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な【無】🔗⭐🔉
な【無】
(形容詞「なし」の語幹)無いこと。源氏物語若菜上「殊なる事―の御返りや」
な・い【無い・亡い】🔗⭐🔉
な・い【無い・亡い】
〔形〕[文]な・し(ク)
①人・物・事が存在しない。口語では動きを意識したものの不在は「いない」ともいう。古事記上「僕あは邪きたなき心―・し」。万葉集18「あしひきの山は―・くもが月見れば同じき里を心隔てつ」。源氏物語初音「曇り―・き池の鏡」。「神も仏も―・い」「見たことが―・い」「効果が―・い」「締切りまで5日と―・い」
②持たない。備えていない。万葉集15「心―・き鳥にそありける霍公鳥」。「金の―・い人」「住む家も―・い」「彼には威厳が―・い」
③留守である。不在である。万葉集9「君―・くはなぞ身よそはむ櫛笥くしげなる黄楊つげの小櫛も取らむとも思はず」。古今和歌集雑「老いらくの来むと知りせば門さして―・しと答へて逢はざらましを」
④《亡》すでに死んでこの世にいない。万葉集3「吾妹子が見し鞆の浦のむろの木は常世にあれど見し人そ―・き」。源氏物語桐壺「今は―・きひとと、ひたぶるに思ひなりなむ」。「―・き父を思う」
⑤またとない。類がない。十訓抄「麗景殿の女御の女房なり。―・きすき者にて、朝夕琴をさしおく事なかりけり」
⑥不必要なこと、あってはならないことをいう。「今さら泣くことは―・い」「ここで、帰ることは―・い」
⑦(形容詞・助動詞の連用形、またはそれらに助詞「は」「も」を伴ったものなどに付いて)
㋐否定の意を表す。…ない。源氏物語柏木「年ごろ下の心こそいとねんごろに深くも―・かりしか」。平家物語2「我身もつきせぬもの思ひにたへしのぶべうも―・し」。「見たくも―・い」
㋑(疑問の助詞「か」を伴い、「―・いか」の形で)相手に同意かどうか問いかける。「前に言ったことが―・いか」「面白く―・いか」
→ない(助動詞)
⇒無いが意見の総仕舞
⇒無い図
⇒無い袖は振れぬ
⇒無い腹を探られる
⇒無いもせぬ
⇒無い物食おう
⇒無きにしも非ず
⇒無きになす
⇒無くて七癖有って四十八癖
○無いが意見の総仕舞ないがいけんのそうじまい🔗⭐🔉
○無いが意見の総仕舞ないがいけんのそうじまい
財産を使い果たした時には放蕩や道楽もやみ、意見をする必要も無くなる。
⇒な・い【無い・亡い】
ないがいじん‐びょうどう‐しゅぎ【内外人平等主義】‥グワイ‥ビヤウ‥
私法上の取扱いにつき、外国人も内国人と平等に権利能力を有するとする主義。
⇒ない‐がい【内外】
○無い図ないず🔗⭐🔉
○無い図ないず
今までにない図柄。世の中にない図柄。転じて、珍しいこと。破天荒。前代未聞のこと。浮世草子、好色由来揃「下京の者と見えて―な男」
⇒な・い【無い・亡い】
ない‐すい【内水】
①国家の領域にある水域の一つ。国内の河川・湖沼・運河や港・湾・内海などの類。
②堤内地にたまった流水・雨水などのこと。
⇒ないすい‐せん【内水船】
⇒ないすい‐はんらん【内水氾濫】
⇒ないすいめん‐ぎょぎょう【内水面漁業】
ないすい‐せん【内水船】
常時、内水区域を航行する船舶。
⇒ない‐すい【内水】
ないすい‐はんらん【内水氾濫】
堤内地の排水機能の低下による内水2の氾濫。一般に、浸水深は小さく時間も短いが、被害額が大きい。
⇒ない‐すい【内水】
ないすいめん‐ぎょぎょう【内水面漁業】‥ゲフ
河川・湖沼などの内水面で行う漁業。↔海面漁業
⇒ない‐すい【内水】
ナイス‐ミドル
(和製語nice middle)魅力的な中年男性。
⇒ナイス【nice】
ナイセ【Neisse】
ドイツとポーランドの国境を流れるオーデル川の支流。
ない‐せい【内生】
内部に生ずること。また、心の中の働き。
⇒ないせい‐きんこん【内生菌根】
ない‐せい【内政】
①国内の政治。また、国内行政。↔外政。
②後宮の取締り。
③家政。
⇒ないせい‐かんしょう【内政干渉】
ない‐せい【内省】
①深く自己をかえりみること。反省。「冷静に自己を―する」「―的」
②〔心〕(→)内観に同じ。
ないせい‐か【内製化】‥クワ
社外に委託していた生産や工程の一部を、自社内で行うようにすること。
ないせい‐がいおう【内聖外王】‥グワイワウ
⇒だいせいがいおう
ない‐せいかつ【内生活】‥クワツ
心の内面に関する生活。精神的生活。夏目漱石、こゝろ「私の―に取つてほとんど関係のないのと一般でした」
ないせい‐かんしょう【内政干渉】‥セフ
一国家または数国家が、他の国の政治・外交などに口出しして、その主権を束縛・侵害すること。
⇒ない‐せい【内政】
ないせい‐きんこん【内生菌根】
菌根の一形態。根の組織の内部に菌糸が入り込んだもの。ランなどにみられる。
⇒ない‐せい【内生】
ない‐せき【内戚】
父方の親族。ないしゃく。↔外戚げしゃく
ない‐せき【内積】
〔数〕二つのベクトル
、
のなす角をθとするとき、ABcosθ(A、Bは
、
の大きさ)を
、
の内積という。ふつう
・
と表す。ゼロ‐ベクトルでない二つのベクトルが直交するための必要十分条件は、それらの内積が0となることである。スカラー積。
ない‐せつ【内接・内切】
〔数〕
①多角形の各辺がその内部にある一つの円に接する時、その円は多角形に内接するといい、また、多角形の各頂点が同一円周上にある時、その多角形は円に内接するという。↔外接。
②一つの円が全く他の円の内部にあって、その円周上の一点において接線を共有すること。
⇒ないせつ‐えん【内接円】
⇒ないせつ‐たかっけい【内接多角形】
ないせつ‐えん【内接円】‥ヱン
円・多角形などの内部にあってこれに内接する円。↔外接円。
⇒ない‐せつ【内接・内切】
ないせつ‐たかっけい【内接多角形】‥カク‥
一つの円または多角形内にあって、各頂点がその円周上または辺上にある多角形。↔外接多角形
⇒ない‐せつ【内接・内切】
ない‐せん【内宣】
内侍宣ないしせんの略。
ない‐せん【内戦】
国内での戦争。特に、内乱。
ない‐せん【内線】
①内部の線。
②構内の電話線。官庁・会社などの内部間で通ずる電話。「―番号」↔外線。
⇒ないせん‐さくせん【内線作戦】
ない‐ぜん【内膳】
内膳司の略。
⇒ないぜん‐し【内膳司】
⇒ないぜん‐や【内膳屋】
ないせん‐さくせん【内線作戦】
軍隊が敵に包囲され、または挟撃されるような位置にあって作戦すること。↔外線作戦
⇒ない‐せん【内線】
ないせん‐し【内染司】
律令制で、宮内省に属し、供御くごの染物をつかさどった役所。のち中務なかつかさ省縫殿ぬいどの寮に併合。うちのそめもののつかさ。
ないぜん‐し【内膳司】
律令制で、宮内省に属し、天皇の食事の調理・試食をつかさどった役所。長官は二人で奉膳ぶうぜんといい、高橋・安曇あずみ両氏の者が任ぜられ、他氏が長官の場合は内膳正ないぜんのかみ・ないぜんのしょうを称した。その下に典膳・膳部などがいる。うちのかしわでのつかさ。
⇒ない‐ぜん【内膳】
ないぜん‐や【内膳屋】
内膳司の中で、かまどを置いて天皇の食物を調理した所。
⇒ない‐ぜん【内膳】
ない‐そ【乃祖】
⇒だいそ
ない‐そ【内訴】
内密に訴えること。鎌倉時代、訴訟に際し、幕府執権もしくは六波羅探題に対して内々に上訴すること。
ない‐そう【内争】‥サウ
内部であらそうこと。また、内部のあらそい。うちわもめ。内訌。
ない‐そう【内奏】
①内密に奏聞すること。
②後宮から天皇に奏聞して事を取り計らうこと。また、奥向きに取り入って奏聞すること。
ない‐そう【内装】‥サウ
建築物などの、内部の設備・装飾。また、それらを整える作業。「―工事」
ない‐そう【内層】
内部の層。↔外層
ない‐ぞう【内蔵】‥ザウ
①内部に持っていること。「ストロボ―カメラ」
②宮中の倉庫。うちくら。
ない‐ぞう【内臓】‥ザウ
高等脊椎動物の胸腔と腹腔内とにある諸器官の総称。すなわち呼吸器・消化器・泌尿器など。広義には動物の体腔内(主に胴部内)にある器官の総称。
内臓
頸動脈
肋骨
胆嚢
肝臓
胃
小腸
大腸
大静脈
腎臓
十二指腸
肺
心臓
脾臓
膵臓
直腸
膀胱
⇒ないぞう‐かんかく【内臓感覚】
⇒ないぞう‐しぼう【内臓脂肪】
ないぞう‐かんかく【内臓感覚】‥ザウ‥
(→)臓器感覚に同じ。
⇒ない‐ぞう【内臓】
ないぞう‐しぼう【内臓脂肪】‥ザウ‥バウ
内臓の周囲に貯えられた脂肪。増えすぎると生活習慣病を引き起こしやすい。
⇒ない‐ぞう【内臓】
ないそう‐ほう【内挿法】‥サフハフ
〔数〕(→)補間法に同じ。
ない‐そく【内則】
内部の規則。内規。
ない‐ぞく【内属】
①外国が属国として服従すること。また、外国人が来住して服従すること。
②〔哲〕(inherence)実体とそれに含まれる諸性質との関係。たとえば「白い」という性質は「雪」という事物に内属する。









○無い袖は振れぬないそではふれぬ🔗⭐🔉
○無い袖は振れぬないそではふれぬ
ないものはどうしようもない。力になってやりたいが、資力がなくてはどうしようもない。「無い袖は振られぬ」とも。
⇒な・い【無い・亡い】
ない‐そん【内孫】
⇒うちまご
ない‐そん【内損】
酒などで内臓をこわすこと。根無草後編「袖の梅(吉原の薬の名)を楯に突いて―をするがごとし」
ない‐ぞん【内存】
考え。存念。〈日葡辞書〉
ナイター
(和製語nighter)夜間試合。主に野球でいう。ナイトゲーム。
ない‐たい【内帯】
①湾曲した山脈や弧状列島の凹側の地帯。
②日本列島の中央構造線より日本海側の部分。すなわち中部地方、近畿地方の中北部から中国地方、四国北部、九州中北部を含む地帯。↔外帯
ない‐だい【内題】
書物の表紙にではなく、扉、序文・目次・本文の初めや終りなどに記してある題名。狭義には本文の初めにある題名(首題)をいう。↔外題げだい
ない‐たいかく【内対角】
〔数〕図形の内角のうち、何らかの意味で対応する二つの角。例えば、三角形で一つの外角αに対してこれに相接しない内角βとγをいう。
内対角
ない‐だいじん【内大臣】
①令外りょうげの官の一つ。常時、天皇を補佐し、左右大臣に次ぐ。669年の藤原鎌足が最初。奈良末期に復活、平安中期より員外の大臣として常置。うちのおおまえつぎみ。うちのおとど。
②1885年(明治18)内閣制度創設の時、宮中に設けられた重職。天皇の側近に奉仕して皇室・国家の事務について常侍輔弼ほひつの任に当たり、御璽・国璽を保管し、詔書・勅書、その他内廷の文書および請願に関する事務をつかさどった。1945年廃止。内府。
ないたがし‐けいやく【名板貸契約】
自己の氏名や商号を使用して営業することを他人に許諾する契約。名義貸契約。看板貸契約。
ない‐だく【内諾】
内々の承諾。「―を得る」
ない‐たつ【内達】
内々の達し。非公式に知らせること。
ない‐たん【内探】
内々にさぐること。内偵。
ない‐だん【内談】
①内密に話し合うこと。密談。「―の内容が漏れる」
②内々の相談。下相談。西鶴織留1「夫婦―して…せつかくかせぎて」
③中世、幕府の部局などにおける会議の名称。引付内談・政所内談など。
⇒ないだん‐はじめ【内談始】
ないだん‐はじめ【内談始】
室町幕府で、年頭や将軍襲職の時に、政所まんどころなどの部局の頭人以下が参集して行う儀式。
⇒ない‐だん【内談】
ない‐ち【内地】
①一国の領土内。版図内。国内。
②一国の領土内で、新領土または島地以外の地。日本で、もと朝鮮・台湾・樺太(サハリン)などを除いた領土を指した。↔外地。
③北海道や沖縄からみて、本州などを指して言った語。
④海岸から遠ざかった内部の土地。内陸。
⇒ないち‐ざっきょ【内地雑居】
⇒ないち‐まい【内地米】
⇒ないち‐りゅうがく【内地留学】
ない‐ち【内治】
①国内の政治。↔外交。
②奥向きの統治。
ないち‐ざっきょ【内地雑居】
(明治前期の語)外国人に対して、居留地を特に定めずに、自由に国内に住まわせること。中江兆民、警世放言「―佳し、土地所有権佳し、沿海貿易佳し…」
⇒ない‐ち【内地】
ないち‐まい【内地米】
日本国内産の米。↔外米がいまい。
⇒ない‐ち【内地】
ない‐ちょう【内朝】‥テウ
宮中で、天子の居る室。
ない‐ちょう【内寵】
君主が内々寵愛すること。また、そのもの。君主のお気に入り。主として妾などにいう。
ない‐ちょく【内勅】
内密のみことのり。
ないち‐りゅうがく【内地留学】‥リウ‥
学校・大学・官庁・企業などの職員が現職のまま、一定期間国内の大学・研究所などに出向いて勉学・研修・研究に従事すること。
⇒ない‐ち【内地】
ない‐ちん【内陳】
内々に陳述すること。
ナイチンゲール【nightingale】
スズメ目ツグミ科の鳥。ヨーロッパの中部から南西部に分布。小形で低木林に多く、春夏には早朝・薄暮または月明の夜などに鳴く。ウグイスと訳されることが多いが、コマドリに近縁。サヨナキドリ。ヨナキウグイス。
ナイチンゲール【Florence Nightingale】
イギリスの看護婦。フィレンツェ生れ。クリミア戦争に際し多くの看護婦を率いて傷病兵の看護に当たり、「クリミアの天使」と呼ばれた。看護学校を創設するなど、近代的看護を確立。(1820〜1910)
⇒ナイチンゲール‐きしょう【ナイチンゲール記章】
ナイチンゲール‐きしょう【ナイチンゲール記章】‥シヤウ
赤十字国際委員会が選考したすぐれた看護師に対して与えられる記章。1920年制定。
⇒ナイチンゲール【Florence Nightingale】
ない‐つう【内通】
①味方がひそかに敵に通ずること。内応。うらぎり。「敵に―する」
②内々に通知すること。内報。
③男女の密通。私通。
ない‐つうじ【内通事・内通詞】
江戸時代、長崎の唐とう通事・和蘭オランダ通詞の階級の一つ。唐人屋敷または出島でじまで取引の通訳にあたった者。
ないで
(成立未詳。助動詞ナイの連用形とする説、助動詞ナイに助詞テが付いたものとする説などがある)否定して軽く中止したり、依頼の意を表したりするのに用いる。雑兵物語「敵に会は―死なない時は」。「二度とし―」
ない‐てい【内廷】
宮廷の内部。↔外廷。
⇒ないてい‐ひ【内廷費】
ない‐てい【内定】
内々に定めること、定まっていること。また、その決定。「採用―」
ない‐てい【内庭】
なかにわ。うちにわ。
ない‐てい【内偵】
内密に探偵すること。ひそかにさぐること。内探。「敵情を―する」
ないてい‐ひ【内廷費】
皇室費の一つ。天皇家の生活費として国庫から毎年定額を支出するもの。御手元金となり、宮内庁で経理する公金ではない。→宮廷費→皇族費
⇒ない‐てい【内廷】
ない‐てき【内的】
内部に関するさま。精神面に関するさま。内部的。内面的。「―な問題で悩む」↔外的。
⇒ないてき‐せいかつ【内的生活】
ないてき‐せいかつ【内的生活】‥クワツ
精神生活。内面生活。
⇒ない‐てき【内的】

ないない‐づくし【無い無い尽し】🔗⭐🔉
ないない‐づくし【無い無い尽し】
あれもない、これもないという状態。ないものだらけ。
○無い腹を探られるないはらをさぐられる🔗⭐🔉
○無い腹を探られるないはらをさぐられる
身に覚えのない事で疑いをかけられる。痛くもない腹を探られる。
⇒な・い【無い・亡い】
ないばら‐を‐たつ【無い腹を立つ】
さほどにもないことに腹を立てる。むかっぱらを立てる。一説に、「泣い腹を立つ」で、泣いて腹を立てる意とする。大鏡伊尹「やがて馬の上にて、ない腹を立ちて、見かへるままに」
ないはん‐そく【内反足】
〔医〕(→)内翻足ないほんそくに同じ。
ない‐ひ【内皮】
①内側の皮。↔外皮。
②植物の組織の皮層と中心柱の間の1列の細胞層。根に発達し、細胞壁は厚く木化し、水分・空気を通さず、保護作用に当たる。所々に細胞壁の薄い通過細胞があって内外の連絡を行う。
③動物の血管・心臓などの内腔壁をおおう組織。
ない‐ひょう【内評】‥ヒヤウ
内々の評判または批評・評議。
ない‐ひょうじょう【内評定】‥ヒヤウヂヤウ
①内々でする評定。
②室町時代、政所まんどころ・問注所で正月に行われた評定始の儀式。
ない‐ふ【内付】
①その国に来て服従すること。服属。
②そのもの自体に備わっていること。内在。
ない‐ふ【内府】
(ダイフとも)
①貢物や兵器を収める宮中の倉庫。
②内大臣の別称。
ナイフ【knife】
①西洋式の小刀。
②特に、洋食の食卓用小刀。
⇒ナイフ‐エッジ【knife-edge】
⇒ナイフがた‐せっき【ナイフ形石器】
ない‐ぶ【内部】
①内の部分。うちがわ。
②その組織の中。「―の事情」↔外部。
⇒ないぶ‐エネルギー【内部エネルギー】
⇒ないぶ‐かんかく【内部感覚】
⇒ないぶ‐かんきょう【内部環境】
⇒ないぶ‐かんさ【内部監査】
⇒ないぶ‐きせい【内部寄生】
⇒ないぶ‐きんゆう【内部金融】
⇒ないぶ‐けいざい【内部経済】
⇒ないぶ‐けんせい‐そしき【内部牽制組織】
⇒ないぶ‐こうさく【内部工作】
⇒ないぶ‐こうでんこうか【内部光電効果】
⇒ないぶ‐こくはつ【内部告発】
⇒ないぶしゃ‐とりひき【内部者取引】
⇒ないぶ‐しょうがい‐しゃ【内部障害者】
⇒ないぶ‐ていこう【内部抵抗】
⇒ないぶ‐は【内部波】
⇒ないぶ‐まさつ【内部摩擦】
⇒ないぶ‐りゅうほ【内部留保】
⇒ないぶ‐ろうどう‐しじょう【内部労働市場】
ナイフ‐エッジ【knife-edge】
剃刀かみそりのように鋭く痩せた山稜。ナイフリッジ。
⇒ナイフ【knife】
ないぶ‐エネルギー【内部エネルギー】
熱平衡状態にある系が持つエネルギーの総量。すなわち、系を構成する各分子のエネルギーと、分子相互間の位置エネルギーなどを加えたもの。物体が全体として移動する運動エネルギーや外力に対する位置エネルギーは含まれない。
⇒ない‐ぶ【内部】
ナイフがた‐せっき【ナイフ形石器】‥セキ‥
剥片の鋭い縁辺の一部を刃とした石器。日本の旧石器時代後半の代表的な石器。
ナイフ形石器
⇒ナイフ【knife】
ないぶ‐かんかく【内部感覚】
身体内部の感覚。すなわち運動感覚・平衡感覚および内臓感覚の総称。
