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あぜ【何】🔗⭐🔉
あぜ【何】
〔副〕
(上代東国方言)
①なぜ。どうして。万葉集14「わがせなは―そも今宵寄しろ来まさぬ」
②どのように。いかに。万葉集14「―せろと心にのりてここば悲しけ」
あど【何】🔗⭐🔉
あど【何】
〔副〕
(ナドの上代東国方言)いかに。どうして。万葉集14「玉藻こそ引けば絶えすれ―か絶えせむ」
あん【何】🔗⭐🔉
あん【何】
〔代〕
(ナニの音便ナンの訛)なに。雑兵物語「―とすべい」
いず【何】イヅ🔗⭐🔉
いず【何】イヅ
〔代〕
(不定称指示)(上代東国方言)いずこ。どこ。万葉集14「―ゆかも愛かなしき夫せろが我許わがり通はむ」
ど‐の【何の】🔗⭐🔉
ど‐の【何の】
〔連体〕
「どれ」と指せるような関係にある意を表す。はっきりとは限定せず、または限定できずに指示する物や事にかかわる意。狂言、仏師「こなたは―流れでござるぞ」。「成功までに注いだ努力は―くらいか、はかり知れない」「―品にしようか」
⇒何の面下げて
○何の面下げてどのつらさげて🔗⭐🔉
○何の面下げてどのつらさげて
(多く、反語と共に用いる)遠慮すべき所に平気で顔を出すことを非難していう語。何の面目があって。ずうずうしくも。「―やって来たのか」
⇒ど‐の【何の】
との‐と【殿戸】
御殿の戸。古事記上「―より出で向ふ時」
との‐な【殿名】
宮中の女房の呼び名の一つ。三条殿・坊門殿などの類。
との‐の‐うえ【殿の上】‥ウヘ
時の第一人者、また摂政関白の北の方。紫式部日記「御臍緒は―」
との‐はじめ【殿始め】
初めて男に接すること。浄瑠璃、源氏烏帽子折「自らは―、おのさまは烏帽子始め」
との‐ばら【殿原】
(バラは複数を示す接尾語)
①身分の高い人々、また男性一般に対する尊敬語。とのたち。枕草子278「関白殿その御つぎつぎの―」
②中世、伊勢神宮の御師おしに属して檀家へ御札を下付するもの。
との‐び・く
〔自四〕
(→)「たなびく」に同じ。万葉集20「青雲の―・く山を」
との‐びと【殿人】
高貴な人の家人かじん。または高貴の家に出入りする人。源氏物語須磨「国のかみも親しき―なれば」
との‐ぶり【殿振り】
男振り。殿御振り。好色一代男6「よき風なる―」
ど‐の‐へん【何の辺】
どのあたり。どこら。
との‐まくら【殿枕】
婚礼の時に新婦の持ってゆく枕。
ど‐の‐みち【何の道】
〔副〕
いずれにしても。結局。どっちみち。「―助からない病人」
とのむら【外村】
姓氏の一つ。
⇒とのむら‐しげる【外村繁】
とのむら‐しげる【外村繁】
小説家。本名、茂。滋賀県生れ。東大卒。梶井基次郎らと交流、近江商人の一族を描いた大河小説を執筆。作「澪標みおつくし」など。(1902〜1961)
⇒とのむら【外村】
との‐も【主殿】
(古くは「とのもり」)
①主殿寮とのもりょうの下司げす。
②宮中の雑役をつとめ、また、蔵人くろうどの拝賀に湯漬けを賜る時、給仕をつとめた女官。赤い袴をはいた。
⇒とのも‐づかさ【主殿司・殿司】
⇒とのも‐の‐かみ【主殿頭】
⇒とのも‐の‐かんにん【主殿の官人】
⇒とのも‐の‐すけ【主殿助】
⇒とのも‐の‐つかさ【主殿寮】
⇒とのも‐の‐とものみやつこ【主殿伴御奴】
⇒とのも‐りょう【主殿寮】
と‐の‐も【外の面】
家の外。戸外。
とのも‐づかさ【主殿司・殿司】
①後宮十二司の一つ。輿繖よさん・膏沐こうもく・灯油・火燭・薪炭の事をつかさどった。とのもりづかさ。
②(「主殿寮」と書く)
⇒とのもりょう1。
⇒との‐も【主殿】
とのも‐の‐かみ【主殿頭】
主殿寮の長官。
⇒との‐も【主殿】
とのも‐の‐かんにん【主殿の官人】‥クワン‥
主殿寮の役人。枕草子142「―、手ごとに箒とりてすなご馴らす」
⇒との‐も【主殿】
とのも‐の‐すけ【主殿助】
主殿寮の次官。
⇒との‐も【主殿】
とのも‐の‐つかさ【主殿寮】
⇒とのもりょう1。
⇒との‐も【主殿】
とのも‐の‐とものみやつこ【主殿伴御奴】
主殿寮の下役人。掃除をつかさどる。殿部とのもり。平家物語6「―朝ぎよめすとて」
⇒との‐も【主殿】
との‐もり【主殿】
(殿守の意)
①⇒とのも。
②(「殿部」と書く。トノモリベとも)(→)「とのものとものみやつこ」に同じ。
⇒とのもり‐づかさ【主殿司】
とのもり‐づかさ【主殿司】
⇒とのもづかさ
⇒との‐もり【主殿】
とのも‐りょう【主殿寮】‥レウ
①律令制で、宮内省に属し、行幸の輦輿れんよ、宮中の帷帳、殿庭の清掃、灯燭の配給などをつかさどった役所。とのものつかさ。とのもづかさ。
②⇒しゅでんりょう
⇒との‐も【主殿】
とば【鳥羽】
①三重県東部、志摩半島にある市。同名の湾に臨む観光地。もと稲垣氏3万石の城下町。人口2万3千。
鳥羽(三重)
撮影:的場 啓
②京都市南部の一地区。上鳥羽と下鳥羽に分かれ、それぞれ南区と伏見区に属する。
と‐ば【賭場】
賭博を行う所。ばくちば。鉄火場。
トバ【tuba マレー】
〔植〕(→)デリスに同じ。
ど‐ば【土場】
①床を張らずに地面を場席としたところ。土間。
②賭場。洒落本、卯地臭意うじしゅうい「橋むかふの―へいつたか」
③林道・市街地・工場などに一時木材を集積しておく場所。
ど‐ば【怒罵】
いかりののしること。
ど‐ば【駑馬】
①歩みののろい馬。鈍い馬。
②才の鈍い人のたとえ。駑才。駑材。
⇒駑馬に鞭つ
トパーズ【topaz】
宝石の一つ。黄玉おうぎょく。トッパーズ。
トパーズ(1)
撮影:関戸 勇
トパーズ(2)
撮影:関戸 勇
トパーズ(3)
撮影:関戸 勇
トパーズ(原石)
撮影:関戸 勇
と‐はい【徒輩】
やから。ともがら。
ど‐はい【奴輩】
人をいやしんでいう称。きゃつら。あいつら。
ドバイ【Dubai】
アラビア半島のアラブ首長国連邦を構成する首長国の一つ。石油採掘・商業が主産業で、貿易港を有する。人口108万9千(2002)。中心都市ドバイ。デュバイ(Dubayy)。
とは‐いうものの【とは言うものの】‥イフ‥
そうは言っても。…とは言いながら。とはいえ。前に言った事柄を一応認めながらも、それとは反対の事柄を言う場合に用いる。「―お前ではない」
と‐は‐いえ【とは言え】‥イへ
〔接続〕
(「…であるとは言えども」の意)そうは言っても。けれども。
とば‐え【鳥羽絵】‥ヱ
①(平安後期の画僧、鳥羽僧正覚猷かくゆうが戯画に長じていたと伝えられるのでいう)江戸時代に流行した滑稽な戯画。多く略筆で軽妙なもの。人物の手足を長く誇張して描く特徴を持つ。
②歌舞伎舞踊。清元。九変化の「御名残押絵交張おんなごりおしえのまぜばり」の一部。2世桜田治助作詞。清沢万吉作曲。1819年(文政2)初演。1の画趣を舞踊化。寝巻姿の下男と追われる鼠とが踊る。
③長唄曲。三升屋二三治作詞。10代目杵屋六左衛門作曲。1841年(天保12)初演。
と‐ばかり
〔副〕
(トは副詞。バカリは副助詞)ちょっとの間。しばし。暫時。源氏物語浮舟「―ためらひて、かくのみいふこそいと心憂けれ」
と‐ばかり
(格助詞トと副助詞バカリとが連なったもの)
①…ということばかり。…とだけ。…とのみ。後拾遺和歌集恋「今はただ思ひ絶えなむ―を人づてならでいふよしもがな」
②…を原因やきっかけとして。曠野「これはこれは―花の芳野山」。「この時―攻め立てる」
と‐ばく【賭博】
