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うるき【夏枯草】🔗🔉

うるき夏枯草】 〔植〕ウツボグサの古名。一説にジュウニヒトエの古名。〈倭名類聚鈔20

か【夏】🔗🔉

】 (呉音はゲ) ①殷いんの前にあったとされる中国最古の王朝。伝説では、禹が舜の禅ゆずりを受けて建国。都は安邑(山西省)など。紀元前21〜16世紀頃まで続く。桀けつに至り、殷の湯王に滅ぼされたという。殷に先行する時代の都市遺跡が夏王朝のものと主張される。 ②五胡十六国の一つ。大夏。→赫連勃勃かくれんぼつぼつ。 ③西夏せいか→げ(夏)

か‐うん【夏雲】🔗🔉

か‐うん夏雲】 夏の雲。なつぐも。

か‐が【夏芽】🔗🔉

か‐が夏芽】 夏期に生じて、年内に発育を完了する芽。キュウリ・ナスなどの芽。なつめ。↔冬芽

かか‐とうじょう【夏下冬上】‥ジヤウ🔗🔉

かか‐とうじょう夏下冬上‥ジヤウ 火種を、夏は炭の下に入れ、冬は炭の上に置いて、炭火をおこすこと。炭火の上手なおこし方とされる。

か‐かん【夏官】‥クワン🔗🔉

か‐かん夏官‥クワン ①「周礼」に見える中国周代六りく官の一つ。軍政をつかさどる。 ②唐代以降、兵部の雅称。

か‐き【夏気】🔗🔉

か‐き夏気】 夏の気候。

か‐き【夏季】🔗🔉

か‐き夏季】 夏の季節。「―施設」

か‐き【夏期】🔗🔉

か‐き夏期】 夏の期間。「―休暇」「―学校」

かき‐がっこう【夏期学校】‥ガクカウ🔗🔉

かき‐がっこう夏期学校‥ガクカウ 夏期に、特別の教育計画の下に開設される学校。サマー‐スクール。 ○垣が取れるかきがとれる 他人との隔てがなくなる。 ⇒かき【垣・牆】

かき‐だいがく【夏期大学】🔗🔉

かき‐だいがく夏期大学】 夏期休暇を利用して臨時に開設される成人のための公開講義。また、その施設。

かき‐ねつ【夏季熱】🔗🔉

かき‐ねつ夏季熱】 夏の高温・多湿の季節に乳児が出す熱。体温調節能力が未熟で、発汗による体温低下が十分に行われず、また水分摂取量が不足して脱水状態となるためにおこる。

か‐けい【夏珪】🔗🔉

か‐けい夏珪】 南宋(13世紀初)の宮廷画家。字は禹玉うぎょく。杭州の人。寧宗のとき画院の待詔たいしょうとなる。馬遠ばえんと共に院体山水画に一時期を画した。その画風は元明を通じて継承され、日本では室町中期以後の水墨画に大きな影響を与えた。

かこ‐そう【夏枯草】‥サウ🔗🔉

かこ‐そう夏枯草‥サウ (夏至のあとで枯れるからいう)ウツボグサの異称。また、その穂の漢方名。利尿剤とする。

か‐さん【夏蚕】🔗🔉

か‐さん夏蚕⇒なつご

か‐じ【夏時】🔗🔉

か‐じ夏時】 夏の時季。夏季。夏。

げ【夏】🔗🔉

】 (呉音)僧侶の安居あんごする期間で、陰暦4月16日から7月15日に至る90日間。「―安居」

げ‐あき【夏解】🔗🔉

げ‐あき夏解】 夏安居げあんごの終わること。また、その最終の日で、陰暦7月15日。解夏げげ。〈[季]秋〉

げ‐あんご【夏安居】🔗🔉

げ‐あんご夏安居】 〔仏〕「安居」参照。↔冬安居とうあんご

げ‐ぎょう【夏行】‥ギヤウ🔗🔉

げ‐ぎょう夏行‥ギヤウ 〔仏〕(→)夏安居げあんごに同じ。「安居」参照。〈[季]夏〉

げ‐ぎょう【夏経】‥ギヤウ🔗🔉

げ‐ぎょう夏経‥ギヤウ 〔仏〕夏安居げあんごの読経。また、夏安居に書写した経典。〈[季]夏〉

げ‐し【夏至】🔗🔉

げ‐し夏至】 二十四節気の一つ。太陽の黄経が90度に達する時で、北半球の昼が最も長く、夜が最も短い。太陽暦では6月21日頃。〈[季]夏〉。↔冬至

げし‐せん【夏至線】🔗🔉

げし‐せん夏至線「回帰線かいきせん参照。

げし‐てん【夏至点】🔗🔉

げし‐てん夏至点】 黄道上で春分点の東方90度の点。すなわち、黄道上で赤道以北の最も遠い点。夏至には太陽がこの点にある。

げ‐しゅ【夏衆】🔗🔉

げ‐しゅ夏衆】 〔仏〕夏安居げあんごに集まる会衆えしゅ。げしゅう。

げ‐ばな【夏花】🔗🔉

げ‐ばな夏花】 夏安居げあんごの間に仏に供える花。

なごし‐の‐かぐら【夏越の神楽】🔗🔉

なごし‐の‐かぐら夏越の神楽】 夏越の祓に行う神楽。忠見集「みな上のここら流れて行く水にいとど―をぞする」 ⇒な‐ごし【夏越・名越】

なごし‐の‐せっく【夏越の節供】🔗🔉

なごし‐の‐せっく夏越の節供】 陰暦6月晦日の行事。民間では、この日は河童かっぱ(水神)が山から下りると言い伝え、人・牛馬の水浴・みそぎが行われた。→なごしのはらえ⇒な‐ごし【夏越・名越】

なごし‐の‐つき【夏越の月】🔗🔉

なごし‐の‐つき夏越の月】 (夏越の祓の行われる月の意)陰暦6月の異称。宇津保物語祭使「人はいさ―ぞたのまれし」 ⇒な‐ごし【夏越・名越】

なごし‐の‐はらえ【夏越の祓】‥ハラヘ🔗🔉

なごし‐の‐はらえ夏越の祓‥ハラヘ 毎年6月晦日に行われる大祓の神事。神社では参詣人に茅の輪をくぐらせて祓い浄める。邪神を和なごめるために行うから名づけた。夏祓。みなづきのはらえ。茅の輪くぐり。輪越祭。〈[季]夏〉 ⇒な‐ごし【夏越・名越】

なごし‐の‐みそぎ【夏越の御禊】🔗🔉

なごし‐の‐みそぎ夏越の御禊(→)「夏越の祓」に同じ。源氏物語順集「岩波の立ち返るせは井堰いぜきより―すとや聞くらむ」 ⇒な‐ごし【夏越・名越】

なつ【夏】🔗🔉

なつ】 (朝鮮語のnierym(夏)、満州語のniyengniyeri(春)などアルタイ諸語で「若い」「新鮮な」の原義の語と同源か。アツ(暑)・ナル(生)・ネツ(熱の字音)からなどともいう)四季の一つ。春の次、秋の前で、現在一般には6・7・8の3カ月。陰暦では立夏から立秋まで、4・5・6の3カ月。天文学上では、太陽が夏至げし点を通過して秋分点に来るまで。四季の中で最も暑い。〈[季]夏〉 ⇒夏歌う者は冬泣く ⇒夏の小袖 ⇒夏深し ⇒夏まけて ⇒夏も小袖

なつ‐あかね【夏茜】🔗🔉

なつ‐あかね夏茜】 アカトンボの一種。体長約37ミリメートル。複眼を含めた体全体が赤く色づく。日本各地で普通に見られる。

なつ‐いも【夏芋】🔗🔉

なつ‐いも夏芋】 ジャガイモの別称。六月芋。百日芋。

なつ‐うぐいす【夏鶯】‥ウグヒス🔗🔉

なつ‐うぐいす夏鶯‥ウグヒス 夏になってもなお鳴いているウグイス。老鶯ろうおう・おいうぐいす。残鶯。晩鶯。〈[季]夏〉 ○夏歌う者は冬泣くなつうたうものはふゆなく 暑い夏、働かずに歌い暮らす者は、冬になって飢えと寒さとに泣く。 ⇒なつ【夏】