⇒ない‐ぶ【内部】
ないぶ‐かんきょう【内部環境】‥クワンキヤウ
〔生〕生物体を外界から包む外部環境に対し、生体の組織・細胞を浸し、その活動を内部的に支えている媒液たる体液部分をいう。C.ベルナールが最初に提唱し、内部環境の恒常性(ホメオスタシス)の重要性を説いた。
⇒ない‐ぶ【内部】
ないぶ‐かんさ【内部監査】
監査主体が被監査組織の内部者である場合の監査。株式会社では一般に監査役による監査をいう。↔外部監査。
⇒ない‐ぶ【内部】
ないぶ‐きせい【内部寄生】
寄生生物が宿主動物の体内すなわち消化管その他の内臓や血管・筋肉などに寄生すること。↔外部寄生。
⇒ない‐ぶ【内部】
ないぶ‐きんゆう【内部金融】
企業が必要な資金を、減価償却積立金や社内留保の利用など企業の内部で調達すること。↔外部金融。
⇒ない‐ぶ【内部】
ない‐ふく【内服】
薬を飲むこと。内用。「―薬」
⇒ないふく‐ワクチン【内服ワクチン】
ない‐ふく【内福】
うわべにはさほどに見えなくて、内実は裕福なこと。内証の裕福なこと。「―な家庭」
ないふく‐ワクチン【内服ワクチン】
経口免疫に用いるワクチンで、飲んで予防効果を得ようとするもの。小児麻痺(ポリオ)などに使用。
⇒ない‐ふく【内服】
ないぶ‐けいざい【内部経済】
個々の企業が新しい機械設備の導入や経営能率の増進などによって生産費を低下させ利益を得ること。↔外部経済。
⇒ない‐ぶ【内部】
ないぶ‐けんせい‐そしき【内部牽制組織】
会社などで、日常の業務執行の過程で生ずる誤謬や不正を業務の分担によって防止できるように図る組織。例えば、売掛金の回収を、出納課・販売課・会計課で記帳させ、その記録を照合することによって誤記入などを防止する。
⇒ない‐ぶ【内部】
ないぶ‐こうさく【内部工作】
ある目的のために、組織の内部の人にひそかに働きかけること。
⇒ない‐ぶ【内部】
ないぶ‐こうでんこうか【内部光電効果】‥クワウ‥カウクワ
(→)光ひかり伝導に同じ。
⇒ない‐ぶ【内部】
ないぶ‐こくはつ【内部告発】
企業や団体の隠された不正などを、組織内部の人間が外部に明らかにし訴えること。
⇒ない‐ぶ【内部】
ないぶしゃ‐とりひき【内部者取引】
(→)インサイダー取引に同じ。
⇒ない‐ぶ【内部】
ないぶ‐しょうがい‐しゃ【内部障害者】‥シヤウ‥
身体障害者福祉法に定められた障害者で、心臓・腎臓・呼吸器などの身体内部に障害をもつ者。
⇒ない‐ぶ【内部】
ない‐ぶつ【内仏】
①寺院で庫裏くりに安置した仏像。
②自分の居室に安置して信仰する仏。持仏。
ないぶ‐ていこう【内部抵抗】‥カウ
電池・電気機器・電気計器などの内部で端子間に存在する電気抵抗。
⇒ない‐ぶ【内部】
ないぶ‐は【内部波】
海洋内部に発生する波。海水の密度の変化に重力が作用して生じる。
⇒ない‐ぶ【内部】
ないぶ‐まさつ【内部摩擦】
①外部から物体に加えられた変形のエネルギーの一部が熱エネルギーに変化する現象。内耗。
②内部での軋轢あつれき。
⇒ない‐ぶ【内部】
ないぶ‐りゅうほ【内部留保】‥リウ‥
企業が、税引後利益から配当金や役員賞与などの社外流出額を差し引いて、残余を企業内に留保すること。また、留保された金額。社内留保。
⇒ない‐ぶ【内部】
ないぶ‐ろうどう‐しじょう【内部労働市場】‥ラウ‥ヂヤウ
一般の労働市場における労働力の需給ではなく、組織特有の規則・慣行などで賃金・昇進などが決まる場。企業など。↔外部労働市場
⇒ない‐ぶ【内部】
ない‐ふん【内紛】
内部のごたごた。うちわもめ。内訌ないこう。
ない‐ふん【内憤】
心中のいきどおり。
ない‐ぶん【内分】
①うちわけ。
②表沙汰にしないこと。「―に済ます」
③〔数〕一つの線分AB上に一点PをとりPA:PB=a:bとするとき、PはABをa:bに内分するという。↔外分
ない‐ぶん【内文】
内印を捺おした文書。うちぶみ。↔外文げぶん
ない‐ぶん【内聞】
①内々で聞くこと。非公式に高貴の人の耳に入ること。「―に達する」
②表沙汰にしないこと。内分。「ご―に願います」
ない‐ぶんぴ【内分泌】
⇒ないぶんぴつ
ない‐ぶんぴつ【内分泌】
各種の腺(内分泌腺)がその分泌物を導管によらないで直接体液または血液中に送り出すこと。もとはC.ベルナールがたてた概念。その分泌物はホルモン。ないぶんぴ。↔外分泌。
⇒ないぶんぴつ‐かくらん‐ぶっしつ【内分泌攪乱物質】
⇒ないぶんぴつ‐きかん【内分泌器官】
⇒ないぶんぴつ‐せん【内分泌腺】
ないぶんぴつ‐かくらん‐ぶっしつ【内分泌攪乱物質】
生体に性ホルモンと類似した作用をもたらす化学物質。DDT・PCB・ビスフェノールAなど。環境ホルモン。
⇒ない‐ぶんぴつ【内分泌】
ないぶんぴつ‐きかん【内分泌器官】‥クワン
(→)内分泌腺に同じ。
⇒ない‐ぶんぴつ【内分泌】
ないぶんぴつ‐せん【内分泌腺】
内分泌、すなわちホルモン分泌を行う腺。脊椎動物の脳下垂体・甲状腺・生殖腺・副腎、あるいは昆虫のアラタ体など。↔外分泌腺
⇒ない‐ぶんぴつ【内分泌】
ない‐へい【内嬖】
君主のお気に入りのそばめ。内寵。
ないへい‐せい【内閉性】
〔心〕自分自身のうちに閉じこもって現実に背を向ける性質。
ない‐へき【内壁】
①内部の障壁。うちがこい。
②壁の内側の面。
ない‐へん【内辺】
うちがわ。
ない‐へん【内変】
内部の変化。また、国内の変事。
ない‐へん【内編・内篇】
主に中国の書籍で、著述の中核をなす部分。残余の部分を外編がいへんという。「荘子―」
ない‐べん【内弁】
古代、即位または朝賀などの重要な節会せちえに、承明門内で諸事をつかさどった首席の公卿。門外で諸事を指揮した第二位の公卿を外弁げべんという。平家物語5「―外弁の公卿参列して」
ない‐ほう【内方】‥ハウ
①内部の方。うちがわ。
②他人の妻の尊敬語。内儀。内室。うちかた。宇津保物語楼上上「布留ふるの朝臣の―はわが伯母にいまそかりし宮なり」
ない‐ほう【内包】‥ハウ
①〔論〕(intension; connotation)概念の適用される範囲(外延)に属する諸事物が共通に有する徴表(性質)の全体。形式論理学上は、内包と外延とは、反対の方向に増減する。例えば、学者という概念は、哲学者・文学者・科学者・経済学者などの学者の全種類を包括するが、学者という概念に「哲学研究」という徴表を加えると、内包はそれだけ増加し、外延は反対に減少する。内容。
②内部に含み持つこと。
⇒ないほう‐りょう【内包量】
ない‐ほう【内法】‥ハフ
内側の寸法。うちのり。
ない‐ほう【内法】‥ホフ
他の宗教に対して、仏法の称。↔外法げほう
ない‐ほう【内報】
内々の知らせ。内密の通信。
ないほう‐りょう【内包量】‥ハウリヤウ
(intensive magnitude)同一種類のものを加えても大きさはふえず量的には意味のないもので強度の変化のみが問題となる量。例えば、熱で、これは温度計の装置によって外延量に翻訳される。↔外延量
⇒ない‐ほう【内包】
ナイポール【Vidiadhar Surajprasad Naipaul】
トリニダード‐トバゴ出身のイギリスの作家。インド系移民の子。「ミゲル‐ストリート」「物真似人間たち」「中間航路」「インド‐新しい顔」など。ノーベル賞。(1932〜)
ないほん‐そく【内翻足】
足首関節の異常のため、足が内向きに固定され、足の内側縁が挙がって足底が内側に向かっている状態。先天性と後天性とがある。内反足。
ない‐まく【内幕】
内部の事情。うちまく。
ない‐まく【内膜】
体内器官の内側の膜。「子宮―」
ない‐まぜ【綯い交ぜ】ナヒ‥
①綯いまぜること。「五色―の組紐」
②歌舞伎脚本用語。時代・人物などが異なった複数の脚本を混ぜ合わせて新しい狂言の筋を作ること。
ない‐ま・ぜる【綯い交ぜる】ナヒ‥
〔他下一〕[文]なひま・ず(下二)
①さまざまの色糸などをより合わせる。
②質のちがうものを混ぜ合わせる。「若手ベテラン―・ぜた作品展」
ナイマン【Naiman・乃蛮】
トルコ系の部族。10〜13世紀、アルタイ山脈の東西にわたって建国したが、1218年モンゴル軍によって討滅。
ない‐みつ【内密】
表向きにしないこと。内緒。「ご―に願います」
ない‐みょう【内明】‥ミヤウ
インドの学問分類で形而上学的思索をいう。仏教では、五明の一つで、仏教学を指す。
ない‐みょうぶ【内命婦】‥ミヤウ‥
律令制で、五位以上の女官。うちのみょうぶ。
ない‐む【内務】
①国内の政務。
②内務行政。すなわち、警察・土木・衛生・地方行政などに関する政務。
③軍隊で、兵舎内における日常生活に関する勤務。
⇒ないむ‐きょう【内務卿】
⇒ないむ‐しょう【内務省】
⇒ないむ‐だいじん【内務大臣】
⇒ないむ‐はん【内務班】
ないむ‐きょう【内務卿】‥キヤウ
1885年(明治18)官制改革前の内務省長官の称。
⇒ない‐む【内務】
ないむ‐しょう【内務省】‥シヤウ
警察・地方行政・選挙その他内務行政を管轄した中央官庁。1873年(明治6)設置、1947年廃止。福沢諭吉、丁丑公論「―設立の頃より政務は益ますます繁多にして」
⇒ない‐む【内務】
ないむ‐だいじん【内務大臣】
内務省の長官。内相。
⇒ない‐む【内務】
ないむ‐はん【内務班】
旧陸軍の兵営内における日常生活の単位。中隊が5〜6の内務班に分かれ、下士官が班長として統率した。
⇒ない‐む【内務】
ない‐め【泣い目】
(ナキメの音便)つらいめ。つらい思い。十訓抄「―を見すべし」
ない‐めい【内命】
内密の命令。表向きでない命令。「―を受ける」
ない‐めん【内面】
①内部に向いた面。うちがわの面。
②心理・心情に関する面。「―に動揺がある」↔外面。
⇒ないめん‐か【内面化】
⇒ないめん‐けんさくばん【内面研削盤】
⇒ないめん‐せいかつ【内面生活】
⇒ないめん‐てき【内面的】
⇒ないめん‐びょうしゃ【内面描写】
ないめん‐か【内面化】‥クワ
①表に現れないようになること。
②外から与えられた知識・価値観などを自らのものとして取り入れること。
⇒ない‐めん【内面】
ないめん‐けんさくばん【内面研削盤】
孔や円筒状のものの内面の研削仕上げを行う機械。内面研磨盤。
⇒ない‐めん【内面】
ないめん‐せいかつ【内面生活】‥クワツ
精神生活。内的生活。
⇒ない‐めん【内面】
ないめん‐てき【内面的】
内面に関するさま。精神面に関するさま。内的。
⇒ない‐めん【内面】
ないめん‐びょうしゃ【内面描写】‥ベウ‥
文学作品などで、人物の心理もしくは気分などの心的状態を描写すること。
⇒ない‐めん【内面】
ない‐もうこ【内蒙古】
モンゴルのゴビ砂漠以南の地。うちもうこ。
⇒ないもうこ‐じちく【内蒙古自治区】
ないもうこ‐じちく【内蒙古自治区】
⇒うちモンゴルじちく
⇒ない‐もうこ【内蒙古】

ないばら‐を‐たつ【無い腹を立つ】🔗⭐🔉
ないばら‐を‐たつ【無い腹を立つ】
さほどにもないことに腹を立てる。むかっぱらを立てる。一説に、「泣い腹を立つ」で、泣いて腹を立てる意とする。大鏡伊尹「やがて馬の上にて、ない腹を立ちて、見かへるままに」
○無いもせぬないもせぬ🔗⭐🔉
○無いもせぬないもせぬ
ありもせぬの意。ない。狂言、骨皮「やアら己は―事を言うて師匠に恥を与へをる」
⇒な・い【無い・亡い】
○無い物食おうないものくおう🔗⭐🔉
○無い物食おうないものくおう
その場にないものを食べたがる意で、わがままなことのたとえ。ない物ねだり。本朝二十不孝「―といひたいままに月日をかさね」
⇒な・い【無い・亡い】
ないもの‐ねだり【無い物ねだり】
そこにないものを無理を言ってほしがること。実現が難しいことを承知で求めること。
ない‐もん【内門】
内部にある門。
ない‐もん【内問】
内々に問うこと。また、内々の取調べ。
ない‐や【内野】
①野球場で、本塁・一塁・二塁・三塁を結ぶ正方形の区域内の称。インフィールド。ダイヤモンド。↔外野。
②1に面した観客席。内野席。
⇒ないや‐あんだ【内野安打】
⇒ないや‐しゅ【内野手】
ないや‐あんだ【内野安打】
野球で、内野に飛んだ打球が、走者の脚力や打球のコースによってヒットになったもの。
⇒ない‐や【内野】
ナイヤガラ【Niagara】
⇒ナイアガラ
ない‐やく【内約】
内々の約束。うちやくそく。「―を得る」
ない‐やく【内薬】
内服薬。
ないやく‐し【内薬司】
律令制で、中務なかつかさ省に属し、宮中で診療、薬香・薬の調合をつかさどった役所。うちのくすりのつかさ。
ないや‐しゅ【内野手】
野球で、内野を守る選手。すなわち一塁手・二塁手・三塁手・遊撃手。インフィールダー。↔外野手
⇒ない‐や【内野】
ない‐ゆ【内諭】
内々のさとし。
ない‐ゆう【内憂】‥イウ
①内部のうれえ。
②国内の心配事。
⇒ないゆう‐がいかん【内憂外患】
ないゆう‐がいかん【内憂外患】‥イウグワイクワン
国内の心配事と国際上の心配事。内外の憂患。宮崎三昧、指環「其の旧悪をさへ訐あばきて攻立つる―の裏合外応御念の入りたる仕合せに」。「―こもごも至る」
⇒ない‐ゆう【内憂】
ない‐よう【内用】
①内々の用事。うちわの用事。
②内服に用いること。「―薬」↔外用
ない‐よう【内洋】‥ヤウ
うちうみ。内海。↔外洋
ない‐よう【内容】
ある形をとって現れているものの中にある事柄や物。
①物の中身。「袋の―」
②事物・現象を成り立たせている実質や意味。「―のない議論」↔形式。
⇒ないよう‐きょうか【内容教科】
⇒ないよう‐ご【内容語】
⇒ないよう‐しょうめい【内容証明】
⇒ないよう‐の‐さくご【内容の錯誤】
⇒ないよう‐び【内容美】
⇒ないよう‐みほん【内容見本】
ない‐よう【内癰】
身体の内部に生ずる腫物。
ないよう‐きょうか【内容教科】‥ケウクワ
理科・社会科などのように知識内容の学習を主とする教科。形式教科に対する実質教科。↔用具教科。
⇒ない‐よう【内容】
ないよう‐ご【内容語】
〔言〕(content word)具体的な意味内容を表す語。名詞・動詞・形容詞など。→機能語。
⇒ない‐よう【内容】
ないよう‐しょうめい【内容証明】
郵便物特殊取扱の一種。郵便局において、書留郵便物にした文書の内容を謄本で証明すること、またその制度。
⇒ない‐よう【内容】
ないよう‐の‐さくご【内容の錯誤】
〔法〕表意者に意味内容の誤信がある意思表示。単なる保証のつもりで連帯保証と書いたような場合。
⇒ない‐よう【内容】
ないよう‐び【内容美】
芸術の内容に基づく美、すなわち主題・物語・感情・力など。↔形式美。
⇒ない‐よう【内容】
ないよう‐みほん【内容見本】
商品の宣伝物として、実物の内容がわかるように作ったパンフレット。
⇒ない‐よう【内容】
ない‐よりあい【内寄合】‥アヒ
⇒うちよりあい
ない‐ら【内羅】
馬の内臓の病。転じて猫などにもいう。日葡辞書「ナイラク(内羅苦)」。誹風柳多留8「読めまいと―薬に馬を書き」
ないらい‐し【内礼司】
律令制で、中務なかつかさ省に属し、宮中の礼儀・非違検察をつかさどった役所。のち弾正台に併合。うちのいやのつかさ。
ない‐らん【内乱】
①国内の騒乱。
②一国内における政府と反政府勢力との兵力による闘争。国際法上の戦争ではないが、交戦団体の承認をうけると国際法上の戦争とみなされ、戦争法規が適用される。
⇒ないらん‐ざい【内乱罪】
ない‐らん【内覧】
①内々で見ること。内見。「―に供する」
②摂政・関白または特に宣旨せんじを受けた大臣が、天皇に奏上すべき公文書を内見し、政務を代行すること。また、摂政関白に準ずる職。平家物語3「―の宣旨蒙らせ給ひたりしをこそ」
⇒ないらん‐かい【内覧会】
ないらん‐かい【内覧会】‥クワイ
①展覧会・即売会などの一般公開に先立って、限られた人だけにあらかじめ見せるために開かれる会。
②新築の建物が引き渡される前に、施主の行う検査。
⇒ない‐らん【内覧】
ないらん‐ざい【内乱罪】
国家の基本的統治機構を変革する目的で暴動を起こす罪。暴力革命を犯罪としたもの。
⇒ない‐らん【内乱】
な‐いり【名入り】
品物に名前が入っていること。「―の手ぬぐい」
ないり【泥犂・泥梨】
〔仏〕(梵語niraya)地獄。日葡辞書「ナイリノソコニシヅム」
ない‐りく【内陸】
(「大陸の内地」の意)海岸地帯に対し、海より遠く離れた地帯をいう。時には大陸と同義にも用いる。
⇒ないりく‐うんが【内陸運河】
⇒ないりく‐かせん【内陸河川】
⇒ないりく‐こうぎょう‐ちたい【内陸工業地帯】
⇒ないりくせい‐きこう【内陸性気候】
ないりく‐うんが【内陸運河】
内陸輸送に利用する運河。
⇒ない‐りく【内陸】
ないりく‐かせん【内陸河川】
内陸にあって海に注がない河川。
⇒ない‐りく【内陸】
ないりく‐こうぎょう‐ちたい【内陸工業地帯】‥ゲフ‥
海に面していない地域に発達した工業地帯。食品・繊維・精密機械工業などに見られる。↔臨海工業地帯。
⇒ない‐りく【内陸】
ないりくせい‐きこう【内陸性気候】
(→)大陸気候に同じ。
⇒ない‐りく【内陸】
ない‐りつ【内率】
〔数〕(→)内項ないこうに同じ。↔外率
ない‐りょう【内療】‥レウ
内科の治療。↔外療
ない‐りょく【内力】
①物体系・質点系などで系内の物体・質点相互間に働く力。↔外力。
②連続物体内では応力おうりょくと同義。
ない‐りん【内輪】
①内側の輪。円形の内側。
②カーブを曲がるとき内側になる車輪。
⇒ないりん‐さ【内輪差】
⇒ないりん‐ざん【内輪山】
ないりん‐さ【内輪差】
自動車がカーブを曲がるとき、内側の前輪と後輪の通る軌跡の差。
⇒ない‐りん【内輪】
ないりん‐ざん【内輪山】
中央火口丘の俗称。
⇒ない‐りん【内輪】
ナイル【Nile】
アフリカ大陸北東部を北流する世界最長の大河。ヴィクトリア湖西方の山地に発源、同湖とアルバート湖とを経、白ナイルと呼ばれて北流、南スーダンを過ぎ、ハルツーム付近で東方エチオピア高原から流下する青ナイルと合して、エジプトを貫流し、地中海に注ぐ。長さ6650キロメートル。下流域は灌漑による農業地帯で、古代文明発祥の地。
