複数辞典一括検索+![]()
![]()
おも【面】🔗⭐🔉
おも【面】
①顔。顔つき。
②表面。「水の―」
おも‐あら【面荒】🔗⭐🔉
おも‐あら【面荒】
馬などの顔の猛く荒々しいこと。
おも‐あわせ【面合せ】‥アハセ🔗⭐🔉
おも‐あわせ【面合せ】‥アハセ
二つの物の表と表とが合うように重ねること。↔うらあわせ
おも‐がい【面懸・面繋】🔗⭐🔉
おも‐がい【面懸・面繋】
(オモガキの音便)馬具の緒の一つ。銜くつわの立聞たちぎきに結びつけて馬の顔にかける組紐または革の装具。総ふさをつけて飾ることもある。→大和鞍やまとぐら(図)→唐鞍(図)
おも‐がき【面懸・面繋】🔗⭐🔉
おも‐がき【面懸・面繋】
⇒おもがい
おも‐かくし【面隠し】🔗⭐🔉
おも‐かくし【面隠し】
①恥かしくて顔をおおうこと。万葉集12「玉かつま逢はむといふは誰なるか逢へる時さへ―する」
②表面を隠すこと。枕草子302「あやしき賤の屋も雪にみな―して」
③恥かしいさまをまぎらすこと。照れ隠し。源氏物語宿木「こまやかなる事などはふともえ言ひ出で給はぬ―にや」
おも‐かく・す【面隠す】🔗⭐🔉
おも‐かく・す【面隠す】
〔自四〕
恥かしくて顔を隠す。万葉集11「あひ見ては―・さるるものからに」
おも‐かげ【面影・俤】🔗⭐🔉
おも‐かげ【面影・俤】
①目先にないものが、いかにもあるように見える、そういう顔や姿や物のありさま。伊勢物語「―にのみいとど見えつつ」。「往時の―をとどめる」
②かおつき。おもざし。顔かたち。源氏物語若菜上「見し―も忘れがたくのみなむ」。「母親の―がある」
③(歌論で)作品から受け取られる心象。無名抄「この歌ばかり―あるたぐひはなし」
④(→)面影付に同じ。去来抄「牡年曰く、―にて付くるとはいかが。去来曰く、うつり・ひびき・匂ひは付け様のあんばいなり。―は付け様の事なり」
⑤名香の名。質は伽羅きゃら。
⇒おもかげ‐づけ【面影付・俤付】
⇒面影に立つ
おもかげ‐づけ【面影付・俤付】🔗⭐🔉
おもかげ‐づけ【面影付・俤付】
俳諧の付合つけあいの一つ。故事・古歌などをもとにして句を付けるとき、それらを彷彿ほうふつさせるような表現で付けること。
⇒おも‐かげ【面影・俤】
○面影に立つおもかげにたつ
今、目の前にないものの姿を見ている思いになる。その姿が心の中に浮かぶ。「亡き父の姿が―」
⇒おも‐かげ【面影・俤】
○面影に立つおもかげにたつ🔗⭐🔉
○面影に立つおもかげにたつ
今、目の前にないものの姿を見ている思いになる。その姿が心の中に浮かぶ。「亡き父の姿が―」
⇒おも‐かげ【面影・俤】
おも‐かじ【面舵】‥カヂ
①船首を右へ向ける時の舵の使い方。↔取舵とりかじ。
②転じて、右舷うげん。
おも‐かた【面形】
顔の形。顔つき。おもざし。万葉集14「―の忘れむ時しだは」
おも‐か・つ【面勝つ】
〔自四〕
面と向かって気おくれしない。古事記上「いむかふ神と―・つ神なり」
おも‐がろ・し【面軽し】
〔形ク〕
あらあらしくない。おとなしい。
おも‐がわり【面変り】‥ガハリ
顔つきや様子の変わること。源氏物語賢木「―せむことあはれにおぼさるれば」
おも‐き【重木・主木】
和船で、船腹から船底にかけての湾曲部に用いた「く」の字形に刳くり出した部材。これを用いた船の造りを重木造りという。→丸木船
おも‐きゃく【重客】
おもだった客。都鄙問答「―の分は是非とも自らせられ候」
おも‐ぎらい【面嫌い】‥ギラヒ
幼児が見知らぬ人を見てきらって泣くこと。人見知り。宇津保物語国譲中「犬宮は…大臣をば怖ぢず―をもせず」
おも‐かた【面形】🔗⭐🔉
おも‐かた【面形】
顔の形。顔つき。おもざし。万葉集14「―の忘れむ時しだは」
おも‐がろ・し【面軽し】🔗⭐🔉
おも‐がろ・し【面軽し】
〔形ク〕
あらあらしくない。おとなしい。
おもご‐けい【面河渓】🔗⭐🔉
おもご‐けい【面河渓】
愛媛県中部、石鎚山南麓の面河川にある渓谷。紅葉の名勝。
面河渓
撮影:佐藤 尚
おも‐だか【沢瀉・面高】(植物他)🔗⭐🔉
おも‐だか【沢瀉・面高】
①オモダカ科の多年草。水田・池沼に自生。葉面に隆起した模様があるからオモダカという。30〜60センチメートルの長柄のある葉を出し、夏、白色3弁の花を長い花穂に多数つける。食用のクワイはこの変種。ハナグワイ。なまい。〈[季]夏〉。本草和名「沢藛、和名奈末為一名於毛多加」
おもだか
オモダカ
提供:OPO
②文様・紋所の名。オモダカの葉や花を図案化したもの。立たて沢瀉・抱だき沢瀉など。平家物語9「―を一しほ摺つたる直垂に」
沢瀉
③オモダカの葉の形をした鏃やじり。
④源氏八領の鎧よろいの一つ。つくりが沢瀉縅おどしであることからの名。平治物語「―とて、沢おどしにしたる重代のよろひに」
⇒おもだか‐おどし【沢瀉縅】
⇒おもだか‐くわい【沢瀉慈姑】
⇒おもだか‐ずり【沢瀉摺】
オモダカ
提供:OPO
②文様・紋所の名。オモダカの葉や花を図案化したもの。立たて沢瀉・抱だき沢瀉など。平家物語9「―を一しほ摺つたる直垂に」
沢瀉
③オモダカの葉の形をした鏃やじり。
④源氏八領の鎧よろいの一つ。つくりが沢瀉縅おどしであることからの名。平治物語「―とて、沢おどしにしたる重代のよろひに」
⇒おもだか‐おどし【沢瀉縅】
⇒おもだか‐くわい【沢瀉慈姑】
⇒おもだか‐ずり【沢瀉摺】
おも‐だか【面高】🔗⭐🔉
おも‐だか【面高】
細面で目鼻立ちが高く見える顔つき。
おもて【面】🔗⭐🔉
おもて【面】
(「おも(面)て(方)」の意)
①顔。顔面。おもわ。万葉集5「紅の―の上に」。「―を伏せる」
②仮面。おもてがた。特に、能面。
③物の表面。外面。「湖の―」
④めんぼく。体面。源氏物語賢木「いづこを―にかは又も見え奉らむ」
⑤書いたものに表されているおもむき。文面。「ふみの―には」
⇒おもて‐うた【面歌】
⇒おもて‐おこし【面起し】
⇒おもて‐おもて【面面】
⇒おもて‐がた【面形】
⇒おもて‐きゃく【面客】
⇒おもて‐ざり【面去り】
⇒おもて‐だて【面立て】
⇒おもて‐づかい【面使い】
⇒おもて‐どうぐ【面道具】
⇒おもて‐ぶせ【面伏せ】
⇒おもて‐まけ【面負け】
⇒面置く
⇒面つれなし
⇒面に泥を塗る
⇒面に負く
⇒面も振らず
⇒面を冒す
⇒面を汚す
⇒面を曝す
⇒面を向かう
おもて‐うた【面歌】🔗⭐🔉
おもて‐うた【面歌】
人に褒められて面目ある歌。すぐれた歌。「表歌」とも書く。
⇒おもて【面】
おもて‐おこし【面起し】🔗⭐🔉
おもて‐おこし【面起し】
面目をほどこすこと。おもてだて。源氏物語賢木「何事にもはかばかしからぬみづからの―に」↔面伏せ。
⇒おもて【面】
おもて‐おもて【面面】🔗⭐🔉
おもて‐おもて【面面】
おのおの。めいめい。蜻蛉日記中「かく―に、とさまかくさまに言ひなさるれど」
⇒おもて【面】
おもて‐がた【面形】🔗⭐🔉
おもて‐がた【面形】
めん。仮面。おもて。古今著聞集12「―一つありけるは、その面をしてかほをかくして」
⇒おもて【面】
おもて‐きゃく【面客】🔗⭐🔉
おもて‐きゃく【面客】
(遊里語)表座敷の客。
⇒おもて【面】
おもて‐ざり【面去り】🔗⭐🔉
おもて‐ざり【面去り】
連歌・俳諧で、懐紙の同じ面めん(初折の裏と二折の表など)に1度出た語句を2度使わないこと。
⇒おもて【面】
○面に負くおもてにまく🔗⭐🔉
○面に負くおもてにまく
相手をおそれて臆病になる。源平盛衰記28「若しおもてにまけて委しく言はぬこともぞあるとて」
⇒おもて【面】
おもて‐の‐かね【表印】
(→)本印ほんがねに同じ。↔裏印うらのかね。
⇒おもて【表】
おもて‐はっく【表八句】
連歌・俳諧で、百韻の時、懐紙の第一紙(初折しょおり)の表に記す八句。
⇒おもて【表】
おもて‐はんじょう【表半畳】‥デフ
江戸時代の劇場で、外向きの雑用を勤めるもの。
⇒おもて【表】
おもて‐ぶせ【面伏せ】
面目なくて顔を伏せること。不名誉。おもぶせ。源氏物語帚木「―にや思はれむとはばかり恥ぢて」↔面起し。
⇒おもて【面】
おもて‐ぶたい【表舞台】
表立った活動の場。「歴史の―に登場する」
⇒おもて【表】
おもて‐ぼうず【表坊主】‥バウ‥
江戸幕府の殿中で、大名や諸役人に給仕する剃髪者。
⇒おもて【表】
おもて‐まけ【面負け】
人に対面して気おくれすること。
⇒おもて【面】
おもて‐むき【表向き】
①公然たること。表沙汰。
②うわべのこと。表面。「―の理由」
③政務を執る所。また、そこで行う仕事。特に、裁判・訴訟。公儀。
⇒おもて【表】
おもて‐めい【表銘】
刀剣の茎なかごの表に切ってある銘。普通は刀工名。生国・住所・肩書などを切ることもある。↔裏銘。
⇒おもて【表】
○面も振らずおもてもふらず🔗⭐🔉
○面も振らずおもてもふらず
一所懸命で、脇見もしない。
⇒おもて【面】
おもて‐もん【表門】
家の表口にある門。正門。↔裏門。
⇒おもて【表】
おもて‐もん【表紋】
定紋じょうもんとして用いる紋。↔裏紋。
⇒おもて【表】
おもて‐やま【表山】
日当りよく、また農耕に適する、山の南側面。
⇒おもて【表】
おもて‐ゆうひつ【表右筆】‥イウ‥
江戸幕府の職名。若年寄に属し、日記・家督・分限・吟味方などに分かれ諸事を記録した。→奥右筆。
⇒おもて【表】
おもて‐りゅう【表流】‥リウ
表千家の流儀。
⇒おもて【表】
おも‐て・る【面照る】
〔自四〕
①顔がてりかがやく。蜻蛉日記巻末歌「―・るまでも照らす蛍か」
②赤面する。
○面を冒すおもてをおかす🔗⭐🔉
○面を冒すおもてをおかす
相手の意に逆らうのを恐れずに諫いさめる。
⇒おもて【面】
○面を汚すおもてをけがす🔗⭐🔉
○面を汚すおもてをけがす
体面を傷つける。恥をかかせる。
⇒おもて【面】
○面を曝すおもてをさらす🔗⭐🔉
○面を曝すおもてをさらす
①多くの人の前に顔を現す。
②多くの人の前で恥をかく。
⇒おもて【面】
○面を向かうおもてをむかう🔗⭐🔉
○面を向かうおもてをむかう
①顔を向ける。
②敵対する。抵抗する。
⇒おもて【面】
おもと【万年青】
(烏木毒(中国音wu-mu-tu)からか)ユリ科の多年草。西日本山地の陰地に自生。葉は根茎から叢生し、30センチメートルに及び、革質常緑。夏、葉間から花茎を出し、穂状に緑黄色の細花をつけ、のち赤色の液果を結ぶ。斑入ふいりなど園芸品種が多い。「万年青の実」は〈[季]秋〉。
お‐もと【御許】
①御座所。おそば。おんもと。
②女性、特に女房を親しんで呼ぶ称。二人称の代名詞的にも用いる。源氏物語空蝉「―は、今宵は、上にやさぶらひ給ひつる」
③御許人おもとびとの略。
④女性の手紙の脇付わきづけ。「花子様―に」
⇒おもと‐びと【御許人】
⇒おもとびと‐まちぎみ【侍従】
おも‐とじ【母刀自】
母の尊敬語。ははとじ。宇津保物語梅花笠「かの―をも仏の御国に候はせむとて」
おもと‐びと【御許人】
天皇など貴人の御側近く仕える女官。侍女。紫式部日記「宮の家司・別当・―など職事定まりけり」
⇒お‐もと【御許】
おもとびと‐まちぎみ【侍従】
(「おもとまちぎみ」とも)
⇒じじゅう。〈倭名類聚鈔5〉
⇒お‐もと【御許】
おも‐な【面無】
(オモナシの語幹)
①面目ないこと。恥かしいこと。源氏物語玉鬘「―の人やとすこしうちわらひ給ふも」
②あつかましいこと。源氏物語紅葉賀「―のさまやと見給ふも憎けれど」
おも‐なが【面長】
①顔の長めなこと。「―の美人」
②好人物であること。まがぬけていること。おめでたいこと。傾城禁短気「いかさま大臣は賢過ぎたより、ちと―な方がよく」
おも‐な・し【面無し】
〔形ク〕
①人にあわせる顔がない。恥かしい。面目ない。源氏物語真木柱「いと―・う人笑へなる事なり」
②あつかましい。竹取物語「―・きことをば恥を棄つとはいひける」
↔おもだたし
おも‐ならい【重習い】‥ナラヒ
能などの芸道の習い物のうち特別に重視するもの。→習い物2
おも‐な・る【面馴る】
〔自下二〕
①見馴れる。蜻蛉日記中「綱引く駒も―・れにけり」
②馴れて平気になる。枕草子184「観じもてゆくに、おのづから―・れぬべし」
おも‐なれ【面馴れ】
おもなれること。顔なじみ。新古今和歌集秋「年を経て住むべき宿の池水は星合の影も―やせん」
おも‐に【重荷】
①目方の重い荷物。
②重すぎる負担。重任。「親の期待が―になる」
③船荷の運賃を重量によって計算するもの。重量荷物。
⇒重荷に小付
⇒重荷を下ろす
オモニ
(朝鮮語ŏmŏni)母。母親。お母さん。
おも‐に【主に】
〔副〕
主として。もっぱら。「―外国へ輸出される」
おも‐にく・し【面憎し】
〔形ク〕
顔を見るのもにくい。つらにくい。枕草子92「―・きまでいへば」
おも‐はゆ・い【面映ゆい】🔗⭐🔉
おも‐はゆ・い【面映ゆい】
〔形〕[文]おもはゆ・し(ク)
顔を合わせることがまばゆいように思われる。恥かしい。てれくさい。きまりがわるい。源平盛衰記6「物の具して相向はんこと―・くや思はれけむ」。「二人っきりでいるのがなんとも―・い」
おも‐や【面や】🔗⭐🔉
おも‐や【面や】
未詳。ヤはイヤ(弥)の約で、顔がいよいよの意か。また、オモワ(面輪)の転か。万葉集18「今日見れば―めづらし都方人かたひと」
つら【面・頬】🔗⭐🔉
づら【面】🔗⭐🔉
づら【面】
〔接尾〕
①名詞に付いて、そのような顔つきをののしっていう語。「間抜け―」「紳士―」「三十―」
②地形を表す名詞に付いて、その表面、その近くの意を表す。「川―」
→つら(面)
つら‐がくし【面隠し】🔗⭐🔉
つら‐がくし【面隠し】
①初期の操あやつり人形芝居で、上演中の人形遣いの姿をかくすために舞台に引いた幕。
②厩うまやで、馬が互いの顔を見えないようにする仕切り。
つら‐がまえ【面構え】‥ガマヘ🔗⭐🔉
つら‐がまえ【面構え】‥ガマヘ
(相手を威圧するような)顔つき。つらつき。「ふてぶてしい―」「不敵な―」
○面から火が出るつらからひがでる🔗⭐🔉
○面から火が出るつらからひがでる
甚だしく恥じることにいう。顔から火が出る。
⇒つら【面・頬】
つら‐ぐし【面櫛】
櫛を前髪にさすこと。また、その櫛。大和物語「大櫛を―にさしかけてをりて」
つら‐くせ【面くせ】
顔つき。人相。日葡辞書「ツラクセガワルイヒト」
つら‐ざし【面差し】
顔つき。顔だち。狂言、楽阿弥「もとより楽阿弥はしゆつなる―にて」
つら・し【辛し】
〔形ク〕
⇒つらい
つら‐だし【面出し】
顔を出すこと。かおだし。浄瑠璃、長町女腹切「今朝からこれへ―せぬ」
つら‐だましい【面魂】‥ダマシヒ
並々ならぬ強い精神が顔に現れていること。保元物語(金刀比羅本)「大男の眼を据ゑ、―まことにあらけなかるが」。「不敵な―」
つら‐づえ【頬杖】‥ヅヱ
ほおづえ。蜻蛉日記下「男の、文書きさして―つきて物を思ひまはしたる」。森鴎外、うたかたの記「窓の下なる小机に…、その片端に巨勢は―つきたり」
つら‐つき【面付き】
顔つき。つらがまえ。源氏物語若紫「やせたれど、―ふくらかに」。「小憎らしい―」
つら‐つくり【面作り】
顔のかたち。顔の様子。
つら‐つら【滑滑】
なめらかなさま。つるつる。
つら‐つら【熟々・倩々】
〔副〕
つくづく。よくよく。念入りに。徒然草「―思へば、誉れを愛するは、人の聞ききをよろこぶなり」。「―おもんみるに」
つらつら‐つばき【列列椿】
数多く並んで咲いているツバキ。「つらつら」の序に用いた。万葉集1「川の上への―つらつらに見れどもあかず巨勢の春野は」
つら‐ぐし【面櫛】🔗⭐🔉
つら‐ぐし【面櫛】
櫛を前髪にさすこと。また、その櫛。大和物語「大櫛を―にさしかけてをりて」
つら‐くせ【面くせ】🔗⭐🔉
つら‐くせ【面くせ】
顔つき。人相。日葡辞書「ツラクセガワルイヒト」
○面で人をきるつらでひとをきる🔗⭐🔉
○面で人をきるつらでひとをきる
傲慢な顔をして他人の気持を傷つける。
⇒つら【面・頬】
つら‐な・む【列並む】
〔他下二〕
つらねならべる。万葉集19「布勢ふせの海に小舟―・め」
つら‐なり【連なり】
つらなっていること。また、つらなっているもの。「山の―」
つら‐な・る【連なる・列なる】
〔自五〕
①一列にならびつづく。孝徳紀「百官の、臣・連・国造・伴造・百八十部―・りて匝かさなりて拝みたてまつる」。平家物語2「賓客座に―・つて」。「末席に―・る」「選考委員に―・る」
②つながる。連繋する。今昔物語集13「骨皆―・りて離れず」。平家物語灌頂「たちまちに釈迦の遺弟に―・り」
③つれだつ。共に行く。今昔物語集17「同じ郷の者三人と―・りて水銀を掘る所に行きぬ」
つらなる‐えだ【連なる枝】
「連枝れんし」の訓読。
つら‐にく・い【面憎い】
〔形〕[文]つらにく・し(ク)