○夏歌う者は冬泣くなつうたうものはふゆなく🔗🔉

○夏歌う者は冬泣くなつうたうものはふゆなく 暑い夏、働かずに歌い暮らす者は、冬になって飢えと寒さとに泣く。 ⇒なつ【夏】 なつ‐うめ夏梅】 〔植〕マタタビの別称。 ナツーラnatura ラテン・ ポルトガル⇒ナツラ なつ‐おうぎ夏扇‥アフギ 威儀用の桧扇ひおうぎを冬扇というのに対して、夏に用いる紙を張った扇をいう。 なつ‐おび夏帯】 夏に用いる女帯。一重には博多・綴織つづれおり・西陣御召・紬織つむぎおりなど、名古屋帯には麻・絽・紗などがある。 なつか長束】 姓氏の一つ。 ⇒なつか‐まさいえ【長束正家】 なつ‐かぐら夏神楽】 ①六月みなづきの祓えに行う神楽。夏越なごしの神楽。夫木和歌抄7「―今日やしつらむ」 ②夏、川の瀬に榊さかき4本を立てて柱とし、篠竹を柵として供物をそなえ、河社かわやしろとして奏する神楽。 ③神社の夏祭に行う神楽。 なつ‐かげ夏陰】 夏の、物陰の涼しいところ。万葉集7「―の房つまやの下に衣きぬ裁つ吾妹わぎもなつ‐がけ夏掛け】 夏に用いる薄い掛布団。 なつかし・い懐かしい】 〔形〕[文]なつか・し(シク) (動詞ナツクの形容詞形) ①そばについていたい。親しみがもてる。万葉集16「秋さりて山辺を行けば―・しとわれを思へか天雲も行きたなびく」。源氏物語須磨「―・しうめでたき御けはひの昔に変らぬに」。「住み慣れた家で―・く立ち去りがたい」 ②心がひかれるさまである。しっくりとして優しい感じである。万葉集13「秋山の色―・しきももしきの大宮人は」。源氏物語須磨「無紋の御直衣、なかなかいと―・しきを着給ひて」 ③かわいい。いとしい。源氏物語真木柱「まろらをも、らうたく、―・しうなむし給ふ」 ④思い出されてしたわしい。謡曲、二人静「昔忘れぬ心とて、さも―・しく思ひ出の」。「―・い友達」 なつかしび懐かしび】 親愛の態度。なつかしみ。浜松中納言物語2「うらなく―を通はひ給ひしに」 なつかし・ぶ懐かしぶ】 〔他上二〕 (→)「なつかしむ」に同じ。 なつかし・む懐かしむ】 〔他五〕 なつかしいと思う。慕わしく思い出す。なつかしぶ。中務内侍日記「―・む心を知らば行く先を向ひの神のいかが見るらん」。「学生時代を―・む」 なつ‐がすみ夏霞】 夏にたなびく霞。〈[季]夏〉 なつ‐かぜ夏風邪】 夏にひく風邪。 なつか‐まさいえ長束正家‥イヘ 安土桃山時代の武将。丹羽長秀ついで豊臣秀吉に仕え、財政面に手腕を発揮して五奉行の一人となる。近江水口を領し、関ヶ原の戦に敗れて自刃。( 〜1600) ⇒なつか【長束】 なつ‐かみしも夏上下】 夏に着用する薄物のかみしも。 なつ‐がも夏鴨】 (夏まで残留するからいう)(→)カルガモの別称。 なつ‐かり夏刈り】 草などを夏に刈り取ること。また、その草。新古今和歌集「―の荻のふる枝は枯れにけり」 なつ‐がれ夏枯れ】 夏期にみられる市場不振。事業が季節的関係で夏期に不振状態となること。多く、都会の商店・飲食店・劇場などについていう。〈[季]夏〉 なつ‐き夏季】 ①夏の季節。かき。 ②春の出替りから秋の出替りまでの半季の奉公期間。1668年(寛文8)以後は3月5日から9月4日までとした。 ↔冬季ふゆき なつ‐ぎ夏着】 夏に着る着物。なつぎぬ。なつごろも。 な‐づき名簿・名付】 自分の官位・氏名を記し、略歴を加えた名札。帰服または入門の証として献呈した。みょうぶ。宇津保物語藤原君「人のそこら奉る―を留めさせ給ひて」 なつ‐ぎく夏菊】 初夏から夏にかけて開花するキクの品種の総称。「八十八夜」「白更紗」など。〈日葡辞書〉 なつ‐ぎぬ夏衣】 夏着る着物。なつぎ。なつごろも。為忠百首「いつしかと今朝は―きるべきに」 なつ‐きょうげん夏狂言‥キヤウ‥ 歌舞伎で、7月・8月に上演される狂言。水狂言や怪談狂言など、涼味を感じさせる狂言が多い。〈[季]夏〉。→土用休み ナックnak・Na-K】 ナトリウムとカリウムから成る合金。常温で液体。原子炉の冷却材などに用いる。ナク。 なっく 〔副〕 すらすらと早く。容易に。案外早く。日葡辞書「ナックシハタ(果)イタ」「ナックツ(着)イタ」 なつ・く懐く】 (ナズクとも) [一]〔自五〕 (馴れつく意)馴れてつき従う。馴れて親しむ。なつかしく思う。慕わしく思う。万葉集6「―・きにし奈良の都の荒れゆけば」。源氏物語若菜上「猫はまだよく人にも―・かぬにや」。「祖母に―・く」 [二]〔他下二〕 ⇒なつける(下一) な‐づ・く名付く】 [一]〔自四〕 名が付く。命名される。名のる。 [二]〔他下二〕 ⇒なづける(下一) なつ‐くさ夏草】 夏に生い繁る草。〈[季]夏〉。万葉集10「―の刈り払へども生ひしく如し」。奥の細道「―や兵つわものどもが夢の跡」 ⇒なつくさ‐の【夏草の】 なつくさ‐の夏草の】 〔枕〕 「しなゆ(萎ゆ)」「野島」「ね」「深くも」「かりそめに」「しげき思ひ」などにかかる。 ⇒なつ‐くさ【夏草】 な‐づくし名尽し】 人名・町名・国名・諸物品の名を列挙したもの。江戸時代から習字手本の一種として使用。 なつ‐くず夏葛】 (夏、刈りとるからいう)葛くずのこと。 ⇒なつくず‐の【夏葛の】 なつくず‐の夏葛の】 〔枕〕 「絶えぬ」にかかる。 ⇒なつ‐くず【夏葛】 なつ‐ぐみ夏茱萸・夏胡頽子】 グミ科の落葉低木。日本ではもっとも普通のグミで、各地に栽培。高さ約2メートル。葉の裏面は鱗毛を密生、銀白色。初夏、葉腋に帯白色の花をつけ、楕円形赤色の液果を結ぶ。食用。実の大きな変種をトウグミという。木半夏。〈[季]夏〉 なつぐみ なつ‐ぐも夏雲】 夏に立つ雲。夏の雲。入道雲・夕立雲・雷雲など。 ナックルknuckle】 指の関節。 ⇒ナックル‐パート【knuckle part】 ⇒ナックル‐フォア ⇒ナックル‐ボール【knuckle ball】 ナックル‐パートknuckle part】 ボクシングで、拳こぶしの親指を除く正面の4指で第2・第3関節の間にできる四角い部分。この部分以外でパンチを打つと反則となる。 ⇒ナックル【knuckle】 ナックル‐フォア (和製語)ボート競技の一つ。日本独特のもので、角ばった船底のナックル艇を使用し、1人の舵手だしゅと4人の漕手そうしゅが1チームとなって競技する。 ⇒ナックル【knuckle】 ナックル‐ボールknuckle ball】 野球で、投手の投球の一種。指先をボールの表面に立てて投げ、打者の手前で不規則に落ちる。 ⇒ナックル【knuckle】 なつけ懐け】 なつかせること。躬恒集「春の野に荒れたる駒の―には」 なつ‐げ夏毛】 ①鳥獣の、冬季と夏季とで毛や羽の色を異にするものの、夏の毛。↔冬毛。 ②鹿の毛の、夏の半ば以後、黄褐色になって、白い斑点の鮮やかに出る頃のもの。毛皮・行縢むかばき・筆毛などに用いる。 な‐づけ名付け】 ①生児に名をつけること。生後7日目につけるのを例とする。 ②「いいなずけ」の略。浄瑠璃、今宮の心中「在所で―の方より急々に欲しいと申すにつき」 ⇒なづけ‐いし【名付石】 ⇒なづけ‐いわい【名付け祝】 ⇒なづけ‐おや【名付け親】 な‐づけ菜漬】 塩漬にした菜。おはづけ。唐菜・白菜・高菜たかななどを冬季の食用に漬け込んだもの。〈[季]冬〉 なづけ‐いし名付石】 生児の命名式の祝膳に置く石。この石に名を書く風習がある。 ⇒な‐づけ【名付け】 なづけ‐いわい名付け祝‥イハヒ 生児の誕生から7日目に命名する祝い。名を紙に書いて貼ったり、小石に書いて氏神に奉納したりする。お七夜。 ⇒な‐づけ【名付け】 なづけ‐おや名付け親】 ①生まれた児に名をつける人。古例では母方の祖父がこれに当たった。なおや。 ②児の後見人としてその児に命名し、または別名を与える仮親。名添親。 ③ある物事の命名者。「新商品の―」 ⇒な‐づけ【名付け】 なづけ‐そ・む名付け初む】 〔他下二〕 はじめて名づける。万葉集6「大汝、少彦名の神こそは―・めけめ」 なつ・ける懐ける】 〔他下一〕[文]なつ・く(下二) なつくようにする。てなずける。ならす。万葉集5「春の野に鳴くや鶯―・けむとわが家の園に梅が花咲く」。「野良犬を―・ける」 な‐づ・ける名付ける】 〔他下一〕[文]なづ・く(下二) ①名をつける。命名する。 ②称する。となえる。 なつ‐ご夏子・夏仔】 夏に生まれた子。主に、犬や猫などにいう。〈日葡辞書〉 なつ‐ご夏蚕】 夏に飼育する蚕かいこ。普通、7月に上蔟じょうぞくする。二番ご。〈[季]夏〉 なつ‐こだち夏木立】 夏の頃の繁った木立。〈[季]夏〉 なつ‐こむぎ夏小麦(→)ライ麦の別称。 なつ‐ごろも夏衣】 [一]〔名〕 夏に着る着物。なつぎぬ。なつぎ。〈[季]夏〉。古今和歌集雑体「蝉の羽のひとへに薄き―」 [二]〔枕〕 「かとり」「ひとへ」「うすし」「たつ」「き(着)る」「ひも」などにかかる。 なつ‐さく夏作】 夏に栽培すること。また、その作物。 なつ‐さくもつ夏作物】 夏の間に生育して、秋または冬までに収穫する作物。稲・大豆・煙草・茄子なすの類。↔冬作物 なつ‐ざしき夏座敷】 夏、襖ふすまや障子をとり払い、簾すだれや簾戸すどなどで涼しそうに装った座敷。〈[季]夏〉 なつ‐さ・ぶ夏さぶ】 〔自上二〕 夏らしい情感が深まる。拾玉集4「手にむすぶ音羽の滝に―・びて」 なつ‐ざぶとん夏座蒲団・夏座布団】 夏用の座ぶとん。涼しげな模様を選び、小ぶりで薄く作る。〈[季]夏〉 なつ‐じお夏潮‥ジホ 夏の潮。夏の海。〈[季]夏〉 なつ‐じかん夏時間】 ①夏季の一定期間、仕事の能率を高めるため、通常の時刻を繰り上げる制度。夏時刻。サマータイム。 ②学校などで、夏季の始業時刻を早くすること。 なつ‐しばい夏芝居‥ヰ 夏期の芝居興行。怪談物や喜劇が多い。水や滝を使って涼しさを演出することもある。〈[季]夏〉 なつしま‐かいづか夏島貝塚‥カヒ‥ 神奈川県横須賀市夏島町にある縄文時代早期の貝塚。1950年代に行われた放射性炭素年代測定法による年代測定の結果、出土した土器が当時世界最古のものとされた。 ナッシュJohn Forbes Nash, Jr.】 アメリカの数学者・経済学者。ゲームの理論においてナッシュ均衡と呼ばれる考え方を提示。著「非協力ゲーム」など。ノーベル賞。(1928〜) ナッシュPaul Nash】 イギリスの画家。自然の内的構造を透視した独特の風景画・戦争画を描く。イギリスのシュールレアリスム運動を推進。作「月下の柱」など。(1889〜1946) ナッシュヴィルNashville】 アメリカ合衆国テネシー州の州都。同州第2の都市。カントリー‐アンド‐ウェスタンの中心地。人口57万(2000)。 なっ‐しょ納所】 ①年貢などを納める倉庫。また、納めること。また、それをつかさどる役人。日葡辞書「ネングヲナッショスル」 ②寺院で、施物を納め、また、会計などの寺務を取り扱う所。また、それをつかさどる僧。 ⇒なっしょ‐ぼうず【納所坊主】 なっしょ‐ぼうず納所坊主‥バウ‥ ①会計・庶務を取り扱う僧。 ②下級の僧。 ⇒なっ‐しょ【納所】 ナッシングnothing】 ①何も無いこと。皆無。「オール‐オア‐―」 ②野球のボール‐カウントで、ストライクまたはボールが1球もないこと。「ツー‐―」「スリー‐ボール‐―」 なつ‐ずいせん夏水仙】 ヒガンバナ科の多年草。中国から古く渡来して各地に自生化。地下の鱗茎は円く黒色の皮を持つ。葉はヒガンバナに似て線形で幅広く、夏には枯れる。夏から初秋、長い花茎を出し、淡紅紫色の漏斗ろうと状の花を数個集めて開く。観賞用。属名のリコリスで呼ばれる園芸品種もある。〈[季]夏〉 ナツズイセン 撮影:関戸 勇 なつ‐すがた夏姿】 ①夏らしい趣のある様子。「野山が―になる」 ②夏衣を着た姿。夏のいでたち。拾玉集5「春秋もなき―かな」 なつ‐スキー夏スキー】 夏に標高の高い地で行うスキー。 なつ‐ぜみ夏蝉】 夏に鳴くセミ。主としてニイニイゼミをいうが、広義にはアブラゼミなども含めた総称。宇津保物語吹上上「―の羽におく露の消えぬまに」 なっ‐せん捺染】 色糊で布地に文様を印刷する染色法。和更紗わザラサ・中形・小紋・友禅などに応用。機械捺染と手工捺染とに大別、また捺染様式から直接捺染法・抜染法・防染法などに分類。おしぞめ。プリント。なせん。「―友禅」↔浸染しんぜん⇒なっせん‐のり【捺染糊】 なっせん‐のり捺染糊】 捺染に用いる糊液。捺染様式によって直接捺染糊・防染糊・抜染糊などに分類。 ⇒なっ‐せん【捺染】 なつ‐そ夏麻】 夏、麻畑からとった麻。頼政集「山里に―引き折る咳しわぶるひ人」 ⇒なつそ‐びく【夏麻引く】 ナッソーNassau】 西インド諸島北部、バハマ国の首都。ニュー‐プロヴィデンス島の北東岸にある。タックス‐ヘイブン政策により国際金融センターとして機能。人口21万1千(2000)。 なつそ‐びく夏麻引く】 〔枕〕 「うな(海・項)」「うなで(雲梯)」「いのち(命)」にかかる。 ⇒なつ‐そ【夏麻】 ナッタGiulio Natta】 イタリアの化学者。チーグラー触媒を使ってプロピレンの重合に成功。これが規則正しい配列(立体規則性)をもつことを発見。立体規則性のゴムの合成にも成功。ノーベル賞。(1903〜1979) なつ‐だいこん夏大根】 ダイコンの一品種。耐暑性で、夏収穫する。形は小さく辛味が強い。〈[季]夏〉 なつ‐だいだい夏橙(→)ナツミカンの別称。〈[季]夏〉 なつ‐たび夏足袋】 夏に用いる足袋。裏に薄地の木綿を使用するものが多い。〈[季]夏〉 なつ‐だより夏便り】 ①暑中見舞いの手紙。 ②夏の到来を知らせるたより。 な‐づち】 鮭・鮫などの漁獲の際、その頭部を打って殺す漁具。 なっちょらん (ナッテヲラヌの転)問題にならない、まるでむちゃくちゃだ、という意の俗語。 ⇒なっちょらん‐ぶし【なっちょらん節】 なっちょらん‐ぶしなっちょらん節】 大正期の流行歌。囃子詞はやしことばに「なっちょらんなっちょらん」が付くもの。 ⇒なっちょらん なっ‐ちん納音】 (ナツインの連声)運命判断の一種。60通りの干支に五行を配当して種々の名称をつけ、これを人の生年にあてて運命を判断すること。甲子・乙丑を海中金、丙寅・丁卯を炉中火とする類。 ナッツnut(s)】 クルミ・アーモンドなど、硬い殻に覆われた木の実の総称。堅果。ナット。 なつっこ・い懐っこい】 〔形〕 人によくなれ親しみやすい。「人―・い」 なつ‐づた夏蔦】 ツタの別称。 なつ‐つばき夏椿】 ツバキ科の落葉高木。山地に自生。高さ約10メートル。幹の肌は滑らかな黄褐色で、サルスベリに似る。葉は楕円形で、裏面に絹毛を生ずる。6月頃、葉腋に大きな白花を1個ずつ開くが、開花後間もなく散る。庭木とされる。娑羅樹しゃらのき。しゃら。 夏椿 撮影:関戸 勇