白ナイル・青ナイル合流点付近
撮影:小松義夫
ナイル
提供:NHK
な‐いれ【名入れ】
贈答用の品物に記念の言葉や名前を印刷・刺繍すること。
ナイロビ【Nairobi】
アフリカ東部、ケニア共和国の首都。内陸の高地にある。人口265万7千(2003)。
ナイロビ(1)
撮影:田沼武能
ナイロビ(2)
撮影:小松義夫
ナイロン【nylon】
元来はアメリカの化学者カロザースが発明しデュポン社から発売された合成繊維の商標名。現在はポリアミド系の合成高分子化合物の総称。ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との重縮合によりできるものをナイロン66、カプロラクタムの重合によりできるものをナイロン6という。絹に似た光沢をもつ、強度の高い合成繊維として、また各種の成型品として広く用いられる。「―の靴下」
ない‐ろんぎ【内論議】
⇒うちろんぎ
ない‐わくせい【内惑星】
軌道が地球の軌道の内方にある惑星。すなわち、水星・金星。内遊星。↔外惑星
ナイン【nein ドイツ】
いいえ。いや。英語のノーに当たる。
ナイン【nine】
①9。ここのつ。
②9人から成る一組。野球の1チーム。
ナウ【now】
(昭和後期の流行語)いまふうであるさま。現代の好みに合いスマートなさま。「―な生き方」
な・う【綯う】ナフ
〔他五〕
数本の糸・ひも・わらなどを、よりあわせて1本にする。あざなう。よる。〈類聚名義抄〉。「縄を―・う」
なうナフ
〔助動〕
(上代東国方言。否定の助動詞ナイの原形という。活用「なは・〇・なふ・なへ・なへ・〇」)否定を表す。…ない。万葉集14「夫せろにあはなふよ」「昼解けば解けなへ紐の」
な・うナフ
〔接尾〕
名詞・形容詞語幹などに付いて五段または下二段動詞をつくり、その行為をする意を表す。「あま(和)―・ふ」「あき(商)―・う」「とも(伴)―・う」
ナヴァーイー【Mīr ‘Alī Shīr Navā'ī】
中央アジアのティムール朝時代の政治家・文人。トルコ語の文学語としての地位確立に貢献。中央アジアのトルコ系諸民族から文化的英雄として尊崇される。(1440頃〜1501)
ナヴァホ【Navaho】
アメリカ合衆国南西部、アリゾナ・ニュー‐メキシコ・ユタ・コロラドの各州などに住む先住民の一民族。人口はアメリカの先住民のなかで最多。言語はアサバスカ語族のアパッチ語派に属する。織物や銀細工が有名。
ナウ・い
〔形〕
(nowを形容詞化した俗語)いまふうである。流行の先端をいっている。
なうけ‐にん【名請人】
江戸時代、耕地の所持者として検地帳にその名を記載され、年貢負担者とされた農民。名請百姓。→本ほん百姓
ナウシカア【Nausikaa】
「オデュッセイア」に登場する乙女。難破したオデュッセウスを助け、父王の宮殿に導く。
な‐うて【名うて】
名高いこと。評判の高いこと。名代なだい。浮世風呂4「おちやつぴいと―の子もり」
ナウマン【Edmund Naumann】
ドイツの地質学者。1875年(明治8)日本政府の招きで来日、東京開成学校・東京帝国大学で地質学を講じた。化石の研究のほか、日本列島の地質構造を調べて、フォッサ‐マグナを境に東北日本と西南日本とに分け、後者を中央構造線によって内帯と外帯とに分けた。(1854〜1927)
⇒ナウマン‐ぞう【ナウマン象】
ナウマン‐ぞう【ナウマン象】‥ザウ
(Naumann's elephant)絶滅した化石ゾウ類(長鼻目)の一つ。約30万年前から約1万5000年前まで、日本および東アジアに生息。日本では最も多産する化石ゾウ類。マンモスよりやや暖かい地域で繁栄した。その化石を最初に研究したナウマンに因む名。
ナウマン象
提供:国立科学博物館
⇒ナウマン【Edmund Naumann】
な‐うら【名裏】
「名残なごりの裏」の略。↔名表
ナウル【Nauru】
南太平洋、ギルバート諸島西方の小島。1968年、国連信託統治領から共和国として独立。リン鉱石を産出。面積21平方キロメートル。人口1万2千(2001)。首都ヤレン。→オセアニア(図)
なえ
(ナヰの転)地震。日葡辞書「ナエガユ(揺)ル」
なえ【苗】ナヘ
①㋐種子から発芽して間のない幼い植物。特に、移植前の幼い植物の称。狭義には、草本植物のものを「苗」、木本植物のものを「苗木」という。
㋑広義には(→)種苗のこと。
②早苗さなえ。万葉集14「上毛野かみつけの佐野田の―」
③(→)苗色の略。
なえ‐いみ【苗忌】ナヘ‥
稲の苗をとることを忌むこと。また、その日。播種後49日目をいうことが多い。
なえ‐いろ【苗色】ナヘ‥
染色の名。薄い萌葱もえぎ色。また、青の黄ばんだ色。
Munsell color system: 4.5GY7/5
なえ‐うち【苗打ち】ナヘ‥
田植の際に適量の苗束を田へ投げて配ること。また、その役。
なえ‐うり【苗売】ナヘ‥
野菜や草花の苗を売り歩く人。初夏、茄子なす・瓜・朝顔などの苗を呼び声高く売り歩いた。〈[季]夏〉
なえ‐ぎ【苗木】ナヘ‥
樹木の苗。移植するために育てる幼い木。
⇒なえぎ‐いち【苗木市】
なえぎ‐いち【苗木市】ナヘ‥
3〜4月頃、社寺の縁日などに立つ、庭木や果樹の苗木を売る市。〈[季]春〉
⇒なえ‐ぎ【苗木】
なえ・ぐ【蹇ぐ】ナヘグ
〔自四〕
足が不自由で正常な歩行ができない。びっこをひく。蜻蛉日記中「―・ぐ―・ぐと見えたりしは何事にかありけむ」
なえ‐くさ【苗草】ナヘ‥
①草本の苗。
②苗代田に稲の種をまく時に敷く草。為忠百首「―を山田の小田に刈りしきて」
なえ‐ごえ【苗肥】ナヘ‥
(→)緑肥に同じ。
なえ‐じゃく【苗尺】ナヘ‥
(→)苗標なえじるしに同じ。
なえ‐しょうぞく【萎装束】‥シヤウ‥
⇒なえそうぞく
なえ‐じるし【苗標】ナヘ‥
播種の終わった苗代に挿す樹枝。竹・楊やなぎ・萱かやなどの枝を用いる。地方によって、苗尺なえじゃく・苗棒なえぼう・苗忌竹なえみたけ・苗代男なわしろおとこ・種棒たなんぼうなどと呼ぶ。
なえ‐しろ【苗代】ナヘ‥
⇒なわしろ
なえ‐そうぞく【萎装束・柔装束】‥サウ‥
平安末期まで行われた、なよやかな装束。冠・袍・下襲したがさね・直衣のうしなどの生地がやわらかく、服装の輪郭がなだらかなもの。うちなし。なえしょうぞく。↔強装束こわそうぞく
なえ‐だて【苗立て】ナヘ‥
(→)「苗開き」に同じ。
なえ‐で【苗手】ナヘ‥
稲の苗を束ねるわら。特に念入りに扱われた。のうで。
なえ‐とお・る【萎え通る】‥トホル
〔自四〕
上から下まで全体がなえてくたくたになる。宇治拾遺物語5「―・りたる衣に」
なえ‐どこ【苗床】ナヘ‥
野菜・花卉かき類・樹木などの苗を育成する場所。冷床・温床の2種がある。
なえとり‐うた【苗取歌】ナヘ‥
農民が苗代なわしろから苗を取り、またそれを整理する時に歌う民謡。田植歌の類。
なえ‐なえ【萎え萎え】
なえてくたくたになるさま。
なえば‐さん【苗場山】ナヘ‥
新潟県南部、長野県境にある成層火山。標高2145メートル。山頂部は高層湿原。豪雪地で山麓はスキー場として知られる。なえばやま。
苗場山
提供:オフィス史朗
なえ‐はた【苗畑】ナヘ‥
苗木を育てる畑。苗圃びょうほ。
なえ‐ば・む【萎えばむ】
〔自四〕
衣服などがなえかかる。なえる。枕草子236「衵あこめどもの…―・みたる」
なえ‐びらき【苗開き】ナヘ‥
苗代の種まきから33日目に初めて行う田植。初はつ田植。なえだて。
なえ‐ぶね【苗舟】ナヘ‥
泥深い水田で、田植をする際につかう小舟。田舟。
なえ‐ぼう【苗棒】ナヘバウ
(→)苗標なえじるしに同じ。
なえ‐ま【苗間】ナヘ‥
(関東・中部地方で)苗代なわしろ。
なえみ‐たけ【苗忌竹】ナヘ‥
(→)苗標なえじるしに同じ。
なえ‐やか
(→)「なよよか」に同じ。
な・える【萎える】
〔自下一〕[文]な・ゆ(下二)
①気力・体力がぬけ、ぐったりする。また、手足がきかなくなる。竹取物語「手に力もなくなりて、―・えかかりたり」。太平記2「目もくれ、足も―・えて」。「心が―・える」
②衣服などが長く着たためにくたくたになる。枕草子248「―・えたる直衣・指貫のいみじうほころびたれば」
③しおれる。しなびる。能因本枕草子見るものは「葵かづらもうち―・えて見ゆる」
なお【直】ナホ
①まっすぐであること。まっすぐなもの。万葉集7「ま―にしあらば何か嘆かむ」
②普通。平凡。なみなみ。伊勢物語「天の下の色好みの歌にては―ぞありける」
③何もしないこと。土佐日記「かうやうに物もてくる人に―しもえあらで」。蜻蛉日記中「―あるよりは精進せむとて」
なお【猶・尚】ナホ
[一]〔副〕
①引き続いて変わらず。もとの通り。まだ。万葉集20「旅衣八重着重ねて寝ぬれども―膚寒し妹にしあらねば」。天草本平家物語「今年二十九桃李のよそほひ―こまやかに、芙蓉の姿いまだ衰へさせられねども」。「今も―心に残る言葉」
②やはり。何といっても。万葉集18「紅は移ろふものそ橡つるはみの馴れにし衣に―しかめやも」。徒然草「和歌こそ―をかしきものなれ」
③そうは言っても。それでも。源氏物語桐壺「今は―昔のかたみになずらへてものしたまへ」
④再び。もと通りに。方丈記「同じき年の冬―この京に帰り給ひにき」
⑤その上にまた。いよいよ。ますます。さらに。一層。徒然草「愚かなることは―まさりたるものを」。「早ければ―よい」
⑥(助詞のように用いて)までも。さえも。平治物語(金刀比羅本)「胡馬北風にいばへ、畜類―故郷の名残りを惜しむ」
⑦(漢文の訓読で、下に「ごとし」を伴って)ちょうど。あたかも。太平記2「御首は敷皮の上に落ちて、むくろは―坐せるが如し」。「過ぎたるは―及ばざるがごとし」
[二]〔接続〕
ある事柄を述べた後で他の事柄を言い添える時に使う語。「大略以上の通りです。―、詳細は後ほど申します」
な‐おう【奈翁】‥ヲウ
奈破崙ナポレオンの異称。森田思軒、消夏漫筆「謙信が能州の月に対し、那翁が埃及のピラミッドを望める時の情」
なおえ【尚江】ナホ‥
⇒きのしたなおえ(木下尚江)
なおえ【直江】ナホ‥
姓氏の一つ。
⇒なおえ‐かねつぐ【直江兼続】
⇒なおえ‐ばん【直江版】
なおえ‐かねつぐ【直江兼続】ナホ‥
安土桃山時代の武将。もと樋口氏。山城守。上杉景勝に仕え、名家宰として知られる。詩文をよくした。(1560〜1619)
⇒なおえ【直江】
なおえつ【直江津】ナホ‥
新潟県の南西部、上越市北部を占める臨海地域。日本海に沿う工業地帯。古くから海陸交通の要衝で佐渡との連絡港。
なおえ‐ばん【直江版】ナホ‥
直江兼続が1607年(慶長12)に要法寺の日性に開版させた木活字版「文選(六臣注)」。
⇒なおえ【直江】
なお‐かし【猶かし】ナホ‥
(カ・シは強めの助詞)いよいよ。いっそう。浄瑠璃、今宮の心中「未来は―覚束なや」
なお‐かつ【猶且つ】ナホ‥
(副詞的に)
①なおその上に。「国の補助を受け―市の補助も受ける」
②やはり。それでもまだ。「老いて―意気盛ん」
なおき【直木】ナホ‥
姓氏の一つ。
⇒なおき‐さんじゅうご【直木三十五】
⇒なおき‐しょう【直木賞】
なおき‐さんじゅうご【直木三十五】ナホ‥ジフ‥
小説家。本名、植村宗一。初め三十一と称。大阪生れ。早大中退。文壇月評に辛辣な筆を振るい、やがて時代小説を執筆、大衆文学の向上に努めた。作「南国太平記」「楠木正成」など。(1891〜1934)
直木三十五
提供:毎日新聞社
⇒なおき【直木】
なおき‐しょう【直木賞】ナホ‥シヤウ
直木三十五の大衆文学における先駆的功績を記念して1935年文芸春秋社が創設した賞。春秋2期、新進・中堅の作家に授与。45年中絶、49年に復活。
⇒なおき【直木】
な‐おけ【魚桶】‥ヲケ
(長崎県五島などで)鉤笥ちげ。
なお‐さら【尚更】ナホ‥
〔副〕
前にまして。いっそう。ますます。「―の事」
なおざり【等閑】ナホザリ
①あまり注意を払わないさま。いい加減にするさま。かりそめ。おろそか。ゆるがせ。源氏物語若菜下「―のすさびと初めより心をとどめぬ人だに」。「規則を―にする」「―な態度」
②あっさりしていること。徒然草「よき人は…興ずるさまも―なり」
⇒なおざり‐ごと【等閑言】
⇒なおざり‐ごと【等閑事】
なおざり‐ごと【等閑言】ナホザリ‥
なおざりなことば。真実のこもらないことば。冗談。源氏物語椎本「―などのたまふわたりの」
⇒なおざり【等閑】
なおざり‐ごと【等閑事】ナホザリ‥
いいかげんな行為。源氏物語賢木「―をまづやたださむ」
⇒なおざり【等閑】
なおし【直し】ナホシ
①なおすこと。まっすぐにすること。正しくすること。「―の多い原稿」
②つくろいなおすこと。修繕。「―がきかない」「―に出す」
③器物・履物はきものなどの修繕を業とする者。「傘―」
④「直し酒」の略。
⑤「直し味醂みりん」の略。
⑥遊客が一定時間遊んだ後、さらに時間を延長して遊興すること。
⑦婚礼などで新婦が衣服をきかえること。いろなおし。
⑧品物ですべき贈答を金銭ですること。
⇒なおし‐ざかな【直し肴】
⇒なおし‐ざけ【直し酒】
⇒なおし‐どころ【直し所】
⇒なおし‐ばい【直し灰】
⇒なおし‐みりん【直し味醂】
⇒なおし‐もの【直し物】
なおし【直衣】ナホシ
⇒のうし
なお・し【直し】ナホシ
〔形ク〕
①まっすぐである。ゆがんだり乱れたりしたところがない。後撰和歌集雑「―・き木に曲れる枝もあるものを」。南海寄帰内法伝平安後期点「其の放生の器うつわもの…口をして直ナホク開け令しめよ」
②ならされている。平らである。枕草子144「荒畠といふものの、土うるはしうも―・からぬ」。今昔物語集13「しかる間、地―・き林に至りぬ」
③なみである。尋常である。源氏物語総角「目も鼻も―・しとおぼゆるは、心のなしにやあらむ」
④公明正大である。ただしい。素直である。続日本紀1「国の法のりをあやまち犯す事なく、明き浄き―・き誠の心をもちて」。源氏物語薄雲「世の静かならぬことは、必ずまつりごとの―・く、ゆがめるにもより侍らず」
なお‐し【猶し】ナホ‥
〔副〕
(シは強めの助詞)「なお」を強めていう語。万葉集18「橘は花にも実にも…―見がほし」
なおし‐ざかな【直し肴】ナホシ‥
江戸の遊郭で、遊興時間をのばした時、肴を倍にして再び出すこと。また、その肴。
⇒なおし【直し】
なおし‐ざけ【直し酒】ナホシ‥
腐敗しかけた酒または下等な酒などを加工して、普通の酒と同様な香味をもたせた酒。なおし。
⇒なおし【直し】
なおし‐た・つ【直し立つ】ナホシ‥
〔他下二〕
もとのように直して立てる。災いを払ってもとのように直す。源氏物語澪標「ものの報いありぬべく思おぼしけるを―・て給ひて」
なおし‐どころ【直し所】ナホシ‥
①直すべき点。欠点。源氏物語若菜上「―なく誰も物し給ふめれば心安くなむ」
②直すだけの値打ち。直しがい。源氏物語帚木「心もとなくとも―ある心地すべし」
⇒なおし【直し】
なおし‐ばい【直し灰】ナホシバヒ
酒の腐敗を直すのに用いる灰。
⇒なおし【直し】
なお‐しま【直島】ナホ‥
瀬戸内海東部、玉野市宇野港南方にある島。香川県に属する。面積7.8平方キロメートル。北部に銅精錬所がある。
なおし‐みりん【直し味醂】ナホシ‥
焼酎に味醂をまぜた酒。焼酎よりも甘くて弱い。なおし。
⇒なおし【直し】
なお‐しも【猶しも】ナホ‥
〔副〕
(シ・モは強めの助詞)「なお」を強めていう語。玉葉集夏「一声は―つらし時鳥」
なおし‐もの【直し物】ナホシ‥
①直すべきもの。つくろいもの。
②除目じもくの後、召名めしなの誤ったのを改め直したこと。源氏物語宿木「―とか言ふ事に、権大納言になり給ひて」
⇒なおし【直し】
なお・す【治す】ナホス
〔他五〕
⇒なおす(直す)6
なお・す【直す】ナホス
〔他五〕
①曲がったこと・乱れ・間違いなどを本来の正常な状態にもどす。神代紀上「次にその枉まがれるを矯なおさむとして生める神を号なづけて神直日神かむなおびのかみとまうす」。源氏物語紅葉賀「詠はてて袖うち―・し給へるに」。「機嫌を―・す」
②地位・身分などをもとにもどす。復帰させる。源氏物語澪標「物の報いありぬべくおぼしけるを―・し立て給ひて」。日葡辞書「ラウニンヲナヲス」
③物や人を、しかるべき場所・位置にすえる。源氏物語鈴虫「人々の御車、次第のままひき―・し」。玉塵抄10「袁が立つて慎をひきたてて下に―・いたぞ」。日本永代蔵4「をかしげなる藁人形を作りなして、…松飾りの中に―・して」
④とりつくろう。とりなす。源氏物語夕霧「人の御名をよさまにいひ―・す人は難きものなり」。日葡辞書「ナカヲナヲス」
⑤修繕する。徒然草「水車…大かためぐらざりければとかく―・しけれども」。「車を―・す」
⑥(ふつう「治す」と書く)病気や怪我を治療する。狂言、針立雷「療治をして―・してくれまいか」。「傷を―・す」
⑦改める。かえる。源氏物語藤裏葉「あるじの御座は下れるを宣旨ありて―・させ給ふほど」。「片仮名の部分を漢字に―・せ」
⑧修正する。訂正する。三宝絵詞「経の文をたださしむれば口に誦して多く―・す」。日葡辞書「アヤマリヲナヲス」
⑨添削する。源氏物語末摘花「さてもあさましの口つきや、…侍従こそは取り―・すべかめれ」
⑩(他の動詞の連用形に付いて)間違いなどを訂正するため、もう一度はじめから行う。狂言、賽の目「今一度置き―・いて、まんまと置きすまいて見せう」。「書き―・す」「やり―・す」
⑪仮の地位から正式の地位につける。誹風柳多留11「下女を―・すにつき縁者二人反そり」。「本妻に―・す」
⑫乗物・劇場などで上級の席に替える。「一等に―・す」
⑬「切る」「裂く」「むしる」などの忌言葉。謡曲、大木「本堂の棟木に成るべき木、…此の木を申し付け、―・さばやと存じ候」
⑭(遊里語)遊女を一定の時間あげ、その時間が切れた時、さらに延長する。洒落本、辰巳婦言「コレおがまア、おがまア、ちつとねかしてくれ、今夜は―・さア」
⑮歌舞伎で、狂言方が幕開きの前に拍子木を打ちながら舞台に行き、大道具その他がととのって後、下座の前に間を短くして二つ打つのをいう。
⑯(近畿・中国・九州などで)しまう。収める。片づける。