顔を見るのもにくい。「―・い男」
○面に似せてへそを巻くつらににせてへそをまく🔗⭐🔉
○面に似せてへそを巻くつらににせてへそをまく
(「へそ」は円く巻いたつむぎ糸)人おのおのその性質によってする事にも違いがある。
⇒つら【面・頬】
つら・ぬ【連ぬ・列ぬ】
[一]〔自下二〕
①一列にならぶ。つらなる。枕草子1「雁などの―・ねたるが、いとちひさくみゆる」
②つれになる。つれだつ。宇津保物語俊蔭「俊蔭と―・ね給ひて二つといふ山に入り給ふ」
[二]〔他下二〕
⇒つらねる(下一)
つら‐ぬき【貫・頬貫】
①毛皮製で、口元くちもとに赤紐を貫き巾着形に引きしめて履く浅沓あさぐつ。つなぬき。
貫
②白革で造り、雨雪の日に用いる沓。
③(→)田沓たぐつに同じ。
つらぬ・く【貫く】
〔他五〕
①つきとおす。端から端へ通す。つきぬく。つなぬく。古今和歌集秋「秋の野に置く白露は珠なれや―・きかくる蜘蛛の糸筋」。「トンネルが山を―・く」
②始めから終りまでしとげる。はたす。「初志を―・く」
つらね【連ね・列ね】
①猿楽・延年舞などで、言葉や歌を長々と朗唱すること。つらねごと。
②歌舞伎で、主として荒事の主役が自分の名乗なのり、物の趣意・由来・功能から名所づくし・名物立などを、縁語・掛詞を使って述べる長いせりふ。「暫しばらく」のつらねは代表的。
⇒つらね‐うた【連ね歌】
⇒つらね‐ごと【連ね事・連詞】
つらね‐うた【連ね歌】
①数百の短歌を文字鎖もじぐさりのように連ねたもの。歌鎖うたぐさり。
②⇒れんが。〈日葡辞書〉
⇒つらね【連ね・列ね】
つらね‐ごと【連ね事・連詞】
⇒つらね1
⇒つらね【連ね・列ね】
つら・ねる【連ねる・列ねる】
〔他下一〕[文]つら・ぬ(下二)
①一列にならべつづける。赤染衛門集「紫の袖を―・ねてきたるかな」。「軒を―・ねる」「連判状に名を―・ねる」
②伴う。ひきつれる。源氏物語空蝉「老人、これを―・ねてありきけると思ひて」
③つづかせる。つなぐ。つなげる。玉葉集雑「古に―・ねし枝の」
④言葉をならべる。特に、詩歌を作る。謡曲、松風「まつとし聞かば今帰り来むと、―・ね給ひし言の葉はいかに」。「美辞麗句を―・ねる」
つら‐の‐かわ【面の皮】‥カハ
顔面の表皮。
⇒面の皮が厚い
⇒面の皮の千枚張
⇒面の皮を剥ぐ
②白革で造り、雨雪の日に用いる沓。
③(→)田沓たぐつに同じ。
つらぬ・く【貫く】
〔他五〕
①つきとおす。端から端へ通す。つきぬく。つなぬく。古今和歌集秋「秋の野に置く白露は珠なれや―・きかくる蜘蛛の糸筋」。「トンネルが山を―・く」
②始めから終りまでしとげる。はたす。「初志を―・く」
つらね【連ね・列ね】
①猿楽・延年舞などで、言葉や歌を長々と朗唱すること。つらねごと。
②歌舞伎で、主として荒事の主役が自分の名乗なのり、物の趣意・由来・功能から名所づくし・名物立などを、縁語・掛詞を使って述べる長いせりふ。「暫しばらく」のつらねは代表的。
⇒つらね‐うた【連ね歌】
⇒つらね‐ごと【連ね事・連詞】
つらね‐うた【連ね歌】
①数百の短歌を文字鎖もじぐさりのように連ねたもの。歌鎖うたぐさり。
②⇒れんが。〈日葡辞書〉
⇒つらね【連ね・列ね】
つらね‐ごと【連ね事・連詞】
⇒つらね1
⇒つらね【連ね・列ね】
つら・ねる【連ねる・列ねる】
〔他下一〕[文]つら・ぬ(下二)
①一列にならべつづける。赤染衛門集「紫の袖を―・ねてきたるかな」。「軒を―・ねる」「連判状に名を―・ねる」
②伴う。ひきつれる。源氏物語空蝉「老人、これを―・ねてありきけると思ひて」
③つづかせる。つなぐ。つなげる。玉葉集雑「古に―・ねし枝の」
④言葉をならべる。特に、詩歌を作る。謡曲、松風「まつとし聞かば今帰り来むと、―・ね給ひし言の葉はいかに」。「美辞麗句を―・ねる」
つら‐の‐かわ【面の皮】‥カハ
顔面の表皮。
⇒面の皮が厚い
⇒面の皮の千枚張
⇒面の皮を剥ぐ
つら‐の‐かわ【面の皮】‥カハ🔗⭐🔉
つら‐の‐かわ【面の皮】‥カハ
顔面の表皮。
⇒面の皮が厚い
⇒面の皮の千枚張
⇒面の皮を剥ぐ
○面の皮が厚いつらのかわがあつい
あつかましい。ずうずうしい。
⇒つら‐の‐かわ【面の皮】
○面の皮の千枚張つらのかわのせんまいばり
極めてあつかましいこと。
⇒つら‐の‐かわ【面の皮】
○面の皮を剥ぐつらのかわをはぐ
正体をあばいて恥をかかせる。
⇒つら‐の‐かわ【面の皮】
○面の皮が厚いつらのかわがあつい🔗⭐🔉
○面の皮が厚いつらのかわがあつい
あつかましい。ずうずうしい。
⇒つら‐の‐かわ【面の皮】
○面の皮の千枚張つらのかわのせんまいばり🔗⭐🔉
○面の皮の千枚張つらのかわのせんまいばり
極めてあつかましいこと。
⇒つら‐の‐かわ【面の皮】
○面の皮を剥ぐつらのかわをはぐ🔗⭐🔉
○面の皮を剥ぐつらのかわをはぐ
正体をあばいて恥をかかせる。
⇒つら‐の‐かわ【面の皮】
つら‐はじ【面恥・頬恥】‥ハヂ
面目を失って恥をかくこと。あかはじ。浄瑠璃、義経千本桜「生け捕つて―と存じたに、思ひの外手強いやつ」
⇒面恥無い
つら‐び【面火】🔗⭐🔉
つら‐び【面火】
(→)「面つら明り」に同じ。
つら‐みせ【面見世】🔗⭐🔉
つら‐みせ【面見世】
①かおみせ。〈[季]冬〉
②かおだし。
つら‐よごし【面汚し】🔗⭐🔉
つら‐よごし【面汚し】
名誉をそこなうこと。不面目なことをして(一連の人の)体面をそこなうこと。また、そういう人。「一族の―」
○面を膨らすつらをふくらす🔗⭐🔉
○面を膨らすつらをふくらす
不服または不機嫌な顔つきをする。
⇒つら【面・頬】
○面を見返すつらをみかえす🔗⭐🔉
○面を見返すつらをみかえす
自分を辱めた人に対して辱めかえす。
⇒つら【面・頬】
つり【釣り・吊り】
①つること。ひっかけること。つるすこと。
②物をつるすのに用いるものの総称。
③旗・幕・羽織などの縁につける乳ち。
④釣糸の先に付けた鉤はりに掛けて魚を取ること。うおつり。太平記36「網を巻き―を捨てて」
⑤釣銭。おつり。「―をもらう」「お―が来る」
⑥系図。つりがき。また、血縁。日本永代蔵6「大織冠の―あるにしてから、町屋住まひの身は貧なれば」
◇2・3にはふつう「吊」を使い、4・5には「釣」を使う。
つり‐あい【釣合】‥アヒ
①つりあうこと。平均をたもつこと。均衡。「―を保つ」「―が取れない」
②二つ以上の力が一物体に作用しても、その物体が静止している、あるいは運動状態に変化を生じない状態。平衡。
⇒つりあい‐おもり【釣合錘】
⇒つりあい‐しけん【釣合試験】
⇒つりあい‐にんぎょう【釣合人形】
つりあい‐おもり【釣合錘】‥アヒ‥
機械の部分がその支点または軸に対して釣合をうまくとれるように付したおもり。バランス‐ウェート。カウンター‐バランス。
⇒つり‐あい【釣合】
つりあい‐しけん【釣合試験】‥アヒ‥
機械の回転部の質量配置の釣合を試験すること。高速回転機械の振動防止などに用いる。
⇒つり‐あい【釣合】
つりあい‐にんぎょう【釣合人形】‥アヒ‥ギヤウ
弥次郎兵衛やじろべえの別称。
⇒つり‐あい【釣合】
つり‐あ・う【釣り合う】‥アフ
〔自五〕
①双方が平均する。もちあう。「収入が支出と―・う」
②相応する。ふさわしい状態になる。見合う。「服とネクタイが―・う」
⇒釣り合わぬは不縁の基
つり‐あが・る【釣り上がる・吊り上がる】
〔自五〕
つられて上にあがる。また、上方にひきつれる。「目尻が―・る」
つり‐あげ【釣上げ】
歌舞伎の大道具。宙吊りをはじめ、俳優の身体を吊り上げるための仕掛け。
つり‐あ・げる【釣り上げる・吊り上げる】
〔他下一〕[文]つりあ・ぐ(下二)
①つって上にあげる。つるしあげる。また、上方にひきつらせる。「眉を―・げる」
②(「釣り上げる」と書く)釣つりで魚を捕らえる。「大魚を―・げる」
③相場・価格を人為的に騰貴させる。「地価を―・げる」
つり‐あぶ【釣虻・吊虻・長吻虻】
ハエ目ツリアブ科のアブの総称。翅が長く、体表に長毛を密生するものもある。名は、空中に停止して飛ぶさまが吊り下げられたように見えることからいう。ビロードツリアブなど。
ツリアブ
撮影:海野和男
めん【面】🔗⭐🔉
めん【面】
➊顔。
①かお。おもて。つら。「―通し」
②顔をつき合わせるように向かい合った状態。その人の顔前でするさま。狂言、花子「如何にしても―では恥かしい」。日葡辞書「メンニ、また、メンヲモッテマウ(申)サウズ」
➋顔に似せて作ったもの。また、顔につけるもの。
①神楽・能・演劇などで着用する、顔の表情の種々相を基本としてつくったもの。おもて。〈日葡辞書〉。「―をつける」
②防具として顔にかぶるもの。剣道の面頬めんぽお、野球の捕手のマスク、防毒面など。
③剣道の決り手の一つ。面頬の上部・上側部を打つこと。
➌物の外郭を成す、角だっていないひろがり。その類似物。
①物のおもて。「水の―」
②〔建〕部材の稜角りょうかくを削り落として生ずる表面。形により切面きりめん・几帳きちょう面・猿頬さるぼお面などがある。また、調理で芋・大根などの材料についてもいう。「―取り」
③〔数〕線の移動で生ずる図形。
④物の向かっている方。むき。
⑤抽象的に、着目・論及する箇所。「私生活の―でも問題はない」
⑥おもてに記した内容。「額―通り」
⑦平たいもの。また、そうしたものを数える語。「2―のテニスコート」「鏡1―」「琴2―」
⇒面が割れる
⇒面と向かう
⇒面を打つ
⇒面を被る
⇒面を取る
めん‐えつ【面謁】🔗⭐🔉
めん‐えつ【面謁】
貴人に面会すること。
めん‐かい【面会】‥クワイ🔗⭐🔉
めん‐かい【面会】‥クワイ
人と直接に会うこと。対面。面接。「―を求める」「―人」
⇒めんかい‐しゃぜつ【面会謝絶】
めんかい‐しゃぜつ【面会謝絶】‥クワイ‥🔗⭐🔉
めんかい‐しゃぜつ【面会謝絶】‥クワイ‥
人と会うのを断ること。特に病院で、患者の容態が悪いために見舞い客を断ること。
⇒めん‐かい【面会】
めん‐がた【面形】🔗⭐🔉
めん‐がた【面形】
①めん。仮面。おもてがた。
②仮面の形に作った素焼の玩具。
○面が割れるめんがわれる🔗⭐🔉
○面が割れるめんがわれる
(警察の隠語)顔写真や面通しにより、その人物が誰であるかが判明する。
⇒めん【面】
めん‐かん【免官】‥クワン
①官職を免ずること。
②古代の律で、特定の罪を犯した官人から、3年間、位階・官職を剥奪する付加刑。
めんかん‐はんしゃ【面間反射】
カメラで、レンズと撮像素子またはレンズとレンズとの間で光が再反射すること。
めん‐きつ【面詰】
面と向かって相手をとがめなじること。面責。「証拠をつきつけて―する」
めん‐きょ【免許】
①特定の事を行うことを官から許すこと。官許。太平記24「開山別儀を以て末寺たるべき由、申し請けらるるに依つて―せられ候ひき」。「教員―」
②(→)名対面なだいめん1を許されること。名謁みょうえつを許すこと。
③〔法〕
㋐(→)許可2に同じ。
㋑(→)特許1に同じ。
④師から弟子にその道の奥義を伝授すること。また、その書付。ゆるし。
⇒めんきょ‐えいぎょう【免許営業】
⇒めんきょ‐かいでん【免許皆伝】
⇒めんきょ‐かんさつ【免許鑑札】
⇒めんきょ‐ぎょぎょう【免許漁業】
⇒めんきょ‐しょう【免許証】
⇒めんきょ‐じょう【免許状】
⇒めんきょ‐ぜい【免許税】
⇒めんきょ‐だいげん【免許代言】
⇒めんきょ‐りょう【免許料】
めんきょ‐えいぎょう【免許営業】‥ゲフ
官庁に申請して免許を得なければ開始することのできない営業。質屋・古物商・風俗営業・銃砲火薬商の類。許可営業。
⇒めん‐きょ【免許】
めんきょ‐かいでん【免許皆伝】
師から弟子に芸道などの奥義をことごとく伝授すること。
⇒めん‐きょ【免許】
めんきょ‐かんさつ【免許鑑札】
免許の証とする鑑札。
⇒めん‐きょ【免許】
めんきょ‐ぎょぎょう【免許漁業】‥ゲフ
沿岸漁業のうち知事の免許によって営む権利が与えられる漁業。漁業権漁業。→許可漁業。
⇒めん‐きょ【免許】
めんきょ‐しょう【免許証】
行政機関が免許の証明として交付する文書。「運転―」
⇒めん‐きょ【免許】
めんきょ‐じょう【免許状】‥ジヤウ
官から免許の証として下付する文書。免状。免許書。
⇒めん‐きょ【免許】
めんきょ‐ぜい【免許税】
特殊の行為や営業を免許する際に賦課する租税。
⇒めん‐きょ【免許】
めんきょ‐だいげん【免許代言】
公許を得た代言人。弁護士の旧称。
⇒めん‐きょ【免許】
めんきょ‐りょう【免許料】‥レウ
免許を与える際にとる料金。
⇒めん‐きょ【免許】
めん‐きんらん【綿金襴】
細いガス糸を経たてに、生糸またはガス糸を地緯じぬきとし、平金糸ひらきんし・擬金糸まがいきんしを絵緯えぬきとして織った金襴。
めん‐く【面工】
工面くめんを反対にしゃれて言った語。東海道中膝栗毛3「おれもその時分は―がわるくて」
めん‐く【面垢】
顔のあか。日葡辞書「メンクヲセンダクセヨ」
めん‐くい【面食い】‥クヒ
顔だちのよい人ばかりを好む人。器量好み。
めん‐くら・う【面喰う・面食らう】‥クラフ
〔自五〕
①不意のことでとまどう。あわてふためく。驚いてまごつく。「初めてのことで―・う」
②凧たこが空中で舞い狂う。
めん‐くろはち【綿黒八】
綿黒八丈の略。黒八丈に模した綿織物。
めん‐けじゅす【綿毛繻子】
経緯たてよこともにガス糸・紡績糸を用いて毛繻子に模した織物。
めん‐けん【面見】
対面し、まのあたりに見ること。面会。
めん‐けん【瞑眩】
(メンは呉音。メンゲンとも)目がくらむこと。めまい。めいげん。
めんこ
軍隊で、飯を盛る器。
めん‐こ【面子】
子供の玩具。円形または方形に作った厚紙で、多く表面に絵や写真がある。地上に置いた相手のものに交互に打ち当て、裏返せば勝ちとする。
子どもたちの遊び
提供:NHK
めん‐ご【面晤】
向かいあって話すこと。面会。
めん‐ご【面語】
対面して話すこと。面談。
めんこ・い
〔形〕
(東北方言)かわいらしい。めごい。
めん‐こう【面向】‥カウ
額ひたいのまんなか。まっこう。浄瑠璃、国性爺合戦「―打ち割る」
⇒めんこう‐ふはい【面向不背】
めん‐こう【綿甲】‥カフ
奈良末期の唐様式による鎧よろいの一種。表裏を布帛で作り、内に綿を入れて矢石を防ぐようにし、表には彩色で甲板の形をかいたもの。
めん‐こう【綿亘】
(「綿」「亘」とも、つらなる意)ながく連なり続くさま。連亘れんこう。
めんこう‐ふはい【面向不背】‥カウ‥
前後ともに美しいこと。表裏のないこと。謡曲、海人「―の玉」
⇒めん‐こう【面向】
めん‐サージ【綿サージ】
(→)「めんセル」に同じ。
めん‐ざい【芽先】
①穀物の胚芽。
②屑米。→いりご
めん‐ざい【免罪】
罪を免ずること。赦免。
⇒めんざい‐ふ【免罪符】
めんざい‐ふ【免罪符】
①贖宥しょくゆうのしるしとして中世カトリック教会が発行した証書。贖宥状。→宗教改革。
②転じて、広く罪責を免れるためのもの。
⇒めん‐ざい【免罪】
めん‐ざんし【綿撒糸】
(メンサッシの慣用読み)(→)「解し木綿ほつしもめん」に同じ。
めんざん‐ずいほう【面山瑞方】‥ハウ
江戸中期の曹洞宗の学僧。肥後の人。俗姓、今村氏。損翁宗益の嗣。肥後の禅定寺、若狭の空印寺などに住す。「面山広録」のほか多数の著書を著す。(1683〜1769)
めん‐し【綿糸】
もめん糸。
⇒めんし‐ぼうせき【綿糸紡績】
メンシェヴィキ【Men'sheviki ロシア】
(少数派の意)ロシア社会民主労働党の右派。プレハーノフ・マルトフ(L.Martov1873〜1923)らが指導。1903年ボリシェヴィキと決裂。社会主義への道は議会制民主主義の実現を経ると主張。二月革命後、臨時政府の指導勢力となったが、十月革命後は抑圧された。↔ボリシェヴィキ
めん‐しき【面識】
互いに顔を見知っていること。また、その間柄の人。知合い。「彼とは―がある」
めんじつ‐ゆ【綿実油・棉実油】
ワタの種子からしぼり採った脂肪油。半乾性油でリノール酸・オレイン酸などのグリセリン‐エステルを含む。食用のほか、マーガリン・石鹸の製造に用いる。コットン油。わたあぶら。わただねあぶら。わたのみあぶら。
めんし‐ぼうせき【綿糸紡績】‥バウ‥
綿繊維から糸を紡ぐこと。混打綿・梳綿そめん・精梳綿・粗紡・精紡などの諸工程を含む。綿紡。
⇒めん‐し【綿糸】
めん‐しゃ【免者】
昔、朝廷の慶事・凶事に際し、罪人の罪を許したこと。また、その許された者。
めん‐しゃ【面謝】
①面と向かって礼を言うこと。
②面会して謝罪すること。
めん‐じゅ【面授】
〔仏〕師が弟子に面と向かって口伝えに法門上の奥義を授けること。「―口訣」→口伝くでん
めん‐しゅう【免囚】‥シウ