なつ‐かげ【夏陰】🔗🔉

なつ‐かげ夏陰】 夏の、物陰の涼しいところ。万葉集7「―の房つまやの下に衣きぬ裁つ吾妹わぎも

なつ‐がけ【夏掛け】🔗🔉

なつ‐がけ夏掛け】 夏に用いる薄い掛布団。

なつ‐がすみ【夏霞】🔗🔉

なつ‐がすみ夏霞】 夏にたなびく霞。〈[季]夏〉

なつ‐がも【夏鴨】🔗🔉

なつ‐がも夏鴨】 (夏まで残留するからいう)(→)カルガモの別称。

なつ‐かり【夏刈り】🔗🔉

なつ‐かり夏刈り】 草などを夏に刈り取ること。また、その草。新古今和歌集「―の荻のふる枝は枯れにけり」

なつ‐がれ【夏枯れ】🔗🔉

なつ‐がれ夏枯れ】 夏期にみられる市場不振。事業が季節的関係で夏期に不振状態となること。多く、都会の商店・飲食店・劇場などについていう。〈[季]夏〉

なつ‐き【夏季】🔗🔉

なつ‐き夏季】 ①夏の季節。かき。 ②春の出替りから秋の出替りまでの半季の奉公期間。1668年(寛文8)以後は3月5日から9月4日までとした。 ↔冬季ふゆき

なつ‐ぎく【夏菊】🔗🔉

なつ‐ぎく夏菊】 初夏から夏にかけて開花するキクの品種の総称。「八十八夜」「白更紗」など。〈日葡辞書〉

なつ‐ぎぬ【夏衣】🔗🔉

なつ‐ぎぬ夏衣】 夏着る着物。なつぎ。なつごろも。為忠百首「いつしかと今朝は―きるべきに」

なつ‐きょうげん【夏狂言】‥キヤウ‥🔗🔉

なつ‐きょうげん夏狂言‥キヤウ‥ 歌舞伎で、7月・8月に上演される狂言。水狂言や怪談狂言など、涼味を感じさせる狂言が多い。〈[季]夏〉。→土用休み

なつ‐くず【夏葛】🔗🔉

なつ‐くず夏葛】 (夏、刈りとるからいう)葛くずのこと。 ⇒なつくず‐の【夏葛の】

なつくず‐の【夏葛の】🔗🔉

なつくず‐の夏葛の】 〔枕〕 「絶えぬ」にかかる。 ⇒なつ‐くず【夏葛】

なつ‐ぐみ【夏茱萸・夏胡頽子】🔗🔉

なつ‐ぐみ夏茱萸・夏胡頽子】 グミ科の落葉低木。日本ではもっとも普通のグミで、各地に栽培。高さ約2メートル。葉の裏面は鱗毛を密生、銀白色。初夏、葉腋に帯白色の花をつけ、楕円形赤色の液果を結ぶ。食用。実の大きな変種をトウグミという。木半夏。〈[季]夏〉 なつぐみ

なつ‐ぐも【夏雲】🔗🔉

なつ‐ぐも夏雲】 夏に立つ雲。夏の雲。入道雲・夕立雲・雷雲など。

なつ‐ご【夏子・夏仔】🔗🔉

なつ‐ご夏子・夏仔】 夏に生まれた子。主に、犬や猫などにいう。〈日葡辞書〉

なつ‐ご【夏蚕】🔗🔉

なつ‐ご夏蚕】 夏に飼育する蚕かいこ。普通、7月に上蔟じょうぞくする。二番ご。〈[季]夏〉

なつ‐ごろも【夏衣】🔗🔉

なつ‐ごろも夏衣】 [一]〔名〕 夏に着る着物。なつぎぬ。なつぎ。〈[季]夏〉。古今和歌集雑体「蝉の羽のひとへに薄き―」 [二]〔枕〕 「かとり」「ひとへ」「うすし」「たつ」「き(着)る」「ひも」などにかかる。

なつ‐さく【夏作】🔗🔉

なつ‐さく夏作】 夏に栽培すること。また、その作物。

なつ‐さくもつ【夏作物】🔗🔉

なつ‐さくもつ夏作物】 夏の間に生育して、秋または冬までに収穫する作物。稲・大豆・煙草・茄子なすの類。↔冬作物

なつ‐ざしき【夏座敷】🔗🔉

なつ‐ざしき夏座敷】 夏、襖ふすまや障子をとり払い、簾すだれや簾戸すどなどで涼しそうに装った座敷。〈[季]夏〉

なつ‐さ・ぶ【夏さぶ】🔗🔉

なつ‐さ・ぶ夏さぶ】 〔自上二〕 夏らしい情感が深まる。拾玉集4「手にむすぶ音羽の滝に―・びて」

なつ‐ざぶとん【夏座蒲団・夏座布団】🔗🔉

なつ‐ざぶとん夏座蒲団・夏座布団】 夏用の座ぶとん。涼しげな模様を選び、小ぶりで薄く作る。〈[季]夏〉

なつ‐じかん【夏時間】🔗🔉

なつ‐じかん夏時間】 ①夏季の一定期間、仕事の能率を高めるため、通常の時刻を繰り上げる制度。夏時刻。サマータイム。 ②学校などで、夏季の始業時刻を早くすること。

なつ‐しばい【夏芝居】‥ヰ🔗🔉

なつ‐しばい夏芝居‥ヰ 夏期の芝居興行。怪談物や喜劇が多い。水や滝を使って涼しさを演出することもある。〈[季]夏〉

なつ‐すがた【夏姿】🔗🔉

なつ‐すがた夏姿】 ①夏らしい趣のある様子。「野山が―になる」 ②夏衣を着た姿。夏のいでたち。拾玉集5「春秋もなき―かな」

なつ‐スキー【夏スキー】🔗🔉

なつ‐スキー夏スキー】 夏に標高の高い地で行うスキー。

なつ‐てぶくろ【夏手袋】🔗🔉

なつ‐てぶくろ夏手袋】 夏専用の手袋。あらたまった服装の時に女性が用い、白や黒のレースのものが多い。〈[季]夏〉

なつ‐の‐かげ【夏の蔭】🔗🔉

なつ‐の‐かげ夏の蔭】 夏の木蔭。源氏物語少女「涼しげなる泉ありて―によれり」

なつのきょく【夏の曲】🔗🔉

なつのきょく夏の曲】 箏曲。古今組の一曲。2世吉沢検校作曲。古今集の夏の部の和歌4首を歌詞とする。のちに松阪春栄が手事と替手を補作。

なつ‐の‐くれ【夏の暮】🔗🔉

なつ‐の‐くれ夏の暮】 ①夏の終りごろ。晩夏。千載和歌集「年月を禊みそぎに捨つる―かな」 ②夏の夕方。拾遺和歌集愚草「杣川や浮寝に馴るる筏士は―こそ涼しかるらめ」 ○夏の小袖なつのこそで (小袖は冬着であるところから)時期におくれて不用なもののたとえ。夏小袖。 ⇒なつ【夏】