な‐おと【汝弟】
(「な」は我の意)弟を親しんで呼ぶ称。わが弟。万葉集17「愛はしきよし―のみこと」
なお‐なお【直直】ナホナホ
すなお。まっすぐ。あたりまえ。世間どおり。万葉集5「―に家に帰りて業なりをしまさに」
なお‐なお【猶猶・尚尚】ナホナホ
〔副〕
①それでもやはり。どうしても。源氏物語夕霧「―とせちに宣へば」
②ますます。なおさら。「―はげみなさい」
③なおその上。なおまた付け加えて。
⇒なおなお‐がき【尚尚書】
なおなお‐がき【尚尚書】ナホナホ‥
手紙の本文の前後または行間に書きそえる文句。多く「尚尚」とか「追而おって」とかの語で書き始める。おってがき。追伸。
⇒なお‐なお【猶猶・尚尚】
なおなお・し【直直し】ナホナホ‥
〔形シク〕
①普通である。平凡である。源氏物語常夏「―・しき際をだに、窓の内なるほどは」
②いかにも劣っている。下品である。源氏物語夕霧「見給へよ。懸想びたる文のさまか。さても―・しの御さまや」
なお‐の‐こと【猶の事】ナホ‥
いっそう程度の進んだ事。なおさら。ますます。「アメリカなら―行ってみたい」
なお‐び【直毘】ナホ‥
斎いみつつしむことが終わって平常に直すこと。なおみ。
なお‐びと【直人】ナホ‥
家柄が普通の人。ただびと。伊勢物語「父は―にて母なむ藤原なりける」
なおび‐の‐かみ【直日神・直毘神】ナホ‥
罪悪・禍害を改め直す神。伊弉諾尊いざなぎのみことが檍原あはきはらのみそぎのとき生まれ出た神という。↔禍津日神まがつひのかみ
なおびのみたま【直毘霊】ナホ‥
神道書。本居宣長著。1巻。1771年(明和8)成る。初め「古事記伝」第1巻の付録、のちに単行。日本の「道」の特色を説いたもので、宣長の古道説の骨子をなす。
なお‐また【尚又】ナホ‥
〔接続〕
話が一段落したあとで、さらに補足する場合に用いる語。そのほかに。なお。
なお‐み【直毘】ナホ‥
ナオビの転。
なお‐も【猶も】ナホ‥
〔副〕
(「なお(猶)」[一]1を強めていう語)相変わらず。それでもまだ。「―こだわっている」
なお‐もって【尚以て】ナホ‥
(副詞的に)なおさら。なおのこと。狂言、松脂「それは―のことぢや」
な‐おもて【名表】
「名残なごりの表」の略。↔名裏
なおもともうしぶみえまき【直幹申文絵巻】ナホ‥マウシ‥ヱ‥
鎌倉時代後期の絵巻。1巻。村上天皇と文章博士橘直幹の申文をめぐる説話を描く。直幹申文絵詞とも。
なお‐もの【直者】ナホ‥
家柄が普通の人。なおびと。蜻蛉日記下「―なりけりと思ひぬる」
な‐おや【名親】
名付け親。
なおらい【直会】ナホラヒ
(ナオリアイの約。斎いみが直って平常にかえる意)神事が終わって後、神酒・神饌をおろしていただく酒宴。また、そのおろした神酒・神饌。続日本紀26「大新嘗の―の」
⇒なおらい‐どころ【直会所】
⇒なおらい‐どの【直会殿】
なおらい‐どころ【直会所】ナホラヒ‥
(→)直会殿に同じ。
⇒なおらい【直会】
なおらい‐どの【直会殿】ナホラヒ‥
神職らが集まって直会をする殿舎。神社に付属する。解斎殿げさいでん。
⇒なおらい【直会】
なおり【直り】ナホリ
①(「治り」とも書く)病気がなおること。「―が早い」
②乗物・観覧席などで、上級の席に移ること。
③鉱床の中で、特に品位の高い部分。富鉱体。
な‐おり【名折り】‥ヲリ
(→)「なおれ」に同じ。
な‐おり【波折り】‥ヲリ
波が幾重にも折り重なること。古事記下「潮瀬の―を見れば」
なお・る【治る】ナホル
〔自五〕
⇒なおる(直る)5
なお・る【直る】ナホル
〔自五〕
①もとのように正しくなる。望ましい状態にもどる。源氏物語若菜上「かく憎げなくさへ聞えかはし給へば事―・りて目やすくなむありける」。源氏物語明石「やうやう風―・り雨の脚しめり星の光も見ゆるに」。「やっと仲が―・った」
②境遇・地位・身分などが、もと通りになる。改まってもとのようになる。源氏物語夕霧「何事も今はと見飽き給ひにける身なれば、今はた―・るべきにもあらぬを」。日葡辞書「ホンリャウ(本領)ニナヲル」
③改まって正しくなる。つくろい改められる。紫式部日記「情なくひきいれたる、かうしてもあらなむとおぼしのたまはすれど、そのならひ―・りがたく」。「この文章はこれ以上―・らない」
④故障が除かれ、正しく機能する。「パンクが―・る」
⑤(「治る」とも書く)病気や怪我がよくなる。蜻蛉日記上「湯をせめて入るれば、飲みなどして、身など―・りもてゆく」。「傷が―・る」
⑥正しくすわる。また、しかるべき位置に着座する。源氏物語柏木「御息所ゐざり出で給ふけはひすればやをらゐ―・り給ひぬ」。義経記4「その時佐殿敷皮を去り、わが身は畳にぞ―・られける」。「そこへ―・れ」
⑦もとの姿勢にもどる。「前へならえ、―・れ」
⑧配流などの拘束がとけて、許される。千載和歌集雑「心の外なる事にて知らぬ国にまかりけるを、こと―・りて京にのぼりて後」
⑨仮の地位から正式の地位につく。「本妻に―・る」
⑩乗物・劇場などで上級の席に移る。「一等に―・る」
⑪(斎宮の忌詞)死ぬ。斎宮寮式「死を奈保留と称いふ」
なおれ【直れ】ナホレ
もとの姿勢に戻す時の号令。「前へならえ。―」
な‐おれ【名折れ】‥ヲレ
名誉を傷つけられること。不名誉。なおり。「母校の―となる行動」
なか【中・仲】
➊一定の区画・範囲の内。「外」に対する。
①内部。うち。竹取物語「筒の―光りたり」。「―から呼ぶ」「予算の―でまかなう」
②心の中。胸中。源氏物語常夏「―に思ひはありもやすらむ」
③(廓の中の意で)江戸で吉原、大坂で新町の遊郭の称。浄瑠璃、女殺油地獄「それそれそこへ縞縮に鹿の子の帯、確かに―の風と見た」
➋一つづきの物事の両端でない部分。三つのものの中央。
①中部。中央。古今和歌集秋「竜田川紅葉乱れて流るめり渡らば錦―や絶えなむ」。「―高」「―日」
②中等。中位。土佐日記「上かみ・―・下しも酔ひあきて」
③多くの物事のうち。竹取物語「天人の―に持たせたる箱あり」
④二つの物事の中間。間あいだ。万葉集15「山川を―に隔へなりて安けくもなし」。「―三日置いて」
⑤ある事が起き、まだ終わらない間。ある状態にある、その間。「忙しい―を御足労願う」
⑥(多く「仲」と書く)男女・夫婦・親子・兄弟・知人等の人間関係。間柄。古今和歌集序「男女の―をもやはらげ」。源氏物語桐壺「右の大臣の御―はいとよからねど」。「―を裂く」
⑦(中国の「伯仲叔季」の訓からか)三人以上の兄弟姉妹の2番目。源氏物語東屋「―に当るをなむ姫君とて」
⑧月の中旬。増鏡「二月きさらぎの―の五日」
⇒中に立つ
⇒中に入る
⇒中を裂く
⇒中を取る
⇒中を直す
なか【中】
姓氏の一つ。
⇒なか‐かんすけ【中勘助】
なか【那珂】
①茨城県北部、那珂川流域に位置する郡名。
②茨城県中北部、那珂台地の中央に位置する市。稲作・野菜栽培が盛ん。住宅地化が進展。人口5万5千。
なか【那珂】
姓氏の一つ。
⇒なか‐みちよ【那珂通世】
なが【長】
①長いこと。「―の暇いとま」「―電話」
②(→)長点ながてん2の略。
③長上下なががみしもの略。
④長掛ながかけの略。
なか‐あい【中間】‥アヒ
中ほど。あいだ。ちゅうかん。
なか‐あい【中藍】‥アヰ
濃くも淡くもない中ほどの濃さの藍色。
なか‐あき【仲秋】
陰暦8月の称。ちゅうしゅう。
なが‐あき【長秋】
限りなく長い年月。長五百秋ながいおあき。祝詞、大殿祭「万よろず千秋の―に」
なが‐あみ【長編み】
鉤針かぎばり編みの基礎編みの一種。鉤針に糸を1回捲いて下の目に入れ、糸を引き出しさらに糸をかけて2回に分けて引き抜く。鎖3目に相当する長さの編目になる。
なが‐あめ【長雨】
幾日も降りつづく雨。淫雨。霖雨。
なかい【中井】‥ヰ
姓氏の一つ。
⇒なかい‐しゅうあん【中井甃庵】
⇒なかい‐ちくざん【中井竹山】
⇒なかい‐ひでお【中井英夫】
⇒なかい‐まさかず【中井正一】
⇒なかい‐りけん【中井履軒】
なか‐い【中居・仲居】‥ヰ
①殿中・大名邸の奥向にあった室で、勤仕の女の控えていた部屋。転じて、そこに勤めた女。御仲居。おすえ。手長。
②台所につづいた家人の居間。主婦の平常の居間。
③上女中と下女との中間の、小間使の女。
④遊女屋・料理屋などで、客に応接しその用を弁ずる女中。
⑤(山梨地方で)主婦をいう。
ながい【永井】‥ヰ
姓氏の一つ。
⇒ながい‐かふう【永井荷風】
⇒ながい‐たかし【永井隆】
⇒ながい‐たつお【永井竜男】
⇒ながい‐なおむね【永井尚志】
⇒ながい‐りゅうたろう【永井柳太郎】
ながい【長井】‥ヰ
山形県南部、最上川上流域の市。近世の市場町から発達。人口3万1千。
⇒ながい‐つむぎ【長井紬】
ながい【長井】‥ヰ
姓氏の一つ。
⇒ながい‐うた【長井雅楽】
⇒ながい‐うんぺい【長井雲坪】
⇒ながい‐ひょうすけ【長井兵助】
なが‐い【長居】‥ヰ
長い時間同じ所にいること。訪問した先に長時間いること。長尻。長座。「―は無用」
⇒長居は恐れ
なが‐い【長寝】
長いあいだ寝ること。神武紀「予何そ若此かく長眠ながいしつるや」
なが・い【長い・永い】
〔形〕[文]なが・し(ク)
①空間的または時間的に、1点から他の点までのへだたりが大きい。抽象的な事にもいう。万葉集10「朝戸出の君が姿をよく見ずて―・き春日を恋ひや暮さむ」。「―・い道のり」「気の―・い人」
②永久不変である。源氏物語総角「さてのみこそ―・き心をもかたみに見果つべきわざなれ」
◇「永い」は時間に限って使い、永続・永久の意味合いが強い。
⇒長い目で見る
⇒長い物には巻かれよ
⇒長い草鞋を履く
ながい‐うた【長井雅楽】‥ヰ‥
幕末の長州藩士。名は時庸。1861年(文久1)開国と公武合体を主張した「航海遠略策」が藩主に採用され、以後その推進に活躍したが、攘夷派に敗れ、切腹。(1819〜1863)
⇒ながい【長井】
ながい‐うんぺい【長井雲坪】‥ヰ‥
文人画家。名は元。通称、元次郎。越後の人。長崎に遊学。1867年(慶応3)密かに上海に渡り、のち信濃に隠棲した。(1833〜1899)
⇒ながい【長井】
ながい‐かふう【永井荷風】‥ヰ‥
小説家。本名、壮吉。東京生れ。東京外語学校中退。広津柳浪に師事、「地獄の花」などでゾラを紹介。のち、明治末期に耽美享楽の作風に転じた。当代文明への嫌悪を語りながら、江戸戯作の世界に隠れ、花柳界など下層狭斜の風俗を描いた。作「あめりか物語」「すみだ川」「腕くらべ」「おかめ笹」「濹東綺譚」、日記「断腸亭日乗」など。文化勲章。(1879〜1959)
永井荷風
撮影:田沼武能
→作品:『濹東綺譚』
⇒ながい【永井】
なが‐いき【長生き】
長く生きること。長寿。長命。
なか‐いし【中石】
鉱石に含まれる母岩や、二つ以上の鉱脈に挟まれる母岩の部分。
なかい‐しゅうあん【中井甃庵】‥ヰシウ‥
江戸中期の儒学者。名は誠之。播州竜野藩医の子。大坂に出て、宋学を三宅石庵に受け、懐徳堂を設立。著「不問語」など。(1693〜1758)
⇒なかい【中井】
なが‐いす【長椅子】
数人が並んで座れるように、横に長く作った椅子。普通、後部に背をもたせかけられるように作る。
なか‐いた【中板】
①茶室の客畳と道具畳との間に入れた板。
②長板ながいたから水差を置くほどの長さを切りとったもので、長板と小板との中間ほどの敷板。
なが‐いた【長板】
点茶用具。風炉・炉・水差などをのせる長方形の板で、台子だいすの地板をかたどったもの。
ながい‐たかし【永井隆】‥ヰ‥
医学博士。カトリック信徒。松江市生れ。長崎で被爆後、負傷者の救護や原爆症研究に尽力。著「長崎の鐘」。(1908〜1951)
⇒ながい【永井】
ながい‐たつお【永井竜男】‥ヰ‥ヲ
小説家。東京生れ。高等小学校卒。小林秀雄らと同人誌「山繭」を創刊。短編小説に秀でる。作「一個その他」「石版東京図絵」など。文化勲章。(1904〜1990)
[image format=jpg,inline=0,page=11188,offset=1309]永







ないもの‐ねだり【無い物ねだり】🔗⭐🔉
ないもの‐ねだり【無い物ねだり】
そこにないものを無理を言ってほしがること。実現が難しいことを承知で求めること。
なか‐めり【無かめり】🔗⭐🔉
なか‐めり【無かめり】
(ナカルメリの音便ナカンメリのンの表記されない形)ないように見える。ないようだ。源氏物語末摘花「この中には匂へる花も―」
なかり‐せ‐ば【無かりせば】🔗⭐🔉
なかり‐せ‐ば【無かりせば】
(セは助動詞キの未然形)なかったなら。なかっせば。古今和歌集春「絶えて桜の―」
なき‐て【無き手】🔗⭐🔉
なき‐て【無き手】
この上もない手段。またとない技芸の手ぶり。
⇒無き手を出す
○無き手を出すなきてをいだす
秘術を尽くす。また、あらゆる手段をめぐらす。宇津保物語嵯峨院「なき手いだして遊ぶ」。源氏物語帚木「いかでこの人のためにはとなき手をいだし」
⇒なき‐て【無き手】
○無き手を出すなきてをいだす🔗⭐🔉
○無き手を出すなきてをいだす
秘術を尽くす。また、あらゆる手段をめぐらす。宇津保物語嵯峨院「なき手いだして遊ぶ」。源氏物語帚木「いかでこの人のためにはとなき手をいだし」
⇒なき‐て【無き手】
なき‐どころ【泣き所】
①ひとの涙をさそうような場面。「―を心得た人」
②最も痛いと感ずる所。急所。弱点。「弁慶の―」「―をつく」
なき‐とよ・む【泣き響む】
〔自四〕
なりひびくほど泣き叫ぶ。多くの人が大声で泣き騒ぐ。源氏物語明石「いとらうがはしく―・む声いかづちにも劣らず」。日葡辞書「ナキドヨム」
なき‐とよ・む【鳴き響む】
[一]〔自四〕
ひびくばかりに鳴く。万葉集8「ほととぎす―・むなる声の遥けさ」
[二]〔他下二〕
鳴きひびかせる。万葉集8「ほととぎす来―・めて」
なき‐とよも・す【鳴き響もす】
〔他四〕
鳴きひびかせる。万葉集8「ほととぎす来―・す卯の花の共にや来しと」
なき‐どり【鳴き鳥】
鳴く声を楽しむために飼う鳥。
なき‐な【無き名】
身に覚えのないうわさ。ぬれぎぬ。万葉集11「―をも吾は負へるか」
なぎ‐なた【薙刀・長刀・眉尖刀】
①刀剣の一種。刃先が広く反りかえった刀で、中心なかごを長くして、長い柄つかをつけたもの。柄は銅・鉄などを蛭巻ひるまきにしたものが多い。平安時代の末頃から歩兵・僧兵が人馬を薙なぎ払うのに用いたが、戦国時代には衰え、江戸時代には鞘や柄を金銀蒔絵で飾って飾り道具としたほか、武家の女子の武道として発展し、現代に及ぶ。平家物語4「むかつてくるをば―できつておとす」
②薙刀草履の略。
⇒なぎなた‐あしらい【長刀会釈・長刀応答】
⇒なぎなた‐こうじゅ【薙刀香薷】
⇒なぎなた‐ぞうり【薙刀草履】
⇒なぎなた‐つかい【長刀遣い】
⇒なぎなた‐なおし【薙刀直し】
⇒なぎなた‐ほおずき【薙刀酸漿】
なぎなた‐あしらい【長刀会釈・長刀応答】‥アシラヒ
薙刀で受けつ流しつするように、ほどよく相手をあしらうこと。狂言、長刀会釈「とても身共が内に居るやうには得応答あしらえまい、責めて―になりともしておけ」
⇒なぎ‐なた【薙刀・長刀・眉尖刀】
なぎなた‐こうじゅ【薙刀香薷】‥カウ‥
シソ科の一年草。山野に普通。特有の臭気があり、茎は四角く、高さ50センチメートル内外。秋、薙刀に似た湾曲した花穂に、紅紫色の小唇形花を縦列に開く。全草を乾したものは漢方生薬の香薷で、解熱・駆風・利水剤。〈日葡辞書〉
なぎなたこうじゅ
⇒なぎ‐なた【薙刀・長刀・眉尖刀】
なぎなた‐ぞうり【薙刀草履】‥ザウ‥
はき古して延びまがった草履。なぎなた。
⇒なぎ‐なた【薙刀・長刀・眉尖刀】
なぎなた‐つかい【長刀遣い】‥ツカヒ
薙刀を使う者。狂言、鈍太郎「―を夫に語らうてござる」
⇒なぎ‐なた【薙刀・長刀・眉尖刀】
なぎなた‐なおし【薙刀直し】‥ナホシ
薙刀の中心なかごを切り捨てて、刀や脇差に作り直したもの。
⇒なぎ‐なた【薙刀・長刀・眉尖刀】
なぎなた‐ほおずき【薙刀酸漿】‥ホホヅキ
「海酸漿うみほおずき」参照。田村俊子、あきらめ「洗ひ髪を大きな銀杏返しに結つて、薙刀鬼灯ほおずきを鳴らしてゐる」
⇒なぎ‐なた【薙刀・長刀・眉尖刀】

なき‐な【無き名】🔗⭐🔉
なき‐な【無き名】
身に覚えのないうわさ。ぬれぎぬ。万葉集11「―をも吾は負へるか」
○無きにしも非ずなきにしもあらず🔗⭐🔉
○無きにしも非ずなきにしもあらず
(シモは強めの助詞)
①ないわけではない。少しはある。「成功の望みは―だ」
②ないのではない。確かにある。
⇒な・い【無い・亡い】
○無きになすなきになす🔗⭐🔉
○無きになすなきになす
ないものとする。捨ててかえりみない。源氏物語須磨「惜しげなき身はなきになしても」
⇒な・い【無い・亡い】
なき‐ぬ・れる【泣き濡れる】
〔自下一〕[文]なきぬ・る(下二)
泣いて涙にぬれる。
なき‐ね【泣き寝】
泣きながら眠ること。なきねいり。源氏物語若紫「―にふしくらし給ひつ」
なき‐ねいり【泣き寝入り】
①泣きながら寝入ること。なきね。
②不本意ながらそのままにしてあきらめること。「被害者が―する」
なき‐のう【泣能】
(→)泣猿楽なきさるがくに同じ。
なき‐の‐なみだ【泣きの涙】
涙を流して泣くこと。ひどく悲しむさまにいう。「―で日を暮らす」
なぎのはな‐の‐みこし【葱花の御輦】
(→)葱花輦そうかれんに同じ。枕草子287「みゆきなどに―に奉る、いとめでたし」
なき‐ばば【泣き婆】
(→)「泣き女」に同じ。
なぎ‐はら・う【薙ぎ払う】‥ハラフ
〔他五〕
横ざまに打ち払う。
なき‐はら・す【泣き腫らす】
〔他五〕
ひどく、また長く泣いて、まぶたをはらす。「目をまっ赤に―・す」
なき‐ひと【亡き人】
死んでこの世にいない人。亡き身。故人。万葉集3「見れどもさぶし―思へば」
ナギブ【Muḥammad Najīb】
エジプトの軍人・政治家。1952年クーデターを断行、ファルーク国王を追放。同年首相、翌年初代大統領。54年失脚。(1901〜1984)
なぎ‐ぶし【梛節】
投節なげぶしの古名。
なき‐ふ・す【泣き伏す】
〔自五〕
うつぶして泣く。泣きしずむ。竹取物語「―・せる所に寄りて」。「声をあげて―・す」