刑期を終わって刑務所を釈放された人。放免された囚人。
めん‐じゅう【面従】
表面だけは服従するように見せかけること。
⇒めんじゅう‐こうげん【面従後言】
⇒めんじゅう‐ふくはい【面従腹背】
めんじゅう‐こうげん【面従後言】
うわべばかり従って、かげでかれこれ言うこと。
⇒めん‐じゅう【面従】
めんじゅう‐ふくはい【面従腹背】
表面は服従するように見せかけて、内心では反抗すること。
⇒めん‐じゅう【面従】
めん‐じゅす【綿繻子】
経たてに生糸きいと・絹糸または練絹糸、緯よこに綿糸またはガス糸を用い、繻子と同じ製法によった織物。
めん‐しゅちん【綿繻珍】
経たてまたは緯よこの一方に綿糸を用いて、繻珍と同じ織り方によった織物。
めん‐じゅつ【面述】
面会して述べること。面陳めんちん。
めん‐じょ【免除】‥ヂヨ
①義務や役目などを許し除くこと。「授業料を―する」
②〔法〕債権者が債務者に対する意思表示によって債務を消滅させること。
めん‐じょう【免状】‥ジヤウ
①赦免の意を記載した文書。赦免状。謡曲、春栄しゅんねい「囚人の―あるあひだ」
②免許の証として授与する文書。免許状。「教員の―」
③卒業証書の俗称。
④(→)年貢割付に同じ。
めん‐じょう【面上】‥ジヤウ
①対面。対面の上。(手紙などでなく)直接。日葡辞書「メンジャウヲモッテマウ(申)スベクソロ(候)」。反故集「其の時分、―に申すべく候ふ」
②表面。また、顔面。
③平面・曲面の上。
めん‐しょく【免職】
職を免ずること。職を解かれること。特に、公務員がその官職に在る地位を失うこと。「懲戒―」
めん‐しょく【面色】
かおいろ。
めんしょ‐こかん【免所居官】‥クワン
古代の律で、特定の罪を犯した官人から、1年間、位階か勲等かを剥奪する付加刑。
めん・じる【免じる】
〔他上一〕
「免ずる」に同じ。
めんしん‐こうぞう【免震構造】‥ザウ
地震の際に建物の振動を緩めるように設計した建築物の構造。建築物と基礎との間に積層ゴム・発条ばね・ローラーなどを設置する。
めんしん‐りっぽうこうし【面心立方格子】‥パウカウ‥
立方体の8個の頂点と6個の側面の中心とを格子点とする立方体を単位格子とする空間格子。
めん‐す【麺子】
うどん・そうめんの類。麺類。
メンス
(Menstruation ドイツの略)(→)月経げっけいに同じ。
メンズ【men's】
服飾などで、男性用。「―‐ウェア」↔レディース
めん・する【面する】
〔自サ変〕[文]面す(サ変)
向く。向かう。対する。「海に―・した都市」「危機に―・する」
めん・ずる【免ずる】
〔他サ変〕[文]免ず(サ変)
①ゆるす。免除する。平家物語3「重科は遠流に―・ず」。「負担を―・ずる」
②罪過をその人の功労などにより、また第三者の面目にかけてゆるす。「年に―・じて許す」
③官職を解く。「公職を―・ずる」
めん‐ぜい【免税】
租税の納付義務を免除すること。免租。
⇒めんぜい‐てん【免税店】
⇒めんぜい‐てん【免税点】
めんぜい‐てん【免税店】
外貨獲得や外国人旅行者のために、商品への課税が免除されている店舗。空港内や市中にある。
⇒めん‐ぜい【免税】
めんぜい‐てん【免税点】
課税標準が一定限度額以下であるときには課税しないと定められている場合における、その限度額。
⇒めん‐ぜい【免税】
めん‐せき【免責】
負うべき責任を問わずに許すこと。特に、債務の全部または一部が消滅することを債務者から見ていう語。破産者に対して裁判所が許可する制度もある。
⇒めんせき‐こうい【免責行為】
⇒めんせき‐しょうけん【免責証券】
⇒めんせき‐とっけん【免責特権】
めん‐せき【面責】
面と向かって責めること。面詰。「人前で―する」
めん‐せき【面積】
一定の面の広さ。閉曲線で囲まれた平面・曲面などの広さを表す数値。厳密には定積分により定義する。→積分。
⇒めんせき‐グラフ【面積グラフ】
⇒めんせき‐けい【面積計】
⇒めんせき‐そくど【面積速度】
めんせき‐グラフ【面積グラフ】
数量の割合を面積(多くは正方形あるいは扇形)で表したグラフ。
⇒めん‐せき【面積】
めんせき‐けい【面積計】
(→)プラニメーターに同じ。
⇒めん‐せき【面積】
めんせき‐こうい【免責行為】‥カウヰ
免責を得るために債務者または債務者に代わって第三者がなす行為。弁済・供託など。
⇒めん‐せき【免責】
めんせき‐しょうけん【免責証券】
債務者が所持人に対して弁済すれば、その者が適法な所持人でなくても免責される証券。
⇒めん‐せき【免責】
めんせき‐そくど【面積速度】
運動する物体と座標原点とを結びつける直線(動径)が単位時間内に通過する面積。惑星の軌道運動では面積速度が一定。→ケプラーの法則→角運動量保存則
⇒めん‐せき【面積】
めんせき‐とっけん【免責特権】‥トク‥
議員特典の一つ。議院内で行なった発言・表決については、院外で民事責任・刑事責任を問われないこと。
⇒めん‐せき【免責】
めん‐せつ【面折】
面と向かって相手の罪悪などを責めること。
めん‐せつ【面接】
直接その人に会うこと。面会。「大臣に―して取材する」「―試験」
めん‐セル【綿セル】
経たてに紡績綿糸またはガス糸、緯よこに紡績綿糸を用いて、セル地のように柔らかく仕上げた織物。綿サージ。
めん‐ぜん【面前】
目の前。まのあたり。「公衆の―」
めん‐せんい【綿繊維】‥ヰ
ワタの種子の外殻上に生じる毛状の細胞。表皮細胞の延長したもの。
めん‐そ【免租】
法定の事由がある時、行政処分により租税の一部または全部を免除すること。
めん‐そ【免訴】
刑罰権の内容を実現する利益と必要がない場合、すなわち確定判決を経たとき、犯罪後刑が廃止されたとき、大赦があったとき、公訴時効が完成したときに言い渡される手続打切りの裁判。
めん‐そ【面疽】
顔面にできる腫物はれもの。
めん‐そ【面訴】
面と向かって訴えること。直接に訴えること。
めん‐そう【面争】‥サウ
天子の面前でその欠点をいさめること。「―廷論」
めん‐そう【面奏】
天子に拝謁して奏上すること。
めん‐そう【面相】‥サウ
①かおつき。容貌。「ご―」
②面相筆の略。
⇒めんそう‐ふで【面相筆】
めん‐ぞう【面像】‥ザウ
かおつき。容貌。面相。
めん‐ぞう【眠蔵】‥ザウ
(メンは呉音)禅家で、寝室。納戸なんど。謡曲、熊坂「―に入ると見えつるが」
めんそう‐ふで【面相筆】‥サウ‥
眉毛・鼻の輪郭など面部の細かい部分を描くのに用いる、穂先の極めて細く長い画筆。
⇒めん‐そう【面相】
メンソール【menthol】
⇒メントール
めんそおれ
(沖縄で)いらっしゃい。
めんたい【明太】
(朝鮮語)
①スケトウダラ。
②明太子の略。
⇒めんたい‐こ【明太子】
めんたい‐こ【明太子】
スケトウダラの卵巣。一般に、塩とトウガラシで漬けたものをいう。〈[季]冬〉
⇒めんたい【明太】
めん‐たいしょう【面対称】
二つの図形が、ある平面に関する対称移動により互いに移り合うとき、それらは面対称であるという。すなわち、平面鏡に映した物と像との位置関係。図形中の相対応するどの二つの点を結ぶ直線も、与えられた平面によって垂直に二等分される。平面対称。
メンタリズム【mentalism】
〔言〕(→)心理主義2に同じ。
メンタリティー【mentality】
精神構造。心的傾向。
メンタル【mental】
心的。精神的。「―面を重視する」
⇒メンタル‐テスト【mental test】
⇒メンタル‐ヘルス【mental health】
メンタル‐テスト【mental test】
(→)心理テスト。
⇒メンタル【mental】
メンタル‐ヘルス【mental health】
〔医〕(→)精神衛生。
⇒メンタル【mental】
めん‐だん【面談】
会って直接に話すこと。面語。「先生と―する」「委細―」
めん‐だんつう【綿段通】
紡績綿糸をまぜて織った段通。
メンチ
(minceから)
⇒ミンチ。
⇒メンチ‐カツ
⇒メンチ‐ボール
メンチ‐カツ
(和製語)挽肉に微塵みじん切りにした玉葱たまねぎなどを加えて小判形などにまとめ、パン粉の衣をつけて油で揚げた料理。
⇒メンチ
めん‐ちぢみ【綿縮】
綿糸で織ったちぢみ。もめんちぢみ。
メンチ‐ボール
(mince ball)(→)ミートボールに同じ。
⇒メンチ
メンチュ【Rigoberta Menchú】
中央アメリカ、グアテマラの先住民運動家。マヤ系インディオであるキチェ族出身の女性。ノーベル賞。(1959〜)
めん‐ちゅつ【免黜】
(「黜」は、しりぞける意)官職をやめさせ地位を下すこと。
めん‐ちょう【面疔】‥チヤウ
「ちょう(疔)」参照。
めんちょう‐ぎゅうひ【面張牛皮】‥チヤウギウ‥
鉄面皮てつめんぴなこと。あつかましいこと。源平盛衰記18「―の童にて、心しぶとく声高にして」
めん‐ちりめん【綿縮緬】
経たてに生糸、緯よこに綿糸を用いて、縮緬のように仕上げた織物。
めん‐ちん【面陳】
面前で陳述すること。面述めんじゅつ。
めん‐つ【面桶】
(→)「めんつう」に同じ。
メンツ【面子】
(中国語)
①面目。体面。「―にかかわる」「―がつぶれる」
②マージャンの競技者。「―がそろう」
めん‐つう【面桶】
(ツウは唐音)
①一人前ずつ飯を盛って配る曲物まげもの。後には、乞食こじきの持つものをいう。めんつ。正法眼蔵洗面「漱口の水は、―のほかにはきすつべし」
②茶道で使う、曲物の水こぼし。
メンツェル【Adolph F. Erdmann von Menzel】
ドイツの画家。初め主に版画・挿絵を、のち印象派風の油絵を描く。作「フリードリヒ大王伝」など。(1815〜1905)
メンテ
メンテナンスの略。
めん‐てい【免停】
免許停止の略。違反行為などのために免許の効力を一時停止する行政処分。普通、運転免許証についていう。
めん‐てい【面体】
顔かたち。顔つき。面相。「いかがわしい―」
メンテナンス【maintenance】
機械・建物などの維持。管理。保守。
メンデリズム【Mendelism】
(→)「メンデルの法則」のこと。
メンデル【Gregor Johann Mendel】
オーストリアのカトリック司祭・植物学者。エンドウなどの研究により、遺伝の法則を発見。生前その業績は認められず、1900年にド=フリース・チェルマーク(E. Tschermak1871〜1962)・コレンス(C. E. Correns1864〜1933)が、それぞれ独自にその意義を確認。(1822〜1884)
⇒メンデル‐の‐ほうそく【メンデルの法則】
メンデルスゾーン【Felix Mendelssohn】
ドイツの作曲家。M.メンデルスゾーンの孫。作風は古典的均斉とロマン的詩趣とを併せ持つ。バッハの宗教音楽を復興。5曲の交響曲、劇音楽「真夏の夜の夢」、ピアノ小曲集「無言歌」、バイオリン協奏曲など。(1809〜1847)
メンデルスゾーン
提供:Lebrecht Music & Arts/APL
→バイオリン協奏曲 ホ短調 第一楽章
提供:コロムビアミュージックエンタテインメント(株)
→劇音楽「真夏の夜の夢」 結婚行進曲
提供:コロムビアミュージックエンタテインメント(株)
→無言歌 「春の歌」
提供:コロムビアミュージックエンタテインメント(株)
メンデルスゾーン【Moses Mendelssohn】
ドイツ啓蒙期のユダヤ人哲学者。哲学の任務は常識の認める神の存在と霊魂の不滅を証明することにあるとする。思考・意志のほかに感性能力を認め、感性学としての美学を深めた。宗教上では信仰の自由を主張。(1729〜1786)
メンデル‐の‐ほうそく【メンデルの法則】‥ハフ‥
メンデルが1865年に発表し、近代遺伝学の基礎となった遺伝の法則。生物の形質の相違は遺伝因子によって決定され、交雑によって生じた雑種第1代には、優性形質だけが現れ劣性形質は潜在する(優性の法則)、雑種第2代には、優性形質を現すものと劣性形質を現すものが分離してくる(分離の法則)、それぞれの形質が無関係に遺伝する(独立の法則)という三つの法則がある。メンデリズム。
⇒メンデル【Gregor Johann Mendel】
メンデレーエフ【Dmitrii Ivanovich Mendeleev】
ロシアの化学者。1869年元素の周期律を発表し、未発見の元素の存在および性質を予言した。(1834〜1907)
メンデレビウム【mendelevium】
(メンデレーエフの名に因む)超ウラン元素の一種。元素記号Md 原子番号101。1955年、アインスタイニウムに加速したヘリウム‐イオンを当てることによりつくられた。
めん‐てん【面展】
お目にかかること。面拝。源平盛衰記14「万乗の聖主尚―の媚をなす」
めん‐でん【免田】
荘園制のもとで、荘官・地頭や手工業職人などに与えられた年貢課役免除の田地。
めんでん【緬甸】
ビルマの漢名。
メンデンホール【Thomas Corwin Mendenhall】
アメリカの物理学者。御雇い外国人として東京帝国大学で物理学を教え、富士山頂での重力測定、地球密度の測定、気象観測などを行う。(1841〜1924)
めんど・い
〔形〕
(「面倒」を形容詞化した俗語)面倒臭い。
めん‐どう【面倒】‥ダウ
(「面倒」は当て字。「目」に、無益の意を示す「だうな」の「だう」がつき、撥音が入って「めんだう」となったもの。原義は、見るのも無駄の意)
①体裁の悪いこと。見苦しいこと。また、そのさま。大鏡道隆「この入道殿のかみにさぶらはれしは、いと―なりしわざかな」
②物事をするのがわずらわしいこと。手数のかかること。義経記5「此君の御伴申し、不足なく見するものは―なり」。「―な仕事」「―を起こす」
③転じて、世話。厄介。「―をかける」
⇒めんどう‐くさ・い【面倒臭い】
⇒めんどう‐み【面倒見】
⇒面倒を見る
めん‐どう【馬道・面道】‥ダウ
(メドウ(馬道)の撥音化。「面道」は当て字)
⇒めどう(馬道)
めんどう‐くさ・い【面倒臭い】‥ダウ‥
〔形〕
(「めんどくさい」とも)非常に面倒である。「―・い手続」
⇒めん‐どう【面倒】
めんどう‐み【面倒見】‥ダウ‥
人の世話をすること。「―のよい人」
⇒めん‐どう【面倒】
→バイオリン協奏曲 ホ短調 第一楽章
提供:コロムビアミュージックエンタテインメント(株)
→劇音楽「真夏の夜の夢」 結婚行進曲
提供:コロムビアミュージックエンタテインメント(株)
→無言歌 「春の歌」
提供:コロムビアミュージックエンタテインメント(株)
メンデルスゾーン【Moses Mendelssohn】
ドイツ啓蒙期のユダヤ人哲学者。哲学の任務は常識の認める神の存在と霊魂の不滅を証明することにあるとする。思考・意志のほかに感性能力を認め、感性学としての美学を深めた。宗教上では信仰の自由を主張。(1729〜1786)
メンデル‐の‐ほうそく【メンデルの法則】‥ハフ‥
メンデルが1865年に発表し、近代遺伝学の基礎となった遺伝の法則。生物の形質の相違は遺伝因子によって決定され、交雑によって生じた雑種第1代には、優性形質だけが現れ劣性形質は潜在する(優性の法則)、雑種第2代には、優性形質を現すものと劣性形質を現すものが分離してくる(分離の法則)、それぞれの形質が無関係に遺伝する(独立の法則)という三つの法則がある。メンデリズム。
⇒メンデル【Gregor Johann Mendel】
メンデレーエフ【Dmitrii Ivanovich Mendeleev】
ロシアの化学者。1869年元素の周期律を発表し、未発見の元素の存在および性質を予言した。(1834〜1907)
メンデレビウム【mendelevium】
(メンデレーエフの名に因む)超ウラン元素の一種。元素記号Md 原子番号101。1955年、アインスタイニウムに加速したヘリウム‐イオンを当てることによりつくられた。
めん‐てん【面展】
お目にかかること。面拝。源平盛衰記14「万乗の聖主尚―の媚をなす」
めん‐でん【免田】
荘園制のもとで、荘官・地頭や手工業職人などに与えられた年貢課役免除の田地。
めんでん【緬甸】
ビルマの漢名。
メンデンホール【Thomas Corwin Mendenhall】
アメリカの物理学者。御雇い外国人として東京帝国大学で物理学を教え、富士山頂での重力測定、地球密度の測定、気象観測などを行う。(1841〜1924)
めんど・い
〔形〕
(「面倒」を形容詞化した俗語)面倒臭い。
めん‐どう【面倒】‥ダウ
(「面倒」は当て字。「目」に、無益の意を示す「だうな」の「だう」がつき、撥音が入って「めんだう」となったもの。原義は、見るのも無駄の意)