金銭・品物を賭けて勝負を争う遊戯。かけごと。ばくち。博奕ばくえき。「―師」
⇒とばく‐ざい【賭博罪】
⇒とばくじょう‐かいちょう‐ざい【賭博場開張罪】
とばく‐ざい【賭博罪】
偶然の勝負に関し賭博によって財物の得失を争う罪。一時の娯楽に供する物を賭けるときは処罰されない。賭博犯。
⇒と‐ばく【賭博】
とばくじょう‐かいちょう‐ざい【賭博場開張罪】‥ヂヤウ‥チヤウ‥
賭博場を開き、てら銭など利をはかる罪。
⇒と‐ばく【賭博】
とば‐くち【とば口】
①入口。とぼくち。
②転じて、物事のはじめのところ。
どば‐げい【土場芸】
舞台を設けずに、路傍で演ずる下等な芸。
とばし【飛ばし】
①飛ばすこと
②〔経〕証券会社が、含み損をかかえた顧客企業の株式・債券を決算期の異なる企業に一時的に転売して、損失の表面化を避けること。
⇒とばし‐ぎ【飛ばし木】
⇒とばし‐こみ【飛ばし込み】
⇒とばし‐よみ【飛ばし読み】
ど‐ばし【土橋】
表面に土をおおいかけた橋。つちばし。
とばし‐ぎ【飛ばし木】
山の上部で伐った木を谷底へ落とすこと。
⇒とばし【飛ばし】
とばし‐こみ【飛ばし込み】
高知県南西部の四万十しまんと川で行われる鯔漁ぼらりょうの一種。初冬、長大な網を円形に張り、網の口に数十艘の漁舟を並べ、一方から舟で鯔を追い立て、並んだ舟の中へ飛び込ませ漁獲する。瓢箪巻。
⇒とばし【飛ばし】
とばし‐よみ【飛ばし読み】
文章の内容を早くつかむため、一部を読まずに飛ばして先へ進む読み方。
⇒とばし【飛ばし】
と‐ばしり【迸り】
①飛び散る水。しぶき。飛沫。
②(→)「とばっちり」に同じ。
と‐ばしり【戸走り】
(塗ればよく戸が走るからいう)「いぼた蝋」の別称。
と‐ばし・る【迸る】
〔自五〕
飛び散る。ほとばしる。たばしる。今昔物語集11「其の暗き中に少ちいさき石の多く―・る音聞ゆ」
とば・す【飛ばす】
〔他五〕
①飛ぶようにする。空に上げる。空中を移動させる。三蔵法師伝永久点「白雲を玉撿に霏トハス」。十訓抄「矢を―・すこと雨のごとし」。「ハトを―・す」「模型飛行機を―・す」「凧を―・す」「土器かわらけを―・す」
②空中を移動させ、間はどこにも下りさせず離れた所まで行かせる。遠くまで届くよう強い力で放つ。「バットでボールを―・す」「滴を―・す」「檄を―・す」「びんたを―・す」「冗談を―・す」
③移動する際に、順序を経ず間にあるものを抜いてゆく。「課長を―・して部長になる」「番号を―・す」
④急いで行かせる。早く走らせる。「馬を―・す」「車で―・す」
⑤死なせる。なくす。万葉集5「手に持てる吾が児―・しつ」
⑥(「叱る」「笑う」などの動詞に付いて)その動作を強めたり、勢いよくしたりする意を表す。「笑い―・す」「殴り―・す」
⑦左遷する。「地方支局に―・す」
⑧質に入れる。浄瑠璃、吉野都女楠「阿弥陀仏まで質屋へ―・し」
ど‐はずれ【度外れ】‥ハヅレ
普通の程度をはずれること。限度を超えること。「―の食欲」「―に明るい人」
とば‐そうじょう【鳥羽僧正】‥ジヤウ
覚猷かくゆうの別称。
とばた【戸畑】
もと福岡県の市。他の4市と合併して北九州市となり、戸畑区はその行政区名の一つ。北九州工業地帯の一部。洞海どうかい湾を隔てて若松港と相接し、筑豊炭田の石炭積出港として発展。ガラス・金属工業などが盛ん。また、漁港として重要。
トハチェフスキー【Mikhail N. Tukhachevskii】
ソ連の軍人。赤軍の近代化に努める。1935年ソ連最初の元帥の一人となるが、37年大粛清により銃殺される。61年名誉回復。(1893〜1937)
と‐ばちり【迸り】
(トバシリの転)(→)「とばっちり」に同じ。
ど‐はつ【怒髪】
はげしい怒りのために逆立った頭髪。
⇒怒髪天を衝く
とば‐つ・く
〔自四〕
(トハツクとも)あわただしく騒ぎたてる。粗忽そこつに振る舞う。そわそわする。浄瑠璃、仮名手本忠臣蔵「―・いて怪我しやんなと」
と‐ばっちり【迸り】
(トバチリの促音化。傍にいて水しぶきを受ける意から)傍にいて禍のかかること。巻添え。「―を受ける」
ど‐ばっつけ【土磔】
地上に敷いた板の上に平臥させて行なったはりつけ。つちはりつけ。





ど‐の‐へん【何の辺】🔗⭐🔉
ど‐の‐へん【何の辺】
どのあたり。どこら。
ど‐の‐みち【何の道】🔗⭐🔉
ど‐の‐みち【何の道】
〔副〕
いずれにしても。結局。どっちみち。「―助からない病人」
どれ【何】🔗⭐🔉
どれ【何】
[一]〔代〕
(イヅレの転)いくつかのうちから、これと特定できない物または事を指す語。不定・疑問を表す。
▷その素性・性質がはっきりしない時には「なに」を使う。また、人には「だれ」、時には「いつ」、場所には「どこ」、数量には「いくつ」「いくら」を使うのが、現代語の原則。二つの物事の中から一つを選ぶ場合には「どちら」を使う。
①いずれ。どちら。狂言、吟じ聟「大昔・中昔・当風というて三段おぢやるが、―を習やるぞ」
②どこ。狂言、秀句大名「―から―へ行く人ぞ」
③だれ。狂言、人馬「―ぞ腰元衆の中を、ひとり、馬にして」
④(あとに「でも」「より」などを伴う)考えうる範囲内の任意の物または事。「―でも好きなのを選びなさい」「この方法は―よりもうまくいく」
[二]〔感〕
思いたって事をする時、また、相手に動作を促す時に発する語。いざ。いで。どら。狂言、末広がり「―見せさつしやれ」
な【何】🔗⭐🔉
な【何】
〔代〕
なに。源氏物語夕顔「こは―ぞ」
なじ【何】🔗⭐🔉
なじ【何】
〔副〕
なぜ。なにゆえ。沙石集(一本)「さらば―に思し食したちたる」
な‐ぞ【何ぞ】🔗⭐🔉
な‐ぞ【何ぞ】
①(ナニソの転)何であるか。源氏物語宿木「こは―。あな若々し」
②(副詞として)どうして。なぜ。万葉集9「君なくは―身よそはむ」。源氏物語空蝉「―かう暑きに、この格子こうしは下されたる」
③(「―の」の形で)なんという。どんな。源氏物語総角「―の物か憑つかせ給はむ」
なぞ‐も【何ぞも】🔗⭐🔉
なぞ‐も【何ぞも】
(古くはナソモ)どうして。万葉集4「恋ふれど―妹に逢ひ難き」
なぞ‐や【何ぞや】🔗⭐🔉
なぞ‐や【何ぞや】
①(疑問の意)どうして。なぜ。源氏物語明石「―心づから今も昔もすずろなる事にて身をはふらかすらむ」
②(反語の意)どうして…か、そんなことはない。後撰和歌集恋「―我が名の惜しからむ」
なっ‐と【何と】🔗⭐🔉
なっ‐と【何と】
(ナニトの転)なんと。どのように。天草本平家物語「その軍が敗れてからは―あつたぞ」
⇒なっと‐して【何として】
なっと‐して【何として】🔗⭐🔉
なっと‐して【何として】
どうして。いかでか。天草本伊曾保物語「―この返答にはおよばうぞ」
⇒なっ‐と【何と】
な‐ど【何ど】🔗⭐🔉
な‐ど【何ど】
〔副〕
(ナニトの転)どうして。なにゆえ。なぜ。古事記中「―さける鋭目とめ」
なに【何】🔗⭐🔉
なに【何】
[一]〔代〕
①物事をどんなものだとは、はっきり定めずに指し、また名がわからない物事を指すのに用いる語。南海寄帰内法伝平安後期点「何ナニをか俗途と謂ふ」。「―を笑うの」「改めて言うのも―だが」「おい、―はどうした」
②ある物事をあげたうえで、その他を一まとめにして指す。「着物も―も」→なにも→なにか。
[二]〔副〕
①なにゆえ。なぜ。古今和歌集春「春霞―隠すらむ桜花散るまをだにも見るべきものを」
②それが何であれ。一向。「―構うものか」