なぎ‐ふ・せる【薙ぎ伏せる】
〔他下一〕[文]なぎふ・す(下二)
薙ぎたおす。
なき‐ふ・る【鳴き旧る】
〔自上二〕
鳴き声が耳に慣れて、めずらしく感じなくなる。新千載和歌集夏「―・りて後に語らへほととぎす」
なき‐ふる・す【鳴き旧す】
〔他四〕
しばしば鳴いて、その鳴き声を人の耳に慣れさせる。古今和歌集夏「こぞの夏―・してしほととぎす」
なき‐べそ【泣きべそ】
いまにも泣き出しそうな顔つき。べそ。「―をかく」
なき‐べんけい【泣き弁慶】
泣いて意地を張りとおすこと。人に負けることがきらいで、泣いて相手を弱らせて勝つ者。
なき‐ぼくろ【泣き黒子】
目の下、特に目尻にあり、泣いているように見えるほくろ。このほくろがあると涙もろいともいう。
なき‐ほん【泣本】
初期人情本の別称。男女の悲恋や生活苦などを描いて読者を泣かせようとする作風が多かったのでいう。
なき‐まさ・る【泣き勝る】
〔自四〕
ますますはげしく泣く。源氏物語柏木「いとど―・り給ひて」
なき‐まど・う【泣き惑ふ】‥マドフ
〔自四〕
前後もわきまえぬほどひどく泣く。源氏物語桐壺「さぶらふ人々の―・ひ」
なき‐まね【泣き真似】
泣くまねをすること。そらなき。
なき‐まね【鳴き真似】
動物の鳴き声をまねること。「鶏の―」
なき‐み【亡き身】
死んだ人。亡きひと。金葉和歌集雑「ふたおやながら―とを知れ」
なき‐みそ【泣き味噌】
ちょっとしたことにもよく泣くこと。また、その人。泣き虫。
なき‐み・つ【泣き満つ】
〔自四〕
一座みな泣く。源氏物語賢木「宮のうちゆすりてゆゆしう―・ちたり」
なき‐み・つ【鳴き満つ】
〔自四〕
鳴き声がその場に満ちる。
なき‐むし【泣き虫】
ちょっとしたことですぐ泣く人、特に子供。また、その性質。なきみそ。「小さい頃は―だった」
なき‐め【泣女】
①上代、葬式の時に泣く役目の女。古事記上「雉きぎしを―とし」→なきおんな。
②雉きじの異称。
なき‐もの【無き者・亡き者】🔗⭐🔉
なき‐もの【無き者・亡き者】
①いてもいないと同様の人。
②生きていない人。死んだ人。亡き人。
⇒無き者にする
なきもの‐ぐさ【無き物草】🔗⭐🔉
なきもの‐ぐさ【無き物草】
〔植〕ウキクサの異称。〈[季]夏〉。拾遺和歌集雑「種なくて―は生ひにけり」
○無き者にするなきものにする
①いてもいないと同様に扱う。ないがしろにする。
②この世に生きていないものにする。殺す。
⇒なき‐もの【無き者・亡き者】
○無き者にするなきものにする🔗⭐🔉
○無き者にするなきものにする
①いてもいないと同様に扱う。ないがしろにする。
②この世に生きていないものにする。殺す。
⇒なき‐もの【無き者・亡き者】
なき‐よ【無き世】
なき後の時代。死後。夫木和歌抄29「―にわれはきてたづねつる」
⇒なきよ‐がたり【無き世語り】
な‐ぎょう【な行・ナ行】‥ギヤウ
五十音図の第5行。ナ・ニ・ヌ・ネ・ノ。
⇒なぎょう‐へんかくかつよう【ナ行変格活用】
なぎょう‐へんかくかつよう【ナ行変格活用】‥ギヤウ‥クワツ‥
文語動詞の活用の一つ。「な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね」と活用する。「死ぬ」「往いぬ」の2語。略称、ナ変。
⇒な‐ぎょう【な行・ナ行】
なきよ‐がたり【無き世語り】
死後の世の語りぐさになること。死後の評判。
⇒なき‐よ【無き世】
なき‐より【泣き寄り】
不幸のあった時などに、親しいものが慰め助け合うために寄り集まること。「親しんは―」
なき‐よわ・る【鳴き弱る】
〔自五〕
鳴く声がだんだん弱くなる。鳴きながら弱ってゆく。
な‐きり【菜切り】
菜切庖丁の略。
⇒なきり‐すげ【菜切り菅】
⇒なきり‐ぼうちょう【菜切り庖丁】
なきり‐すげ【菜切り菅】
カヤツリグサ科の多年草でスゲの一種。高さ約40センチメートル、葉はススキに似て非常に硬い。秋、細い黄褐色の穂を出す。
⇒な‐きり【菜切り】
なきり‐ぼうちょう【菜切り庖丁】‥バウチヤウ
刃が広く薄く、先のとがっていない庖丁。主に野菜を切るのに用いる。なきり。ながたな。なっきりぼうちょう。→庖丁(図)
⇒な‐きり【菜切り】
なき‐りゅう【鳴き竜】
竜の絵を天井に描いた日光輪王寺薬師堂の向き合った平行な壁の間で手などを拍うつと、特有の残響が聞こえる現象。転じて、一般にこの種の多重反響現象をいう。フラッター‐エコー。
なき‐わ【泣き輪】
桶などの一番底に入れるたが。このたがをしめるのは非常に難儀なのでいう。好色五人女2「恋に―の井戸替へ」
なき‐わかれ【泣き別れ】
泣きながら別れること。
なき‐わか・れる【泣き別れる】
〔自下一〕[文]なきわか・る(下二)
泣いて別れる。泣きながら別れる。
なぎ‐わた【凪腸】
海中の魚貝類を捕獲する際、波を静めて獲物を見やすくするために海面に垂らす魚油その他の油。鮑あわび・烏賊いかの臓物のほか、胡麻油なども用いる。とらせ。なし振り。
なき‐わた・る【鳴き渡る】
〔自五〕
鳥が鳴きながら空を飛んで行く。万葉集15「葦辺にはたづ―・る」
なき‐わ・ぶ【泣き侘ぶ】
〔自上二〕
わびしがって泣く。思いわずらって泣く。源氏物語葵「心苦しげに―・びて」
なき‐わめ・く【泣き喚く】
〔自五〕
大声で泣いて騒ぐ。
なき‐わらい【泣き笑い】‥ワラヒ
①泣きながら笑うこと。栄華物語布引滝「―せさせ給ひてぞおはしましける」
②泣いたり笑ったりすること。「―の人生」
なき‐よ【無き世】🔗⭐🔉
なき‐よ【無き世】
なき後の時代。死後。夫木和歌抄29「―にわれはきてたづねつる」
⇒なきよ‐がたり【無き世語り】
なきよ‐がたり【無き世語り】🔗⭐🔉
なきよ‐がたり【無き世語り】
死後の世の語りぐさになること。死後の評判。
⇒なき‐よ【無き世】
なくし‐もの【無くし物】🔗⭐🔉
なくし‐もの【無くし物】
落としたり忘れたりして、なくしたもの。失せ物。
なく・す【無くす・亡くす】🔗⭐🔉
なく・す【無くす・亡くす】
〔他五〕
①《無》無いようにする。なくならせる。うしなう。「財布を―・す」「やる気を―・す」「むだを―・す」
②《亡》死なせる。なくなす。「親を―・す」
○鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がすなくせみよりもなかぬほたるがみをこがす
口に出す者よりも、口に出さない者の方がかえって心中の思いが切であるの意。上を略して「鳴かぬ蛍が身を焦がす」とも。
⇒な・く【泣く・鳴く・啼く】
○無くて七癖有って四十八癖なくてななくせあってしじゅうはっくせ🔗⭐🔉
○無くて七癖有って四十八癖なくてななくせあってしじゅうはっくせ
人には多かれ少なかれ癖があるの意。
⇒な・い【無い・亡い】
ナクトン‐ガン【洛東江】
(Naktong-gang)朝鮮半島南東部の大河。太白山脈・小白山脈に発源、朝鮮海峡に注ぐ。流域肥沃、古くより舟運が発達。全長525キロメートル。
なく‐なく【泣く泣く】
泣きながら。泣きたいほどの気持で。泣き泣き。「―あきらめる」
なく‐な・す【無くなす・亡くなす】
〔他五〕
①無いようにする。なくす。なくならせる。うしなう。
②居なくさせる。失脚させる。栄華物語花山「いかでこの大将を―・してばやと」
③《亡》死なす。なくす。後撰和歌集哀傷「人を―・して限りなく恋ひて」
なく‐な・る【無くなる・亡くなる】
〔自五〕
①《無》ないようになる。紛失する。尽きる。「時間が―・る」「自信が―・る」
②《亡》人が死ぬことを婉曲にいう語。「先生が―・る」
なく‐に
(ズのク語法ナクに助詞ニの付いたもの)
①…ないのに。万葉集2「何しか来けむ君もあら―」
②…ないのだから。万葉集11「吾が思ふ妹は早も死なぬか生けりとも吾に依るべしと人の言は―」
③…ないことよ。万葉集9「吉野の川原見れど飽か―」
な‐くに‐がえ【名国替】‥ガヘ
平安時代以後、地方官任命において、名替と国替とをいっしょにすること。
なく‐な・す【無くなす・亡くなす】🔗⭐🔉
なく‐な・す【無くなす・亡くなす】
〔他五〕
①無いようにする。なくす。なくならせる。うしなう。
②居なくさせる。失脚させる。栄華物語花山「いかでこの大将を―・してばやと」
③《亡》死なす。なくす。後撰和歌集哀傷「人を―・して限りなく恋ひて」
なく‐な・る【無くなる・亡くなる】🔗⭐🔉
なく‐な・る【無くなる・亡くなる】
〔自五〕
①《無》ないようになる。紛失する。尽きる。「時間が―・る」「自信が―・る」
②《亡》人が死ぬことを婉曲にいう語。「先生が―・る」
なく‐も‐がな【無くもがな】🔗⭐🔉
なく‐も‐がな【無くもがな】
(ガナは希望を表す助詞)なくてもいい。ない方がいい。あらずもがな。古今和歌集雑「世の中にさらぬ別れの―」。「―の弁明だ」
なけ【無け】🔗⭐🔉
なけ【無け】
形容詞ナシの古い未然形・已然形。万葉集12「あふとは―ど」。万葉集17「聞かぬ日―む」
な‐げ【無げ】🔗⭐🔉
な‐げ【無げ】
①無さそうなさま。古今著聞集5「思ふ事―にね給へるうたてさよ」。「人も―」
②心のこもらないさま。なおざり。なげやり。後撰和歌集恋「言の葉は―なるものといひながら」。「―の答いらえ」
なけ‐なく‐に【無けなくに】🔗⭐🔉
なけ‐なく‐に【無けなくに】
(ナケは形容詞ナシの古い未然形、ナクは否定の助動詞ズのク語法)ないのではないのに。万葉集1「すめ神のつぎて賜へる吾―」
なげ‐の‐あわれ【無げのあはれ】‥アハレ🔗⭐🔉
なげ‐の‐あわれ【無げのあはれ】‥アハレ
うわべだけの同情。源氏物語若菜上「横さまの人の―をもかけ」
なげ‐の‐いらえ【無げの答】‥イラヘ🔗⭐🔉
なげ‐の‐いらえ【無げの答】‥イラヘ
心のこもらない返事。うわのそらの返事。源氏物語椎本「―をだにせさせ給はず」
なげ‐の‐ことば【無げの言葉】🔗⭐🔉
なげ‐の‐ことば【無げの言葉】
真心のこもらない言葉。口先ばかりの言葉。なげのことのは。源氏物語匂宮「はかなく―を散らし給ふあたりも」
なげ‐の‐すさみ【無げの遊み】🔗⭐🔉
なげ‐の‐すさみ【無げの遊み】
かりそめのたわむれ。源氏物語宿木「―に物をも言ひふれ」
なげ‐の‐なさけ【無げの情け】🔗⭐🔉
なげ‐の‐なさけ【無げの情け】
本心からでない情け。ちょっとした好意。紫式部日記「―つくらまほしう侍り」
なけ‐む【無けむ】🔗⭐🔉
なけ‐む【無けむ】
(形容詞ナシの古い未然形ナケに推量の助動詞ムの付いた語)ないだろう。万葉集4「間も―」
なさ‐げ【無さげ】🔗⭐🔉
なさ‐げ【無さげ】
(形容詞ナイの名詞形に接尾辞ゲの付いた俗語)なさそうなさま。多く、「自信なさげ」「所在なさげ」のように、名詞に続けて用いる。
なし【無し】🔗⭐🔉
なし【無し】
ないこと。むなしいこと。無駄。無む。狂言、船渡聟「其方の骨折は―にはせまい程に」。「人で―」「言いっこ―」
な・し【無し・亡し】(形ク)🔗⭐🔉
な・し【無し・亡し】
〔形ク〕
⇒ない
な‐み【無み】🔗⭐🔉
な‐み【無み】
(形容詞ナシの語幹に接尾語ミの付いたもの)なさに。ないままに。ないゆえ。万葉集6「若の浦に潮満ち来れば潟を―葦辺をさして鶴たず鳴き渡る」
なみ・する【無みする・蔑する】🔗⭐🔉
なみ・する【無みする・蔑する】
〔他サ変〕[文]なみ・す(サ変)
さげすんで、その人が居ても居ないように振る舞う。ないがしろにする。古文孝経延慶点「法を無ナミスル」。平家物語3「君を―・し奉る」
ぶ‐あい【無愛・不愛】🔗⭐🔉
ぶ‐あい【無愛・不愛】
①愛想のないこと。無情。大鏡師尹「なにがし主の引きとどめられけるこそ、いと―の事なりや」
②気に入らないこと。不都合。今昔物語集23「ここの殿人にもあらぬ者の、宵・暁に殿の内より出入りする、極めて―なり」
ぶ‐あいきょう【無愛敬】‥キヤウ🔗⭐🔉
ぶ‐あいきょう【無愛敬】‥キヤウ
あいきょうのないこと。ぶっきらぼう。無愛嬌。「―な物言い」
ぶ‐あいそう【無愛想】‥サウ🔗⭐🔉
ぶ‐あいそう【無愛想】‥サウ
愛想のないこと。すげないこと。ぶあいそ。「―に返事をする」「―な店員」
ぶ‐あんない【無案内・不案内】🔗⭐🔉
ぶ‐あんない【無案内・不案内】
①様子・勝手がわからないこと。狂言、今参「私は―でござる。こなたからござれ」
②その道に通じていないこと。心得のないこと。甲陽軍鑑5「男道無嗜にて、武辺―なり」。「書画には―だ」
⇒無案内に御座る
○無案内に御座るぶあんないにござる
初対面の挨拶語。狂言、八幡の前「(婿)心得た。―。(舅)初対面でおりやる」
⇒ぶ‐あんない【無案内・不案内】
○無案内に御座るぶあんないにござる🔗⭐🔉
○無案内に御座るぶあんないにござる
初対面の挨拶語。狂言、八幡の前「(婿)心得た。―。(舅)初対面でおりやる」
⇒ぶ‐あんない【無案内・不案内】
ふあん‐の‐ぶんがく【不安の文学】
現代の社会的不安と知識人の精神的危機とを重視する文学上の傾向。シェストフ・ドストエフスキーらを先駆とし、日本では昭和10年代に三木清・河上徹太郎らの紹介に基づき、第二次大戦前の危機意識を反映して起こった。戦後、実存主義文学の形で発展。
⇒ふ‐あん【不安】
ファン‐ヒーター【fan heater】
温風を送りこむ方式の暖房器具。
⇒ファン【fan】
ファンファーレ【Fanfare ドイツ】
祝典や儀式などの際に金管楽器で奏される短い信号音楽。また、そこから発展した金管楽器楽曲。
ファンブル【fumble】
(「まごまごする」「仕損じる」の意)野球やアメリカン‐フットボールなどで、またサッカーのゴール‐キーパーがボールを取りそこねて落とすこと。ハンブル。
ファンヘ【黄海】
(Hwanghae)黄海こうかいの朝鮮での呼称。
⇒ファンヘ‐ナムド【黄海南道】
⇒ファンヘ‐プクト【黄海北道】
ファンヘ‐ナムド【黄海南道】
(Hwanghae-nam-do)朝鮮民主主義人民共和国南西部、黄海に突出する半島部を占める道。農業が盛ん。道都は海州ヘジュ。→朝鮮(図)。
⇒ファンヘ【黄海】
ファンヘ‐プクト【黄海北道】
(Hwanghae-puk-to)朝鮮民主主義人民共和国南部の道。タングステン・金・銀・鉄などの地下資源が豊富。道都は沙里院サリウォン。→朝鮮(図)
⇒ファンヘ【黄海】
ファン‐ボイ‐チャウ【Phan Boi Chau・潘佩珠】
ベトナム近代民族運動の創始者。1904年、維新会を結成。翌年来日、ドンズー運動を起こす。12年に中国で光復会を結成、武力革命をめざした。25年フランス官憲に捕らえられ、死去まで軟禁。著「ベトナム亡国史」ほか。(1867〜1940)
ファン‐ホッホ【van Gogh】
⇒ゴッホ
ファン‐モーター【fan motor】
冷却用や送風用にファンを組み付けたモーター。パソコンや家電製品で多く用いる。
⇒ファン【fan】
ファン‐レター【fan letter】
ファンがひいきの芸能人やスポーツ選手などに書き送る手紙。
⇒ファン【fan アメリカ】
ふい
それまでに得たことやしたことが、すべてむなしくなること。無駄になること。「火事で一切を―にした」「計画が―になる」
ふ‐い【不意】
思いもよらないこと。思いがけないこと。意外。転じて、突然。だしぬけ。源氏物語帚木「―にかくて物し侍るなり」。「―に現れる」「―の出来事」
⇒不意を食う
⇒不意を衝く
ふ‐い【布衣】
(昔、中国で庶人は布ふの衣を着たからという)官位のない人。庶人。→ほい→布衣の交わり
ふ‐い【巫医】
巫みこと医くすし。祈祷で治療する人。
ふ‐い【怖畏】‥ヰ
おそれること。畏怖。太平記24「此鬼神―して忽に逃去りぬ」
ぶ‐い【武威】‥ヰ
たけだけしい力。武力の威勢。威武。
ぶい【武威】‥ヰ
(Wuwei)中国甘粛省中部の都市。河西回廊の東部にある。旧称、涼州。人口94万7千(2000)。
ぶ‐い【部位】‥ヰ
全体に対する部分の位置。
ぶ‐い【無為】‥ヰ
①自然にまかせ作為するところのないこと。何もしないでいるさま。むい。宇治拾遺物語10「又―に事いでこば、わが親たちいかにおはせんと」
②〔仏〕(→)「むい」2に同じ。太平記1「恩を捨て、―に入る道もしかなるべし」
③何事もなく、平穏なこと。謡曲、安宅「ただ何ともして―の儀しかるべからうずると存じ候」
ぶ‐い【無異】
①何事も起こらず、変りのないこと。平穏なこと。
②健康。壮健。狂言、縄綯なわない「そちが頼うだ者は―な者ぢやとおしやつたが、思ひの外病身者ぢやな」
③おとなしいこと。狂言、布施無経ふせないきょう「あの犬は―な犬でござる程に、構はずとも通らせられい」
ブイ【buoy】
①浮標。浮子うき。
②水泳用の浮袋。救命袋。
ブイ【V・v】
①アルファベットの22番目の文字。
②ローマ数字の5。
③〔化〕(vanadium)バナジウムの元素記号(V)。
④(volt)電圧の単位ボルトの略号(V)。
⑤(victory)勝利の意。「―‐サイン」
ブイ‐アイ‐ピー【VIP】
(very important person)重要人物。要人。特別待遇の人。ビップ。
フィアット【Fiat】
1899年、アニェリ(G. Agnelli1866〜1945)が設立したイタリア最大の自動車メーカー。のち産業機械・航空機・通信その他に多角化し、1979年持株会社となる。
フィアンセ【fiancé(e) フランス】
婚約の相手。婚約者。いいなずけ。
フィー【fee】
料金。使用料。手数料。「コンサルティング‐―」
フィーチャー【feature】
①特色。特徴。
②短編ものに対して、長編の映画。映画館の主要上映作品。
③新聞・雑誌などの呼び物記事。特種。
④軽音楽で、ある楽器の演奏や歌手などを強調すること。
フィート【feet・呎】
(フート(foot)の複数)ヤード‐ポンド法における長さの単位。1フィートは12インチ。30.48センチメートルに等しい。記号ft
フィードバック【feedback】
電気回路で出力の一部が入力側にもどり、それによって出力が増大または減少すること。また一般に、結果に含まれる情報を原因に反映させ、調節をはかること。帰還。饋還きかん。