①体裁の悪いこと。見苦しいこと。また、そのさま。大鏡道隆「この入道殿のかみにさぶらはれしは、いと―なりしわざかな」
②物事をするのがわずらわしいこと。手数のかかること。義経記5「此君の御伴申し、不足なく見するものは―なり」。「―な仕事」「―を起こす」
③転じて、世話。厄介。「―をかける」
⇒めんどう‐くさ・い【面倒臭い】
⇒めんどう‐み【面倒見】
⇒面倒を見る
めん‐どう【馬道・面道】‥ダウ
(メドウ(馬道)の撥音化。「面道」は当て字)
⇒めどう(馬道)
めんどう‐くさ・い【面倒臭い】‥ダウ‥
〔形〕
(「めんどくさい」とも)非常に面倒である。「―・い手続」
⇒めん‐どう【面倒】
めんどう‐み【面倒見】‥ダウ‥
人の世話をすること。「―のよい人」
⇒めん‐どう【面倒】
めんかん‐はんしゃ【面間反射】🔗⭐🔉
めんかん‐はんしゃ【面間反射】
カメラで、レンズと撮像素子またはレンズとレンズとの間で光が再反射すること。
めん‐きつ【面詰】🔗⭐🔉
めん‐きつ【面詰】
面と向かって相手をとがめなじること。面責。「証拠をつきつけて―する」
めん‐く【面工】🔗⭐🔉
めん‐く【面工】
工面くめんを反対にしゃれて言った語。東海道中膝栗毛3「おれもその時分は―がわるくて」
めん‐く【面垢】🔗⭐🔉
めん‐く【面垢】
顔のあか。日葡辞書「メンクヲセンダクセヨ」
めん‐くら・う【面喰う・面食らう】‥クラフ🔗⭐🔉
めん‐くら・う【面喰う・面食らう】‥クラフ
〔自五〕
①不意のことでとまどう。あわてふためく。驚いてまごつく。「初めてのことで―・う」
②凧たこが空中で舞い狂う。
めん‐けん【面見】🔗⭐🔉
めん‐けん【面見】
対面し、まのあたりに見ること。面会。
めん‐ご【面語】🔗⭐🔉
めん‐ご【面語】
対面して話すこと。面談。
めん‐こう【面向】‥カウ🔗⭐🔉
めん‐こう【面向】‥カウ
額ひたいのまんなか。まっこう。浄瑠璃、国性爺合戦「―打ち割る」
⇒めんこう‐ふはい【面向不背】
めんこう‐ふはい【面向不背】‥カウ‥🔗⭐🔉
めんこう‐ふはい【面向不背】‥カウ‥
前後ともに美しいこと。表裏のないこと。謡曲、海人「―の玉」
⇒めん‐こう【面向】
めん・する【面する】🔗⭐🔉
めん・する【面する】
〔自サ変〕[文]面す(サ変)
向く。向かう。対する。「海に―・した都市」「危機に―・する」
めん‐つう【面桶】🔗⭐🔉
めん‐つう【面桶】
(ツウは唐音)
①一人前ずつ飯を盛って配る曲物まげもの。後には、乞食こじきの持つものをいう。めんつ。正法眼蔵洗面「漱口の水は、―のほかにはきすつべし」
②茶道で使う、曲物の水こぼし。
○面と向かうめんとむかう🔗⭐🔉
○面と向かうめんとむかう
直接に顔を合わせて相対する。「面と向かって悪口を言う」
⇒めん【面】
めん‐とり【面取り】
①建築部材の稜角を削るなどして、面➌2を作ること。
②野菜の切り方。煮くずれを防ぐなどのために、大根・芋などの切り口の角を薄く削り丸みをつけること。
めん‐どり【雌鳥】
雌めすの鳥。特にニワトリのめす。雌鶏。↔おんどり。
⇒めんどり‐ば【雌鳥羽】
⇒雌鳥歌えば家滅ぶ
⇒雌鳥勧めて雄鳥時を作る
めん‐ファスナー【面ファスナー】🔗⭐🔉
めん‐ファスナー【面ファスナー】
(→)マジック‐テープに同じ。
めん‐めん【面面】🔗⭐🔉
めん‐めん【面面】
おのおのの人。めいめい。平家物語2「おさなき人々も―に御文あり」。「委員会の―が到着する」
⇒めんめん‐かせぎ【面面稼ぎ】
⇒めんめん‐さばき【面面捌き】
⇒面面の蜂を払え
⇒面面の楊貴妃
めんめん‐かせぎ【面面稼ぎ】🔗⭐🔉
めんめん‐かせぎ【面面稼ぎ】
めいめいが思い思いに稼ぐこと。西鶴織留4「それからは―」
⇒めん‐めん【面面】
めんめん‐さばき【面面捌き】🔗⭐🔉
めんめん‐さばき【面面捌き】
各自思うままにさばくこと。浄瑠璃、浦島年代記「ヲヽ構ふなこちも構はぬ構はぬ、―と取付く島なく言ひ放され」
⇒めん‐めん【面面】
○面面の蜂を払えめんめんのはちをはらえ🔗⭐🔉
○面面の蜂を払えめんめんのはちをはらえ
他人のことをかまうより、まず自分のことをふりかえってみよの意。
⇒めん‐めん【面面】
○面面の楊貴妃めんめんのようきひ🔗⭐🔉
○面面の楊貴妃めんめんのようきひ
人はそれぞれ自分の妻を美人だと思うものであるという意。
⇒めん‐めん【面面】
めん‐も【面模】
(→)仮面に同じ。源平盛衰記4「先王の舞を舞ふなるには、―の下にて鼻をにがむる事に侍る」
めん‐もく【面目】
(メンボクとも)
①顔つき。かおかたち。日葡辞書「メンモクノヨイヒト」
②世間に対する名誉。
③様子。ありさま。
④本旨。趣旨。日葡辞書「ワガシュウ(宗)ノメンモクハジッカイ(十戒)ナリ」
めん‐モスリン【綿モスリン】
経緯たてよこともに綿糸を用い、モスリンに模した薄地の綿織物。
めん‐ゆ【面諛】
その人の面前でこびへつらうこと。
めん‐ゆ【面諭】
面と向かって言いきかすこと。
めん‐ゆう【面友】‥イウ
[揚子法言学行]表面だけの友人。顔を知っているだけで親しみのない友人。うわべだけの交わり。
めん‐ゆうき【綿結城】‥ユフ‥
(→)結城木綿ゆうきもめんに同じ。
めん‐よ【面妖】
(→)「めんよう」に同じ。
めん‐よう【面妖】‥エウ
(「めいよう(名誉)」の転。「面妖」は当て字)不思議なこと。奇妙なこと。めんよ。浄瑠璃、仮名手本忠臣蔵「ヤア戻られぬか、ハテ―な」
めん‐よう【面容】
顔の様子。顔かたち。
めんよう【綿陽】‥ヤウ
(Mianyang)中国四川省北部の工業都市。国防科学研究・生産基地で、電子工業が盛ん。人口116万3千(2000)。
めん‐よう【緬羊・綿羊】‥ヤウ
ヒツジの別称。
めん‐よろい【面鎧】‥ヨロヒ
(→)面頬めんぽお1に同じ。
めん‐りんず【綿綸子】
経緯たてよこともに白色の細いガス糸を用いて綸子に模した織物。
めん‐るい【麺類】
小麦粉・蕎麦そば粉などを水でこねて伸ばしたものを、細長く切った食品。うどん・そうめん・そばの類。麺子めんす。
めん‐ろう【面廊】‥ラウ
長廊下の称。また、広い板敷の縁。御伽草子、横笛草子「―にやすらひ物申さんと」→馬道めどう
めん‐わ【面話】
対面して話すこと。面談。
めん‐わり【面割り】
(→)「面通し」に同じ。
めん‐よろい【面鎧】‥ヨロヒ🔗⭐🔉
めん‐よろい【面鎧】‥ヨロヒ
(→)面頬めんぽお1に同じ。
めん‐わり【面割り】🔗⭐🔉
○面を打つめんをうつ🔗⭐🔉
○面を打つめんをうつ
仮面を作る。能面を作る。
⇒めん【面】
○面を被るめんをかぶる🔗⭐🔉
○面を被るめんをかぶる
①仮面で顔をおおう。
②恥ずべき行いをしながら、平気でそしらぬ顔をする。本性ほんしょうをつつみ隠して神妙な様子をしている。仮面をかぶる。
⇒めん【面】
○面を取るめんをとる🔗⭐🔉
○面を取るめんをとる
①建材や野菜の稜角の部分をすこし平らに削ったり丸みをつけたりする。面取りをする。
②剣道で、相手の面を打ち、勝ち点を取る。
⇒めん【面】
も
①両唇を密閉し、有声の気息を鼻腔に通じて発する鼻子音〔m〕と母音〔o〕との結合した音節。〔mo〕 上代特殊仮名遣では、古事記に甲〔mo〕乙〔mö〕2類の別があった。
②平仮名「も」は「毛」の草体。片仮名「モ」は「毛」の下画。
も【妹】
「いも」の略。万葉集20「家の―が着せし衣に」
も【面】
「おも」の略。万葉集14「田の―にゐる鶴たずの」
も【喪】
①死亡した人を追悼する礼。特に、人の死後、その親族が一定期間、世を避けて家に籠もり、身を慎むこと。親疎によってその期限に長短がある。忌き。持統紀「新羅に使はして、天皇の喪みもを赴つげしむ」。「―に服する」「―が明ける」
②わざわい。凶事。万葉集5「事もなく―もなくあらむを」
も【裳】
①上代、女性が腰から下にまとった服。万葉集5「立たせる妹が―の裾ぬれぬ」
②(本来は「褶」と書いた)男性の礼服らいふくで、表袴うえのはかまの上に着用したもの。
③平安時代以来の女房の装束で、腰から下の後方にまとった服。12または10枚の細長い台形に裁った綾や縠織こめおりを襞ひだが立つように縫い、海浦かいぶなどの文様を施し、裾を長く引く。枕草子83「おはしまさねば―も着ず袿うちぎすがたにてゐたるこそ物ぞこなひにて」
裳
④僧侶が腰から下にまとう服。
も【藻】
水中に生ずる藻類・海草・水草などの称。神代紀下「沖つ―は辺へには寄れども」
も
〔副〕
①もはや。もう。狂言、抜殻「―かう参りまする」
②さらに。このうえに。いま。また。狂言、悪太郎「―一つ飲うで」。「―一度」
も
〔助動〕
(上代東国方言)推量の助動詞ムの訛。万葉集20「家いわなる妹いもはさやに見―かも」
も
〔助詞〕
➊(終助詞)活用語の終止形(係結びでは結びの形)、ク語法に付いて、詠嘆の意を表す。体言には「かも」「はも」などの形で用いる。なお、「かも」は平安時代には「かな」に代わる。古事記中「はしけやし我家の方よ雲居立ち来―」。万葉集3「みつみつし久米の若子がい触れけむ磯の草根の枯れまく惜し―」。万葉集4「眠いも寝かてにと明かしつらく―長きこの夜を」。拾遺和歌集恋「わが背子がありかもしらでねたる夜はあかつきがたの枕さびし―」→かも→かな。
➋(係助詞)体言・副詞・形容詞や助詞などを受ける。「は」と対比される語で、「は」が幾つかの中から一つを採り上げる(それ以外を退ける)語であるのに対し、「も」はそれを付け加える意を表す。格を表す語ではなく、主格・目的格・補格など種々の格に当たる部分に使われる。「も」を受けて結ぶ活用語は、意味に応じて種々の活用形となるが、通常は終止形で結ぶ。
①ある事態がそれに及ぶことを示す。…もまた。万葉集1「熟田津にきたつに船乗りせむと月まてば潮―かなひぬ今はこぎ出でな」。源氏物語桐壺「やうやう天の下に―あぢきなう人のもてなやみぐさになりて」。新古今和歌集秋「心なき身に―あはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮」。平家物語11「浪の下に―都のさぶらふぞ」。歌舞伎、好色伝授「お好ならば野郎餅―御座います」。「私―参加します」「これ―読むといい」
②どれか一つに限定せず同種の物事を列挙するのに用いる。万葉集1「君が代―わが代―知るや磐代の岡の草根をいざ結びてな」。源氏物語帚木「あしく―よく―相添ひて、とあらむ折―かからむきざみを―見すぐしたらむ中こそ契り深くあはれならめ」。平家物語9「心ある―心なき―、皆鎧の袖をぞぬらしける」。「この人―あの人―賛成している」「野―山―花盛りになる」
③願望表現と呼応して、願望の中心にあるものを示す。万葉集5「竜の馬―今も得てしか青丹よし奈良の都に行きて来むため」。万葉集8「たな霧らひ雪―降らぬか」
④最も実現しにくく、条件としては最高のものであることを示す。…まで。源氏物語桐壺「かかる人―、世にいでおはするなりけり」。「世界新記録―出た」
⑤最も実現しやすく、条件としては最低のものであることを示す。…さえ。…でも。万葉集14「信濃なる千曲の川の小石さざれいし―君し踏みてば玉と拾はむ」。源氏物語若紫「世を捨てたる法師の心地に―いみじう世の憂へ忘れ、よはひ延ぶる人の御有様なり」。平家物語7「あやしの鳥けだもの―恩を報じ徳をむくふ心は候ふなり」。「慣れ親しめばがらくた―宝である」
⑥譲歩または許容する意を示す。万葉集9「海つ路の和なぎなむ時―渡らなむ」。源氏物語末摘花「かくたのみなくて―過ぐるものなりけり」。滑稽本、素人狂言紋切形「アイかして―上げやうが、あれは読むばかりに」。「教えてあげて―いい」
⑦係助詞「こそ」あるいは「ぞ」が接続して「もこそ」「もぞ」の形で危惧の感情を表すことがある。…するといけない。源氏物語若紫「はしたなう―こそ思せ」。新古今和歌集恋「玉の緒よ絶えなば絶えね長らへばしのぶることの弱り―ぞする」
⑧用言の連用形、副詞などに付いて詠嘆を表す。万葉集1「国はし―多さわにあれども」。万葉集4「許多ここだく―狂ひに狂ひ」。源氏物語松風「若君はいと―いと―うつくしげに」
⑨(意外なものにまで及んだの意から)意味を強める。源氏物語桐壺「また見奉らでしばし―あらむはいと後ろめたう」。蒙求抄1「人を人と―思はぬ物」。歌舞伎、好色伝授「濡れました事はちつと―大事御座りませぬ」。浮世床初「あの又かかし(嚊)―かかしだ、コレ早く起きなせへと言へ」。「少し―恐ろしくない」「難しい球を取り―取ったり」
⑩(それ一つではないの意から)意味を和らげる。いろは文庫「無理にとめ―致しますまい」。「一時は辛く―あろうが、必ず幸せになれる」
⑪不定称の語に付いて、全部を総括した意を表す。人情本、花筐「お前は誰に―言ておくれぢやアあるまいと思ふから」。「誰―が知っている事実」「何―食べていない」
➌(接続助詞)
①動詞的活用の語の連体形に接続して譲歩の気持から、逆接を表す。…でも。…のに。万葉集4「来むといふ―来ぬ時あるを来じといふを来むとは待たじ来じといふものを」。源氏物語橋姫「心一つにいとど物思はしさ添ひて内裏へ参らむと思しつる―出で立たれず」。堤中納言物語「月にはかられて夜深くおきにける―思ふらむ所いとほしけれど立ち帰らむも遠き程なれば」。平治物語「矢は当らざりし―痛手は負ひぬ」。「泣く―認められず」「期限は今日に迫りたる―準備は未だ成らず」
②仮定の逆接条件を表す。…ても。…であっても。「何等の事由ある―議場に入る事を許さず」
も【最】
〔接頭〕
「まこと」「正しい」「もっとも」の意を表す語。「―中」「―寄」
モア【moa】
ダチョウ目の走鳥。18世紀を最後に絶滅。かつてニュー‐ジーランドに大小種々のものがいたが、現生の走鳥類と同様に飛翔力がなく、最大のものは高さ4メートル、体重230キログラムと推定される。恐鳥。
モア【Thomas More】
イギリスの政治家・思想家。エラスムスと交わり、古典および法律を研究、枢密顧問官・下院議員・大法官を歴任。ヘンリー8世の離婚問題に反対し、叛逆罪に問われて処刑。王権と教権から自由な社会を理想国家とした。著「ユートピア」。(1478〜1535)
モアー【mower】
草刈機。特に、バリカン式または回転刃のある動力草刈機。牧草・緑肥などの刈取りに用いる。
もあい【舫い】モアヒ
⇒もやい1
モアイ【moai】
南太平洋、イースター島にある巨大な石像。先住民が祖先の像を刻んだものと考えられ、数百体が現存。
モアッサン【Ferdinand Frédéric Henri Moissan】
フランスの化学者。すべての元素のうちで最も反応性に富むフッ素の単離に成功。ノーベル賞。(1852〜1907)
モアブ‐じん【モアブ人】
(Moabite)旧約聖書時代にイスラエル人と闘争を繰り返した民族の一つ。アラビア砂漠の西、死海の東に建国、前9世紀頃繁栄していたらしいが、前6世紀には既に滅亡。
モアレ【moiré フランス】
(波形模様の意)
①絹織物の一つ。タフタに木目もくめを織り出した張りの強い織物で、表面に波状の光沢がある。無地。イブニング‐ドレス・カクテル‐ドレスなどに使用。また、リボン用。
②点または線が幾何学的に規則正しく分布したものを重ね合わせた時に生ずる縞状の斑紋。網版印刷物を原稿として網版を複製する時などに起こりやすい。
もい【盌】モヒ
①水を盛る椀わん。武烈紀「玉たま―に水さへ盛り」
②転じて、飲み水。催馬楽、飛鳥井「御―も寒し」
もい‐か【梅花】‥クワ
(モイは唐音)梅花の模様。また、その模様を織った絹。〈下学集〉
モイスチャー【moisture】
水分。湿気。肌や毛髪について言う。
モイスト‐ペレット【moist pellet】
(moistは「湿った」意)養殖用の飼料の一種。配合飼料と生なま餌(主に海産魚肉)とを混合し、団塊状に成形したもの。餌の散逸が少なく水質の汚染防止に有効。
モイゼ【Moyses ラテン】
⇒モーセ
もいとり‐の‐つかさ【水取司・主水司】モヒ‥
⇒しゅすいし(主水司)。古事記下「―に駈使つかはえし吉備の国の児島の仕丁よほろ」
もい‐の‐つかさ【水司】モヒ‥
⇒すいし
モイライ【Moirai】
ギリシア神話で、運命の3女神。ゼウスとテミスとの娘。運命の糸を紡ぐクロト、長さを定めるラケシス、糸を切るアトロポスの3神。単数形モイラ。
もう
(東北・中部地方などで)おばけ。子供をおどかすときに言う。
もう【毛】
①(動植物の)け。「アンゴラ―」
②植物。また、その生育、実り。
③単位の一つ。
㋐1の1000分の1。
㋑歩合・利率等の単位。1割の1000分の1。
㋒尺度の単位。寸の1000分の1。毫。