○夏の小袖なつのこそで🔗🔉

○夏の小袖なつのこそで (小袖は冬着であるところから)時期におくれて不用なもののたとえ。夏小袖。 ⇒なつ【夏】 なつ‐の‐つき夏の月】 夏の涼しい感じの月。〈[季]夏〉 なつ‐の‐やま夏の山】 夏になって濃緑の木々に覆われた山。〈[季]夏〉 なつ‐のれん夏暖簾】 夏期専用の暖簾。麻や木綿の透き通ったものが多い。〈[季]夏〉 なつ‐ば夏場】 ①夏の頃。夏の間。夏季。「―は客足が落ちる」 ②夏に、にぎわう場所。 なっ‐ぱ菜っ葉】 菜の葉。また、葉を食用とする野菜。「―のおひたし」 ⇒なっぱ‐ふく【菜っ葉服】 なつ‐ばおり夏羽織】 夏に着用する一重の羽織。紗しゃ・絽・透綾すきやなどを用いる。〈[季]夏〉 なつ‐はぎ夏萩】 ①(→)ミヤギノハギの別称。曾丹集「―の麻生の繁りを」 ②襲かさねの色目。表は青、裏は紫で、夏に用いる。 なつ‐ばしょ夏場所】 ①大相撲の本場所の一つ。毎年5月に興行するもの。五月場所。〈[季]夏〉 ②夏の最もよい場所。夏繁昌する場所。夏場。 なつ‐はぜ夏櫨】 ツツジ科の落葉低木。高さ約2メートル、分枝が多い。初夏、淡黄赤色の多数の鐘形小花を穂状につける。球状の液果は黒褐色に熟し、白粉を帯び、食用。 なつは‐づき夏初月・夏端月】 陰暦4月の異称。 なつ‐ばて夏ばて】 夏、暑さのために、体がぐったりと疲れること。夏まけ。 なっぱ‐ふく菜っ葉服】 青色の労働者服。また、それを着る労働者。 ⇒なっ‐ぱ【菜っ葉】 なつ‐ばらえ夏祓‥バラヘ ①夏の夕暮、水辺で行う祓え。 ②夏越なごしの祓え。後撰和歌集「ゆきて見むとや―する」 なつ‐び夏日】 夏の暑い日。気象用語で、最高気温がセ氏25度以上になる日。→真夏日 なつ‐びき夏引】 夏にあがった春蚕はるごの糸を繰り引くこと。また、その繰った糸。古今和歌集「―の手引きの糸を繰り返し」 ⇒なつびき‐の【夏引の】 なつびき‐の夏引の】 〔枕〕 「いと」にかかる。金葉和歌集「逢ふまでは思ひもよらず―いとほしとだにいふと聞かばや」 ⇒なつ‐びき【夏引】 ナップNAPF】 (Nippona Artista Proleta Federacio エスペラント)全日本無産者芸術連盟、およびその改組した全日本無産者芸術団体協議会の略称。プロレタリア芸術を主張する文芸家の団体。1928年創立、機関誌「戦旗」、後に「ナップ」を発行、日本プロレタリア文学の最盛期を作った。31年結成のコップに合流して解消。