[三]〔感〕
念をおしたりする時に問いかえしたり相手の言葉を打ち消したりする時に使う語。「―、うまく行かなかったと」「―、それでいいんだ」
▷普通、他の名詞や「だ」「で」「の」「なり」などの前では「なん」の形になる。
⇒何が何でも
⇒何から何まで
⇒何するものぞ
⇒何にも増して
⇒何をか言わんや
⇒何を隠そう
○名に負うなにおう
①名として負い持っている。古事記下「かくのごと名に負はむとそらみつ大和の国を蜻蛉島あきずしまとふ」
②かねて聞いているところと違わない。名前どおりである。古今和歌集雑「かんな月しぐれふりおける楢の葉の―宮のふるごとぞこれ」
③名高い。有名である。万葉集1「紀路にありとふ―背の山」
⇒な【名】
なに‐か【何か】🔗⭐🔉
なに‐か【何か】
①(代名詞的に)
㋐内容が不定・未知の物事を指すのに用いる語。万葉集5「明日は来なむを―障さやれる」。「―がある」「―欲しい」
㋑不定の多くのものを指すのに用いる語。
②(副詞的に)
㋐(原因・理由を疑う)なぜ…か。万葉集8「ほととぎす…―来鳴かぬ」
㋑(自責・詰問の意を含む)どうして…か。万葉集10「かくしあらば―植ゑけむ」
㋒(反語の意を表す)どうして…か。万葉集4「風をだに来むとし待たば―嘆かむ」
㋓(理由や程度の不明を表す)どうしてか。なぜか。「―悲しい」
③(感動詞的に)前に語られた内容と反対のことを言う語。いやいや。どうしてどうして。源氏物語帚木「心にくくおしはからるるなり。されど―。…心に及ばずいとゆかしきこともなしや」
⇒何かせむ
⇒何かと言えば
なに‐が【何が】🔗⭐🔉
なに‐が【何が】
①(下に推量の語句を伴い、疑問・反語の意を表す)何も…ない。「―惜しかろう」
②(「何がさて」の略)何しろ。狂言、素襖落「―大盃で突つかけ突つかけ下されてござれば」
なにがかのじょをそうさせたか【何が彼女をさうさせたか】‥ヂヨ‥サウ‥🔗⭐🔉
なにがかのじょをそうさせたか【何が彼女をさうさせたか】‥ヂヨ‥サウ‥
藤森成吉作の戯曲。1927年発表。同年検閲により「彼女」と改題し、土方与志演出・山本安英主演により築地小劇場で上演。
なに‐が‐さて【何がさて】🔗⭐🔉
なに‐が‐さて【何がさて】
①(他をさしおき、これだけはと強調する)何はともあれ。とにかく。狂言、附子ぶす「―ゆるりとゐて話さうとも」
②(相手の言葉をうけ、ある事柄を強く主張する)いかにも。もちろん。狂言、末広がり「都にはあらうか。―広い都でござるによつて、都にはござりませう」
なに‐か‐しら【何か知ら】🔗⭐🔉
なに‐か‐しら【何か知ら】
(「何か知らん(ぬ)」の略)
①何かわからない、あること。なにか。「―考え込んでいる」
②(副詞的に)何かわからないが。どことなく。「―うさんくさい」
○何かせむなにかせむ
(反語の意)何になろうか、何にもならない。平家物語4「命生きても―」
⇒なに‐か【何か】
○何かせむなにかせむ🔗⭐🔉
なに‐がな【何がな】🔗⭐🔉
なに‐がな【何がな】
(ガナは副助詞)
①なにか。何物をか。宇治拾遺物語9「―取らせむと思へども」
②なんであろうか。本朝桜陰比事「―と聞耳立つる折りふし」
なにが‐なし【何が無し】🔗⭐🔉
○何が何でもなにがなんでも🔗⭐🔉
○何が何でもなにがなんでも
どんなことがあっても。絶対に。「―明日の試合に勝つぞ」
⇒なに【何】
なに‐か‐は【何かは】🔗⭐🔉
なに‐か‐は【何かは】
[一]〔副〕
「何か」を詠嘆的・反語的にいう。
①どうして…か。竹取物語「―玉のうてなをも見む」
②何が…か。徒然草「折りにふれば―あはれならざらむ」
[二]〔感〕
なになに。どうしてどうして。源氏物語若紫「―、心ぼそくともしばしはかくておはしましなむ」
⇒何かはせむ
○何かはせむなにかはせむ
「何かせむ」に同じ。竹取物語「我が子を見たてまつらでは―」→何か(成句)
⇒なに‐か‐は【何かは】
○何から何までなにからなにまで
こまごました事柄までも含めて、すべて。すっかり。「社会の―知り尽くしている」「―世話になる」
⇒なに【何】
○名に聞くなにきく
うわさに聞く。音にきく。土佐日記「まことにて―ところ羽根ならば飛ぶがごとくに都へもがな」
⇒な【名】
○何かはせむなにかはせむ🔗⭐🔉
○何かはせむなにかはせむ
「何かせむ」に同じ。竹取物語「我が子を見たてまつらでは―」→何か(成句)
⇒なに‐か‐は【何かは】
○何から何までなにからなにまで🔗⭐🔉
○何から何までなにからなにまで
こまごました事柄までも含めて、すべて。すっかり。「社会の―知り尽くしている」「―世話になる」
⇒なに【何】
なに‐くれ【何くれ】🔗⭐🔉
なに‐くれ【何くれ】
(人や事物を明示せずに、列挙する場合にいう)だれかれ。何やかや。あれこれ。源氏物語葵「山の座主、―やむ事なき僧ども」。「―と面倒をみる」
⇒なにくれ‐と‐なく【何くれと無く】
なにくれ‐と‐なく【何くれと無く】🔗⭐🔉
なにくれ‐と‐なく【何くれと無く】
何と定まったこともなく、いろいろと。なにやかやと。「―世話をやく」
⇒なに‐くれ【何くれ】
なに‐さ【何さ】🔗⭐🔉
なに‐さ【何さ】
〔感〕
相手の言動に反発して言う語。主に女性が用いる。「―、言い訳ばかりして」
なに‐し‐か【何しか】🔗⭐🔉
なに‐し‐か【何しか】
(シは強めの助詞)どうして…か。万葉集12「今更に―思はむ」
⇒なにしか‐も【何しかも】
なにしか‐も【何しかも】🔗⭐🔉
なにしか‐も【何しかも】
どうしてまあ…なのか。万葉集8「―ここだく恋ふる」
⇒なに‐し‐か【何しか】
なに‐しろ【何しろ】🔗⭐🔉
なに‐しろ【何しろ】
〔副〕
(シロはス(為)ルの命令形。他のことは一応別にして、これだけは強調したいという気持を表す)なんにしても。なににせよ。とにかく。「―忙しいので休む暇がない」
○何するものぞなにするものぞ
一体何ができようか、たいしたことはない。相手を見下してかかろうとする意気込みを示す語。「悪天候も―」
⇒なに【何】
なに‐せ【何せ】🔗⭐🔉
なに‐せ【何せ】
〔副〕
(セは文語ス(為)の命令形)なにしろ。なんせ。「―先方がそう言うものだから」
なに‐せむ‐に【何せむに】🔗⭐🔉
なに‐せむ‐に【何せむに】
①どうして。何にしようというのか。万葉集11「―命継ぎけむ」
②何になろう(か)。万葉集5「銀しろかねも金くがねも玉も―勝れる宝子にしかめやも」
なに‐ぞ【何ぞ】🔗⭐🔉
なに‐と【何と】🔗⭐🔉
なに‐と【何と】
①(副詞的に)
㋐なにとて。なぜ。続古今和歌集雑「―憂き世にむすぼほるらむ」
㋑どのように。いかが。狂言、烏帽子折「出仕にあがらうと思ふが―あらうぞ」
②(感動詞的に)
㋐(念をおして問いかえす時にいう語)なんだと。なに。謡曲、烏帽子折「えい―、―」
㋑(言いかけて相談する時に用いる)いかに。どうじゃ。狂言、烏帽子折「やい、して―」
③(助詞的に)など。なりと。土佐日記「これかれ酒―もて」→など
なに‐と‐か‐して【何とかして】🔗⭐🔉
なに‐と‐か‐して【何とかして】
①何としてか。どうしたわけか。狂言、膏薬煉「―取り放ちけむ」
②何とか手を尽くして。どうにかして。なんとかして。
なに‐と‐かは【何とかは】🔗⭐🔉
なに‐と‐かは【何とかは】
①(疑問の意)どのように…か。源氏物語椎本「松の雪をも―見る」
②(反語の意)どうして…か。源氏物語初音「つれなき人の御心をば―見たてまつりとがめむ」