㋓質量の単位。匁もんめの1000分の1。毫。
㋔金銭の単位。厘の10分の1。銭の100分の1。
④毛野国けののくにの略。
もう【妄】マウ
(呉音。漢音はボウ)つつしまないこと。みだりなこと。
もう【孟】マウ
①かしら。はじめ。↔季。
②孟子の略。
もう【盲】マウ
目の見えないこと。また、その人。
もう【猛】マウ
①たけく盛んなこと。あらあらしく強いこと。竹取物語「勢―の者に成りにけり」
②(接頭語的に)程度のはなはだしいこと。「―スピード」
もう【網】マウ
あみ目のように組織をもって広くひろがっているもの。「通信―」
もう【蒙】
①くらいこと。無知なこと。
②蒙古の略。
⇒蒙を啓く
もう【申】マウ
「申す」の略。狂言、福の神「物―案内―」
もう【参】マウ
マヰの音便。下に他の語を伴い複合した場合に使う。皇極紀「共に筑紫に到まういたれり」→まい(参)
も・う【思ふ・念ふ】モフ
〔他四〕
「おもふ」の略。古事記中「心は―・へど」
もう
〔副〕
(歴史的仮名遣をマウとする説がある)
①もはや。すでに。狂言、末広がり「おおかた覚えました。私は―かう参りまする」。「―忘れた」
②間もなく。やがて。「―来るでしょう」
③(分量表現を伴って)この上になお。さらに。「―一つ」「―ちょっと左へ」
⇒もうは未だなり、未だはもうなり
もう‐あ【盲唖】マウ‥
目が見えないことと口がきけないこと。
⇒もうあ‐がっこう【盲唖学校】
もう‐あい【盲愛】マウ‥
むやみに愛すること。「一人娘を―する」
もうあ‐がっこう【盲唖学校】マウ‥ガクカウ
視力・聴力障害者の発達に必要な教育を施すために設けられた学校。→盲学校→聾学校
⇒もう‐あ【盲唖】
もう‐あく【猛悪】マウ‥
①勇猛で残酷なこと。
②勢いが激しいこと。
もう‐あそび【毛遊び】
沖縄の村々で行われていた男女の野外遊び。夜なべ仕事のあと、もう(野原)に集い歌い踊った。
もうあんじょう【盲安杖】マウ‥ヂヤウ
仮名法語。鈴木正三しょうさん著。1巻。1619年(元和5)成る。禅の立場から人間として守るべき10の徳目を具体的に説いたもの。
もうあん‐ぼうこく【猛安謀克】マウ‥
中国、金代の軍事組織、また行政単位。300戸を1謀克、10謀克を1猛安とした。この組織は女真民族固有のもの。
もう‐い【毛夷】
えぞ。えみし。毛人もうじん。
もう‐い【毛衣】
①哺乳類の体表に密生する毛の全体をいう。
②毛皮で作った衣服。けごろも。
もう‐い【猛威】マウヰ
(風や流行病などの)たけだけしい勢い。猛烈な勢い。「―をふるう」
もう‐う【猛雨】マウ‥
はげしく降る雨。豪雨。
もう‐う【濛雨】
空をかき曇らせて降りしきる小雨。そぼ降る雨。
もう‐えい【毛穎】
[韓愈、毛穎伝](「穎」は穂先・突端の意)筆の異称。
も‐うお【藻魚】‥ウヲ
沿海の藻の繁茂する所にすむ魚。メバル・ベラ・ハタ・カサゴなど。もいお。懐硯「風味なる―を食はず危うきふぐをくらふ」
もう‐か【孟夏】マウ‥
(「孟」は初めの意)夏のはじめ。初夏。陰暦4月の異称。
⇒もうか‐の‐えん【孟夏の宴】
⇒もうか‐の‐しゅん【孟夏の旬】
もう‐か【孟軻】マウ‥
(→)孟子もうし1のこと。
もう‐か【猛火】マウクワ
激しく燃え立つ火。また、大火事。みょうか。「―に包まれる」
もう‐かく【妄覚】マウ‥
錯覚と幻覚との総称。
もうがく‐どうぶつ【毛顎動物】
無脊椎動物の一門。体長5〜70ミリメートル。前端の口の周りに剛毛があり、体側にひれをもつ。海産でほとんどが浮遊性で魚類の餌になる。矢虫と総称される。
もう‐がっこう【盲学校】マウガクカウ
視力障害者に対して普通教育を行い、あわせて点字などの必要な知識・技能を授ける学校。→盲教育
もうか‐の‐えん【孟夏の宴】マウ‥
古代、陰暦4月1日に行われた旬しゅんの宴。
⇒もう‐か【孟夏】
もうか‐の‐しゅん【孟夏の旬】マウ‥
古代、陰暦4月1日に行われた公事くじ。〈[季]夏〉。→旬しゅん
⇒もう‐か【孟夏】
もうか・る【儲かる】マウカル
〔自五〕
利益になる。得をする。浮世風呂前「一文の銭もあだおろそかには―・りませぬ」。「同乗させてもらって―・った」
もう‐かん【毛幹】
「毛け1」参照。
もう‐かん【毛管】‥クワン
①(→)毛細管の略。
②(→)毛細血管の略。
⇒もうかん‐げんしょう【毛管現象】
もう‐かん【盲官】マウクワン
琵琶・管弦、および按摩・鍼治などを業とした盲人に与えられた官位の総称。検校けんぎょう・勾当こうとう・座頭などがあって、総検校などがこれを統轄し、朝廷では久我こが家につかさどらせた。1871年(明治4)太政官布告により廃止。
もう‐かん【盲管】マウクワン
開口しない一端(盲端)を持つ管。盲腸など。
⇒もうかん‐じゅうそう【盲管銃創】
もうかん‐げんしょう【毛管現象】‥クワン‥シヤウ
(→)毛細管現象に同じ。
⇒もう‐かん【毛管】
もうかん‐じゅうそう【盲管銃創】マウクワン‥サウ
銃弾が身体を貫通せず体内にとどまっている傷。↔貫通銃創
⇒もう‐かん【盲管】
もう‐き【盲亀】マウ‥
目の見えない亀。
⇒もうき‐の‐ふぼく【盲亀の浮木】
もう‐き【濛気・朦気】
①濛々と立ちこめる気。
②気のふさがること。病気。日葡辞書「ゴモウキデゴザル」
⇒もうき‐さ【濛気差】
もうき‐さ【濛気差】
(→)大気差に同じ。
⇒もう‐き【濛気・朦気】
もうき‐の‐ふぼく【盲亀の浮木】マウ‥
[涅槃経]仏法にめぐりあうことが甚だ困難であることを、大海で盲目の亀が浮木の孔に入ることの困難さにたとえたもの。めったにめぐりあえないことのたとえ。日葡辞書「ソナタノゴカウリョク(合力)ヲマウキノフボクトタノム」
⇒もう‐き【盲亀】
もうぎゅう【蒙求】‥ギウ
(易経蒙卦「童蒙我に求む」による)児童・初学者用教科書。唐の李瀚撰。3巻。中国古代から南北朝までの有名な人物の、類似する言行二つずつを配して4字句の韻語で記し、経・史・子類中の故実を学ぶようにした書。計596句。「孫康映雪、車胤聚蛍」の類。唐〜元代、広く使われ、日本でも古くより流布。
⇒もうぎゅう‐しょう【蒙求抄】
もうぎゅう‐しょう【蒙求抄】‥ギウセウ
「蒙求」の注釈書。清原宣賢が1529年(享禄2)頃行なった講義を、林宗二が34年(天文3)に編。口語資料として重要。
⇒もうぎゅう【蒙求】
もう‐きょ【毛挙】
些細ささいな事まで数えあげること。平家物語3「勧賞ども―にいとまあらず」
もう‐きょう【蒙疆】‥キヤウ
中国の旧察哈爾チャハル・綏遠すいえん両省および山西北部の称。
もう‐きょういく【盲教育】マウケウ‥
視覚障害者のための教育。点字創案後に急速に発達。1784年フランス人アユイ(V. Haüy1745〜1822)によって世界最初の教育施設が作られた。日本では1878年(明治11)京都盲唖院が設立され、次第に発達。普通教育のほか職業教育なども行う。盲人教育。
もう‐きん【猛禽】マウ‥
性質が荒い肉食の鳥。猛鳥。
⇒もうきん‐るい【猛禽類】
もうきん‐るい【猛禽類】マウ‥
タカ目とフクロウ目の鳥の総称。他の鳥類や小動物を捕食し、上嘴じょうしは湾曲して鋭く、翼は強大で、飛行は迅速、脚に鋭い鉤爪がある。ワシ・タカ・トビ・コンドル・フクロウなど。
⇒もう‐きん【猛禽】
もう‐く【毛孔】
けあな。もうこう。
もう・く【設く・儲く】マウク
〔他下二〕
⇒もうける(下一)
もう・く【参来】マウク
〔自カ変〕
(マヰクの転)参り来る。推古紀(岩崎本)平安中期点「何か来マウコし」
もうけ【設け・儲け】マウケ
①設けること。準備。用意。源氏物語若菜下「あまたの舞の―をせさせ給ふ」
②馳走の用意。ごちそう。古今和歌集序「―などしたりけれど」
③食物。徒然草「一鉢の―、あかざのあつ物」
④《儲》得とく。利益。利潤。〈日葡辞書〉。「―が少ない」
⇒もうけ‐がしら【儲け頭】
⇒もうけ‐ぐち【儲け口】
⇒もうけ‐しごと【儲け仕事】
⇒もうけ‐どの【儲殿】
⇒もうけ‐の‐きみ【儲けの君】
⇒もうけ‐の‐みや【儲けの宮】
⇒もうけ‐ぶね【儲け船】
⇒もうけ‐もの【儲け物】
⇒もうけ‐やく【儲け役】
もうけ‐がしら【儲け頭】マウケ‥
一番多くもうけた人。
⇒もうけ【設け・儲け】
もうけ‐ぐち【儲け口】マウケ‥
利益を得る道や手がかり。「―が見つかる」
⇒もうけ【設け・儲け】
もうけ‐しごと【儲け仕事】マウケ‥
儲けが多い仕事。儲けのためだけにする仕事。
⇒もうけ【設け・儲け】
もう‐げつ【孟月】マウ‥
(「孟」は初めの意)四季のはじめの月。孟春・孟夏・孟秋・孟冬の総称。
⇒もうげつ‐の‐えん【孟月の宴】
もうげつ‐の‐えん【孟月の宴】マウ‥
孟夏または孟冬の宴。
⇒もう‐げつ【孟月】
もうけ‐どの【儲殿】マウケ‥
伊勢神宮の遷宮に、仮殿かりどのを造ることができない時、その代りに仮に建てた殿舎。
⇒もうけ【設け・儲け】
もうけ‐の‐きみ【儲けの君】マウケ‥
皇太子の称。ちょくん。もうけのみや。仁徳紀「王きみを立てて弐もうけのきみとしたまへり」
⇒もうけ【設け・儲け】
もうけ‐の‐みや【儲けの宮】マウケ‥
(→)「もうけのきみ」に同じ。
⇒もうけ【設け・儲け】
もうけ‐ぶね【儲け船】マウケ‥
予備の船。平家物語9「―いくらもありけれども」
⇒もうけ【設け・儲け】
もうけ‐もの【儲け物】マウケ‥
①用意してある品物。源平盛衰記4「ゆゆしき大焼亡かな。在地の人々も、家々壊ち―共したため置くべきぞといふ」
②思いがけなく得た、利益や幸運。「入賞できれば―だ」
⇒もうけ【設け・儲け】
もうけ‐やく【儲け役】マウケ‥
歌舞伎で、それほど骨を折らないでもすむ割に、観客から喝采される得な役。映画・演劇一般についてもいう。
⇒もうけ【設け・儲け】
もう・ける【設ける・儲ける】マウケル
〔他下一〕[文]まう・く(下二)
①前もって準備する。前もって用意する。万葉集18「渡守舟も―・けず橋だにも渡してあらば」。大鏡道隆「石杖ばかりにてまことしき弓矢までは―・けさせ給はず」
②そなえてこしらえる。設置する。しつらえる。源氏物語手習「中宿りをぞ―・くべかりける」。「事務所を―・ける」「基準を―・ける」「酒席を―・ける」「口実を―・けて断る」
③人を用意する。ゆかりのある人を作る。源氏物語帚木「ふつつかなる後見―・けて、かくあなづり給ふなめり」
④《儲》子供を得る。身に持つ。源氏物語紅梅「今の御腹にぞ男君一人―・け給へる」。平家物語11「いかなる人の腹に公達を―・け給ふとも」。「1男2女を―・ける」
⑤《儲》利益を(思いがけなく)得る。得をする。源平盛衰記34「正直にては能よき馬は―・くまじかりけりと狂言して」。徒然草「三百貫の物をまづしき身に―・けてかくはからひける」。「株で―・ける」「近道して5分―・ける」
⑥思いがけなく病気などにかかる。徒然草「この世にはあやまち多く、財を失ひ、病を―・く」
もう‐けん【猛犬】マウ‥
性質が荒く、人に吠え、また咬かみつく犬。「―に注意」
もう‐げん【妄言】マウ‥
(ボウゲンとも)
①でまかせに言うことば。
②いつわりのことば。うそ。妄語。
⇒もうげん‐たしゃ【妄言多謝】
もうげん‐たしゃ【妄言多謝】マウ‥
(ボウゲンタシャとも)手紙などの末尾に添える、失礼をわびることば。自分勝手なことを述べたことをお許しください、の意。妄言多罪。
⇒もう‐げん【妄言】
もう‐こ【猛虎】マウ‥
勢いのたけだけしい虎。
もうこ【蒙古】
(Mongolia)(→)モンゴルに同じ。
→文献資料[蒙古国牒状]
⇒もうこ‐うし【蒙古牛】
⇒もうこ‐げんりゅう【蒙古源流】
⇒もうこ‐ご【蒙古語】
⇒もうこしゅうらい‐えことば【蒙古襲来絵詞】
⇒もうこ‐しょう【蒙古症】
⇒もうこ‐ていこく【蒙古帝国】
⇒もうこ‐のうま【蒙古野馬】
⇒もうこ‐のろば【蒙古野驢馬】
⇒もうこ‐はん【蒙古斑】
⇒もうこ‐ひだ【蒙古襞】
⇒もうこ‐ひつじ【蒙古羊】
⇒もうこ‐もじ【蒙古文字】
⇒もうこ‐らい【蒙古来】
もう‐ご【妄語】マウ‥
〔仏〕
①五悪・十悪の一つ。うそをつくこと。本朝文粋「―の咎逃れ難く、綺語の過何ぞ避けん」
②妄語戒もうごかいの略。大鏡道長「十戒のなかに―をばたもちて侍る身なればこそ」
⇒もうご‐かい【妄語戒】
もう‐こう【毛亨】‥カウ
漢初の学者。魯の人。荀子じゅんしの学を伝え、詩経の伝訓を以て一家を成す。のちにその学を趙の毛萇もうちょうに授けた。→毛詩
もう‐こう【猛攻】マウ‥
はげしく攻めたてること。猛攻撃。
もうこ‐うし【蒙古牛】
モンゴル地方に産する牛の一品種。体は小さく、濃赤褐色。モンゴル人は乳用その他のために飼うが、泌乳量は少ない。
⇒もうこ【蒙古】
もう‐こうぜん【孟浩然】マウカウ‥
(モウコウネンとも)盛唐の詩人。名は浩。襄陽(湖北襄樊)の人。鹿門山中に隠棲し、また、都へ出て王維・李白らと交わった。その詩は自然描写にすぐれ、王維と共に王孟と並称。(689〜740)
もうご‐かい【妄語戒】マウ‥
〔仏〕五戒・十戒の一つ。不妄語すなわちうそをつくなという戒め。
⇒もう‐ご【妄語】
もうこ‐げんりゅう【蒙古源流】‥リウ
モンゴル民族の通史。原本はモンゴル文で、原題「諸汗の源の宝の史綱」。オルドス部のサガン=セチェン撰。1662年成る。1777年漢訳。欽定蒙古源流。
⇒もうこ【蒙古】
もうこ‐ご【蒙古語】
(→)モンゴル語に同じ。
⇒もうこ【蒙古】
もうこしゅうらい‐えことば【蒙古襲来絵詞】‥シフ‥ヱ‥
肥後国の御家人竹崎季長すえながが、文永・弘安の両度の役に立てた自身の戦功を子孫に伝えるために描かせた絵巻。2巻。奥書に永仁元年(1293)の年記がある。鎌倉中期の実録的な戦記絵巻として描写は精密で、蒙古人の風俗や博多沿岸の石塁など史料的にも価値が高い。竹崎季長絵詞。
⇒もうこ【蒙古】
もうこ‐しょう【蒙古症】‥シヤウ
ダウン症候群の旧称。
⇒もうこ【蒙古】
もうこ‐ていこく【蒙古帝国】
(→)モンゴル帝国に同じ。
⇒もうこ【蒙古】
もうこ‐のうま【蒙古野馬】
ウマ科の一種。肩高は1.2メートルほど。毛色は赤褐色。1879年にロシアの探検家プルジェワリスキーが中国北西部で発見。真の野生種で、家畜ウマの祖先の一つ。現在では絶滅に近く、動物園で飼育。プシバルスキーうま。
もうこのうま
モウコノウマ
提供:東京動物園協会
⇒もうこ【蒙古】
もうこ‐のろば【蒙古野驢馬】
ウマ科の哺乳類。西アジアからモンゴルにかけての乾燥地にすむ野生のロバ。体高は1.2メートルほど。毛は赤茶色で、背中の中央に黒線がある。家畜のロバは別系統のアフリカノロバから出たとされる。アジアノロバ。
モウコノロバ
提供:東京動物園協会
⇒もうこ【蒙古】
もうこ‐はん【蒙古斑】
小児の臀部でんぶ・腰部・背部・肩胛けんこう部などの皮膚にある青色の斑紋。皮膚真皮層中にメラニン色素細胞が存在するためで、年齢が進むと消失する。モンゴロイドに出現率が高く、日本人の生後1年以内乳児での斑紋は99.5パーセントに達するが、白色および黒色人種では稀。小児斑。児斑。
⇒もうこ【蒙古】
もうこ‐ひだ【蒙古襞】
上眼瞼がんけんの皮膚の鼻側の部分が、半月状をなして垂れ下がり、内眼角(目頭)をおおうもの。コーカソイドに少なくモンゴロイドに多い。もうこへき。
⇒もうこ【蒙古】
もうこ‐ひつじ【蒙古羊】
アジアの代表的な羊の一品種。小形で、毛は少なく、質も粗悪であるが、よく粗飼料や悪天候に耐える。尾は脂肪を蓄積するため極めて厚く広い。中国・モンゴルに広く飼育、日本にも輸入。
⇒もうこ【蒙古】
もうこ‐もじ【蒙古文字】
(→)モンゴル文字に同じ。
⇒もうこ【蒙古】
もうこ‐らい【蒙古来】
(→)元寇げんこうの異称。
⇒もうこ【蒙古】
もう‐こん【毛根】
毛髪で、毛嚢もうのう中にある部分の称。→皮膚(図)
もう‐ざ【猛者】マウ‥
①勇猛な人。もさ。もうしゃ。続古事談5「坂東の―なりせば」
②富裕で威勢のよい人。
もうさい‐かん【毛細管】‥クワン
①(→)毛細血管に同じ。
②毛細管現象を認められる程度の細い管。キャピラリー。毛管。
⇒もうさいかん‐げんしょう【毛細管現象】
もうさいかん‐げんしょう【毛細管現象】‥クワン‥シヤウ
細い管を液体中に立てる時、その液が管内で他の水平面より高くなり、または低くなる現象。管中の液面の上昇または降下の度合は液の表面張力に比例し、管の内径に反比例する。毛管現象。
⇒もうさい‐かん【毛細管】
もうさい‐けっかん【毛細血管】‥クワン
動脈の末梢に続く微細な血管。全身至る所の組織中に網状に分布。壁はごく薄く、動脈血はこの壁を通して酸素・栄養を組織に与え、二酸化炭素・老廃物を受け取って静脈血となり、静脈を経て心臓に戻る。白血球はこの壁を通って組織中に遊出できる。毛細管。