なつ‐の‐つき【夏の月】🔗🔉

なつ‐の‐つき夏の月】 夏の涼しい感じの月。〈[季]夏〉

なつ‐の‐やま【夏の山】🔗🔉

なつ‐の‐やま夏の山】 夏になって濃緑の木々に覆われた山。〈[季]夏〉

なつ‐ばおり【夏羽織】🔗🔉

なつ‐ばおり夏羽織】 夏に着用する一重の羽織。紗しゃ・絽・透綾すきやなどを用いる。〈[季]夏〉

なつ‐ばて【夏ばて】🔗🔉

なつ‐ばて夏ばて】 夏、暑さのために、体がぐったりと疲れること。夏まけ。

なつ‐びき【夏引】🔗🔉

なつ‐びき夏引】 夏にあがった春蚕はるごの糸を繰り引くこと。また、その繰った糸。古今和歌集「―の手引きの糸を繰り返し」 ⇒なつびき‐の【夏引の】

なつびき‐の【夏引の】🔗🔉

なつびき‐の夏引の】 〔枕〕 「いと」にかかる。金葉和歌集「逢ふまでは思ひもよらず―いとほしとだにいふと聞かばや」 ⇒なつ‐びき【夏引】

なつ‐ぶとん【夏蒲団・夏布団】🔗🔉

なつ‐ぶとん夏蒲団・夏布団】 夏に用いる薄いふとん。

なつ‐ぼし【夏干し】🔗🔉

なつ‐ぼし夏干し】 ①夏季に衣類などを干すこと。また、その干したもの。 ②土用干し。

○夏まけてなつまけて🔗🔉

○夏まけてなつまけて 夏を待ちうけて。夏になって。万葉集8「―咲きたる唐棣はねず→設 ⇒なつ【夏】 なつ‐まつり夏祭】 ①夏季、みそぎ浄めて病魔・罪穢をはらい、清福を祈請するために行われる祭。 ②夏季に行われる神社の祭。〈[季]夏〉 なつまつりなにわかがみ夏祭浪花鑑‥ナニハ‥ 浄瑠璃。並木千柳ほか合作の世話物。1745年(延享2)初演。夏祭を背景に、団七九郎兵衛・釣船三婦さぶ・一寸ちょっと徳兵衛ら3人の男達おとこだての侠気を脚色。後に歌舞伎化。 →文献資料[夏祭浪花鑑] なつ‐まめ夏豆】 ①(→)ソラマメの別称。 ②ダイズの早生種の総称。新枝豆。〈[季]夏〉 なつ‐みかん夏蜜柑】 ミカン科ダイダイ類の常緑低木。高さ約3メートル。葉は楕円形。葉柄は有翼。初夏、葉腋に白色の五弁花を開き、花後、扁球形の大きな液果を結ぶ。秋、黄熟するが、翌年春から夏に食用にし、酸味と苦味とを有する。もと山口県長門市の産、今は各地に栽培。ナツダイダイ。〈[季]夏〉 ナツミカン(実) 提供:ネイチャー・プロダクション なつ‐みち夏道】 (登山用語)積雪期以外の時期の登山道。 なつ‐むき夏向き】 夏の季節に適していること。また、そのもの。「―の着物の柄がらなつ‐むし夏虫】 ①夏出る虫の総称。〈倭名類聚鈔19〉 ②灯蛾など、夏の夜灯火に慕いよる虫。火取虫。〈[季]夏〉。万葉集9「―の火に入るがごと」 ③蛍の称。後撰和歌集「包めども隠れぬ物は―の身より余れる思ひなりけり」 ④蚊、一説には蝉の称。後撰和歌集「八重葎しげきやどには―の声より外にとふ人もなし」 ⑤夏季、小児に生ずる瘡かさ。なつぶし。 ⇒なつむし‐の‐いろ【夏虫の色】 なつむし‐の‐いろ夏虫の色】 蝉(一説には青蛾)の羽の色で、二藍ふたあいの色のたとえ。薄緑色または瑠璃色かという。枕草子281「夏は二藍、いと暑きころ―したるも涼しげなり」 ⇒なつ‐むし【夏虫】 なつめ】 ①クロウメモドキ科の落葉小高木。原産は中国とされる。高さ約6メートル、枝分れしてこんもりした樹形。葉は卵形で3条の葉脈が明瞭。夏、葉腋に黄白色の花をつけ、花後、核果を結び、暗赤色に熟す。食用・強壮剤。材は細工物。〈[季]秋〉。万葉集16「室むろの樹と―が本とかきはかむため」 ②染料の一種。1の果実を乾燥し、刻み煎じて作る染汁。茶系統の色。 ③点茶てんちゃ用茶入の一種。形が1の果実に似る。大きさに大・中・小があり、多くは漆塗。 ⇒なつめ‐がい【棗貝】 ⇒なつめ‐だま【棗玉】 ⇒なつめ‐やし【棗椰子】 なつめ夏目】 姓氏の一つ。 ⇒なつめ‐せいび【夏目成美】 ⇒なつめ‐そうせき【夏目漱石】 ⇒なつめ‐みかまろ【夏目甕麿】 なつめ‐がい棗貝‥ガヒ 後鰓こうさい類ナツメガイ科の巻貝。貝殻の退化の度合は少なく、殻長約3センチメートルの、ナツメに似た卵形で、まだらのある葡萄色の丈夫な殻を持つ。本州中部以南の浅海産。 ⇒なつめ【棗】 なつ‐め・く夏めく】 〔自五〕 気候・風物が、夏らしくなる。〈[季]夏〉 ナツメグnutmeg】 〔植〕「肉豆蔲にくずく参照。 なつめ‐せいび夏目成美】 江戸後期の俳人。名は包嘉。通称、井筒屋八郎右衛門。別号、随斎・四山道人など。江戸の札差ふださし。一流派に属せず、都会人らしい洗練された清雅な句を残し、江戸俳壇の中心勢力となる。一茶の庇護者。編著「随斎諧話」など。(1749〜1816) ⇒なつめ【夏目】 なつめ‐そうせき夏目漱石】 英文学者・小説家。名は金之助。江戸牛込生れ。東大卒。五高教授。1900年(明治33)イギリスに留学、帰国後東大講師、のち朝日新聞社に入社。05年「吾輩は猫である」、次いで「倫敦塔」を出して文壇の地歩を確保。他に「坊つちやん」「草枕」「虞美人草」「三四郎」「それから」「門」「彼岸過迄」「行人」「こゝろ」「道草」「明暗」など。(1867〜1916) 夏目漱石 提供:岩波書店 →作品:『草枕』 →作品:『虞美人草』 →作品:『行人』 →作品:『こゝろ』 →作品:『三四郎』 →作品:『それから』 →作品:『坊つちやん』 →作品:『明暗』 →作品:『門』 →作品:『倫敦塔』 →作品:『吾輩は猫である』 →作品:『現代日本の開化』 ⇒なつめ【夏目】 なつめ‐だま棗玉】 日本で古墳時代・奈良時代に装身具として用いた玉。ナツメの果実の形をし、古くは硬玉製のものが多く、琥珀こはく・水晶・ガラス製などもある。 ⇒なつめ【棗】 なつめ‐みかまろ夏目甕麿】 江戸後期の国学者・歌人。遠江の人。通称、嘉右衛門。号、萩園はぎぞの。加納諸平の父。本居宣長門下の逸材。著「駿河国号考」、家集「志能夫草」。(1773〜1822) ⇒なつめ【夏目】 なつめ‐やし棗椰子】 ヤシ科の常緑高木。インド西部・メソポタミア地方の原産。熱帯・亜熱帯の乾燥地で栽培、特に北アフリカ・中東地域で多い。高さ20メートル。茎頂に生じる大形の羽状複葉は、長さ約1メートル半に達する。雌雄異株。花後、ナツメに似た液果を結び、生食・ジャム原料・乾果などとして食用。樹液で砂糖を製し、また酒(アラキ酒)を醸す。葉を戦捷せんしょうその他の祝祭に使用するので戦捷木という。英語名デートパーム。デーツ。 なつめやし ⇒なつめ【棗】 なつ‐メロ懐メロ】 (ラジオ番組名「懐かしのメロディー」の略)はやった当時が偲しのばれるような往年の流行歌。

なつ‐まつり【夏祭】🔗🔉

なつ‐まつり夏祭】 ①夏季、みそぎ浄めて病魔・罪穢をはらい、清福を祈請するために行われる祭。 ②夏季に行われる神社の祭。〈[季]夏〉

なつまつりなにわかがみ【夏祭浪花鑑】‥ナニハ‥🔗🔉

なつまつりなにわかがみ夏祭浪花鑑‥ナニハ‥ 浄瑠璃。並木千柳ほか合作の世話物。1745年(延享2)初演。夏祭を背景に、団七九郎兵衛・釣船三婦さぶ・一寸ちょっと徳兵衛ら3人の男達おとこだての侠気を脚色。後に歌舞伎化。 →文献資料[夏祭浪花鑑]