なに‐と‐かも【何とかも】🔗⭐🔉
なに‐と‐かも【何とかも】
どうしてかまあ。孝徳紀「―愛うつくし妹がまた咲き出で来ぬ」
なに‐と‐した【何とした】🔗⭐🔉
なに‐と‐した【何とした】
どうした。どうしたらよい。狂言、佐渡狐「合点の行かぬ顔つきであつたが、―ものであらうぞ」
なに‐と‐して【何として】🔗⭐🔉
なに‐と‐して【何として】
①どのような具合に。続古今和歌集雑「―心のとまる月になるらむ」
②どうして。なぜ。新後撰和歌集雑「―うき身ひとつの残るらむ」
③なんのために。謡曲、七騎落「此の者をば、―召し連れられて候ふぞ」
④どういう方法で。どうやって。狂言、武悪「道具もないが―取るぞ」
⑤(反語の意)どうしてどうして。狂言、鬼の継子「身共が為にもまま子ぢや物を―喰ふ物ぢや」
なに‐と‐て【何とて】🔗⭐🔉
なに‐と‐て【何とて】
何として。どうして。なぜ。更級日記「闇にくれたる姨捨に―こよひ尋ねきつらむ」
なに‐と‐なし【何と無し】🔗⭐🔉
なに‐と‐なし【何と無し】
①なぜということもない。どこともない。枕草子5「何となくすずろにをかしきに」
②何と取り立てていう程のことはない。平凡である。能因本枕草子木の花は「卯の花は品劣りて何となけれど」
③何と定まったことがない。何につけてもである。太平記1「天下の事何となく関東の計らひとして」
④何という目的もない。何とない。狂言、土産の鏡「何となく鏡を見れば」
なに‐と‐には‐なし【何とには無し】🔗⭐🔉
なに‐と‐には‐なし【何とには無し】
なんということはない。たいしたことでない。
なに‐と‐は‐なし【何とは無し】🔗⭐🔉
なに‐と‐は‐なし【何とは無し】
(→)「なにとにはなし」に同じ。源氏物語鈴虫「何とはなけれど過ぐる齢にそへて忘れぬ昔の御物語などうけたまはり」
なに‐とも【何とも】🔗⭐🔉
なに‐とも【何とも】
〔副〕
①何のものとも。物の数とも。なんとも。源氏物語若紫「今日あすになりぬる命をば―おぼしたらで」
②どうとも。一向に。更に。宇治拾遺物語12「衆中にてかくいふことを―答へざらむも口をし」
③何分にも。はやどうも。狂言、貰聟「婿入を致さぬによつて―参りにくうござる」
④あらゆる方法で。どうやっても。三道「―風体を巧みて」
なに‐と‐や‐らむ【何とやらむ】🔗⭐🔉
なに‐と‐や‐らむ【何とやらむ】
①なんであろうか。平家物語(延慶本)「漫々たる海上に―はたらく物あり」
②なんとなく。謡曲、船弁慶「―今の時節然るべからず存じ候」
○名に流るなにながる
その名で世の中に知られる。名高くなる。後撰和歌集雑「うつろはぬ名に流れたる川竹の」
⇒な【名】
なに‐なに【何何】🔗⭐🔉
なに‐なに【何何】
[一]〔代〕
列挙する事物が不明な時、また、具体的に挙げる必要のない時にいう語。何と何。どれそれ。「必要なものは―ですか」
[二]〔感〕
①(文を読みはじめる時や、相手の言葉に問いかける時に発する語)何事か。何だ何だ。狂言、地蔵舞「―、往来の者に宿貸すこと禁制」
②特にとりあげるほどのことではないと否定する思いで発する語。「―、心配はいらない」
なに‐なら‐ず【何ならず】🔗⭐🔉
なに‐なら‐ず【何ならず】
①なんというほどでもない。取るに足りない。源氏物語夕顔「なにならぬ御名のりを聞え給はむ」
②何にもならない。役に立たない。平家物語4「かかるめでたき聖跡なれども、今は―」
○何にも増してなににもまして🔗⭐🔉
○何にも増してなににもまして
一番に。ほかのすべてより。「―大事な書類」
⇒なに【何】
なに‐の【何の】
①どんな物事の。何という。源氏物語夕顔「―響とも聞き入れ給はず」
②何のための。天智紀「―伝言つてこと直ただにし良えけむ」
③なにほどの。どれだけの。源氏物語若紫「さらに―しるしも侍らじものを」
④(副詞的に)どうして。なんで。源氏物語手習「―さる人をかこの院の内に捨て侍らむ」
⑤(感動詞的に)いやいや。どうして。なんの。伊勢物語「されば―、よきことと思ひて」
なに‐は【何は】
なにやかや。なにか。傾城禁短気「―につけて便りなく思ひ参らせ候へば」
⇒なには‐あれど【何はあれど】
⇒なには‐さておき【何は扨措き】
⇒なには‐しかれ【何は然れ】
⇒なには‐ともあれ【何はともあれ】
⇒なには‐なくとも【何は無くとも】
⇒なには‐の‐こと‐も【何はの事も】
なには‐あれど【何はあれど】
いろいろ物事はあるが。とりわけて。
⇒なに‐は【何は】
なには‐さておき【何は扨措き】
他の事はそのままにおいても、これだけは。まず第一に。「―昼めしだ」
⇒なに‐は【何は】
なには‐しかれ【何は然れ】
そのほかのいろいろの物事はそれとして。何はともあれ。
⇒なに‐は【何は】
なには‐ともあれ【何はともあれ】
ほかのことはどうあろうとも。ともかくも。「―無事でよかった」
⇒なに‐は【何は】
なには‐なくとも【何は無くとも】
①他の物はさしおいても。
②格別の物はなくても。
⇒なに‐は【何は】
なには‐の‐こと‐も【何はの事も】
何事も。栄華物語耀く藤壺「―並ばせ給ふ人なき御有様におはします」
⇒なに‐は【何は】
なに‐びと【何人】
どういう人。どんな人。なんぴと。古今和歌集秋「―かきて脱ぎ掛けし藤袴」。「―も否定できない事実」
なに‐ひとつ【何一つ】
(多く下に打消の語を伴う)どれ一つ。少しも。「―不足のない家」
なに‐の【何の】🔗⭐🔉
なに‐の【何の】
①どんな物事の。何という。源氏物語夕顔「―響とも聞き入れ給はず」
②何のための。天智紀「―伝言つてこと直ただにし良えけむ」
③なにほどの。どれだけの。源氏物語若紫「さらに―しるしも侍らじものを」
④(副詞的に)どうして。なんで。源氏物語手習「―さる人をかこの院の内に捨て侍らむ」
⑤(感動詞的に)いやいや。どうして。なんの。伊勢物語「されば―、よきことと思ひて」
なに‐は【何は】🔗⭐🔉
なに‐は【何は】
なにやかや。なにか。傾城禁短気「―につけて便りなく思ひ参らせ候へば」
⇒なには‐あれど【何はあれど】
⇒なには‐さておき【何は扨措き】
⇒なには‐しかれ【何は然れ】
⇒なには‐ともあれ【何はともあれ】
⇒なには‐なくとも【何は無くとも】
⇒なには‐の‐こと‐も【何はの事も】
なには‐あれど【何はあれど】🔗⭐🔉
なには‐あれど【何はあれど】
いろいろ物事はあるが。とりわけて。
⇒なに‐は【何は】
なには‐ともあれ【何はともあれ】🔗⭐🔉
なには‐ともあれ【何はともあれ】
ほかのことはどうあろうとも。ともかくも。「―無事でよかった」
⇒なに‐は【何は】
なには‐の‐こと‐も【何はの事も】🔗⭐🔉
なには‐の‐こと‐も【何はの事も】
何事も。栄華物語耀く藤壺「―並ばせ給ふ人なき御有様におはします」
⇒なに‐は【何は】
なん‐か【何か】🔗⭐🔉
なん‐か【何か】
(ナニカの音便)何事か。何ものか。「―ちょうだい」
なん‐じょう【何でふ】‥デフ🔗⭐🔉
なん‐じょう【何でふ】‥デフ
(ナニトイフの転)
[一]〔連体〕
なんという。どういう。竹取物語「―ここちすればかく物を思ひたるさまにて月を見給ふぞ」
[二]〔副〕
①(反語の意で)なんとして。どうして。竹取物語「―さることかし侍らむ」
②必ず。浄瑠璃、源平布引滝「―刃向ふやつばらは追ひまくり切りちらし帝を奪ひ奉らん」
なん‐せ【何せ】🔗⭐🔉
なん‐せ【何せ】
ナニセの音便。
なん‐ぞ【何ぞ】🔗⭐🔉
なん‐ぞ【何ぞ】
(ナニゾの音便)