もうさく【申さく・白さく】マウサク
(モウスのク語法)申すこと。申すには。「まをさく」とも。竹取物語「あやべのうちまろ―」
もうさん‐や【申さんや】マウサン‥
「いわんや」の謙譲語。申すまでもなく。保元物語(金刀比羅本)「―今の所望無下にたやすき事にあらずや」
もうし【申し】マウシ
(モウスの連用形から)
[一]〔名〕
①申すこと。報告。挨拶。源氏物語桐壺「宿直―」
②申し請うこと。ねがい。請こい。謡曲、春栄しゅんねい「若宮の別当の―により、囚人七人の免状の事」
[二]〔感〕
敬意をこめて呼びかける時にいう語。狂言、若菜「―何と思召すぞ」
もうし【毛詩】
(毛亨もうこう・毛萇もうちょうが伝えたからいう)「詩経」の別名。「詩経」の4種のテキストのうち、斉詩・魯詩・韓詩は散佚して伝わらず、毛詩のみ伝存。→毛亨。
⇒もうし‐しょう【毛詩抄】
もうし【孟子】マウ‥
①中国、戦国時代の思想家。山東鄒すうの人。名は軻か、字は子車・子輿。学を孔子の孫の子思の門人に受け、王道主義を以て諸国に遊説したが用いられず、退いて弟子万章らと詩書を序し、孔子の意を祖述して「孟子」7編を作る。その倫理説は性善説に根拠を置き、仁義礼智の徳を発揮するにありとした。(前372〜前289)
②(古くはモウジとも)四書の一つ。1が孔子の道を祖述して仁義を説き、あるいは遊歴の際、諸侯および弟子と問答したことを記した書。梁恵王・公孫丑・滕文公・離婁・万章・告子・尽心の7編から成る。後漢の趙岐が各編を上下に分けて14巻とし、これに注した。また、朱熹の集注がある。
もう‐し【猛士】マウ‥
強く勇ましい武士。ますらお。
もうし‐あい【申し合い】マウシアヒ
相撲の稽古で、勝った力士が次の対戦相手を指名しながら次々と勝負をくりかえすもの。
もうし‐あが・る【申し上がる】マウシ‥
〔自四〕
言いつのる。議論が激しくなる。狂言、佐渡狐「この狐の有る無いと申す事を―・つて賭禄かけろくに致いて御座る」
もうし‐あ・げる【申し上げる】マウシ‥
〔他下一〕[文]まうしあ・ぐ(下二)
①「言う」の謙譲語。「申す」より敬意の度合が高い。目上に向かって言う。言上する。うやうやしく言う。平家物語2「少将も涙に咽むせんで、―・ぐる旨もなし」。「お礼を―・げます」
②(接頭語「お」「ご」などの付いた、動詞の連用形や体言の下に付いて)…してさしあげる。好色一代男8「爰ここへもどらぬとは、何国いずくへ御供―・ぐる事ぞ」。「謹んでお慶び―・げます」「御説明―・げます」
もうし‐あわせ【申合せ】マウシアハセ
①申しあわせること。相談をしてとりきめること。また、その内容。「―に反する」
②能や狂言の出演者が、公演前にする総稽古。装束は着けない。
もうし‐あわ・せる【申し合わせる】マウシアハセル
〔他下一〕[文]まうしあは・す(下二)
①話し合う。相談する。平家物語11「判官、平大納言に―・せて」
②前もって約束する。沙石集2「此の僧に灌頂授けて恵命をつがんと思ふ由―・す」。「特別手当返上を―・せる」「―・せたように言う」
もうし‐いで【申出で】マウシ‥
①申し出ること。また、その内容。もうしで。
②〔法〕申立て・申請、その他意思の表現。「不服の―」
もうし‐い・でる【申し出る】マウシ‥
〔他下一〕[文]まうしい・づ(下二)
(→)「もうしでる」に同じ。
もうし‐いれ【申入れ】マウシ‥
申し入れること。意思を進んで先方に言い知らせること。「―を無視される」
もうし‐い・れる【申し入れる】マウシ‥
〔他下一〕[文]まうしい・る(下二)
①こちらの意思や希望を相手方に進んで言う。「交渉を―・れる」
②招待する。狂言、皹あかがり「近日客を―・れうと思ふが何とあらう」
もうし‐う・ける【申し受ける】マウシ‥
〔他下一〕[文]まうしう・く(下二)
①お願いを申し上げる。平家物語12「義経が―・くる旨にまかせて」
②申し出て請い受ける。願って受ける。請い受ける。いただく。狂言、佐渡狐「思ひも寄らぬ一腰を―・くると言ふものぢや」。「お志を―・けます」「実費を―・ける」
③招待する。狂言、拾ひ大黒「近日一族衆を―・けて振舞はうと存ずる」
もうし‐お・く【申し置く】マウシ‥
〔他五〕
「言い置く」の謙譲語。
もうし‐おくり【申し送り】マウシ‥
①言いおくること。「―事項」
②命令や事務処理上の事柄を伝達すること。特に、前任者から後任者への、引継ぎ事項の伝達。「―を受ける」
もうし‐おく・る【申し送る】マウシ‥
〔他五〕
①先方へ言ってやる。先方に伝える。平家物語灌頂「隆房・信隆の北の方より、たえだえ―・る事こそさぶらへ」。「手紙で―・る」
②次から次へと言い伝える。特に、引き継ぐべき事務などを後任者に言い伝える。「懸案の事項を―・る」
もうし‐おく・れる【申し遅れる】マウシ‥
〔他下一〕
「言い遅れる」の謙譲語。「―・れましたが、私が司会を務めます」
もうし‐おこな・う【申し行ふ】マウシオコナフ
〔他四〕
①進言する。今昔物語集11「天皇に―・ひて」
②取りさばく。処置する。平家物語3「たとひ入道非拠を―・ふとも」
もうし‐か・ねる【申し兼ねる】マウシ‥
〔他下一〕[文]まうしか・ぬ(下二)
「言い兼ねる」の謙譲語。「駄目とは―・ねる」
もうし‐かわ・す【申し交わす】マウシカハス
〔他五〕
①「言い交わす」の謙譲語。
②約束する。また、婚約する。狂言、武悪「日ごろ―・いたこともござれば」
もうし‐きか・せる【申し聞かせる】マウシ‥
〔他下一〕[文]まうしきか・す(下二)
「言い聞かせる」の丁寧な言い方。好色五人女3「なほやめがたく、心底―・せければ」。「よく―・せておきます」
もうし‐き・ける【申し聞ける】マウシ‥
〔他下一〕
①言い聞かせる。
②申し伝える。「主人にも左様―・けます」
もうし‐ご【申し子】マウシ‥
①神仏に祈ったおかげで授かった子。〈日葡辞書〉
②神仏など霊力を持つものから生まれた子。また、その分野で特にすぐれた能力を持つ人。「天狗の―」「野球の―」
もうし‐こ・す【申し越す】マウシ‥
〔他五〕
(手紙・使いなどを通じて)言ってよこす。好色五人女1「母人の―・されし一言に」
もうし‐ごと【申し事】マウシ‥
申すべきこと。言い立てること。いいぶん。平家物語2「恐れある―にて候へども、心の底に旨趣を残すべきにあらず」
もうし‐こみ【申込み】マウシ‥
①申し込むこと。「―を受け付ける」
②〔法〕相手の承諾を得て契約を成立させようとする特定人の意思表示。
⇒もうしこみ‐の‐ゆういん【申込の誘引】
もうしこみ‐の‐ゆういん【申込の誘引】マウシ‥イウ‥
〔法〕他人を勧誘して自分に申込みをさせようとする意思の表現。貸家札・求人広告・商品目録の類。
⇒もうし‐こみ【申込み】
もうし‐こ・む【申し込む】マウシ‥
〔他五〕
①相手方に伝える。「抗議を―・む」
②こちらの希望・意思などを相手方に進んで申し出る。「購読を―・む」
もうし‐さた【申し沙汰】マウシ‥
①申し立てること。論ずること。太平記27「此の事すぐれて―したりける粟飯原下総守清胤、俄かに心替りして」
②うわさ。評判。源平盛衰記3「定めて御出家もやと―しける程に」
③行うこと。処置。太平記6「恩賞を―すべき由」
もうし‐しず・む【申し沈む】マウシシヅム
〔他下二〕
言い立てて落としいれる。平治物語「源氏の人々をば―・めんとするなど」
もうし‐しょう【毛詩抄】‥セウ
「毛詩(詩経)」の注釈書。清原宣賢講。1535年(天文4)頃成る。口語資料として重要。
⇒もうし【毛詩】
もうし‐じょう【申し状】マウシジヤウ
①願い出た事柄。いいぶん。平家物語10「義経が―あながち御許容あるべからず」
②(→)申文もうしぶみ1に同じ。平家物語12「頼朝の卿―によつて義経追討の院宣を下さる」
③(→)申文3に同じ。太平記13「―を捨てて訟うつたえを止めたるは」
もうし‐そ・える【申し添える】マウシソヘル
〔他下一〕[文]まうしそ・ふ(下二)
つけくわえて申す。「一言ひとこと―・えます」
もう‐したが・う【参従ふ】マウシタガフ
〔自四〕
(マヰシタガフの音便)投降する。服従する。崇神紀「帰伏もうしたがひなむ」
もうし‐たっ・す【申し達す】マウシ‥
〔自サ変〕
①意見を上申する。太平記15「三井寺も弥いよいよ意趣深うして、動ややもすれば戒壇の事を―・せんとし」
②上司から下司に言いおくる。
もうし‐たて【申立て】マウシ‥
①申し立てること。
②〔法〕訴訟法上、裁判所に対して一定の訴訟行為を求める当事者の意思表示。申出。申請。「和解の―」「―人」
もうし‐た・てる【申し立てる】マウシ‥
〔他下一〕[文]まうした・つ(下二)
①取り上げて言う。主張する。日葡辞書「ダウリ(道理)ヲマウシタツル」。「異議を―・てる」
②言上する。上申する。「私案を―・てる」
もうし‐つう・ず【申し通ず】マウシ‥
〔他サ変〕
①意見などを伝える。
②交際する。狂言、文山立「向後は弓矢八幡―・ぜぬぞ」
もうし‐つぎ【申次ぎ】マウシ‥
①取り次いで申し上げること。とりつぎ。平治物語「常葉すでにまいりしかば、伊勢守景綱―にて」
②申次衆の略。
⇒もうしつぎ‐しゅう【申次衆】
もうしつぎ‐しゅう【申次衆】マウシ‥
室町幕府の職名。将軍へ諸事を取り次いだ者。
⇒もうし‐つぎ【申次ぎ】
もうし‐つ・ぐ【申し次ぐ】マウシ‥
〔他五〕
取り次いで申しあげる。源氏物語東屋「この御使を西面にて問へば―・ぎつる人も寄り来て」
もうし‐つけ【申付け】マウシ‥
もうしつけること。いいつけ。「お―の通りにいたします」
もうし‐つ・ける【申し付ける】マウシ‥
〔他下一〕[文]まうしつ・く(下二)
①上の者が下の者に言いわたす。「閉門を―・ける」「何なりとお―・け下さい」
②申し慣れる。言い慣れる。今昔物語集19「寝入りなどして候ふ程を除きては―・けて候ふことなれば」
もうし‐つた・える【申し伝える】マウシツタヘル
〔他下一〕[文]まうしつた・ふ(下二)
「言い伝える」の丁寧な、または謙遜した言い方。「上司に―・えます」
もうし‐づま【申し妻】マウシ‥
妻を授けてもらおうと神仏に祈ること。また、それによって得た妻。狂言、伊文字「参詣致し―を致さうと存ずる」
もうし・でる【申し出る】マウシ‥
〔他下一〕
(希望・要求・意見などを)進んで言って出る。「援助を―・でる」「希望者は―・でること」
もうし‐どく【申し得】マウシ‥
さきに言い出た者の利得となること。いいどく。
もうし‐どころ【申し所】マウシ‥
非難の箇所。非の打ち所。
もうし‐どの【申殿】マウシ‥
神殿で祝詞のりとを申し上げる所。
もうし‐と・る【申し取る】マウシ‥
〔他四〕
申し受ける。請うて我が物とする。
もう
④僧侶が腰から下にまとう服。
も【藻】
水中に生ずる藻類・海草・水草などの称。神代紀下「沖つ―は辺へには寄れども」
も
〔副〕
①もはや。もう。狂言、抜殻「―かう参りまする」
②さらに。このうえに。いま。また。狂言、悪太郎「―一つ飲うで」。「―一度」
も
〔助動〕
(上代東国方言)推量の助動詞ムの訛。万葉集20「家いわなる妹いもはさやに見―かも」
も
〔助詞〕
➊(終助詞)活用語の終止形(係結びでは結びの形)、ク語法に付いて、詠嘆の意を表す。体言には「かも」「はも」などの形で用いる。なお、「かも」は平安時代には「かな」に代わる。古事記中「はしけやし我家の方よ雲居立ち来―」。万葉集3「みつみつし久米の若子がい触れけむ磯の草根の枯れまく惜し―」。万葉集4「眠いも寝かてにと明かしつらく―長きこの夜を」。拾遺和歌集恋「わが背子がありかもしらでねたる夜はあかつきがたの枕さびし―」→かも→かな。
➋(係助詞)体言・副詞・形容詞や助詞などを受ける。「は」と対比される語で、「は」が幾つかの中から一つを採り上げる(それ以外を退ける)語であるのに対し、「も」はそれを付け加える意を表す。格を表す語ではなく、主格・目的格・補格など種々の格に当たる部分に使われる。「も」を受けて結ぶ活用語は、意味に応じて種々の活用形となるが、通常は終止形で結ぶ。
①ある事態がそれに及ぶことを示す。…もまた。万葉集1「熟田津にきたつに船乗りせむと月まてば潮―かなひぬ今はこぎ出でな」。源氏物語桐壺「やうやう天の下に―あぢきなう人のもてなやみぐさになりて」。新古今和歌集秋「心なき身に―あはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮」。平家物語11「浪の下に―都のさぶらふぞ」。歌舞伎、好色伝授「お好ならば野郎餅―御座います」。「私―参加します」「これ―読むといい」
②どれか一つに限定せず同種の物事を列挙するのに用いる。万葉集1「君が代―わが代―知るや磐代の岡の草根をいざ結びてな」。源氏物語帚木「あしく―よく―相添ひて、とあらむ折―かからむきざみを―見すぐしたらむ中こそ契り深くあはれならめ」。平家物語9「心ある―心なき―、皆鎧の袖をぞぬらしける」。「この人―あの人―賛成している」「野―山―花盛りになる」
③願望表現と呼応して、願望の中心にあるものを示す。万葉集5「竜の馬―今も得てしか青丹よし奈良の都に行きて来むため」。万葉集8「たな霧らひ雪―降らぬか」
④最も実現しにくく、条件としては最高のものであることを示す。…まで。源氏物語桐壺「かかる人―、世にいでおはするなりけり」。「世界新記録―出た」
⑤最も実現しやすく、条件としては最低のものであることを示す。…さえ。…でも。万葉集14「信濃なる千曲の川の小石さざれいし―君し踏みてば玉と拾はむ」。源氏物語若紫「世を捨てたる法師の心地に―いみじう世の憂へ忘れ、よはひ延ぶる人の御有様なり」。平家物語7「あやしの鳥けだもの―恩を報じ徳をむくふ心は候ふなり」。「慣れ親しめばがらくた―宝である」
⑥譲歩または許容する意を示す。万葉集9「海つ路の和なぎなむ時―渡らなむ」。源氏物語末摘花「かくたのみなくて―過ぐるものなりけり」。滑稽本、素人狂言紋切形「アイかして―上げやうが、あれは読むばかりに」。「教えてあげて―いい」
⑦係助詞「こそ」あるいは「ぞ」が接続して「もこそ」「もぞ」の形で危惧の感情を表すことがある。…するといけない。源氏物語若紫「はしたなう―こそ思せ」。新古今和歌集恋「玉の緒よ絶えなば絶えね長らへばしのぶることの弱り―ぞする」
⑧用言の連用形、副詞などに付いて詠嘆を表す。万葉集1「国はし―多さわにあれども」。万葉集4「許多ここだく―狂ひに狂ひ」。源氏物語松風「若君はいと―いと―うつくしげに」
⑨(意外なものにまで及んだの意から)意味を強める。源氏物語桐壺「また見奉らでしばし―あらむはいと後ろめたう」。蒙求抄1「人を人と―思はぬ物」。歌舞伎、好色伝授「濡れました事はちつと―大事御座りませぬ」。浮世床初「あの又かかし(嚊)―かかしだ、コレ早く起きなせへと言へ」。「少し―恐ろしくない」「難しい球を取り―取ったり」
⑩(それ一つではないの意から)意味を和らげる。いろは文庫「無理にとめ―致しますまい」。「一時は辛く―あろうが、必ず幸せになれる」
⑪不定称の語に付いて、全部を総括した意を表す。人情本、花筐「お前は誰に―言ておくれぢやアあるまいと思ふから」。「誰―が知っている事実」「何―食べていない」
➌(接続助詞)
①動詞的活用の語の連体形に接続して譲歩の気持から、逆接を表す。…でも。…のに。万葉集4「来むといふ―来ぬ時あるを来じといふを来むとは待たじ来じといふものを」。源氏物語橋姫「心一つにいとど物思はしさ添ひて内裏へ参らむと思しつる―出で立たれず」。堤中納言物語「月にはかられて夜深くおきにける―思ふらむ所いとほしけれど立ち帰らむも遠き程なれば」。平治物語「矢は当らざりし―痛手は負ひぬ」。「泣く―認められず」「期限は今日に迫りたる―準備は未だ成らず」
②仮定の逆接条件を表す。…ても。…であっても。「何等の事由ある―議場に入る事を許さず」
も【最】
〔接頭〕
「まこと」「正しい」「もっとも」の意を表す語。「―中」「―寄」
モア【moa】
ダチョウ目の走鳥。18世紀を最後に絶滅。かつてニュー‐ジーランドに大小種々のものがいたが、現生の走鳥類と同様に飛翔力がなく、最大のものは高さ4メートル、体重230キログラムと推定される。恐鳥。
モア【Thomas More】
イギリスの政治家・思想家。エラスムスと交わり、古典および法律を研究、枢密顧問官・下院議員・大法官を歴任。ヘンリー8世の離婚問題に反対し、叛逆罪に問われて処刑。王権と教権から自由な社会を理想国家とした。著「ユートピア」。(1478〜1535)
モアー【mower】
