色・容色・余色・柳色・朗色



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