①何事であるか。宇津保物語楼上下「上たち聞きつけさせ給ひて―と問はせ給ふ」
②(反語の意で)なんとして。どうして。宇治拾遺物語5「心を西方にかけむに―心ざしを遂げざらむ」
③どういう。どんな。宇津保物語俊蔭「あはれ―の人か」
④なにか。狂言、脛薑「―慰みごとがして参りたうござるの」
⑤(軽視の意を表す)…なんか。「人を家来か―のように扱う」
なん‐だ【何だ】🔗⭐🔉
なん‐だ【何だ】
(ナニダの音便)
①その名称・実体を問う語。「これは―」
②期待や思惑とは異なる事態にがっかりしたり、ほっとしたりした時に発する語。「―お前か」
③望ましくない状況をとがめてそのわけを問う語。「―、この散らかりようは」
④大したことではないという意を表す語。「金が―」
⑤言うのがはばかられたり、適当な表現が見つからなかったりする場合に用いる語。「自分で言うのも―が」
なん‐だ‐か【何だか】🔗⭐🔉
なん‐だ‐か【何だか】
何かわからないが。何故かわからないが。何となく。「―変だ」
なんだ‐かだ【何だ彼だ】🔗⭐🔉
なんだ‐かだ【何だ彼だ】
(ナンダカンダとも)あれやこれや。ああだこうだ。あれこれ。「―文句ばかり言う」
なん‐だっ‐て【何だって】🔗⭐🔉
なん‐だっ‐て【何だって】
①相手に問い返す場合に用いる。「―、よく聞こえないぞ」
②(「なんだといって」の転)どうして。なぜ。「―早く言わなかったんだ」
③(「なんであっても」の転)どんなものでも。何でも。「―いいから見つくろってくれ」
なんたら‐かんたら【何たらかんたら】🔗⭐🔉
なんたら‐かんたら【何たらかんたら】
①あれやこれや。なんだかんだ。「―言って尻ごみする」
②はっきり言えないものに代えていう語。なんとか。なんたらかたら。「―言う難しい名前」
なん‐たる【何たる】🔗⭐🔉
なん‐たる【何たる】
〔連体〕
ふつうの状態・程度を越えた物事に、驚いたりあきれたり怒ったりする気持を表す。なんという。天草本伊曾保物語「―所に生れたものぞ」。「―親不孝者だ」
なん‐て【何て】🔗⭐🔉
なん‐て【何て】
たいそうまあ。なんと。「―きれいなのでしょう」
なん‐で【何で】🔗⭐🔉
なん‐で【何で】
なんのために。なぜ。どうして。「―そんなことをするのだ」
なん‐で‐も【何でも】🔗⭐🔉
なん‐で‐も【何でも】
①どういう物事でも。「―食べる」「―話してごらん」
②どうしても。どうあろうとも。「何が―」
③よくは分からないが、たぶん。どうも。「―関西の方に移ったと聞いている」
⇒なんでも‐かでも【何でも彼でも】
⇒なんでも‐ない【何でも無い】
⇒なんでも‐や【何でも屋】
なんでも‐かでも【何でも彼でも】🔗⭐🔉
なんでも‐かでも【何でも彼でも】
「なんでも」1・2を強めていう語。何事でも。どうしても。是非とも。なんでもかんでも。
⇒なん‐で‐も【何でも】
なんでも‐ない【何でも無い】🔗⭐🔉
なんでも‐ない【何でも無い】
ことさら問題にするほどのこともない。取り立てて言うことではない。「―出来事」
⇒なん‐で‐も【何でも】
なんでも‐や【何でも屋】🔗⭐🔉
なんでも‐や【何でも屋】
①何事にも手を出したがる人。
②何事でもある程度できる人。ごもくや。
③日用品などをいろいろそろえている店。
⇒なん‐で‐も【何でも】
なん‐と【何と】🔗⭐🔉
○何と言ってもなんといっても🔗⭐🔉
○何と言ってもなんといっても
他にどのような事情があろうとも。ある事を強調する意を表す。「―これだけは譲れない」
⇒なん‐と【何と】
なんど‐いろ【納戸色】
染色の名。ねずみ色がかった藍あい色。おなんど色。
Munsell color system: 4B4/6
⇒なん‐ど【納戸】
なん‐とう【南東】
東と南との間に当たる方角。ひがしみなみ。東南。巽たつみ。
なん‐とう【南唐】‥タウ
中国、五代十国の一つ。呉の徐知誥じょちこう(李昪りべん)が建国。都は金陵(南京)。3代で滅んだ。(937〜975)
なん‐とう【南島】‥タウ
南方にある島。特に、琉球諸島あるいは南洋群島を指す。
⇒なんとう‐ごぞく【南島語族】
なん‐とう【軟投】
野球で、変化球を混ぜながら緩球を多く使う投球のスタイル。
なんとう‐ごぞく【南島語族】‥タウ‥
(→)オーストロネシア語族に同じ。
⇒なん‐とう【南島】
なん‐と‐か【何とか】
①はっきりしない物事を指す。「―言っていたな」
②どうにか。苦労しても。「―やりとげたい」「―してくれ」
③かろうじて。やっと。「―間に合う」
なんど‐かた【納戸方】
江戸幕府の職名。若年寄の支配に属し、将軍家の金銀・衣服・調度の出納、大名・旗本以下の献上品および下賜の金品をつかさどった。納戸役。納戸頭。おなんど。
⇒なん‐ど【納戸】
なんど‐がまえ【納戸構】‥ガマヘ
(→)帳台構ちょうだいがまえに同じ。
⇒なん‐ど【納戸】
なんど‐がみ【納戸神】
納戸にまつられる神。西日本に多く、正月の神、田の神などとされる。
⇒なん‐ど【納戸】
なん‐どき【何時】
どの時刻。どのような折。いつ。「いつ―」
なん‐どく【難読】
文字の読みにくいこと。漢字の読みがむずかしいこと。「―文字」
なんど‐ぐい【納戸食い】‥グヒ
納戸のかげなどで物を食うこと。かくしぐい。
⇒なん‐ど【納戸】
なんと‐しちだいじ【南都七大寺】
(→)七大寺に同じ。
⇒なん‐と【南都】
なん‐と‐して【何として】
①どうして。なぜ。好色一代男5「方様には―ここにござります」
②(反語の意で)どうして。狂言、武悪「討たうとは思うたれど―身が討たうぞ」
なん‐と‐か【何とか】🔗⭐🔉
なん‐と‐か【何とか】
①はっきりしない物事を指す。「―言っていたな」
②どうにか。苦労しても。「―やりとげたい」「―してくれ」
③かろうじて。やっと。「―間に合う」
なん‐と‐して【何として】🔗⭐🔉
なん‐と‐して【何として】
①どうして。なぜ。好色一代男5「方様には―ここにござります」
②(反語の意で)どうして。狂言、武悪「討たうとは思うたれど―身が討たうぞ」
○何としてもなんとしても
どのような手段・方法を尽くしても。どうしても。「―成し遂げたい」
⇒なん‐と【何と】
○何としてもなんとしても🔗⭐🔉
○何としてもなんとしても
どのような手段・方法を尽くしても。どうしても。「―成し遂げたい」
⇒なん‐と【何と】
なん‐と‐なく【何と無く】
とりたてて何ということもなく。どことなく。「―様子がおかしい」
なん‐と‐なれば【何となれば】
〔接続〕
上を受けて、その理由を説きおこす語。どういうわけかといえば。なぜならば。
ナント‐の‐ちょくれい【ナントの勅令】
(L'Édit de Nantes)フランス王アンリ4世が1598年にナントで発布した勅令。フランスの新教徒ユグノーに信仰の自由を認めたもので、これによって宗教戦争は結着した。ナントの王令。→ユグノー
⇒ナント【Nantes】
なんと‐ぶぎょう【南都奉行】‥ギヤウ
室町幕府の職名。奈良の興福寺関係の訴訟および春日神社の祭礼のことなどをつかさどった。
⇒なん‐と【南都】
なんと‐ほくれい【南都北嶺】
南都の諸寺と比叡山。特に興福寺と延暦寺とを指すこともある。
⇒なん‐と【南都】
なんど‐めし【納戸飯】
客の前での食事をはばかる習慣であった江戸時代の遊女などが、納戸などで隠れてする食事。
⇒なん‐ど【納戸】
なん‐と‐も【何とも】
①(打消の語を伴う)なにごととも。なにものとも。「―思わない」「痛くも―ない」