草刈機。特に、バリカン式または回転刃のある動力草刈機。牧草・緑肥などの刈取りに用いる。
もあい【舫い】モアヒ
⇒もやい1
モアイ【moai】
南太平洋、イースター島にある巨大な石像。先住民が祖先の像を刻んだものと考えられ、数百体が現存。
モアッサン【Ferdinand Frédéric Henri Moissan】
フランスの化学者。すべての元素のうちで最も反応性に富むフッ素の単離に成功。ノーベル賞。(1852〜1907)
モアブ‐じん【モアブ人】
(Moabite)旧約聖書時代にイスラエル人と闘争を繰り返した民族の一つ。アラビア砂漠の西、死海の東に建国、前9世紀頃繁栄していたらしいが、前6世紀には既に滅亡。
モアレ【moiré フランス】
(波形模様の意)
①絹織物の一つ。タフタに木目もくめを織り出した張りの強い織物で、表面に波状の光沢がある。無地。イブニング‐ドレス・カクテル‐ドレスなどに使用。また、リボン用。
②点または線が幾何学的に規則正しく分布したものを重ね合わせた時に生ずる縞状の斑紋。網版印刷物を原稿として網版を複製する時などに起こりやすい。
もい【盌】モヒ
①水を盛る椀わん。武烈紀「玉たま―に水さへ盛り」
②転じて、飲み水。催馬楽、飛鳥井「御―も寒し」
もい‐か【梅花】‥クワ
(モイは唐音)梅花の模様。また、その模様を織った絹。〈下学集〉
モイスチャー【moisture】
水分。湿気。肌や毛髪について言う。
モイスト‐ペレット【moist pellet】
(moistは「湿った」意)養殖用の飼料の一種。配合飼料と生なま餌(主に海産魚肉)とを混合し、団塊状に成形したもの。餌の散逸が少なく水質の汚染防止に有効。
モイゼ【Moyses ラテン】
⇒モーセ
もいとり‐の‐つかさ【水取司・主水司】モヒ‥
⇒しゅすいし(主水司)。古事記下「―に駈使つかはえし吉備の国の児島の仕丁よほろ」
もい‐の‐つかさ【水司】モヒ‥
⇒すいし
モイライ【Moirai】
ギリシア神話で、運命の3女神。ゼウスとテミスとの娘。運命の糸を紡ぐクロト、長さを定めるラケシス、糸を切るアトロポスの3神。単数形モイラ。
もう
(東北・中部地方などで)おばけ。子供をおどかすときに言う。
もう【毛】
①(動植物の)け。「アンゴラ―」
②植物。また、その生育、実り。
③単位の一つ。
㋐1の1000分の1。
㋑歩合・利率等の単位。1割の1000分の1。
㋒尺度の単位。寸の1000分の1。毫。
㋓質量の単位。匁もんめの1000分の1。毫。
㋔金銭の単位。厘の10分の1。銭の100分の1。
④毛野国けののくにの略。
もう【妄】マウ
(呉音。漢音はボウ)つつしまないこと。みだりなこと。
もう【孟】マウ
①かしら。はじめ。↔季。
②孟子の略。
もう【盲】マウ
目の見えないこと。また、その人。
もう【猛】マウ
①たけく盛んなこと。あらあらしく強いこと。竹取物語「勢―の者に成りにけり」
②(接頭語的に)程度のはなはだしいこと。「―スピード」
もう【網】マウ
あみ目のように組織をもって広くひろがっているもの。「通信―」
もう【蒙】
①くらいこと。無知なこと。
②蒙古の略。
⇒蒙を啓く
もう【申】マウ
「申す」の略。狂言、福の神「物―案内―」
もう【参】マウ
マヰの音便。下に他の語を伴い複合した場合に使う。皇極紀「共に筑紫に到まういたれり」→まい(参)
も・う【思ふ・念ふ】モフ
〔他四〕
「おもふ」の略。古事記中「心は―・へど」
もう
〔副〕
(歴史的仮名遣をマウとする説がある)
①もはや。すでに。狂言、末広がり「おおかた覚えました。私は―かう参りまする」。「―忘れた」
②間もなく。やがて。「―来るでしょう」
③(分量表現を伴って)この上になお。さらに。「―一つ」「―ちょっと左へ」
⇒もうは未だなり、未だはもうなり
もう‐あ【盲唖】マウ‥
目が見えないことと口がきけないこと。
⇒もうあ‐がっこう【盲唖学校】
もう‐あい【盲愛】マウ‥
むやみに愛すること。「一人娘を―する」
もうあ‐がっこう【盲唖学校】マウ‥ガクカウ
視力・聴力障害者の発達に必要な教育を施すために設けられた学校。→盲学校→聾学校
⇒もう‐あ【盲唖】
もう‐あく【猛悪】マウ‥
①勇猛で残酷なこと。
②勢いが激しいこと。
もう‐あそび【毛遊び】
沖縄の村々で行われていた男女の野外遊び。夜なべ仕事のあと、もう(野原)に集い歌い踊った。
もうあんじょう【盲安杖】マウ‥ヂヤウ
仮名法語。鈴木正三しょうさん著。1巻。1619年(元和5)成る。禅の立場から人間として守るべき10の徳目を具体的に説いたもの。
もうあん‐ぼうこく【猛安謀克】マウ‥
中国、金代の軍事組織、また行政単位。300戸を1謀克、10謀克を1猛安とした。この組織は女真民族固有のもの。
もう‐い【毛夷】
えぞ。えみし。毛人もうじん。
もう‐い【毛衣】
①哺乳類の体表に密生する毛の全体をいう。
②毛皮で作った衣服。けごろも。
もう‐い【猛威】マウヰ
(風や流行病などの)たけだけしい勢い。猛烈な勢い。「―をふるう」
もう‐う【猛雨】マウ‥
はげしく降る雨。豪雨。
もう‐う【濛雨】
空をかき曇らせて降りしきる小雨。そぼ降る雨。
もう‐えい【毛穎】
[韓愈、毛穎伝](「穎」は穂先・突端の意)筆の異称。
も‐うお【藻魚】‥ウヲ
沿海の藻の繁茂する所にすむ魚。メバル・ベラ・ハタ・カサゴなど。もいお。懐硯「風味なる―を食はず危うきふぐをくらふ」
もう‐か【孟夏】マウ‥
(「孟」は初めの意)夏のはじめ。初夏。陰暦4月の異称。
⇒もうか‐の‐えん【孟夏の宴】
⇒もうか‐の‐しゅん【孟夏の旬】
もう‐か【孟軻】マウ‥
(→)孟子もうし1のこと。
もう‐か【猛火】マウクワ
激しく燃え立つ火。また、大火事。みょうか。「―に包まれる」
もう‐かく【妄覚】マウ‥
錯覚と幻覚との総称。
もうがく‐どうぶつ【毛顎動物】
無脊椎動物の一門。体長5〜70ミリメートル。前端の口の周りに剛毛があり、体側にひれをもつ。海産でほとんどが浮遊性で魚類の餌になる。矢虫と総称される。
もう‐がっこう【盲学校】マウガクカウ
視力障害者に対して普通教育を行い、あわせて点字などの必要な知識・技能を授ける学校。→盲教育
もうか‐の‐えん【孟夏の宴】マウ‥
古代、陰暦4月1日に行われた旬しゅんの宴。
⇒もう‐か【孟夏】
もうか‐の‐しゅん【孟夏の旬】マウ‥
古代、陰暦4月1日に行われた公事くじ。〈[季]夏〉。→旬しゅん
⇒もう‐か【孟夏】
もうか・る【儲かる】マウカル
〔自五〕
利益になる。得をする。浮世風呂前「一文の銭もあだおろそかには―・りませぬ」。「同乗させてもらって―・った」
もう‐かん【毛幹】
「毛け1」参照。
もう‐かん【毛管】‥クワン
①(→)毛細管の略。
②(→)毛細血管の略。
⇒もうかん‐げんしょう【毛管現象】
もう‐かん【盲官】マウクワン
琵琶・管弦、および按摩・鍼治などを業とした盲人に与えられた官位の総称。検校けんぎょう・勾当こうとう・座頭などがあって、総検校などがこれを統轄し、朝廷では久我こが家につかさどらせた。1871年(明治4)太政官布告により廃止。
もう‐かん【盲管】マウクワン
開口しない一端(盲端)を持つ管。盲腸など。
⇒もうかん‐じゅうそう【盲管銃創】
もうかん‐げんしょう【毛管現象】‥クワン‥シヤウ
(→)毛細管現象に同じ。
⇒もう‐かん【毛管】
もうかん‐じゅうそう【盲管銃創】マウクワン‥サウ
銃弾が身体を貫通せず体内にとどまっている傷。↔貫通銃創
⇒もう‐かん【盲管】
もう‐き【盲亀】マウ‥
目の見えない亀。
⇒もうき‐の‐ふぼく【盲亀の浮木】
もう‐き【濛気・朦気】
①濛々と立ちこめる気。
②気のふさがること。病気。日葡辞書「ゴモウキデゴザル」
⇒もうき‐さ【濛気差】
もうき‐さ【濛気差】
(→)大気差に同じ。
⇒もう‐き【濛気・朦気】
もうき‐の‐ふぼく【盲亀の浮木】マウ‥
[涅槃経]仏法にめぐりあうことが甚だ困難であることを、大海で盲目の亀が浮木の孔に入ることの困難さにたとえたもの。めったにめぐりあえないことのたとえ。日葡辞書「ソナタノゴカウリョク(合力)ヲマウキノフボクトタノム」
⇒もう‐き【盲亀】
もうぎゅう【蒙求】‥ギウ
(易経蒙卦「童蒙我に求む」による)児童・初学者用教科書。唐の李瀚撰。3巻。中国古代から南北朝までの有名な人物の、類似する言行二つずつを配して4字句の韻語で記し、経・史・子類中の故実を学ぶようにした書。計596句。「孫康映雪、車胤聚蛍」の類。唐〜元代、広く使われ、日本でも古くより流布。
⇒もうぎゅう‐しょう【蒙求抄】
もうぎゅう‐しょう【蒙求抄】‥ギウセウ
「蒙求」の注釈書。清原宣賢が1529年(享禄2)頃行なった講義を、林宗二が34年(天文3)に編。口語資料として重要。
⇒もうぎゅう【蒙求】
もう‐きょ【毛挙】
些細ささいな事まで数えあげること。平家物語3「勧賞ども―にいとまあらず」
もう‐きょう【蒙疆】‥キヤウ
中国の旧察哈爾チャハル・綏遠すいえん両省および山西北部の称。
もう‐きょういく【盲教育】マウケウ‥
視覚障害者のための教育。点字創案後に急速に発達。1784年フランス人アユイ(V. Haüy1745〜1822)によって世界最初の教育施設が作られた。日本では1878年(明治11)京都盲唖院が設立され、次第に発達。普通教育のほか職業教育なども行う。盲人教育。
もう‐きん【猛禽】マウ‥
性質が荒い肉食の鳥。猛鳥。
⇒もうきん‐るい【猛禽類】
もうきん‐るい【猛禽類】マウ‥
タカ目とフクロウ目の鳥の総称。他の鳥類や小動物を捕食し、上嘴じょうしは湾曲して鋭く、翼は強大で、飛行は迅速、脚に鋭い鉤爪がある。ワシ・タカ・トビ・コンドル・フクロウなど。
⇒もう‐きん【猛禽】
もう‐く【毛孔】
けあな。もうこう。
もう・く【設く・儲く】マウク
〔他下二〕
⇒もうける(下一)
もう・く【参来】マウク
〔自カ変〕
(マヰクの転)参り来る。推古紀(岩崎本)平安中期点「何か来マウコし」
もうけ【設け・儲け】マウケ
①設けること。準備。用意。源氏物語若菜下「あまたの舞の―をせさせ給ふ」
②馳走の用意。ごちそう。古今和歌集序「―などしたりけれど」
③食物。徒然草「一鉢の―、あかざのあつ物」
④《儲》得とく。利益。利潤。〈日葡辞書〉。「―が少ない」
⇒もうけ‐がしら【儲け頭】
⇒もうけ‐ぐち【儲け口】
⇒もうけ‐しごと【儲け仕事】
⇒もうけ‐どの【儲殿】
⇒もうけ‐の‐きみ【儲けの君】
⇒もうけ‐の‐みや【儲けの宮】
⇒もうけ‐ぶね【儲け船】
⇒もうけ‐もの【儲け物】
⇒もうけ‐やく【儲け役】
もうけ‐がしら【儲け頭】マウケ‥
一番多くもうけた人。
⇒もうけ【設け・儲け】
もうけ‐ぐち【儲け口】マウケ‥
利益を得る道や手がかり。「―が見つかる」
⇒もうけ【設け・儲け】
もうけ‐しごと【儲け仕事】マウケ‥
儲けが多い仕事。儲けのためだけにする仕事。
⇒もうけ【設け・儲け】
もう‐げつ【孟月】マウ‥
(「孟」は初めの意)四季のはじめの月。孟春・孟夏・孟秋・孟冬の総称。
⇒もうげつ‐の‐えん【孟月の宴】
もうげつ‐の‐えん【孟月の宴】マウ‥
孟夏または孟冬の宴。
⇒もう‐げつ【孟月】
もうけ‐どの【儲殿】マウケ‥
伊勢神宮の遷宮に、仮殿かりどのを造ることができない時、その代りに仮に建てた殿舎。
⇒もうけ【設け・儲け】
もうけ‐の‐きみ【儲けの君】マウケ‥
皇太子の称。ちょくん。もうけのみや。仁徳紀「王きみを立てて弐もうけのきみとしたまへり」
⇒もうけ【設け・儲け】
もうけ‐の‐みや【儲けの宮】マウケ‥
(→)「もうけのきみ」に同じ。
⇒もうけ【設け・儲け】
もうけ‐ぶね【儲け船】マウケ‥
予備の船。平家物語9「―いくらもありけれども」
⇒もうけ【設け・儲け】
もうけ‐もの【儲け物】マウケ‥
①用意してある品物。源平盛衰記4「ゆゆしき大焼亡かな。在地の人々も、家々壊ち―共したため置くべきぞといふ」
②思いがけなく得た、利益や幸運。「入賞できれば―だ」
⇒もうけ【設け・儲け】
もうけ‐やく【儲け役】マウケ‥
歌舞伎で、それほど骨を折らないでもすむ割に、観客から喝采される得な役。映画・演劇一般についてもいう。
⇒もうけ【設け・儲け】
もう・ける【設ける・儲ける】マウケル
〔他下一〕[文]まう・く(下二)
①前もって準備する。前もって用意する。万葉集18「渡守舟も―・けず橋だにも渡してあらば」。大鏡道隆「石杖ばかりにてまことしき弓矢までは―・けさせ給はず」
②そなえてこしらえる。設置する。しつらえる。源氏物語手習「中宿りをぞ―・くべかりける」。「事務所を―・ける」「基準を―・ける」「酒席を―・ける」「口実を―・けて断る」
③人を用意する。ゆかりのある人を作る。源氏物語帚木「ふつつかなる後見―・けて、かくあなづり給ふなめり」
④《儲》子供を得る。身に持つ。源氏物語紅梅「今の御腹にぞ男君一人―・け給へる」。平家物語11「いかなる人の腹に公達を―・け給ふとも」。「1男2女を―・ける」
⑤《儲》利益を(思いがけなく)得る。得をする。源平盛衰記34「正直にては能よき馬は―・くまじかりけりと狂言して」。徒然草「三百貫の物をまづしき身に―・けてかくはからひける」。「株で―・ける」「近道して5分―・ける」
⑥思いがけなく病気などにかかる。徒然草「この世にはあやまち多く、財を失ひ、病を―・く」
もう‐けん【猛犬】マウ‥
性質が荒く、人に吠え、また咬かみつく犬。「―に注意」
もう‐げん【妄言】マウ‥
(ボウゲンとも)
①でまかせに言うことば。
②いつわりのことば。うそ。妄語。
⇒もうげん‐たしゃ【妄言多謝】
もうげん‐たしゃ【妄言多謝】マウ‥
(ボウゲンタシャとも)手紙などの末尾に添える、失礼をわびることば。自分勝手なことを述べたことをお許しください、の意。妄言多罪。
⇒もう‐げん【妄言】
もう‐こ【猛虎】マウ‥
勢いのたけだけしい虎。
もうこ【蒙古】
(Mongolia)(→)モンゴルに同じ。
→文献資料[蒙古国牒状]
⇒もうこ‐うし【蒙古牛】
⇒もうこ‐げんりゅう【蒙古源流】
⇒もうこ‐ご【蒙古語】
⇒もうこしゅうらい‐えことば【蒙古襲来絵詞】
⇒もうこ‐しょう【蒙古症】
⇒もうこ‐ていこく【蒙古帝国】
⇒もうこ‐のうま【蒙古野馬】
⇒もうこ‐のろば【蒙古野驢馬】
⇒もうこ‐はん【蒙古斑】
⇒もうこ‐ひだ【蒙古襞】
⇒もうこ‐ひつじ【蒙古羊】
⇒もうこ‐もじ【蒙古文字】
⇒もうこ‐らい【蒙古来】
もう‐ご【妄語】マウ‥
〔仏〕
①五悪・十悪の一つ。うそをつくこと。本朝文粋「―の咎逃れ難く、綺語の過何ぞ避けん」
②妄語戒もうごかいの略。大鏡道長「十戒のなかに―をばたもちて侍る身なればこそ」
⇒もうご‐かい【妄語戒】
もう‐こう【毛亨】‥カウ
漢初の学者。魯の人。荀子じゅんしの学を伝え、詩経の伝訓を以て一家を成す。のちにその学を趙の毛萇もうちょうに授けた。→毛詩
もう‐こう【猛攻】マウ‥
はげしく攻めたてること。猛攻撃。
もうこ‐うし【蒙古牛】
モンゴル地方に産する牛の一品種。体は小さく、濃赤褐色。モンゴル人は乳用その他のために飼うが、泌乳量は少ない。
⇒もうこ【蒙古】
もう‐こうぜん【孟浩然】マウカウ‥
(モウコウネンとも)盛唐の詩人。名は浩。襄陽(湖北襄樊)の人。鹿門山中に隠棲し、また、都へ出て王維・李白らと交わった。その詩は自然描写にすぐれ、王維と共に王孟と並称。(689〜740)
もうご‐かい【妄語戒】マウ‥
〔仏〕五戒・十戒の一つ。不妄語すなわちうそをつくなという戒め。
⇒もう‐ご【妄語】
もうこ‐げんりゅう【蒙古源流】‥リウ
モンゴル民族の通史。原本はモンゴル文で、原題「諸汗の源の宝の史綱」。オルドス部のサガン=セチェン撰。1662年成る。1777年漢訳。欽定蒙古源流。
⇒もうこ【蒙古】
もうこ‐ご【蒙古語】
(→)モンゴル語に同じ。
⇒もうこ【蒙古】
もうこしゅうらい‐えことば【蒙古襲来絵詞】‥シフ‥ヱ‥
肥後国の御家人竹崎季長すえながが、文永・弘安の両度の役に立てた自身の戦功を子孫に伝えるために描かせた絵巻。2巻。奥書に永仁元年(1293)の年記がある。鎌倉中期の実録的な戦記絵巻として描写は精密で、蒙古人の風俗や博多沿岸の石塁など史料的にも価値が高い。竹崎季長絵詞。
⇒もうこ【蒙古】
もうこ‐しょう【蒙古症】‥シヤウ
ダウン症候群の旧称。
⇒もうこ【蒙古】
もうこ‐ていこく【蒙古帝国】
(→)モンゴル帝国に同じ。
⇒もうこ【蒙古】
もうこ‐のうま【蒙古野馬】
ウマ科の一種。肩高は1.2メートルほど。毛色は赤褐色。1879年にロシアの探検家プルジェワリスキーが中国北西部で発見。真の野生種で、家畜ウマの祖先の一つ。現在では絶滅に近く、動物園で飼育。プシバルスキーうま。