なつ‐むき【夏向き】🔗🔉

なつ‐むき夏向き】 夏の季節に適していること。また、そのもの。「―の着物の柄がら

なつ‐め・く【夏めく】🔗🔉

なつ‐め・く夏めく】 〔自五〕 気候・風物が、夏らしくなる。〈[季]夏〉

○夏も小袖なつもこそで🔗🔉

○夏も小袖なつもこそで 貰う物なら、時節ちがいのものでも喜んで受ける。欲の深いことのたとえ。「いただく物は―」 ⇒なつ【夏】 なつ‐もの夏物】 ①夏季に用いるもの。また、夏季に出回る商品。 ②夏着る衣服。夏着。夏服。夏衣。 なつ‐やかた夏館】 夏らしい装いをした邸宅。〈[季]夏〉 なつ‐やすみ夏休み】 学校・会社などで、夏季に、その業を休むこと。暑中休暇。夏期休暇。〈[季]夏〉 なつ‐やせ夏痩せ】 夏、暑さのために、身体が衰弱してやせること。〈[季]夏〉。万葉集16「―に良しといふ物そ鰻むなぎ取りめせ」 なつ‐やま夏山】 ①夏の青葉の茂った山。〈[季]夏〉。万葉集8「―の木末こぬれの繁しげに」 ②夏、高山の神社・仏閣に参詣すること。 ③登山の対象としての、夏の山。夏の登山。↔冬山 ナツラnatura ラテン・ ポルトガル】 (キリシタン用語)自然。造化。本性。ナツーラ。どちりなきりしたん「―を超えたる御恩の光り也」 な‐で (ナンデの約)なんですか。何でしょうか。誹風柳多留9「うろつけば――といふ呉服店」 な‐で (完了の助動詞ヌの未然形ナに否定のデを添えた語)…てしまわないで。…し果てないで。…ずして。古今和歌集「離れ―漁人あまの足たゆく来る」 なで‐あ・げる撫で上げる】 〔他下一〕[文]なであ・ぐ(下二) 撫でて上へあげる。髪を上へ撫でつける。 なで‐うし撫牛】 素焼などで造った、臥した牛の像。商家などでまつる。布団の上に置き、撫でれば吉事があるといわれ、吉事あるごとに布団を作って重ねる。 なで‐おお・す撫で生す‥オホス 〔他四〕 なでるようにかわいがり育てあげる。蜻蛉日記「なでしこは―・したりや」 なで‐おろ・す撫で下ろす】 〔他五〕 ①上から下へ撫でる。 ②(「胸を―・す」の形で) ⇒むね(胸)(成句) なで‐かく撫角】 ①四角形の四隅の角かどを落として、丸みのある形にしたもの。紋所のわくなどについてもいう。 ②撫角銭の略。 ⇒なでかく‐せん【撫角銭】 なでかく‐せん撫角銭】 撫角形の銭。主に仙台通宝をいう。 ⇒なで‐かく【撫角】 なで‐かしず・く撫で傅く‥カシヅク 〔他四〕 かわいがってそだてる。源氏物語東屋「明けくれまもりて―・くこと限りなし」 なで‐がた撫で肩】 なでおろしたようになだらかに下がった肩。↔怒肩いかりがた↔差肩さしかた なで‐ぎね撫杵】 米つき用の大きな杵。〈日葡辞書〉 なで‐ぎり撫で切り・撫で斬り】 ①なでるようにして切ること。 ②多くの人を片っぱしから、残らず斬り捨てること。 なで‐ぐい撫で食い‥グヒ 片っぱしから食いつくすこと。狂言、右近左近おこさこ「牛を放いておこいて、某が田を大目ほど―にさせたに依て」 なで‐ぐし撫櫛】 髪を撫でつける櫛。なでつけぐし。 なで‐さばき撫で捌き】 髪などを撫でつけ、または解きさばくこと。 なでしこ撫子・瞿麦】 ①ナデシコ科の一群の草本の総称。自生種のほか園芸品種も多い。また、その一種の多年草。秋の七草の一つ。日当りのよい草地・川原などに自生。高さ数十センチメートル。葉は線形。8〜9月頃、淡紅色の花を開く。花弁は5枚で上端が深く細裂。種子は黒色で小さく、利尿に有効。カワラナデシコ。ヤマトナデシコ(同属のセキチクをカラナデシコと呼ぶのに対していう)。とこなつ。〈[季]夏〉。万葉集8「吾がやどに蒔きし―」 なでしこ ナデシコ 提供:OPO ②襲かさねの色目。表は紅、裏は薄紫。または、表は紅梅、裏は青。とこなつ。 ③紋所の名。ナデシコの花を取り合わせて描いたもの。 ④愛撫する子。和歌などで、多く植物のナデシコにかけて用いる。 ⇒なでしこ‐の‐わかば‐の‐いろ【撫子の若葉の色】 なでしこ‐の‐わかば‐の‐いろ撫子の若葉の色】 襲かさねの色目。表は蘇芳すおう、裏は青。 ⇒なでしこ【撫子・瞿麦】 なで‐つくろ・う撫で繕う‥ツクロフ 〔他五〕 髪などをなでてつくろいなおす。なでてよそおう。源氏物語薄雲「この君を―・ひつつ居たり」 なで‐つけ撫付け】 ①なでつけること。 ②撫付髪の略。 ③撫付髪にした人。誹風柳多留20「菜飯屋へ―心やすく来る」 ④撫付髪の歌舞伎鬘の名。「勧進帳」の弁慶などに用いる。 ⇒なでつけ‐がみ【撫付髪】 ⇒なでつけ‐ぐし【撫付櫛】 ⇒なでつけ‐びん【撫付鬢】 なでつけ‐がみ撫付髪】 ①後方へ撫でつけた髪。 ②髪を結ばずにときつけて後方に流したままの髪。学者・虚無僧こむそう・山伏・易者などに多い。 ⇒なで‐つけ【撫付け】 なでつけ‐ぐし撫付櫛】 なでぐし。 ⇒なで‐つけ【撫付け】 なでつけ‐びん撫付鬢】 撫付髪の鬢。撫鬢。 ⇒なで‐つけ【撫付け】 なで‐つ・ける撫で付ける】 〔他下一〕[文]なでつ・く(下二) ①撫でておさえつける。 ②乱れた髪を櫛や手で整える。「髪を―・ける」 ③愛撫して味方につける。手なずける。日葡辞書「ヒトヲナデツクル」 なで‐づち撫槌】 米つき用の大槌。〈日葡辞書〉 なで‐づり撫釣】 牛角または海松みるでつくった擬餌鉤ぎじばりをつけた短い釣糸を長い竿の先につけ、岩上などから海面を撫でるように左右に動かして釣ること。浮遊するブリなどを釣るのに用いる。 なで‐はだ・く撫で刷く】 〔他下二〕 撫でさすってよそおう。なでつくろう。保元物語「あけくれに―・け奉りて」 なで‐びん撫鬢】 撫付髪の鬢。 なで‐ぼとけ撫仏】 賓頭盧びんずるの別称。病気の患部に相当する像の部分を撫でた手で自分の患部を撫でれば、病気が平癒するという俗信がある。 なで‐まく・る撫で捲る】 〔他四〕 撫で斬りに斬りまくる。浄瑠璃、国性爺合戦「八方無尽にわり立てわり立て―・る」 なで‐まわ・す撫で回す‥マハス 〔他五〕 手のひらであちこちなでる。 なで‐もの撫物・摩物】 ①祓はらえの時に、穢けがれや災いを移し負わせる紙製の人形ひとかたやその代りに用いる小袖の類。それで体を撫でて、撫で終われば水に流す。形代。あがもの。源氏物語東屋「恋しき瀬々の―にせむ」 ②猫の称。(和訓栞) ⇒なでもの‐づかい【撫物使】 なでもの‐づかい撫物使‥ヅカヒ 室町幕府の職名。祓はらえを行う時、撫物を持って祓い棄てる役。贖物役あがものやく。撫物役。 ⇒なで‐もの【撫物・摩物】 なで‐やしな・う撫で養ふ‥ヤシナフ 〔他四〕 かわいがってそだてる。宇津保物語俊蔭「親の―・ひ給ひし時は」 な・でる撫でる】 〔他下一〕[文]な・づ(下二) ものの表面を心をこめてさする意。 ①手のひらでやさしくさする。万葉集20「わが母の袖持ち―・でてわが故からに泣きし心を忘らえぬかも」。平家物語5「よに暖かにかうばしき御手をもつて―・でくだし給ふ」。「子供の頭を―・でる」 ②物が他の物に触れ、静かに動く。「風が頬を―・でる」 ③いつくしむ。かわいがる。大事にする。万葉集18「老い人も女おみな童児わらわもしが願ふ心足らひに―・でたまひ治めたまへば」。平家物語5「朝夕ひまなく―・で飼はれける馬の尾に」 ④くしけずる。髪をとかす。福富長者物語「烏帽子の塵はらひて髪―・でつけ」 ⑤ひきくだく。日葡辞書「コメヲナヅル」 ⑥(斎宮の忌詞)打つ。斎宮寮式「打を撫なづと称ふ」 な‐でん南殿】 (ナンデンのンの表記されない形) ①紫宸殿の別称。源氏物語桐壺「―にてありし儀式の」 ②栽培されるサクラの一種。枝は暗灰褐色。葉・葉柄・花柄に著しい毛がある。半八重咲きでサトザクラとチョウジザクラの雑種とされる。チャワンザクラ。ムシャザクラ。 ⇒なでん‐の‐さくら【南殿の桜】 なでん‐の‐さくら南殿の桜(→)「左近の桜」に同じ。平家物語11「内侍所…―の梢にかからせおはしまし」 ⇒な‐でん【南殿】 なと 〔助詞〕 ナリトの約。