②何分にも。まことに。いかにも。全く。「―申し訳ない」
⇒なんとも‐はや【何ともはや】
なんとも‐はや【何ともはや】
(「はや」は詠嘆を表す語)「何とも」2を強めた言い方。「―手の施しようがない」
⇒なん‐と‐も【何とも】
なんど‐やく【納戸役】
(→)納戸方に同じ。
⇒なん‐ど【納戸】
なん‐と‐やら【何とやら】
①なんとか。どうにか。
②なんとなく。なんだか。
③はっきりしない物事を示したり、婉曲に言ったりする時に使う語。「泣く子と地頭には―」
なんと‐ろくしゅう【南都六宗】
奈良時代における仏教の宗派。すなわち三論・法相ほっそう・華厳けごん・律・成実じょうじつ・倶舎くしゃの六宗。
⇒なん‐と【南都】
なんとん‐ほくぜん【南頓北漸】
〔仏〕南宗なんしゅう禅と北宗ほくしゅう禅との違いを表す語。南宗は頓悟、北宗は漸悟を主とするからいう。→南宗→北宗
なん‐なく【難無く】
困難なこともなく。たやすく。「関門を―突破する」
なん‐なら【何なら】
(副詞的に)
①事によったら。都合次第では。東海道中膝栗毛5「―少々は銭を出しても乗るこたアいやだ」
②お望みなら。入用なら。「―お持ち帰り下さい」
③気にいらなければ。わるければ。浮世風呂4「大束が―此の下に小束もありやす」。「この品が―、別のもあります」
⇒なんなら‐ちゃづけ【何なら茶漬】
なんなら‐ちゃづけ【何なら茶漬】
客の帰りぎわになって、「何ならお茶漬でも」と世辞をいうこと。口先ばかりの親切。
⇒なん‐なら【何なら】
なん‐なり
(指定の助動詞ナリの終止形に伝聞・推定の助動詞ナリの付いたナリナリの音便)
⇒ななり
なん‐なり‐と【何なりと】
なんであろうとも。なんでも。「欲しいものがあったら―言って下さい」
なん‐なん
(ナミナミの転)一杯。満々。狂言、水掛聟「昨日まで―とあつた水が無い」
なん‐なん【喃喃】
①ぺちゃくちゃしゃべるさま。くどくどしく言うさま。「喋々ちょうちょう―」
②読書の声。
なん‐なんせい【南南西】
南と南西との間に当たる方角。
なん‐なんとう【南南東】
南と南東との間に当たる方角。
なんなん‐と・す【垂んとす】
〔自サ変〕
(ナリナントスの音便。漢文訓読体で用いる)まさにそうなろうとする。三蔵法師伝永久点「年、二紀ニナンナムト将ス」
なん‐と‐なく【何と無く】🔗⭐🔉
なん‐と‐なく【何と無く】
とりたてて何ということもなく。どことなく。「―様子がおかしい」
なん‐と‐なれば【何となれば】🔗⭐🔉
なん‐と‐なれば【何となれば】
〔接続〕
上を受けて、その理由を説きおこす語。どういうわけかといえば。なぜならば。
なん‐と‐も【何とも】🔗⭐🔉
なん‐と‐も【何とも】
①(打消の語を伴う)なにごととも。なにものとも。「―思わない」「痛くも―ない」
②何分にも。まことに。いかにも。全く。「―申し訳ない」
⇒なんとも‐はや【何ともはや】
なんとも‐はや【何ともはや】🔗⭐🔉
なんとも‐はや【何ともはや】
(「はや」は詠嘆を表す語)「何とも」2を強めた言い方。「―手の施しようがない」
⇒なん‐と‐も【何とも】
なん‐と‐やら【何とやら】🔗⭐🔉
なん‐と‐やら【何とやら】
①なんとか。どうにか。
②なんとなく。なんだか。
③はっきりしない物事を示したり、婉曲に言ったりする時に使う語。「泣く子と地頭には―」
なん‐なら【何なら】🔗⭐🔉
なん‐なら【何なら】
(副詞的に)
①事によったら。都合次第では。東海道中膝栗毛5「―少々は銭を出しても乗るこたアいやだ」
②お望みなら。入用なら。「―お持ち帰り下さい」
③気にいらなければ。わるければ。浮世風呂4「大束が―此の下に小束もありやす」。「この品が―、別のもあります」
⇒なんなら‐ちゃづけ【何なら茶漬】
なんなら‐ちゃづけ【何なら茶漬】🔗⭐🔉
なんなら‐ちゃづけ【何なら茶漬】
客の帰りぎわになって、「何ならお茶漬でも」と世辞をいうこと。口先ばかりの親切。
⇒なん‐なら【何なら】
なん‐なり‐と【何なりと】🔗⭐🔉
なん‐なり‐と【何なりと】
なんであろうとも。なんでも。「欲しいものがあったら―言って下さい」
○何にせよなんにせよ🔗⭐🔉
○何にせよなんにせよ
事情がどうであるにしろ。何であっても。何にしろ。「―過ぎたことはしかたがない」
⇒なん【何】
なん‐にち【何日】
①いくにち。また、多くの日。「―かかっても」
②どの日。「今日は―か」
なん‐にも【何にも】🔗⭐🔉
なん‐にも【何にも】
(打消の語を伴う)何事も。少しも。「我が宿は―ないぞ巣立鳥」(一茶)。「―知らない」「―ならない」
なん‐の【何の】🔗⭐🔉
なん‐の【何の】
①どういう。高山寺本古往来院政期点「何ナンノ幸か之に如しかむ」。「―話かわからぬ」
②何程の。どれほどの。「―遠慮がいるものか」「―変哲もない」
③どうということもない意を表す。「―これしきの事」
④なにやかや。あれこれ。なんのかの。「飲ませろの―と」
⑤(感動詞として)相手の懸念などを打ち消す語。どうして。いや。「―、こちらこそ失礼しました」
⇒なんの‐か‐の【何の彼の】
⇒なんの‐そ‐の【何の其の】
⇒何の事はない
○何の事はないなんのことはない🔗⭐🔉
○何の事はないなんのことはない
たいしたことではない。取り上げて問題とするほどのことではない。「―、ただの思い過しだった」
⇒なん‐の【何の】
なんの‐そ‐の【何の其の】
何ほどのことがあろうか、何でもない。「悪天候も―」
⇒なん‐の【何の】
なん‐ば【南蛮】
(ナンバンの下略)
①外国渡来のもの、珍奇・異風のもの、新規に工夫・開発されたものを言う語。
②(普通、ナンバと書く)
㋐歌舞伎や舞踊の演技で、右足が出る時右手を出すような、普通とは逆の手足の動作。樏かんじきや田下駄をナンバと言い、これを履はいた時の所作の意か。
㋑右手と右足、左手と左足とが、それぞれ同時に前に出るような歩行の仕方。「―走り」
→なんばん。
⇒なんば‐きび【南蛮黍】
⇒なんば‐の‐ほこ【南蛮の鉾】
なんば【難波】
大阪市中央区道頓堀以南、浪速区の北部にわたる一帯の汎称。私鉄・地下鉄の難波駅がある。
難波
撮影:的場 啓
⇒なんば‐に【難波煮】
なん‐ば【難場】
難儀する場所または場合。難所。
なん‐ぱ【軟派】
①軟弱な意見の党派。強硬な主張をなし得ないもの。「―議員」
②文芸上エロチシズムを主とするもの。「江戸―」
③新聞・雑誌で、社会面や文学または艶物を担当するもの。「―記者」
④軟弱な風潮に関心を示す人々。
⑤転じて、女性などを誘惑すること。
↔硬派
なん‐ぱ【難破】
暴風雨などにあって船が破損したり沈んだりすること。「―船」
ナンバー【number】
①数字。番号。順位。
②雑誌などの号数。「バック‐―」
③曲目。「スタンダード‐―」
⇒ナンバー‐エイト【number eight】
⇒ナンバー‐スクール
⇒ナンバー‐ディスプレー
⇒ナンバー‐プレート【number plate】
⇒ナンバー‐ワン【number one; No.1】
ナンバー‐エイト【number eight】
ラグビーで、スクラムの最後尾に位置する選手。
⇒ナンバー【number】
ナンバー‐スクール
(number school)設立順に数字を校名に入れたエリート養成の学校。旧制高等学校では一高から八高まで。旧制中等学校も多くの都道府県で採用。
⇒ナンバー【number】