もうこのうま
モウコノウマ
提供:東京動物園協会
⇒もうこ【蒙古】
もうこ‐のろば【蒙古野驢馬】
ウマ科の哺乳類。西アジアからモンゴルにかけての乾燥地にすむ野生のロバ。体高は1.2メートルほど。毛は赤茶色で、背中の中央に黒線がある。家畜のロバは別系統のアフリカノロバから出たとされる。アジアノロバ。
モウコノロバ
提供:東京動物園協会
⇒もうこ【蒙古】
もうこ‐はん【蒙古斑】
小児の臀部でんぶ・腰部・背部・肩胛けんこう部などの皮膚にある青色の斑紋。皮膚真皮層中にメラニン色素細胞が存在するためで、年齢が進むと消失する。モンゴロイドに出現率が高く、日本人の生後1年以内乳児での斑紋は99.5パーセントに達するが、白色および黒色人種では稀。小児斑。児斑。
⇒もうこ【蒙古】
もうこ‐ひだ【蒙古襞】
上眼瞼がんけんの皮膚の鼻側の部分が、半月状をなして垂れ下がり、内眼角(目頭)をおおうもの。コーカソイドに少なくモンゴロイドに多い。もうこへき。
⇒もうこ【蒙古】
もうこ‐ひつじ【蒙古羊】
アジアの代表的な羊の一品種。小形で、毛は少なく、質も粗悪であるが、よく粗飼料や悪天候に耐える。尾は脂肪を蓄積するため極めて厚く広い。中国・モンゴルに広く飼育、日本にも輸入。
⇒もうこ【蒙古】
もうこ‐もじ【蒙古文字】
(→)モンゴル文字に同じ。
⇒もうこ【蒙古】
もうこ‐らい【蒙古来】
(→)元寇げんこうの異称。
⇒もうこ【蒙古】
もう‐こん【毛根】
毛髪で、毛嚢もうのう中にある部分の称。→皮膚(図)
もう‐ざ【猛者】マウ‥
①勇猛な人。もさ。もうしゃ。続古事談5「坂東の―なりせば」
②富裕で威勢のよい人。
もうさい‐かん【毛細管】‥クワン
①(→)毛細血管に同じ。
②毛細管現象を認められる程度の細い管。キャピラリー。毛管。
⇒もうさいかん‐げんしょう【毛細管現象】
もうさいかん‐げんしょう【毛細管現象】‥クワン‥シヤウ
細い管を液体中に立てる時、その液が管内で他の水平面より高くなり、または低くなる現象。管中の液面の上昇または降下の度合は液の表面張力に比例し、管の内径に反比例する。毛管現象。
⇒もうさい‐かん【毛細管】
もうさい‐けっかん【毛細血管】‥クワン
動脈の末梢に続く微細な血管。全身至る所の組織中に網状に分布。壁はごく薄く、動脈血はこの壁を通して酸素・栄養を組織に与え、二酸化炭素・老廃物を受け取って静脈血となり、静脈を経て心臓に戻る。白血球はこの壁を通って組織中に遊出できる。毛細管。
もうさく【申さく・白さく】マウサク
(モウスのク語法)申すこと。申すには。「まをさく」とも。竹取物語「あやべのうちまろ―」
もうさん‐や【申さんや】マウサン‥
「いわんや」の謙譲語。申すまでもなく。保元物語(金刀比羅本)「―今の所望無下にたやすき事にあらずや」
もうし【申し】マウシ
(モウスの連用形から)
[一]〔名〕
①申すこと。報告。挨拶。源氏物語桐壺「宿直―」
②申し請うこと。ねがい。請こい。謡曲、春栄しゅんねい「若宮の別当の―により、囚人七人の免状の事」
[二]〔感〕
敬意をこめて呼びかける時にいう語。狂言、若菜「―何と思召すぞ」
もうし【毛詩】
(毛亨もうこう・毛萇もうちょうが伝えたからいう)「詩経」の別名。「詩経」の4種のテキストのうち、斉詩・魯詩・韓詩は散佚して伝わらず、毛詩のみ伝存。→毛亨。
⇒もうし‐しょう【毛詩抄】
もうし【孟子】マウ‥
①中国、戦国時代の思想家。山東鄒すうの人。名は軻か、字は子車・子輿。学を孔子の孫の子思の門人に受け、王道主義を以て諸国に遊説したが用いられず、退いて弟子万章らと詩書を序し、孔子の意を祖述して「孟子」7編を作る。その倫理説は性善説に根拠を置き、仁義礼智の徳を発揮するにありとした。(前372〜前289)
②(古くはモウジとも)四書の一つ。1が孔子の道を祖述して仁義を説き、あるいは遊歴の際、諸侯および弟子と問答したことを記した書。梁恵王・公孫丑・滕文公・離婁・万章・告子・尽心の7編から成る。後漢の趙岐が各編を上下に分けて14巻とし、これに注した。また、朱熹の集注がある。
もう‐し【猛士】マウ‥
強く勇ましい武士。ますらお。
もうし‐あい【申し合い】マウシアヒ
相撲の稽古で、勝った力士が次の対戦相手を指名しながら次々と勝負をくりかえすもの。
もうし‐あが・る【申し上がる】マウシ‥
〔自四〕
言いつのる。議論が激しくなる。狂言、佐渡狐「この狐の有る無いと申す事を―・つて賭禄かけろくに致いて御座る」
もうし‐あ・げる【申し上げる】マウシ‥
〔他下一〕[文]まうしあ・ぐ(下二)
①「言う」の謙譲語。「申す」より敬意の度合が高い。目上に向かって言う。言上する。うやうやしく言う。平家物語2「少将も涙に咽むせんで、―・ぐる旨もなし」。「お礼を―・げます」
②(接頭語「お」「ご」などの付いた、動詞の連用形や体言の下に付いて)…してさしあげる。好色一代男8「爰ここへもどらぬとは、何国いずくへ御供―・ぐる事ぞ」。「謹んでお慶び―・げます」「御説明―・げます」
もうし‐あわせ【申合せ】マウシアハセ
①申しあわせること。相談をしてとりきめること。また、その内容。「―に反する」
②能や狂言の出演者が、公演前にする総稽古。装束は着けない。
もうし‐あわ・せる【申し合わせる】マウシアハセル
〔他下一〕[文]まうしあは・す(下二)
①話し合う。相談する。平家物語11「判官、平大納言に―・せて」
②前もって約束する。沙石集2「此の僧に灌頂授けて恵命をつがんと思ふ由―・す」。「特別手当返上を―・せる」「―・せたように言う」
もうし‐いで【申出で】マウシ‥
①申し出ること。また、その内容。もうしで。
②〔法〕申立て・申請、その他意思の表現。「不服の―」
もうし‐い・でる【申し出る】マウシ‥
〔他下一〕[文]まうしい・づ(下二)
(→)「もうしでる」に同じ。
もうし‐いれ【申入れ】マウシ‥
申し入れること。意思を進んで先方に言い知らせること。「―を無視される」
もうし‐い・れる【申し入れる】マウシ‥
〔他下一〕[文]まうしい・る(下二)
①こちらの意思や希望を相手方に進んで言う。「交渉を―・れる」
②招待する。狂言、皹あかがり「近日客を―・れうと思ふが何とあらう」
もうし‐う・ける【申し受ける】マウシ‥
〔他下一〕[文]まうしう・く(下二)
①お願いを申し上げる。平家物語12「義経が―・くる旨にまかせて」
②申し出て請い受ける。願って受ける。請い受ける。いただく。狂言、佐渡狐「思ひも寄らぬ一腰を―・くると言ふものぢや」。「お志を―・けます」「実費を―・ける」
③招待する。狂言、拾ひ大黒「近日一族衆を―・けて振舞はうと存ずる」
もうし‐お・く【申し置く】マウシ‥
〔他五〕
「言い置く」の謙譲語。
もうし‐おくり【申し送り】マウシ‥
①言いおくること。「―事項」
②命令や事務処理上の事柄を伝達すること。特に、前任者から後任者への、引継ぎ事項の伝達。「―を受ける」
もうし‐おく・る【申し送る】マウシ‥
〔他五〕
①先方へ言ってやる。先方に伝える。平家物語灌頂「隆房・信隆の北の方より、たえだえ―・る事こそさぶらへ」。「手紙で―・る」
②次から次へと言い伝える。特に、引き継ぐべき事務などを後任者に言い伝える。「懸案の事項を―・る」
もうし‐おく・れる【申し遅れる】マウシ‥
〔他下一〕
「言い遅れる」の謙譲語。「―・れましたが、私が司会を務めます」
もうし‐おこな・う【申し行ふ】マウシオコナフ
〔他四〕
①進言する。今昔物語集11「天皇に―・ひて」
②取りさばく。処置する。平家物語3「たとひ入道非拠を―・ふとも」
もうし‐か・ねる【申し兼ねる】マウシ‥
〔他下一〕[文]まうしか・ぬ(下二)
「言い兼ねる」の謙譲語。「駄目とは―・ねる」
もうし‐かわ・す【申し交わす】マウシカハス
〔他五〕
①「言い交わす」の謙譲語。
②約束する。また、婚約する。狂言、武悪「日ごろ―・いたこともござれば」
もうし‐きか・せる【申し聞かせる】マウシ‥
〔他下一〕[文]まうしきか・す(下二)
「言い聞かせる」の丁寧な言い方。好色五人女3「なほやめがたく、心底―・せければ」。「よく―・せておきます」
もうし‐き・ける【申し聞ける】マウシ‥
〔他下一〕
①言い聞かせる。
②申し伝える。「主人にも左様―・けます」
もうし‐ご【申し子】マウシ‥
①神仏に祈ったおかげで授かった子。〈日葡辞書〉
②神仏など霊力を持つものから生まれた子。また、その分野で特にすぐれた能力を持つ人。「天狗の―」「野球の―」
もうし‐こ・す【申し越す】マウシ‥
〔他五〕
(手紙・使いなどを通じて)言ってよこす。好色五人女1「母人の―・されし一言に」
もうし‐ごと【申し事】マウシ‥
申すべきこと。言い立てること。いいぶん。平家物語2「恐れある―にて候へども、心の底に旨趣を残すべきにあらず」
もうし‐こみ【申込み】マウシ‥
①申し込むこと。「―を受け付ける」
②〔法〕相手の承諾を得て契約を成立させようとする特定人の意思表示。
⇒もうしこみ‐の‐ゆういん【申込の誘引】
もうしこみ‐の‐ゆういん【申込の誘引】マウシ‥イウ‥
〔法〕他人を勧誘して自分に申込みをさせようとする意思の表現。貸家札・求人広告・商品目録の類。
⇒もうし‐こみ【申込み】
もうし‐こ・む【申し込む】マウシ‥
〔他五〕
①相手方に伝える。「抗議を―・む」
②こちらの希望・意思などを相手方に進んで申し出る。「購読を―・む」
もうし‐さた【申し沙汰】マウシ‥
①申し立てること。論ずること。太平記27「此の事すぐれて―したりける粟飯原下総守清胤、俄かに心替りして」
②うわさ。評判。源平盛衰記3「定めて御出家もやと―しける程に」
③行うこと。処置。太平記6「恩賞を―すべき由」
もうし‐しず・む【申し沈む】マウシシヅム
〔他下二〕
言い立てて落としいれる。平治物語「源氏の人々をば―・めんとするなど」
もうし‐しょう【毛詩抄】‥セウ
「毛詩(詩経)」の注釈書。清原宣賢講。1535年(天文4)頃成る。口語資料として重要。
⇒もうし【毛詩】
もうし‐じょう【申し状】マウシジヤウ
①願い出た事柄。いいぶん。平家物語10「義経が―あながち御許容あるべからず」
②(→)申文もうしぶみ1に同じ。平家物語12「頼朝の卿―によつて義経追討の院宣を下さる」
③(→)申文3に同じ。太平記13「―を捨てて訟うつたえを止めたるは」
もうし‐そ・える【申し添える】マウシソヘル
〔他下一〕[文]まうしそ・ふ(下二)
つけくわえて申す。「一言ひとこと―・えます」
もう‐したが・う【参従ふ】マウシタガフ
〔自四〕
(マヰシタガフの音便)投降する。服従する。崇神紀「帰伏もうしたがひなむ」
もうし‐たっ・す【申し達す】マウシ‥
〔自サ変〕
①意見を上申する。太平記15「三井寺も弥いよいよ意趣深うして、動ややもすれば戒壇の事を―・せんとし」
②上司から下司に言いおくる。
もうし‐たて【申立て】マウシ‥
①申し立てること。
②〔法〕訴訟法上、裁判所に対して一定の訴訟行為を求める当事者の意思表示。申出。申請。「和解の―」「―人」
もうし‐た・てる【申し立てる】マウシ‥
〔他下一〕[文]まうした・つ(下二)
①取り上げて言う。主張する。日葡辞書「ダウリ(道理)ヲマウシタツル」。「異議を―・てる」
②言上する。上申する。「私案を―・てる」
もうし‐つう・ず【申し通ず】マウシ‥
〔他サ変〕
①意見などを伝える。
②交際する。狂言、文山立「向後は弓矢八幡―・ぜぬぞ」
もうし‐つぎ【申次ぎ】マウシ‥
①取り次いで申し上げること。とりつぎ。平治物語「常葉すでにまいりしかば、伊勢守景綱―にて」
②申次衆の略。
⇒もうしつぎ‐しゅう【申次衆】
もうしつぎ‐しゅう【申次衆】マウシ‥
室町幕府の職名。将軍へ諸事を取り次いだ者。
⇒もうし‐つぎ【申次ぎ】
もうし‐つ・ぐ【申し次ぐ】マウシ‥
〔他五〕
取り次いで申しあげる。源氏物語東屋「この御使を西面にて問へば―・ぎつる人も寄り来て」
もうし‐つけ【申付け】マウシ‥
もうしつけること。いいつけ。「お―の通りにいたします」
もうし‐つ・ける【申し付ける】マウシ‥
〔他下一〕[文]まうしつ・く(下二)
①上の者が下の者に言いわたす。「閉門を―・ける」「何なりとお―・け下さい」
②申し慣れる。言い慣れる。今昔物語集19「寝入りなどして候ふ程を除きては―・けて候ふことなれば」
もうし‐つた・える【申し伝える】マウシツタヘル
〔他下一〕[文]まうしつた・ふ(下二)
「言い伝える」の丁寧な、または謙遜した言い方。「上司に―・えます」
もうし‐づま【申し妻】マウシ‥
妻を授けてもらおうと神仏に祈ること。また、それによって得た妻。狂言、伊文字「参詣致し―を致さうと存ずる」
もうし・でる【申し出る】マウシ‥
〔他下一〕
(希望・要求・意見などを)進んで言って出る。「援助を―・でる」「希望者は―・でること」
もうし‐どく【申し得】マウシ‥
さきに言い出た者の利得となること。いいどく。
もうし‐どころ【申し所】マウシ‥
非難の箇所。非の打ち所。
もうし‐どの【申殿】マウシ‥
神殿で祝詞のりとを申し上げる所。
もうし‐と・る【申し取る】マウシ‥
〔他四〕
申し受ける。請うて我が物とする。
もうも【面】🔗⭐🔉
も【面】
「おも」の略。万葉集14「田の―にゐる鶴たずの」
もて【面】🔗⭐🔉
もて【面】
「おもて」の略。万葉集20「あが―の忘れも時しだは筑波嶺をふりさけ見つつ妹はしぬはね」
[漢]面🔗⭐🔉
面 字形
筆順
〔面部0画/9画/教育/4444・4C4C〕
〔音〕メン(呉)
〔訓〕おも・おもて・つら
[意味]
①人の顔。おもて。つら。「顔面・面相・面識・対面・渋面・赤面・人面獣心」
②まのあたり。「面と向かう」「面談・面接・面責・面罵めんば」
③顔を向ける。その方向に向く。「川に面した家」「面壁・君子南面」
④顔につけるかぶりもの。マスク。
㋐演劇などで、何かの顔にかたどった小道具。「おかめの面」「仮面・能面」
㋑剣道などで、顔につける防具。「素面すめん・防毒面」
⑤おもての側。物の、外側に向いた広がり。「表面・断面・地面・水面・球面・紙面・六面体・面積」
⑥物事の、(着目する)部分。「すべての面で文句のつけようがない」「一面的・資金面・経営面」
⑦平たい物。「帳面・図面」。平たい物を数える語。「三面鏡」
[解字]
解字
会意。「首」(=あたま)+「囗」(=輪郭の形)。顔の意を表す。[
]は俗字。
[下ツキ
一面・印面・凹面・臆面・海面・外面・額面・仮面・画面・几帳面・鬼面・球面・局面・曲面・工面・黥面・月面・券面・三面六臂・七面鳥・紙面・誌面・地面・四面楚歌・斜面・渋面・正面・書面・人面・水面・錐面・素面・図面・生面・赤面・扇面・洗面・全面・前面・側面・体面・対面・他面・多面・断面・帳面・直面・底面・覿面・当面・凸面・内面・南面・能面・背面・白面・八面六臂・半面・反面・版面・表面・覆面・譜面・部面・文面・平面・方面・北面・満面・裏面・両面・路面
[難読]
面映ゆいおもはゆい・面皰にきび・面子メンツ
筆順
〔面部0画/9画/教育/4444・4C4C〕
〔音〕メン(呉)
〔訓〕おも・おもて・つら
[意味]
①人の顔。おもて。つら。「顔面・面相・面識・対面・渋面・赤面・人面獣心」
②まのあたり。「面と向かう」「面談・面接・面責・面罵めんば」
③顔を向ける。その方向に向く。「川に面した家」「面壁・君子南面」
④顔につけるかぶりもの。マスク。
㋐演劇などで、何かの顔にかたどった小道具。「おかめの面」「仮面・能面」
㋑剣道などで、顔につける防具。「素面すめん・防毒面」
⑤おもての側。物の、外側に向いた広がり。「表面・断面・地面・水面・球面・紙面・六面体・面積」
⑥物事の、(着目する)部分。「すべての面で文句のつけようがない」「一面的・資金面・経営面」
⑦平たい物。「帳面・図面」。平たい物を数える語。「三面鏡」
[解字]
解字
会意。「首」(=あたま)+「囗」(=輪郭の形)。顔の意を表す。[
]は俗字。
[下ツキ
一面・印面・凹面・臆面・海面・外面・額面・仮面・画面・几帳面・鬼面・球面・局面・曲面・工面・黥面・月面・券面・三面六臂・七面鳥・紙面・誌面・地面・四面楚歌・斜面・渋面・正面・書面・人面・水面・錐面・素面・図面・生面・赤面・扇面・洗面・全面・前面・側面・体面・対面・他面・多面・断面・帳面・直面・底面・覿面・当面・凸面・内面・南面・能面・背面・白面・八面六臂・半面・反面・版面・表面・覆面・譜面・部面・文面・平面・方面・北面・満面・裏面・両面・路面
[難読]
面映ゆいおもはゆい・面皰にきび・面子メンツ
広辞苑に「面」で始まるの検索結果 1-85。もっと読み込む