フィードラー【Konrad Fiedler】
ドイツの芸術学者。カントの影響下に、芸術の根源を純粋な視覚による実在の認識に見出す独自の芸術論を展開。芸術学の創始者とされる。(1841〜1895)
フィード‐ロット【feedlot】
肉牛の肥育を高密度で集約的に行うための、フェンスで囲った施設。北アメリカ南西部などに広く見られる。ドライロット。
フィーヌゼルブ【fines herbes フランス】
パセリ・チャービル・チャイブ・エストラゴンなど数種類の香草を刻んで混ぜ合わせたもの。
フィーバー【fever】
熱狂すること。熱中して騒ぐこと。
フィーファ【FIFA】
(→)国際サッカー連盟の略称。
フィーリング【feeling】
①感じ。感覚。また、心地。気分。「―が合う」
②感情。情操。明六雑誌40号「二つの者共に吾人社交の情操フィーリングを指す者にして」
フィールズ‐しょう【フィールズ賞】‥シヤウ
数学上の業績に対する国際数学会賞。カナダの数学者フィールズ(C. Fields1863〜1932)の提唱による。1936年から4年ごとに選考、原則として40歳以下が対象。
フィールダーズ‐チョイス【fielder's choice】
野球で、走者がある時に、野手が打球をとって一塁へ投げる前に、他の走者を刺そうとし、結局は両者を生かすこと。野手選択。野選。
フィールディング【fielding】
野球などで、守備または守備法のこと。
フィールディング【Henry Fielding】
イギリスの小説家・劇作家・判事。「イギリス小説の父」と称され、性格描写と豊富な機知とは比類を見ない。小説「ジョセフ=アンドルーズ」「トム=ジョーンズ」など。(1707〜1754)
フィールド【field】
①野原。野外。
②陸上競技場で、トラックに囲まれた内側の部分。
③野球場の内野・外野。
④〔理〕(→)場ば6のこと。
⑤学問などの領域・分野。
⑥(→)フィールド‐ワークの略。
⑦テレビジョンで、走査線を1本おきに走査した粗い画像。続いて残りの走査線を走査し、この二つのフィールドで一つの完全な画像となる。これをフレームという。
⑧コンピューターで、レコードを構成する単位。
⇒フィールド‐アスレチック
⇒フィールド‐きょうぎ【フィールド競技】
⇒フィールド‐グラス【field glasses】
⇒フィールド‐ノート【field note】
⇒フィールド‐ワーク【field work】
フィールド‐アスレチック
(Field Athletic)丸太やロープで作ったさまざまな遊具を野外に設置し、それらを巡って体力を養うもの。また、そのコース。商標名。
⇒フィールド【field】
フィールド‐きょうぎ【フィールド競技】‥キヤウ‥
フィールド2で行う陸上競技。円盤投・槍投・砲丸投・ハンマー投などの投擲とうてき競技と、走幅跳・走高跳・三段跳・棒高跳などの跳躍競技とがある。→トラック競技。
⇒フィールド【field】
フィールド‐グラス【field glasses】
(→)双眼鏡。
⇒フィールド【field】
フィールド‐ノート【field note】
実地記録。野外記録。野帳。
⇒フィールド【field】
フィールド‐ワーク【field work】
野外あるいは実験室外の作業・仕事・研究。現場または現地での探訪・採集。野外研究。実地調査。
⇒フィールド【field】
ふい‐うち【不意打】
不意に打ってかかること。だしぬけに斬り込むこと。不意に襲うこと。また、予告なしに事を行うこと。夏目漱石、野分「聴衆は一寸不意撃ふいうちを食つた」。「―の試験」
フィウメ【Fiume】
(→)リエーカのイタリア語名。
ブイ‐エス【VS・vs.】
(ラテン語versusより)「…に対する」「対」の意。「早稲田VS慶応」のように、記号的に用いる。v.とも略記。バーサス。
ブイ‐エス‐オー‐ピー【VSOP】
(very superior(special) old pale)ブランデーの等級。ナポレオンに次ぐ高級品で、熟成年数20年内外のもの。
ブイ‐エッチ‐エス【VHS】
(video home system)家庭用ビデオテープ‐レコーダーの録画・再生方式の一種。
ブイ‐エッチ‐エフ【VHF】
(very high frequency)超短波のこと。周波数30〜300メガヘルツの範囲の電波。
ブイ‐エル‐エス‐アイ【VLSI】
(very large scale integration)集積回路のうち、素子数が10万以上の規模のもの。超大規模集積回路。
ブイ‐エル‐ビー‐アイ【VLBI】
(very long baseline interferometry)(→)超長基線干渉法。
ブイ‐オー‐アール【VOR】
(VHF omni-directional radio range beacon)航空保安無線施設の一つ。超短波を用いて航空機から二つの地上局への方位を求め現在位置を定めるもの。超短波全方向式無線標識。
ブイ‐オー‐アイ‐ピー【VoIP】
(voice over IP)音声信号をパケット化し、IP2によるネットワーク上で通話を行うための技術。IP電話などに応用。
ブイ‐オー‐エー【VOA】
(Voice of America)アメリカ政府の海外向け短波放送。1942年開始。
ブイ‐オー‐シー【VOC】
(volatile organic compound)揮発性有機化合物。脂肪族・芳香族化合物、アルデヒド、ケトン類など。大気汚染・土壌汚染の原因となる物質も多い。
ブイ‐オー‐ディー【VOD】
(→)ビデオ‐オン‐デマンドの略。
フィオレンツァ【Elisabeth Schüssler Fiorenza】
フェミニスト神学者。ハーヴァード大学教授。聖書における男性中心主義をあばき、女性の復権を説く。著「彼女を記念して」。(1938〜)
フィガロ【Le Figaro】
フランスの代表的新聞。論調は保守系。1854年創刊。66年日刊となる。
フィガロのけっこん【フィガロの結婚】
①(Le Mariage de Figaro フランス)貴族社会を諷刺したボーマルシェ作の喜劇。5幕。「セビリアの理髪師」の続編。1784年初演。
②(Le Nozze di Figaro イタリア)1に取材した歌劇(オペラ‐ブッファ)。4幕。モーツァルト作曲、ダ=ポンテ台本。1786年初演。
モーツァルト
提供:Photos12/APL
→歌劇「フィガロの結婚」 序曲
提供:コロムビアミュージックエンタテインメント(株)
ぶ‐いき【不意気】
いきでないこと。風流でないこと。みやびやかでないこと。不粋。やぼ。
フィギュア【figure】
①形。図形。
②図表の番号を示すのに用いる語。Fig., fig.と略記。
③文飾。文彩。
④像。人形。特に、アニメやゲームのキャラクターなどをかたどったもの。
⑤(→)フィギュア‐スケートの略。
⇒フィギュア‐スケート【figure-skate】
⇒フィギュア‐ヘッド【figurehead】
フィギュア‐スケート【figure-skate】
スケート競技の一つ。芸術性や技術の高さを競う。シングル(男女各一人)、ペア(男女一組)、アイスダンス(男女一組)の3部門がある。シングルとペアはショート‐プログラムとフリー‐スケーティングからなる。
⇒フィギュア【figure】
フィギュア‐ヘッド【figurehead】
(→)船首像。
⇒フィギュア【figure】
ふ‐いく【扶育】
世話をして育てること。
ふ‐いく【傅育】
かしずき育てること。
ふ‐いく【覆育】
(フウイクとも)天地が万物をおおい育てること。また、父兄が子弟をまもり育てる恩徳。
ぶ‐いく【撫育】
いつくしみ育てること。愛し養うこと。
プイグ【Manuel Puig】
アルゼンチンの作家。社会的弱者や抑圧された人々を描く。代表作「蜘蛛女のキス」。(1932〜1990)
ふ‐いくさ【不軍】
戦争の経験がないこと。浄瑠璃、門出八島「貴殿たちは未だ―にて、この度が初めなるらん」
フィクサー【fixer】
(公正でないやり方で)陰で仲介・調停することで報酬を受ける黒幕的人物。
フィクション【fiction】
①作りごと。虚構。
②創作。小説。→ノン‐フィクション
ふい‐ご【鞴・韛・吹子】
(フキガワ(吹皮)から転じた「ふいごう」の約)金属の熱処理や精錬に用いる送風器。日本では、把手とってを手で押し、または引いて、長方形の箱の内に気密にとりつけた板状ピストンを往復させて風を押し出すもの(箱ふいごの一種。吹差しふいごとも)、風琴に似た構造をもち、足で踏むもの(踏みふいご)などがある。大型の足踏みふいごは踏鞴たたらと呼ばれる。ふきがわ。浄瑠璃、用明天皇職人鑑「―吹く鍛冶屋のてこの衆」
鞴
⇒ふいご‐まつり【鞴祭】
ふい‐ごう【鞴・韛・吹子】‥ガウ
⇒ふいご。〈文明本節用集〉
フィコエリトリン【phycoerythrin】
紅藻・藍藻類の色素体内に、葉緑素と共に含まれる紅色の色素蛋白質の一種。藻紅素。
ふいご‐まつり【鞴祭】
旧暦11月8日に、鍛冶屋・鋳物師など常に鞴を使うものが行う祭。祭神は、金屋子かなやこ神あるいは稲荷神。踏鞴祭たたらまつり。〈[季]冬〉
⇒ふい‐ご【鞴・韛・吹子】
ブイ‐サイン【V sign】
(Vはvictoryの頭文字)人差指と中指で作ったV形を外側へ向けて勝利や喜びの気持を示す印。
ぶい‐さん【武夷山】
①(Wuyi Shan)中国江西・福建両省の境を北東から南西に走る山脈。贛江かんこうと閩江びんこうの分水嶺。武夷山脈。
②福建省北部の景勝地。世界複合遺産。
③福建省北部の市。市の南部に武夷山2がある。人口21万2千(2000)。
フィジー【Fiji】
南西太平洋の中央部、大小300余りの島々から成る共和国。住民は先住民フィジー人とインド系。1874年イギリスの保護領、1970年独立。面積1万8000平方キロメートル。人口80万6千(1999)。首都スヴァ。→オセアニア(図)
フィジオクラシー【physiocratie フランス】
(→)重農主義。
フィジオロジー【physiology】
(→)生理学。
フィジカル【physical】
①物質的。
②物理的。物理学的。
③肉体的。身体的。「―‐エクササイズ」
ブイじ‐こく【V字谷】
横断面の形がV字をなす谷。川の浸食により作られる。氷河の浸食によるU字谷に対していう。
フィジックス【physics】
(→)物理学。
フィズ【fizz】
(シューシューいう音の意)発泡性飲料。特に、アルコール飲料を炭酸水で割り、砂糖・レモンなどを加えたもの。フィーズ。「ジン‐―」
フィスカル‐ポリシー【fiscal policy】
財政的手段によって国民経済の動きを制御し、完全雇用と安定成長を達成しようとする政策。主にケインズ的な立場に立った財政政策をいう。
ふ‐いち【不一】
⇒ふいつ
ぶ‐いち【分一】
①江戸時代の小物成こものなりの一種。商業・漁猟・山林業などに従事する者から、売上高または収穫高の何分の一かを徴収。
②江戸時代、海難救助の報酬。救い揚げた積荷の評価額の何分の一かを報酬とした。
フィチーノ【Marsilio Ficino】
イタリアの人文主義者。メディチ家の働きかけでプラトン‐アカデミーを開く。キリスト教神学とプラトン哲学との融合を試みた。著「プラトン的神学」など。(1433〜1499)
ふい‐ちょう【吹聴】‥チヤウ
ひろく言いひろめること。言いふらすこと。披露。狂言、引敷聟「是へ参り、―致いて、夫よりすぐに婿入を致さうと存ずる」。「手柄を―する」
ふ‐いつ【不一】
①手紙の末尾に添える語。十分に意をつくしていない意。ふいち。不二。不具。不宣。不備。「草々―」
②一様でないこと。
フィックス【fix】
①固定すること。
②日時・場所・価格・仕様などを決定すること。
⇒フィックス‐さつえい【フィックス撮影】
フィックス‐さつえい【フィックス撮影】
ビデオ・映画で、カメラを動かさずズームもしないで撮影すること。
⇒フィックス【fix】
フィッシャー【Emil Fischer】
ドイツの化学者。プリン体・糖・蛋白質などを研究。糖を自在に合成、その立体化学の基礎を築き、糖を分解する酵素の特異性を鍵と鍵穴にたとえ、また、アミノ酸から多くのポリペプチドを合成。ノーベル賞。(1852〜1919)
フィッシャー【Ernst Otto Fischer】
ドイツの化学者。フェロセンのサンドイッチ構造の確定、同様の構造をもつジベンゼンクロムの合成などにより有機金属化学を開拓。ノーベル賞。(1918〜2007)
フィッシャー【Hans Fischer】
ドイツの有機化学者。ミュンヘン工科大学教授。ピロールの誘導体に関する多くの研究がある。ヘモグロビンの成分ヘムの構造解明と合成、クロロフィルの構造解明、胆汁色素ビリルビンの構造解明と合成など。ノーベル賞。(1881〜1945)
フィッシャー‐ディースカウ【Dietrich Fischer-Dieskau】
ドイツのバリトン歌手。歌劇・リート・宗教曲などで幅広く活躍、すぐれた技巧と知的な表現力で知られる。(1925〜)
フィッシャー‐ディースカウ
提供:毎日新聞社
フィッシャーマンズ‐セーター【fisherman's sweater】
イギリス北部などの漁夫に由来する厚手のセーター。縦に入った太い縄模様が特徴。→アラン模様
フィッシュ【fish】
魚。魚類。
⇒フィッシュ‐アイ‐レンズ【fisheye lens】
⇒フィッシュ‐ミール【fish-meal】
フィッシュ‐アイ‐レンズ【fisheye lens】
(→)魚眼レンズのこと。
⇒フィッシュ【fish】
フィッシュ‐ミール【fish-meal】
(→)魚粉。
⇒フィッシュ【fish】
フィッシング【fishing】
魚を獲ること。特に、趣味として行う魚釣り。「―‐ボート」
フィッシング【phishing】
金融機関などからの電子メールやウェブサイトを装い、口座・暗証番号などを不正に入手する詐欺手法。
ふ‐いっち【不一致】
一致しないこと。「意見の―」
フィッツジェラルド【Francis Scott Fitzgerald】
アメリカの小説家。「失われた世代」に属する。作「楽園のこちら側」「偉大なるギャツビー」など。(1896〜1940)
フィッティング‐ルーム【fitting room】
試着室。
フィット【fit】
適合すること。大きさや型がぴったり合うこと。「体に―した服」
フィットネス【fitness】
健康増進のため各種の身体運動を行うこと。フィジカル‐フィットネス。
⇒フィットネス‐うんどう【フィットネス運動】
⇒フィットネス‐クラブ【fitness club】
フィットネス‐うんどう【フィットネス運動】
1960年代以降、アメリカ・カナダを中心として推進された心身の健康や体力づくりのための活動。
⇒フィットネス【fitness】
フィットネス‐クラブ【fitness club】
健康維持や体力づくりのための設備をそなえた会員制のクラブ。
⇒フィットネス【fitness】
フィディアス【Phidias ラテン・ イギリス】
⇒フェイディアス
ブイ‐ティー‐アール【VTR】
(→)ビデオテープ‐レコーダーの略。
ブイ‐ディー‐ティー【VDT】
(video display terminal)コンピューターの端末で、文字や図形を表示するブラウン管・液晶などの装置。
フィデリオ【Fidelio】
ベートーヴェン作曲の唯一の歌劇。3幕のち2幕。1805年初演(題名「レオノーレ」)。現行のものは14年の第3稿。スペインの革命家の妻レオノーレが男装しフィデリオと名のり夫を救出。
ふい‐と
〔副〕
急に。ふと。「―消えてしまった」
ぷい‐と
〔副〕
とつぜん不機嫌に立ち去ったり顔を背けたりするさま。二葉亭四迷、平凡「―家うちを出て在ざいの親類へ行つた切きり帰らぬ」。「―横を向く」
ブイトール【VTOL】
(vertical take-off and landing)垂直離着陸機。通常の飛行機と同様の性能をもち、しかも滑走を行わず垂直に離着陸できる。
フィトクロム【phytochrome】
光受容性をもつ色素蛋白質。植物細胞内の顆粒の膜系に付着している。環境の光条件に応じた植物の有色体や種子の形成、成長・開花・休眠などの諸機能の制御に関与する。
フィトンチッド【fitontsid ロシア】
樹木などが発散する化学物質。細菌などの微生物を抑制する作用をもつ。
フィナーレ【finale イタリア】
①(演劇などの)終幕。大詰め。
②〔音〕終曲。最終楽章。
フィナンシエ【financier フランス】
卵白・砂糖・粉末アーモンド・小麦粉・焦しバターを混ぜ、長方形の浅い型に入れて焼いた小さな菓子。
フィナンシャル【financial】
財政・金融に関すること。ファイナンシャル。「―‐プランナー」
フィナンシャル‐タイムス【Financial Times】
イギリスの経済専門紙。1888年創刊。クオリティー‐ペーパーとして内外で定評がある。
ブイ‐に‐ごう【V2号】‥ガウ
(Vは、報復兵器の意のドイツ語Vergeltungswaffeの略)第二次大戦の末期、ナチス‐ドイツが開発・使用したロケット兵器。フォン=ブラウンが設計。V1号は無人飛行機型。
フィニッシュ【finish】
①おわり。結末。仕上げ。
②陸上競技・体操競技などで、最後の場面・動作。
フィネガンズ‐ウェイク【Finnegans Wake】
ジョイスが14年かけて書いた大作小説。1939年刊。一夜の夢の中で人類史の全体を、言語遊戯と文学的連想とを駆使して語る難解な前衛文学。
ブイ‐ネック【V neck】
V字形の襟ぐり。ブイ‐ネックライン。→ネックライン(図)
ふい‐の‐まじわり【布衣の交わり】‥マジハリ
[史記藺相如伝]身分や地位を離れた交際。また、庶民同士の交際。布衣の友。
フィヒテ【Johann Gottlieb Fichte】