浄瑠璃、博多小女郎波枕「女房にし―、殺し―、いやかおうかが生死の大事の返事」。「何―お好きなものをどうぞ」 な‐ど何ど】 〔副〕 (ナニトの転)どうして。なにゆえ。なぜ。古事記「―さける鋭目とめなど等・抔】 〔助詞〕 (副助詞)(「何」に助詞「と」が付いたものの転。平安時代に使われだした語。本来なかった「などと」の例が鎌倉時代以後に見られる) ①ある語に添えて、それに類する物事が他にもあることを示す。…や何か。源氏物語桐壺「御子たち―もおはしませば」「大殿ごもりすぐして、やがてさぶらはせ給ひ―、あながちにお前去らずもてなさせ給ひ」。「花―で部屋を飾る」 ②それだけに限定せずやわらげていう。枕草子1「火―急ぎおこして炭もてわたるも」。「お祝いにはネクタイ―いかがでしょう」 ③(引用句を受けて)「大体そんなことを」の意を表す。土佐日記「日をのぞめばみやこ遠し―いふなることのさまを聞きて」 ④その価値を低めていう。相手の言ったことをしりぞける心持で、特にとり立てて示す。否定的・反語的表現を伴うことが多い。…なんか。浮世風呂2「あの島田くづしのかたち―は、役者の鬘同然さ」。「僕―にはできません」「うそ―つかない」「疲れ―していない」 ナトーNATO】 (North Atlantic Treaty Organization)北大西洋条約機構。北大西洋条約に基づき1949年結成された西欧諸国とアメリカ・カナダの加盟する集団安全保障機構。最高機関は全加盟国の代表から成る理事会。66年フランスが軍事協力面から離脱した後、総本部はパリからブリュッセルへ移転。冷戦後、旧東欧諸国も加盟。 など‐か ①(疑問の意)どうしてか。なにゆえにか。なぜか。万葉集19「山ほととぎす―来鳴かぬ」 ②(反語の意)どうして…であろうか。源氏物語帚木「わが心あやまちなくて見すぐさば、さし直しても―見ざらん」 ⇒などか‐は ⇒などか‐も などか‐は どうしてか。大和物語「死出の山―ひとり越えむとはせし」 ⇒など‐か などか‐も どうしてか、まあ。万葉集4「―妹いもに告らず来にけむ」 ⇒など‐か な‐どころ名所】 ①名前と場所。氏名と住所。 ②物の各部分の名称。「甲冑の―」 ③名のある所。名高い所。めいしょ。「花の―」 など‐て 〔副〕 (ナニトテの転)なぜ。どうして。なにゆえに。源氏物語夕顔「―乗り添ひて行かざりつらむ」 ⇒などて‐か などて‐か (多く、反語に用いる)どうしてか。源氏物語夕顔「―深く隠し聞え給ふ事は侍らむ」 ⇒など‐て など‐や どうしてか。平家物語10「―いままで迎へさせ給はぬぞ」 など‐やか おだやか。平穏。なごやか。浄瑠璃、女殺油地獄「目玉の鬼門金神も―に」 など‐よう等様‥ヤウ 例をあげていう語。…などといったよう。源氏物語桐壺「小萩が上ぞしづ心なき―に乱りがはしきを」 な‐とり名取】 ①名を得ること。評判の高いこと。また、その人。浄瑠璃、堀川波鼓「国に―の濡れ者と」 ②音曲・舞踊などを習う者が、師匠から芸名を許されること。また、その人。一定水準の技能に達した弟子に流儀名のうちの字を与え、家元制度の維持をはかるもの。 ⇒なとり‐ぐさ【名取草】 なとり名取】 宮城県中部、仙台市の南に隣接する市。もと奥州街道の宿駅・市場町。仙台の衛星都市として住宅地化が進む。南東部に仙台空港がある。人口6万9千。 なとり名取】 姓氏の一つ。 ⇒なとり‐ようのすけ【名取洋之助】 な‐どり汝鳥】 あなたの鳥。あなたの意に従う鳥。古事記「後は―にあらむを」↔我鳥わどり ナトリウムNatrium ドイツ】 (ギリシア語のnitron(天然炭酸ナトリウム)から)アルカリ金属元素の一種。元素記号Na 原子番号11。原子量22.99。銀白色の軟らかい金属。酸素と化合しやすく、湿った空気中では、その表面に水酸化ナトリウムを生成して光沢を失う。また、水と激しく反応して水素を発生するから、石油中に貯える。炎色反応は黄色。地殻中には珪酸塩として、海水中には食塩として多量に存在。すべての生物に必須の元素。英語名ソジウム。 ⇒ナトリウム‐アマルガム【Natriumamalgam ドイツ】 ⇒ナトリウム‐いおう‐でんち【ナトリウム硫黄電池】 ⇒ナトリウム‐ポンプ ⇒ナトリウム‐ランプ ナトリウム‐アマルガムNatriumamalgam ドイツ】 ナトリウムと水銀との合金。還元剤として使用。 ⇒ナトリウム【Natrium ドイツ】 ナトリウム‐いおう‐でんちナトリウム硫黄電池‥ワウ‥ 陽極に硫黄、陰極にナトリウム、電解質にセラミックを用いる乾電池の総称。電力貯蔵率90パーセント以上で、電力貯蔵用に適する。 ⇒ナトリウム【Natrium ドイツ】 ナトリウム‐ポンプ (和製語)細胞膜にある蛋白質の一種。ナトリウム‐イオンを細胞外に、カリウム‐イオンを細胞内に運び、生命活動に適合したイオン分布を形成する。 ⇒ナトリウム【Natrium ドイツ】 ナトリウム‐ランプ (和製語)ナトリウム蒸気中で放電すると橙黄色の光を発することを利用したランプ。純粋な単色光なので屈折計や偏光計などの光源、高速道路の照明などに用いる。 ⇒ナトリウム【Natrium ドイツ】 なとりがわ名取川‥ガハ 狂言。忘れっぽい僧が、付けてもらったわが名を忘れないように衣に書きつけるが、名取川を渡る時ころんで名前を忘れ、衣の墨も消えるので、名が流れたと水を掬すくう。 なとり‐ぐさ名取草(→)牡丹ぼたんの異称。〈下学集〉 ⇒な‐とり【名取】 なとり‐ようのすけ名取洋之助‥ヤウ‥ 写真家。東京生れ。ミュンヘンで美術を学ぶ。1933年、木村伊兵衛らと日本工房を設立。第二次大戦後、新しいグラフ‐ジャーナリズムを創る。(1910〜1962) 名取洋之助 提供:毎日新聞社 ⇒なとり【名取】 など・る 〔他四〕 (→)「なぞる」に同じ。 ナトルプPaul G. Natorp】 マールブルク学派のコーヘンと並ぶドイツの哲学者・教育学者。数学・物理学の基礎づけに関する著作のほか、教育哲学上の労作もある。著「精密科学の論理的基礎」など。(1854〜1924) なな】 数の名。ななつ。しち。 ナナNana】 ゾラの長編小説。1879年作。美貌と性的魅力をもつ女優ナナを中心に、彼女を取り巻く男たちが次々に破産・投獄・自殺の破局に追い込まれ、彼女もついに天然痘で醜く死ぬ過程を描いた作。 な‐な ①(完了の助動詞ヌの未然形ナに願望の助詞ナを添えた語)…てしまおうよ。…てしまいたい。万葉集2「君により―言痛こちたかりとも」 ②(上代東国方言。否定の助動詞ズの古い未然形ナに助詞ニの転ナを添えた語)…ずして。…ずありつつ。万葉集20「我が手触れ―土に落ちもかも」 なな‐あゆみ七歩(→)「七歩しちほの才」に同じ。 なな‐いろ七色】 ①赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の七つの色。虹などのように太陽の光がスペクトルに分かれた時、際立って見える色。「―の虹」 ②七つの種類。 ③七色菓子の略。 ④七色唐辛子の略。 ⇒なないろ‐がし【七色菓子】 ⇒なないろ‐ごえ【七色声】 ⇒なないろ‐とうがらし【七色唐辛子】 なないろ‐がし七色菓子‥グワ‥ ①庚申こうしんに供えた7種類の菓子。干菓子・砂糖豆・煎餅などで、万治(1658〜1661)〜延宝(1673〜1681)ごろから売り歩いたという。元禄(1688〜1704)ごろには大黒天や天満宮などにも供えた。 ②盆の供え物として蓮はすの葉の上にのせる茄子なす・瓜うりなどの7種類。 ⇒なな‐いろ【七色】 なないろ‐ごえ七色声‥ゴヱ 声がわれて色々な声調になること。また、その声。梅暦「―のごた交ぜは」 ⇒なな‐いろ【七色】 なないろ‐とうがらし七色唐辛子‥タウ‥ (→)七味しちみ唐辛子に同じ。 ⇒なな‐いろ【七色】 なな‐え七重‥ヘ 七つのかさね。七つ重なったこと。しちじゅう。また、多くのかさなり。 ⇒七重の膝を八重に折る