ナンバー‐ディスプレー
(calling number display)発信者の電話番号を着信側の電話機に着信時に表示させる機能。
⇒ナンバー【number】
ナンバー‐プレート【number plate】
自動車などの登録番号を記した金属製の板。
⇒ナンバー【number】
ナンバー‐ワン【number one; No.1】
第1番。第一人者。トップ。
⇒ナンバー【number】
なんば‐うり【魚場売】
鯡にしん漁場へ来る行商人。
なんば‐きび【南蛮黍】
⇒なんばんきび。
⇒なん‐ば【南蛮】
なん‐ぱく【軟白】
ウド・アスパラガスなどの野菜類の茎葉の白く軟らかな部分。また、日除けや地下栽培などで、それをつくること。
なんばこ
米粉をこねて油で揚げた菓子。秋田県の郷土菓子。唐辛子を「南蛮」といい、その形に似せて作るところからの名。
なんば‐に【難波煮】
魚・野菜などをぶつ切りのネギとともに、出し汁・酒・醤油・味醂みりんなどで煮た料理。
⇒なんば【難波】
なんば‐の‐ほこ【南蛮の鉾】
南蛮鉄の鉾。狂言、連歌毘沙門「―を取り直し真中よりざつくり」
⇒なん‐ば【南蛮】
なんばら【南原】
姓氏の一つ。
⇒なんばら‐しげる【南原繁】
なんばら‐しげる【南原繁】
政治学者。香川県生れ。東大卒、同教授・総長。対日講和条約締結にあたり、全面講和を唱え吉田茂首相と対立。著「国家と宗教」など。(1889〜1974)
南原繁
撮影:田村 茂
⇒なんばら【南原】
ナンバリング【numbering】
①番号をつけること。
②ナンバリング‐マシンの略。
⇒ナンバリング‐マシン【numbering machine】
ナンバリング‐マシン【numbering machine】
自動番号押捺器。番号印字器。
⇒ナンバリング【numbering】
なん‐ばん【南蛮】
(南方の野蛮人の意)
①古く中国で、インドシナをはじめとする南海の諸国の称。↔北狄ほくてき。
②室町末期から江戸時代にかけて、シャム・ルソン・ジャワその他南洋諸島の称。また、その地を経由して渡来した西欧の人や品物。また、(多く他の語に冠して)珍奇・異風なもの。
③特に、オランダを紅毛というのに対して、ポルトガル・スペインをいい、キリシタンと同じ意に用いられた語。
④唐辛子あるいは葱ねぎのこと。
⑤南蛮煮の略。「鴨―」
→南蛮なんば。
⇒なんばん‐あかあずき【南蛮赤小豆】
⇒なんばん‐え【南蛮絵】
⇒なんばん‐がし【南蛮菓子】
⇒なんばん‐がらし【南蛮辛子】
⇒なんばん‐ギセル【南蛮煙管】
⇒なんばん‐きび【南蛮黍】
⇒なんばん‐ぎり【南蛮錐】
⇒なんばん‐じ【南蛮寺】
⇒なんばん‐しぼり【南蛮絞り】
⇒なんばん‐しゅう【南蛮宗】
⇒なんばん‐じん【南蛮人】
⇒なんばん‐ずな【南蛮砂】
⇒なんばん‐せん【南蛮船】
⇒なんばん‐づけ【南蛮漬】
⇒なんばん‐つば【南蛮鐔】
⇒なんばん‐てつ【南蛮鉄】
⇒なんばん‐なわすだれ【南蛮縄簾】
⇒なんばん‐に【南蛮煮】
⇒なんばん‐はこべ【南蛮蘩蔞】
⇒なんばん‐びじゅつ【南蛮美術】
⇒なんばん‐びょうぶ【南蛮屏風】
⇒なんばん‐ぶき【南蛮吹き】
⇒なんばん‐ぶんか【南蛮文化】
⇒なんばん‐ぶんがく【南蛮文学】
⇒なんばん‐ぼうえき【南蛮貿易】
⇒なんばん‐もの【南蛮物】
⇒なんばん‐やき【南蛮焼】
⇒なんばん‐りゅう【南蛮流】
なんばん‐あかあずき【南蛮赤小豆】‥アヅキ
マメ科の熱帯性高木。種子は小豆に似て赤く固く、乾燥してネックレスなどの工芸品にする。
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐え【南蛮絵】‥ヱ
桃山時代前後に渡来した西洋画。また、それを模倣した画風で西洋の風俗・宗教的題材を描いたもの。
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐がし【南蛮菓子】‥グワ‥
ポルトガル・スペイン・オランダなどの諸外国から渡来した菓子、すなわち金米糖コンペイトー・ボーロ・カルメラ・カステラなどの総称。
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐がらし【南蛮辛子】
トウガラシの異称。
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐ギセル【南蛮煙管】
ハマウツボ科の一年生寄生植物。ススキ・ミョウガなどの根に寄生し、全体に葉緑素を欠く。高さ約15センチメートル。秋、淡紅紫色花を頂につけ、横を向いて開く。花冠は長い筒形、先は5裂。古名、おもいぐさ。〈[季]秋〉
なんばんギセル
ナンバンギセル
提供:OPO
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐きび【南蛮黍】
トウモロコシの異称。なんばんとうのきび。〈[季]秋〉。物類称呼「玉蜀黍、なんばんきび」
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐ぎり【南蛮錐】
先端が螺旋らせん状で、丁字形のハンドルを両手で回しながら孔をうがつ錐。ボルト錐。錑錐もじぎり。もじ。
南蛮錐
提供:竹中大工道具館
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐じ【南蛮寺】
室町末期〜安土桃山時代、日本各地に建てられたキリスト教寺院の称。織田信長の許しを得て京都四条坊門と安土とに建てられたものが最も著名。1587年(天正15)の豊臣秀吉の禁教によって破毀。
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐しぼり【南蛮絞り】
粗銅中の銀を採取する方法。銀を含む粗銅に鉛を加え、吹き溶かして圧搾し、銀を含む鉛を流出させる。1591年(天正19)住友家の祖、政友の義兄である蘇我理右衛門が南蛮人から習得したという。南蛮吹き。
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐しゅう【南蛮宗】
室町末期から江戸初期、カトリック教の称。天主教。キリシタン宗。
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐じん【南蛮人】
南蛮の人。ポルトガル人・スペイン人などを指す。室町末期から江戸時代に至る間の呼び方。
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐ずな【南蛮砂】
(→)硼砂ほうしゃの異称。
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐せん【南蛮船】
室町末期〜江戸時代にルソン・ジャワ・シャム・天川あまかわなど南洋方面から渡来したスペイン・ポルトガルなどの船。→紅毛船。
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐づけ【南蛮漬】
揚げたり焼いたりした魚・肉類を唐辛子や葱ねぎを加えた合せ酢に漬けたもの。
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐つば【南蛮鐔】