ドイツの哲学者。カントの認識論的主観概念を、一切を自己の絶対的自由の活動性から生ぜしめる絶対的自我へと拡張し、倫理的色彩の強い観念論の体系を樹立。晩年はキリスト教的神秘主義思想へ傾く。イェナ大学教授・ベルリン大学総長。フランス占領下での「ドイツ国民に告ぐ」の講演はナショナリズムを喚起した。著「全知識学の基礎」「人間の使命」など。(1762〜1814)
ふい‐ふい
①ときどき物の見え隠れするさま。
②1カ所におちつかないさま。浮世風呂3「高が一年限りで、―と風まかせの奉公だものを」
ぶい‐ぶい
①物を言いたてるさま。特に、不平や小言をうるさく言うさま。ぶうぶう。浮世風呂4「常に―地口をいふ人も」
②人にうるさがられ、きらわれる者。多く侠客、無頼の徒にいう。浄瑠璃、女殺油地獄「何さ、―ども、人おどしの腕かいなに色々の彫物して」
フイフイ‐きょう【回回教】‥ケウ
(フイフイは中国語)(→)イスラム教の異称。
フィフティーズ【fifties】
1950年代。また、その年代のファッションや音楽。
フィフティー‐フィフティー【fifty-fifty】
五分五分。半々。「成功か失敗かは―だ」
フィフティーン【fifteen】
①15。
②硬式テニスで、最初の1点。
③15人から成る一組。ラグビーの1チーム。
フィブリノゲン【fibrinogen】
血漿中に含まれる血液凝固因子の一つ。グロブリンの一種で、少量の炭化水素を含む。繊維素原。→フィブリン
フィブリン【fibrin】
硬蛋白質の一つ。フィブリノゲンが出血の際にトロンビンの作用で不溶性蛋白に変わったもの。繊維状をなし血球を包みからめて血液を凝固させる。繊維素。
フィブロイン【fibroin】
硬蛋白質の一種で、絹繊維・蜘蛛糸くものいとなどの主要成分。→セリシン
ブイ‐ブロック【V-block】
罫書けがき作業で、円柱状の工作物の中心を求める具。V型の溝をもった鋼塊。溝の斜面は45度で、直角に交わる。定盤上の2個のブイ‐ブロック上にのせた工作物を回転し、罫書き針で罫書きを行い、中心を見出す。三角台。薬研やげん台。
フィボナッチ【Leonardo Fibonacci】
イタリアの数学者。アルジェリアで計算術を学びインド記数法に出会う。エジプト・シリア・ギリシアを旅行し、数学上の見聞を広める。著「算盤の書」「平方の書」。(1170頃〜1250頃)
ブイヤベース【bouillabaisse フランス】
種々の魚介類にサフランやニンニクの風味をつけて煮たスープ料理。南フランスの郷土料理として有名。
フィヨルド【fjord ノルウェー】
陸地の奥深く入り込み、両岸が急傾斜し、横断面が一般にU字形をなす入江。氷食谷に氷河の後退後に海が入りこんで形成された。スカンディナヴィア半島・南米南端など高緯度地方に見られる。フィヨール。峡湾。峡江。
フィヨルド
提供:NHK
ブイヨン【bouillon フランス】
牛・鶏の肉や骨に野菜を加え、水から煮出してとる出し汁。スープなどの土台として用いる。
フィラデルフィア【Philadelphia】
アメリカ北東部、ペンシルヴァニア州南東部の都市。1776年の独立宣言が発せられた地。費府。人口114万5千(2000)。
⇒フィラデルフィア‐びじゅつかん【フィラデルフィア美術館】
フィラデルフィア‐びじゅつかん【フィラデルフィア美術館】‥クワン
(Philadelphia Museum of Art)フィラデルフィアにある美術館。古代から現代のあらゆる地域・分野にわたる20万点以上の作品を収蔵。
⇒フィラデルフィア【Philadelphia】
フィラメント【filament】
電球・真空管などの内部にあって電流を流し、光や熱電子を放出させる金属の細い線。繊条。
フィラリア【filaria】
センビセンチュウ目の線虫の総称。蚊・虻あぶなどに媒介され、人・犬など動物に寄生する。糸状虫しじょうちゅう。
⇒フィラリア‐しょう【フィラリア症】
フィラリア‐しょう【フィラリア症】‥シヤウ
フィラリアの感染による疾病。日本ではバンクロフト糸状虫しじょうちゅう・マレー糸状虫によるものが主であったが、現在は常在しない。蚊による感染後、悪寒発熱・頭痛・全身違和が続き、ついでリンパ管閉塞により陰嚢水腫・乳糜にゅうび尿・血尿を呈する。長期にわたると象皮病を起こす。
⇒フィラリア【filaria】
フィランソロピー【philanthropy】
慈善。博愛。慈善活動。特に、企業の行うものをいう。
ふ‐いり【斑入り】
地の色とちがった色がまだらにまじっていること。植物の葉・花などに多く見られる。
ふ‐いり【不入り】
興行物に、客が多く入らないこと。↔大入り
フィリスティン【Philistine】
(→)ペリシテ人びとに同じ。
フィリップ【Philip イギリス・Philippe フランス】
(英語・フランス語の男子名。スペイン語のフェリーペ、イタリア語のフィリッポに当たる)フランス王。
①(2世)1180年即位。第3回十字軍に参加。イングランド王と戦って領土を拡大、司法・行政組織を整備し、カペー朝の権勢を内外に示した。(1165〜1223)
②(4世)1285年即位。国家統一につとめ、聖職者への課税をめぐって教皇ボニファティウス8世と争い、これを機に1302年最初の全国三部会を召集。09年教皇庁のアヴィニョン移転を強行し、教皇権に対する王権の優位を示した。(1268〜1314)→アヴィニョンの幽囚
フィリップ【Gérard Philipe】
フランスの俳優。主演映画「肉体の悪魔」「花咲ける騎士道」など。(1922〜1959)
フィリップ【Charles Louis Philippe】
フランスの小説家。庶民の生活を素朴な心で描く。作「ビュビュ‐ド‐モンパルナス」「若き日の手紙」など。(1874〜1909)
フィリップス【Philips】
オランダの電機製造会社。ヨーロッパ最大。1891年に電球製造会社として設立。通信・音響・医療機器などに多角化。
フィリップス‐きょくせん【フィリップス曲線】
(発見者であるイギリスの経済学者A. W. Phillips1914〜1975の名に因む)失業率と賃金上昇率との二律背反の関係を表した右下がりのグラフ。
フィリッポス【Philippos】
(2世)マケドニア王。アレクサンドロス大王の父。アテナイ・テーベ連合軍を破り、全ギリシアを制圧。(前382頃〜前336)
フィリピノ‐ご【フィリピノ語】
(Filipino)タガログ語を基本にスペイン語・英語などから借用語を取り入れたフィリピン共和国の国語。
フィリピン【Philippines・比律賓】
(スペイン国王フェリーペ2世の名に因む)アジア大陸の東方、ルソン島を主島とし、ミンダナオ・サマル・ネグロス・パナイ・パラワンなど7000余の島嶼とうしょから成る共和国。マゼランの来航を経て、16世紀以来スペイン領、米西戦争の結果1899年アメリカ領、1946年独立。古くから日本と交渉をもつ。面積30万平方キロメートル。人口8266万(2004)。言語はセブアノ語・タガログ語など八大言語を含め、八十数種にのぼる。住民の大多数はカトリック。公用語はフィリピノ語・英語。首都マニラ。→東南アジア(図)。
⇒フィリピン‐かいこう【フィリピン海溝】
⇒フィリピンかい‐プレート【フィリピン海プレート】
フィリピン‐かいこう【フィリピン海溝】
フィリピン群島のルソン島の南東沖からミンダナオ島の東方を経てハルマヘーラ島の北東沖に達する海溝。最深部は深さ1万57メートル。ミンダナオ海溝。
⇒フィリピン【Philippines・比律賓】
フィリピンかい‐プレート【フィリピン海プレート】
東は伊豆‐小笠原・マリアナ両海溝、北から西にかけては南海トラフ・琉球海溝・フィリピン海溝などに囲まれた海洋プレート。明瞭な中央海嶺がなく、主として縁海底として発達したと考えられる。
⇒フィリピン【Philippines・比律賓】
フィルター【filter】
①濾過ろか器。濾過装置。
②光の一部を吸収または透過するための特殊なガラス板。写真撮影・焼付・印刷製版・光学実験などに使う。光学フィルター。濾光板。
③電気回路で、ある範囲の周波数の電流を通過させ、他の周波数の電流を阻止するための回路または装置。濾波器。
④ニコチンなどを除去する、紙巻きタバコの吸口。
⇒フィルター‐プレス【filter press】
フィルダー‐チョイス
⇒フィールダーズ‐チョイス
フィルター‐プレス【filter press】
濾過すべき液を、ポンプで押し込み、濾紙または濾布を通してこしわける装置。圧濾器。
⇒フィルター【filter】
フィルダウシー【Firdausī】
イラン最大の詩人の一人。叙事詩「シャー‐ナーメ(王書)」の作者。(934〜1025)
フィル‐ダム【fill dam】
土砂・岩石など自然の材料を積みあげた部分を主体とするダム。→ロック‐フィル‐ダム
フィルタリング【filtering】
フィルターにかけること。特に、条件に合致するデータや、制限に抵触しないデータだけを通過させること。
フィルハーモニー【Philharmonie ドイツ】
(音楽愛好の意)音楽団体、特に管弦楽団の名称。「ベルリン‐―」
フィルム【film】
①薄皮。薄膜。
②写真感光材料の一つ。可撓かとう性の薄い透明プラスチック支持体上に、感光層を設けたもの。また、これを露光・現像処理して得たネガ、あるいはポジ。写真フィルム。→一眼レフ(図)。
③映画用の長巻フィルムの総称。
⇒フィルム‐アーカイブ【film archive】
⇒フィルム‐ノワール【film noir フランス】
⇒フィルム‐バッジ【film badge】
⇒フィルム‐ライブラリー【film library】
フィルム‐アーカイブ【film archive】
映画や映画関連資料を収集・保存し、修復・研究・上映を行う機関。映画資料館。
⇒フィルム【film】
フィルム‐ノワール【film noir フランス】
(黒い映画の意)1940〜50年代にアメリカで流行した犯罪映画のジャンル。光と闇のコントラスト、登場人物のナレーションなどの手法で孤独感を強調する。代表的な作品に「マルタの鷹」「飾窓の女」「黒い罠」など。
⇒フィルム【film】
フィルム‐バッジ【film badge】
放射線の被曝ひばく量を測定するためのケース入りの写真フィルム。一定期間、身につけたのち現像し、その濃度から被曝量を求める。
⇒フィルム【film】
フィルム‐ライブラリー【film library】
映画フィルムの保存施設。
⇒フィルム【film】
フィレ【filet フランス】
⇒ヒレ
フィレンツェ【Firenze】
(花の都の意)イタリア中部の都市。トスカーナ地方の重要都市で、ルネサンス文化の中心地。有名な建築物・美術品が多く、風光にもすぐれる。人口36万8千(2004)。英語名フローレンス。
⇒フィレンツェ‐は【フィレンツェ派】
フィレンツェ‐は【フィレンツェ派】
〔美〕(Scuola Fiorentina イタリア)13〜16世紀、フィレンツェを中心に活動した画派。ルネサンス美術の発展を主導し、ヨーロッパ各地に大きな影響を与えた。ジョット・マザッチオ・リッピ・フラ=アンジェリコ・ボッティチェリ・レオナルド=ダ=ヴィンチ・ミケランジェロなどがその代表。
⇒フィレンツェ【Firenze】
フィローズ‐シャー【Fīroz Shāh】
①ハルジー朝の始祖。奴隷王朝を簒奪。ジャラールッディーン=ハルジー。(在位1290〜1296)
②トゥグルク朝3世。ヒンドゥー教とイスラム文化の調和をはかる。(在位1351〜1388)
フィロソファー【philosopher】
哲学者。哲人。
フィロソフィー【philosophy】
(もとギリシア語で、「知を愛する」の意)(→)哲学。夏目漱石、それから「代助は固より斯こんな哲理フヒロソフヒーを嫂あによめに向つて講釈する気はない」
フィロデンドロン【Philodendron ラテン】
サトイモ科の蔓性観葉植物。ビロードカズラなどが代表的で、温室・室内で栽培。広義にはサトイモ科イモカズラ属植物(その学名)で、熱帯アメリカに約270種。着生植物も多い。葉は有柄で、5センチメートル程度の小形円形のものから1メートルを超える大形掌状のものまである。
ブイ‐ロボット【buoy robot】
海上で自動的に気象観測を行う装置。観測結果は衛星経由などで自動通報する。固定点方式と漂流式(移動式)とがある。
フィロロギー【Philologie ドイツ】
⇒フィロロジー
フィロロジー【philology イギリス・philologie フランス】
(もとギリシア語で、「語を愛する」の意)(→)文献学。
フィロン【Philōn】
アレクサンドリアのフィロン。ユダヤ人哲学者。ユダヤ教とギリシア哲学、特にプラトン哲学を結びつけ、神による世界創造を、イデアの創造と現実世界の創造の2段階からなるものと解した。新プラトン学派の先駆。著「創世記注釈」。(前13頃〜54頃)



ぶ‐い【無為】‥ヰ🔗⭐🔉
ぶ‐い【無為】‥ヰ
①自然にまかせ作為するところのないこと。何もしないでいるさま。むい。宇治拾遺物語10「又―に事いでこば、わが親たちいかにおはせんと」
②〔仏〕(→)「むい」2に同じ。太平記1「恩を捨て、―に入る道もしかなるべし」
③何事もなく、平穏なこと。謡曲、安宅「ただ何ともして―の儀しかるべからうずると存じ候」
ぶ‐い【無異】🔗⭐🔉
ぶ‐い【無異】
①何事も起こらず、変りのないこと。平穏なこと。
②健康。壮健。狂言、縄綯なわない「そちが頼うだ者は―な者ぢやとおしやつたが、思ひの外病身者ぢやな」
③おとなしいこと。狂言、布施無経ふせないきょう「あの犬は―な犬でござる程に、構はずとも通らせられい」
む【無・无】🔗⭐🔉
む‐あくふぞう【無悪不造】‥ザウ🔗⭐🔉
む‐あくふぞう【無悪不造】‥ザウ
悪事をほしいままにすること。太平記34「―の兵共が塔の九輪を下ろして鑵子に鋳たりし事こそ希代の罪業かな」
む‐あんない【無案内】🔗⭐🔉
む‐あんない【無案内】
⇒ぶあんない
む‐い【無位】‥ヰ🔗⭐🔉
む‐い【無位】‥ヰ
位のないこと。位階をもたないこと。無冠。平家物語1「高見の王無官―にして失せ給ひぬ」
む‐い【無畏】‥ヰ🔗⭐🔉
む‐い【無畏】‥ヰ
〔仏〕安穏で畏おそれのないこと。また、仏・菩薩が大衆だいしゅの中で法を説くのに、泰然として畏れるところのないこと。無所畏。栄華物語玉台「十力―の相は起居するにあり」→四無畏しむい
む‐い【無為】‥ヰ🔗⭐🔉
む‐い【無為】‥ヰ
①自然のままで作為のないこと。老子で、道のあり方をいう。ぶい。平家物語5「尭舜―の化をうたひ」
②〔仏〕因縁によって生成されたものでないもの。生滅変化を離れた永遠の存在。特に、仏の涅槃、また、仏法者の生活、仏門を意味する。今昔物語集1「永く―を得て解脱の岸に至れり」。謡曲、高野物狂「此の身を捨てて―に入らば」↔有為うい。
③何もしないでぶらぶらしていること。「―無策」「―に過ごす」
⇒無為にして化す
む‐い【無意】🔗⭐🔉
む‐い【無意】
故意でないこと。また、意志を持たないこと。「―的な行為」
む‐いき【無意気】🔗⭐🔉
む‐いき【無意気】
思いやりのないこと。頑固であること。松の葉2「急せかせ言葉の―の時は」。「―者」
⇒むいき‐りき【無意気力】
む‐いぎ【無意義】🔗⭐🔉
む‐いぎ【無意義】
意味のないこと。価値のないこと。無意味。「―に時間を費やす」
むいき‐りき【無意気力】🔗⭐🔉
むいき‐りき【無意気力】
無意気な者の出す力。ばか力。浄瑠璃、山崎与次兵衛寿の門松「どれに下地の―」
⇒む‐いき【無意気】
む‐いしき【無意識】🔗⭐🔉
む‐いしき【無意識】
①意識を失っていること。「―状態」
②ある事をしながら、自分のしていることに気づかないこと。「―に鼻をこする」
③精神分析の用語。本人は意識していないが日常の精神に影響を与えている心の深層。→前意識→下意識。
⇒むいしき‐てき【無意識的】
⇒むいしき‐の‐てつがく【無意識の哲学】
むいしき‐てき【無意識的】🔗⭐🔉
むいしき‐てき【無意識的】
無意識であるさま。
⇒む‐いしき【無意識】
むいしき‐の‐てつがく【無意識の哲学】🔗⭐🔉
むいしき‐の‐てつがく【無意識の哲学】
「ハルトマン(E. v. Hartmann)」参照。
⇒む‐いしき【無意識】
むい‐せ【無畏施】‥ヰ‥🔗⭐🔉
むい‐せ【無畏施】‥ヰ‥
〔仏〕三施の一つ。一切の衆生しゅじょうに畏怖の念がないようにさせること。
むい‐そん【無医村】🔗⭐🔉
むい‐そん【無医村】
定住する医者のいない村。「―地区」
むい‐としょく【無為徒食】‥ヰ‥🔗⭐🔉
むい‐としょく【無為徒食】‥ヰ‥
何の仕事もせず、ぶらぶらと遊び暮らすこと。「―の輩やから」
○無為にして化すむいにしてかす
[老子第57章「我無為にして民自ら化す」]ことさら手段を用いなくても、自然のままにまかせておけば人民は自然に感化される。聖人の理想的な政治のあり方をいう。
⇒む‐い【無為】
○無為にして化すむいにしてかす🔗⭐🔉
○無為にして化すむいにしてかす
[老子第57章「我無為にして民自ら化す」]ことさら手段を用いなくても、自然のままにまかせておけば人民は自然に感化される。聖人の理想的な政治のあり方をいう。
⇒む‐い【無為】
むい‐の‐しんにん【無位の真人】‥ヰ‥
〔仏〕臨済の言葉。貴賤・凡聖など一切の位づけを超越した真実の人間のあり方。真人は「荘子」にある語。
むい‐ほう【無為法】‥ヰホフ
〔仏〕因縁によって生成されたものでないもの。涅槃などをいう。↔有為法ういほう
む‐いみ【無意味】
意味のないこと。価値のないこと。つまらないこと。無意義。ナンセンス。「―な議論をくり返す」「今から行くのは―だ」
⇒むいみ‐つづり【無意味綴り】
むいみ‐つづり【無意味綴り】
主に記憶の実験に用いる目的で作られた、意味のない綴り字。エビングハウスの考案。例えば「XAC」「アヨ」など。
⇒む‐いみ【無意味】
むい‐むかん【無位無官】‥ヰ‥クワン