なつ‐やかた【夏館】🔗🔉

なつ‐やかた夏館】 夏らしい装いをした邸宅。〈[季]夏〉

なつ‐やすみ【夏休み】🔗🔉

なつ‐やすみ夏休み】 学校・会社などで、夏季に、その業を休むこと。暑中休暇。夏期休暇。〈[季]夏〉

なつ‐やま【夏山】🔗🔉

なつ‐やま夏山】 ①夏の青葉の茂った山。〈[季]夏〉。万葉集8「―の木末こぬれの繁しげに」 ②夏、高山の神社・仏閣に参詣すること。 ③登山の対象としての、夏の山。夏の登山。↔冬山

[漢]夏🔗🔉

 字形  筆順 〔夂(夊)部7画/10画/教育/1838・3246〕 〔音〕(漢) (呉) 〔訓〕なつ [意味] ①四季の一つ。なつ。「夏季・夏期・夏至げし・立夏・初夏・盛夏・晩夏」 ②中国本土の美称。中華。(対)夷。「華夏・中夏」 ③中国古代の王朝名。禹王が建て、桀けつ王の時に殷いんに滅ぼされた国。「夏殷周三代」 [解字] 飾りをつけた大きな面をかぶって舞う人を描いた象形文字。大きなおおいで下の物をおおう意。草木が大いに茂って大地をおおう季節の意。一説に、大きな面をかぶって舞う夏祭りの意。 [下ツキ 華夏・季夏・消夏・初夏・盛夏・晩夏・半夏生・孟夏・立夏

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