南蛮鉄で作った、刀の鐔。南蛮船で舶載したものと江戸中期に長崎銀屋町などの工人がそれを模造したものとがある。円形で、竜・唐草・宝尽しなどを透し彫にし、銀の象嵌ぞうがんなどのある中国風のもの。
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐てつ【南蛮鉄】
室町末期から日本へ渡来した精錬鉄。多く日本刀の地金・鐔つば、兜などを作るのに用いた。くろがね。
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐なわすだれ【南蛮縄簾】‥ナハ‥
南蛮焼の水指・建水で、胴に縄簾に似た模様のあるもの。
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐に【南蛮煮】
①野菜・魚鳥などを油で炒めて煮た料理。
②唐辛子や葱ねぎを加えて煮た料理。なんばん。
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐はこべ【南蛮蘩蔞】
ナデシコ科の多年草。山野に生え、茎は細長く、蔓性で這う。夏から秋に白色鐘形の5弁花を開く。果実は球形で大きく、黒熟。渡来種ではない。ツルセンノウ。
なんばんはこべ
ナンバンハコベ
提供:OPO
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐びじゅつ【南蛮美術】
桃山時代から江戸初期にかけ、西洋風の主題・意匠・技法のいずれかに影響を受けて制作された絵画や工芸。
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐びょうぶ【南蛮屏風】‥ビヤウ‥
桃山時代から江戸初期にかけ、ポルトガル人来航の情景を描いた風俗屏風。その技法・様式は全く日本在来のものによるが、主題において当時の異国趣味を反映する。長崎屏風。
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐ぶき【南蛮吹き】
(→)「南蛮絞り」に同じ。
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐ぶんか【南蛮文化】‥クワ
ポルトガル人の来航とともにもたらされたヨーロッパ文化。カトリック的色彩が濃い。
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐ぶんがく【南蛮文学】
16世紀中頃から17世紀中頃(天文末年から寛永年間)に至る約100年間に日本語で著述または翻訳されたキリシタン宗教文学。広義には、それと関連して現れた語学書や反キリシタン書を含む。→キリシタン文学。
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐ぼうえき【南蛮貿易】
室町末期から江戸初期にかけて、主にポルトガル・スペインの船(南蛮船)との間に行われた貿易。実質的には日中間の中継貿易。銀などを輸出し、生糸・絹織物などを輸入した。鎖国により断絶。
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐もの【南蛮物】
南蛮渡来の物。狂言、膏薬「―も倭物わものも色々入るる内に、稀なものが一色ある」
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐やき【南蛮焼】
①古く中国南部・東南アジア方面から舶載された粗陶器。多くは紫黒色・炻器せっき質で、ふつう無釉のものをいう。日本の茶人が茶壺・茶入・水指などに賞用。
②和歌山県田辺名産の蒲鉾。はんぺんを厚くしたような正方形で、中央に丸い焼き色をつける。なんばやき。
⇒なん‐ばん【南蛮】
なんばん‐りゅう【南蛮流】‥リウ
①南蛮渡来の流儀。
②南蛮流の外科。ポルトガル人フェレイラ(日本名、沢野忠庵)がカトリック司教として来日とともにもたらした西洋外科術を祖とし、門人西玄甫( 〜1684)らが継承した外科の一派。
③古砲術の一派。武宮嘉兵衛の創始という。
⇒なん‐ばん【南蛮】
なん‐ぴと【何人】
(ナンビトとも。ナニビトの音便)どういう人。だれ。「―といえども」
なん‐びょう【難病】‥ビヤウ
①なおりにくい病気。難症。
②厚生労働省が指定した特定疾患の俗称。
なんぴょう‐よう【南氷洋】‥ヤウ
(→)南極海に同じ。
なん‐ぴん【難平】
(ピンは唐音。難すなわち損を平ならす意)
①予想に反して相場が騰貴または下落した時に、さらに売増しまたは買増しをして、売値の平均を引き上げまたは買値の平均を引き下げて、損失を回復しようとすること。
②転じて、身のほどを知らない者。おろか者。好色一代女1「銀かね遣ふ客をおろそかにして、不断隙ひまで暮すは主だふし、我が身しらずの―なり」
⇒なんぴん‐うりあがり【難平売上り】
⇒なんぴん‐かいさがり【難平買下り】
なんぴん‐うりあがり【難平売上り】
相場が高くなればなるほど売り増して難平すること。
⇒なん‐ぴん【難平】
なんぴん‐かいさがり【難平買下り】‥カヒ‥
相場が下がれば下がるほど買い増して難平すること。
⇒なん‐ぴん【難平】
なんぴん‐は【南蘋派】
江戸中期〜後期に流行した日本画の一流派。沈南蘋しんなんぴんの系統を伝えたもの。熊斐ゆうひ・宋紫石などがこれに属する。写生の花鳥画を主とし、円山応挙・岸駒がんく・伊藤若冲じゃくちゅう・渡辺崋山も影響を受けた。
なんぶ【南部】
南部氏の旧領地の通称。青森・岩手・秋田3県にまたがる。特に、盛岡をいう。
⇒なんぶ‐うしおい‐うた【南部牛追い唄】
⇒なんぶ‐うま【南部馬】
⇒なんぶ‐おり【南部織】
⇒なんぶ‐がま【南部釜】
⇒なんぶ‐ごよみ【南部暦】
⇒なんぶ‐じま【南部縞】
⇒なんぶ‐つむぎ【南部紬】
⇒なんぶ‐てつびん【南部鉄瓶】
⇒なんぶ‐ぬり【南部塗】
⇒なんぶ‐ふじ【南部富士】
なんぶ【南部】
姓氏の一つ。陸奥の豪族、外様大名。
⇒なんぶ‐ちゅうへい【南部忠平】
なん‐ぷう【南風】
①南から吹く風。
②夏の風。〈[季]夏〉
③南の国の勢力。
④南方の歌謡。
⇒南風競わず
なん‐ぷう【軟風】
そよそよと肌に心地よく感ずるほどの風。
なん‐ぷう【難風】
航行する船舶をなやます暴風。







なんの‐そ‐の【何の其の】🔗⭐🔉
なんの‐そ‐の【何の其の】
何ほどのことがあろうか、何でもない。「悪天候も―」
⇒なん‐の【何の】
[漢]何🔗⭐🔉
何 字形
筆順
〔人(亻・
)部5画/7画/教育/1831・323F〕
〔音〕カ(漢)
〔訓〕なに・なん=・いずれ
[意味]
①疑問を表す語。なに。どれ。いずこ。だれ。「何在=いずくに在りや」「何者=なんとなれば」「誰何すいか・無何有郷」
②反語・感嘆を表す語。「なんぞ」と訓読する。「回何敢死=回なんぞ敢あえて死せん」〔論語〕「何楚人之多也=なんぞ楚人の多きや」〔史記〕
[解字]
解字
象形。人が肩に荷をかついでいる形。「荷」の原字。「喝」と発音が近く、「カッ」(=だれか)とどなって人の注意を引くことから、疑問の助字に用いられる。
[難読]
何時いつ・何処どこ・いずこ・何方どなた・いずかた・どちら・何故なぜ・何卒なにとぞ




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