位もなく、官職にもついていないこと。肩書きなどがないこと。
むい‐むかん【無位無冠】‥ヰ‥クワン
位もなく、栄誉ある官職にもついていないこと。
むい‐むさく【無為無策】‥ヰ‥
ほどこす手立ても持たず、何も対処しないこと。
む‐いん【無韻】‥ヰン
詩で、韻をふまないこと。
⇒むいん‐し【無韻詩】
⇒むいん‐の‐し【無韻の詩】
むいん‐こうい【無因行為】‥カウヰ
〔法〕財産上の出捐しゅつえん行為をその原因と切り離して考え、原因が欠けてもなお有効とされる法律行為。手形行為はその適例であり、手形・小切手は無因証券といわれる。↔有因行為
むいん‐し【無韻詩】‥ヰン‥
(blank verse)16世紀にイギリスに起こり、ドイツ古典派も用いた詩形。通常、弱強5脚の韻をふまない詩。シェークスピアの詩劇やミルトンの「失楽園」の類。↔押韻詩。
⇒む‐いん【無韻】
むいん‐しょうけん【無因証券】
証券上の権利の発生が、証券発行の原因である法律関係の有効な存在を要件としない有価証券。手形・小切手がその例。不要因証券。↔要因証券
むいん‐の‐し【無韻の詩】‥ヰン‥
(「無声の詩」とも)
①韻をふまない詩。
②絵画の異称。
⇒む‐いん【無韻】
む‐う【無有】
無と有。ないこととあること。有無うむ。
むう
〔感〕
口を結んで発する声。狂言、音曲聟「かう三つ拍子を打て―といふ。これを調子を吟ずるといふ」
ムーア【George Augustus Moore】
アイルランドの小説家・詩人。社会派の小説「エスター=ウォーターズ」、パリでの退廃的な生活を描いた自伝「一青年の告白」など。(1852〜1933)
ムーア【George Edward Moore】
イギリスの哲学者。分析哲学の首唱者。認識論では実在論の立場をとり、倫理学では、善とは定義不可能な直覚的に知られる客観的性質であるとした。主著「倫理学原理」。(1873〜1958)
ムーア【Henry Moore】
イギリスの彫刻家。生命力を内包する人体を有機的に抽象化した彫刻を制作。(1898〜1986)
ムーア【Marianne Craig Moore】
アメリカの女性詩人。20世紀初めの新詩運動で活躍。詩集「観察」「歳月とは」など。(1887〜1972)
ムーア‐じん【ムーア人】
(Moor)ヨーロッパで、マグリブ(北西アフリカ)地方のイスラム教徒の呼称。元来はマグリブの先住民(ベルベル)を指し、8世紀にはイベリア半島を征服したイスラム教徒を指すようになり、さらに11世紀以後、北西アフリカのイスラム教徒の呼称となり、15世紀頃からは漠然とイスラム教徒一般をも指す。モール。モロ。
ムーア‐の‐ほうそく【ムーアの法則】‥ハフ‥
半導体技術の進歩に関する経験則で、チップに集積されるトランジスターの数は18カ月で倍増するというもの。アメリカの化学者・実業家ムーア(Gordon Moore1929〜)が1965年に提唱。
むう‐げ【無憂華】
(ムユウゲとも)無憂樹むうじゅの花。
ムーサイ【Musai ギリシア】
⇒ミューズ
むう‐じゅ【無憂樹】
(梵語aśoka)釈尊の生母摩耶夫人まやぶにんが出産のため生家に帰る途中、藍毘尼園らんびにおんの樹の下で釈尊を生んだ。安産であったため、この樹を無憂樹といい、その花を無憂華むうげという。阿輸迦あしゅか樹。
ムージル【Robert Musil】
オーストリアの小説家。ナチス時代スイスに亡命、客死。未完の「特性のない男」は伝統的な小説形式を破る心理主義の大作。(1880〜1942)
ムース【moose】
〔動〕アメリカでヘラジカのこと。→エルク
ムース【mousse フランス】
(泡の意)
①ピューレ状にした材料に泡立てた生クリーム・卵白などを加えて、口当りがなめらかで、ふんわりとした感じに仕上げた料理・菓子。
チョコレートムース
撮影:関戸 勇
ヨーグルトムース
撮影:関戸 勇
②泡状の整髪料。商標名。
ムーズ【Meuse】
マース(川)のフランス語名。
ムー‐たいりく【ムー大陸】
(Mu)太平洋に存在したとされる空想上の大陸。ハワイ・タヒチ・イースターなどの諸島を含んだが、海中に没したとされる。
む‐うちゅう‐ろん【無宇宙論】‥チウ‥
(acosmism)宇宙および宇宙の諸事物に十分な実在性を認めず、それを神の様態と見る説(スピノザ)、あるいは一なる不変の存在を立てて事物の多を否定し、あらゆる個物を幻影にすぎないと考える説(エレア学派)など。ヘーゲルがスピノザ哲学を評した言葉。無世界説。→汎神論
ムーディー【moody】
(本来、「不機嫌な」「気まぐれな」の意)甘美なムードのあるさま。「―な店」
ムーディーズ
(Moody's Investors Service)アメリカの投資情報会社。ムーディー(John M.1868〜1958)が1900年に設立。09年より企業等の債券の元利払いの確実性を格付けし、発表。
ムート【Mwt】
古代エジプトの女神。古代エジプト語で母の意。ヒエログリフではハゲワシで表された。アモン‐ラーの妃。
ムード【mood】
①気分。情調。雰囲気。「―が高まる」「あきらめ―」
②〔言〕法。
⇒ムード‐おんがく【ムード音楽】
⇒ムード‐メーカー
ムード‐おんがく【ムード音楽】
気分をやわらげ、甘くやさしい雰囲気を作り上げるのに効果的な音楽。ムード‐ミュージック。イージー‐リスニング。
⇒ムード【mood】
ムード‐メーカー
(和製語mood maker)その場の雰囲気を盛り上げる人。
⇒ムード【mood】
ムートン【mouton フランス・ イギリス】
羊の毛皮。また、羊皮。シープスキン。
ムーニエ【Constantin Meunier】
ベルギーの彫刻家・画家。写実的な表現で近代彫刻を開拓。(1831〜1905)
ムービー【movie】
映画。
ムーブマン【mouvement フランス】
⇒ムーブメント
ムーブメント【movement】
①動き。躍動感。
②政治上・芸術上などの運動。
③〔音〕楽章。
④時計などの機械部分。
ムームー【muu-muu ハワイ】
(もとハワイ先住民の)ゆるやかなワンピース型の婦人服。
ムーラン‐ルージュ【Moulin-Rouge フランス】
(「赤い風車」の意)
①1889年、パリのモンマルトルに開設されたダンスホールと酒場、のちレビュー劇場の名。
②1931年、東京新宿に開設された小劇場の名。
ムール‐がい【ムール貝】‥ガヒ
(mouleはフランス語でイガイのこと)ムラサキイガイの食品・料理上の名前。地中海料理によく使われる。→むらさきいがい
ムーン【moon】
地球の衛星。月。
⇒ムーン‐ストーン【moonstone】
⇒ムーン‐ライト【moonlight】
⇒ムーンライト‐ソナタ【Moonlight Sonata】
ムーン‐ストーン【moonstone】
(→)月長石げっちょうせき。
⇒ムーン【moon】
ムーン‐ライト【moonlight】
月の光。月光。
⇒ムーン【moon】
ムーンライト‐ソナタ【Moonlight Sonata】
ベートーヴェン作曲のピアノソナタ嬰ハ短調(作品27の2)の通称。月光の曲。月光。
⇒ムーン【moon】
む‐え【無依】
〔仏〕何事にも依存せず執着のないこと。笈の小文「あるは―の道者の跡をしたひ」
むえい‐とう【無影灯】
外科的手術に用いる照明灯。広い範囲から光を出し、手術部に集まるように設計されており、深部の操作にも影をつくりにくい。
む‐えき【無射】
⇒ぶえき
む‐えき【無益】
利益のないこと。役に立たないこと。むだ。むやく。「―な殺生せっしょう」「―な議論」↔有益
ムエ‐タイ【muay thai タイ】
タイ国式ボクシング。拳こぶしのほか、肘ひじ・脚・膝を用いて相手を倒す競技。タイの国技。
む‐えん【無援】‥ヱン
たすけのないこと。「孤立―」
む‐えん【無煙】
煙を立てないこと。煙の出ないこと。
⇒むえん‐かやく【無煙火薬】
⇒むえん‐たん【無煙炭】
む‐えん【無鉛】
鉛なまりを含まないこと。
⇒むえん‐おしろい【無鉛白粉】
⇒むえん‐ガソリン【無鉛ガソリン】
む‐えん【無塩】
塩分のないこと。塩気を含まないこと。
⇒むえん‐しょうゆ【無塩醤油】
⇒むえんしょく‐りょうほう【無塩食療法】
⇒むえん‐りょうほう【無塩療法】
む‐えん【無縁】
①縁のないこと。関係がないこと。「金銭とは―だ」
②〔仏〕
㋐前世において仏・菩薩に因縁を結んだことのないこと。平家物語2「有縁うえんの衆生をみちびき、―の群類をすくはむがために」↔有縁。
㋑死者を弔う縁者のないこと。「―塚」
㋒(縁は対象を区別して認識する意)特定の対象を離れ、平等で差別のないこと。性霊集8「一切の諸尊、―の慈をもて孝子の願を照らし」
⇒むえん‐じょ【無縁所】
⇒むえん‐づか【無縁塚】
⇒むえん‐でら【無縁寺】
⇒むえん‐ほうかい【無縁法界】
⇒むえん‐ぼち【無縁墓地】
⇒むえん‐ぼとけ【無縁仏】
⇒無縁の慈悲
む‐えん【夢魘】
恐ろしい夢を見てうなされること。
むえん‐おしろい【無鉛白粉】
鉛白えんぱくを含まない白粉。
⇒む‐えん【無鉛】
むえん‐ガソリン【無鉛ガソリン】
アンチノック剤としての四エチル鉛などを含まないガソリン。
⇒む‐えん【無鉛】
むえん‐かやく【無煙火薬】‥クワ‥
綿火薬とニトログリセリンとを主剤とする火薬。黒色火薬にくらべて発煙量が少ない。
⇒む‐えん【無煙】
むえん‐じょ【無縁所】
知行・所領もなければ檀徒などもない寺。〈日葡辞書〉
⇒む‐えん【無縁】
むえん‐しょうゆ【無塩醤油】‥シヤウ‥
食塩を含まない醤油。主成分はリンゴ酸ナトリウム。
⇒む‐えん【無塩】
むえんしょく‐りょうほう【無塩食療法】‥レウハフ
食塩の量を極度に制限する食餌療法。腎臓疾患などの場合に行う。無塩療法。
⇒む‐えん【無塩】
むえん‐たん【無煙炭】
石炭のうち最も石炭化度の高いもの。黒色で金属光沢があり、質が硬い。不純物が少ないため燃焼に際して発煙せず、着火点は高い(セ氏490度)が発熱量が大きい。工業用・家庭用。
⇒む‐えん【無煙】
むえん‐づか【無縁塚】
弔う縁者のない死者の墓。無縁墓。
⇒む‐えん【無縁】
むえん‐でら【無縁寺】
無縁の死者を葬る寺。むえんじ。
⇒む‐えん【無縁】


むい‐の‐しんにん【無位の真人】‥ヰ‥🔗⭐🔉
むい‐の‐しんにん【無位の真人】‥ヰ‥
〔仏〕臨済の言葉。貴賤・凡聖など一切の位づけを超越した真実の人間のあり方。真人は「荘子」にある語。
むい‐ほう【無為法】‥ヰホフ🔗⭐🔉
むい‐ほう【無為法】‥ヰホフ
〔仏〕因縁によって生成されたものでないもの。涅槃などをいう。↔有為法ういほう
む‐いみ【無意味】🔗⭐🔉
む‐いみ【無意味】
意味のないこと。価値のないこと。つまらないこと。無意義。ナンセンス。「―な議論をくり返す」「今から行くのは―だ」
⇒むいみ‐つづり【無意味綴り】
むいみ‐つづり【無意味綴り】🔗⭐🔉
むいみ‐つづり【無意味綴り】
主に記憶の実験に用いる目的で作られた、意味のない綴り字。エビングハウスの考案。例えば「XAC」「アヨ」など。
⇒む‐いみ【無意味】
むい‐むかん【無位無官】‥ヰ‥クワン🔗⭐🔉
むい‐むかん【無位無官】‥ヰ‥クワン
位もなく、官職にもついていないこと。肩書きなどがないこと。
むい‐むかん【無位無冠】‥ヰ‥クワン🔗⭐🔉
むい‐むかん【無位無冠】‥ヰ‥クワン
位もなく、栄誉ある官職にもついていないこと。
むい‐むさく【無為無策】‥ヰ‥🔗⭐🔉
むい‐むさく【無為無策】‥ヰ‥
ほどこす手立ても持たず、何も対処しないこと。
む‐え【無依】🔗⭐🔉
む‐え【無依】
〔仏〕何事にも依存せず執着のないこと。笈の小文「あるは―の道者の跡をしたひ」
むがわせ‐ゆしゅつ【無為替輸出】‥ガハセ‥🔗⭐🔉
むがわせ‐ゆしゅつ【無為替輸出】‥ガハセ‥
荷為替の取組みをしないで行う輸出。
むがわせ‐ゆにゅう【無為替輸入】‥ガハセ‥ニフ🔗⭐🔉
むがわせ‐ゆにゅう【無為替輸入】‥ガハセ‥ニフ
荷為替を伴わない物品の輸入。
○無に帰するむにきする🔗⭐🔉
○無に帰するむにきする
何もない状態に戻る。また、努力や仕事が無駄になる。無になる。
⇒む【無・无】
○無になるむになる🔗⭐🔉
○無になるむになる
(→)「無に帰する」に同じ。
⇒む【無・无】
むにねん‐うちはらいれい【無二念打払令】‥ハラヒ‥
異国船打払令のこと。
むに‐むさん【無二無三】
(ムニムザンとも)
①〔仏〕法華経に説く、成仏の道はただ一乗であって、二乗も三乗もないこと。無二亦無三むにやくむさん。
②ただ一つだけで他に類のないこと。唯一無二。
③脇目もふらず、ひたすらなさま。しゃにむに。浄瑠璃、仮名手本忠臣蔵「朱に染んだ体をば、―に引ずり出し」
むにゃ‐むにゃ
不明瞭に口の中でものを言うさま。「―と呪文を唱える」
む‐にょう【無尿】‥ネウ
腎臓の機能停止または尿管の閉鎖などの原因で、排尿がない病状。
む‐にん【無人】
①人が住んでないこと。むじん。「―の境きょう」
②人手がないこと。
⇒むにん‐あおがんぴ【無人青雁皮】
⇒むにん‐しま【無人島】
⇒むにん‐つつじ【無人躑躅】
⇒むにん‐とう【無人島】
⇒むにん‐のぼたん【無人野牡丹】
⇒むにん‐ふともも【無人蒲桃】
むにん‐あおがんぴ【無人青雁皮】‥アヲ‥
小笠原諸島に固有のジンチョウゲ科の落葉低木。黄緑色の筒型の小花を葉腋に付ける。
⇒む‐にん【無人】
むにんか‐きょうさい【無認可共済】
一定の地域または職域に属する者が共同の基金を形成し一定の給付を行う共済のうち、法律上の根拠を持たないもの。
むにん‐しま【無人島】
小笠原諸島の旧名。英語名のBonin Islandsのもととなった。同諸島に固有の動植物名にムニンを冠するものが多い。
⇒む‐にん【無人】
む‐にんじょう【無人声】‥ジヤウ
人声がないこと。平家物語10「郷里を離れて―」
むにんしょ‐だいじん【無任所大臣】
各省大臣として行政事務を分担管理しない国務大臣の俗称。
むにん‐つつじ【無人躑躅】
小笠原諸島父島に産するツツジの一種。花は春に咲き、径4センチメートルほどで白い。絶滅寸前で、人工増殖で植え戻されている。オガサワラツツジ。
⇒む‐にん【無人】
むにん‐とう【無人島】‥タウ
⇒むじんとう。
⇒む‐にん【無人】
むにん‐のぼたん【無人野牡丹】
小笠原諸島の父島に産するノボタン科の低木。淡紅色4弁の美花をつける。一時絶滅とされたが、人工増殖された。
⇒む‐にん【無人】
むにん‐ふともも【無人蒲桃】
小笠原諸島に固有のフトモモ科の常緑高木。赤色の雄しべの目立つ花を付ける。絶滅危惧種。
⇒む‐にん【無人】
む‐にんべつ【無人別】
人別帳に記入のないこと。
むね【宗・旨】
①主とすること。中心とすること。また、そのもの。栄華物語根合「歌を―としたる事に、など悪きものに書かすべき」。「質素を―とする」
②《旨》事のおもむき。趣意。三蔵法師伝延久点「其の有らゆる深き致ムネ、亦一に十を斯に尽しつ」。源氏物語蛍「方等経の中におほかれど、いひもてゆけば一つ―にありて」。「その―お伝え下さい」
むね【胸】
①体の前面、首と腹との間。また、そこに収まっている内臓。ときに乳房をさす。古事記上「沫雪の若やる―を」。「空気を―一杯に吸う」「―がどきどきする」「―が大きい」
②胸の病。(また胃の病とも)枕草子188「病は。―、もののけ、あしのけ」
③心。思い。心中。万葉集15「吾あが―痛し恋の繁きに」。「―に秘める」「―のうちを明かす」
④衣服の胸にあたる所。えもん。
⇒胸開く
⇒胸が熱くなる
⇒胸が痛む
⇒胸が一杯になる
⇒胸が躍る
⇒胸が焦がる
⇒胸が裂ける
⇒胸が騒ぐ
⇒胸がすく
⇒胸が狭い
⇒胸がつかえる
⇒胸が潰れる
⇒胸がつまる
⇒胸がとどろく
⇒胸が煮える
⇒胸が晴れる
⇒胸が塞がる
⇒胸が焼ける
⇒胸が悪い
⇒胸に当たる
⇒胸に余る
⇒胸に一物
⇒胸に納める
⇒胸に聞く
⇒胸に刻む
⇒胸に釘打つ
⇒胸に応える
⇒胸に据えかねる
⇒胸に迫る
⇒胸に畳む
⇒胸に手を置く
⇒胸に鑢を掛く
⇒胸の痞えが下りる
⇒胸の隙あく
⇒胸走る
⇒胸拉ぐ
⇒胸を痛める
⇒胸を打つ
⇒胸を躍らせる
⇒胸を借りる
⇒胸を焦がす
⇒胸を叩く
⇒胸を突く
⇒胸を撫で下ろす
⇒胸を張る
⇒胸を冷やす
⇒胸をふくらませる
⇒胸を割る
むね【棟】
①〔建〕
㋐屋根の最も高い水平部分。二つの屋根面の相交わる部分。位置と構造とによって大棟・隅棟・箱棟などがある。〈倭名類聚鈔10〉
㋑棟木むなぎ。
②牛車ぎっしゃの屋形の上の中央部に前後に渡した木。→牛車(図)。
③家屋を棟ごとに指していう語。また、家屋の数を数える語。「隣の―」「3―全焼」
④(「刀背」「
」とも書く)刀のみね。→刀(図)

む‐やみ【無闇】🔗⭐🔉
む‐やみ【無闇】
①前後を考えないさま。理非を分別しないさま。「―なやり方だ」
②度を越すさま。「―にかわいがる」「―に暑い」
⇒むやみ‐やたら【無闇矢鱈】
むやみ‐やたら【無闇矢鱈】🔗⭐🔉
むやみ‐やたら【無闇矢鱈】
「むやみ」を強めていう語。むちゃくちゃ。「―に腹が立つ」「―と食べる」
⇒む‐やみ【無闇】
[漢]無🔗⭐🔉
無 字形
筆順
〔火(灬)部8画/12画/教育/4421・4C35〕
〔音〕ム(呉) ブ(漢)
〔訓〕ない
[意味]
①ない。存在しない。欠けている。(対)有。「無から有ゆうを生ずる」「有無うむ・皆無・無名・無理・無事ぶじ・無礼ぶれい・無意味・無愛想ぶあいそう」
②…でない。…できない。あらず。…するなかれ。「無数・無量・無器用ぶきよう」▶否定・禁止を表す。
③むだ。ないがしろにする。なみする。「好意を無にする」「努力が無になる」「無視・無法」
[解字]
解字
人が両手に飾りを持って舞う姿を描いた象形文字。「舞」の原字。もと、「ない」の意は「无」で表したが、同音の「無」を用いるようになった。簡体字は「无」。
[下ツキ
有無・皆無・虚無・絶無・南無なむ
[難読]
無花果いちじく・無患子むくろじ



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